JP3043118B2 - 共役γ−ヒドロキシブテノライド化合物およびこれを有効成分とする制ガン剤 - Google Patents

共役γ−ヒドロキシブテノライド化合物およびこれを有効成分とする制ガン剤

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JP3043118B2 JP3183002A JP18300291A JP3043118B2 JP 3043118 B2 JP3043118 B2 JP 3043118B2 JP 3183002 A JP3183002 A JP 3183002A JP 18300291 A JP18300291 A JP 18300291A JP 3043118 B2 JP3043118 B2 JP 3043118B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な共役γ−ヒドロキ
シブテノライド化合物およびこれを有効成分とする制ガ
ン剤に関する。
【0002】
【従来の技術および課題】現在、ガンの治療法として
は、一般的に外科的療法、放射線療法、化学療法(薬剤
投与)等が行われている。
【0003】これらのうちの化学療法としては、従来よ
り直接腫瘍細胞に作用して腫瘍細胞を死滅される薬剤を
投与する治療法が広く適用されており、この種の治療に
使用する抗腫瘍剤についての提案は多い。
【0004】例えば、以下に示す共役γ−ヒドロキシブ
テノライド化合物がマウスの神経芽細胞種N18TG−
2細胞に対し殺細胞活性を有していることが知られてい
る。(Int,J,Cancer,33,677(19
84))
【0005】
【化3】
【0006】
【化4】
【0007】
【化5】
【0008】
【化6】
【0009】
【化7】
【0010】
【化8】
【0011】
【化9】 しかし、これらの化合物のヒト腫瘍細胞に対する活性は
知られていない。
【0012】また、ガンの治療のみならず発ガンの過程
についても研究が行なわれており、以下のような知見が
得られている。化学発ガンの過程にはイニシエーション
およびプロモーションと呼ばれる独立した2つの過程が
関与している。これは二段階発ガン説と言われ、ベレン
ブリューム(BERENBLUM)によって提起された
ものである。(Cancer Res,,1, 807
〜814(1941))。ここでイニシエーションとは
イニシエーターと呼ばれる化学物質によって生ずるDN
A変化で、非可逆的な反応である。イニシエーターとし
てはジメチルベンツアントラセン(DMBA)がよく知
られている。
【0013】これに続いてプロモーターと呼ばれる化学
物質によって、細胞が最終的にガン化に導かれる過程を
プロモーションと呼ぶ。発ガンプロモーターとしては、
ハズの木の種子から取ったクロトン油あるいはその成分
である12−O−テトラデカノイルホルボール−13−
アセテート(TPA)が強力な活性を有することが知ら
れている。
【0014】現在では、TPAと化学構造の異なる発ガ
ンプロモーターが環境中に数多く見出されており、これ
らのプロモーターのなかにはTPAと同じ機序によって
作用するもの(TPAタイプのプロモーター)、TPA
とは異なる機序によって作用するもの(Non−TPA
タイプのプロモーター)などがある。
【0015】最近では、生体成分である胆汁酸やホルモ
ンもプロモーターとなりうることが明らかにされ、また
食塩がガンにおけるプロモーターとなりうることなど、
きわめて身近なものが発ガンプロモーターとしての作用
を持つことが明らかにされつつある。
【0016】これらの観点から、発ガンプロモーション
抑制作用を有し、かつ制ガン作用も有する新たな制ガン
剤の開発が強く望まれている。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、下記一般
式(I)で示される共役γ−ヒドロキシブテノライド化
合物に制ガン作用および発ガンプロモーション抑制作用
があることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0018】
【化10】 (式中、nは1〜6の範囲の整数であり、nが1又は2
の整数のときR1 ,R2 ,R3 ,R4 およびR5 のうち
少くとも1つがハロゲン原子で他は水素原子、低級アル
キル基または低級アルコキシ基であり、nが3〜6の範
囲の整数のときR1 ,R2 ,R3 ,R4 およびR5 は同
一であるかもしくは異なり、水素原子、ハロゲン原子、
低級アルキル基または低級アルコキシ基を表す。)上記
一般式(I)において低級アルキル基は好ましくは炭素
数1〜6の直鎖もしくは分枝アルキル基、例えばメチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、nペンチル基、イソアミル基、n−ヘキシル
基などを包含し、低級アルコキシ基は好ましくは炭素数
1〜4の直鎖または分枝アルコキシ基、例えばメトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基などを
包含する。また、ハロゲン原子とはフッ素原子、塩素原
子、臭素原子およびヨウ素原子を包含し、好ましくは塩
素原子である。 共役γ−オキシブテノライド化合物 請求項1記載の本発明は一般式(I)で示される共役γ
−ヒドロキシブテノライド化合物のうち新規化合物に関
するもので、詳しくは一般式
【0019】
【化11】 (式中、nは4〜6の範囲の整数であり、R1 ,R2
