JP3040902B2

JP3040902B2 - ドラム式洗濯機および洗濯方法

Info

Publication number: JP3040902B2
Application number: JP5318291A
Authority: JP
Inventors: 浩子田中
Original assignee: Sharp Corp
Current assignee: Sharp Corp
Priority date: 1993-12-17
Filing date: 1993-12-17
Publication date: 2000-05-15
Anticipated expiration: 2015-05-15
Also published as: JPH07171288A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、噴射ノズルによって洗
浄液を洗濯物に吹き付けながらタンブリングにより洗濯
するドラム式洗濯機に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、ドラム式洗濯機は、ドラムが水
槽内で水平軸を中心に回転する構造であり、洗濯から脱
水までを同一のドラムで行えるもので、洗浄液を洗濯物
に吹き付けながらタンブリングするものが、特開昭５８
−１３００８９号公報に開示されている。

【０００３】このドラム式洗濯機は、図５の如く、図示
しない洗濯機本体に内装された水槽１と、該水槽１に水
平軸２周りに回転自在に配され周壁３に多数の小孔４を
有する洗濯物収納ドラム５とが備えられている。そし
て、洗濯物収納ドラム５の内壁には洗濯物を撹拌する複
数の持ち上げ羽根（バッフル）６が設けられており、ド
ラム５の入口開口部７には図示しない洗浄液貯蔵槽内の
洗浄液を洗濯物に吹き付ける噴射ノズル８が設けられて
いる。なお、図５中、９はすすぎ用噴射ノズル、１０は
入口ドア、１１はドラムを回転駆動するモータ、１２は
駆動ベルト、１３は排水パイプ、１４は排水を下水へ流
すポンプ、１５は水槽１を吊り下げる防振用バネであ
る。

【０００４】洗濯を行うとき、ドラム５内に洗濯物を入
れ、ドラム５を低速回転させて噴射ノズル８により洗浄
液を洗濯物に吹き付ける。ドラム５内の洗濯物はドラム
５の回転による遠心力とバッフル６とによりドラム５内
の頂上付近まで持ち上げられた後、自重により落下（タ
ンブリング）する。このタンブリングを繰り返し行い、
噴射ノズル８で洗浄液を吹き付けることにより洗濯が行
われる。また、すすぎも同様にタンブリングを繰り返
し、すすぎ用噴射ノズル９から水を洗濯物に吹き付けて
行われる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭５８−１３００８９号公報のドラム式洗濯機では、
噴射ノズル８およびすすぎ用噴射ノズル９が入口開口部
７に突出して設けられているので、洗濯物の出し入れ時
に、洗濯物がノズル８，９に引っ掛かったり、手をノズ
ル８，９にぶつけてけがをしたりする危険があった。ま
た、洗浄液は入口開口部７からドラム５内に向かって吹
き付けられるので、ドラム５内の洗濯物に洗浄液が均一
に吹き付けられず、洗浄むらが発生するといった問題が
あった。さらに、洗濯時に使用された洗浄液を水槽１下
部の排水パイプ１３からポンプ１４によって強制的に下
水に流しているので、決して節水が効果的に行われてい
るとはいえなかった。

【０００６】本発明は、上記に鑑み、噴射ノズルを邪魔
にならない位置に配置して、少量の洗浄液でも洗濯物に
均一に噴射させるドラム式洗濯機の提供を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明による課題解決手
段は、図１の如く、洗濯機本体に内装された水槽２１
と、該水槽２１に水平軸２２周りに回転自在に配され周
壁に多数の小孔３１を有する洗濯物収納ドラム２３と、
洗浄液を貯蔵する洗浄液貯蔵槽２４と、該洗浄液貯蔵槽
２４の前記洗浄液を噴射ノズル２５から噴射させる噴射
装置２６とを備え、前記洗濯物収納ドラム２３の内壁に
洗濯物を撹拌する複数の持ち上げ羽根３９が設けられ、
前記噴射ノズル２５により前記洗濯物収納ドラム２３内
の洗濯物に洗浄液を吹き付けてタンブリングにより洗濯
するドラム式洗濯機において、前記持ち上げ羽根３９に
前記噴射ノズル２５が設けられたものである。

