JP3039563B2 - 走査電子顕微鏡及び走査電子顕微方法 - Google Patents

走査電子顕微鏡及び走査電子顕微方法

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JP3039563B2 JP2325988A JP32598890A JP3039563B2 JP 3039563 B2 JP3039563 B2 JP 3039563B2 JP 2325988 A JP2325988 A JP 2325988A JP 32598890 A JP32598890 A JP 32598890A JP 3039563 B2 JP3039563 B2 JP 3039563B2
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    • H01J37/28Electron or ion microscopes; Electron or ion diffraction tubes with scanning beams
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    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、磁性材料中の微小領域の磁気特性を評価す
る場合等に使用される走査型電子顕微鏡の改良に関し、
特に、新しい信号検出法を採用することにより検出感度
を向上させると共により微小部分の分析が可能なように
改良(新機能付加)された走査型電子顕微鏡に関するも
のである。
[従来の技術] 電子顕微鏡を使用して磁性材料中の微小領域における
磁気的特性を評価しようとする試みが種々行なわれてい
る。この際に使用される電子顕微鏡としては、ホログラ
フィー電子顕微鏡と位相差コントラスト利用の走査透過
電子顕微鏡とがある。前者のホログラフィー電子顕微鏡
については、フィジカル レビュー B25巻(1982年)
の第6799頁から6804頁において論じられている。このホ
ログラフィー電子顕微鏡は、一次電子線を試料表面およ
び試料外の空間を含む広い面積にわたって照射し、該一
次電子線のうちの試料内を通過した電子線部分と試料外
の真空空間内を通過した電子線部分とをバイプリズムを
用いて干渉させることによって干渉縞を生じさせ、試料
内通過電子線部分が試料と相互作用することによって生
じる該試料内通過電子線部分の位相変化を上記干渉縞の
位置ずれとして検出するものである。そして、この位相
変化は、とくに磁場の変化に対して感度良く現われるた
め、このホログラフィー電子顕微鏡は磁性材料中のミク
ロな磁気的特性を高感度で評価できると云う特徴を持っ
ている。
一方、後者の位相差コントラスト利用走査透過電子顕
微鏡については、ジャーナル オブ アプライドフィジ
ィックス 第64巻(1988年)の第6011頁から第6013頁に
おいて論じられている。この電子顕微鏡は、一次電子線
を試料表面上に収束照射し、偏向系を用いて試料表面上
を走査することによって走査透過電子顕微像を得、この
像を観察して評価すべき試料表面上の点を選ぶ。次に、
その点に一次電子線を照射すると、試料内の磁場による
ローレンツ力によって一次電子線が偏向されるので、こ
の偏向角度を計測することによって試料中の微小領域の
磁気特性を評価できる。さらに、一次電子線を試料上に
収束して照射しているので、試料上の一次電子線照射点
から得られる電子回折図形や蛍光X線を検出することに
より、試料中の微小領域の結晶性や組成評価をも同時に
行なうことができるという特徴を持っている。
[発明が解決しようとする課題] 上述したように、電子顕微鏡は磁性材料中の微小領域
の磁気特性を評価する上で有力な装置である。しかしな
がら、上記した従来装置には、なお次のような問題点が
残されている。すなわち、上記したホログラフィー電子
顕微鏡では、一次電子線を収束せずに試料表面上の広い
面積にわたって照射しているため、試料の微小領域につ
いての結晶性や組成を同時に評価することはできないと
いう問題点がある。また、上記した位相差コントラスト
利用の走査透過電子顕微鏡では、試料内の磁場からのロ
