JP3044850U - フィルムカセット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本考案は、小型カメラに使用する、常に突出し
た状態の係合部位を持つフィルムカセットについて、フ
ィルム巻取り動作を確実に行い、着脱のため、上記係合
部位を没入させる際にも、スムーズな没入を得られる、
信頼性の高いフィルムカセットの供給を図ることであ
る。 【解決手段】強い付勢を必要とするフィルム巻取り動作
時と、弱い付勢が望ましいフィルムカセット着脱時で、
異なる付勢強度を得られるような手段を具備することを
特徴とするフィルムカセット。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】

本考案は、カメラに装着するフィルムカセットの技術分野に属する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、内視鏡等の小型カメラに使用するフィルムカセットとして、そのフ ィルム巻取り軸の上面に配した係合部位が、常に突出方向に向けバネ等で付勢さ れているフィルムカセットが知られる。このフィルムカセットの場合は、フィル ム巻取り回転時は、フィルム巻取り軸の上面の係合部位が、付勢手段によってカ メラ側巻取り機構に係合した状態を保持され、着脱時には、その係合部位の形状 もしくは構造がカメラ側フィルム巻取り機構開口部の形状により、フィルム巻取 り軸内への没入状態を得るものや、係合部の没入状態を得るように配された離脱 補助手段により没入状態を得るものが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のフィルムカセットは、巻取り回転時の係合部位の突出状態を維持するた めの付勢手段が、着脱時に没入状態を得るための抵抗となるため、付勢手段の強 度が強ければ、着脱の際に没入状態を得にくくなり、またスムーズな着脱のため 付勢手段の強度を弱くすると、巻取り回転時の突出状態を維持できないため巻取 りが行えないという問題があった。したがって付勢手段の強度は、この突出状態 と没入動作の相反する要素を満たす必要があり、構造的に不安定な要素となって いた。

【０００４】 本考案の課題は、このフィルムカセットのフィルム巻取り動作を確実に行い、 着脱動作もスムーズに行えるような、信頼性の高いフィルムカセットの供給を図 ることである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するための第一の手段は、請求項１に記載の通り、フィルム供 給側ケースとフィルム巻取り軸を内蔵した巻取り側ケースと連結部からなり、そ のフィルム巻取り軸上面の係合部位を突出状態に保つための付勢手段を持った双 胴型フィルムカセットで、巻取り回転時に付勢手段の強弱に関わらず係合部位の 突出位置を保持するための保持手段を具備するフィルムカセットである。また、 第二の手段は、請求項２に記載の通り、フィルム供給側ケースとフィルム巻取り 軸を内蔵した巻取り側ケースと連結部からなり、そのフィルム巻取り軸上面の係 合部位を突出状態に保つための付勢手段を持った双胴型フィルムカセットで、巻 取り回転時と着脱時とで付勢手段の強度を調整する、付勢強度調整手段を具備す るフィルムカセットであり、第三の手段は、請求項３に記載の通り、係合部位の 保持に、カメラ側突き上げ機構を利用したフィルムカセットであり、そして、第 四の手段は、請求項４に記載の通り、係合部位の付勢強度調整に、カメラ側突き 上げ機構を利用したフィルムカセットであり、そして、第五の手段は、請求項５ に記載の通り、係合部位の保持に、カメラ側フィルムカセット収納室内面および 開閉扉等への接触を利用したフィルムカセットであり、そして、第六の手段は、 請求項６に記載の通り、係合部位の付勢強度調整に、カメラ側フィルムカセット 収納室内面および開閉扉等への接触を利用したフィルムカセットである。

【０００６】

【考案の実施の形態】

以下、添付の図面に表した各実施例に即して、本考案の実施の形態について説 明する

【０００７】

【実施例１】 図１は、本考案の一実施例を示す図である。図中、フィルム供給側ケース１は 、巻取り側ケース３と、連結部２で連結されている。巻取り側ケース３には、フ ィルム巻取り軸４が内蔵されている。このフィルム巻取り軸４の上面には、カメ ラ側巻上げ機構と係合可能な係合部位５が、保持手段７とコイル状バネ８によっ て突出状態に付勢されている。また、保持手段７は、コイル状バネ８によって上 方へ付勢され、保持手段７の下方には空隙９が形成される。この空隙９は、カメ ラ側の突き上げ機構の機能を利用する目的で設けられている。カメラ側の突き上 げ機構は、フィルムカセット収納室の開閉扉に連動しており、この扉の開状態で カメラ本体に没入し、扉の閉状態で突出する。したがって、フィルムカセット使 用時には、この空隙９に、カメラ側の突き上げ機構が突出する。これにより、保 持手段７は、下方への移動不能の状態となり、係合部位５が突出し、カメラ側の 巻上げ機構と係合した状態を保つ。また、フィルムカセット着脱時には、この空 隙９に突出していたカメラ側の突き上げ機構が、カメラ本体に没入する。これに より、保持手段７は、下方への自在な移動を得る。この係合部位５は、フィルム カセット着脱の際、カメラ側のフィルムカセット収納室内面等の干渉を受けると 、保持手段７を押し下げ、さらにコイル状バネ８を圧縮し、自在に没入状態を得 ることが出来るように配されている。図２は、図１のＡ−Ａ断面図である。図中 、巻取り側ケース３は、蓋体６と、フィルム巻取り軸４からなる。フィルム巻取 り軸４は、上面に配した係合部位５と、フィルム巻取り軸４に内蔵した保持手段 ７と、コイル状バネ８によって構成されている。保持手段７は、コイル状バネ８ により上方へ付勢されることで、フィルム巻取り軸４の上面に配した係合部位５ の突出状態を得るとともに、フィルム巻取り軸４の内側下方に空隙９を形成して いる。この空隙９によって、保持手段７は、下方へ自在に移動することが可能と なる。これにより、係合部位５は自在に没入状態を得ることが出来る。