【０００８】あるいは、図３の如く、洗濯物収納ドラム
７１の周壁が網目状に形成され、水槽７２の内壁７２ａ
に前記噴射ノズル２５を設けてもよい。

【０００９】そして、洗浄液貯蔵槽２４と噴射ノズル２
５との間に洗浄液を一旦溜めるタンク４１，７３が設け
られ、水槽２１，７２下部に設けられた排水口２９から
回収する洗浄液を再び前記洗浄液貯蔵槽２４へ戻す洗浄
液返還手段５９が設けられ、洗浄液および洗濯物を加熱
する加熱手段６２が設けられ、洗濯物に与える洗濯添加
液を貯蔵する添加液貯蔵槽４８が前記噴射ノズル２５と
洗濯液貯蔵槽２４との間に設けられ、前記噴射ノズル２
５の噴射圧力を制御する圧力制御手段５６が設けられて
いる。

【００１０】上記洗濯機における洗濯方法としては、洗
濯物に予め決められた一定量の洗浄液を吹き付けて含ま
せ、加熱手段６２により前記洗浄液を含んだ前記洗濯物
を予め決められた一定時間加熱しながら浸漬させ、その
後、洗浄液返還手段５９により洗浄液を洗浄液貯蔵槽２
４へ戻して再利用し、洗濯物収納ドラム２３，７１を回
転させてタンブリングにより洗濯するものである。

【００１１】他の洗濯方法としては、洗濯物収納ドラム
２３，７１に洗濯物を入れ、前記洗濯物収納ドラム２
３，７１を回転させながら洗浄液を吹き付け、加熱手段
６２により前記洗浄液を含んだ前記洗濯物を加熱しなが
らタンブリングにより洗濯し、洗濯中あるいは洗濯後
に、洗浄液返還手段５９により前記洗浄液を洗浄液貯蔵
槽２４へ戻して再利用するものである。

【００１２】

【作用】上記課題解決手段において、洗濯物をドラム２
３，７１内に収納して、ドラム２３，７１を回転させる
と、洗濯物が持ち上げ羽根３９により撹拌されてタンブ
リングされる。このとき、洗浄液貯蔵槽２４から洗浄液
がタンク４１，７３に送られ、洗浄液がタンク４１，７
３を満たすと、持ち上げ羽根３９に設けられた噴射ノズ
ル２５、あるいは水槽７２の内壁７２ａに設けられた噴
射ノズル２５によってドラム２３，７１内に噴射され、
洗浄液が洗濯物に均一に噴射される。

【００１３】この場合、噴射ノズル２５の噴射圧力等
は、洗濯物の種類あるいは汚れ具合に応じて圧力制御手
段５６により制御されているので、洗濯物の布傷みが防
止できる。そして、洗浄開始後、ある一定時間は、水槽
２１，７２内に洗浄液が溜まらないように、洗浄液返還
手段５９によって洗浄液が洗浄液貯蔵槽２４に送られ、
再度噴射に使用される。また、加熱手段６２により洗浄
液を加熱しながらタンブリングさせると、洗浄効果がさ
らに向上する。

【００１４】そして、濯ぎにおいても水が噴射ノズル２
５によってドラム２３，７１内に噴射され、タンブリン
グにより濯ぎが行われる。また、濯ぎ後に柔軟剤等の添
加液を使用するようにしておくと、添加液貯蔵槽４８か
ら洗濯添加剤がタンク４１，７３を介して噴射ノズル２
５からドラム２３内に噴射される。その後、水槽２１，
７２内の洗濯添加剤を排水して、ドラム２３，７１を高
速回転させて脱水が行われる。

