JP3038605U - 弾力性のある敷き床 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾力性や防虫、防かび性にすぐれた敷き床や
畳床を得る。 【解決手段】 合成樹脂細管を複数本１単位として束ね
ながら多数単位を並列状態に編成してある敷き床および
畳床。 【効果】 敷き床や畳床は軽量で弾力性にすぐれ、通気
性がよく、圧力強度にもすぐれる。また、ダニ等の有害
虫類が寄生することがなく防虫、防かび性にすぐれる。
畳床は他の素材と組合わせ防湿性を付与することもでき
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は弾力性や通気性、防虫、防かび性にすぐれた敷き床や畳床に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、敷き床としてカ−ペットやじゅうたん、畳が広く使用されているが、弾 力性に欠け、防虫や防かび性にも難がある。畳についていえば、藁を用いた畳床 を使用したものは吸湿性があり、腐りやすいという問題のほかに、とくにダニや 寄生虫が生息するという問題がある。また、寝床としての敷布団やベット用のマ ットレスが広く用いられているが、一般に通気性がわるく、夏期は体温が蓄積し やすく、寝苦しいことが多い。

【０００３】 畳床の改良策としては、畳の内部に繊維状活性炭で構成された活性炭素繊維シ −ト状物を配置したものや、畳芯材の一部又は全部を無機繊維層に置き換え、芯 材の表面に防虫剤や防かび剤を包接させた粉状体を散布又は塗布したものがみら れる。

【０００４】 一方、発泡ポリスチレン等の発泡体を畳床としたものが多数提案されており、 また、樹脂発泡体と稲藁とを組合わせたもの、インシュレ−ションボ−ド等を畳 床としたもの、内部に多数の空洞を有する合成樹脂板を発泡スチロ−ルに貼合わ せた芯材を藁床間に介在させたもの、段ボ−ル等の構造体を畳床としたものもあ る。

【０００５】 さらに、畳表と畳床との間に発泡シ−トからなる緩衝材を入れたものや、この 緩衝材の代わりにクレ−プ紙等の比較的強靱なものを用いたものもある。また、 発泡スチロ−ル製畳床が破損し易いのを改善するため、畳表の直下に繊維板や合 板等を用いたものや、畳の周縁にＬ字やコの字型の樹脂片を当てたものもある。

【０００６】 しかしながら、発泡スチロ−ルは圧縮回復力や緩衝性が不充分であり、インシ ュレ−ションボ−ドは重い、硬い、腐るの問題があり、衝撃に弱いという欠点が ある。段ボ−ル使用のものは平面圧縮強度が充分でない。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は製作が容易で弾力性や通気性、防虫、防かび性にすぐれた敷き床や畳 床を提供せんとするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

ここにおいて本考案者は、従来の問題点を解決するものとして、合成樹脂細管 を複数本１単位として束ねながら多数単位を並列状態に編成してある敷き床や畳 床を見出すにいたった。 なお、本考案の敷き床にはベッドや椅子用のマットレスも含むものとする。

【０００９】

【考案の実施の形態】

本考案で使用する合成樹脂細管の種類としては、断面が円形や楕円形のほか、 正六角形など多角形のものも含まれる。これらの原料としては、ポリエチレンや ポリプロピレンなど各種の硬質合成樹脂を使用することができる。合成樹脂細管 は外径が２ないし８ｍｍ、厚さが０．１ないし０．３ｍｍ程度のものが適当であ るが、これら以外のものでも適宜使用しうる。これらは押出成形により容易に作 成することができる。合成樹脂細管の編成にあたり原則として同一外径のものを 使用するが、異種外径のものを混在させることも有り得る。

【００１０】 使用される合成樹脂細管の長さは、敷き床の形状や畳床の大きさにより定めら れる。敷き床の形状によっては、４角形状に対応する同一長さによるほか、円形 などに対応するため異種長さのものを組合わせる場合がある。また、厚さに応じ て合成樹脂細管の外径から１単位を構成する合成樹脂細管の本数が決められ、並 列方向の長さに応じて単位数も決められる。各単位を紐で編成し連結して全体が 形成される。

