JP3044461U - 緊急脱出用ハンマー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 不使用時には懐中電灯として使用でき、緊急
時には速やかに探せ簡単に使用できる緊急脱出用ハンマ
ーを提供する。 【解決手段】 柄体１の先端に、やや上向きに傾斜する
ようにハンマーヘッド２を横向きに設ける。ハンマーヘ
ッド２の上向側には先端の尖鋭部３を覆うように安全カ
バー４を設ける。ハンマーヘッド２の下向側には照明ラ
イト５を設け、ハンマーヘッド２の略中央には電池収容
部７Ａを覆う電池収容部カバー７が固定される。ハンマ
ーヘッド２に夜光プレート1２を設ける。柄体１の略中
央部には照明ライト５を点灯，消灯するスイッチ９を設
ける。一本のハンマーで緊急時に使用するハンマーとカ
ッターの他に平常時に使用する懐中電灯の機能をも併せ
持つ。合成樹脂製の安全カバー４を金属製の尖鋭部３に
備えたので、常時尖鋭部３により怪我などをする虞はな
い。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案が属する技術分野】

本考案は、自動車等車両に備え付けられ事故等で乗員が緊急に脱出するために 使用される緊急脱出用ハンマーに関する。

【０００２】

【考案が解決しようとする課題】

車両、特に自動車に乗車中に交通事故等に遭遇した場合にドアが開かなくなっ たり、シートベルトが外れなくなり脱出できなくなる危険性がある。また、夜間 に事故に遭遇した時、暗闇のためドアの窓を叩き壊すためのハンマーを装備して いても探せない場合がある。さらに、夜間走行中に同乗者が地図を見る場合に室 内灯を点灯すると前方が見にくくなり運転を誤る危険性が大きくなる。このよう な危険性を回避するため車両には、ドアの窓を叩き壊すためのハンマーや外れな くなったシートベルトを切断するためカッターや懐中電灯が必要である。

【０００３】 そこで、従来のハンマーとカッターを一体としたものについては特公平４−２ ８５０６号公報に開示されているように、Ｔ型状の基本体のハンマヘッドの両端 にハンマ尖端を備え、柄体の他端側に安全ベルトを切断するナイフを備えている ものであった。

【０００４】 しかしながら、前記公報記載のハンマーとカッターを一体としたものでは、夜 間走行中に同乗者が地図を見る場合には、別に懐中電灯を使用するため車両に装 備しなければならないため別の収納スペースが必要であり、懐中電灯の点灯，消 灯には持ち変えなければならない。また、暗闇の非常時で速やかに探すことが困 難であり、特に非常時では使用者があわてているためハンマ尖端で使用者が怪我 をする虞があり、また子供がいたずらをして怪我をするという虞もあった。また 、前記公報記載のものでは柄体の軸線に対してハンマヘッドの軸線が直交してい るので車内から窓を叩き壊す時にハンマヘッドが窓に対して垂直に当たりにくく 、窓を叩き壊すためは大きな力を入れなければならなかった。

【０００５】 そこで、本考案は前記問題を解決して平常時には懐中電灯として使用でき、緊 急時には脱出用具として使用できる緊急脱出用ハンマーを提供することを目的と する。また、本考案は不使用時及び緊急時でも怪我の虞のない緊急脱出用ハンマ ーを提供することを目的とする。さらに、本考案は確実に窓を叩き壊すことがで きる緊急脱出用ハンマーを提供することを目的とする。また、本考案はハンマー 頭部の重量を増し比較的軽い力で窓を叩き壊すことができる緊急脱出用ハンマー を提供することを目的とする。さらに本考案は緊急時には懐中電灯として使用す るとき照明ライトの点灯，消灯を片手で操作できると共に速やかに探すことがで きる緊急脱出用ハンマーを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案は、柄体と、この柄体の先端の一側に横向きに設けたハンマー ヘッドと、前記ハンマーヘッドの他側に横向きに設けた照明ライトと、前記柄体 の他端側に設けた刃部とを備えたことを特徴とする緊急脱出用ハンマーである。 前記構成により、一本でハンマーとカッターと懐中電灯の機能を持ち合わせるこ とができる。