【００１５】また、つけおき洗いをする場合は、ドラム
２３，７１内に予め決められた一定量の洗浄液を噴射ノ
ズル２５により噴射し、洗濯物に洗浄液を含ませた後、
加熱手段６２を作動させて洗濯物および洗浄液を加熱
し、ある一定時間浸漬させる。その後、洗浄液を洗浄液
返還手段５９により洗浄液貯蔵槽２４へ送り、ドラム２
３を回転させて、タンブリングによる洗濯が行われる。

【００１６】

【実施例】

（第一実施例）本発明の第一実施例のドラム式洗濯機
は、図１の如く、図示しない洗濯機本体に内装された水
槽２１と、該水槽２１に水平軸２２周りに回転自在に配
された洗濯物収納ドラム２３と、洗濯物に与える洗浄液
を貯蔵する洗浄液貯蔵槽２４と、該洗浄液貯蔵槽２４の
洗浄液を噴射ノズル２５から洗濯物に吹き付ける噴射装
置２６とを備えている。

【００１７】前記水槽２１は、円筒形に形成されてお
り、前面にはその本体より小径の入口開口部２７が形成
され、該入口開口部２７に入口ドア２８が設けられ、水
槽２１の下部には排水口２９が設けられている。なお、
水槽２１は、運転中の振動を吸収するために防振用バネ
（図示せず）により洗濯機本体に吊り下げられている。

【００１８】前記洗濯物収納ドラム２３は、円筒形に形
成されており、その前面には水槽２１の入口開口部２７
と同じ大きさの開口３０が形成され、周壁２３ａには多
数の小孔３１が穿通され、後面には軸取付盤３２により
水平軸２２が取付けられている。該水平軸２２は、水槽
２１の後面を貫通して軸受３３を介して水槽２１に保持
されている。そして、ドラム２３は、水槽２１の外面に
取付けられた正逆回転可能なモータ３４により回転駆動
されるもので、その駆動力はモータ軸３５に取付けられ
たモータプーリ３６と、ドラム２３の水平軸２２に取付
けられたプーリ３７と、両プーリ３６，３７に掛巻きさ
れたベルト３８により伝達される。

【００１９】そして、前記洗濯物収納ドラム２３の周壁
２３ａの内側には、洗濯物を撹拌する持ち上げ羽根（バ
ッフル）３９が設けられており、水平軸方向に沿って対
称位置に２カ所形成されている。バッフル３９は、図２
の如く、断面視略三角形に形成され、その頂部には少し
平面部が設けられている。この平面部に洗浄液を吹き出
す前記噴射ノズル２５が各バッフル３９に３個ずつ取付
けられている。そして、各バッフル３９は、ドラム２３
の周壁２３ａとの間が空洞になっており、バッフル３９
とドラム２３の周壁２３ａには小孔３１は穿通されてお
らず、ドラム２３の後面にはバッフル３９に連通した連
通孔４０が設けられ、該連通孔４０を介して空洞内に洗
浄液が送り込まれ、噴射ノズル２５により洗浄液が噴射
される。

【００２０】また、ドラム２３の後面側には、前記噴射
装置２６から送られてくる洗浄液を一旦溜めておくタン
ク４１が設けられている。該タンク４１は、円環状に形
成されており、ドラム２３とほぼ同じ直径とされ、水槽
２１に固定されている。そして、タンク４１の前面は開
口しており、この前面には前記ドラム２３がメカニカル
シール４２を介して回転可能に接続されている。なお、
メカニカルシール４２は、タンク４１およびドラム２３
の接続部からの洗浄液の漏洩を防止するもので、タンク
４１に固定リング４２ａが取付けられ、ドラム２３に回
転リング４２ｂが取付けられ、回転リング４２ｂと固定
リング４２ａとの滑りによって洗浄液の漏れを制限する
ものである。また、タンク４１がドラム２３の回転に合
わせて回転しないようにしている。

【００２１】前記洗浄液貯蔵槽２４は、高濃度の洗浄液
を水と混合させて貯蔵しておくもので、貯蔵槽２４の流
入側には給水口４３から水が供給される給水パイプ４４
が接続され、排出側は前記タンク４１へ洗浄液を供給す
る供給パイプ４５が接続され、該供給パイプ４５の一側
はタンク４１に接続されている。そして、前記噴射装置
２６により洗浄液貯蔵層２４から洗浄液が噴射ノズル２
５へ送られる。

