JP3040129B2 - 複合膜 - Google Patents

複合膜

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JP3040129B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、特に水−有機液体混合物または有機−有機
液体混合物をパーベーパレーション法によって分離する
に適した複合膜およびその製造方法に関する。
(従来技術) 一般に水−有機液体混合物あるいは有機液体混合物か
ら特定の液体成分を分離するための有効な方法として、
パーベーパレーション法が知られている。即ち、パーベ
ーパレーション法は分離膜によって区画された一方の処
理液に液体混合物を供給し、他方の透過蒸気室を減圧に
して、該液体混合物から特定の液体成分を透過蒸気室に
蒸気として取り出す方法である。
このようなパーベーパレーション法に用いる分離膜に
は、処理する液体混合物中の特定の物質に対する優れた
選択透過性(以下、分離係数ともいう)と単位膜面積、
単位時間当りの透過量(以下、透過流束ともいう)が大
きいことの二つの性質が要求される。これらの二つの特
性はどのような作用機構によって得られるのか必ずしも
明らかではないが、処理する液体混合物における組成成
分の極性の相違、分子量あるいは分子構造、分離膜に存
在する極性の強弱、電荷の相違、分布あるいはミクロに
存在する孔径や孔程等により定まると思われている。
従来、このパーベーパレーション法に用いる分離膜と
しては、例えばセルロース系、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコー
ル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリテ
トラフルオロエチレン、あるいはこれらに類似の共重合
体などからなる重合系高分子の膜が知られている。特
に、水−有機液体混合物の分離に関しては、以下のよう
な報告がある。たとえば、J.Polym.Sci.,Symposilm.No.
41,145(1973)には、水−メタノール混合液をセロファ
ン膜を用いて分離した例、J.Appl.Polym.Sci.,Vo126,32
23(1981)には、同じくグラフト化ポリビニルアルコー
ル膜を用いて水−メタノール混合液を分離した例などが
ある。また、最近では天然物カチオン性ポリマーである
キトサンを水−アルコール混合液の分離に利用したもの
として、特開昭62−4407号公報には、水−エタノール混
合液をキトサン−ビニルモノマー重合体膜を用いて分離
した例、さらに特開昭62−7403号公報にはキトサン系あ
るいはセルロース系の誘導体を用いて水−アルコールの
分離を行った例が報告されている。
(発明が解決しようとする問題点) 上記した如き高分子膜は、比較的に良好な分離係数
(値)を示すが、透過流束が小さいために、膜表面積を
非常に大きくするか、膜厚を極端に薄くする必要があっ
た。
一般に透過流束の向上を図り且つ高分子の薄膜の機械
的強度を補うために、該高分子の薄膜を多孔性中空糸な
ど支持体上に形成させた複合膜が提案されている。しか
しながら、このような2層よりなる複合膜は、パーベー
パレーション法により、特に水−有機液体の混合溶液か
ら水を分離する場合に、両層の密着が悪いために長時間
の使用に際して剥離する問題があり、工業的な実施を不
可能にしていた。
したがって、本発明の目的は、特に水−有機液体また
は有機液体−有機液体の混合液をパーベーパレーション
法により分離するに際し、長時間の工業的な実施におい
ても良好な分離係数と大きな透過係数を有する安定な分
離膜を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、上記に鑑み鋭意研究の結果、所定の高
分子よりなる特定構造の多孔性膜に、特定した高分子の
薄層を形成させることにより、所定の目的とする分離膜
を得て、本発明を提供するに至ったものである。
すなわち、本発明は、表層部に、その表面部にイオン
性官能基を有する合成高分子化合物の薄層が形成し得る
ように孔径が制御された、厚さ5μm以下の緻密層が存
在する芳香環を有する縮合系高分子よりなる非対称構造
の多孔性膜と、前記緻密層の表面部に存在するイオン性
官能基を有する合成高分子化合物の薄層とよりなる複合
膜を提供する。
本発明の芳香環を有する縮合系高分子としては、一般