3 ,R4 およびR5 は同一であるかもしくは異なり、
水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級ア
ルコキシ基を表す。)で示される共役γ−ヒドロキシブ
テノライド化合物に関する。
【0020】一般式(I)で示される共役γ−ヒドロキ
シブテノライド化合物の例を以下に列挙するが、化合物
の番号は以後当該化合物を指すものとして統一的に使用
する。
【0021】
【化12】
【0022】
【化13】
【0023】
【化14】
【0024】
【化15】
【0025】
【化16】
【0026】
【0027】
【化18】
【0028】
【化19】
【0029】
【0030】
【化21】
【0031】
【化22】
【0032】
【化23】
【0033】
【化24】
【0034】
【化25】 一般式(I)で示される共役γ−ヒドロキシブテノライ
ド化合物は公知の5−ヒドロキシ−4−[2−フェニル
ー(E)−エテニル]−2(5H)−フラノン(以下、
化合物(6)と略す)の製法(Chem,Pharm,
Bull,,34(10)4346(1986))に準
じて行うことができる。この反応は次式で示される。
【0035】
【化26】 すなわち、末端に置換または無置換のフェニル基を有す
る共役アルデヒドとピルビンアルデヒドジメチルアセタ
ールとをメタノールあるいはテトラヒドロフラン溶媒
中、塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化バリウム等のアルカリ、またはピロリジン、ピペ
リジン、DBU(1,8ジアザビシクロ(5,4,0)
ウンデセン−7)等の有機塩基の存在下、0℃〜65℃
(メタノール還流温度)で1〜10時間反応させ、不飽
和ケトンを合成する。精製は反応終了液を水にあけ、酢
酸エチルで抽出し、有機層を水洗した後溶媒を留去する
ことにより行うことができる。ついでこの化合物をEm
mons−Horner反応によってホスホン酸エステ
ルと反応させて不飽和エステルを得る。この際、反応条
件はEmmons−Horner反応の通常用いられる
条件でよく、例えば、塩基としてn−BuLi,Na
H,NaOH,NaOEt等を用い、溶媒としては反応
に不活性なベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン等
を用い室温付近で1〜24時間反応させる。精製は反応
終了液を水にあけ、酢酸エチルで抽出し、有機層を水洗
した後酢酸エチルを留去することにより行うことができ
る。
【0036】次にこのようにして得られた不飽和エステ
ルを20〜50%硫酸水溶液を用い、室温から90℃で
1〜10時間処理すると目的とする共役γ−ヒドロキシ
ブテノライド化合物が得られる。この反応の際に反応促
進剤としてヨウ素を反応液に対して0.01〜1.0重
量%添加してもよい。精製はカラムクロマトグラフィー
あるいは再結晶法により容易に行うことができる。 制ガン剤 請求項2記載の本発明は一般式(I)で示される共役γ
−ヒドロキシブテノライド化合物を有効成分として含有
する制ガン剤に関し、かかる制ガン剤は一般式(I)で
示される共役γ−ヒドロキシブテノライド化合物それ自
体または適宜製剤上の賦形剤、結合剤、希釈剤と混合し
て成るものであり、粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、シ
ロップ剤、注射剤など任意の剤形で経口的または非経口
的に投与することができる。
【0037】投与量は、年令、体重、症状により適宜増
減するが、経口的には通常成人、1日、本発明化合物と
して10mgないし10g程度であり、さらに好ましくは
50mgないし5gである。本発明による好ましい具体例
は、上記1日あたりの投与量を1回ないし数回に分けて
服用させるための単位投与形態のものである。また、必
要に応じて他の薬剤を調合させてもよいことは、言うま
でもない。
【0038】
【発明の効果】本発明の新規共役ブテノライド化合物
は、該制ガン剤の有効成分としてのみならず、新たな生
理活性物質としても期待できる。また本発明に係る制ガ
ン剤は、後記実施例に示したように、発ガン抑制(抗発
ガンプロモーター)効果および抗ガン(腫瘍)の効果の
両効果を有するものであり、本効果は、ガンの予防およ
び治療など、ガンの総合的な治療分野におよぶものであ
る。
【0039】
【実施例】つぎに本発明の実施例を示す。
【0040】
【参考例】5−ヒドロキシ−4−[2−(3クロロフェ
ニル)−(E)−エテニル]−2(5H)−フラノン
(化合物(1))の合成 3−クロロベンズアルデヒド25g(180mmol),ピ
ルビンアルデヒドジメチルアセタール42g(360mm
ol)をメタノール250mlに溶かし、水酸化ナトリウム
0.36g(9mmol)を加えて室温で5時間撹拌した。
【0041】反応終了後、水200mlを加えてn−ヘキ
サン200mlで3回抽出した。n−ヘキサン層をロータ
リーエバポレーターで濃縮し、残留物40.5gを得
た。HPLC分析の結果、残留物中に1,1−ジメトキ
シ−4−(3−クロロフェニル)−3−ブテン−2−オ
ン30.3gが含まれていた。
【0042】つぎに、水素化ナトリウム5.3g(17
0mmol)をトルエン200mlに加え、氷冷により内温を
5〜15℃に維持しながらトリエチルフォスフォノアセ
テート53.8g(240mmol)をトルエン100mlで