【００２２】前記噴射装置２６は、洗浄液貯蔵槽２４内
の洗浄液を噴射ノズル２５に供給する供給ポンプ４６
と、供給する洗浄液の圧力を可変する圧力調整弁４７と
から構成されている。該圧力調整弁４７は前記給水パイ
プ４４に設けられ、前記供給ポンプ４６は前記供給パイ
プ４５とタンク４１との間に設けられている。

【００２３】前記洗濯液貯蔵槽２４と並列に、洗濯物に
与える柔軟剤等の洗濯添加液を貯蔵する添加液貯蔵槽４
８が設けられており、その流入側には給水パイプ４４か
ら分岐したパイプ４９が接続され、排出側には供給パイ
プ４５から分岐したパイプ５０が接続されている。そし
て、洗浄液貯蔵槽２４および添加液貯蔵槽４８の流入側
および排出側の各パイプ４４，４５，４９，５０には、
それぞれ水、洗浄液および添加液の流量等を規制する制
御弁５１〜５４が設けられている。

【００２４】そして、洗濯機本体には、前記モータ３
４、供給ポンプ４６、圧力調整弁４７および各制御弁５
１〜５４等を総合的に制御して洗濯機の機能を果たす制
御装置５５が備えられており、該制御装置５５には、前
記噴射ノズル２５の噴射圧力を制御する圧力制御手段５
６が設けられている。該圧力制御手段５６は、洗濯物の
布種類、洗濯物の量、あるいは洗濯物の汚れ具合に応じ
て、前記圧力調整弁５４、供給ポンプ５３および各制御
弁４９〜５２を制御して、噴射ノズル２５の噴射圧力お
よび洗浄液の噴射量を可変するものである。この制御の
設定は、洗濯機本体に設けられた操作部（図示せず）に
よって任意に行える。

【００２５】前記水槽２１下部の排水口２９には、水槽
２１内に溜まる洗浄液を下水へ流す排水パイプ５７が設
けられており、該排水パイプ５７には、該パイプ５７を
開閉する開閉弁５８と、洗浄液を回収して再び洗浄液貯
蔵槽２４へ戻す洗浄液返還手段５９とが設けられてい
る。該洗浄液返還手段５９は、排水パイプ５７に設けら
れた返還ポンプ６０と、排水パイプ５７と洗浄液貯蔵槽
２４との間に接続された返還パイプ６１とから構成され
ている。そして、返還ポンプ６０を駆動させることによ
り任意に洗浄液を貯蔵槽２４に返還できる。

【００２６】また、水槽２１内の下部には、洗浄液およ
び洗濯物を加熱する加熱手段６２が設けられており、該
加熱手段６２は、例えば電気ヒータ等が用いられる。該
電気ヒータ６２は、通常のタンブリングによる洗濯時、
あるいはつけおき洗い時に洗浄液および洗濯物を暖めて
洗浄効果を高めるものである。なお、電気ヒータ６２
は、前記制御装置５５により制御されており、温度等の
調節および設定は任意に行える。

【００２７】上記構成において、洗濯を行うとき、洗濯
物をドラム２３内に収納し、そして、そのままで洗い工
程、濯ぎ工程および脱水工程が行われる。

【００２８】洗濯をスタートさせると、ドラム２３が回
転して、バッフル３９により洗濯物が撹拌されてタンブ
リングされる。このとき、給水口４３から水が洗浄液貯
蔵槽２４を通り、その中で洗浄液と水とが混合されてタ
ンク４１に送られる。そして、洗浄液がタンク４１を満
たすと、バッフル３９内に洗浄液が送られ、噴射ノズル
２５によってバッフル３９からドラム２３内に噴射さ
れ、洗浄液が洗濯物に均一に噴射される。