ーレンツ力による一次電子線の偏向角度が10-4〜10-5
ジアンと極めて小さいため、高感度・高精度の磁場測定
を行なうことが困難であるという問題点がある。
本発明は、従来技術における上記したような問題点を
解消すべくなされたもので、その目的とするところは、
試料中の微小領域について磁気的特性を高感度・高精度
で測定・評価することができるように改良された走査干
渉電子顕微鏡を提供することである。本発明の他の目的
は、試料中の微小領域の結晶性や組成についての分析・
評価、すなわちマイクロアナリンスを同時に行なうこと
ができるように改良された走査型電子顕微鏡を提供する
ことである。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するために、本発明においては、次
のような構成が採用されている。
すなわち、真空中で電子源から取り出した一次電子線
を収束レンズにより試料上に収束照射しかつ偏向系によ
り試料上で走査せしめ、試料からの反射電子,二次電
子,あるいは試料を透過した電子線を検出し、該検出信
号を用いて試料の顕微像を表示させるようにした走査電
子顕微鏡において、上記電子線と上記偏向系との間に一
次電子線を二つに分離するバイプリズムを設け、かつ上
記偏向系と試料との間に上記の収束レンズを設けること
により、上記バイプリズムにより分離された二つの電子
線のうちの一方の電子線を試料上に収束照射させると共
に試料上で走査させ、他方の電子線を試料上に照射せし
めることなく真空空間中を通過させ、試料と相互作用し
た後の上記一方の電子線と試料と相互作用しなかった上
記他方の電子線とを干渉させて干渉縞を形成させ、上記
一方の電子線と試料との相互作用によって生じる該一方
の電子線の位相変化に伴なう上記干渉縞における干渉強
度変化を検出し、該検出信号を試料の顕微像表示用信号
として用いるように構成することができる。ここで、上
記のバイプリズムとしては、従来使用されている例えば
中央に張られた極細線とその両側に対向配置された一対
の金属板とからなる構成のものをそのまま用いることが
でき、上記の極細線には正あるいは負の電圧を印加し、
上記一対の金属板は接地して使用することができる。
また、一次電子線を試料上に収束させるための収束レ
ンズを複数の磁気レンズからなる磁気レンズ群によって
構成し、これら複数の磁気レンズの励磁コイルに流すコ
イル電流の電流値および/あるいはその電流極性を変化
させる手段を設けることができる。
また、一次電子線を試料上で先ずX方向にライン状に
走査し、該X方向ライン走査が終了した後に、該X方向
と直角なY方向にステップ状に走査するという動作を繰
り返すことにより走査電子顕微像を得る方式において、
上記一次電子線のX方向およびY方向の走査と同期して
前記のバイプリズムに印加する電圧をオン・オフさせる
よう構成することができる。
さらに、試料の近傍に該試料表面から放射される蛍光
X線を検出するためのX線検出器を備えることができ
る。
さらにまた、試料を通過した電子線によって形成され
る回折図形の回折光強度を検出するための検出器を備え
ることができる。
[作用] ここでは、一次電子線を磁性体試料に照射し、該試料
を透過した電子線の位相変化を検出して該試料の磁気的
特性を測定評価する場合を例にとり、第1図を参照して
説明する。
高真空容器(図示省略)中において、電子源1より放
出された一次電子線2は、バイプリズム3により、左右
二本の電子線2a,2bに分割された上でそれぞれの進路を
互いに反対方向内側に折り曲げられ、偏向位置Aにおい
て互いに重ね合わさって干渉し、干渉縞4aを形成する。
その後、両電子線2a,2bは再び左右(前とは逆サイド)
に分離した上で収束レンズ6によって収束され、一方の
電子線2aは試料8上に照射せしめられ、他方の電子線2b
は試料8を外れた真空空間を通って下方に進行する。こ
の時、両電子線2a,2bは、偏向位置Aにおいて、偏向系
5により偏向走査され、一方の電子線2aは試料8の表面
上で走査せしめられる。次いで、試料8中を透過した一
方の電子線2aと試料8に入射せずにそのまま下方に進ん
だ他方の電子線2bとは、対物レンズ9によって収束さ
れ、B位置において再び重ね合わせられて干渉し、干渉
