JP3041461U - 伸縮型竿の継手固定構造 - Google Patents
伸縮型竿の継手固定構造Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】芯部材の回動によってC字型リングが芯部材と
共に回るようなことを防止でき、固定操作の容易な伸縮
型竿の継手固定構造を提供する。 【解決手段】C字型リング2の外周面には、複数の突起
3…3及び複数の突条4…4が備えられている。各突起
3は、突出先端3aが尖った形状をなす可撓性を有する
ものから構成され、突出先端3aが半径方向から図の時
計方向側寄りを向いた形状を呈している。各突条4は、
突出基端4bから突出先端4aにかけて漸次厚さの薄く
なる三角形状を呈し、その突出先端4aが大径の筒状体
aの内周面に当接して固定するための固定部4aをなし
ている。そして、各突起3の突出先端3aと各突条4の
固定部4aとは、大径の筒状体a内に配位された場合
に、C字型リング2が拡開されていない通常状態で、各
突起3の突出先端3aが大径の筒状体aの内周面に丁度
当接する程度とされ、各突条4の固定部4aが当接して
いない状態とされている。
共に回るようなことを防止でき、固定操作の容易な伸縮
型竿の継手固定構造を提供する。 【解決手段】C字型リング2の外周面には、複数の突起
3…3及び複数の突条4…4が備えられている。各突起
3は、突出先端3aが尖った形状をなす可撓性を有する
ものから構成され、突出先端3aが半径方向から図の時
計方向側寄りを向いた形状を呈している。各突条4は、
突出基端4bから突出先端4aにかけて漸次厚さの薄く
なる三角形状を呈し、その突出先端4aが大径の筒状体
aの内周面に当接して固定するための固定部4aをなし
ている。そして、各突起3の突出先端3aと各突条4の
固定部4aとは、大径の筒状体a内に配位された場合
に、C字型リング2が拡開されていない通常状態で、各
突起3の突出先端3aが大径の筒状体aの内周面に丁度
当接する程度とされ、各突条4の固定部4aが当接して
いない状態とされている。
Description
【0001】
本願考案は、ロールクリーナーやモップ、ガラスクイザー等の清掃具の柄等、 写真機等撮影機の脚等或いは釣り竿その他の伸縮型竿の継手固定構造の改良に関 する。
【0002】
従来より、モップやローラ式の清掃具の柄に、図8に示す伸縮型の竿部1が用 いられたものが見られる。これは、複数の径の異なる筒状体a,b,cを長手方 向に連設し、その先端に清掃具dを設けたものである。筒状体b,cは、夫々隣 接する径の大きい筒状体a,b収納することができる。このように収納すること によって、図9に示すように柄をなす竿部1を短くして使用することが可能であ り、収納、配送或いは携帯の便を図ってある。
【0003】 この伸縮型竿の継手は、図10に示すように小径の筒状体bの先端部へプラス チック等でできた円柱状の芯部材eが嵌め込まれており、この先端が大径の筒状 体aの後端に挿入されている。そして、この芯部材eの外周面には、周方向へ延 び環状になっている溝fが形成されている。この溝fには、プラスチック等でで きたC字型リングgが装着される。このC字型リングgは各位置で厚さが異なり 、溝fもそれに対応して各位置の深さが異なる。通常図11に示すC字型リング gの中央断面(X−X)がほぼ真円になっている。そして、筒状体bを回動する ことによって、図12に実線で示すようにC字型リングgに対する芯部材eの位 置をずらし、C字型リングgの径を増して筒状体bの内周面を加圧する。このよ うにして筒状体間の固定がなされる。
【0004】 尚、図10のkは口形成用環状体を示しすものであり、この口形成用環状体k は、大径の筒状体aへ小径の筒状体bを装着した後、小径の筒状体b側より、大 径の筒状体aの開口部へ装着されるものである。この口形成用環状体kは、接着 剤等の適当な手段によって、大径の筒状体aの開口部へ固定され、竿部1完成後 、大径の筒状体から径の小さな筒状体が脱落しないように、C字型リングgに引 っ掛かる逆鉤をなすものである。