【００２９】この場合、噴射ノズル２５の噴射圧力およ
びドラム２３の回転速度は、洗濯物の種類あるいは汚れ
具合に応じて制御されているので、洗濯物の布傷みが防
止できる。そして、制御弁５３，５４および開閉弁５８
は閉じられており、洗浄開始後、ある一定時間は、水槽
２１内に洗浄液が溜まらないように返還ポンプ６０を駆
動させている。すると洗浄液は排水口２９から排水パイ
プ５７を介して、返還パイプ６１を通り洗浄液貯蔵槽２
４に送られ、再度噴射に使用される。したがって、洗浄
液の使用量が少量で済み、洗浄液を循環させることによ
り節水が可能となる。またこのとき、ヒータ６２により
洗浄液を約４０℃前後に加熱しながらタンブリングさせ
ると、洗浄効果がさらに向上する。

【００３０】そして、洗い工程が終了すると、濯ぎ工程
が開始される。この場合も水が給水口４３から給水パイ
プ４４、洗浄液貯蔵槽２４、供給パイプ４５を通って噴
射ノズル２５によってドラム２３内に噴射され、タンブ
リングにより濯ぎが行われる。また、濯ぎ後に柔軟剤等
の添加液を使用するようにセットしておくと、圧力制御
手段５６により洗浄液側の制御弁５１，５２が閉じら
れ、添加液側の制御弁５３，５４が開かれて、水が給水
口４３から添加液貯蔵槽４８内に入り、柔軟剤を希釈し
ながら供給ポンプ４６によってタンク４１を介してバッ
フル３９内に送られ、噴射ノズル２５からドラム２３内
に噴射される。このとき、開閉弁５８は閉じられ、返還
ポンプ６０は停止している。

【００３１】その後、開閉弁５８を開き、水槽２１内の
柔軟剤を排水して、ドラム２３を高速回転させて脱水工
程が行われる。

【００３２】次に、つけおき洗いをする場合の具体例を
挙げる。ドラム２３内にある一定量の洗浄液を噴射し、
洗濯物に洗浄液を含ませた後、通常は作動させる返還ポ
ンプ６０を止め、ヒータ６２を作動させて洗濯物および
洗浄液を加熱し、ある一定時間浸漬させる。その後、返
還ポンプ６０を作動させて洗浄液を返還パイプ６１から
洗浄液貯蔵槽２４へ送り、モータ３４によりドラム２３
を回転させて、以後通常通り噴射ノズル２５で洗浄液を
噴射させてタンブリングを行う。

【００３３】このように、複数の噴射ノズル２５をバッ
フル３９に設けているので、洗浄液をドラム２３内に均
一に噴射させることができる。したがって、洗濯物に洗
浄液が均一に含ませることができ、効率よく洗濯物の汚
れを落とすことができる。しかも、噴射ノズル２５が水
槽２１の入口開口部２７にないので、従来のように入口
開口部２７に配されたものに比して、噴射ノズル２５が
洗濯物の投入および取り出し時の邪魔にならず、手に当
たってけがをする等の危険性がなくなる。

【００３４】また、ヒータ６２によって洗浄液および洗
濯物を加熱し、加熱タンブリングや、加熱つけおき洗い
を行うことにより、洗浄能力が向上して、洗濯物の汚れ
落ちがよくなる。

【００３５】さらに、洗浄液返還手段５９により洗浄液
を洗浄液貯蔵槽２４に戻して再利用しているので、少な
い洗浄液量で効率よく洗濯物の洗浄が行え、しかも節水
効果が向上する。そして、タンク４１を設けることによ
り、噴射ノズル２５の手前で一旦洗浄液を溜めることが
できるので、常に一定の噴射量が確保できる。

