JP2001229868A - ホログラフィ電子顕微鏡 - Google Patents

ホログラフィ電子顕微鏡

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JP2001229868A
JP2001229868A JP2000042570A JP2000042570A JP2001229868A JP 2001229868 A JP2001229868 A JP 2001229868A JP 2000042570 A JP2000042570 A JP 2000042570A JP 2000042570 A JP2000042570 A JP 2000042570A JP 2001229868 A JP2001229868 A JP 2001229868A
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electron
biprism
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Toshikatsu Kanayama
俊克 金山
Kozo Nunome
浩三 布目
Masaki Takeguchi
雅樹 竹口
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Jeol Ltd
Original Assignee
Jeol Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/26Electron or ion microscopes; Electron or ion diffraction tubes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/15Means for deflecting or directing discharge
    • H01J2237/151Electrostatic means
    • H01J2237/1514Prisms
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/26Electron or ion microscopes
    • H01J2237/2614Holography or phase contrast, phase related imaging in general, e.g. phase plates

Abstract

(57)【要約】 【課題】ホログラフィ電子顕微鏡において、倍率の制限
を無くし、容易に電子線ホログラフィを行うことができ
るようにする。 【解決手段】電子線バイプリズム7は中間レンズ8と投
影レンズ9の間に配置されている。中間レンズ8は3段
以上のレンズで構成され、投影レンズ9は2段以上のレ
ンズで構成される。対物レンズ5及び中間レンズ8は、
中間レンズ8と電子線バイプリズム7の間の定められた
位置にクロスオーバーを形成し、同時に、電子線バイプ
リズム7と結像レンズ9の間の定められた位置に拡大像
を結像する。中間レンズ8は3段以上のレンズ構成であ
るので、定められた位置にクロスオーバーを形成すると
共に、定められた位置に拡大像を結像し、更に対物レン
ズ5と中間レンズ8の動作条件が相俟って、所望の任意
の倍率を達成することが可能である。従って、倍率の空
白領域は生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透過型電子顕微鏡
(以下、TEMと称す)に電子線バイプリズムを装着し
たホログラフィ電子顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】ホログラフィ電子顕微鏡は、TEMの電
子光学系の途中に電子線バイプリズムを挿入したもので
あり、図7に示すような構成を有している。図7におい
て、1は電子銃、2は照射レンズ、3は試料、4は試料
ホルダ、5は対物レンズ、6は補助対物レンズ、7は電
子線バイプリズム、8は中間レンズ、9は投影レンズ、
10は観察/記録装置を示す。観察/記録装置10は、
蛍光スクリーンや、写真撮影を行うための装置、あるい
はTVカメラで構成されている。
【0003】次に、電子線バイプリズム7の構成及び動
作について説明する。電子線バイプリズム7は、図8に
示すように、フィラメント11と、フィラメント11を
挟むように配置された2つの電極12、13を備えてい
る。なお、図8においてCはクロスオーバー位置、即ち
