JP3045407B2 - 賦型フィルム - Google Patents

賦型フィルム

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JP3045407B2 JP8256491A JP8256491A JP3045407B2 JP 3045407 B2 JP3045407 B2 JP 3045407B2 JP 8256491 A JP8256491 A JP 8256491A JP 8256491 A JP8256491 A JP 8256491A JP 3045407 B2 JP3045407 B2 JP 3045407B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、転写、メラミン成形、
プレス成形等に用いられ、それらの成形体の表面に微細
な凹凸を付与できる賦型フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、成形体の表面に微細な凹凸、すな
わち、マットと呼ばれる艶消し表面を形成する技術とし
て以下に述べるものがあった。はじめに、転写シートに
よる被転写体の表面に微細な凹凸を形成する技術につい
て説明する。転写シートは、剥離性の基材シート上に、
剥離層、絵柄層、接着剤層からなる転写層を形成してな
るものであり、この転写シートを、別の被転写体に接触
させ、被転写体表面に接着層、絵柄層、剥離層の順に移
行させて転写する技術である。したがって、被転写体の
最表面は剥離層となる。従来、このような被転写体の表
面に凹凸模様を形成するには、予め剥離性の基材シート
の表面に、凹凸模様を形成したものを用い、この上に転
写層を形成して、被転写体に接触させ、転写を行なって
いた。この転写により被転写体の表面には、凹凸模様を
有する転写層が移行し、マット状の表面を得ていた。
【0003】つぎに、成形体の表面に微細な凹凸を形成
する従来の技術について説明する。成形品には、例え
ば、化粧板があり、これは、化粧原紙を熱硬化性樹脂で
含浸し、乾燥したものを、コアー紙、オーバーレイ紙、
基材と共に積層し、これを上下熱盤間に金属鏡面板を介
して挟み加熱圧締したものである。このような化粧板に
は、例えば、フェノール樹脂含浸コア紙4枚程度の上に
メラミン樹脂含浸紙を積層し、さらにその上にオーバー
レイ紙をメラミン樹脂で含浸したものを積層して加熱圧
締したメラミン化粧板がある。また、他の例として、ジ
アリルフタレート(DAP)樹脂含浸紙を板状基材の上
に順次積み重ね、加熱圧締したDAP化粧板がある。こ
れらの化粧板の表面に凹凸を付与する場合には、鏡面板
の間に、表面に凹凸を形成した賦型フィルムを挿入して
前記板状基材を挟み、加熱圧締して成形し、その後、離
型して表面に凹凸を有する化粧板を得ていた。
【0004】さらに、成形品の他の例としては、電離放
射線硬化性樹脂を被塗物の表面に塗工して、その上に表
面に凹凸を形成した賦型フィルムを覆い、電離放射線を
照射して塗膜を硬化させ、表面に凹凸を形成した賦型フ
ィルムを剥離して、表面に凹凸を有する被塗物を得てい
た。さらにまた、成形品の他の例としては、賦型フィル
ムを、不飽和ポリエステル樹脂が含浸されたものに被
せ、該樹脂を硬化させ、賦型フィルムを剥離して、表面
に凹凸を有する成形体を得ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の凹凸模様を形成した賦型フィルムを用いて製造され
た成形体は、それらの表面はマット状になっているが、
触った感じが、ツルツルしていたり、ざらざらしていた
りして、ヌメリ感がなかった。そこで、本発明は成形体
の表面が、しっとりとした、ヌメリ感のある、スエード
調の成形体を製造することができる賦型フィルムを提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記した問題点を解決す
るために、本発明は、賦型フィルムの表面に砂目形状の
微細な凹凸表面が形成されているものであり、その凹凸
表面は、凹凸の平均間隔が20〜50μm、凹凸の平均
表面粗さRaが0.7〜2.0μmとしたものである。
このような特定数値範囲の砂目形状とすることにより、
触った感じが、しっとりとしたヌメリ感のある艶消し表
面を得ることができる。この感触は、ツルツル、または
テカテカしたものではなく、それでいて、ザラザラした
感じとは異なり、柔らかな、スエードのような滑らかさ
で、或種の高級感を漂わせるものである。
【0007】そして、本発明の賦型フィルムは、基材フ
ィルム1と基材フィルム1上に積層された凹凸層2から
形成されているものである。その基材フィルム1の材質
にPETフィルムを用い、積層された凹凸層2が基材フ