【００３６】（第二実施例）本実施例のドラム式洗濯機
では、図３，４の如く、洗濯物収納ドラム７１の周壁７
１ａが網目状に形成され、水槽７２の内壁７２ａに噴射
ノズル２５が設けられている。該噴射ノズル２５は、水
槽７２の内壁７２ａの水平対向位置にそれぞれ３個ずつ
取付けられており、噴射ノズル２５の後方で水槽７２の
外壁７２ｂには、洗浄液貯蔵槽２４からの洗浄液を一旦
溜めるタンク７３が２個設けられており、タンク７３と
噴射ノズル２５とが連通されている。該タンク７３は、
半円状に形成された中空のもので、洗浄液貯蔵槽２４か
らの供給パイプ７４が途中で二股に分岐して、それぞれ
に接続されている。なお、図３，４中、ドラム７１内に
バッフルが表記されていないが、第一実施例と同様にバ
ッフルは設けられており、その他の構造も第一実施例と
同様である。

【００３７】そして、洗い工程、濯ぎ工程および脱水工
程は第一実施例と同様に行われるので、第一実施例と同
様の作用効果が得られる。さらに、噴射ノズル２５を水
槽７２の内壁７２ａに設けることにより、タンク７３を
水槽７２の外壁７２ｂに取付けることができるので、第
一実施例に比べて、メカニカルシールが不要になり、タ
ンク７３の取付け構造が簡単になる。

【００３８】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、本発明の範囲内で上記実施例に多くの修
正および変更を加え得ることは勿論である。

【００３９】例えば、上記第一実施例では、洗浄液が洗
浄液貯蔵槽２４からタンク４１、連通孔４０を介してバ
ッフル３９の空洞内に送り込まれていたが、バッフル３
９の空洞内にパイプを設けて、該パイプを介して噴射ノ
ズル２５から洗浄液を吹き出させれば、洗浄液が少量で
すみ、さらなる節水が可能となる。しかも噴射ノズル２
５に与える圧力が低圧力でも十分な噴射圧力および噴射
量が得られるので、供給ポンプ５３の駆動力を抑えら
れ、供給ポンプ５３の負荷が軽減される。

【００４０】また、上記実施例では洗浄液を水と混合さ
せていたが、高濃度の洗浄液だけを噴射させれば、少量
の洗浄液で洗濯物の洗浄が可能となり節水効果も向上す
る。

【００４１】さらに、バッフル３９の数は２個に限ら
ず、１個あるいは２個以上設けてもよく、取付位置は対
称位置に限らず、個数によってそれぞれ等間隔に設けて
もよい。また、噴射ノズル２５の数は３個づつに限ら
ず、１個，２個あるいは３個以上設けてもよい。

【００４２】そして、圧力制御手段５６による洗浄液の
噴射圧力の可変、ヒータ６２による加熱およびタンブリ
ングとをそれぞれ多様に組み合わせて洗濯を行うことに
より、洗濯物の洗浄能力がさらに向上する。

【００４３】

【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、噴射ノズルを持ち上げ羽根に設けたり、洗濯物
収納ドラムを網目状にして水槽の内壁に噴射ノズルを設
けているので、洗浄液をドラム内に均一に噴射させるこ
とができる。したがって、洗濯物に洗浄液を均一に含ま
せることができ、効率よく洗濯物の汚れを落とすことが
できる。しかも、噴射ノズルが水槽の入口開口部にない
ので、従来のように入口開口部に配されたものに比し
て、噴射ノズルが洗濯物の投入および取り出し時の邪魔
にならず、手に当たってけがをする等の危険性がなくな
る。

【００４４】また、加熱手段によって洗浄液および洗濯
物を加熱し、加熱タンブリングや、加熱つけおき洗いを
行うことにより、洗浄液の洗浄能力が向上して、洗濯物
の汚れ落ちがよくなる。

【００４５】さらに、洗浄液返還手段により洗浄液を洗
浄液貯蔵槽に戻して再利用しているので、少ない洗浄液
量で効率よく洗濯物の洗浄が行え、しかも節水効果が向
上する。そして、タンクを設けることにより、噴射ノズ
ルの手前で一旦洗浄液を溜めることができるので、常に
一定の噴射量が確保できる。また、添加液貯蔵槽を設け
ることにより、洗濯の一工程として洗濯物に洗濯添加液
を与えることができ、タンブリングを行うことにより、
洗濯添加液の洗濯物に対する効果がさらに向上する。