希釈した溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後撹拌
し、先に得られた1,1−ジメトキシ−4−(3−クロ
ロフェニル)−3−ブテン−2−オン30g(125mm
ol)をトルエン50mlで希釈した溶液を1時間かけて滴
下した。滴下終了後室温で1時間撹拌した後、一夜放置
した。
【0043】反応液を10%塩化アンモニウム溶液50
0mlにあけ、イソプロピルエーテル300mlで2回抽出
した。得られた有機層を飽和食塩水500mlで洗浄し、
溶媒をロータリーエバポレーターで留去して残留物45
gを得た。HPLC分析の結果、この残留物中に3−ジ
メトキシメチル−5−(3−クロロフェニル)−2,4
−ペンタジエニルカルボン酸エチルエステル37.0g
が含まれていた。
【0044】この残留物45gをジオキサン300mlに
溶かし、ヨウ素0.06gおよび30%硫酸水100ml
を加えて6時間加熱還流した。冷却後、反応液を水50
0mlに注ぎ、イソプロピルエーテル300mlで2回抽出
した。得られた有機層を飽和食塩水500mlで洗浄し、
溶媒をロータリーエバポレーターで留去して残留物1
5.0gを得た。この残留物を酢酸エチルから再結晶
し、淡黄色結晶3.0gを得た。
【0045】 1H−NMRスペクトルによりこのものが
5−ヒドロキシ−4−[2−(3−クロロフェニル)−
(E)−エテニル]−2(5H)−フラノンであること
を確認した。
【0046】 1H−NMR(270MHz ,DMSO−d
6 ,ppm ):6.22(1H,s,3−H),6.35
(1H,d,J=8.0Hz,5−H),7.20(1
H,d,J=18.5Hz,1′−H),7.27(1
H,d,J=18.5Hz,2′−H),7.40〜7.
65(4H,m,Ar−H),7.82(1H,d,J
=8.0Hz,OH) IR(KBr,cm-1):3300(OH),1720
(α,β−不飽和γ−ラクトン),1630,1600
(C=C),1140(Ar=Cl) [実施例1]5−ヒドロキシ−4(6−フェニル−ヘキ
サ−1,3,5−トリエニル)−2(5H)−フラノン
(化合物(2))の合成 5−フェニル−ペンタ−2,4−ジエナール10.0g
(63.2mmol)およびピルビンアルデヒドジメチルア
セタール14.9g(126mmol)のメタノール溶液
(50ml)にピロリジン0.12g(1.8mmol)を加
え、1.5時間加熱還流した。反応終了後、溶媒を減圧
留去した。残渣をイソプロピルエーテル200mlで希釈
し、5%塩酸水100ml、飽和重曹水100mlおよび飽
和食塩水100mlで洗浄した後、イソプロピルエーテル
層をロータリーエバポレーターで濃縮し、残留物15.
6gを得た。HPLC分析の結果、この残留物中に1,
1−ジメトキシ−8−フェニル−オクタ−3,5,7−
トリエン−2−オン9.8gが含まれていた。
【0047】つぎに、水素化ナトリウム1.7g(70
mmol)をトルエン150mlに加え氷冷し、内温を5〜1
5℃に維持しながらトリエチルホスホノアセテート1
5.6g(70mmol)を30分で滴下した。滴下終了
後、氷冷下でさらに30分間撹拌した。つぎに、先に得
られた1,1−ジメトキシ−8−フェニル−オクタ−
3,5,7−トリエン−2−オン15.0g(58mmo
l)をトルエン50mlで希釈した溶液を氷冷下1時間か
けて滴下した。滴下終了後、室温でさらに1時間撹拌
し、一夜放置した。
【0048】反応混合液に10%塩化アンモニウム溶液
200mlを加えた後、イソプロピルエーテル200mlで
2回抽出した。得られたイソプロピルエーテル層を飽和
重曹水100mlおよび飽和食塩水100mlで洗浄した
後、ロータリーエバポレーターで濃縮し残留物24.0
gを得た。この残留物は、HPLC分析の結果、3−ジ
メトキシメチル−9−フェノル−ノナ−2,4,6,8
−テトラエンカルボン酸エチルエステル11.8gを含
有していた。
【0049】この残留物の24.0gをジオキサン72
0mlに溶解し、ヨウ素0.02gと30%硫酸水240
mlを加えて30分間加熱還流した。反応終了後、反応液
を氷水1000mlにあけ、酢酸エチル500mlで2回抽
出した。得られた酢酸エチル層は飽和食塩水500mlで
洗浄した後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。得
られた残留物を酢酸エチルから再結晶し、淡黄色結晶
4.1gを得た。各種物理化学データによりこの結晶が
化合物(2)であることを確認した。
【0050】1)融点:165〜168℃(補正なし) 2)マススペクトル:EI−MSにて254(M+ )を
検出 3)元素分析:(C16143 ) 理論値 C:75.57,H:5.55 実験値 C:75.26,H:5.55 4)紫外吸収スペクトル:λmax 370nm,ε2860
0(EtOH) 5)赤外吸収スペクトル(KBr,cm-1):3270
(OH),1730(α,β−不飽和ラクトン),16
28,1585(C=C) 6) 1H−NMR(300MHz ,DMSO−d6 ,ppm
):6.14(1H,s,3−H),6.31(1
H,d,J=8.5Hz,5−H),6.50〜7.20
(6H,m,1′〜6′−H),7.28〜7.55
(5H,m,arom−H)7.90(1H,d,J=
8.5Hz,OH) 7)13C−NMR(75MHz ,DMSO−d6 ,ppm
):170.9(2−C),139.7(3−C),
162.0(4−C),97.7(5−C),115.