ィルム1から剥がれないようにするために、本発明は、
基材フィルム1に易接着処理がされているものである。
このような易接着処理には、フィルム表面にコロナ放電
処理や公知の各種プライマーを塗工したり、感熱接着剤
層を形成するものである。
【0008】そして、基材フィルム1上に形成する凹凸
層2は、無機系フィラーとバインダー樹脂からなる樹脂
組成物を用いて形成されたものである。そのバインダー
樹脂は、主としてポリイソシアネートで架橋されたアク
リルポリオールを用い、フィラーとしては、炭酸カルシ
ウムCaCO3 およびシリカゲルSiO2 を用いたもの
である。炭酸カルシウムとシリカゲルとの添加重量比は
20:10〜29:1であり、主たるフィラーである炭
酸カルシウムの粒径は2〜5μm、望ましくは3μmと
する。また、シリカゲルの平均粒径は炭酸カルシウムの
粒径の3倍程度とする。そのシリカゲルは、賦型フィル
ムの表面粗さを調整するために働くものであり、シリカ
ゲルを添加せずに炭酸カルシウムだけを使用した場合
は、得られた表面がフラットに近くなり、前記の目的の
表面が得られない。また、シリカゲルは、炭酸カルシウ
ムが沈降するのを防ぐ働きもする。
【0009】本発明の賦型フィルムの基材フィルム1の
材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンテレフタレート−イソフタレート共重合体、等のポリ
エステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメ
チルペンテン、等のポリオレフィン樹脂、ポリフッ化ビ
ニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、
エチレン−4フッ化エチレン共重合体、等のポリフッ化
エチレン系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリア
ミド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸共重合体、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアルコー
ル共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン、等のビ
ニル共重合体、三酢酸セルロース、セロファン、等のセ
ルロース系樹脂、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアク
リル酸ブチル、等のアクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ
カーボネート、ポリアリレート、ポリイミド、等の合成
樹脂、あるいは、上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸
紙、等の紙が用いられる。
【0010】この基材フィルム1に凹凸層2を塗工する
方法は、スリットリバースコーティングによって行な
う。このコーティング方式を採用する理由は、グラビア
コート等の通常のコーティング方式だと凹凸層2を形成
する樹脂組成物中のフィラー粒子が輪を書くように流れ
て賦型フィルム上に筋を形成してしまうからである。し
たがって、本発明では、そのような筋を形成しないよう
に、塗工方式として、塗膜にある程度厚みを形成できる
図3に示す、スリットリバースコート方式によって塗布
したものである。図3に、スリットリバースコートの概
要を示す。ノズル塗工装置4から吐出された樹脂組成物
は、バックアップロール6上に走行している基材フィル
ム1に塗布され、次いでスクイズロール5によって塗膜
厚を規制されて塗工される。
【0011】さらに、本発明は、本発明の賦型フィルム
の凹凸層2中に離型剤を含有させたものである。その離
型剤には、シリコーン、フッ素系樹脂、各種ワックス等
が用いられる。本発明は、賦型フィルムを転写シートの
基材フィルム1に用い、その基材フィルム1上の凹凸層
2からなる離型層に離型剤を含有させることによって、
基材フィルム1上の離型層上に形成された転写層が、被
転写体に容易に移行する。離型材は、バインダーとの相
溶性を考え、あまり表面にブリードしないようにしなけ
ればならない。表面への多量のブリードがあると賦型フ
ィルムの凹凸層2にムラが生じてしまう。このようなム
ラを無くすためには、凹凸層2形成のバインダ樹脂との
相溶性の良い組み合わせが重要である。例えば、アクリ
ルポリオールをバインダーに用いた場合は、それとの相
溶性のよいアミノ変性シリコーンオイルを用いる。ま
た、離型剤の添加量は少な過ぎると剥離が重くなり、多
過ぎると凹凸層成形樹脂と基材フィルム1との密着が低