【0005】
ところが、小径の筒状体bを大径の筒状体aに対して回動しても、C字型リン グgが芯部材eの溝f内に張り付いて芯部材eと共に回ってしまい、C字型リン グgに対する芯部材eの位置が変化しない場合が多い。又、芯部材eがC字型リ ングgに対して多少回動し、C字型リングgの外周が大径の筒状体aの内周面に 当接したとしても、当接後は、大径の筒状体aの内周面からの反力によって芯部 材eとC字型リングgとの間にかかる回動の抵抗も大きくなるため、芯部材eを 更に回動させていくとC字型リングgの外周が大径の筒状体aの内周面を滑って しまう。その結果、C字型リングgが拡開せずに、大径の筒状体aの内周面に圧 着されず、固定効果が充分に発揮されないという課題を有する。
【0006】 本願考案は、以上の実情に鑑み提案されたもので、芯部材の回動によってC字 型リングが芯部材と共に回るようなことを防止でき、固定操作の容易な伸縮型竿 の継手固定構造を提供することを第1の目的とする。
【0007】 本願考案は、固定操作の容易なものであって、確実に固定できる伸縮型竿の継 手固定構造を提供することを第2の目的とする。
【0008】
大径の筒状体aの後端から、小径の筒状体bの先端が、摺動可能に挿入され、 小径の筒状体bの先端外周には、内部の深さが周方向に進むにつれて変化する溝 fが周設され、この溝にC字型リング2が遊嵌されてなり、この小径の筒状体b を大径の筒状体aに対し、周方向に回動することによって、溝の浅い部位f1に 押されてC字型リング2が拡開し、このC字型リング2の外周側が大径の筒状体 aの内周面を押圧し、両筒状体が固定される伸縮型竿の継手固定構造において本 願考案は、次の特徴を有するものを提供することにより上記課題を解決する。
【0009】 本願第1の考案は、C字型リング2の外周面に、外周側に突設された少なくと も一つの突起3が備えられる。又、この突起3は、突起3を付勢するための付勢 手段を備えることにより、C字型リング2の拡開に伴って、大径の筒状体aの内 周面に当接した突起3の突出先端3aが大径の筒状体aの内周面を半径方向に付 勢し得るようになされたものである。
【0010】 本願第2の考案は、本願第1の考案に係るC字型リング2の外周面に、外周側 に突設された少なくとも一つの突起3と、外周側に突設された複数の突条4とが 備えられたものである。 各突条4の突出先端には、大径の筒状体aの内周面に固定するための固定部4 aが備えられる。この突条4の固定部4aは、突条4におけるC字型リング2の 軸方向に沿う方向の厚さを半径方向側に漸次薄くすることにより尖らされるとと もに、周方向に延ばされることにより大径の筒状体aの内周面に沿う形状を有す る。又、この突条4の固定部4aからC字型リング2の外周面までの突出長さが 、突起3の突出先端3aからC字型リング2の外周面までの突出長さより短く形 成されることにより、突条4の突出先端4aが大径の筒状体aの内周面に当接す る前に突起3の突出先端3aが大径の筒状体aの内周面に当接し得るようになさ れる。 そして、突条4の固定部4aは、少なくともC字型リング2の軸方向に沿って 複数、並設されたものである。
【0011】 以上のように構成された本願第1の考案においては、C字型リング2の外周面 に、付勢手段を有する突起3を備えるため、C字型リング2を拡開させると、大 径の筒状体aの内周面に当接した突起3の突出先端3aが大径の筒状体aの内周 面を半径方向に付勢し、C字型リング2と大径の筒状体aの内周面との間に摩擦 抵抗をかけることができる。これにより、小径の筒状体bを大径の筒状体aに対 して周方向に回動するに際して、筒状体bの芯部材eがC字型リング2に対して 回動し、C字型リング2が芯部材eの回動に伴って共に回動するようなことを防 止できる。