対物レンズ5の後焦点面の位置を示し、IPは対物レン
ズ5の像面(イメージプレーン)を示している。
【0004】フィラメント11は、通常、直径が1μm
程度の白金の細線で構成され、動作時には正の数百Vの
電圧が印加される。電極12、13は接地されている。
なお、電極12、13は設けられない場合もあるが、こ
こでは電極12、13を備えているものとする。
【0005】さて、フィラメント11に所定の電圧を印
加して電子線バイプリズム7を動作させると、試料3を
透過した電子線束はフィラメント11によって2つに分
断され、その後、この分断された2つの電子線束が図に
示すようにオーバーラップする。そして、オーバーラッ
プすることによって2つの電子線束は互いに干渉して、
オーバーラップした領域には干渉縞が形成される。図8
ではオーバーラップした領域(以下、干渉領域と称す)
の幅をDで表している。なお、図8では補助対物レンズ
6は省略している。
【0006】この場合、試料3に加工を施し、フィラメ
ント11により分断された電子線束の一方は試料の存在
しない部分、即ち真空の部分をそのまま通過し、もう一
方の電子線束は試料の部分を透過するようにしておく。
このようにすれば、2つに分断された電子線束の干渉領
域に形成される干渉縞には、試料の部分を透過した電子
が、試料を透過する間に受けた位相シフトの情報が含ま
れることになる。
【0007】試料を透過した電子線束は興味ある物体の
情報を含むという意味で物体波と称し、真空部分を通過
した電子線束は何の影響を受けておらず、基準になり得
るという意味で参照波と称している。そして、このよう
な干渉領域に形成される干渉縞を電子線ホログラムと称
し、電子線ホログラムから物体波の位相を解析して試料
の情報を分析する手法を電子線ホログラフィと称してい
る。
【0008】電子線バイプリズム7によって形成された
電子線ホログラムは、その後方の中間レンズ8、投影レ
ンズ9によって拡大されて観察/記録装置10に結像さ
れる。なお、対物レンズ5の像面、即ち中間レンズ8の
物面は電子線バイプリズム7の位置と一致しないように
なされている。具体的には、対物レンズ5の像面は電子
線バイプリズム7の下方の所定の位置に定められるのが
通常である。
【0009】次に、電子線ホログラムの干渉縞の間隔
と、干渉領域の幅Dについて説明すると次のようであ
る。干渉縞の間隔は電子線バイプリズム7のフィラメン
ト11に与える印加電圧、及び対物レンズ5の像面IP
の位置に依存する。いま、対物レンズ5の後方焦点面、
即ち図8のクロスオーバー位置Cからフィラメント11
までの距離をa、フィラメント11から像面IPまでの
距離をb、電子の波長をλ、フィラメント11に印加す
る電圧をVf 、電子線バイプリズム7のフィラメント1
1の半径をr、電子線バイプリズム7の偏向感度をψと
すると、対物レンズ5の像面IPにおける干渉縞間隔l
は次の(1) 式で表され、電子線バイプリズム7のフィラ
メント11自身の太さを差し引いた干渉領域の幅Dは次
の(2) 式で表される。
【0010】
【数1】
【0011】また、電子線ホログラフィでは、電子線ホ
ログラムの干渉縞間隔l、及び干渉領域の幅Dを試料面
上に換算した値というのが重要であるが、その試料面上
に換算した干渉縞間隔ls は次の(3) 式で表され、試料
面上に換算した干渉領域幅D s は次の(4) 式で表され
る。
【0012】
【数2】
【0013】ここで、(3) 式及び(4) 式に用いた、対物
レンズ5の像面IPにおける倍率Mについて考えると、
対物レンズ5は通常は強く励磁されており、その焦点距
離fは(a+b)に比較して十分に小さいとすることが
できるから、次の(5) 式で表すことができる。
【0014】
【数3】
【0015】従って、(5) 式を(3) 式及び(4) 式に代入
すれば、対物レンズ5が強く励磁され、その焦点距離f
が(a+b)に比較して十分に小さいとすることができ
る場合には、試料面上に換算した干渉縞間隔ls 、干渉
領域幅Ds はそれぞれ(6) 式、(7) 式で表される。
【0016】
【数4】
【0017】次に計算の例を示す。例えば、いま電子線
の加速電圧が 200kVであると仮定し、a= 150mmと
仮定する。また、bは通常10mm程度である。これらの
値は実用的な値である。この場合、ψは1×10-6 rad/
V程度である。そして、Vf= 200V、f= 2mm、r
= 0.3μmとすると、l=0.084 nm、D=42nmとな
る。
【0018】ところで、観察/記録装置10にセットす
る記録装置の分解能を20μmとすると、電子線ホログラ