3(1′−C),139.1(2′−C),122.0
(3′−C),136.6(4′−C),128.3
(5′−C),132.4(6′−C),128.9
(1″−C),128.7(2″,6″−C),12
6.7(3″,5″−C),135.5(4″−C) [実施例2]5−ヒドロキシ−4(8−フェニル−オク
タ−1,3,5,7−テトラエニル)−2(5H)−フ
ラノン(化合物(3))の合成 7−フェニル−ヘプタ−2,4,6−トリエナール1
5.0g(81.4mmol)から実施例1と同様の方法で
化合物(3)4.5gを得た。
【0051】1)融点:167〜169℃(補正なし) 2)マススペクトル:EI−MSにて280(M+ )を
検出 3)元素分析:(C16143 ) 理論値 C:77.13,H:5.75 実験値 C:76.93,H:5.79 4)紫外吸収スペクトル:λmax 395nm,ε2920
0(EtOH) 5)赤外吸収スペクトル(KBr,cm-1): 3260(OH), 1740(α,β−不飽和ラクトン), 1625,1565(C=C) 6) 1H−NMR(300MHz ,DMSO−d6 ,ppm
): 6.13(1H,s,3−H), 6.30(1H,d,J=8.5Hz,5−H), 6.50〜7.12(8H,m,1′〜8′−H), 7.20〜7.55(5H,m,arom−H) 7.89(1H,d,J=8.5Hz,OH) 7)13C−NMR(75MHz ,DMSO−d6 ,ppm
): 170.9(2−C),139.8(3−C), 162.1(4−C),97.7(5−C), 115.2(1′−C),139.0(2′−C), 121.9(3′−C),136.8(4′−C), 128.0(5′−C),134.3(6′−C), 132.2(7′−C),133.0(8′−C), 129.1(1″−C), 128.8(2″,6″−C), 126.6(3″,5″−C), 136.7(4″−C) [実施例3] 5−ヒドロキシ−4(10−フェニル−デカ−1,3,
5,7,9−ペンタエニル)−2(5H)−フラノン
(化合物(4))の合成 9−フェニル−ノナ−2,4,6,8−テトラエナール
10.0g(47.6mmol)から実施例1と同様の方法
で化合物(4)2.5gを得た。
【0052】1)融点:172〜174℃(補正なし) 2)マススペクトル:EI−MSにて306(M+ )を
検出 3)元素分析:(C16143 ) 理論値 C:78.41,H:5.92 実験値 C:78.29,H:6.08 4)紫外吸収スペクトル:λmax 405nm,ε2990
0(EtOH) 5)赤外吸収スペクトル(KBr,cm-1):3270
(OH),1735(α,β−不飽和ラクトン),16
22,1560(C=C) 6) 1H−NMR(300MHz ,DMSO−d6 ,ppm
):6.12(1H,s,3−H),6.29(1
H,d,J=8.5Hz,5−H),6.44〜7.10
(10H,m,1′〜10′−H),7.20〜7.5
5(5H,m,arom−H)7.89(1H,d,J
=8.5Hz,OH) 7)13C−NMR(75MHz ,DMSO−d6 ,ppm
):170.9(2−C),139.9(3−C),
162.1(4−C),97.7(5−C),115.
