JP3039616U - 車両用シートカバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バケット型シートの背もたれ前面や座席上面
における中央部の窪みにフィットさせることができる車
両用シートカバーの提供。 【解決手段】 車両用シートの背もたれの底面から前面
を経て背面上半部に至るほぼ平行幅の非伸縮性シート１
を中央部に配し、該非伸縮性シート１の両側部に背もた
れの側部にフィットし得る縦横両方向に伸縮可能な伸縮
性シート２を配し、前記非伸縮性シート１の裏面両側縁
部に細幅の緊張ベルト３の両先端部を該非伸縮性シート
１の両端部より延長させて固定すると共に、該緊張ベル
ト３の両端部に係止具４、５を設け、該係止具の一方に
緊張ベルト３の長さ調節可能な調節手段６を備えたこと
を特徴とする車両用シートカバー。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車両用シートカバーに関するもので、各種車両用シート、特にバケ ット型シートの背もたれ前面や座席上面における中央部の窪みにフィットさせる ことができるシートカバーを提供するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、乗用車をはじめ各種車両のシートにおける背もたれ前面や座席上面は、 ほぼフラットに形成されていた。

【０００３】 このため、これらシートに被せるシートカバーにおいても、シートの表面寸法 に合わせてシートにしっくりと嵌まる形態のものを作って被せ、シートカバー端 部の要所をゴム紐を介してシートに固定したり、該ゴム紐相互を緊結することに よりシートカバーをシートにフィットさせることができた。

【０００４】 しかし、最近、車両用シートの形態にも種々のものが採用されるようになり、 高級乗用車やスポーツタイプの車両においてはバケット型と呼ばれる背もたれ前 面や座席上面における中央部が窪んだシートが採用されている。

【０００５】 このバケット型シートは、図３〜図５に示すように、背もたれ２０の中央部２ １に対し両側部２２、２２の前方に張出部２３、２３が形成されており、また、 座席２５においても、中央部２６に対し両側部２７、２７の上方に張出部２８、 ２８が形成されているものである。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

前記バケット型シートに対し、従来と同様に、シートの表面寸法に合わせてシ ートにしっくりと嵌まる形態のシートカバーを被せ、シートカバー端部の要所を ゴム紐を介してシートに固定したり、該ゴム紐相互を緊結してフィットさせても 、背もたれ２０の中央部２１や座席２５の中央部２６が両側部より窪んでいるた め、図３や図４の二点鎖線にて示すように、シートカバーが背もたれや座席の中 央部から大きく浮き上がってしまう。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、前記問題点の解決手段として、シートカバー中央の浮き上がる部分 のシートの材質を非伸縮性のものとし、この中央のシートカバーの上下端をベル トを介して背もたれの後面や座席の下にて結合し、このベルトにテンションを加 えることにより、中央の浮き上がり部分を押さえ込んでシートにフィットさせた ことを特徴とするものである。

【０００８】 すなわち、本考案の第１は、車両用シートの背もたれの底面から前面を経て背 面上半部に至るほぼ平行幅の非伸縮性シート１を中央部に配し、該非伸縮性シー ト１の両側部に背もたれの側部にフィットし得る縦横両方向に伸縮可能な伸縮性 シート２を配し、前記非伸縮性シート１の裏面両側縁部に細幅の緊張ベルト３の 両先端部を該非伸縮性シート１の両端部より延長させて固定すると共に、該緊張 ベルト３の両端部に係止具４、５を設け、該係止具の一方に緊張ベルト３の長さ 調節可能な調節手段６を備えたことを特徴とする車両用シートカバーである。

【０００９】 また、本考案の第２は、車両用シートの座席の後面から上面を経て前面底部に 至るほぼ平行幅の非伸縮性シート１１を中央部に配し、該非伸縮性シート１１の 両側部に座席の側部にフィットし得る縦横両方向に伸縮可能な伸縮性シート１２ を配し、前記非伸縮性シート１１の裏面両側縁部に細幅の緊張ベルト１３の両先 端部を該非伸縮性シート１１の両端部より延長させて固定すると共に、該緊張ベ ルト１３の両端部に係止具１４、１５を設け、該係止具の一方に緊張ベルト１３ の長さ調節可能な調節手段１６を備えたことを特徴とする車両用シートカバーで ある。