下することから、0〜8重量%、好ましくは0.1〜5
重量%がよい。
【0012】そして、本発明の賦型フィルム上に転写層
を形成し、該フィルムを被転写体に接触させ、転写層を
被転写体に転移させることによって、表面に微細な凹凸
を有し、表面の触った感じが、しっとりとしたヌメリ感
のある、しかも、柔らかで、スエードのように滑らか
な、転写層が転写された成形体を得ることができる。賦
型フィルムに転写層を形成し、被転写体に転写を行なう
方法は公知の方法、例えば、前記従来技術の欄で示した
方法を適用できる。
【0013】また、本発明の賦型フィルムを、加熱圧板
間に圧締して成形される成形品と圧板の間に挿入して成
形することにより、表面に微細な凹凸を有するプレス成
形体を得ることができる。このような成形体としては、
例えば、メラミン化粧板、DAP化粧板等がある。表面
に凹凸を形成したメラミン化粧板を製造するには、フェ
ノール樹脂含浸コア紙4枚程度の上にメラミン樹脂含浸
シート、さらにその上にメラミン樹脂を含浸したオーバ
ーレイ紙を積層し、2枚の鏡面金属板の間に挟み、本発
明の賦型フィルムを挿入して、例えば、100kg/c
2 、135℃で20分間、加熱圧締を行なうことによ
り、触った感じが、しっとりとしたヌメリ感のある、し
かも、柔らかで、スエードのように滑らかな、表面に微
細な凹凸を有するメラミン化粧板を得る。
【0014】また、表面に凹凸を形成したDAP化粧板
を製造するには、ジアリルフタレート樹脂含浸紙を板状
基材の上に順次積み重ねて、メラミン化粧板の製造方法
と同様に、鏡面金属板の間で、本発明の賦型フィルムを
使用して、140〜150℃、15kg/cm2 、10
分程度加熱圧締を行なうことにより、触った感じが、し
っとりとしたヌメリ感のある、しかも、柔らかで、スエ
ードのように滑らかな、表面に微細な凹凸を有するDA
P化粧板を得ることができる。
【0015】さらに、本発明の賦型フィルムによれば、
電離放射線硬化性樹脂を被塗物の表面に塗工して、その
上に賦型フィルムを覆い紫外線、電子線等の電離放射線
を照射して塗膜を硬化させ、その後、賦型フィルムを剥
離することにより、触った感じが、しっとりとしたヌメ
リ感のある、しかも、柔らかで、スエードのように滑ら
かな、表面に微細な凹凸を有する被塗物を得ることがで
きる。
【0016】前記電離放射線硬化性樹脂には電子線硬化
樹脂と紫外線硬化樹脂とがあり、紫外線硬化樹脂が光重
合開始剤や増感剤を含有することを除いて両者の成分は
ほぼ同じである。電離放射線硬化性樹脂は、一般的には
被膜形成成分として、その溶液中にラジカル重合性の二
重結合を有するポリマー、オリゴマー、モノマー等を主
成分とし、その他必要に応じて非反応性のポリマー、有
機溶剤、ワックスその他の添加剤を含有するものであ
る。
【0017】また、電離放射線硬化性樹脂に用いられる
皮膜形成成分は、好ましくは、アクリレート系の官能基
を有するもの、例えば、比較的低分子量のポリエステル
樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹
脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール
樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹
脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリ
レート等のオリゴマーまたはプレポリマーおよび反応性
希釈剤としてエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキ
シル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレ
ン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多
官能モノマー、例えば、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アク
リレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、
1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネ
オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を比較
的多量に含有するものである。
【0018】さらに、上記の電離放射線硬化性樹脂を紫
外線硬化性樹脂とするには、この中に光重合開始剤とし
て、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベ
ンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テ
トラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン
類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルア
ミン、トリーn−ブチルホスフィン等を混合して用いる
ことができる。特に本発明では、ポリエステルアクリレ
ートにジアリルフタレートを添加したものが好ましい。
【0019】これらの電離放射線硬化性樹脂の硬化方法
は通常の硬化方法、即ち、電子線または紫外線の照射に
よって硬化することができる。例えば、電子線硬化の場
合にはコックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振
変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン
型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される50
〜1000KeV、好ましくは100〜300KeVの
エネルギーを有する電子線等が使用され、紫外線硬化の
場合には超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カー
ボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等
の光線から発する紫外線等が利用できる。
【0020】さらにまた、本発明の賦型フィルムによれ
ば、基材上に貼られたシートに不飽和ポリエステル樹脂
液を含浸し、その上に本発明の賦型フィルムを被覆して
硬化させ、その後、賦型フィルムを剥離することによ
り、触った感じが、しっとりとしたヌメリ感のある、し
かも、柔らかで、スエードのように滑らかな、表面に微
細な凹凸を有する成形体を得ることができる。
【0021】
【実施例1】粒径3μmの炭酸カルシウムCaCO3
粒径10μmのシリカゲルSiO2を重量比28対2の
割合で混合して、フィラーを構成した。つぎに、アクリ
ルポリオール100重量部とポリイソシアネート8.5
重量部とからバインダーを構成した。
【0022】前記フィラーを52重量部、前記バインダ
ーを48重量部、および離型剤としてアミノ変成シリコ
ーンオイルを4重量部用いて凹凸層形成用の樹脂組成物
とした。この樹脂組成物を易接着処理されたPETフィ
ルム(ダイヤホイル(株)製:TE,商品名,厚み38
μm)上に15μm(乾燥塗膜厚)となるように、スリ
ットリバースコーティングにより塗工し、110℃で3
0秒間乾燥したのち、60℃で3日間エージングした。
【0023】こうして得られた賦型フィルムの表面の平
均表面粗さRaは1.2μmになった。また凸部と凹部
の最大高低差が8.0μm、凹凸の平均間隔が30μ
m、凹凸の平均傾斜角が14°となった。ここで、平均
傾斜角とは、図2に示されるように、凹凸の山の高さを
1 ,h 2 ,h 3 〜h n としたときに、次の〔数1〕の
式によって表されるθaのことをいう。
【0024】
【数1】
【0025】本実施例で賦型フィルムに用いる基材フィ
ルムとして易接着処理されたPETフィルムを使用する
理由は、このフィルム上に被着される凹凸層との密着性
が良好であるためである。
【0026】
【実施例2】実施例1で製作された賦型フィルム上に、
紫外線硬化性樹脂(大日精化工業(株)製:セイカビー
ム,商品名)を10μm(乾燥塗膜厚)となるように塗
布し、この上に接着剤層としてアクリル系接着剤を塗布
して、紫外線80W/cmの1灯を20m/minで照
射して、転写シートを得た。
【0027】つぎに、この転写シートを用いて、ABS
シート上に熱ロール転写機により転写して転写をおこな
って、表面に微細な凹凸が形成された転写体を得た。こ
のようにして得られた転写体の表面は、用いた転写フィ
ルムの表面形状と全く同じ、Raは1.2μm、凸部と
凹部の最大高低差が8.0μm、凹凸の平均間隔が30
μm、凹凸の平均傾斜角が14°であるものが得られ
た。
【0028】
【実施例3】フェノール樹脂含浸コア紙4枚程度の上に
メラミン樹脂含浸シート、さらにその上に35g/m2
程度のオーバーレイ紙にメラミン樹脂を含浸したものを
積層し、2枚の鏡面金属板の間に挟み、表面に凹凸を形
成した実施例1で製造された賦型フィルムを挿入して、
100kg/cm2 、135℃で20分間、加熱圧締を
おこなうことにより、表面に微細な凹凸が形成されたメ
ラミン化粧板が得られた。
【0029】このようにして得られたメラミン化粧板の
表面は、用いた賦型フィルムの表面形状と全く同じ、R