2(1′−C),139.1(2′−C),121.9
(3′−C),137.0(4′−C),127.9
(5′−C),135.5(6′−C),132.2
(7′−C),133.5(8′−C),133.5
(9′−C),133.5(10′−C),129.2
(1″−C),128.8(2″,6″−C),12
6.5(3″,5″−C),136.7(4″−C) [実施例4]5−ヒドロキシ−4(12−フェニル−ド
デカ−1,3,5,7,9,11−ヘキサエニル)−2
(5H)−フラノン(化合物(5))の合成 11−フェニル−ウンデカ−2,4,6,8,10−ペ
ンタエナール15.0g(63.4mmol)から実施例1
と同様の方法で化合物(5)2.7gを得た。
【0053】1)融点:173〜177℃(補正なし) 2)マススペクトル:EI−MSにて332(M+ )を
検出 3)元素分析:(C16143 ) 理論値 C:79.50,H:6.06 実験値 C:79.25,H:6.14 4)紫外吸収スペクトル:λmax 410nm,ε3080
0(EtOH) 5)赤外吸収スペクトル(KBr,cm-1): 3265(OH), 1740(α,β−不飽和ラクトン), 1620,1550(C=C) 6) 1H−NMR(300MHz ,DMSO−d6 ,ppm
): 6.12(1H,s,3−H), 6.28(1H,d,J=8.5Hz,5−H), 6.42〜7.10(12H,m,1′〜12′−
H), 7.20〜7.50(5H,m,arom−H) 7.88(1H,d,J=8.5Hz,OH) 7)13C−NMR(75MHz ,DMSO−d6 ,ppm
): 170.9(2−C),139.8(3−C), 162.1(4−C),97.7(5−C), 115.2(1′−C),139.1(2′−C), 121.9(3′−C),137.2(4′−C), 127.9(5′−C),135.5(6′−C), 132.1(7′−C),133.7(8′−C), 133.5(9′−C),133.6(10′−C), 133.6(11′−C),133.6(12′−
C), 129.2(1″−C), 128.8(2″,6″−C), 126.6(3″,5″−C), 136.7(4″−C)
【0054】[実施例5] 5−ヒドロキシ−4−{6−(4−メチルフェニル)−
ヘキサ−1,3,5−トリエニル}−2(5H)−フラ
ノン(化合物(8))の合成 5−(4−メチルフェニル)−ペンタ−2,4,−ジエ
ナール10.0g(58.1mmol)から実施例1と同様
の方法で化合物(8)1.2gを得た。
【0055】1)融点:185〜188℃(補正なし) 2)マススペクトル:EI−MSにて268(M+ )を
検出 3)元素分析:(C17163 ) 理論値 C:76.10,H:6.01 実験値 C:75.34,H:6.07 4)赤外吸収スペクトル(KBr,cm-1): 3270(OH), 1738(α,β−不飽和ラクトン), 1625,1564(C=C) 5) 1H−NMR(300MHz ,DMSO−d6 ,ppm
): 2.30(3H,s,Me), 6.12(1H,s,3−H), 6.30(1H,br.s,5−H), 6.53(1H,d,J=15Hz,1′−H), 6.56(1H,dd,J=15.0,11.5Hz,
5′−H), 6.70〜6.82(2H,m,4′,6′−H), 7.01(1H,dd,J=15.0,11.5Hz,
3′−H), 7.03(1H,dd,J=15.0,11.5Hz,
2′−H), 7.18(2H,d,J=8.0Hz,2″,6″−
H), 7.42(2H,d,J=8.0Hz,3″,5″−
H), 7.92(1H,br.s,OH) 6)13C−NMR(75MHz ,DMSO−d6 ,ppm
): 171.0(2−C),115.2(3−C), 162.2(4−C),97.7(5−C), 121.7(1′−C),139.9(2′−C), 127.8(3′−C),139.4(4′−C), 131.9(5′−C),135.7(6′−C), 133.9(1″−C), 129.5(2″,6″−C), 126.7(3″,5″−C), 137.9(4″−C) 20.9(Me) [実施例6] 5−ヒドロキシ−4−{8−(4−メチルフェニル)−
オクタ−1,3,5,7−テトラエニル}−2(5H)
−フラノン(化合物(9))の合成 7−(4−メチルフェニル)−ヘプタ−2,4,6−ト
リエナール15.0g(75.3mmol)から実施例1と
同様の方法で化合物(9)0.1gを得た。
【0056】1)融点:206〜208℃(補正なし) 2)マススペクトル:EI−MSにて294(M+ )を
検出 3)元素分析:(C19183 ) 理論値 C:77.53,H:6.16 実験値 C:77.25,H:6.24 4)赤外吸収スペクトル(KBr,cm-1): 3265(OH), 1740(α,β−不飽和ラクトン), 1620,1550(C=C) 5) 1H−NMR(300MHz ,DMSO−d6 ,ppm
): 2.31(3H,s,Me), 6.12(1H,s,3−H), 6.32(1H,br.s,5−H), 6.40〜6.80(6H,m,1′,4′〜8′−