【０００７】 請求項２の考案は、柄体と、この柄体の先端に横向きに設けたハンマーヘッド と、このハンマーヘッドの先端に突設した金属製の尖鋭部と、前記ハンマーヘッ ドの先端に設けられ前記尖鋭部の外側を覆う合成樹脂製の安全カバーとを備えた ことを特徴とする緊急脱出用ハンマーである。前記構成により常時では尖鋭部は 安全カバーにより覆われいるので安全性に優れ、一方緊急時には安全カバーは容 易に破損して尖鋭部をあらわすことができる。

【０００８】 請求項３の考案では、前記ハンマーヘッドの先端に金属製の尖鋭部を突設する と共に前記ハンマーヘッドの先端に前記尖鋭部の外側を覆う合成樹脂製の安全カ バーを設けたことにより、常時は尖鋭部を安全カバーで覆うことができる。また 請求項３では前記柄体の軸線と該軸線に交差する前記ハンマーヘッドの軸線の挟 角を９０度よりやや大きくすることにより、握ったハンマーを手首のスナップを きかせて尖鋭部を窓に当てることができる。

【０００９】 請求項４の考案は、前記ハンマーヘッドに前記照明ライトの電池収納部を設け たことを特徴とする請求項１又は３記載の緊急脱出用ハンマーである。前記構成 により電池によってハンマーヘッドの重量を増すことができる。

【００１０】 請求項５の考案は、前記柄体又はハンマーヘッドに夜光塗料からなる夜光部を 設け、前記柄体に前記照明ライトのスイッチを設けたことを特徴とする請求項１ ，３，４のいずれか１項に記載の緊急脱出用ハンマーである。前記構成により暗 闇のときには夜光部が発光し、柄体を握ると同時にスイッチを操作できる。

【００１１】

【考案の実施態様】

以下、本考案の一実施例を図１乃至図３を参照して説明する。細長な柄体１は 合成樹脂等からなり、この柄体１の先端の先端の一側にハンマーヘッド２を横向 きに設ける。柄体１の軸線Ｘとハンマーヘッド２の軸線Ｙとの挟角Ｚは９０度よ りやや大きくなるようにハンマーヘッド２が上向きにやや傾斜するように設けら れる。このハンマーヘッド２の一側たる上向側には鉄など金属製の尖鋭部３が円 錐状に突出して形成され、さらにハンマーヘッド２の上向側には尖鋭部３の全体 を覆うように透明な安全カバー４が合成樹脂で設けられる。また、ハンマーヘッ ド２の他側たる下向側には電球（図示せず）を備えた照明ライト５が設けられ、 照明ライト５の前面はレンズ等からなる風防カバー６で覆われる。さらに、ハン マーヘッド２の略中央には照明ライト５の電池（図示せず）収容するための電池 収容部７Ａを覆う電池収容部カバー７がネジ８により着脱自在に固定される。

【００１２】 また、柄体１の略中央部には照明ライト５を点灯，消灯するスイッチ９が設け られ、柄体１の他端側には軸線Ｘに対して傾斜した縁開放の切り欠き10を有し、 この切り欠き10はシートベルト（図示せず）が挿入可能な程度に狭く形成されて おり、そして切り欠き10の奥部には刃部11が固定されている。また、ハンマーヘ ッド２の略中央正面及び背面には夜光塗料からなる夜光部たる夜光プレート12が 設けられる。

【００１３】 次に前記構成につきその作用を説明する。常時は車両の室内、例えばダッシュ ボード中やシートの下あるいはセンターコンソールの脇などにホルダー（図示せ ず）を介して着脱自在に備え付けておく、このような保管時においては尖鋭部３ が安全カバー４により覆われており、怪我等は生じない。そして、懐中電灯とし て使用する時は、予めハンマーヘッド２のネジ８を緩め電池収納カバー７を開け 電池を電池収容部７Ａに収容し電池収納カバー７を閉じておく。使用する際はホ ルダーよりハンマーより抜き出し、そして片手で柄体１の下部を握り、握った手 の指で柄体１の略中央部に設けられた照明ライト５のスイッチ９を操作し照明ラ イト５を点灯させ地図等を照明する。

