JP3038259U - 耐震改修化粧仕上被覆構造 - Google Patents

耐震改修化粧仕上被覆構造

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JP3038259U JP1996012770U JP1277096U JP3038259U JP 3038259 U JP3038259 U JP 3038259U JP 1996012770 U JP1996012770 U JP 1996012770U JP 1277096 U JP1277096 U JP 1277096U JP 3038259 U JP3038259 U JP 3038259U
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コンクリート躯体を、地震の際の揺れによる崩
壊から守る、エポキシ樹脂挟着の高強度繊維シートを含
みながら、外部からの衝撃によってこれら高強度繊維シ
ートが切断したり、膨れ、剥離脱落したりすることを防
止する耐震改修化粧仕上被覆構造を得る。 【解決手段】高強度繊維をエポキシ樹脂で挟着したシー
ト表面に、自己乳化型変性ポリアミドポリアミンを硬化
剤としたエポキシ樹脂と、セメント、骨材を含有成分と
するポリマーセメント、さらには合成樹脂エマルション
とセメント、軽量骨材を含有成分とする軽量ポリマーセ
メントを保護層とし、化粧仕上塗材をさらに積層する構
造である。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、コンクリート建造物の地震による崩壊、欠落を防止する目的でその 表面に被覆される高強度炭素繊維または高強度アラミド繊維から形成される繊維 シート含有エポキシ樹脂被膜面の保護・美装仕上被覆構造に関するものである。
【0002】
【従来技術】
先の阪神大震災以降、建築物、土木構築物の耐震性の向上について、官公庁お よび民間において見直しがなされている。特に高速道路等のコンクリート構造物 の橋脚部位においては、その耐震補強構造が各種検討されている。その中でも高 強度炭素繊維または高強度アラミド繊維から形成される繊維シートを利用した耐 震補強被覆構造は、これら繊維シートの重量が非常に軽く、構造物に与える重量 の影響がほとんど無い点、施工現場への搬入の容易さや、現場において切断加工 し、被覆工事ができる容易さ等から最も注目されている工法である。
【0003】 この高強度炭素繊維シート利用の耐震補強被覆構造は、鉄の7〜10倍の強度 、鉄の4分の1〜5分の1の重量を有する炭素繊維やアラミド繊維をシート状に 編んだ繊維シートを利用することが特徴である。この繊維シートを被覆すること により、橋梁、橋脚の曲げ耐力が向上し、内部鉄筋の発生歪みを減少させること が可能となる。また、仮にクラックが発生した場合でもひび割れ幅の拡大を拘束 することが可能となる。このような繊維シートの被覆は、以下のような手順にて 行われる。 ・まず、下地処理として、ひびわれ、不陸を平滑に調整した後に、接着剤の付 着強度を確保するためにプライマーを充分塗付する。 ・続いてエポキシ樹脂系接着剤を塗付する。 ・次に繊維シートを貼り付け、繊維にエポキシ樹脂系接着剤を十分に含浸させ る。 ・さらに、シートの表面からエポキシ樹脂系接着剤を押さえ塗りし、全面に含 浸させる。 ・最後に必要に応じて保護塗装を行う。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、このような繊維シートを利用した耐震補強被覆構造では、高強 度炭素繊維シートや高強度アラミド繊維シートが劣化すると当初の補強効果が得 られなくなってしまうことになる。このため、通常は必要に応じて保護塗装を行 うが、橋脚のような衝撃(自動車事故による衝突等)を受ける部位では、薄膜の 保護塗装程度では衝撃を受けた場合に、繊維シートが切断したり、経時的に膨れ たり、剥離脱落して補強効果を十分に発揮できなくなる場合が考えられる。した がって、このような衝撃を受ける部位において、繊維シートを保護する方法が望 まれている。
