JP3039721B2 - 蒸着材料及び該蒸着材料を用いた光学薄膜の製造方法 - Google Patents
蒸着材料及び該蒸着材料を用いた光学薄膜の製造方法Info
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Description
の蒸着材料、該蒸着材料を使用して光学薄膜を形成する
為の製造方法に関するもので、樹脂より成るプラスチッ
クレンズ,ディスク,もしくはガラス基板と樹脂層から
成る光学素子上に、高屈折率の光学薄膜,該光学薄膜を
含む多層膜を形成するのに適する。
ば米国特許第3934961号公報に開示された酸化ア
ルミニウム(Al2O3)と酸化ジルコニウム(Zr
O2)を混合焼結して得たものを蒸着材料として用いる
か、又は特開昭50−35211号公報に開示された酸
化ジルコニウム(ZrO2)と酸化チタン(TiO2)を
混合焼結して得たものを蒸着材料として用いるか、又は
特公昭63−5723号公報に開示された酸化タンタル
(Ta2O5)と酸化ジルコニウムを混合焼結したものを
蒸着材料として用いて、被蒸着体(ガラスやプラスチッ
ク)に真空下で蒸着する方法が知られている。
O3−ZrO2混合焼結物やZrO2−TiO2混合焼結物
を用いて被蒸着体を室温(約20℃)下の温度から12
0℃の温度にして蒸着成膜された光学薄膜は、十分に高
い屈折率を示すことがなく、ZrO2膜とほぼ同程度の
屈折率(1.7〜1.9)である。一方被蒸着体を30
0℃以上の温度に加熱し、そこに前述の如き光学薄膜を
成膜することによって高屈折率なものとすることが出来
る。しかし、ポリメタクリルアクリレート(PMMA)
樹脂,ポリカーボネート(PC)樹脂,ポリスチレン
(PS)樹脂,硬質塩ビ樹脂,ポリエチレン樹脂などか
らなるプラスチック光学素子または前記樹脂層を含む光
学素子が被蒸着体である場合、その樹脂の軟化点Tg
(80〜120℃)を超えて加熱すると変形を生じてし
まい、300℃以上に加熱することは好ましくない。
された酸化タンタル(Ta2O5)と酸化ジルコニウム
(ZrO2)を含む焼結ペレットを蒸着材料として用
い、樹脂層を有する被蒸着体の温度を室温から120℃
とした状態で、真空下で蒸着する方法により、高屈折率
の光学薄膜を得ることが出来る。しかし、前述の光学薄
膜の屈折率は1.9〜2.0程度であり十分ではない。
にした蒸着法により成膜した光学薄膜のうち、2.0〜
2.1の十分に高い屈折率を示すものとしては、酸化タ
ンタル(Ta2O5)または酸化ニオブ(Nb2O5)また
は酸化チタン(TiO2)の単一材料を蒸着材料として
用い、真空下で電子銃を用いて電子を照射することによ
って被蒸着体の上に成膜することが出来る。しかし前述
した材料は十分な蒸着速度を得る為に必要な飽和蒸気圧
温度がそれぞれの材料の融点よりも高く、蒸着時に蒸着
材料は全体が溶融し、蒸着材料が飛散してしまう。その
飛散したものが膜の上に微細な粒状物となって付着し、
製造時の、高い不良率の原因となっている。
鑑み、(1)プラスチックもしくは樹脂等の、蒸着時に
温度を上げられない基板に対しても屈折率が2.0以上
の高屈折率な光学薄膜が得られ、(2)蒸着時に生じる
蒸着材料の飛散によって、蒸着された光学薄膜に付着す
る微細な粒状物の発生を防止、することが可能な、蒸着
材料を提供することにある。
な品質の光学薄膜、及び該光学薄膜を他の屈折率の光学
薄膜と組み合わせた多層干渉薄膜を提供することにあ
る。
於いては、チタニウム(Ti)と酸素(O)のモル比A
(O/Ti)が1.0〜1.75の酸化チタン(TiO
A)と酸化ジルコニウム(ZrO2)を含み、チタンTi
とジルコニウムZrのモル比(Ti/Zr)が、1.0
〜4.0になる様に混合し、焼結或は溶融固化して形成
する。これにより、酸化チタンと酸化ジルコニウムを含
む屈折率2.0以上で薬品の飛散による微細な粒状物の
発生を防止した光学薄膜を得ることが出来る。
る理由は、膜中に含まれるTiO2の組成比がZrO2に
比べ多いことにある。蒸着において膜の組成比を決定す
