JP3039902U - 乗客側エアバッグ緩衝装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 織物消費量が少なく、製造人工費が低減で
き、製造の自動化が可能で膨張時や衝撃時の応力集中を
低減できる乗客側織物製エアバッグ緩衝装置を供するこ
と。 【解決手段】 長方形々状の主パネル（１２）を用い、
その主体部にエアバッグ口（１８）を形成し、主パネル
（１２）の両側の各端部パネル（１４ａ等）は充分に丸
味を持たせて、その周辺境界域を閉塞曲線形状化して所
定の選択長より短い半径部分を有した曲線部分が無いよ
うにした構成のエアバッグ緩衝装置を構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、自動車用エアバッグの設計に関し、特に、改良設計により織物費消 量、組立て時間、人工費、破損態様を低減させた乗客側エアバッグ緩衝装置に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

通常の乗客側エアバッグ緩衝装置は、主パネルと、２つの端部パネルとを備え ている。主パネルは長い矩形々状を有して端部が狭く成った形状をして、該端部 は幾分釣鐘状ないしベル形々状をしている。主パネルの２つの端部はエアバッグ の口の両側を形成している。エアバッグの口の残余の２つの側部は上記２つの端 部パネルにおける各パネルの一部分によって形成されている。従来の技術による 端部パネルは、通常は比較的複雑な周辺輪郭部を含み、該周辺輪郭部は比較的短 かな半径部分を包含している。エアバッグを形成するこれらのパネル類は、普通 には幅６３インチ（１６０ｃｍ）を有する一巻きの織物に割り付けられる。一般 的にエアバッグ用パネルは非対称であることから、各緩衝装置は通常、２．０６ ２ヤード（１．９ｍ）の織物を要し、それでいて結果的には織物を殆ど使い尽く してしまっている。

【０００３】 もう一つの従来のエアバッグ緩衝装置は、主パネルの各端が開口を形成してい る。２つの開口が相互隣接して配置され、互いに縫い合わされて口の所で二重の 厚みの織物を形成するものである。この型のエアバッグに内部つなぎ綱を用いる と、通常はあと３インチ（７．８ｃｍ）の織物をパネル中央部に要することにな る。この領域は重ね合わされ、縫われて二重のアンカーを形成し、この二重アン カーが主パネルを過って延設されてつなぎ綱の一端が該主パネルに取付けられて いるようになっており、つなぎ綱の他端は開口の近くに止着されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】 上述の記載から、従来技術による乗客側エアバッグ緩衝装置は、所要労力が多 く、織物費消量も多く、かつその製造の自動化が困難であると言うことが容易に 理解できよう。そしてこれらの問題点に加えて曲がり部分が比較的短い半径を有 していること及びパネル周辺領域に角が幾つも有ることから高い応力領域が形成 されて膨張や衝突時に破損を起こし易い。

【０００５】 依って、本考案の主目的は、織物所要量が少なく、故に労力量を少なく、製造 も容易に自動化ができ、しかも破損することが少ない乗客側自動車用エアバッグ 緩衝装置を提供せんとするものである。このような目的の達成方法は以下の記載 および実用新案登録請求の範囲の記載から明らかになるであろう。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案の上記諸目的は、１つの主パネルと２つの端部パネルとから構成される 乗客側エアバッグ緩衝装置により達成されるものであり、この場合に主パネルは ほぼ長方形状を有し、エアバッグの口が長方形の主体部分内に形成される。端部 パネルは短い半径を有しないように充分に丸味を付けられており、端部パネルの 主体部は僅かに湾曲化されているのである。このような形状、形態を用いること により、パネルは極めて容易に一巻き織物に割り付けでき、費消量は充分に低減 されるのである。

【０００７】

【考案の実施の形態】

図１は１巻の織物１０の一部分を示しており、同織物上に３つの乗客側エアバ ッグ緩衝装置に用いるパネルが割り付けられている。これらは、三つの主パネル １２ａ〜１２ｃと六つの端部パネル１４ａ〜１４ｆを含んでいる。また、杆ない しロッド用ポケットの３つの型（パターン）１６ａ〜１６ｃも包含して、割り付 けている。これらのポケットはエアバッグ緩衝装置の口に縫い付けられ、かつ同 緩衝装置をエアバッグモジュールに結合するロッドまたは管を格納するように設 けられるものである。これらの点は全て当業者が熟知する所であるから、これ以 上は詳述しない。

【０００８】 さて、端部パネル１４（１４ａ〜１４ｆ）は充分に丸味付けられており、短い 径ではない閉鎖曲線状の周辺境界域を有していることは容易に理解できよう。好 ましくはどの端部パネルの周辺領域内にもその径が６インチ（１５０ｍｍ）より 少ない曲線部がないように構成される。更に、それぞれの端部パネルは僅かに曲 がった凸状側辺と凹状側辺を有し、従って図１に示すように巧みに割り付けられ 、かつ織物の消耗量又は費し量が最少になっている。主パネル１２ａ〜１２ｃは 好ましくは長方形形状を有して同じく最少量の費消量となるようにしている。