ムを記録するためには、像の最終倍率としては25万倍以
上必要となり、像の最終倍率が25万倍のとき記録される
電子線ホログラムの干渉領域幅は10mmとなるに過ぎな
い。干渉領域幅を大きくして視野を確保するにはフィラ
メント11の印加電圧Vf を高くすればよいが、フィラ
メント11の印加電圧Vf を高くすると、(1) 式からも
容易に分かるように、逆に、対物レンズ5の像面IPに
おける干渉縞間隔lは小さくなってしまう。従って、観
察/記録装置10の位置において有効な視野を大きくし
ようとすると、倍率は高くする方に偏ってしまう。
【0019】これを解決するためには、対物レンズ5を
弱励磁として像面IPの位置を対物レンズ5の側に近づ
け、中間レンズ8の第1段のレンズをオフにする、即ち
第1段の中間レンズに励磁電流を供給しないという方法
が採られる。このようにすると、bを数十mmと大きく
することができ、フィラメント11の印加電圧Vf が同
じで、lが同じであっても、電子線ホログラムの干渉領
域幅Dを大きくする事ができる。
【0020】このように、ホログラフィ電子顕微鏡で
は、通常のTEMの使用条件とは異なる、変則的な使用
条件を採っているのである。
【0021】なお、以上のように、TEMの通常の使用
条件から外して、より広い干渉領域幅を確保する結像モ
ードを中倍モードと称す。これに対して、対物レンズ5
を強励磁として、短焦点距離で使用する結像モードを高
倍モードと称す。また、対物レンズ5を非常に弱励磁で
使用したり、あるいは補助対物レンズ6を使用するなど
すれば数千倍程度の低倍が可能であり、この結像モード
を低倍モードと称す。しかし、低倍モードでは対物レン
ズ5による高解像度の結像を犠牲にしてしまうので、数
千倍程度の倍率は実際には実用に供するものではない。
【0022】このように、低倍モード、中倍モード、高
倍モードの3つの結像モードがあるのであるが、これら
各結像モードの倍率、干渉縞間隔、干渉領域幅を次の表
に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明が解決しようとする課題】図7に示すように、従
来のホログラフィ電子顕微鏡では、電子線バイプリズム
7は対物レンズ5と中間レンズ8の間に配置されてい
る。これは、電子線バイプリズム7はいわゆるTEMの
オプションあるいはアクセサリーとして用意されている
もので、TEMの中の電子線バイプリズムが配置可能な
空間がある箇所に電子線バイプリズムがセット可能な場
所が用意されており、その電子線バイプリズムが配置可
能な空間を有する箇所が対物レンズ5と中間レンズ8の
間であるからである。
【0025】ところで、上述したように、従来のホログ
ラフィ電子顕微鏡では、低倍モード、中倍モード、高倍
モードの3つの結像モードがあるのであるが、上記の表
からも分かるように、低倍モードと中倍モードとの間に
は倍率の空白領域がある。なお、中倍モードと高倍モー
ドの間には倍率の空白領域はなく、倍率は連続的に変え
ることが可能である。
【0026】従って、従来のホログラフィ電子顕微鏡で
は、低倍モードと中倍モードの間の倍率である1万倍前
後〜数万倍前後の倍率、干渉領域幅でいうと数百nm程
度のモードは達成不可能となっている。
【0027】また、実現可能な倍率であっても、観察対
象物の大きさによって倍率のモード選択を行わなければ
ならず、観察/記録装置10の分解能をも考慮して倍率
設定を慎重に行わなければならないものであった。
【0028】このように従来のホログラフィ電子顕微鏡
では、倍率の制限や、使用する上での注意点が多く、T
EMにおける電子線ホログラフィは誰でもが容易に利用
できる研究手法ではなかったのである。
【0029】本発明は、上記の課題を解決するものであ
って、倍率の制限がなく、容易に電子線ホログラフィを
行うことができるホログラフィ電子顕微鏡を提供するこ
とを目的とするものである。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係るホログラフィ電子顕微鏡は、中間レ
ンズと投影レンズとの間に電子線バイプリズムが配置さ
れ、中間レンズ等の電子線バイプリズムより電子銃側に
配置されているレンズによって倍率が任意に設定可能と
なされていることを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ発明の実
施の形態について説明する。図1は本発明に係るホログ
ラフィ電子顕微鏡の一実施形態を示す図であり、図中、
21はレンズ電源、22は倍率設定装置、23は電子線