縞4bを形成する。そして、この干渉縞4bが中間レンズ10
及び投射レンズ11によって拡大され、蛍光板12上に干渉
縞4dが形成される。なお、中間レンズ10と投射レンズ11
との間のC位置においても両電子線2a,2bが重なり合っ
て干渉し、干渉縞4cが形成される。
いま、試料8のどの微小領域においてもそこに入射す
る電子線2aの位相を全く変化させないとした場合、電子
線2aを試料8上で走査させても、試料内を透過した電子
線2aと試料外を通過した電子線2bとの間に位相差が生じ
ることはないので、蛍光板12上に形成される干渉縞4dは
常にA位置における干渉縞4aをそのまま拡大・投影した
だけのものとなる。しかし、試料8上のある微小領域に
おいてそこに入射する電子線2aの位相を変化させる場合
には、該微小領域内を透過した電子線2aと試料外を通過
した電子線2bとの間には上記の位相変化に対応した位相
差が生じるため、該微小領域に電子線2aが照射されてい
る時には、B位置,C位置及び蛍光板12上での干渉縞4b,4
c及び4dの各縞の位置が横方向にずれてくる。
例えば、試料8が磁性体の場合には、試料位置におけ
る二つに分離された電子線2a,2b間の分離距離d内に存
在する磁気誘導Bによって、両電子線間にはφ=2π
(et/h)・d・Bだけの位相差が生じる。ここで、eは
電子の電荷,hはプランクの定数,tは試料8の厚さであ
る。一例として、B=1Wb/m2,d=10-7m,t=2×10-8mと
すれば、位相差φは2π×0.5となる。干渉縞の一周期
(縞のピッチ)は位相差2πに対応するので、この場合
蛍光板12上での干渉縞4Dの各縞の位置はそれぞれ半周期
ずつ横にずれることになる。したがって、試料8の各微
小領域についてこの干渉縞の横ずれを測定することによ
って、試料8の任意の微小領域における磁気特性を評価
することができる。
さらに、蛍光板12上の干渉縞4dを検出する検出器から
の検出信号の任意の部分をマスクするマスク手段を設
け、干渉縞4dの強度が強い部分のみの検出信号を走査電
子顕微像を表示させるための輝度変調用信号として用い
るようにすれば、上記の位相差を生じるような試料上の
微小領域に電子線2aが入射している時には、干渉縞4dの
各縞の位置が横ずれしてその検出信号がマスクされるた
め、試料の走査電子顕微像上ではこの微小領域は暗く表
示されることになる。これにより、試料中の磁気的特性
の二次元分布像を得ることができる。
第1図における収束レンズ6を磁気レンズ群で構成し
た場合、そのレンズ磁場により一次電子線2a,2bはレン
ズ中心軸の周りに回転する。この回転角θは、 で表わすことができる。ここで、Iはレンズコイル電流
値,Nはレンズコイル巻数,Vは一次電子線2の加速電圧で
ある。通常 の値は5程度なので、一つの磁気レンズを通した場合の
回転角θは+53゜程度となる。いま、電子線2aの試料8
上への収束条件を一定に保つために、レンズコイル電流
を流す方向のみを反転させた場合、電子線の回転方向も
反転し、その回転角θは−53゜となる。したがって、一
つの磁気レンズのコイル電流方向を反転させることによ
り、二つに分離された一次電子線2a,2bを試料面上で106
゜回転させることができる。収束レンズ6を複数の磁気
レンズで構成した場合、一次電子線2aの試料8上への収
束条件を一定にしたままで、これら複数の磁気レンズの
コイル電流値と電流方向を変えることができる。これに
より、二つに分離された一次電子線2a,2bを試料面上で
広い角度範囲にわたって任意の角度に回転させることが
でき、試料8の種々の方向に沿っての一次電子線2aの位
相変化を捕えることができる。
また、試料8が大きいとき、二つに分離された一次電
子線2a,2bが両方共試料8上に照射される場合がある。
このとき、試料表面から放出された二次電子13の検出信
号や上記した干渉縞4dの強度信号を輝度変調信号とした
走査電子顕微像は二重像となり、きわめて見にくいもの
となってしまう。このような場合には、バイプリズム3
に印加する電圧を零にして一次電子線2を分離させない
で試料に照射するようにすることにより、通常得られる
ような鮮明な走査電子顕微像が得られるようになる。す
