JP3044036U - カメラ用ストロボ装置の反射鏡の構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 反射鏡の小型化に対応してキセノンランプの
管軸方向に対する集光利用を増大させることにより撮影
画面上に対して閃光エネルギーにより効率よく分散する
ことができるカメラ用ストロボ装置の反射鏡の構造を提
供する。 【解決手段】 反射鏡２の主反射面２ｂの横断面は放物
または半楕円形状であり、この主反射面２ｂの縦断面の
形状はキセノンランプ１の管軸に対し傾きを有してい
る。キセノンランプ１が発する光は主反射面２ｂによっ
て管径方向に対し所定の角度で反射されるとともに管軸
方向に対しては内側に向けて反射される。管軸方向に対
する集光は、両側の側面反射面２ａとこの主反射面２ｂ
の管軸に対する傾き部分が寄与する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、カメラなどの補助光源に広く使われるストロボ装置の反射鏡の構造 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のカメラ用ストロボ装置の反射鏡は、閃光管の管径方向（横断面と同じ方 向）に対しては放物または半楕円形状を活用して管径方向の所定角度への照射効 率を上げていた。 図４は従来のカメラ用ストロボ装置の反射鏡の一例を示す図で、（ａ）は正面 図，（ｂ）は反射鏡を断面で示した平面図，（ｃ）は側面図をそれぞれ示してい る。 反射鏡１０の主反射面１０ｂの横断面は（ｃ）に示すように放物または半楕円 形状であり、キセノンランプ９が発する光を放物または半楕円形状で管径方向の 所定の角度に集光反射していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

一方、キセノンランプ９の管軸方向の集光は、（ｂ）に示す反射鏡１０の側面 反射面１０ａが寄与しており、管径方向に対し所定の角度だけ傾いている。 近年のカメラの小型化に伴いストロボ装置の反射鏡の寸法も小さくなってきて いる。これは、キセノンランプの管長は従来と変わらないため、反射鏡１０の放 物または半楕円の面積を小さくして反射鏡１０の間口（Ｌの寸法）を小さくする ことにより小型化を図るものである。 そのため、側面反射面１０ａの面積は小さくなり、管軸方向の集光利用はより 悪化していた。

【０００４】 本考案の課題は、上記反射鏡の小型化に対応してキセノンランプの管軸方向に 対する集光利用を増大させることにより撮影画面上に対して閃光エネルギをより 効率よく分散することができるカメラ用ストロボ装置の反射鏡の構造を提供する ことにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するために本考案によるカメラ用ストロボ装置の反射鏡の構造 は、その横断面が放物または半楕円形状であり、閃光管の管軸方向に対応して横 長に反射面が形成され、前記閃光管が発する光が、前記閃光管の管径方向に対し ては所定の角度に反射されるように構成されたカメラ用ストロボ装置の反射鏡に おいて、 前記反射鏡の縦断面の形状の少なくとも一部が、前記閃光管の管軸に対し傾き を有し、前記閃光管の反射光が内側に指向するように構成してある。 前記反射鏡の縦断面の形状は、折れ曲がり部分が閃光管より最も離れた位置に なるように略くの字形状にすることができる。 また、前記反射鏡の縦断面の形状は、その一部が曲線であり、その曲線が前記 閃光管の管軸に対し傾きを持つようにすることができる。

【０００６】

【考案の実施の形態】

以下、図面を参照して本考案の実施の形態を詳しく説明する。 図１は、本考案によるカメラ用ストロボ装置の反射鏡の構造の実施の形態を示 す図で、（ａ）は正面図，（ｂ）は反射鏡を断面で示した平面図，（ｃ）は側面 図をそれぞれ示している。 反射鏡２は、キセノンランプ１の管軸方向に沿った横長の形状であり、この横 長部分が主反射面２ｂである。管径方向の断面（横断面）は放物または半楕円形 状（以下、半楕円形状として説明を行う）である。そして、主反射面２ｂの管軸 方向に沿った形状（縦断面形状）は、略くの字形状であり、くの字の折曲部２ｃ はキセノンランプ１の中央部に対応した位置であって、キセノンランプ１から最 も離れた位置である。

【０００７】 この反射鏡を管軸方向に沿って切断した横断面は、中央部分（くの字の折曲部 ２ｃ）の長軸が最も大きく、両側に向かうに従って小さくなるような半楕円形状 となる。なお、短軸の長さは変わらない。 このように構成された反射鏡２の主反射面２ｂの半楕円形状は管径方向に対す る集光反射に寄与している。半楕円形状で反射された光は管径方向の所定角度内 に集光される。 同時に主反射鏡２ｂの略くの字の形状は管軸方向に対する集光に寄与しており 、キセノンランプ１の光を内側に向けて反射させる。