的にエンジニアリングプラスチックとして広く知られて
いる例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポ
リイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリフェ
ニレンオキサイド、ポリ−2,6−ジメチルフェニレンオ
キサイド、ポリフェニレンスルフィドなど、従来公知の
芳香環を有する縮合系高分子が全て有効である。
本発明の多孔性膜は、表面部分にイオン性官能基を有
する合成高分子化合物の薄層が形成できるように孔径が
制御された、厚さが一般に5μm以下、特に1μm以下
の緻密層を有する非対称の構造の多孔性膜であればよ
い。
本発明の非対称構造の多孔性膜に存在する孔径として
は、表層部に形成させるイオン性官能基を有する高分子
の薄層の厚みによって決定されるが、一般に5kg/cm2
圧力下において多孔性膜の孔内に合成高分子の薄膜が入
り込み、該薄層が破損しない程度の孔径であれば、特に
限定されず、一般に直径0.1〜10μmが好ましい。ま
た、多孔性膜の多孔率としては、該多孔性膜の機械的強
度が保持される範囲内において、できるだけ高い方が望
ましく、一般に10〜90%、特に20〜70%が好ましい。
このような表面部分に緻密層を有する多孔性膜は、原
料の高分子物を適当な良溶媒に溶解し、次いで貧溶媒中
で層転換し製膜する方法によって得ることができる。
上記した多孔製膜の形状は、特に制限なく、平膜ある
いはスパイラル状、各種孔径の中空糸、チューブ状のい
ずれも用いることができる。特にパーベーパレーション
法の分離膜としては、一般に厚さ50〜300μmの平膜お
よび内径0.1mm〜2mmの中空糸膜が好ましい。
本発明における多孔製膜の表面に存在させるイオン性
官能基を有する合成高分子化合物としては、水溶液中あ
るいは水−有機溶媒の混合液中で、正の電荷または負の
電荷を生じる官能基を有する従来公知の合成高分子化合
物であれば特に制限なく用いられる。即ち、正の電荷と
しては、例えば一級−、二級−、三級−アミン、第四級
アンモニウム塩基、第三級スルホニウム塩基、第四級ホ
スホニウム塩基、コバルチシニウム塩基などである。ま
た負の電荷としては、例えばスルホン酸基、カルボン酸
基、リン酸基、亜リン酸基、硫酸エステル基、リン酸エ
ステル基、チオール基、フェノール性水酸基、パーフル
オロ三級アルコールなどである。
本発明においては、これら正または負の電荷を有する
もの、正および負の両方の電荷を併せ有する合成高分子
化合物などが何ら制限なく用いられ、正および負の電荷
を組み合わせた種々の合成高分子化合物の使用が可能で
あり、有効である。また、正または負の電荷を有する合
成高分子化合物は、一種以上を混合して用いてもよい。
なお、このような合成高分子化合物としては、重合系高
分子、縮合系高分子のいずれでも、あるいは両者の混合
物でもよい。
本発明のイオン性官能基を有する合成高分子化合物に
ついて、具体的に挙げるとポリビニルピリジン類および
N−アルキル化物の塩、ポリエチレンイミンおよび塩、
ポリアリルアミン、ポリベンジルクロライドに例えばア
ンモニア、ヒドラジン、一級、二級、三級アミン類を反
応させたもの、ポリビニルイミダゾール類、ポリスチレ
ンスルホン酸およびその塩類、ポリアクリル酸およびそ
の塩類、ポリメタアクリル酸およびその塩類、ポリビニ
ルスルホン酸およびその塩売、パーフルオロビニルエー
テルスルホン酸の重合体およびその塩類、パーフルオロ
ビニルエーテルカルボン酸の重合体およびその塩類、ポ
リビニルリン酸およびその塩類などのホモポリマーの他
にスチレンスルホン酸およびその塩類、エステル類、ア
クリル酸およびその塩類、エステル類、メタアクリル酸
およびその塩類、エステル類、例えば、ビニルピリジ
ン、ビニルベンジルイミダゾール、アリルアミン、ビニ
ルベンジルモノアルキルアミン、ビニルベンジルジアル
キルアミン、ビニルベンジルトリアルキルアミンなどの
ビニル単量体で正または負の電荷を容易に導入すること
ができるビニル単量体の一種以上と例えば、スチレン、
ビニルトルエン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、
塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、三
フッ化エチレン、三フッ化−塩化エチレン、四フッ化エ
チレン、パーフルオルアルキルビニルエーテル類、クロ