る要因は、酸化チタン、酸化ジルコニウムの蒸気圧と、
蒸着材料に含まれるチタンTiとジルコニウムZrのモ
ル比B(Ti/Zr)である。ここで酸化チタンの蒸気
圧をPTi,酸化ジルコニウムの蒸気圧をPZrとし、得ら
れる光学薄膜の酸化チタンと酸化ジルコニウムの組成比
をK(Ti/Zr)とすると、 K∝B×PTi/PZr の関係がある。
蒸気圧比PTi/PZrが大きくなればなるほど、また蒸着
材料に含まれるチタンのモル比Bが大きくなればなるほ
ど、光学薄膜に含まれる酸化チタンの組成比Kは大きく
なり、結果として光学薄膜の屈折率を高くすることが出
来る。
と酸素のモル比A(O/Ti)で変化する。一方モル比
Aは0〜2の範囲で変化可能であり、モル比Aが小さく
なればなるほど酸化チタンの蒸気圧PTiは大きくなる。
学薄膜に光学的な吸収が発生し好ましくない。またモル
比Aが1.75を越えると十分な蒸気圧が得られず、従
ってモル比Aは1.0〜1.75の範囲が好ましい。
わす、チタニウムとジルコニウムのモル比B(Ti/Z
r)が大きくなれば、光学薄膜中の酸化チタンの組成比
は大きくなり、従って屈折率の高い光学薄膜が得られ
る。ここでモル比Bが1.0より小さい場合は光学薄膜
の屈折率が2.0を越えることは出来ず、モル比Bが
1.0以上で屈折率が2.0以上の光学薄膜を得ること
が出来る。
料の融点が下り、蒸着時に蒸着材料全体が溶融してしま
い、蒸着材料が飛散し、その結果微細な粒状物が光学薄
膜に付着し、光学薄膜を不良なものにしてしまう。従っ
てモル比Bは1.0〜4.0の範囲が好ましい。
混合した酸化チタン粉末と酸化ジルコニウム粉末を高圧
プレスによって成形した後、これを約10-4Torr.
以下の真空炉中もしくは数Torr.の不活性ガス雰囲
気中でホットプレス処理して焼結タブレットを作成す
る。このタブレットを蒸着用ハースにセットした蒸着装
置を1×10-5Torr.程度の真空度に引いた後、5
×10-5〜2×10-4Torr.程度酸素を導入し、被
蒸着体の温度を室温(20℃)から120℃までの温度
に設定し、前記焼結タブレットを蒸着材料として電子銃
加熱することによって、微細な粒状物を付着させること
なく、高屈折率の光学薄膜を比蒸着体上に形成すること
が出来る。
スチック製レンズまたは樹脂層を含む光学素子用の反射
防止膜として有効なものである。例えば本発明の光学薄
膜を高屈折率層に用い多層反射防止膜を前述プラスチッ
ク製レンズまたは樹脂層を含む光学素子の上に設ける場
合、その被蒸着体の温度を軟化点Tg以下の室温から1
20℃下で成膜出来る為に、面変形等の問題が発生せず
有効である。
線源を用いたESCA(electro spectr
oscopy for chemical analy
zer)分析を行うと、Tiの2pピークとZrの3d
ピークの比率(Zr−3d/Ti−2p)が0.1以下
になっており、TiO2を多量に含む光学薄膜となって
いることが分る。
さ、例えばλ0/4或いはλ0/2(λ0:設計波長)と
し、SiO2等の低屈折率の光学薄膜との組み合わせに
より多層反射防止膜の様な多層干渉薄膜を形成すること
ができる。
粒子サイズが1mm以下で平均粒子サイズが約20μm
の酸化チタン(Ti2O3)粉末と粒子サイズが60μm
以下で平均粒子サイズが約12μmの酸化ジルコニウム
(ZrO2)粉末とをTiとZrのモル比(Ti/Z
r)で2.5になる様に混合し、プレス成形した後、1
0-4Torr.以下の真空中で約3時間1450℃で焼
結を行ない、直径φ18mm×厚さ12mmtの蒸着用
ペレットを作成した。次に真空蒸着機中に配置された電
子ビーム蒸着用ハースに前記ペレットをセットし、装置
内を1×10-5Torr.の圧力まで排気した後、酸素
ガスを1×10-4Torr.装置内に導入し、加速電圧
8KV,エミッション電流150mAの電子ビームによ
って前記ペレットを加熱し、装置内にあらかじめセッテ
ィングしておいた室温下の温度になっているガラスから
なる被蒸着体に、光学膜厚がλ/4(λ:450,55
0,650nm)の3種類の膜厚の光学薄膜を約5Å/