H), 6.84〜7.03(2H,m,2′,3′−H), 7.17(2H,d,J=8.0Hz,2″,6″−
H), 7.41(2H,d,J=8.0Hz,3″,5″−
H), 7.93(1H,br.s,OH) 6)13C−NMR(75MHz ,DMSO−d6 ,ppm
): 171.1(2−C),115.2(3−C), 162.3(4−C),97.7(5−C), 122.0(1′−C),140.0(2′−C), 127.9(3′−C),139.6(4′−C), 131.6(5′−C),137.2(6′−C), 132.5(7′−C),133.8(8′−C), 133.1(1″−C), 126.7(2″,6″−C), 129.5(3″,5″−C), 138.0(4″−C) 20.9(Me)
【0057】[実施例7] 5−ヒドロキシ−4−{6−(4−メトキシフェニル)
−ヘキサ−1,3,5−トリエニル}−2(5H)−フ
ラノン(化合物(11))の合成 5−(4−メトキシフェニル)−ペンタ−2,4,−ジ
エナール10.0g(53.1mmol)から実施例1と同
様の方法で化合物(11)0.4gを得た。
【0058】1)融点:179〜182℃(補正なし) 2)マススペクトル:EI−MSにて284(M+ )を
検出 3)元素分析:(C17164 ) 理論値 C:71.82,H:5.67 実験値 C:71.34,H:5.68 4)赤外吸収スペクトル(KBr,cm-1): 3240(OH), 1741(α,β−不飽和ラクトン), 1598,1565(C=C) 5) 1H−NMR(300MHz ,DMSO−d6 ,ppm
): 3.78(3H,s,MeO), 6.11(1H,s,3−H), 6.29(1H,br.s,5−H), 6.51(1H,d,J=15Hz,1′−H), 6.55(1H,dd,J=15.4,10.8Hz,
5′−H), 6.75(1H,dd,J=15.4,10.8Hz,
4′−H), 6.76(1H,d,J=15.4Hz,6′−H), 6.88〜7.07(2H,m,2′,3′−H), 6.94(2H,d,J=8.8Hz,3″,5″−
H), 7.47(2H,d,J=8.8Hz,2″,6″−
H), 7.90(1H,br.s,OH) 6)13C−NMR(75MHz ,DMSO−d6 ,ppm
): 170.9(2−C),114.9(3−C), 162.2(4−C),97.6(5−C), 121.3(1′−C),140.0(2′−C), 126.5(3′−C),139.7(4′−C), 131.1(5′−C),135.5(6′−C), 129.3(1″−C), 128.2(2″,6″−C), 114.3(3″,5″−C), 159.5(4″−C) 55.2(MeO) [実施例8] 5−ヒドロキシ−4−{8−(4−メトキシフェニル)
−オクタ−1,3,5,7−テトラエニル}−2(5
H)−フラノン(化合物(12))の合成 7−(4−メトキシフェニル)−ヘプタ−2,4,6−
トリエナール10.0g(46.7mmol)から実施例1
と同様の方法で化合物(12)0.2gを得た。
【0059】1)融点:199〜202℃(補正なし) 2)マススペクトル:EI−MSにて310(M+ )を
検出 3)元素分析:(C19184 ) 理論値 C:73.53,H:5.85 実験値 C:72.99,H:6.03 4)赤外吸収スペクトル(KBr,cm-1): 3245(OH), 1740(α,β−不飽和ラクトン), 1581,1555(C=C) 5) 1H−NMR(300MHz ,DMSO−d6 ,ppm
): 3.77(3H,s,Me), 6.10(1H,s,3−H), 6.29(1H,d,J=7.7Hz,5−H), 6.42〜6.76(6H,m,1′,4′〜8′−
H), 6.84〜7.04(2H,m,2′,3′−H), 6.92(2H,d,J=8.9Hz,3″,5″−
H), 7.44(2H,d,J=8.9Hz,2″,6″−
H), 7.88(1H,d,J=7.7Hz,OH) 6)13C−NMR(75MHz ,DMSO−d6 ,ppm
): 170.9(2−C),114.9(3−C), 162.1(4−C),97.6(5−C), 121.5(1′−C),139.9(2′−C), 126.8(3′−C),139.3(4′−C), 131.5(5′−C),137.2(6′−C), 131.8(7′−C),134.2(8′−C), 129.5(1″−C), 128.0(2″,6″−C), 114.3(3″,5″−C), 159.3(4″−C) 55.2(Me) [実施例9] 5−ヒドロキシ−4−{4−(4−クロロフェニル)−
テトラ−1,3−ジエニル}−2(5H)−フラノン
(化合物(13))の合成 4−クロロ桂皮アルデヒド10.0g(60.2mmol)
から実施例1と同様の方法で化合物(13)1.2gを
得た。
【0060】1)融点:169〜171℃(補正なし) 2)マススペクトル:EI−MSにて262(M+ )を
検出 3)元素分析:(C15143 ) 理論値 C:64.01,H:4.22,Cl:13.
50 実験値 C:63.50,H:4.23,Cl:13.