【０００８】 また、反射鏡２は左右に側面反射面２ａを有しており、この左右の側面反射面 ２ａは管軸の直角面に対し外側に所定の角度だけ傾いている。 この左右の側面反射面２ａも管軸方向に対する集光に寄与している。 したがって、反射鏡全体の管軸方向に対する集光には、主反射鏡２ｂの略くの 字の形状部分と左右の側面反射面２ａが寄与し、管軸方向に対する集光効率が増 大する。

【０００９】 図２は、本考案の第２の実施の形態を示す図で、（ａ）は正面図，（ｂ）は反 射鏡を断面で示した平面図，（ｃ）は側面図をそれぞれ示している。 この実施の形態における、反射鏡４の主反射面４ｂの管軸方向に沿った形状（ 縦断面形状）は、略くの字形状ではなく、（ｂ）に示すように中央の部分は管 軸と平行になっており、両側付近のは曲線的な傾きが与えられている点で図 １とは異なっている。 両側付近のの管軸方向に沿って切断した横断面は、との接続点部分の長 軸が最も大きく、両側に向かうに従って小さくなるような半楕円形状となる。 の部分の管軸方向に沿ったいずれの部分でも長軸の長さは変わらず、の部分で はどこの個所でも横断面（半楕円）の大きさは変わらない。

【００１０】 の部分が管軸方向に対する集光に寄与しており、の部分は管軸方向に対 する集光には寄与していない。 したがって、この実施の形態では、反射鏡全体の管軸方向に対する集光には、 主反射鏡２ｂのの部分と左右の側面反射面４ａが寄与することとなる。

【００１１】 図３は、本考案の第３の実施の形態を示す図で、（ａ）は正面図，（ｂ）は反 射鏡を断面で示した平面図，（ｃ）は側面図をそれぞれ示している。 図２の反射鏡４の主反射面４ｂは、管軸方向に対するの範囲において、長 軸から長軸と短軸の中間位置までの周面（の部分）に傾きを与えている形状で あるが、この実施の形態は、の範囲において、長軸から短軸まで周面全体（ の部分）に傾きを与えている点で図２とは異なっている。他の形状は図２と略 同様である。 したがって、反射鏡６の主反射面６ｂの管軸方向に対する集光に寄与する部分 は図２に比較し大きくなり、反射鏡全体の管軸方向に対する集光には、図２より 大きくなる。

【００１２】

【考案の効果】

以上、説明したように本考案は、閃光管の主反射面の管軸方向に対する反射面 を内側に指向させるように構成されているので、従来に比較し、管軸方向の集光 力が増大し、撮影画面上に対して閃光エネルギーをより効率的に分散することが できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるカメラ用ストロボ装置の反射鏡の
構造の実施の形態を示す図で、（ａ）は正面図，（ｂ）
は反射鏡を断面で示した平面図，（ｃ）は側面図をそれ
ぞれ示している。

【図２】本考案の第２の実施の形態を示す図で、（ａ）
は正面図，（ｂ）は反射鏡を断面で示した平面図，
（ｃ）は側面図をそれぞれ示している。

【図３】本考案の第３の実施の形態を示す図で、（ａ）
は正面図，（ｂ）は反射鏡を断面で示した平面図，
（ｃ）は側面図をそれぞれ示している。

【図４】従来のカメラ用ストロボ装置の反射鏡の一例を
示す図で、（ａ）は正面図，（ｂ）は反射鏡を断面で示
した平面図，（ｃ）は側面図をそれぞれ示している。

【符号の説明】

１，３，５…キセノンランプ ２，４，６…反射鏡

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 その横断面が放物または半楕円形状であ
   り、閃光管の管軸方向に対応して横長に反射面が形成さ
   れ、前記閃光管が発する光が、前記閃光管の管径方向に
   対しては所定の角度に反射されるように構成されたカメ
   ラ用ストロボ装置の反射鏡において、 前記反射鏡の縦断面の形状の少なくとも一部が、前記閃
   光管の管軸に対し傾きを有し、前記閃光管の反射光が内
   側に指向するように構成したことを特徴とするカメラ用
   ストロボ装置の反射鏡の構造。
2. 【請求項２】 前記反射鏡の縦断面の形状は、折れ曲が
   り部分が閃光管より最も離れた位置になるような略くの
   字形状であることを特徴とする請求項１記載のカメラ用
   ストロボ装置の反射鏡の構造。
3. 【請求項３】 前記反射鏡の縦断面の形状は、その一部
   が曲線であり、その曲線が前記閃光管の管軸に対し傾き
   を有することを特徴とする請求項１記載のカメラ用スト
   ロボ装置の反射鏡の構造。