JP3038455U - 自動スクリーン印刷装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷インクの返し収集動作中スクイジーの先
端から印刷スクリーン面上にしたたり落ちる印刷インク
の落下を防止し、被印刷物への印刷の質の向上を図るこ
とを目的とする。 【解決手段】 自動スクリーン印刷装置において、スク
イジー保持機構及びスクレーパ保持機構の少なくとも一
方を前，後方向に旋回駆動装置により旋回し、スクイジ
ーの下端部とスクレーパとを互いに接離可能とすると共
にし、印刷時はスクレーパより開離し、インク返し動作
中はスクレーパにスクイジーを接合し、スクイジーから
の印刷インクが印刷スクリーン面上へ落下するのを防止
するようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、自動スクリーン印刷装置に関し、特にデリケートな電気部品への 印刷に好適するスクイジー保持機構を改良した、自動スクリーン印刷装置に関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の自動スクリーン印刷装置は、被印刷物の印刷面に印刷スクリーンを配設 し、スクイジーの往路移動によって、印刷スクリーン上面に供給された印刷イン クを均等に分配塗布することで印刷面に所定の印刷を行い、かつ復路移動ではス クレーパによって印刷スクリーン上面に残った印刷インクを収集しながら印刷開 始位置へ移動するようになっており、このスクリーン印刷法では、スクリーンを 通して直接にインクが被印刷物面に押し出されることで、その着肉層を非常に厚 くすることが可能であり、印刷原理が非常に簡単で、印刷装置が一般的に簡易で あることで、金属、ガラス製品、電気部品等への印刷法として広く利用されてい る。

【０００３】 しかるに、従来の自動スクリーン印刷装置においては、印刷開始時には、印刷 面上に配設された印刷スクリーンに、まず印刷インクが供給され、印刷スクリー ン上方に配設されたスクイジーを上昇位置に移動保持し、前記スクイジーと対応 してスクリーン上面に配設されたスクレーパを下降させて、印刷スクリーン上面 にその先端を隣接させ、印刷スクリーン上面に印刷インクを均等に分布しながら 復路移動によって印刷開始位置へと移動させて印刷準備が完了する。 次に、スクレーパが上昇し、代わってスクイジーを印刷スクリーン上面に当接 して下降させると共に、印刷スクリーン下面に被印刷物を配設し、印刷スクリー ン上面を圧接しながら往路移動を行うことで、印刷作業が行われる。そして、復 路移動においては、前述のようにスクイジーが上昇し、スクレーパが下降し、印 刷スクリーン上面に残った印刷インクを収集しながら印刷開始位置までインク返 し動作を行って次の印刷開始に備える。 従って、スクレーパ及びスクイジーは互い違いに印刷スクリーン上面に対し、 上昇，下降動作を行う構成となっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上述した従来の自動スクリーン印刷装置においては、スクイジー機構のスクイ ジーと、スクレーパ機構のスクレーパとは、互いにわずかに離れて支持台に配設 されており、復路移動において、スクイジーが上昇すると、スクレーパが下降し て印刷インクを印刷開始位置へインク返しを行っているが、上昇したスクイジー の先端には、依然として印刷インクが付着しているため、復路移動中に付着した 印刷インクが印刷スクリーン面上に絶えずしたたり落ちる現象がみられる。 このしたたり落ちた印刷インクは、スクレーパによって即座にぬぐい去られて 収集されるが、印刷インクの色素は分子的な視点によれば、落下跡に均等に分布 しておらず、このような不均等な分布による影響は、通常の比較的ラフな印刷に おいては、あまり目立つようなことはないが、ライト・イルミネーション部品の ようなデリケートな電気部品の製品への印刷については非常に目立ってしまう結 果となっている。 従って、従来の自動スクリーン印刷装置においては、次のような問題点がある 。 往路移動のスクレーパによるインク返し動作中、スクイジーの下端面より 絶えず付着インクが印刷スクリーン面上に不均等に落下する結果、印刷の仕上が り品質に多大の悪影響を与える。 印刷の質を向上させた商品とするためには、無駄が多く出る結果、歩留ま りが悪く生産コストが高くなる。 印刷速度を迅速に出来ないため作業に長時間を要する。