秒の蒸着速度で蒸着した。これらの光学薄膜の屈折率を
分光特性のピーク値より算出しプロットしたもの(実
線)を図1に示す。図1は縦軸に屈折率,横軸に波長λ
(単位nm)が取られている。尚図1には、本発明に対
する比較例として、酸化タンタル(Ta2O5)と酸化ジ
ルコニウム(ZrO2)より成る蒸着材料を使用して形
成した光学薄膜の屈折率を破線で示している。即ち比較
例は酸化タンタル(Ta2O5)粉末と酸化ジルコニウム
(ZrO2)粉末をモル比(Ta/Zr)1で混合し、
プレス成形した後、これを、10-2Torr.の真空度
で、1000℃で約3時間焼結を行い、φ18mm×1
2mmtの蒸着用ペレットを作成した。
った。これによって得られた光学薄膜の屈折率を図1の
比較例として破線でプロットした。図1から明白な様
に、本発明に係る蒸着材料を使用して形成した光学薄膜
は、被蒸着体を加熱することなく、可視光領域(400
nm〜700nm)で2.0以上の高い屈折率が得られ
た。これに対して比較例で示す従来の光学薄膜は屈折率
2.0を越えることは出来なかった。
に図2に示した。本実施例のペレットは電子ビームの照
射部近傍のみが溶融し、蒸発しているが、全体形状は変
化していない。これにより蒸着材料の飛散現象はみられ
ず、微小粒子の光学薄膜への付着もなかった。また本実
施例のペレットは電子ビーム加熱によってペレットから
発生するアウトガスが少なく、蒸着前のガス出し工程を
省略することが出来た。
0.8,1.0,1.5,1.67,1.75,1.8
0,1.90,2.0の10種類のチタン粉末及び酸化
チタン粉末を用意し、それらと酸化ジルコニウム(Zr
O2)粉末とをそれぞれチタンとジルコニウムのモル比
(Ti/Zr)が2.5になる様に混合し、プレス成形
した後、真空中で約3時間、1450℃で燒結を行い、
φ18mm×12mmtの蒸着用ペレットを10種類作
成した。
した方法で蒸着を行い、その蒸着時の成膜速度を水晶振
動子法によって測定した。又、その時の電子ビームのパ
ワーは、ペレット全体が溶解しない程度の値、即ち加速
電圧が8kVで、エミッション電流が150mA〜20
0mA内の最適な一つの値を選択して使用した。結果は
図3で示す様な結果となった。図3は縦軸に単位時間に
於ける成膜速度(Å/秒)を示し、横軸に酸素とチタン
とのモル比(O/Ti)の値を示す。図3に示す様に各
モル比と成膜速度の値は以下の如くであった。
のモル比(O/Ti)が、1.8,1.9,2.0のも
のはいずれも3Å/秒の実用的な成膜速度が得られなか
った。これは、上記モル比の酸化チタンの蒸気圧が低い
ことに起因しているものと考えられる。尚、上記成膜速
度の値に幅があるのは、エミッション電流値が蒸着中に
所定の値より変動することに起因するものである。
学膜厚がλ/4(λ=550nm)の光学薄膜の分光透
過率T及び分光反射率Rを測定し、そのTとRより吸収
率を算出した。吸収率は100−(T+R)%で表わさ
れる。その結果を図4に示す。図4の縦軸は波長400
nmに於ける吸収率、横軸は酸素とチタンのモル比(O
/Ti)である。モル比(O/Ti)が0,0.5,
0.8の光学薄膜には数%の吸収が発生してしまい光学
薄膜としては好ましくない。またモル比(O/Ti)が
1.0,1.5,1.67,1.75のものは0.5%
以下で好ましい。尚モル比が1.0,1.5,1.6
7,1.75の光学薄膜は、波長500nmに於いてい
ずれも屈折率が約2.2であった。
化チタン(Ti2O3)粉末と酸化ジルコニウム(ZrO
2)粉末とをTiとZrのモル比(Ti/Zr)が、
0.2,0.7,1.0,2.0,2.5,3.0,
4.0,4.5になる様にそれぞれ混合し、プレス成形
した後、真空中で約3時間1450℃で燒結を行ない、
φ18mm×12mmtの蒸着用ペレットを6種類作成
した。
光学薄膜を作成した。得られた光学薄膜の分光特性より
550nm波長での屈折率を算出し、TiとZrのモル
比(Ti/Zr)との関係を図5に示した。図5の縦軸
は屈折率、横軸はTiとZrとのモル比(Ti/Zr)
である。図5で示す如く、モル比(Ti/Zr)が1.