ロメチルスチレンなど従来公知の重合可能なビニル単量
体の一種以上とを共重合させた所謂共重合体のイオン性
高分子を好適に用いることができる。また縮合系高分子
としては可溶性のものとしてアニリンとホルマリンの縮
合物など線状高分子が好適に用いられる。これは単に線
状高分子のみでなく、ペンタエチレンヘキサミンなどの
ポリエチレンポリアミンとホルマリン、フェノールなど
を加熱縮合して低縮合物を作りこれを多孔性膜上に塗布
した後、加熱縮合し、縮合反応を完結させ縮合系高分子
と薄層を形成する方法も極めて有効である。
本発明の上記した多孔性膜の表面にイオン性官能基を
有する合成高分子化合物を溶液にして多孔性膜の表面に
塗布する方法、あるいは該合成高分子化合物の溶液に多
孔性膜を浸漬、噴霧する方法が一般に採用される。この
ような本発明の製造方法において、多孔性膜の表面に所
定の合成高分子化合物を薄層として作業性よく且つ安定
に形成して良好な複合膜を得るために、合成高分子化合
物の溶液を塗布、噴霧または浸漬に適した粘度および濃
度に調整することが望ましい。
本発明の製造方法においては、多孔性膜の表面を予め
親水化処理した後、該表面にイオン性官能基を有する高
分子化合物の薄層を形成させることにより、耐久性に優
れた所望の複合膜を得ることができる。このような親水
化処理としては、例えば界面活性剤溶液に多孔性膜を浸
漬して処理する方法、紫外線を必要により光増感剤の存
在下に酸素やアンモニア等の雰囲気中で照射する方法、
コロナ放電処理する方法、火災処理、重クロム酸混液の
ような浸食性の試薬によって表面処理する方法がある。
即ち、本発明における親水化処理とは、多孔性膜の表層
部に何らかの極性基が導入されるか、あるいはイオン性
官能基を有する合成高分子化合物の薄層をアンカーさせ
る微小な凹凸が形成させる方法を併せて総称するもので
ある。
具体的には、界面活性剤により処理方法では、陽イオ
ン性、陰イオン性または非イオン性の界面活性剤が多孔
性膜の高分子材質に応じて選定し用いられる。
一般に界面活性剤の0.01〜5%の水溶液、有機溶媒溶
液、あるいは水−有機溶媒の混合溶液に多孔性膜を浸漬
し、十分に多孔性膜の表層部に該界面活性剤を吸着させ
た後、取り出し、必要によっては洗浄し、水で風乾、あ
るいは強制的に乾燥した後、場合によっては若干の水分
の含有した状態で供せられる。
紫外線による多孔性膜の表面処理は、平膜の場合には
光源からできるだけ均一に照射できるように紫外線ラン
プを配列するか、あるいは反射鏡を用いて膜面上に均一
に照射されるようにする。また、中空糸膜のような場合
には、全表面に均一に紫外線が照射できるように装置上
の工夫をすればよい。
紫外線を照射する雰囲気は空気中、酸素や窒素、アン
モニアガス雰囲気など、処理する高分子材質の種類に応
じて好適に選定すればよい。一般に紫外線照射によっ
て、多孔性膜における高分子鎖上の水素原子が脱離し
て、二重結合、カルボニル結合、カルボン酸基、アミノ
基、水酸基などが形成され、該多孔性膜の表層部に親水
基が賦与されるものと思われる。従って、紫外線の照射
によってラジカルの発生が促進されるように、光増感剤
を共存させることが望ましい場合がある。光増感剤とし
ては、例えばベンゾフェノン、ミヒラーケトンなどのケ
トン基ほか従来公知の光増感性の基を有する化合物が何
ら制限なく用いられる。このような光増感剤は、使用す
る多孔性膜の種類によって選定すればよい。紫外線の照
射量は、一般に0.1W〜100Wの範囲の照射が好適である
が、特に好ましくは1W〜10Wの範囲の照射が好適であ
る。
コロナ放電による処理法は通常高分子のフィルムを処
理するときに用いられている手段が何ら制限なく採用さ
れる。また中空糸膜を親水化処理する場合は、中空糸膜
の形状に合せたコロナ放電処理装置を用いて連続あるい
は繰り返し実施することも出来る。このコロナ放電処理
の条件も多孔性膜の材質によって異なり一概に決定され
ず、一般に空気中、酸素中、窒素中、アンモニアガス
中、亜硫酸ガス中と目的に応じて実施される。工業的に
コロナ放電処理する場合は、空気中で実施し、多孔性膜
の表層部にカルボニル基、カルボン酸基、水酸基等が多
く生じる条件を選定する方が望ましい。
また、重クロム酸のような侵食性の溶液中に浸漬して
多孔性膜の表層部を侵食し、水酸基、カルボン酸基など
を形成することも有用である。具体的には重クロム酸と
硫酸との混合液、硝酸、過塩素酸などが多孔性膜の表層