なわち、試料面上での一次電子線2aの走査とバイプリズ
ム3に印加する電圧のオン・オフ操作とを同期させるこ
とにより、走査干渉電子顕微像と従来の走査電子顕微像
とを同時に得ることができる。
また、一次電子線2aを試料8上に収束照射したときに
試料8から得られる蛍光X線7のスペクトルを検出する
ことにより、試料8の微小領域の組成評価を行なうこと
ができる。
さらに、試料8上に一次電子線2aを照射したときに蛍
光板12上に得られる電子回折図形を検出することによ
り、試料8の微小領域の結晶性を評価することができ
る。
[実施例] 以下、本発明の実施例につき、第2図から第4図を参
照して詳細に説明する。
第2図において、電子源1より放出された一次電子線
2は、バイプリズム3により左右二本の電子線2a,2bに
分離され、この分離された二本の電子線2a,2bが干渉せ
しめられて干渉縞4aを形成した後に、収束レンズ6によ
りそれぞれ収束され、一方の電子線2aは試料8上に照射
せしめられ、他方の電子線2bは試料外の真空空間中をそ
のまま通過せしめられる。試料8を透過した電子線2aと
試料外を通過した電子線2bは、対物レンズ9により収束
されて再び干渉せしめられて干渉縞4bを形成する。この
干渉縞4bが中間レンズ10と投射レンズ11により拡大投射
されて、蛍光板12上に干渉縞拡大像4dが形成される。
この際、走査電源24によって偏向系5を動作させて、
電子線2aを試料8上で走査する。このとき、蛍光板12上
の干渉縞4dの光強度分布をのぞき窓14,光学レンズ15を
通して、光検出器17によって検出する。この光検出器17
の前面には、第3図に示すような平行ストライプ状のス
リット開口SAを有するアパーチャマスク16が設置されて
いる。したがって、アパーチャマスク16上に投射された
干渉縞光学像4eのうち上記のスリット開口SAを通して光
検出器17の受光面に到達した像部分のみが、光検出器17
によって検出されることとなる。この光検出器17の光検
出信号を計算機18を通してディスプレー19に送ることに
よって、干渉縞光学像4eの光強度の検出信号を輝度変調
信号とした試料の走査電子顕微像を表示させることがで
きる。
いま、試料8のどの領域でも電子線2aの位相が変化さ
れない場合に、電子線2aの試料上での走査に拘らず、第
3図(a)に示すように、干渉縞光学像4e中の光強度の
大きい縞状部分PQが常にアパーチャマスク16のスリット
開口SAの中央部に位置するように、スリット開口SAの幅
wおよびピッチpを設定しておけば、実際に試料8のあ
る微小領域で電子線2aの位相が変化せしめられた場合に
は、第3図(b)に示すように、その時の干渉縞光学像
4eの明るい縞状部分PQの位置に横ずれが生じ、この縞状
部分PQがスリット開口SAから外れてマスクされてしまう
ため、この縞状部分PQからの光が光検出器17によって検
出されず、したがって、ディスプレー19上に表示される
試料の走査電子顕微像中では上記した電子線2aの位相変
化をもたらす微小領域は暗く表示される。なお、一次電
子線2aの位相が丁度2π変化した場合には、干渉縞光学
像4eの縞位置は丁度1ピッチずれるため、明るい縞状部
分PQが再びスリット開口SAの中央部に投射されるように
なり、光検出器17の検出信号が増大するので、この2π
の位相変化をもたらす微小領域は明るく表示される。こ
のようなメカニズムにより、一次電子線2aの走査に伴う
試料上の各微小領域における一次電子線2aの位相変化の
様子を二次元分布像として表示させることができ、それ
より試料8中の磁気特性についての二次元分布を知るこ
とができる。
試料8中の微小領域の磁気特性を詳しく調べるために
は、試料8上の種々の方向における一次電子線2aの位相
変化の様子を捕える必要がある。そのためには、収束レ
ンズ用電源22を可変電源として収束レンズ6に流すレン
ズ電流値を調整すると共にスイッチ21によりレンズ電流
の方向を切り換えることによって、一次電子線2a,2bを
試料8の面上で種々の角度方向に回転させてやればよ
い。
また、試料8が大きくて、一次電子線2a,2bの両方が
試料8上に収束照射されてしまう場合がある。この場合
には、試料表面から放出される二次電子13の検出信号や