バイプリズム用電源を示す。なお、図7に示すものと同
等なものについては同一の符号を付している。
【0032】倍率設定装置22は倍率を設定するもので
あり、レンズ電源21は、倍率設定装置22で設定され
た倍率を実現するための各レンズの励磁電流を決定し
て、その決定した励磁電流を各レンズに供給するもので
ある。電子線バイプリズム用電源23は、電子線バイプ
リズム7のフィラメントに印加する電圧を発生するもの
である。
【0033】図1に示すホログラフィ電子顕微鏡では、
電子線バイプリズム7は中間レンズ8と投影レンズ9の
間に配置されている。また、中間レンズ8は3段以上の
レンズで構成されており、投影レンズ9は2段以上のレ
ンズで構成されている。
【0034】動作は次のようである。試料ホルダ4にセ
ットされた試料3に対し、対物レンズ5及び中間レンズ
8は、それらのレンズ作用によって、ある定まった位置
にクロスオーバー(以下、これを中間レンズクロスオー
バー位置と称す)を形成し、それと同時に、ある定まっ
た像面位置(以下、これを中間レンズ像面位置と称す)
に拡大像を結像する。その中間レンズクロスオーバー位
置は、中間レンズ8と電子線バイプリズム7の間の定め
られた位置であり、中間レンズ像面位置は、電子線バイ
プリズム7と結像レンズ9の間の定められた位置であ
る。ここで、中間レンズクロスオーバー位置と、中間レ
ンズ像面位置は倍率によらず常に一定の位置となされて
いる。そして、投影レンズ9は、当該像面位置に結像さ
れた拡大像を拡大して、観察/記録装置10の受光面に
像を結像する。なお、投影レンズ9の倍率は固定であっ
てもよく、可変可能であってもよいが、固定倍率とする
と使い勝手がよい。
【0035】図1の構成によれば、電子線バイプリズム
7を中間レンズ8と投影レンズ9の間に配置し、中間レ
ンズ8は3段以上のレンズ構成であるので、定められた
中間レンズクロスオーバー位置にクロスオーバーを形成
すると共に、定められた中間レンズ像面位置に拡大像を
結像し、更に対物レンズ5と中間レンズ8の動作条件が
相俟って、所望の任意の倍率を達成することが可能であ
る。従って、従来のように、倍率の空白領域は生じない
ものである。
【0036】図2に低倍時の光線図を示し、図3に中倍
時の光線図を示し、図4に高倍時の光線図を示す。な
お、以下に示す図においては補助対物レンズ6は省略す
る。図2、図3、図4において、Cは中間レンズクロス
オーバー位置を示し、IPは中間レンズ像面位置を示
し、Fは観察/記録装置10の受光面に結像される最終
像を示している。
【0037】次に、干渉縞間隔と、干渉領域幅について
説明する。ここでは、中間レンズクロスオーバー位置か
ら電子線バイプリズム7のフィラメントまでの距離を
a、当該フィラメントから中間レンズ像面位置までの距
離をb、試料3に対する中間レンズ像面位置における倍
率をM1 、投影レンズ9の倍率をM2 とする。なお、M
1 は対物レンズ5と中間レンズ8による合成の倍率であ
ることは明らかである。
【0038】上記の(1) 式及び(2) 式はそのまま適用で
きるから、中間レンズ像面位置における干渉縞間隔l、
干渉領域幅Dは、それぞれ、(1) 式、(2) 式で表され
る。また、最終的に観察/記録装置10で記録される電
子線ホログラムの干渉縞間隔lfinal 、干渉領域幅D
finalは、それぞれ、 lfinal =M2 ×l …(8) Dfinal =M2 ×D …(9) であり、中間レンズ像面位置での倍率に依存せず、投影
レンズ9の倍率に依存する。
【0039】いま、a、b、Vf 、M2 を適当に選択し
て、干渉縞間隔lfinal 、及び干渉領域幅Dfinal を観
察/記録装置10のサイズL、及び分解能dに適合する
ように、対物レンズ5、中間レンズ8の倍率を可変して
全体の倍率M=M1 ×M2 を設定したときに、常に最良
の条件、即ち観察/記録装置10に適合した分解能及び
有効視野で画像記録することが可能となる。しかも、上
述したように、実現不可能な倍率領域が存在せず、低い
倍率から高い倍率まで、連続的に電子線ホログラムを得
ることが可能となる。
【0040】例えば、a=20mm、b= 140mm、ψ=
1×10-6 rad/V、Vf = 200V、r= 0.3μmとした
とき、中間レンズ像面位置における干渉縞間隔l=50n
m、干渉領域幅D=51.2μmであり、M2 = 500のとき
観察/記録装置10の受光面での干渉縞間隔はlfinal
=25.1μm、干渉領域幅はDfinal =25.6mmである。