【００１１】 編成の際、敷き床等の平面性が得られやすくするため、海苔簀にみられるよう に、俗に松葉編みと称せられる方法で編成をおこなうのが好ましい。松葉編みと は、隣接する２単位を一組としてその上下を２本の編成紐ではさむように交差し て束ね、これを繰り返すことにより、編成後の一連の紐自体は凹凸を形成するこ とになる。松葉編みの特徴ともいうべきは、隣接する編成紐の一連において、互 いに異なる隣接の１単位と組んで編成されるところにある。その結果、隣接する 各単位は松葉が向き合ったような形状を形成し、編成後のものを展開すると、ね じれのない平面が得られる。図３に松葉編みされた一部分を説明的に示す。

【００１２】 本考案で得られる畳床は、い草等を用いた畳表と組合わせ、あるいは畳表との 間に高吸水性樹脂含有の繊維状物からなるシ−トを不織布で包装したものを介在 させ、それぞれ適宜縁取りして畳とすることができる。後者の防湿性畳の場合に 使用する高吸水性樹脂としては、ポリアクリル酸ソ−ダや、酢酸ビニル−アクリ ル酸メチル共重合体ケン化物、酢酸ビニル−マレイン酸モノメチル共重合体ケン 化物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体ケン化物、でんぷん−アクリルニ トリルグラフト重合体、多糖類−アクリル酸グラフト重合体、でんぷん−アクリ ルニトリルグラフト重合体の加水分解物、カルボキシメチルセルロ−ズの架橋物 、架橋ポリエチレンオキサイドなどが使用でき、これらは１ｇあたり４００ｇ以 上の水分を吸収する能力をもっている。

【００１３】 繊維状物からなるシ−トは、紙状パルプとして砕木を化学的に処理したクラフ トパルプやサルファイトパルプなどを機械的に繊維状にしたものから得られるほ か、合成樹脂による不織布もこれに使用することができる。高吸水性樹脂の粉末 は繊維状物からなるシ−ト内に分散して使用する。

【００１４】 繊維状物からなるシ−ト自体は毛細管構造により結露水分を急速に抱え込むは たらきをもっているので、この抱え込まれた水分や空気中の水分をも高吸水製樹 脂が吸収する仕組みになっている。とくに、高吸水性樹脂は加圧下でも保水力が 大である。水分を充分吸収した場合は、加熱乾燥して再使用することができる。 なお、高吸水性樹脂含有の繊維状物からなるシ−トを包装する不織布はポリプ ロピレンやポリエチレン製のものなどを使用することができ、内容物を機械的破 損から保護する。

【００１５】

【実施例】

以下、実施例により本考案をさらに具体的に説明する。合成樹脂としてポリプ ロピレンを用い、合成樹脂細管１は断面が円形のもので、その外径は５ｍｍ、厚 さ０．３ｍｍで、長さ９０ｃｍのものを用い、１単位内に合成樹脂細管１を２６ 本（図２）使用し、全体が厚さ４ｃｍ、長さ１８０ｃｍとなるように編成用紐２ で松葉編みにより編成して敷き床とする（図１）。ただし、図１および図３にお いて図示されている円管は、１単位を構成する合成樹脂細管１の集合体を略記し たものである。

【００１６】

【考案の効果】

本考案の敷き床や畳床は比較的薄肉の合成樹脂細管を構成要素とするので、軽 量で弾力性にすぐれ、合成樹脂細管自体の中空と相互の間隙により通気性がよく 、合成樹脂細管の集合体はいわゆるハニカム構造に近いので、全体として圧力強 度もすぐれる。また、合成樹脂からなるのでダニ等の有害虫類が寄生することが なく、防虫、防かび性にすぐれる。畳床は他の素材と組合わせ防湿性を付与する こともできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例による敷き床の外観を示す説明図であ
る。

【図２】敷き床を構成する合成樹脂細管の１単位を示す
説明図である。

【図３】合成樹脂細管の１単位づつを松葉編みにより編
成した場合の説明図である。

【符号の説明】

１ 合成樹脂細管 ２ 編成用紐

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 合成樹脂細管を複数本１単位として束ね
   ながら多数単位を並列状態に編成してある敷き床。
2. 【請求項２】 合成樹脂細管を複数本１単位として束ね
   ながら多数単位を並列状態に編成してある畳床。