【0005】 これに対して衝撃からの保護の目的で、エマルション、骨材、セメントから構 成されるポリマーセメントにより、10mm程度の保護被覆層を形成し、さらに その表面に化粧仕上を行う方法が考えられている。しかしながら、この繊維シー ト利用の耐震補強被覆構造では、先述の手順のように、エポキシ樹脂系接着剤を 繊維シートの接着に使用するとともに、シート内部に十分に含浸させ、なおかつ その表面にもかなりの量を塗付しているものであり、乾燥後のその表面は、硬質 のエポキシ樹脂が鏡面状に被膜を形成している。したがって、ポリマーセメント を10mm程度の厚みにて塗付した場合には、長期的な観点で見るとコンクリー ト構造物の歪みや振動によって剥離脱落を生じる危険性がある。この場合には、 ポリマーセメントの脱落した破片で通行者が怪我をする場合も予想される。
【0006】 したがって、本考案が解決しようとする課題は、エポキシ樹脂を被覆した鏡面 が存在する、繊維シートを利用した耐震補強被覆構造でありながら、長期的に剥 離脱落の危険がなく、衝撃を受けた場合にも、被覆している繊維シートの切断、 膨れ、剥離脱落を生じないという保護効果を有し、さらに化粧仕上により美装性 を付与することのできる耐震改修化粧仕上被覆構造を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような問題点を解決するために本考案者らは鋭意検討の結果、従来より繊 維シートの接着に使用し、繊維シート表面で鏡面となるエポキシ樹脂の被膜表面 との密着性に優れる液状のエポキシ樹脂またはエポキシ樹脂エマルションを使用 し、厚みの付与においてはセメントおよび特定の骨材を複合することに想到した 。
【0008】 すなわち本考案は、 コンクリート構造物表面に、 ・高強度炭素繊維または高強度アラミド繊維から形成される繊維シートを、エポ キシ樹脂系接着剤によりその表面に挟着した補強層、 さらにその補強層表面に、 ・エポキシ樹脂の固形分100重量部に対して、自己乳化型変性ポリアミドポリ アミン、自己乳化型変性ポリアミン、水溶性ポリアミンの何れかをエポキシ樹脂 のエポキシ当量比0.5〜1.2、セメントを50〜500重量部、粒度が0. 1μm〜5000μm以内の骨材を100〜500重量部、水を含有するポリマ ーセメントから形成される厚み0.5〜5mmの保護層、 さらにその保護層表面に、 ・化粧仕上塗材の塗膜層が積層されていることを特徴とする耐震改修化粧仕上被 覆構造、 もしくは、 コンクリート構造物表面に、 ・高強度炭素繊維または高強度アラミド繊維から形成される繊維シートを、エポ キシ樹脂系接着剤によりその表面に挟着した補強層、 さらにその補強層表面に、 ・エポキシ樹脂の固形分100重量部に対して、自己乳化型変性ポリアミドポリ アミン、自己乳化型変性ポリアミン、水溶性ポリアミンの何れかをエポキシ樹脂 のエポキシ当量比0.5〜1.2、セメントを50〜500重量部、粒度が0. 1μm〜5000μm以内の骨材を100〜500重量部、水を含有するポリマ ーセメントから形成される厚み0.5〜5mmの保護層、 さらにその保護層表面に、 ・セメント100重量部に対して、合成樹脂エマルションの固形分で5〜50重 量部、嵩比重が0.05〜0.75の有機及び/又は無機の軽量骨材を20〜6 0重量部、粒度が0.1μm〜5000μm以内の骨材を50〜100重量部、 水を含有する軽量ポリマーセメントから形成される厚み5〜20mmの軽量保護 層、 さらにその軽量保護層表面に、 ・化粧仕上塗材の塗膜層が積層されていることを特徴とする耐震改修化粧仕上被 覆構造、 で把握される技術思想に係るものである。
【0009】
【考案の実施の形態】
本考案における高強度炭素繊維シートまたは高強度アラミド繊維シート(以下 、「繊維シート」という。)とは、鉄の7〜10倍の強度、鉄の4分の1〜5分 の1の重量を有する炭素繊維またはアラミド繊維をシート状に編んだものである 。コンクリート構造物の補強においては、まず、構造物表面にエポキシ樹脂系接 着剤を塗付し、続いて繊維シートを貼り付け、さらにエポキシ樹脂系接着剤を繊 維シートに充分含浸させながら塗付し硬化させる。すなわち、繊維シートをエポ キシ樹脂系接着剤にて挟着する(挟み着ける)ものである。このようなコンクリ ート構造物の補強構造においては、その表面は繊維シートを挟着したエポキシ樹 脂系接着剤の鏡面となっている。本考案では、このような鏡面に対してさらに保 護層が積層されている。