【0012】 本願第2の考案においては、固定部4aが大径の筒状体aの内周面に当接する 前に、突起3の突出先端3aが大径の筒状体aの内周面に当接し得るものとする 。こうすることにより、C字型リング2の固定部4aを大径の筒状体aの内周面 に押し付ける前に、C字型リング2の突起3と大径の筒状体aの内周面との間に 摩擦抵抗をかけることができ、C字型リング2の固定部4aを大径の筒状体aの 内周面に押し付けるまでの間、C字型リング2が芯部材eの回動に伴って共に回 動するのを防止できる。 更に、本願第2の考案においては、固定部4aを、C字型リング2の軸方向に 沿う方向の厚さを突出基端から突出先端側への半径方向側に行くに従い漸次薄く することにより尖らせるとともに、周方向に延ばすことにより大径の筒状体aの 内周面に沿う形状を有するものとする。こうすることにより、例えば図3(C) に 示すように固定部4aを尖らせずに面状にした縦断面略四角形状のものにすると 、これをプラスチック成形によって得る場合、成形時の収縮等の影響を大きく受 け、図3(D) に示すように固定部4aに周方向の歪みが生じ(図3(D) 中に破線 で示す)、所定の湾曲形状に形成し難く、例え設計時に大径の筒状体aの内周面 に沿う形状に設定しても、成形後のものが大径の筒状体aの内周面に沿った形状 になり難い。その結果、固定部4aが大径の筒状体aの内周面に部分的にしか当 接せず、固定部4aの全体で大径の筒状体aの内周面を押圧できない。しかし、 この実施形態では、軸方向に並設した突条4…4の固定部4a各々を尖らせてい るため、成形時の収縮等の影響をあまり受けず、各々の固定部4aを所定の湾曲 形状に形成し易く、大径の筒状体aの内周面に沿った形状に成形できる。従って 、軸方向に並設した突条4…4の固定部4a各々を、周方向の長さ全体に渡って 筒状体aの内周面に同時に当接させて押圧させることができ、両筒状体a、bを 確実に固定できる。
【0013】
【考案の実施の形態】 以下、図面に基づき、本願考案を具体的に説明する。 図1は、本願考案の一実施形態を示す。これは、図8及び図9に示した従来の 伸縮型竿の竿部1を構成する一つの筒状体bの先端付近を示すものである。
【0014】 即ち本体となる竿部1は、径の異なる適宜数の中空の筒状体a,b,cによっ て構成される(図8)。各筒状体a,b,cは、小径のものから順次その先端が 、径の大きい他の筒状体の後端内部に収容することによって、竿部1が縮んだ状 態となるものであり(図9)、小径の筒状体を、夫々収容されていた他の筒状体 の内部から引き出すことによって、竿部1が伸びた状態となるものである(図8 )。
【0015】 ここでは竿部1は、図8に示すように3つの筒状体によって形成されたものを 前提として説明するが、このように竿部1を構成する筒状体は3つに限定するも のではなく、2つであっても4つ以上であっても実施可能である。
【0016】 以下上記筒状体bを取り上げて説明するが、例えば図8に示した筒状体cつい ても同様の構成を採るものである。上記の通り筒状体の数を更に多くして実施す る場合も、竿部1の最先端を担う筒状体(図8の場合筒状体a)以外の筒状体の 後部全てに、以下に説明する構成を採用する。
【0017】 図1、図6(B) に示す通り、中空の筒状体bの先端開口部には、芯部材eが装 着されることによって固定され、この芯部材eが筒状体bの先端部を形成してい る。
【0018】 芯部材eの外周面には、部位によって、内部の深さが周方向に対して漸次変化 する溝fが周設されている。即ちこの溝fは、深さが浅い部位f1と深い部位f 2とを有するものである。この溝fへは、C字型リング2が遊嵌される。
【0019】 このC字型リング2には、プラスチック或いはビニール等の変形に対する復元 性が大きい素材を用いるのが好ましい。C字型リング2は、一端から他端にかけ て漸次半径方向に対しスパイラル状に厚みを増すものである。従って、C字型リ ング2は、図2、図3(A) に示すように一端が厚みの最大部2aとなり他端が厚 みの最小部2bとなっている。