【００１０】

【考案の実施の形態】 以下、本考案に係る車両用シートカバーの一実施形態を図に基き説明する。

【００１１】 図６は、本考案に係る背もたれ用シートカバーの装着前の背面図と側面図で、 車両用シートの背もたれ２０の底面から前面を経て背面上半部に至るほぼ平行幅 の非伸縮性シート（例えば合成皮革）１を中央部に配し、その両側部に、図１、 図２、図３に示すように背もたれ２０の張出部２３、２３を備えた両側部２２、 ２２にフィットし得る縦横両方向に伸縮可能な伸縮性シート（例えば、市販の「 ２ＷＡＹトリコット」（商品名）のような繊維状ゴムを織り込んだ布帛）２、２ を配し、前記非伸縮性シート１の裏面両側縁部に、細幅の緊張ベルト（例えば幅 ２０ｍｍのナイロンベルト）３、３の両先端部を非伸縮性シート１の両端部より 延長させて縫着固定すると共に、この緊張ベルト３、３の両端部に相互に係止可 能な雌雄一対のバックル型の係止具４、５を設け、一方の係止具５に緊張ベルト ３の長さ調節可能な調節手段６を備えたものである。

【００１２】 なお、図中７は伸縮性シート２、２の中央端部に設けられたリング状のゴム紐 、８は同じく伸縮性シート２、２の下端部に設けられた結合紐、９は非伸縮性シ ート１の頂部に設けられたヘッドレスト１０の軸足挿通のための貫通孔である。

【００１３】 この背もたれ用シートカバーの装着に際しては、従来のシートカバーと同様に ヘッドレスト１０を外した状態の背もたれ２０の上部からシートカバーを被せ、 下端部を背もたれ２０の底部から裏面に通し、リング状のゴム紐７や結合紐８を 利用して固定する。

【００１４】 この状態では、伸縮性シート２、２の中央端部に設けられたリング状のゴム紐 ７や下端部に設けられた結合紐および緊張ベルト３、３先端部の一対の係止具４ 、５の結合により図１に示すように背もたれ２０の背面において固定しても、背 もたれ２０の両側部２２、２２の部分に伸縮性シート２、２の部分はフィットす るが、シートカバー前面中央の非伸縮性シート１の部分は、背もたれの両側部が 張り出しているため、図３の二点鎖線にて示すように大きく浮き上がってしまう 。

【００１５】 そこで、前記係止具５に設けられている緊張ベルト３の長さ調節手段６により 緊張ベルト３、３に張力を加えて絞ると、背もたれ両側部の伸縮性シート２、２ が横方向に伸びて、シートカバー前面中央の非伸縮性シート１の部分は、図２、 図３、図５に示すように背もたれ中央部２１の窪んだ部分にフィットする。

【００１６】 図７は、本考案に係る座席用シートカバーの装着前の底面図と側面図で、車両 用シートの座席２５の後面から上面を経て前面底部に至るほぼ平行幅の非伸縮性 シート（例えば合成皮革）１１を中央部に配し、その両側部に、図１、図２、図 ４に示すように座席２５の張出部２８、２８を備えた両側部２７、２７にフィッ トし得る縦横両方向に伸縮可能な伸縮性シート（例えば、市販の「２ＷＡＹトリ コット」（商品名）のような繊維状ゴムを織り込んだ布帛）１２、１２を配し、 前記非伸縮性シート１１の裏面両側縁部に、細幅の緊張ベルト（例えば幅２０ｍ ｍのナイロンベルト）１３、１３の両先端部を非伸縮性シート１１の両端部より 延長させて縫着固定すると共に、この緊張ベルト１３、１３の両端部に相互に係 止可能な雌雄一対のバックル型の係止具１４、１５を設け、一方の係止具１５に 緊張ベルト１３の長さ調節可能な調節手段１６を備えたものである。