【０００８】

【実施例２】 図３は、本考案の他の実施例を示す図である。この図３は、フィルムカセット 未装填時の状態を示している。図中、フィルム供給側ケース１は巻取り側ケース ３と連結部２で連結されている。巻取り側ケース３には、フィルム巻取り軸４が 内蔵されている。このフィルム巻取り軸４の上面には、係合可能な係合部位５が 、付勢強度調整手段１１の間のコイル状バネ１０によって突出状態に付勢されて いる。この係合部位５は、フィルムカセット着脱の際、カメラ側のフィルムカセ ット収納室内面等の干渉を受けると、自在に没入状態を得ることが出来るように 配されている。図４は、図３のＡ−Ａ断面図である。図中、巻取り側ケース３に は、蓋体６と、フィルム巻取り軸４があり、フィルム巻取り軸４の上面には、係 合部位５が、付勢強度調整手段１１の間のコイル状バネ１０によって突出状態に 付勢されている。付勢強度調整手段１１は、下端に位置しており、コイル状バネ １０が圧縮されていないため、比較的容易に係合部位５の没入状態を得ることが 出来る。図５は、フィルムカセット装填時の、図４と同位置の断面図を示してい る。図中、巻取り側ケース３には、蓋体６と、フィルム巻取り軸４があり、フィ ルム巻取り軸４の上面には係合部位５が、付勢強度調整手段１１の間のコイル状 バネ１０によって、上方へ付勢されて突出状態を得ている。この場合カメラ側の 突き上げ機構により、付勢強度調整手段１１は、上方へ押し上げられ、コイル状 バネ１０を圧縮している。これによって係合部位５は、より強く付勢されるため 、より確実な巻上げ回転を得る。また、このカメラ側の突き上げ機構は、フィル ムカセット着脱の際、カメラ側のフィルムカセット収納室の開閉扉を開けると下 方に没入する。したがって、装填前の状態と同様にコイル状バネ１０が、圧縮さ れない状態となり、係合部位５は、より自在に没入状態を得ることが出来る。

【０００９】

【実施例３】 図６は、本考案のその他の実施例を示す図である。図中、フィルム供給側ケー ス１は巻取り側ケース１２と連結部２で連結されている。そして、巻取り側ケー ス１２には、フィルム巻取り軸４が内蔵されている。このフィルム巻取り軸４の 上面には、係合可能な係合部位５が突出状態に付勢されている。この係合部位５ は、フィルムカセット着脱の際、カメラ側のフィルムカセット収納室内面等の干 渉を受けると、保持手段１４の前端部１３が、前方に突出することで、自在に没 入状態を得ることが出来るように配されている。図７は、図６のＡ−Ａ断面図で ある。図中、巻取り側ケース１２には、蓋体６と、フィルム巻取り軸４があり、 係合部位５、保持手段１４は、コイル状バネ８によって上方に付勢されている。 保持手段１４の前端部１３は、カメラ側フィルムカセット収納室の開閉扉の閉状 態で、カメラ側フィルムカセット収納室の開閉扉に接している。これによって保 持手段１４は、下方へ移動不能となり、係合部位５の突出状態を保持することが 可能となる。また、フィルムカセットの着脱等で、カメラ側フィルムカセット収 納室の開閉扉の開状態では、保持手段１４の前端部１３が移動可能なため、保持 手段１４は、下方への自在な移動を得ることが可能となる。これにより、係合部 位５は、自在に没入状態を得ることが出来る。図８は、フィルムカセット着脱時 の、図７と同位置の断面図を示している。図中、巻取り側ケース１２には、蓋体 ６と、フィルム巻取り軸４があり、係合部位５は、着脱のためカメラ側フィルム カセット収納室の内面等の干渉をうけ、フィルム巻取り軸４に没入している。こ の係合部位５の没入によって、保持手段１４は、コイル状バネ８を圧縮し、下方 へ移動するため、保持手段１４の前端部１３が、前方に突出し、着脱動作が可能 になる。