【0020】 又、C字型リング2の外周面には、外周側に突設された複数の突起3…3及び 複数の突条4…4が備えられている。本実施形態における突起3…3各々は、C 字型リング2と一体的に形成されて可撓性を有するものとされており、周方向に 沿って所定間隔毎に並設されている。各突起3における周方向の厚さTは、図3 (A) に示すように突出基端3bから突出先端3aに行くに従い漸次厚さが薄くな り、突出先端3aが尖った形状をなしている。又、突起3は、突起3の突出先端 3aが、半径方向(図示のW1方向)と周方向における図3(A) の時計方向(図 示のY2方向)との角度範囲P内における所定方向P1に向けられており、突出 先端3aが半径方向から時計方向側寄りを向いた横断面湾曲形状を呈している。 このように形成された突起3各々は、突出先端3aが半径方向と対向する方向( 図示のW2方向)の力を受けると容易に先端側から撓まされ、その力が除去され ると弾性により復元し得るようになされている。
【0021】 この突起3各々における突出基端3bから突出先端3aまでの突出長さL1は 、本実施形態では、図4に示すように、このC字型リング2を介して固定する大 径の筒状体a内に配位された場合に、C字型リング2が拡開されていない通常状 態で、各突起3の突出先端3aが大径の筒状体aの内周面に丁度当接する程度か 、又は、当接してやや撓まされる程度とされている。一方、図3(B) に示すよう に、突起3各々の前後幅H(図の上下間の幅)は、C字型リング2の軸方向に沿 ってC字型リング2の先端から後端まで延ばされることによりC字型リング2と 前後幅と同幅され、前後の幅広いものとされている。
【0022】 又、各突起3の上端面は、突出基端3bから突出先端3aに行くに従い漸次高 さの低くなるテーパ部31が備えられている。
【0023】 突条4…4は、図3(A)(B)に示すようにC字型リング2と一体的に形成され、 突起3、3の間に配位されるようにして周方向に沿って並設されているとともに 、C字型リング2の軸方向に三つ、並設されている。各突条4は、周方向に所定 長さで延ばされ、縦断面が突出基端4bから突出先端4aにかけての半径方向に 行くに従い漸次軸方向の厚さが薄くなる三角形状をなしている。この突条4の突 出先端4aは、周方向の全長さに渡って大径の筒状体aの内周面に沿う形状に形 成されており、この突出先端4aが大径の筒状体aの内周面に当接して固定する ための固定部4aをなす。又、突条4の上辺は、突出基端4bから突出先端の固 定部4aに行くに従い漸次高さの低くなるテーパ部41が備えられている。
【0024】 また、各突条4の突出長さL2は、図4に示すように、突起3の突出長さL1 より短くなされ、C字型リング2が大径の筒状体a内に配位された場合に、C字 型リング2が拡開されていない通常状態で、突条4の固定部4aと筒状体aの内 周面との間に隙間が形成され、C字型リング2の拡開に伴い突条4の固定部4a が筒状体aの内周面に当接し得るようになされている。
【0025】 更に、本実施形態では、C字型リング2の内周における下端には、面取り42 が施されている。
【0026】 以上のように構成されたC字型リング2の機能について説明する。 まず、図6(A) に示すようにC字型リング2を、筒状体bにおける芯部材eの 溝fに入れるには、芯部材eの突出先端側を、C字型リング2の後端側から押し 込む。この際、C字型リング2の後端側には、面取り42が施されているため、 芯部材eが滑りこみ、これにより、C字型リング2が拡開して芯部材eの溝fに C字型リング2を簡単に嵌め入れることができる。尚、この図6(A) に示すよう に芯部材eの突出先端にも、面取りe1を設けておくと、より容易なものにでき る。又、このような面取り42、e1を設けなくても良く、その場合は、C字型 リング2を手で拡開して芯部材eの溝fに嵌め入れれば良い。