【0010】 本考案の繊維シートを挟着するエポキシ樹脂系接着剤は、繊維シートをコンク リート躯体に貼り付けることができ、さらに繊維シート表面から塗布、含浸させ て全体として、コンクリート躯体を補強できる程度の強靭な被膜を形成できるも のであれば特に限定されない。
【0011】 本考案の耐震改修化粧仕上被覆構造では、繊維シートを、コンクリート躯体に エポキシ樹脂にて挟着する前に、コンクリート躯体表面の状態によっては、予め プライマー処理を施して、エポキシ樹脂の密着性が良好となるように調整しても よい。
【0012】 本考案で使用するポリマーセメントに使用するエポキシ樹脂としては、通常使 用されている液状のエポキシ樹脂またはエポキシ樹脂エマルションであれば特に 制限はないが、例えばグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、グリシジルエステル 系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、脂還式エポキシ樹脂、複素 還式エポキシ樹脂があげられる。これらのなかでもグリシジルエーテル系エポキ シ樹脂は、汎用的であり、かつ、コスト的にも安価のため好ましい。このような グリシジルエーテル系エポキシ樹脂としては、ビスフェノールAとエピクロルヒ ドリンをアルカリ存在下に反応させて得られるビスフェノールA系エポキシ樹脂 、ノボラック樹脂にエピクロルヒドリンを反応させて得られるノボラック型エポ キシ樹脂、ビスフェノールFとエピクロルヒドリンをアルカリ存在下に反応させ て得られるビスフェノールF系エポキシ樹脂、ビスフェノールA、ビスフェノー ルFの混合物とエピクロルヒドリンをアルカリ存在下に反応させて得られるビス フェノールA/F系エポキシ樹脂があげられる。また、これらのエポキシ樹脂は 単独でも、それぞれを組み合わせて使用しても良い。
【0013】 次に自己乳化型変性ポリアミドポリアミン、自己乳化型変性ポリアミン、水溶 性ポリアミンは、それ自身が水に分散または水和可能なものであり、自己乳化型 のものは、前述の液状エポキシ樹脂および水と分散、またはエポキシ樹脂エマル ションに分散して、エポキシ樹脂分散体の状態で架橋反応させたり、エポキシ樹 脂エマルションに溶解して溶液状態で架橋反応させるものである。このような自 己乳化型変性ポリアミドポリアミンは、リノール酸、オレイン酸、リノエライジ ン酸、ビリナリン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸の重合により得られるダイ マー酸、トリマー酸と、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テト ラエチレンペンタミンあるいはペンタエチレンヘキサミン等の脂肪族ポリアミン とを反応させて得られるアミド化合物を、塩酸、酢酸、乳酸またはプロピオン酸 等の酸で中和することによってカチオン化したものである。また、自己乳化型変 性ポリアミンとしては、エポキシ樹脂と、脂肪族、脂環族、芳香族ポリアミンの 過剰量とを反応させた残留アミノ基含有のアミンアダクトである。また、脂肪族 ポリアミンをエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドと付加反応させたアダ クトも含まれる。一方、水溶性ポリアミンは、水に溶解可能なものであれば特に 限定されない。なお、これらの硬化剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用 することもできる。
【0014】 つぎにここで用いるセメントとしては、通常無機結合材として知られたセメン ト類が包含され、具体的には例えば普通ポルトランドセメント、早強ポルトラン ドセメント、超早強ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、中庸熱 ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメン ト、コロイドセメント、アルミナセメントなどを挙げることができる。これらは 単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0015】 粒度が0.1μm〜5000μm以内の骨材としては、珪砂、重質炭酸カルシ ウム、寒水石等の通常ポリマーセメントに配合する骨材があげられる。