【００１４】 一方、事故等の緊急時にはホルダーよりハンマーを取り出し、まずシートベル トを切断するときには柄体１を握って切り欠き10にシートベルトに引っ掛けるよ うに当て、そして柄体１を引き刃部11で切断する。また、窓を叩き壊すときには 柄体１を握って安全カバー４を窓或いは車内の比較的硬い箇所にたたいて安全カ バー４を破損して外した後に、窓に対しハンマーヘッド２の尖鋭部３が垂直に当 たるように柄体１の下方を握ってハンマーを振り、窓を叩き壊す。この際力いっ ぱい振らずに柄体１の他端側を握って手首のスナップをきかせて振り、上向きと なっている尖鋭部３を窓に垂直に当てて窓を叩き壊し、窓より脱出する。尚、安 全カバー４を取付けたままハンマーを振って尖鋭部３により窓を破損するように してもよい。

【００１５】 このように本実施例では請求項１に対応して、柄体１と、この柄体１の先端の 一側に横向きに設けたハンマーヘッド２と、前記ハンマーヘッド２の他側に横向 きに設けた照明ライト５と、前記柄体１の他端側に設けた刃部11とを備えたこと により、一本で緊急時に使用するハンマーとカッターの他に平常時に使用する懐 中電灯の機能をも併せ持ち、便利な緊急脱出用ハンマーを提供できる。

【００１６】 また、本実施例では請求項２に対応して、柄状の柄体１と、この柄体１の先端 に横向きに設けたハンマーヘッド２と、このハンマーヘッド２の先端に突設した 金属製の尖鋭部３と、前記ハンマーヘッド２の先端に設けられ前記尖鋭部３の外 側を覆う合成樹脂製の安全カバー４とを備えたことにより、尖鋭部３は常時安全 カバー４により保護されているので、手等が誤って触れても怪我等をする虞はな く、安心して車内においておくことができる。しかも、尖鋭部３は金属製である ので窓を確実に壊すことができ、一方安全カバー４は合成樹脂製であり容易に破 損されるので、尖鋭部３によって確実に窓を叩き壊すことができる。

【００１７】 さらに、本実施例では請求項３に対応して、前記ハンマーヘッド２の先端に金 属製の尖鋭部３を突設すると共に前記ハンマーヘッド２の先端に前記尖鋭部３の 外側を覆う合成樹脂製の安全カバー４を設けたことにより、手等が誤って触れて も怪我等をする虞はなく、安心して車内においておくことができると共に緊急時 には安全カバー４を破損して尖鋭部３によって確実に窓を叩き壊すことができる 。しかも前記柄体１の軸線Ｘと該軸線Ｘに交差する前記ハンマーヘッド２の軸線 Ｙの挟角Ｚを９０度よりやや大きくすることにより、柄体１を力いっぱい振らず に柄体１の他端側を握って手首のスナップをきかせて振り、上向きとなっている 尖鋭部３を窓に垂直に当てて窓を叩き壊すことができるので、狭い車内であって も確実に窓を叩き壊すことができる。

【００１８】 また、本実施例では請求項４に対応して、前記ハンマーヘッド２に前記照明ラ イト５の電池収納部７Ａを設けたことによって、ハンマーヘッド２の重量を電池 によって増し比較的軽い力で窓を叩き壊すことができる。

【００１９】 さらに、本実施例では請求項５に対応して、前記ハンマーヘッド２に夜光塗料 からなる夜光部12を設けたことにより、暗闇でも速やかにハンマーを探すことが でき、しかも、柄体１に照明ライト５のスイッチ９を設けたことにより、柄体１ を握ると直ちにスイッチ９を操作することができ、暗闇でも速やかに照明ライト ５により照明できる。

【００２０】 尚、本考案は前記実施例に限定されるものではなく、例えば電池収容部カバー ７の固定方法はネジ８で固定するものを示したが、固定手段は適宜選定すれば良 い。また、照明ライト５のスイッチ９の位置は柄体１の略中央を示したが、その 位置は片手で操作できる範囲であれば柄体１の略中央に限るものではない等の種 々の変形が可能である。。

【００２１】

【考案の効果】

請求項１の考案は、柄体と、この柄体の先端の一側に横向きに設けたハンマー ヘッドと、前記ハンマーヘッドの他側に横向きに設けた照明ライトと、前記柄体 の他端側に設けた刃部とを備えたことを特徴とする緊急脱出用ハンマーであり、 平常時には懐中電灯として使用でき、緊急時には脱出用具たるハンマー及びカッ ターとして使用できる便利な緊急脱出用ハンマーを提供することができる。