22 4)赤外吸収スペクトル(KBr,cm-1): 3340(OH), 1740(α,β−不飽和ラクトン), 1625,1585(C=C) 1140(Ar−Cl) 5) 1H−NMR(300MHz ,DMSO−d6 ,ppm
): 6.21(1H,s,3−H), 6.33(1H,br,s,5−H), 6.64(1H,d,J=15.0,1−H), 6.94(1H,d,J=15.0,4′−H), 7.05(1H,dd,J=15.0,11.0Hz,
2′−H) 7.16(1H,dd,J=15.0,11.0Hz,
3′−H) 7.44(2H,d,J=8.5Hz,2″,6″−
H), 7.60(2H,d,J=8.5Hz,3″,5″−
H), 7.95(1H,br,s,OH) 6)13C−NMR(75MHz ,DMSO−d6 ,ppm
): 170.8(2−C),115.9(3−C), 161.9(4−C),97.7(5−C), 122.8(1′−C),139.7(2′−C), 129.1(3′−C),136.6(4′−C), 133.0(1″−C), 128.8(2″,6″−C), 128.7(3″,5″−C), 135.2(4″−C) [実施例10] 5−ヒドロキシ−4−{6−(4−クロロフェニル)−
ヘキサ−1,3,5−トリエニル}−2(5H)−フラ
ノン(化合物(14))の合成 5−(4−クロロシフェニル)−ペンタ−2,4,−ジ
エナール10.0g(51.9mmol)から実施例1と同
様の方法で化合物(14)2.4gを得た。
【0061】1)融点:195〜196℃(補正なし) 2)マススペクトル:EI−MSにて288(M+ )を
検出 3)元素分析:(C1613ClO3 ) 理論値 C:66.56,H:4.54,Cl:12.
28 実験値 C:66.00,H:4.57,Cl:12.
30 4)赤外吸収スペクトル(KBr,cm-1): 3355(OH), 1738(α,β−不飽和ラクトン), 1624,1560(C=C) 1142(Ar−Cl) 5) 1H−NMR(300MHz ,DMSO−d6 ,ppm
): 6.15(1H,s,3−H), 6.31(1H,br.s,5−H), 6.56(1H,d,J=15Hz,1′−H), 6.56(1H,dd,J=15.0,11.5Hz,
5′−H), 6.70〜6.82(2H,m,4′,6′−H) 7.01(1H,dd,J=15.0,11.5Hz,
3′−H), 7.03(1H,dd,J=15.0,11.5Hz,
2′−H), 7.41(2H,d,J=8.5Hz,2″,6″−
H), 7.55(2H,d,J=8.5Hz,3″,5″−
H), 7.90(1H,br.s,OH) 6)13C−NMR(75MHz ,DMSO−d6 ,ppm
): 170.8(2−C),115.5(3−C), 162.0(4−C),97.7(5−C), 122.3(1′−C),139.6(2′−C), 129.6(3′−C),138.8(4′−C), 132.9(5′−C),134.0(6′−C), 132.5(1″−C), 128.8(2″,6″−C), 128.3(3″,5″−C), 135.6(4″−C) [実施例11] 5−ヒドロキシ−4−{8−(4−クロロフェニル)−
オクタ−1,3,5,7−テトラエニル}−2(5H)
−フラノン(化合物(15))の合成 7−(4−クロロフェニル)−ヘプタ−2,4,6−ト
リエナール10.0g(45.7mmol)から実施例1と
同様の方法で化合物(15)2.1gを得た。
【0062】1)融点:206〜210℃(補正なし) 2)マススペクトル:EI−MSにて314(M+ )を
検出 3)元素分析:(C1815ClO3 ) 理論値 C:68.68,H:4.80,Cl:11.
26 実験値 C:68.59,H:4.87,Cl:11.
04 4)赤外吸収スペクトル(KBr,cm-1): 3350(OH), 1742(α,β−不飽和ラクトン), 1620,1550(C=C) 5) 1H−NMR(300MHz ,DMSO−d6 ,ppm
): 6.13(1H,s,3−H), 6.30(1H,br,s,5−H), 6.45〜6.80(6H,m,1′,4′〜8′−
H), 6.90〜7.12(2H,m,2′,3′−H), 7.41(2H,d,J=8.3Hz,2″,6″−
H), 7.54(2H,d,J=8.3Hz,3″,5″−
H), 7.93(1H,br,s,OH) 6)13C−NMR(75MHz ,DMSO−d6 ,ppm
): 170.9(2−C),115.3(3−C), 162.1(4−C),97.7(5−C), 122.1(1′−C),139.8(2′−C), 129.9(3′−C),139.0(4′−C), 132.6(5′−C),136.5(6′−C), 132.8(7′−C),133.6(8′−C), 132.3(1″−C), 128.8(2″,6″−C), 128.2(3″,5″−C), 135.8(4″−C) [実施例12] 神経芽細胞腫に対する効果 ヒト神経芽細胞腫GOTO細胞を直径3.5cmのディッ
シュにまき、培養を行った。1日後、この培養液に共役
γ−ヒドロキシブテノライド化合物を0.5μg /mlの
濃度になるよう添加し、3日間培養を行い細胞数を測定
した。その結果は表1に示した通りである。化合物
(6)は比較例であり、(1)〜(5)の共役γ−ヒド
ロキシブテノライド化合物はGOTO細胞に対して化合