【0016】 前記の各成分はエポキシ樹脂の固形分100重量部に対して、自己乳化型ポリ アミドポリアミン、自己乳化型変性ポリアミン、水溶性ポリアミンの何れかを、 エポキシ樹脂のエポキシ当量比0.5〜1.2、セメントを50〜500重量部 、粒度が0.1μm〜5000μm以内の骨材を100〜500重量部の割合で 配合し、さらに水を(水/セメント比)が0.5〜2.0となるように配合する 。このようにして製造したポリマーセメントにより、本考案の保護層が形成され る。
【0017】 本考案ではこのようなポリマーセメントにさらに、本考案の効果を損なわない 程度に、さらにその他の充填材や各種添加剤を配合することができる。このよう な充填材としては、合成繊維、天然繊維、鉱物繊維等の繊維類等が、添加剤とし ては、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、防腐剤、防藻剤、防黴剤等の通 常塗材に配合することが可能なものがあげられる。
【0018】 本考案のポリマーセメントから形成される保護層の厚みは、繊維シートの保護 の目的からすると、0.5〜5mmの厚みが必要である。但し、5mmより厚く なると、乾燥時間が長くなるため、強度発現に時間を要することになる。また、 自重により剥離脱落の可能性が生じてくる。
【0019】 本考案では保護層の重量をさらに軽量化するために、ポリマーセメント層を2 層に分け、最初にエポキシ樹脂と、自己乳化型変性ポリアミドポリアミン、自己 乳化型変性ポリアミン、水溶性ポリアミンの何れかと、セメント、骨材を含有す るポリマーセメントから形成される保護層を0.5〜5mmの厚みとし、さらに 、軽量ポリマーセメントから形成される軽量保護層を5〜20mmの厚みとする 構造が可能であり、また、保護層の厚膜化と共に、さらに剥離脱落の防止という 目的からしても望ましい。
【0020】 このような軽量ポリマーセメントとしては、一般的にセメントおよび軽量骨材 を含む粉末成分と合成樹脂エマルションから成るものである。また、ここで使用 するセメントとしては、先のポリマーセメントと同様のものが使用できる。
【0021】 軽量骨材とは、無機質充填材である骨材の内部に空洞を有しているもの、また は、発泡させた有機質充填材で、その嵩比重が0.05〜0.75のものである 。これらは一般の無機質、有機質充填材よりも比重が小さく、これを塗材に充填 材として加えて使用することにより、仕上材の軽量化が可能になる。更に、軽量 化が可能になったので仕上材を厚塗りできるようになり、ボリューム感ある仕上 げが可能になる。このような軽量骨材としては、骨材内部に空洞を有している無 機質充填材、発泡させた有機質充填材はすべて含まれるが、例えば具体的にシラ スバルーン、微小中空球(アミノシリケート系フィラー)、珪藻土、焼成珪藻土 、融剤焼成珪藻土、フライアッシュ、微小炭素中空(クレカスフェアー)、焼成 クレー、粒状軽石、活性炭、バーミュキュライト、パーライト、焼成ひる石、発 泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、各種合成樹脂フォーム粉砕物等があげられ る。
【0022】 更に必要に応じ添加される、充填材、添加剤としては、先のポリマーセメント と同様のものが使用できる。
【0023】 次に、合成樹脂エマルションとしては、一般的に軽量ポリマーセメントにおい て結合材の一部に用いられる合成樹脂エマルションが包括され、具体的にはスチ レンブタジエンゴムラテックス、アクリル酸エステルの単独または、共重合エマ ルション、エチレン酢酸ビニル共重合エマルション、エポキシ樹脂エマルション 、酢酸ビニルベオバ共重合エマルション等の一般市販のセメント混和用エマルシ ョン、または再乳化型エマルション粉末が適宜利用できる。また、液状のエポキ シ樹脂を、前記のポリマーセメントにおいて使用した、自己乳化型変性ポリアミ ドポリアミンまたは自己乳化型変性ポリアミンを用いて、水分散させたものでも よい。これらは単独種で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用すること もできる。