aは1.2μm、凸部と凹部の最大高低差が8.0μ
m、凹凸の平均間隔が30μm、凹凸の平均傾斜角が1
4°であるものが得られた。
【0030】
【実施例4】ジアリルフタレート樹脂含浸紙を板上基材
の上に順次積み重ねて、メラミン化粧板の製造方法と同
様に、鏡面金属板の間で、実施例1で製造された賦型フ
ィルムを使用して、140〜150℃、15kg/cm
2 、10分間程、加熱圧締を行なった。
【0031】このようにして得られたDAP化粧板の表
面は、用いた転写フィルムの表面形状と全く同じ、Ra
は1.2μm、凸部と凹部の最大高低差が8.0μm、
凹凸の平均間隔が30μm、凹凸の平均傾斜角が14°
であるものが得られた。
【0032】
【実施例5】厚さ0.25m/mのポリ塩化ビニルシー
ト上に柄印刷を施し、紫外線硬化性樹脂(大日精化工業
(株)製:セイカビーム,商品名)を50μm(乾燥塗
膜厚)となるように塗布した上に、次のようにして作成
された賦型フイルムをラミネートした。すなわち、この
賦型フイルムは、実施例1の樹脂を30μmの易接着処
理されたPP(トーセロ;OP−Z)に膜厚を15μm
でドライとなるように塗工し、100℃で30秒乾燥し
た後、60℃3日間エージングして賦型フィルムを得た
ものである。このラミネート体に紫外線80W/cmの
1灯を20m/minで照射したのち、賦型フィルムを
剥がして表面に微細な凹凸が形成されたシート状物を得
た。
【0033】このようにして得られたシート状物の表面
は、用いた賦型フィルムの表面形状と全く同じ、Raは
1.2μm、凸部と凹部の最大高低差が8.0μm、凹
凸の平均間隔が30μm、凹凸の平均傾斜角が14°で
あるものが得られた。なお、本実施例においては賦型フ
ィルムに用いる基材フィルムとして次の理由から特に、
ポリプロピレンフィルムを用いた。前記実施例で用いた
PETフィルムは365nm以下の波長領域を照射する
と吸収してしまうため、紫外線硬化性樹脂塗膜を硬化さ
せる際に硬化不足となる欠点が生じる。これに対して、
ポリプロピレンフィルムはPETフィルムに比べ、20
0nm以上の波長領域において透過率に優れており、紫
外線照射には254nm前後の波長の水銀灯が通常用い
られるので、紫外線硬化性樹脂の硬化には365nmの
透過性に優れたポリプロピレンフィルムを用いた方が好
ましい。
【0034】図4に各種波長に対するPETフィルムと
ポリプロピレンフィルムの透過率をグラフにして示し
た。この図4からはポリプロピレンフィルムがPETフ
ィルムに比べて、200〜365nmの領域において優
れた透過率を示すことがわかる。
【0035】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば、賦型フィルムの表面形状を凹凸の平均間隔が20〜
50μm、凹凸の平均表面粗さRaが0.7〜2.0μ
m、および表面の60°グロス値が2.0以下としたの
で、その表面は、しっとりとしたヌメリ感のある艶消し
表面を得ることができた。この感触は、ツルツル、また
はテカテカしたものではなく、それでいて、ザラザラし
た感じとは異なり、柔らかな、スエードのような滑らか
さであり、或種の高級感を漂わせるものとなった。
【0036】本発明の賦型フィルムを用いて転写または
成形した、転写体、成形物には、本発明の賦型フィルム
と全く同一の表面形状が移行し、その表面の感触も、賦
型フィルムのものと同一の感触が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の賦フィルムを示す。
【図2】凹凸の平均傾斜角を説明するための図である。
【図3】本発明で用いるスリットリバースコーティング
を示す。
【図4】各種波長に対するPETフィルムとポリプロピ
レンフィルムとの透過率のグラフを示す。
【符号の説明】
1 基材フィルム 2 凹凸層 4 ノズル塗工装置 5 スクイズロール 6 バックアップロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 59/00 - 59/18 B32B 1/00 - 35/00 B44C 1/16 - 1/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凹凸の平均間隔が20〜50μm、凹凸
    の平均表面粗さRaが0.7〜2.0μmである微細な
    凹凸層を実質的に表面の全面に有することを特徴とする
    賦型フィルム。
  2. 【請求項2】 該基材フィルムが、易接着処理されたP
    ETフィルムであることを特徴とする請求項1記載の賦
    型フィルム。
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