物(6)よりも強力な増殖抑制効果を示すことが明らか
となった。 実施例13] 種々のヒト腫瘍細胞に対する効果 神経芽細胞腫GOTO細胞、胃ガンHGC−27細胞、
大腸ガンCOLO320DM細胞の3種のヒト腫瘍細胞
を直径3.5cmのディッシュにまき、培養を行った。1
日後、それぞれの培養液に種々の濃度の化合物(2)を
添加し、3日間培養を行い細胞数を測定した。その結果
は表2に示す通りである。化合物(2)は濃度依存的に
種々のヒト腫瘍細胞に対して増殖抑制効果を示すことが
明らかとなった。 表 2 | 濃 度 | 阻害% | | (μg/ml) | GOTO細胞 | HGC-27細胞 | COLO320DM細胞 | | 0.1 | 0 | 39.8 | 13.3 | | 0.2 | 37.9 | 76.0 | 30.3 | | 0.5 | 50.8 | 99.7 | 77.5 | | 1.0 | 84.1 | 100 | 97.4 | | 2.0 | 100 | 100 | 100 | | 5.0 | 100 | 100 | 100 | [実施例14] 発ガンプロモーターによる細胞のリン脂質合成亢進の抑
制 発ガンプロモーターTPAによって引き起こされる細胞
のリン脂質合成亢進を、化合物(2)が抑制する効力に
ついて、培養細胞を用いてin vitroの系で検定
した。
【0063】すなわち、種々の濃度の化合物(2)を子
宮頸ガンHeLa細胞培養液中に添加し、1時間後にT
PA(50nM)および放射性無機リン酸32Pi(5μCi
/ディッシュ)を加え、さらに4時間培養を続けた。そ
の後細胞のリン脂質を抽出し、その中に取り込まれた放
射活性を測定した。その結果は図1に示す通りである。
化合物(2)はTPAによって亢進するリン脂質の合成
を濃度依存的に抑制することが明らかとなった。 [実施例15] 発ガンプロモーターによる細胞のリン脂質合成亢進の抑
制(2) 発ガンプロモーターTPAによって引き起こされる細胞
のリン脂質合成亢進を、化合物(2)〜(6)、
(8)、(9)および(11)〜(15)が抑制する効
力について、実施例14と同様の方法で検定した。
【0064】それぞれの化合物を2.5μg/mlの濃度
で添加した場合の結果を表3に示す。化合物(2)〜
(5)、(8)、(9)および(11)〜(15)は、
化合物(5)を除いて化合物(6)よりも強い抑制効果
を有することが明らかとなった。 実施例16] 発ガンプロモーターによる細胞の遺伝子発現亢進の抑制 発ガンプロモーターTPAによって引き起こされる細胞
の遺伝子発現亢進を化合物(2)が抑制する効力につい
て、培養細胞を用いたin vitroの系で検定し
た。
【0065】すなわち、種々の濃度の化合物(2)をE
pstein−Barrウイルス遺伝子が組み込まれた
Raji細胞の培養液中に添加し、TPA(20ng/m
l)をn−酪酸(4mM)と共に加え、培養を2日間続け
た。その後、Epstein−Barrウイルスの初期
抗原の発現率を蛍光抗体法で測定し、TPAによって亢
進する遺伝子発現が、化合物(2)によって抑制される
率を算出した。その結果は表3に示す通りである。化合
物(2)は濃度依存的にTPAによって亢進するEps
tein−Barrウイルス初期抗原の発現を抑制する
ことが明らかとなった。 実施例17] 急性毒性 ICR系雄性マウス(5週令)を用いて経口投与による
急性毒性試験を行った。
【0066】化合物(2)のLD50値は2000mg/kg
以上であり、有効量に比べて高い安全性が確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例16における発ガンプロモーターによっ
て引き起こされる細胞のリン脂質合成亢進の抑制効果を
示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−22271(JP,A) 特開 平3−106870(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 307/60 A61K 31/365 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式 【化1】 (式中、nは4〜6の範囲の整数であり、R1 ,R2
    3 ,R4 およびR5 は同一であるかもしくは異なり、
    水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級ア
    ルコキシ基を表す。)で示される共役γ−ヒドロキシブ
    テノライド化合物。
  2. 【請求項2】 下記一般式 【化2】 (式中、nは1〜6の範囲の整数であり、nが1又は2
    の整数のときR1 ,R2 ,R3 ,R4 およびR5 のうち
    少くとも1つがハロゲン原子で他は水素原子、低級アル
    キル基または低級アルコキシ基であり、nが3〜6の範
    囲の整数のときR1 ,R2 ,R3 ,R4 およびR5 は同
    一であるかもしくは異なり、水素原子、ハロゲン原子、
    低級アルキル基または低級アルコキシ基を表す。)で示
    される共役γ−ヒドロキシブテノライド化合物を有効成
    分として含有する制ガン剤。
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