JPH0247945Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はマツトレス、特に寝たきり病人など
の病人用マツトレスに関するものである。

〔従来の技術及びその問題点〕

寝たきり病人は自分の力で寝返りができないた
め床ずれを生じる。

又この床ずれは、敷布団が硬い場合や、身体か
らの汗や湿気で敷布団が湿ることにも起因する。

そこでこの考案の目的は、病人の身体からの汗
や湿気を吸収乃至大気中に放散して皮膚呼吸がで
きて床ずれが生じるのを防止し得る病人用マツト
レスを提供するにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の問題点を解決するために、この考案はマ
ツトレスの縦幅方向を複数個に分割したマツト片
からなり、各マツト片は洗浄可能な材質の皿形枠
の底板上にクツシヨン層と、前記クツシヨン層内
をマツトレスの縦幅方向に貫通し周面にエア吹出
し小孔をそなえるパイプを固定して皿形枠も共に
植物繊維質の網で被包したものとし、皿形枠並び
にパイプの、マツト片接続用面には雌雄嵌合部を
設けると共にパイプの雌雄嵌合部には更に磁性吸
着板を付設し、一方の外端側のマツト片のパイプ
の外端には閉塞用キヤツプを装着し他方の外端側
のマツト片のパイプの外端にはエア供給パイプを
接続するものとし、前記クツシヨン層は剛性植物
繊維を素材とし所要寸法に切断した紐を複数本結
束して一端部の紐構成を解きブラシ形としたもの
を多数、ブラシ形部を上にして皿形枠の底板部上
に起立支持した病人用マツトレスとしたものであ
る。

〔実施例〕

第１図は本考案に係る病人用マツトレスの一例
を示し、このマツトレス１は縦方向を４個に分割
したマツト片２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄからなつて
いる。

各マツト片２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄはその一部
を拡大した第２図に示すように洗浄可能な材質、
例えばアルミニウムのような不錆性金属板のよう
な皿形枠３の底板４上に、クツシヨン層５とこの
クツシヨン層内をマツトレス１の縦幅方向に貫通
する左右２列のプラスチツクのパイプ６ａ，６ｂ
が配設固定してあつて、これらのパイプの両端は
皿形枠３の側板部に開口している。

又パイプ６ａ，６ｂ間には枝パイプ７，８が連
結してあり、これらのパイプ６ａ，６ｂ，７，８
の周面にはエア吹出し用小孔９が形成してある。

１０は皿形枠３をクツシヨン層５及びパイプ６
ａ，６ｂなども共に被包する、植物性繊維質の網
である。

網１０を麻で形成すると、水分の吸収並びに発
散がよく、且つ吸湿しても腐食に耐え、強靭であ
り長期に使用に耐えて好ましい。

クツシヨン層５は、やしの実の繊維のように剛
性があり且つ耐腐性の植物繊維を素材とし編んだ
太さが約２cmで長さ10数cmに切断した紐１１の両
端部を編み構造を解いてブラシ状とし且つこのブ
ラシ状部１２の先をカツトして揃えたものとしこ
の紐を「Ｕ」字形又は「コ」字形に屈曲ぐせをつ
けたものを屈曲方向を上向きにして、第３図に示
すように縦横に並列し皿形枠３の底板に針金１３
などで固定すると共に各紐の交差部の集合する起
立紐部ａを結束したものである。１４は起立紐部
の結束部を示す。

皿形枠１の、マツト片としての接続用一方の面
の側壁には台形の突出部１５、接続用他方の面に
は突出部１５が密に嵌合する台形凹部１６が形成
してある。

又パイプ６ａ，６ｂの両端の皿形枠３の側板部
での開口端の一方には第３図に示すように雄継ぎ
手１７が突出してあつて、他方の開口端を雌継ぎ
手とし、この継ぎ手部には対向面に磁石１８ａ，
１８ｂが取付けてあつて、各マツト片はこの磁石
により吸着結合するようにしてある。

マツトレス１における他端側に位置させたマツ
ト片２ｄのパイプ端は閉じておくものとし、その
閉じ方としては第４図に示すように皿形枠３に取
付けた、各マツト片を磁性吸着結合するための磁
石１８ｂに吸着させる磁石１８ｃ付き栓２２を装
着する。