部を親水化するのに有用である。また濃硫酸、クロルス
ルホン酸、有機アミン類などのような明らかにイオン交
換性の親水基が導入される処理も好結果をもたらす。
さらにまた、多孔性膜の親水化処理としては、該多孔
性膜の表面に機械的に凹凸をつけることも好ましい結果
を与える。具体的には例えば平膜、中空糸を製造し巻取
る際にそれのガイドロールに凹凸を作り、これに平膜、
中空糸が接触することによって凹凸を得る。このように
膜状物を凹凸のあるものに接触させて凹凸を形成する方
法とは逆に、膜状物を凹凸となるよううな粒子を付着、
圧着させる方法など、目的に応じて選定される。その
他、一般に高分子の表面処理に用いられる技術、火災処
理なども有効である。
本発明の複合膜は、水−有機液体、有機液体−有機液
体などの各種の混合液など各種の混合液を分離する目的
の分離膜として用いられるが、特にパーペーパレーショ
ン法において水−有機液体の混合溶液から脱水を実施す
る分離膜として有効である。このような本発明の複合膜
は、パーベーパレーション法において使用する場合に、
電荷を有する状態にして使用することが必要である。例
えば、弱塩基性アミンを有する複合膜の場合は、酸で処
理して解離した状態にして使用する必要があり、特に好
ましい態様はSO4 2-,PO4 3-といって多塩基酸で処理し
て、これらを対イオンとして存在さしておくことが望ま
しい。また強塩基性のアンモニウム塩を有する複合膜の
場合も多塩基酸を対イオンとして結合している様態が最
も好ましい結果が得られる。
負の電荷となる官能基も、解離した状態で存在する複
合膜が好ましく、金属イオン、特にアルカリ金属イオン
が対イオンとして存在していることが望ましい。例えば
カルボン酸基を有する複合膜の場合、アルカリ金属塩型
としたとき、著しく高い性能が得られる。なお複合膜の
イオン性官能基を有する薄層内には、他のイオン性官能
基が存在しない不活性な高分子が共存していてもよい。
例えばポリエチレンイミドとポリビニルアルコールを水
に溶解して多孔性膜に付着させて薄層を形成してもよ
い。またイオン性官能基を有する合成高分子を多孔性膜
に存在させるとき、異種の高分子を層状に存在させても
よい。一例を挙げれば、ポリエチレンイミンの不溶性の
薄層を形成したのち、この上にポリスチレンスルホン酸
の不溶性の薄層を形成し、これを硫酸ナトリウムの液に
浸漬し、ポリエチレンイミンの薄層をSO4 2-型とし、ポ
リスチレンスルホン酸の薄層をNa+に変える態様であ
る。また上記の逆も有効であり、更には三層以上を形成
した態様、更に陽イオン交換基と陰イオン交換基が任意
に、そして任意の割合で層内に分布している態様など各
種の態様が有効である。
本発明の複合膜を用いる実施態様として、平膜の場合
は、フィルタープレース型の熱交換器のようなものに組
み込んで必要により多数積層して使用するか、あるいは
スパイラル型にして用いることもできる。また、本発明
の複合膜が中空糸、チューブ状の場合は、ハウジング中
にいれて両端をポッティングして固定し該中空糸の内側
に分離する混合液を流し、外側を減圧にして用いるこ
と、あるいは中空糸の外側に分離する混合液を流し、内
側を減圧にして用いることも分離目的によって選定して
使用することができる。特に中空糸膜の場合には、該中
空糸の外側にイオン性官能基を有する合成高分子化合物
の薄膜を形成させた複合膜か特にパーベーパレーション
法における分離膜として有効で、長期安定して好結果が
得られる。
(発明の効果) 本発明の複合膜を使用することにより、工業的に長期
間の使用において、安定して大きい分離係数を有し且つ
透過流束の大きいパーベーパレーション用分離膜が得ら
れるので、産業上の有用性が極めて大きいものである。
(実施例) 以下、本発明の内容を具体的に実施例によって説明す
るが、本発明の内容は以下の実施例によって拘束される
ものではない。
実施例1 芳香族イミド単位を分子内に有するポリエーテルイミ
ド(ゼネラル・エレクトリック社製、商品名:ウルテム
1000)100重量部とポリビニルピロリドン50重量部をそ
れらの良溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン400重
量部に、混合溶解後、濾過脱泡し、ドープ液を得た。
この原液を20cm×20cm×3mmtのガラス板上にキャスト
し、TLCアプリケータを用い、ナイフ厚0.3mmで、均一な
ドープ厚みにした後、60℃の凝固水浴に1時間浸漬し、