【０００５】 この考案は、前述した問題点を解決しようとするもので、スクイジー保持機構 に連結されたスクイジーの先端部をスクレーパ保持機構のスクレーパに対して旋 回動作により接離可能に構成し、印刷インク収集の復路動作時にスクイジー先端 からのインクのしたたり落下を防止し、特にデリケートな電気部品表面への印刷 の質を向上させることができるようにした自動スクリーン印刷装置を提供するこ とを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案に係る自動スクリーン印刷装置は、下端部にスクイジーおよび スクレーパを有するスクイジー保持機構及びスクレーパ保持機構が印刷スクリー ン上を前後方向に水平移動され、かつ往復開始時に相互に異なって上昇，下降動 作を行い印刷及びインク返し動作を繰り返す構成を備えた自動スクリーン印刷装 置において、前記スクイジー保持機構及びスクレーパ保持機構の少なくとも一方 を旋回駆動装置により旋回し、前記スクイジーの下端部とスクレーパとを互いに 接離可能とすると共に、前記スクイジーを印刷時の往路移動中はスクレーパより 開離させて移動し、かつインク返しの復路移動においてはスクレーパに接合する ようにしたものである。

【０００７】

【考案の実施の形態】

以下、この考案の一実施の形態につき、添付図面を参照して説明する。 図１は、この考案のエアシリンダ機構からなる制御手段によって上下方向に駆 動されると共に、印刷スクリーン面上を前後方向に水平往復移動する自動スクリ ーン装置におけるスクイジー保持機構およびこのスクイジー保持機構に対向して 配設されるスクレーパ保持機構の分解斜視図である。

【０００８】 図中１０はスクイジー保持機構で、このスクイジー保持機構１０は、印刷スク リーン３１の幅方向よりわずかに短く形成された長方形状のスクイジー１１と、 このスクイジー１１の上端部１１ａを凹溝１２に挾持してねじ１３により着脱可 能に固定する保持枠１４と、保持枠１４の上端面に形成された突出縁部１４ａ， １４ａを有する載置面１４ｂに載置される内部中空の支持台１５と、この支持台 １５と保持枠１４とを固定する左右一対の門型締め付けブラケット１６とから構 成されている。

【０００９】 前記締め付けブラケット１６は、前，後の脚１６ａの下端部にそれぞれ内側に 突出する係止爪１６ｂが設けられており、この係止爪１６ｂは前記保持枠１４の 突出縁部１４ａ，１４ａの下端に係止されると共に、摘み１７およびねじ１８に より図２に示すように支持台１５と保持枠１４を固定するようになっている。 また、このように構成されたスクイジー保持機構１０は、支持台１５の上面に 配設された上昇，下降用エアシリンダ駆動機構からなる制御手段１９のスピンド ル１９ａに連結されている。

【００１０】 ２０は、スクイジー保持機構１０を印刷スクリーン３１の上面に対し、前，後 方向に旋回させるための旋回駆動装置で、モータ駆動の歯車手段２１により旋回 制御を行うためのものである（図３参照）。 ２２は、スクレーパ保持機構で、下端部にスクイジー保持機構１０側に傾斜す る支持板２３を有し、この支持板２３の先端部は垂直に曲折され、左，右側端部 に内方に湾曲させた湾曲部２４ａを形成したスクレーパ２４が設けられている。

【００１１】 前記支持板２３の上部にはスクイジー機構１０と同様な支持台２５を載置する 保持枠２６が形成され、載置面２６ａの前，後端面に突設した突出縁部２６ｂに 左，右一対の門型締め付けブラケット２７の脚２７ａ，２７ａの係止爪２７ｂ， ２７ｂを介して、支持台２５が摘み２９、ねじ３０によって支持板の載置面２６ ａに締め付け固定されるようになっている。

【００１２】 また、この支持台２５は上昇，下降用のエアシリンダ駆動機構からなる制御手 段１９のスピンドル１９ｂに連結されている（図３参照）。 そして、前記スクイジー保持機構１０及びスクレーパ保持機構２２は、共に駆 動機構（図示せず）によって印刷スクリーン面上の前後方向に水平移動するよう になっている。

【００１３】 以上のように構成された、この考案の自動スクリーン印刷装置の動作について 、図３を参照して以下に説明する。 図３の（ａ），（ｂ），（ｃ）の各図は、この考案のスクリーン印刷装置の実 際の操作順序を説明したものである。

【００１４】 図３の（ａ）はスクイジー保持機構１０およびスクレーパ保持機構２２が共に 印刷スクリーン面３１の上方に配設され、一方のスクイジー保持機構１０が、制 御手段１９のスピンドル１９ａによって下降され、次いで旋回駆動装置２０の歯 車手段２１により反時計方向に旋回移動されることで、スクイジー１１の先端部 が印刷スクリーン面上に隣接し、印刷インクが供給された状態の印刷開始状態を 示している。