【0027】 そして、その状態から、図6(B) に示すように筒状体bを、大径の筒状体aの 内周に押し込む。この場合においても、各突起3…3のテーパ部31…31及び 突条4…4のテーパ部41によってC字型リング2が大径の筒状体aの内周に滑 り込み、これにより、容易に大径の筒状体aに、芯部材eを有する筒状体bを挿 入でき、操作容易なものにできる。そして、この状態では、図4に示すように各 突起3の突出先端3aが大径の筒状体aの内周面に丁度当接する程度か、又は、 当接してやや撓まされる程度とされている。その後、図10に示す口形成用環状 体kを装着することにより、筒状体bを大径の筒状体aから抜け止めでき、組み 付けが完了する。尚、この抜け止め手段は、口形成用環状体kを装着する形態の ものに限らず、例えば大径の筒状体aにおける後端の径を窄めるようにして挿入 後の筒状体bの抜け止めとしても良く、適宜変更し得る。
【0028】 次に、芯部材eを有する筒状体bと大径の筒状体aとを固定する場合は、筒状 体bを図4の反時計方向(図示のY1方向)に回動させる。その際、C字型リン グ2の突起3の突出先端3aが大径の筒状体aの内周面に当接し、しかも、突起 3の突出先端3aの前後幅Hが幅広に形成されているため、筒状体bと大径の筒 状体aと周方向への回動に際してC字型リング2と大径の筒状体aの内周面との 間に摩擦抵抗が働くため、筒状体bの回動操作により、筒状体bがC字型リング 2に対して回動する。そして、筒状体bがC字型リング2に対して回動し始める と、芯部材eの溝fがC字型リング2に対し周方向に変位し、C字型リング2の 厚みの最大部2a付近側が溝fの浅い部位f1側にずれ、溝fの浅い部位f1に 押されてC字型リング2が拡開してC字型リング2の突起3の突出先端3aが大 径の筒状体aの内周面を徐々に半径方向に押圧して行く。又、この突起3の突出 先端3aが大径の筒状体aの内周面を押圧して行くと、突起3が湾曲状に形成さ れているため、徐々に突出先端3a側から撓んで突起3の側面における突出先端 3a側の部分が大径の筒状体aの内周面に当接し、突起3と大径の筒状体aの内 周面との当接面積が増すとともに、突起3の弾性が増して行く。これにより、C 字型リング2と大径の筒状体aの内周面との間の抵抗が増す。しかも、突起3の 突出先端3aが予め芯部材eの回動方向と反対方向となる半径方向から時計方向 側寄りを向いているため、突出先端3aが大径の筒状体aの内周面により時計方 向側に撓まされていき、その結果、突起3の元に戻ろうとする弾性力によって突 起3は常時大径の筒状体aに対して相対的に芯部材eの回動方向とは反対方向の 時計方向側にも付勢される。これにより、筒状体bを更に回動させても、C字型 リング2が芯部材eと共に回動するようなことを防止できる。
【0029】 そして、芯部材eの溝fがC字型リング2に対し更に周方向に変位すると、C 字型リング2の突条4…4の固定部4aが大径の筒状体aの内周面を押圧し、こ れにより、突条4…4の固定部4aからの押圧力と突起3の弾性力とによって、 筒状体bと大径の筒状体aとを固定することができる。又、その際、例えば図3 (C) に示すように固定部4aを尖らせずに面状にした縦断面略四角形状のものに すると、これをプラスチック成形によって得る場合、成形時の収縮等の影響を大 きく受け、図3(D) に示すように固定部4aに周方向の歪みが生じ(図3(D) 中 に破線で示す)、所定の湾曲形状に形成し難く、例え設計時に大径の筒状体aの 内周面に沿う形状に設定しても、成形後のものが大径の筒状体aの内周面に沿っ た形状になり難い。その結果、固定部4aが大径の筒状体aの内周面に部分的に しか当接せず、固定部4aの全体で大径の筒状体aの内周面を押圧できない。し かし、この実施形態では、軸方向に並設した突条4…4の固定部4a各々を尖ら せているため、成形時の収縮等の影響をあまり受けず、各々の固定部4aを所定 の湾曲形状に形成し易く、大径の筒状体aの内周面に沿った形状に成形できる。 従って、軸方向に並設した突条4…4の固定部4a各々を、周方向の長さ全体に 渡って筒状体aの内周面に同時に当接させて押圧させることができ、両筒状体a 、bを確実に固定できる。