上述したところから明らかなように、これらのl
final 、Dfinal の値は全体の倍率Mに依存しない。
【0041】これに対して、試料面上に換算した干渉縞
間隔ls 、干渉領域幅Ds は全体の倍率Mに依存し、 ls =lfinal/M …(10) Ds =Dfinal/M …(11) である。上記の(6) 式、(7) 式によれば、従来では対物
レンズ5が強く励磁され、その焦点距離fが(a+b)
に比較して十分に小さいとすることができる場合には、
試料面上に換算した干渉縞間隔ls 、干渉領域幅Ds
一定値に固定されてしまうが、このホログラフィ電子顕
微鏡によれば、(10)式、(11)式から明らかなように、試
料面上に換算した干渉縞間隔ls 、干渉領域幅Ds は全
体の倍率Mを変えることによって変更することが可能で
ある。
【0042】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく
種々の変形が可能である。その変形例を以下に示す。図
5は、結像型のエネルギーフィルタに適用した場合の構
成例を示しており、図中、30はスペクトロメータを示
している。この場合には、図5に示すように、中間レン
ズクロスオーバー位置Cはスペクトロメータ30の入射
クロスオーバー位置に、中間レンズ像面位置IPはスペ
クトロメータ30の入射像面に一致するようになされて
おり、電子線バイプリズム7はそれら中間レンズクロス
オーバー位置Cと、中間レンズ像面IPとの間に挿入す
る。
【0043】なお、スペクトロメータ30としては、従
来より提案されている、Ω形、γ形、セクタ形等の種々
の方式のものを使用することができる。Ω形やγ形で代
表される、電子顕微鏡光軸から電子を偏向させて分光
し、その後に元の電子顕微鏡光軸に戻る方式をインカラ
ム形と呼び、セクタ形に代表される、通常の電子顕微鏡
の最終レンズ(投影レンズ)の後方にスペクトロメータ
を追加する方式をポストカラム形と呼ぶ。図6にポスト
カラム型のスペクトロメータを用いたエネルギーフィル
タに適用した場合の構成例を示す。図6において、31
はポストカラム型のスペクトロメータである。また、3
2は中間レンズと投影レンズを含むレンズ群を示してお
り、この場合にも電子線バイプリズム7は、レンズ群3
2によるクロスオーバー位置Cと像面位置IPの間に挿
入される。これらの図5、図6に示す構成では、スペク
トロメータを投影レンズ9の構成要素の一部と考えれ
ば、図1に示す基本的な構成と同じであるということが
できる。
【0044】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、電子線バイプリズムを中間レンズと対物レン
ズの間に配置したので、電子線バイプリズムより電子銃
側の対物レンズ、及び中間レンズで倍率を任意に可変で
き、倍率の空白領域を無くすことができる。また、最終
的に観察/記録装置に記録される電子線ホログラムの干
渉縞間隔、干渉領域幅は投影レンズの倍率に依存し、全
体の倍率に依存せず、常に一定の干渉縞間隔、干渉領域
を持つようになる。そして、それによって、観察/記録
装置の分解能や、有効視野を気にせずに、電子線ホログ
ラムが容易に取得できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るホログラフィ電子顕微鏡の一実施
形態を示す図である。
【図2】図1に示す構成における、低倍時の光線図を示
す図である。
【図3】図1に示す構成における、中倍時の光線図を示
す図である。
【図4】図1に示す構成における、高倍時の光線図を示
す図である。
【図5】変形例を示す図である。
【図6】他の変形例を示す図である。
【図7】従来のホログラフィ電子顕微鏡の構成例を示す
図である。
【図8】電子線バイプリズムの構成及び動作を説明する
ための図である。
【符号の説明】
1…電子銃、2…照射レンズ、3…試料、4…試料ホル
ダ、5…対物レンズ、6…補助対物レンズ、7…電子線
バイプリズム、8…中間レンズ、9…投影レンズ、10
…観察/記録装置。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中間レンズと投影レンズとの間に電子線バ
    イプリズムが配置され、中間レンズ等の電子線バイプリ
    ズムより電子銃側に配置されているレンズによって倍率
    が任意に設定可能となされていることを特徴とするホロ
    グラフィ電子顕微鏡。
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