【００２２】 請求項２の考案は、柄体と、この柄体の先端に横向きに設けたハンマーヘッド と、このハンマーヘッドの先端に突設した金属製の尖鋭部と、前記ハンマーヘッ ドの先端に設けられ前記尖鋭部の外側を覆う合成樹脂製の安全カバーとを備えた ことを特徴とする緊急脱出用ハンマーであり、車内においた際には尖鋭部は安全 カバーで覆われているので安全性に優れ、一方緊急時には合成樹脂からなる安全 カバーを破損し金属製の尖鋭部をあらわして、該尖鋭部により窓を確実に叩き壊 すことができる。

【００２３】 請求項３の考案は、前記ハンマーヘッドの先端に金属製の尖鋭部を突設すると 共に前記ハンマーヘッドの先端に前記尖鋭部の外側を覆う合成樹脂製の安全カバ ーを設け、かつ前記柄体の軸線と該軸線に交差する前記ハンマーヘッドの軸線の 挟角を９０度よりやや大きくすることを特徴とする請求項１記載の緊急脱出用ハ ンマーであり、尖鋭部は安全カバーで覆われているので安全性に優れ、一方緊急 時には合成樹脂からなる安全カバーを破損し金属製の尖鋭部をあらわして、窓を 確実に叩き壊すことができ、さらに柄体の軸線とハンマーヘッドの軸線の挟角を ９０度よりやや大きくしたことにより、狭い車内において握ったハンマーを手首 のスナップをきかせて尖鋭部を窓に当てて叩き壊すことを容易に行うことができ る。

【００２４】 請求項４の考案は、前記ハンマーヘッドに前記照明ライトの電池収納部を設け たことを特徴とする請求項１又は３記載の緊急脱出用ハンマーであり、ハンマー ヘッドに電池の重量を増して比較的軽い力で窓を叩き壊すことができる。

【００２５】 請求項５の考案は、前記柄体又はハンマーヘッドに夜光塗料からなる夜光部を 設け、前記柄体に前記照明ライトのスイッチを設けたことを特徴とする請求項１ ，３，４のいずれか１項に記載の緊急脱出用ハンマーであり、夜光部により暗闇 でも簡単にハンマーを探すことができると共に、柄体を握ることにより直ちにス イッチを操作できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す斜視図である。

【図２】本考案の一実施例を示す正面図である。

【図３】本考案の一実施例を示す平面図である。

【符号の説明】

１ 柄体 ２ ハンマーヘッド ３ 尖鋭部 ４ 安全カバー ５ 照明ライト ６ 前面カバー ７ 電池収容部カバー ７Ａ 電池収容部 ９ スイッチ 12 夜光プレート（夜光部） Ｘ Ｙ 軸線 Ｚ 挟角

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 柄体と、この柄体の先端の一側に横向き
   に設けたハンマーヘッドと、前記ハンマーヘッドの他側
   に横向きに設けた照明ライトと、前記柄体の他端側に設
   けた刃部とを備えたことを特徴とする緊急脱出用ハンマ
   ー。
2. 【請求項２】 柄体と、この柄体の先端に横向きに設け
   たハンマーヘッドと、このハンマーヘッドの先端に突設
   した金属製の尖鋭部と、前記ハンマーヘッドの先端に設
   けられ前記尖鋭部の外側を覆う合成樹脂製の安全カバー
   とを備えたことを特徴とする緊急脱出用ハンマー。
3. 【請求項３】 前記ハンマーヘッドの先端に金属製の尖
   鋭部を突設すると共に前記ハンマーヘッドの先端に前記
   尖鋭部の外側を覆う合成樹脂製の安全カバーを設け、か
   つ前記柄体の軸線と前記ハンマーヘッドの軸線の挟角を
   ９０度よりやや大きくすることを特徴とする請求項１記
   載の緊急脱出用ハンマー。
4. 【請求項４】 前記ハンマーヘッドに前記照明ライトの
   電池収納部を設けたことを特徴とする請求項１又は３記
   載の緊急脱出用ハンマー。
5. 【請求項５】 前記柄体又はハンマーヘッドに夜光塗料
   からなる夜光部を設け、前記柄体に前記照明ライトのス
   イッチを設けたことを特徴とする請求項１，３，４のい
   ずれか１項に記載の緊急脱出用ハンマー。