【0030】 一方、固定を解除して大径の筒状体aに対して筒状体bを軸方向に移動させる 場合は、図5に示す状態から筒状体bを上記とは反対の図の時計方向(図示のY 2方向)に回動させる。これにより、筒状体bがC字型リング2に対して時計方 向に回動し、芯部材eの溝fがC字型リング2に対し周方向に変位し、C字型リ ング2の厚みの最大部2b付近側が、溝fの深い部位f2側にずれ、拡開したC 字型リング2の径が小さくなる。これにより、突条4…4の固定部4aが大径の 筒状体aの内周面から外れる。又、その際、突起3の弾性力により、拡開したC 字型リング2の径を迅速に且つ確実に小さくできるため、突条4…4の固定部4 aが大径の筒状体aの内周面に当接した状態になるようなことを防止でき、確実 に離すことができる。一方、突起3は、弾性により復元して図4に示す状態にな る。そして、この状態から大径の筒状体aに対する筒状体bの軸方向(前後方向 )への移動させる。その際、突起3の突出先端3aが大径の筒状体aの内周面に 当接しているが、殆ど弾性力が働いておらず、しかも、突起3の突出先端3aが 周方向に尖り、前後方向に沿って延ばされているため、大径の筒状体aに対する 筒状体bの軸方向(前後方向)への移動に際しては、突起3の抵抗は殆どかから ない。しかも、突起3の突出先端3aが突条4…4の固定部4aより先に大径の 筒状体aの内周面に当接するため、突条4…4の固定部4aが大径の筒状体aの 内周面に当接することを防止できる。従って、大径の筒状体aに対して筒状体b を軸方向に円滑に移動させることができる。
【0031】 尚、上記実施形態では、突起3の突出先端3aを、半径方向から時計方向側寄 りを向くようにしているが、図7に示すように突出先端30aが半径方向から反 時計方向側寄りを向く突起30としても良い。又、時計方向側寄りを向く突起3 に代え、このような反時計方向側寄りを向く突起30のみから構成しても良いが 、この図7に示すように、時計方向側寄りを向く突起3と、反時計方向側寄りを 向く突起30との2種類のものから構成しても良い。更に、突起3の突出先端3 aの向きや形状は、特に限定されず、C字型リング2の拡開に伴い大径の筒状体 aの内周面に当接して弾性変形し得る形態のものであれば良く、例えば突起3の 突出先端側の所定長さを直線的に半径方向から周方向側寄りに向かせる、或いは 、突起3を円錐状のもの構成し、軸方向及び周方向に複数、並設するようにして も良く、適宜変更し得る。
【0032】 又、上記実施形態では、突起3を、可撓性を有するものから構成し、突起3の 撓みに伴う弾性力によって突起3を付勢するようにしているが、この形態のもの に限らず、例えば突起3を可撓性の有しないものから構成し、コイルバネ等の付 勢部材を突起3に取り付けたものとし、その付勢部材の付勢力により、大径の筒 状体aの内周面に当接した突起3を半径方向側に付勢するようにしても良い。こ の場合、突起3の突出先端3aは、半径方向から周方向側寄りに向いたものでも 良いが、半径方向を向くものであっても良い。又、突起3の数量についても、特 に限定されず、一つ以上設ければ良く、適宜変更し得る。
【0033】 更に、実施形態では、C字型リング2を拡開していない状態で、突起3の突出 先端3aが大径の筒状体aの内周面に当接する程度にしているが、この形態のも のにかぎらず、例えば突起3の突出先端3aが大径の筒状体aの内周面との間に 隙間ができる程度にしておいても良い。この場合でも、芯部材eがC字型リング 2に対して少量だけ回って突起3の突出先端3aが大径の筒状体aの内周面に当 接しさえすれば付勢力を働かせることができる。
【0034】 一方、突条4は、上記実施形態では、縦断面三角形状のものを軸方向に複数、 並設しているが、図3(C)(D)に示すような突出先端の固定部4aを面状にした縦 断面四角形状のものから構成しても良い。ただし、この場合は、上述したように 大径の筒状体aの内周面に固定部4aの全体を当接できないおそれが生じるため 、縦断面三角形状のものを軸方向に複数、並設しておく方がそのようなことを防 止でき、確実に固定できる点で、好ましい。