【００１５】 そして、印刷開始と同時にスクイジー保持機構１０およびスクレーパ保持機構 ２２が共に前方の矢印方向Ａに水平往路移動されることで、スクイジー１１の押 圧によって印刷スクリーン３１を介して下面に配置された被印刷物（図示せず） に印刷を行う。印刷完了時点では、スクレーパ保持機構２２がスピンドル１９ｂ によって下降しスクレーパ２４の先端がスクリーン面に隣接されると共に、スク イジー保持機構１０がスピンドル１９ａによって上昇される。また、上昇と同時 にスクイジー保持機構１０は旋回駆動装置２０によって時計方向に垂直になるま で旋回され、スクイジー１１の先端部が前記スクレーパ２４内面と接触した図３ （ｂ）の状態となり復路移動が開始される。

【００１６】 復路移動においてはスクレーパ２４は、印刷スクリーン面３１上に残った印刷 インクを収集すると共に、スクイジー１１の先端からしたたり落ちる落下インク の落下を防止しながら同時に収集して、図３（ｃ）の開始位置まで水平移動する ことで１作業工程が完了する。

【００１７】 なお、前記実施の形態において、スクイジー保持機構１０の旋回駆動をモータ 駆動の歯車手段２１によって行うようにしたが、エアシリンダ機構などの制御駆 動装置を用いて制御可能に旋回駆動するようにしてもよいことは勿論である。 また、前記実施の形態においては、スクレーパ保持機構２２の上昇，下降動作 に対し、スクイジー保持機構１０が旋回してスクイジー１１の先端がスクレーパ ２４に対し、接離する構成としたが、これに限定されることなく、両保持機構１ ０，２２が互いに旋回するように構成したり、スクレーパ保持機構２２のみが旋 回する構成とすることも勿論可能であり、同様の効果が得られるものである。

【００１８】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案に係る自動スクリーン印刷装置においては、ス クイジー保持機構及びスクレーパ保持機構の少なくとも一方を旋回駆動装置によ り旋回し、前記スクイジーの下端部とスクレーパとを互いに接離可能とすると共 に、前記スクイジーを印刷時の往路移動中はスクレーパより開離させて移動し、 かつインク返しの復路移動においてはスクレーパに接合するようにした構成とし たので、復路移動中、スクイジーの先端部より印刷インクが印刷スクリーン上面 に落下することを防止でき、インク落下跡による印刷物への不均等な分布等の悪 影響をなくし、質の良好な印刷を可能とすることで、ライト・イルミネーション 部品のようなデリケートな電気部品への印刷に対しても充分対応が可能であり、 安価に迅速に達成できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の自動スクリーン印刷装置の要部分解
斜視図。

【図２】同、図１の要部組立状態を示す概略斜視図。

【図３】この考案の操作モードを示す説明図で、（ａ）
は印刷開始状態の概略側面図、（ｂ）は復路移動状態の
概略側面図、（ｃ）は印刷完了状態を示す概略側面図。

【符号の説明】

１０ スクイジー保持機構 １１ スクイジー １４ 保持枠 １４ａ 突出縁部 １４ｂ 載置面 １５，２５ 支持台 １６，２７ 締め付けブラケット １６ｂ，２７ｂ 係止爪 １７ 摘み １８ ねじ １９ 制御手段 １９ａ，１９ｂ スピンドル ２０ 旋回駆動装置 ２１ 歯車手段 ２２ スクレーパ保持機構 ２３ 支持板 ２４ スクレーパ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 下端部にスクイジーおよびスクレーパを
   有するスクイジー保持機構及びスクレーパ保持機構が印
   刷スクリーン上を前後方向に水平移動され、かつ往復移
   動開始時に相互に異なって上昇，下降動作を行い印刷及
   びインク返し動作を繰り返す構成を備えた自動スクリー
   ン印刷装置において、前記スクイジー保持機構及びスク
   レーパ保持機構の少なくとも一方を旋回駆動装置により
   旋回し、前記スクイジーの下端部とスクレーパとを互い
   に接離可能とすると共に、前記スクイジーを印刷時の往
   路移動中はスクレーパより開離させて移動し、かつイン
   ク返しの復路移動においてはスクレーパに接合するよう
   にしたことを特徴とする自動スクリーン印刷装置。