製膜した。その後、乾燥させ、膜の表面(断面)を走査
型電子顕微鏡で観察したところ、表面(ガラス板に接触
した面)の孔径0.1μmである緻密層を有し、多孔率68
%の非対称構造の多孔性膜であることが確認された。
この微多孔性の非対称膜をノニオン系界面活性剤(花
王(株)製、レオドールスーパーTW−θ120)1重量%
とエタノール(広島和光純薬(株);試薬特級)99重量
%の混合溶液に25℃で1時間浸漬した後、風乾した。他
方、分子量約10万のポリスチレン10部をエチレンジクロ
ライド1000部中に溶解し、これにベンゾイルクロライド
1部を加えて、触媒として無水塩化アルミニウムを加え
て、室温で12時間放置した後、これをメタノール中に投
入してポリスチレンの反応物を沈殿させた。このポリマ
ーを水洗、乾燥、エチレンジクロライドへの溶解、メタ
ノールへの投入という精製を2回くり返したのち乾燥
後、ポリマーの赤外吸収スペクトルを測定したところ
カルボニル基の強い吸収が観測された。このポリマーを
濃硫酸10部にポリマー5部を加えて50℃で6時間加熱し
てスルホン化処理した。得られた部分的にベンゾイル化
したポリスチレンスルホン酸を未反応の硫酸と分離する
ために、セルロース製の透析膜で透析して精製した。こ
のポリマーは水溶性であり、スルホン酸基は元素分析に
よって10ヶに5ヶが導入されていることが分かった。
上記の高分子を10重量%水溶液として濾過脱泡を行っ
た後、ポリマーに対して2重量%のミヒラーケトンを加
え、これを前記した表面親水化処理したポリエーテルイ
ミド多孔膜の緻密層表面上にコーティングして乾燥し
た。得られた膜の重量増加から、ポリスチレンスルホン
酸誘導体の薄膜の厚みは0.1μm以下であった。これに
高圧紫外線ランプによって約2000mWの紫外線を照射し
た。これを水中に浸漬しても、もはや表面のポリスチレ
ンスルホン酸誘導体の層は溶解しなかった。この膜を次
いで0.1規定の水酸化カリウム水溶液中に浸漬してスル
ホン酸カリウム型にした。この複合膜を平膜のパーベー
パレーション特性を測定する直径7.5cmのステンレス製
容器にセットして水/イソプロピルアルコール系に対す
る透過特性を測定した。70℃にてイソプロピルアルコー
ルの濃度が90重量%、95重量%のそれぞれに対して実施
した。
それらの結果を表1に示す。
実施例2 実施例1と同様な方法により、表面(ガラス板に接触
した面)の孔径0.1μmおよび多孔率68%のポリエーテ
ルイミドよりなる非対称平膜を得た。次いで、膜表面に
春日電気(株)製のコロナ放電処理装置(放電バーとロ
ールの間隙は1.5m/m)で、膜のスピード10m/分、印加電
圧75(V)の条件でコロナ放電処理し、親水化処理をお
こなった。
これに実施例1で合成した部分ベンゾイル化処理した
ポリスチレンスルホン酸の10%溶液に2%のミヒラーケ
トンを加えた溶液を塗布して乾燥した。薄膜の厚みは3
μmであった。これに高圧水銀灯から紫外線を照射して
架橋させたあと、更に4−ビニルピリジンの10%エタノ
ール溶液中に浸漬して、4−ビニルピリジンをマトリッ
クス重合し、両性膜層とした。
この複合膜を実施例1で用いたステンレス製容器にセ
ットして、水/イソプロピルアルコール系に対して透過
特性を測定した。70℃にて、イソプロピルアルコールの
濃度が90重量%、95重量%のそれぞれに対して実施し
た。
それらの結果を第2表に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−14725(JP,A) 特開 昭63−22835(JP,A) 特開 昭61−209054(JP,A) 特開 昭63−7803(JP,A) 特開 昭63−283707(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 71/82 500 B01D 69/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表層部に、その表面部にイオン性官能基を
    有する合成高分子化合物の薄層が形成し得るように孔径
    が制御された、厚さ5μm以下の緻密層が存在する芳香
    環を有する縮合系高分子よりなる非対称構造の多孔性膜
    と、前記緻密層の表面部に存在するイオン性官能基を有
    する合成高分子化合物の薄層とよりなる複合膜。
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