上記した干渉縞4dの光強度の検出信号を輝度変調信号と
した走査電子顕微像は二重像となり、きわめて見にくい
ものとなってしまうと云う問題が起こるが、この問題は
次に述べるようにして解決することができる。
すなわち、第4図に示すように、試料8に照射する一
次電子線2aを試料面上で先ずX方向にライン状に走査
(同図(c))し、このX方向の走査を終了後に、こん
どはそれと直角なY方向にステップ状に走査(同図
(d))することにより、試料の走査電子顕微像を得る
方式において、上記したY方向のステップ走査を1回行
なってから次のY方向ステップ走査を行なうまでの間
に、上記したX方向のライン走査を2回行なわせる(同
図(c))。このとき、バイプリズム用電源23を計算機
18により制御することによって、上記した2回のX方向
ライン走査のうち何れか一方(図では1回目)のX方向
ライン走査時(モードA)にはバイプリズム3に所定の
正電圧を印加し、他方(2回目)のX方向ライン走査時
(モードB)にはバイプリズム3への印加電圧を零にす
る(同図(b))。そして、上記した1回目のX方向ラ
イン走査時(モードA)における光検出器17の検出信号
を切換スイッチ27を介してディスプレー19内の表示用ブ
ラウン管(A)25の輝度変調信号入力端子に入力し、上
記した2回目のX方向ライン走査時(モードB)におけ
る光検出器17の検出信号を切換スイッチ27を介して表示
用ブラウン管(B)26の輝度変調信号入力端子に入力す
る(同図(a))。これにより、ブラウン管(A)25の
映像面上には試料8中における一次電子線2aの位相変化
に関する情報を含む走査干渉電子顕微像が得られ、ブラ
ウン管(B)26の映像面上には一次電子線2が二本に分
割されることなく単一の収束電子線として試料8に照射
されたときに得られる通常の走査電子顕微像が得られ
る。しかも、上記したモードAにおける走査干渉電子顕
微像とモードBにおける走査電子顕微像とは短い周期τ
をもって時分割表示されるので、実際には両像を同時に
並べて観察することができる。
また、試料8から放出される二次電子または反射電子
13を検出して該検出信号を輝度変調信号とした走査電子
顕微像を表示させることにより、試料8の表面形状を知
ることができる。
さらに、一次電子線2を二本に分割することなく単一
の収束電子線として試料8上に照射した時に試料8を透
過した電子線が蛍光板12上に形成する透過回折図形を観
察することにより、上記照射点における試料の結晶性を
知ることができる。
さらに、上記回折図形の任意の部分の光強度を検出し
その検出信号を輝度変調信号とした走査透過電子顕微像
を表示させることにより、試料8中の結晶粒の分布を知
ることができる。
さらにまた、試料8上の一次電子線照射点から放射さ
れる蛍光X線7をX線検出器20で検出し、試料中のある
特定の元素から放出される蛍光X線の強度を検出しその
検出信号を輝度変調信号とする走査電子顕微像を表示さ
せることによって、試料8中の組成元素分布を知ること
ができる。
なお、上記実施例では、一次電子線が試料を透過する
透過型の場合で、試料が磁性体の場合を例にとって説明
してきたが、本発明は、一次電子線が試料表面から反射
される反射型の場合や、試料が非磁性体である場合であ
っても、試料が一次電子線の位相を変化させる性質を有
するものである限り有効に適用できるものである。
[発明の効果] 以上説明したところから明らかなように、本発明によ
る走査型電子顕微鏡においては、試料中における収束電
子線の位相変化から生じる干渉縞のずれを検出信号とし
て走査干渉電子顕微像を表示させているため、試料中の
微小領域の磁気特性を高感度で検出し精度の高い評価を
行なうことができ、かつまた、収束電子線照射の特徴を
生かして、試料微小領域の結晶性や組成についての評価
をも同時に行うことができるという極めてすぐれた利点
が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による走査型電子顕微鏡の原理説明
図,第2図は、本発明の一実施例になる走査干渉電子顕
微鏡の概略構成図,第3図は、本発明におけるアパーチ
ャマスクを使用した干渉縞像からの光強度信号の取り込
み方法を示す模式図,第4図は、本発明の一実施例にお