【0035】 また、C字型リング2は、図3中に破線で示すように、内周面に、適宜間隔を 隔てて設けられた3個の突起部230を形成し、溝fからの押圧を各点で確実に C字型リング2が受けるように構成するようにしても良い。詳しくは、3個の突 起部230は、略等間隔で形成されており、C字型リング2が拡開した際、3個 の突起部に対応する部分が強く大径の筒状体の内周面を押圧する。その結果、所 謂3点締めとなって、少々筒状体が真円より変形していても確実な固定が可能と なるものである。
【0036】
以上、本願第1の考案は、C字型リング2を拡開させると、大径の筒状体aの 内周面に当接した突起3の突出先端3aが大径の筒状体aの内周面を半径方向に 付勢し、C字型リング2と大径の筒状体aの内周面との間に摩擦抵抗をかけるこ とができ、小径の筒状体bを大径の筒状体aに対して周方向に回動するに際して 、筒状体bの芯部材eがC字型リング2に対して回動し、C字型リング2が芯部 材eの回動に伴って共に回動するようなことを防止できる。従って、容易に確実 に両筒状体a、bを固定し得るものにできる。
【0037】 本願第2の考案は、本願第1の考案の効果に加え、C字型リング2の固定部4 aを大径の筒状体aの内周面に押し付ける前に、C字型リング2の突起3と大径 の筒状体aの内周面との間に摩擦抵抗をかけることができ、C字型リング2の固 定部4aを大径の筒状体aの内周面に押し付けるまでの間、C字型リング2が芯 部材eの回動に伴って共に回動するのを防止できる。又、固定部4aを、成形時 の収縮等の影響をあまり受けず、所定の湾曲形状に形成し易く、大径の筒状体a の内周面に沿った形状に成形できる。従って、固定部4aが、周方向の長さ全体 に渡って筒状体aの内周面に当接して押圧することができ、両筒状体a、bを確 実に固定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願考案の一実施形態に係る小径の筒状体の先
端の一部を断面にした要部斜視図である。
端の一部を断面にした要部斜視図である。
【図2】C字型リングの斜視図である。
【図3】(A) は、C字型リングの横断面図、(B) は、
(A) のIII −III 線に沿うC字型リングの縦断面図、
(C) は、C字型リングにおける突条の他の実施形態の要
部縦断面図、(D) は、C字型リングにおける突条の他の
実施形態の要部横断面図である。
(A) のIII −III 線に沿うC字型リングの縦断面図、
(C) は、C字型リングにおける突条の他の実施形態の要
部縦断面図、(D) は、C字型リングにおける突条の他の
実施形態の要部横断面図である。
【図4】C字型リングを装着した小径の筒状体を大径の
筒状体へ挿入した状態を示す横断面図である。
筒状体へ挿入した状態を示す横断面図である。
【図5】小径の筒状体のC字型リングの拡開状態を示す
横断面図である。
横断面図である。
【図6】(A) は 小径の筒状体へC字型リングを装着す
る過程を示す縦断面図、(B) は、C字型リングを装着し
た小径の筒状体を大径の筒状体へ挿入する過程を示す縦
断面図である。
る過程を示す縦断面図、(B) は、C字型リングを装着し
た小径の筒状体を大径の筒状体へ挿入する過程を示す縦
断面図である。
【図7】C字型リングの他の実施形態の横断面図であ
る。
る。
【図8】従来例の全体斜視図である。
【図9】従来例の竿を縮めた状態の全体斜視図である。
【図10】従来例の断面図である。
【図11】従来例の一部を断面にした要部斜視図であ
る。
る。
【図12】従来例の動作を示す説明図である。
1 竿部 2 C字型リング 3 突起 3a 突出先端 4 突条 4a 固定部 a 大径の筒状体 b 小径の筒状体 e 芯部材 f 溝 f1 溝の浅い部位 f2 溝の深い部位
Claims (2)
- 【請求項1】 大径の筒状体(a) の後端から、小径の筒
状体(b) の先端が、摺動可能に挿入され、 小径の筒状体(b) の先端外周には、内部の深さが周方向
に進むにつれて変化する溝(f) が周設され、この溝にC
字型リング(2) が遊嵌されてなり、 この小径の筒状体(b) を大径の筒状体(a) に対し、周方
向に回動することによって、溝の浅い部位(f1)に押され