【００１０】

【実施例４】 図９は、本考案のさらにその他の実施例を示す図である。この図９は、フィル ムカセット未装填時の状態を示している。図中、フィルム供給側ケース１は巻取 り側ケース１５と連結部２で連結されている。そして、巻取り側ケース１５には 、フィルム巻取り軸４が内蔵されている。このフィルム巻取り軸４の上面には、 係合可能な係合部位５が突出状態に付勢されている。この係合部位５は、フィル ムカセット着脱の際、カメラ側のフィルムカセット収納室内面等の干渉を受ける と、自在に没入状態を得るように配されている。図１０および図１１は、図９の Ａ−Ａ断面図である。図１０は、カメラ側フィルムカセット収納室の開閉扉の開 状態を、図１１は、同じく閉状態を示している。図中、巻取り側ケース１５には 、蓋体６と、フィルム巻取り軸４があり、フィルム巻取り軸４の上面には係合部 位５が、付勢強度調整手段１７の間のコイル状バネ１０によって、上方へ付勢さ れ突出状態を得ている。この場合、カメラ側フィルムカセット収納室の開閉扉の 閉動作により、付勢強度調整手段１７の前端部１６が押されることにより、付勢 強度調整手段１７は、上方へ押し上げられ、コイル状バネ１０を圧縮している。 これによって係合部位５は、より強く付勢されるため、カメラ側巻上げ機構との 係合が強くなり、より確実な巻上げ回転を得る。また、フィルムカセット着脱の 際は、カメラ側のフィルムカセット収納室開閉扉の開動作により前端部１６が前 方に移動可能になるため、付勢強度調整手段１７が下方へ移動する。したがって 、装填前の状態と同様にコイル状バネ１０が、圧縮されない状態となり、係合部 位５は、より自在に没入状態を得ることが出来る。

【００１１】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、フィルムカセットの巻上げ動作時に係 合状態を保つために必要とされる付勢強度と、着脱をスムーズに行うための付勢 強度を、それぞれ自在に設定することが可能となるため、より信頼性が高く、よ り使い易いフィルムカセットを、供給することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す斜視図で、特徴を表す
ため一部を切り欠いた図面である。

【図２】本考案の一実施例を示す断面図である。

【図３】本考案の他の実施例を示す斜視図で、特徴を表
すため一部を切り欠いた図面である。

【図４】本考案の他の実施例を示す断面図である。

【図５】本考案の他の実施例を示す断面図である。

【図６】本考案のその他の実施例を示す斜視図ある。

【図７】本考案のその他の実施例を示す断面図である。

【図８】本考案のその他の実施例を示す断面図である。

【図９】本考案のさらにその他の実施例を示す斜視図あ
る。

【図１０】本考案のさらにその他の実施例を示す断面図
である。

【図１１】本考案のさらにその他の実施例を示す断面図
である。

【符号の説明】

１ フィルム供給側ケース ２ 連結部 ３，１２，１５ 巻取り側ケース ４ フィルム巻取り軸 ５ 係合部位 ６ 蓋体 ７，１４ 保持手段 ８，１０ コイル状バネ ９ 空隙 １１，１７ 付勢強度調整手段 １３ 保持手段前端部 １６ 付勢強度調整手段前端部

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】フィルム供給側ケースとフィルム巻取り軸
   を内蔵した巻取り側ケースと連結部からなり、そのフィ
   ルム巻取り軸上面の係合部位を突出状態に保つための付
   勢手段を持った双胴型フィルムカセットで、巻取り回転
   時に付勢手段の強弱に関わらず係合部位の突出位置を保
   持するための保持手段を具備することを特徴とするフィ
   ルムカセット。
2. 【請求項２】フィルム供給側ケースとフィルム巻取り軸
   を内蔵した巻取り側ケースと連結部からなり、そのフィ
   ルム巻取り軸上面の係合部位を突出状態に保つための付
   勢手段を持った双胴型フィルムカセットで、巻取り回転
   時と着脱時とで係合部位を突出させる付勢手段の付勢強
   度を調整するための調整手段を具備することを特徴とす
   るフィルムカセット。
3. 【請求項３】前記係合部位の保持に、カメラ側突き上げ
   機構を利用した保持手段を有する請求項１記載のフィル
   ムカセット。
4. 【請求項４】前記係合部位の付勢強度調整に、カメラ側
   突き上げ機構を利用した付勢強度調整手段を有する請求
   項２記載のフィルムカセット。
5. 【請求項５】前記係合部位の保持に、カメラ側フィルム
   カセット収納室内面および開閉扉等への接触を利用した
   保持手段を有する請求項１記載のフィルムカセット。
6. 【請求項６】前記係合部位の付勢強度調整に、カメラ側
   フィルムカセット収納室内面および開閉扉等への接触を
   利用した付勢強度調整手段を有する請求項２記載のフィ
   ルムカセット。