【0024】 ここで、これらの配合割合は、セメント成分100重量部に対して、合成樹脂 エマルション成分中の固形分で5〜50重量部、嵩比重が0.05〜0.75の 有機及び/又は無機の軽量骨材が20〜60重量部、粒度が0.1μm〜500 0μm以内の骨材を50〜100重量部配合し、さらに水を配合する。
【0025】 本考案では、以上のような保護層、または、軽量保護層の表面に、さらに化粧 仕上塗装を施して美装性を向上させる。このような目的で使用される化粧仕上塗 材としては、例えばJIS A 6909-1995 に規定する建築用仕上塗材や、アクリル樹 脂系、ポリウレタン樹脂系、アクリルシリコン樹脂系、フッ素樹脂系の溶剤形ま たは水性塗料の他、石材調仕上塗材や場合によってはクリヤー塗料、浸透性吸水 防止材等を用いることができる。
【0026】
【実施例】
(実施例1) コンクリート製高架道路の支柱の側面に、コニシ株式会社製エポキシ樹脂系プ ライマー「E810」を0.10kg/m2 で塗布し、24時間乾燥養生した。次 に、コニシ株式会社製エポキシ樹脂系接着剤「E2500」を0.40kg/m2 で側面に塗布し、直ちに、高強度炭素繊維シートを貼り付け、さらにシート表面 より、前述の「E2500」を0.40kg/m2 で塗布し、3日間乾燥養生した 。このようにして形成した高強度炭素繊維挟着エポキシ樹脂鏡面に、表1の原料 を使用して、表2の配合1にて製造したポリマーセメントを厚み2mmで塗布し 、1日間乾燥養生した。その後、化粧仕上塗材として、エスケー化研株式会社製 「ウレタンカラー」を塗布量0.3kg/m2 にて塗布し、1日間乾燥養生した。 このようにして形成した耐震改修化粧仕上被覆構造は、その外観が化粧仕上塗材 にて被覆されているため、景観性にも優れ、ポリマーセメントの保護により、衝 撃を受けても高強度炭素繊維シートが充分保護されるものであった。 このような構造の効果を検証するために、大きさ300×300×60mmの コンクリート平板に、上記と同様な手順にて各材料を塗布し、形成された試験体 について、JIS A 6916「仕上塗材用下地調整塗材」の6.11に規定する耐衝撃 性試験に準拠して、1kgの錘を高さ50cmから落下させて、その積層被膜の状 態を目視にて観察した。 その結果、ポリマーセメントの保護層は、高強度炭素繊維シートを挟着したエ ポキシ樹脂鏡面にしっかりと密着しており、剥がれ等の変化は生じていなかった 。
【0027】 (実施例2) コンクリート製高架道路の支柱の側面に、コニシ株式会社製エポキシ樹脂系プ ライマー「E810」を0.10kg/m2 で塗布し、24時間乾燥養生した。次 に、コニシ株式会社製エポキシ樹脂系接着剤「E2500」を0.40kg/m2 で側面に塗布し、直ちに、高強度炭素繊維シートを貼り付け、さらにシート表面 より、前述の「E2500」を0.40kg/m2 で塗布し、3日間乾燥養生した 。このようにして形成した高強度炭素繊維挟着エポキシ樹脂鏡面に、表1の原料 を使用して、表2の配合2にて製造したポリマーセメントを厚み2mmで塗布し 、1日間乾燥養生した。さらに、表1の原料を使用して表3の配合3にて製造し た軽量ポリマーセメントを厚み10mmで塗布し、1日間乾燥養生した。その後 、化粧仕上塗材として、エスケー化研株式会社製「ウレタンカラー」を塗布量0 .3kg/m2 にて塗布し、1日間乾燥養生した。このようにして形成した耐震改 修化粧仕上被覆構造は、その外観が化粧仕上塗材にて被覆されているため、景観 性にも優れ、ポリマーセメントおよび軽量ポリマーセメントによる非常に厚い保 護層が形成され、衝撃を受けても高強度炭素繊維シートが充分保護されるもので あった。 このような構造の効果を検証するために、大きさ300×300×60mmの コンクリート平板に、上記と同様な手順にて各材料を塗布し、形成された試験体 について、JIS A 6916「仕上塗材用下地調整塗材」の6.11に規定する耐衝撃 性試験に準拠して、1kgの錘を高さ50cmから落下させて、その積層被膜の状 態を目視にて観察した。 その結果、ポリマーセメントおよび軽量ポリマーセメントの保護層は、高強度 炭素繊維シートを挟着したエポキシ樹脂鏡面にしっかりと密着しており、剥がれ 等の変化は生じていなかった。