【０００９】 本考案の他の特徴は、エアバッグ緩衝装置の膨張ガスを受入するための口が端 部ではなく、主パネルの主体部に形成されていることである。 図２は口１８を主体部に備えた主パネル１２を図示している。同図２に明示さ れるように、口１８はほぼ楕円開口として形成され、パネル１２の内部に対称配 置または非対称配置で設けられている。このような構造の利点は、口先を平らに したパネルに自動縫い付け等の適宜の技法で簡単に取付けができることにある。

【００１０】 図３〜図５は本考案による織物パネルから組み立てたエアバッグ緩衝装置を膨 張させた状態で示したものである。同図３〜５から、主パネル１２が口１８を有 し、その口に口先２０が止着されている様子が分かる。主パネル１２の端部２２ 、２４は重ね合わせて相互に縫い付けられていることが図５に明示され、これに よって主パネルの全幅に渡って二重厚み部を形成している。端部パネル１４ａ、 １４ｂ（図５に図示なし）は、周辺境界域を有し、その境界域が主パネルの側部 ２６、２８に縫い付けられている。図５に示すように、内部つなぎ綱３０は、そ の一端３２が口１８の端に縫い付けられ、他端３４が主パネル１２の二重厚み領 域に、該主パネルの端部２２、２４の間で縫い付けられいる。

【００１１】 本考案の一実施形態では、材料条件としては図１に示すように、各エアバッグ 緩衝装置に対してたったの１．３３ヤード（１．２３ｍ）さへ有ればパターンの 割り付けができるのである。この点は、従来技術を用いた場合では、１つの緩衝 装置当たり、２．０６２ヤード（１．９ｍ）も要した点と顕著な差違を有してい ることが分かる。組立て所要時間は、従来技術より、より丸められた端部パネル であることから縫い付けが容易化され、また口先の縫い付けや主パネルの縫い合 わせが自動化し易い等の理由から大幅に短縮することができる。人工費も低減で き、端部パネルにおける周辺境界域を形成する大きな半径形状により、負荷を緩 衝装置の全体面積に均等に分布させることもでき、それにより破損の可能性も最 低限にすることができるのである。

【００１２】 以上の記載から、本考案によれば、多くの利点がもたらされることは当業者な ら容易に理解できよう。もちろん、本考案の技術の範囲で種々の改変、変更が可 能なことも明らかであろう。従って、上述した記載は考案の説明のためのもので あり、これらに限定するものではないことは自明である。本考案は、実用新案登 録請求の範囲の記載にのみ限られることは明らかである。

【図面の簡単な説明】

【図１】三つのエアバッグ緩衝装置用のパネル型が割り
付けられた一巻きの織物を図示している。

【図２】本考案によるエアバッグ緩衝装置の主パネルを
示す図である。

【図３】本考案により構成されたエアバッグ緩衝装置の
膨らませた状態における端面図である。

【図４】図３に示す緩衝装置の左側側面図である。

【図５】図３に示す緩衝装置の右側側面図である。

【符号の説明】

１０…一巻きの織物 １２…主パネル １２ａ〜１２ｃ…主パネル １４ａ〜１４ｆ…端部パネル １８…口 ２０…口先 ２２…端部 ２４…端部 ２６…側部 ２８…側部 ３０…内部つなぎ綱

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ほぼ長方形々状を成し、第１、第２の側
   部と第１、第２端部とを有するとともに該第１、第２の
   端部は重ねて縫い目に沿って結合した主パネルと、 第１、第２のほぼ同じ端部パネルとを備え、 前記第１、第２の端部パネルの各端部パネルは、前記主
   パネルの前記第１、第２の側部におけるそれぞれの側部
   に止着された周辺境界域を有し、かつ該周辺境界域はほ
   ぼ１５０ｍｍより小さな半径は有しない閉塞曲線形状を
   成していることを特徴とする織物製の乗客側エアバッグ
   緩衝装置。
2. 【請求項２】 前記主パネルは膨張ガスを受入するため
   の口部を内部に形成している請求項１に記載の織物製の
   乗客側エアバッグ緩衝装置。
3. 【請求項３】 前記縫い目に結合した第１端と前記口部
   に結合した第２端とを有した内部つなぎ綱を具備してい
   る請求項２に記載の織物製の乗客側エアバッグ緩衝装
   置。
4. 【請求項４】 前記各端部パネルの閉塞曲線形状は、全
   体的に凸形状の側部と全体的に凹形状の側部とを丸めた
   端部分によって結合した構成を有する請求項１に記載の
   織物製の乗客側エアバッグ緩衝装置。
5. 【請求項５】 前記主パネルは膨張ガスを受入するため
   の口部を内部に形成している請求項４に記載の織物製の
   乗客側エアバッグ緩衝装置。
6. 【請求項６】 前記縫い目に結合した第１端と前記口部
   に結合した第２端とを有した内部つなぎ綱を具備してい
   る請求項５に記載の織物製の乗客側エアバッグ緩衝装
   置。