0以上の蒸着材料を使用した光学薄膜は、屈折率が2.
1以上の高い値を示した。しかし、モル比が4.5のも
のは、蒸着後のペレットが図6に示す如く、直径18m
mのものが25mm〜30mm程度に、厚さ12mmの
ものが3mm〜5mm程度に溶融変形し、蒸着材料の飛
散現象が見られた。そして、光学濃度の表面には、微小
な粒状物の付着が観察された。これに対して、モル比が
1.0,2.0,2.5,3.0及び4.0の蒸着材料
は、蒸着後のペレットの形状が図2に示す如く溶融変形
がなく、又光学薄膜の表面に微小な粒状物の付着は観察
されなかった。
性はモル比(Ti/Zr)2.0〜3.0が特に優れて
いた。溶融安定性が良いという事は、エレクトロンビー
ムを照射した際、蒸着材料の表面の溶融領域が経時的に
あまり変化せず、表面の溶融領域を保持したままで、材
料の深さ方向の溶融領域が変化することである。特に、
使用後の蒸着材料にあいた孔の断面形状が、筒状に近け
れば近いほど望ましい。図2を用いて説明すると蒸着材
料の表面での溶融孔の平均直径をφA、溶融孔の深さd
の半分の深さd/2に於ける溶融孔の平均直径をφBと
すると、φB/φAの値が1に近ければ近い程、溶融安定
性が良く、蒸着材料としては好ましい。モル比2.0〜
3.0ではこのφB/φAの値が約0.7以上であり、特
にモル比2.5に於いてはほぼ0.9に近い値が得られ
た。
である、上述した実施例では、被蒸着体の温度は室温下
で蒸着を行い、蒸発源からの幅射熱で被蒸着体の温度は
70℃程度に上昇することはあったが80℃を越えるこ
とはなかった。そこで、ガラスからなる被蒸着体を30
0℃に加熱しその他は実施例1と同様にして光学薄膜を
作成した。得られた光学薄膜の屈折率は波長550nm
で2.3〜2.4の高い値を示した。被蒸着体の温度に
制限のない光学素子においては、被蒸着体を加熱するこ
とは高屈折の光学薄膜を得る上で有効である。また、本
実施例の蒸着において蒸着薬品からの電子ビーム加熱に
よるアウトガスはほとんどなく、安定な蒸着を行うこと
が出来た。
ーボネート),PS(ポリスチレン)からなる、φ30
mmのレンズをそれぞれ射出成形法により作成した。ま
たガラス基板上に紫外線硬化タイプのアクリル系樹脂を
石英型を用い厚さ約20μm形成し、レプリカレンズを
作成した。以上の4種類の樹脂からなる光学素子を被蒸
着体として、蒸着装置内にセッティングし、実施例1に
示す方法で光学薄膜を蒸着した。その際の蒸着前後での
レンズの面精度の変化を干渉計を用いて測定した。PM
MA成形レンズの例を図7に示す。成膜前後で面精度は
変化していない。他のレンズに対しても同様の結果を得
た。
rrに設定して、成膜を行った。本実施例では酸素導入
量を3×10-5Torr,5×10-5Torr,1.5
×10-4Torr,2.0×10-4Torr,2.5×
10-4Torrの5条件で、他は実施例1に記述した蒸
着材料及び製造方法で光学薄膜を作成した。その結果、
酸素導入量が3×10-5Torrのものは酸化不足が原
因と考えられる吸収が波長400で3〜5%発生した。
他の酸素導入量で形成した光学薄膜の吸収は0.5%以
下であった。
て形成した光学薄膜の屈折率は、波長550nmで1.