【表1】
【表2】
【表3】
【0028】
【考案の効果】
本考案は高強度炭素繊維シートや高強度アラミド繊維シートの、非常に優れた 引張強度によって、コンクリート躯体を地震の際の揺れによる崩壊から守るとと もに、繊維シートの貼り付けに必要なエポキシ系接着剤に起因する鏡面が存在し ていても、密着性に優れた保護層、軽量保護層が積層されているため、外部から の衝撃によって、繊維シートの切断や、膨れ、剥離脱落を生じることがない。ま た、そのような保護層の表面に化粧仕上塗材を塗装できるため、景観の上からも 優れた耐震改修化粧仕上被覆構造となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の耐震改修化粧仕上被覆構造の一例を示
す断面図
【図2】本考案の耐震改修化粧仕上被覆構造の他の例を
示す断面図
【符号の説明】
A コンクリート躯体 B 繊維シート C 保護層 D 化粧仕上塗材の塗膜層 E 軽量保護層

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンクリート構造物表面に、 高強度炭素繊維または高強度アラミド繊維から形成さ
    れる繊維シートを、エポキシ樹脂系接着剤によりその表
    面に挟着した補強層、 さらにその補強層表面に、 エポキシ樹脂の固形分100重量部に対して、自己乳
    化型変性ポリアミドポリアミン、自己乳化型変性ポリア
    ミン、水溶性ポリアミンの何れかをエポキシ樹脂のエポ
    キシ当量比0.5〜1.2、セメントを50〜500重
    量部、粒度が0.1μm〜5000μm以内の骨材を1
    00〜500重量部、水を含有するポリマーセメントか
    ら形成される厚み0.5〜5mmの保護層、 さらにその保護層表面に、 化粧仕上塗材の塗膜層が積層されていることを特徴と
    する耐震改修化粧仕上被覆構造。
  2. 【請求項2】コンクリート構造物表面に、 高強度炭素繊維または高強度アラミド繊維から形成さ
    れる繊維シートを、エポキシ樹脂系接着剤によりその表
    面に挟着した補強層、 さらにその補強層表面に、 エポキシ樹脂の固形分100重量部に対して、自己乳
    化型変性ポリアミドポリアミン、自己乳化型変性ポリア
    ミン、水溶性ポリアミンの何れかをエポキシ樹脂のエポ
    キシ当量比0.5〜1.2、セメントを50〜500重
    量部、粒度が0.1μm〜5000μm以内の骨材を1
    00〜500重量部、水を含有するポリマーセメントか
    ら形成される厚み0.5〜5mmの保護層、 さらにその保護層表面に、 セメント100重量部に対して、合成樹脂エマルショ
    ンの固形分で5〜50重量部、嵩比重が0.05〜0.
    75の有機及び/又は無機の軽量骨材を20〜60重量
    部、粒度が0.1μm〜5000μm以内の骨材を50
    〜100重量部、水を含有する軽量ポリマーセメントか
    ら形成される厚み5〜20mmの軽量保護層、 さらにその軽量保護層表面に、 化粧仕上塗材の塗膜層が積層されていることを特徴と
    する耐震改修化粧仕上被覆構造。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015085564A (ja) * 2013-10-29 2015-05-07 槌屋ティスコ株式会社 複合構造体の施工方法及び複合構造体

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JP2015085564A (ja) * 2013-10-29 2015-05-07 槌屋ティスコ株式会社 複合構造体の施工方法及び複合構造体

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