てC字型リング(2) が拡開し、このC字型リング(2) の
外周側が大径の筒状体(a) の内周面を押圧して、両筒状
体が固定される伸縮型竿の継手固定構造において、 上記C字型リング(2) の外周面に、外周側に突設された
少なくとも一つの突起(3) が備えられ、この突起(3)
が、突起(3) を付勢するための付勢手段を備えることに
より、C字型リング(2) の拡開に伴って、大径の筒状体
(a) の内周面に当接した突起(3) の突出先端(3a)が大径
の筒状体(a) の内周面を半径方向に付勢し得るようにな
されたものであることを特徴とする伸縮型竿の継手固定
構造。 - 【請求項2】上記C字型リング(2) の外周面に、外周側
に突設された少なくとも一つの突起(3) と、外周側に突
設された複数の突条(4) とが備えられたものであり、 各突条(4) の突出先端には、大径の筒状体(a) の内周面
に固定するための固定部(4a)が備えられ、この突条(4)
の固定部(4a)が、突条(4) におけるC字型リング(2) の
軸方向に沿う方向の厚さを半径方向側に漸次薄くするこ
とにより尖らされるとともに、周方向に延ばされること
により大径の筒状体(a) の内周面に沿う形状を有し、こ
の突条(4) の固定部(4a)からC字型リング(2) の外周面
までの突出長さが、突起(3) の突出先端(3a)からC字型
リング(2) の外周面までの突出長さより短く形成される
ことにより、突条(4) の固定部(4a)が大径の筒状体(a)
の内周面に当接する前に突起(3) の突出先端(3a)が大径
の筒状体(a) の内周面に当接し得るようになされ、 この突条(4) が、少なくともC字型リング(2) の軸方向
に沿って複数、並設されたものであることを特徴とする
請求項1記載の伸縮型竿の継手固定構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1997002288U JP3041461U (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | 伸縮型竿の継手固定構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1997002288U JP3041461U (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | 伸縮型竿の継手固定構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3041461U true JP3041461U (ja) | 1997-09-19 |
Family
ID=43175990
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1997002288U Expired - Lifetime JP3041461U (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | 伸縮型竿の継手固定構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3041461U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07169824A (ja) * | 1993-12-13 | 1995-07-04 | Anelva Corp | 基板加熱・冷却機構 |
-
1997
- 1997-03-13 JP JP1997002288U patent/JP3041461U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07169824A (ja) * | 1993-12-13 | 1995-07-04 | Anelva Corp | 基板加熱・冷却機構 |
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