95〜2.0程度に減少してしまった。他の酸素導入量
で形成された光学薄膜は2.0以上の屈折率値を示し
た。
CA(X線源Mg−kα)分析の結果を図8に示す。図
8の縦軸は光電子の数、横軸結合エネルギー(Bind
ing Energy;単位eV)を示す。図8に示す
如くTi2pピーク値とZr3dピーク値との比(Zr/
Ti)は0.06であり、Tiの含有率の高い光学薄膜
が得られている。尚、チタンとジルコニウムのモル比
(Ti/Zr)を0.2,0.7,2.5及び4に取っ
た時の、波長550nmでの屈折率、前記ピーク値の比
を下記に示す。尚、酸化チタンのチタンと酸素のモル比
は実施例1で示す材料と同じ1.5(O/Ti)であ
る。
学薄膜をESCAで測定した時のTi2pピークとZr3
dピークの比(Zr/Ti)は0.1以下であり、Ti
の含有率が高いことが分った。
膜を用いた多層反射防止膜について述べる。屈折率が
1.49のPMMA成形レンズを被蒸着体に用い、その
上に実施例1で述べた蒸着材料と製造方法で高屈折率層
として光学薄膜(nd)でnd=30nm形成し、次に
低屈折率層としてSiO2を電子ビーム加熱により1×
10-4Torrの酸素を導入し、成膜速度約10Å/秒
でnd=50nm形成し、次に実施例1で述べた蒸着材
料と製造方法でnd=267nmの高屈折率層を形成
し、次にSiO2を電子ビーム加熱により1×10-4T
orrの酸素を導入し、成膜速度約10Å/秒でnd=
125nmの低屈折率層を形成した。この多層反射防止
膜の分光反射率を図9に示す。図9の縦軸は反射率、横
軸は波長を示す。図9に示す如く、波長400nm〜7
00nmの広い波長領域で反射率が0.5%以下の反射
防止膜を、プラスチックレンズにコンバートすることが
できた。
製造方法で、光学的膜厚ndのみを変化させて反射防止
膜を形成した。各層の光学的膜厚は下記の如くであっ
た。
止膜の特性は図9に示す反射防止膜の特性に比して反射
防止領域は狭いが、反射率の低いU型の反射防止膜が得
られた。
等の信頼性は問題のない良好なものであった。
ル比(O/Ti)が1.0〜1.75の酸化チタンと酸
化ジルコニウムの混合によって得られる蒸着用材料はT
iとZrのモル比で1.0〜4.0の範囲で、飛散現象
を防止することが出来るとともに、良好な光学薄膜を得
ることができる。しかも、本発明では、被蒸着体の温度
を低温(室温下〜120℃)に設定しても、高屈折率の
光学薄膜が形成出来る為、プラスチックレンズ等の樹脂
を含む光学素子の光学薄膜として特に適している。さら
に被着体の温度を300℃程度に加熱した場合にはさら
に高屈折率なものとなり良好な特性が得られる。
折率の一例を示す図。
式図。
収率を示す図。
折率を示す図。
の蒸着後の断面模式図。
膜を形成した際の、プラスチックレンズの面精度を示す
図。
の、ESCA分析の結果を示す図。
る多層反射防止膜の一実施例の分光特性図。
する多層反射防止膜の他の実施例の分光特性図。
Claims (4)
- 【請求項1】 チタニウム(Ti)と酸素(O)のモル
比A(O/Ti)が1.0〜1.75の酸化チタン(T
iOA)と、酸化ジルコニウム(ZrO2)とを、チタニ
ウム(Ti)とジルコニウム(Zr)とのモル比(Ti
/Zr)が1.0〜4.0の割合で混合し、焼結又は溶
融固化してなることを特徴とする蒸着材料。 - 【請求項2】 請求項1の蒸着材料を用い、蒸着形成さ
れた事を特徴とする光学薄膜。 - 【請求項3】 請求項2に記載の光学薄膜を少なくとも
一層含む事を特徴とする多層薄膜。 - 【請求項4】 請求項1に記載の蒸着材料を用い、蒸着
時の被蒸着体の温度を室温から120℃とし、光学薄膜
を形成する事を特徴とする光学薄膜の製造方法。
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