【００４６】さらにまた、圧力制御手段により洗濯物の
布種類、洗濯物の量あるいは汚れ具合に応じて、噴射ノ
ズルの噴射圧力および噴射量を可変できるので、洗濯物
の布傷みが防止できるといった優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一実施例におけるドラム式洗濯機の
構成図

【図２】第一実施例の洗濯物収納ドラムの断面図

【図３】第二実施例のドラム式洗濯機の横断面図

【図４】同じくドラム式洗濯機の一部破断斜視図

【図５】従来のドラム式洗濯機の側断面図

【符号の説明】

２１，７２水槽２２水平軸２３，７１洗濯物収納ドラム２４洗浄液貯蔵槽２５噴射ノズル２９排水口３９バッフル４１，７３タンク４８添加液貯蔵槽５６圧力制御手段５９洗浄液返還手段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) D06F 21/04 D06F 39/08 D06F 37/04 D06F 33/02 D06F 25/00

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】洗濯機本体に内装された水槽と、該水槽
に水平軸周りに回転自在に配され周壁に多数の小孔を有
する洗濯物収納ドラムと、洗浄液を貯蔵する洗浄液貯蔵
槽と、該洗浄液貯蔵槽の前記洗浄液を噴射ノズルから噴
射させる噴射装置とを備え、前記洗濯物収納ドラムの内
壁に洗濯物を撹拌する複数の持ち上げ羽根が設けられ、
前記噴射ノズルにより前記洗濯物収納ドラム内の洗濯物
に前記洗浄液を吹き付けてタンブリングにより洗濯する
ドラム式洗濯機において、前記持ち上げ羽根に前記噴射
ノズルが設けられたことを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項２】洗浄液貯蔵槽と噴射ノズルとの間に洗浄
液を一旦溜めるタンクが設けられたことを特徴とする請
求項１記載のドラム式洗濯機。
【請求項３】持ち上げ羽根内に噴射ノズルとタンクと
を連通するパイプが設けられたことを特徴とする請求項
２記載のドラム式洗濯機。
【請求項４】水槽下部に設けられた排水口から回収す
る洗浄液を再び洗浄液貯蔵槽へ戻す洗浄液返還手段が設
けられたことを特徴とする請求項１，２または３記載の
ドラム式洗濯機。
【請求項５】洗浄液および洗濯物を加熱する加熱手段
が設けられたことを特徴とする請求項１〜４のいずれか
に記載のドラム式洗濯機。
【請求項６】洗濯物に与える洗濯添加液を貯蔵する添
加液貯蔵槽が、噴射ノズルと洗濯液貯蔵槽との間に設け
られたことを特徴とする請求項１〜５のいずれかに記載
のドラム式洗濯機。
【請求項７】噴射ノズルの噴射圧力を制御する圧力制
御手段が設けられたことを特徴とする請求項１〜６のい
ずれかに記載のドラム式洗濯機。
【請求項８】洗濯物に予め決められた一定量の洗浄液
を吹き付けて含ませ、加熱手段により前記洗浄液を含ん
だ前記洗濯物を予め決められた一定時間加熱しながら浸
漬させ、その後、洗浄液返還手段により前記洗浄液を洗
浄液貯蔵槽へ戻して再利用し、洗濯物収納ドラムを回転
させてタンブリングにより洗濯することを特徴とする洗
濯方法。
【請求項９】洗濯物収納ドラムに洗濯物を入れ、前記
洗濯物収納ドラムを回転させながら洗浄液を吹き付け、
加熱手段により前記洗浄液を含んだ前記洗濯物を加熱し
ながらタンブリングにより洗濯し、洗濯中あるいは洗濯
後に、洗浄液返還手段により前記洗浄液を洗浄液貯蔵槽
へ戻して再利用することを特徴とする洗濯方法。