各マツト片内のパイプに形成したエア吹出し用
孔９は、各マツト片において孔径又は数を図示を
省略したが、変えてあつてエアの吹出し量が相違
するようにしてあり、その最も吹出し量の多いマ
ツト片を病人の床ずれが生じ易い部分又は床ずれ
が生じた部分に位置し、吹出し量の少ないマツト
片を頭部側や足側などにしてマツトレスとし、外
端マツト片から突出するパイプの雄継ぎ手１７ａ
に、温風、冷風及び常温風供給装置（図示省略）
からの送気ホース１９ａ，１９ｂを接続する。

なおこの病人用マツトレスは使用時にシーツ、
好ましくは麻のシーツを敷くが、第５図のように
各マツト片毎にシーツ２０を被せることもでき
る。２１はシーツ取替え用開口部を閉じるスライ
ドフアスナーを示す。

〔効果〕

この考案の病人用マツトレスとしたことによ
り、以下に述べるような効果がある。

(1) このマツトレスは皿形枠の底板部上に設けた
クツシヨン層を、やしの実の繊維のような剛性
植物繊維を素材とした紐を複数本結束して一端
部の紐構成を解いてブラシ形としたものを、ブ
ラシ形部を上にして皿形枠の底板部上に多数起
立支持したものであり、従つてブラシ形部がク
ツシヨン機能を発揮して従来のスポンジや綿に
見られるような蒸れがなく病人からの湿気をよ
く吸収し、又内部からはマツト表面に向け弱い
風量でエアが吹き出るので、マツトレスに吸収
した湿気はこのエアと共に放散され、病人の背
部の皮膚呼吸をよくするから床ずれが生じなく
なる。

(2) このマツトレスは長さ方向を複数個に分割し
てあり且つ各分割マツト片の繊維質部材や皿形
枠は洗浄可能で洗浄後容易に乾燥するので、洗
浄により常時清潔に保持できる。

(3) マツトレスは複数個に分割し且つ各分割マツ
ト片内のパイプは、エア吹出し量を異ならせて
あるので、床ずれを生じるおそれがある部分に
エア吹出し量の最も多いマツト片が位置するよ
うに組み替え調整することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る病人用マツトレスの一例
の一部切欠平面図、第２図は同上要部の拡大縦断
側面図、第３図は同上の一部切欠平面図、第４図
は端部マツト片の要部の横断平面図、第５図は１
つのマツト片の、シーツを被せた状態の裏面側か
らの斜視図である。 １……マツトレス、２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄ…
…分割マツト片、３……皿形枠、４……底板部、
５……クツシヨン層、１０……網、１１……剛性
植物繊維紐、ａ……起立紐部、１２……ブラシ状
部、１４……結束部、６ａ，６ｂ……パイプ、
７，８……枝パイプ、９……エア吹出し小孔、１
５……嵌合用台形突出部、１６……台形凹部、１
７……パイプの雄継ぎ手部、１８ａ，１８ｂ，１
８ｃ……磁石、１９ａ，１９ｂ……エア供給ホー
ス。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) マツトレスの縦幅方向を複数個に分割したマ
   ツト片からなり、各マツト片は洗浄可能な材質
   の皿形枠の底板上にクツシヨン層と、前記クツ
   シヨン層内をマツトレスの縦幅方向に貫通し周
   面にエア吹出し小孔をそなえるパイプを固定し
   て皿形枠も共に植物繊維質の網で被包したもの
   とし、皿形枠並びにパイプのマツト片接続用面
   には雌雄嵌合部を設けると共にパイプの雌雄嵌
   合部には更に磁性吸着板を付設し、一方の外端
   側のマツト片のパイプの外端には閉塞用キヤツ
   プを装着し他方の外端側のマツト片のパイプの
   外端にはエア供給パイプを接続するものとし、
   前記クツシヨン層は剛性植物繊維を素材とし所
   要寸法に切断した紐を複数本結束して一端部の
   紐構成を解いてブラシ形としたものを多数、ブ
   ラシ形部を上にして皿形枠の底板部上に起立支
   持した病人用マツトレス。 (2) 前記マツト片内に配設したパイプ周面のエア
   吹出し孔は、外径又は数を各マツト片において
   違えた実用新案登録請求の範囲第１項記載の病
   人用マツトレス。 (3) 前記各マツト片内のクツシヨン層の紐素材は
   やしの実の繊維である実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の病人用マツトレス。