ける一次電子線の走査とバイプリズムへの電圧印加のタ
イミングを示す模式図,である。 1……電子源,2……一次電子線,3……バイプリズム,4a
〜4e……干渉縞,5……偏向系,6……収束レンズ,7……蛍
光X線,8……試料,9……対物レンズ,10……中間レンズ,
11……投射レンズ,12……蛍光板,13……二次電子,14…
…のぞき窓,15……光学レンズ,16……アパーチャマス
ク,17……光検出器,18……計算機,19……ディスプレー,
20……X線検出器,21……電流切換スイッチ,22……収束
レンズ用電源,23……バイプリズム用電源,24……走査電
源,25……表示用ブラウン管(A),26……表示用ブラウ
ン管(B),27……信号切換スイッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 俊雄 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−170950(JP,A) 特開 昭59−210472(JP,A) 特開 平2−186547(JP,A) 特開 平1−264151(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 37/28

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子線源と、上記電子線源からの電子線を
    第1と第2の電子線に分離して分離した上記第1と第2
    の電子線を互いに反対方向内側に折り曲げて一平面上で
    重ね合わせるよう機能するバイプリズムと、上記第1と
    第2の電子線を上記平面上を偏向位置として偏向走査す
    るための偏向手段と、この偏向走査した上記第1と第2
    の電子線を収束し、収束した上記第1の電子線を試料に
    照射し、収束した上記第2の電子線を上記試料には照射
    せずにそのまま真空空間中を通過させるよう機能する収
    束レンズ手段と,上記試料中を透過した上記第1の電子
    線と上記の真空空間中を通過した上記第2の電子線とを
    重ね合わせて干渉縞を形成させる手段とを備えてなる走
    査電子顕微鏡であって、上記の収束レンズ手段を通過し
    た上記第1と第2の電子線を分離方向を回転させるため
    の分離方向回転手段をさらに付加してなることを特徴と
    する走査電子顕微鏡。
  2. 【請求項2】上記の収束レンズ手段が磁気レンズ群によ
    り構成されており、上記の分離方向回転手段は、上記の
    磁気レンズ群のレンズ電流値またはレンズ電流極性を変
    化させる手段であることを特徴とする請求項1記載の走
    査電子顕微鏡。
  3. 【請求項3】上記の偏向手段による上記第1と第2の電
    子線の偏向位置となる上記平面の位置は、上記のバイプ
    リズムにより重ね合わされた上記第1と第2の電子線が
    干渉縞を形成する位置であることを特徴とする請求項1
    または2記載の走査電子顕微鏡。
  4. 【請求項4】上記のバイプリズムに印加する電圧をオン
    ・オフ制御するための印加電圧制御手段をさらに付加し
    てなることを特徴とする請求項1から3までのいずれか
    に記載の走査電子顕微鏡。
  5. 【請求項5】請求項1から4までの何れかに記載の走査
    電子顕微鏡を用いて試料を観察するための走査電子顕微
    鏡方法であって、前記バイプリズムに電圧を印加した状
    態で上記偏向手段により上記第1と第2の電子線を偏向
    走査して上記試料中を透過した上記第1の電子線と上記
    真空空間中を通過した上記第2の電子線とを重ね合わせ
    て得られる干渉縞を用いて走査干渉像を形成する工程
    と、前記バイプリズムに電圧を印加しない状態で上記偏
    向手段により上記電子線源からの電子線を偏向走査した
    上記試料中を透過した電子線を用いて走査顕微像を形成
    する工程とを含んでなることを特徴とする走査電子顕微
    方法。
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