【００１７】 なお、図中７は伸縮性シート１２、１２の後端部に設けられたリング状のゴム 紐、８は同じく伸縮性シート１２、１２の中央部に設けられた結合紐である。

【００１８】 この座席用シートカバーの装着に際しては、従来のシートカバーと同様に座席 ２５の前部からシートカバーを被せ、後端部を座席２５の後部から下面に通し、 リング状のゴム紐７や結合紐８を利用して固定する。

【００１９】 この状態では、伸縮性シート１２、１２の後端部に設けられたリング状のゴム 紐７や中央部に設けられた結合紐８および緊張ベルト１３、１３先端部の一対の 係止具１４、１５の結合により座席２５の下面において固定しても、座席２５の 両側部２７、２７の部分に伸縮性シート１２、１２はフィットするが、シートカ バー上面中央の非伸縮性シート１１の部分は、座席２５の両側部が上方に張り出 しているため、図４の二点鎖線にて示すように大きく浮き上がってしまう。

【００２０】 そこで、前記係止具１５に設けられている緊張ベルト１３の長さ調節手段１６ により緊張ベルト１３に張力を加えて絞ると、座席両側部の伸縮性シート１２、 １２が横方向に伸びて、シートカバー上面中央の非伸縮性シート１１の部分は、 図２、図４、図５に示すように座席中央部２６の窪んだ部分にフィットする。

【００２１】

【考案の効果】

本考案に係るシートカバーにおいては、中央部が窪んだバケット型シートに対 してもシートカバーの中央部が浮き上がることなくフィットさせて装着できる。 従って、外観としては、まるでシートの生地を張り替えたような状態となり、 実用に際しても座り心地の良好なものである。

【００２２】 従って、本考案の利用価値は非常に高く、産業利用性も大きいものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係る車両用シートカバーを装着した
状態の後方斜視図。

【図２】 本考案に係る車両用シートカバーを装着した
状態の前方斜視図。

【図３】 本考案に係る車両用シートカバーを装着した
状態の平面図。

【図４】 本考案に係る車両用シートカバーを装着した
状態の正面図。

【図５】 本考案に係る車両用シートカバーを装着した
状態の側面図。

【図６】 本考案に係る背もたれ用シートカバーの背面
図と側面図。

【図７】 本考案に係る座席用シートカバーの底面図と
側面図。

【符号の説明】

１、１１ 非伸縮性シート ２、１２ 伸縮性シート ３、１３ 緊張ベルト ４、５、１４、１５ 係止具 ６、１６ 調節手段 ７ ゴム紐 ８ 結合紐 ９ 貫通孔 １０ ヘッドレスト ２０ 背もたれ ２３ 張出部 ２５ 座席 ２８ 張出部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両用シートの背もたれの底面から前面
   を経て背面上半部に至るほぼ平行幅の非伸縮性シート１
   を中央部に配し、該非伸縮性シート１の両側部に背もた
   れの側部にフィットし得る縦横両方向に伸縮可能な伸縮
   性シート２を配し、前記非伸縮性シート１の裏面両側縁
   部に細幅の緊張ベルト３の両先端部を該非伸縮性シート
   １の両端部より延長させて固定すると共に、該緊張ベル
   ト３の両端部に係止具４、５を設け、該係止具の一方に
   緊張ベルト３の長さ調節可能な調節手段６を備えたこと
   を特徴とする車両用シートカバー。
2. 【請求項２】 車両用シートの座席の後面から上面を経
   て前面底部に至るほぼ平行幅の非伸縮性シート１１を中
   央部に配し、該非伸縮性シート１１の両側部に座席の側
   部にフィットし得る縦横両方向に伸縮可能な伸縮性シー
   ト１２を配し、前記非伸縮性シート１１の裏面両側縁部
   に細幅の緊張ベルト１３の両先端部を該非伸縮性シート
   １１の両端部より延長させて固定すると共に、該緊張ベ
   ルト１３の両端部に係止具１４、１５を設け、該係止具
   の一方に緊張ベルト１３の長さ調節可能な調節手段１６
   を備えたことを特徴とする車両用シートカバー。