JP3036772B2 - ポリエーテル樹脂とその製造法及びそれからなる光学材料 - Google Patents

ポリエーテル樹脂とその製造法及びそれからなる光学材料

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ポリエーテル樹脂及びその製造法に関し、
詳しくは、光学的に均質で、光弾性係数が小さく、低複
屈折であるなどの光学的特性に優れ、しかも耐熱性等に
も優れており、例えば、光ディスク、光ファイバー、光
学レンズ等の光学機器用素子分野をはじめとする各種の
高分子材料利用分野に好適に利用することができる新規
な樹脂であるポリエーテル樹脂、及びその好適な製造法
に関する。
また、本発明は、このポリエーテル樹脂から得られる
上記の光学機器用素子等の光学材料に関する。
〔従来の技術〕
光ディスク、光ファイバー、光学レンズ等の光学機器
用素子に用いる有機高分子光学材料には、従来から一般
的に、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチ
レン樹脂などが使用されている。
しかし、これらのうち、アクリル樹脂は光学的特性に
優れているが、吸湿性が高く、ねじれを生じたり、成形
時の寸法安定性が悪いという問題点がある。一方、ポリ
カーボネート樹脂及びポリスチレン樹脂は、こういった
問題は生じにくいが、光学的特性は必ずしも満足ではな
いという問題がある。
このような事情から、新規な高分子光学材料の開発が
進められており、ポリホルマール樹脂やポリエーテル樹
脂を光学材料として利用しようとする試みがなされてい
る。
これらのポリホルマール樹脂やポリエーテル樹脂は、
二価フェノール類とジハロゲン化合物との重合反応によ
って得られ、各種のものがあるが、このうち、ジハロゲ
ン化合物としてメチレンクロライドを用いるポリホルマ
ールがよく知られている。
こういったポリホルマール樹脂やポリエーテル樹脂の
いくつかは、例えば、米国特許明細書第3,069,386号等
に開示されている。しかし、この従来の方法では、反応
に要する時間が長く、また、得られるポリマーの還元粘
度〔ηsp/C〕も0.07〜0.15dl/gと小さいという問題があ
る。
また、上記のほかに比較的古くから一般に知られてい
るポリホルマール樹脂として、特開昭54−125297号公報
に記載されているBisA−ポリホルマール(ビスフェノー
ル−A系のポリホルマール)がある。しかし、このポリ
マーは、ガラス転移温度(Tg)が85℃と低く、十分な耐
熱性を有していない上に、光学的特性も悪く光学的素子
の素材としては不適当である。
これに対して、特開昭60−188426号公報、同63−1918
28号公報等に開示されているポリホルマールは、分子構
造を変性することによって光学的特性が改善されている
が、未だ十分なものとは言い難い。
一方、特開平1−126329号公報には、次式 〔ここで、R及びR′は、例えば、メチル基などを示
す。〕 で表される繰り返し単位からなるポリエーテル樹脂が開
示されており、これを光学材料として用いることが提案
されている。しかしながら、このポリエーテル樹脂もな
お光学的特性が十分とは言い難い。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものである。
本発明の目的は、新規なポリエーテル樹脂特に従来の
ポリホルマール樹脂等よりも光学的特性に優れ、光学的
に均質で光弾性係数が小さく、成形品の複屈折も小さい
などの光学的特性に優れ、しかも耐熱性等にも優れるな
どの種々の利点を有するポリエーテル樹脂を提供し、合
わせてその好適な製造方法及びこの樹脂を素材とする光
学材料を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、前記の問題点を解決すべく鋭意研究を
重ねた結果、特定の構造のビスフェノール類と特定の構
造のジハロゲン化合物との重合により得られる特定の構
造及び分子量を有する新規なポリエーテル樹脂が、従来
のポリホルマール樹脂等より光学的特性に優れるなど、
種々の点において優れた光学的特性を示すとともに、耐
熱性にも優れたポリマーであり、このポリマーが光学材
料の素材として極めて有用であることを見出し、これら
の知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の一般式 〔ただし、式〔I〕中のYは、単結合、−O−、−S
−、−SO2−、 (ここで、R3及びR4は、各々独立に、水素原子、炭素
数1〜6のアルキル基又はフェニル基である。)、又は (ここで、nは、3〜8の整数である。)を示し、R1
は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6
〜12のアリール基を示し、R2は、炭素数1〜6のアルキ
ル基又は炭素数6〜12のアリール基を示す。〕 で表される繰り返し単位からなり、かつ粘度平均分子量
が10,000以上であることを特徴とするポリエーテル樹脂
を提供するものである。
また、本発明は、本発明のポリエーテル樹脂の実用上
有利な製造方法及びこのポリエーテル樹脂を素材とする
光学材料をも合わせて提供するものである。
−ポリエーテル樹脂− 本発明のポリエーテル樹脂は前記一般式〔I〕で表さ
れる繰り返し単位からなる。
該一般式〔I〕中のR1、R2は、炭素数1〜6のアルキ
ル基であってもよいが、このアルキル基としては、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、1−メチルプロピル基、
tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、1−メ
チルブチル基、1−エチルプロピル基、シクロペンチル
基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル
基、1−エチルブチル基、ネオヘキシル基、シクロヘキ
シル基、メチルシクロペンチル基、シクロペンチルメチ
ル基などを挙げることができる。
前記R1、R2は、炭素数6〜12のアリール基であっても
よいが、該アリール基としては、例えば、フェニル基、
2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メ
チルフェニル基、各種のキシリル基、各種のエチルフェ
ニル基、各種のプロピルフェニル基、各種のブチルフェ
ニル基、各種のペンチルフェニル基、各種のヘキシルフ
ェニル基、各種のシクロペンチルフェニル基、各種のシ
クロヘキシルフェニル基等のアルキル基置換フェニル
基、4−フェニルフェニル基等の各種のビフェニル基、
2−ナフチル基等の各種のナフチル基などを挙げること
ができる。
また、前記R1は、水素原子であってもよい。
前記R1とR2の組み合わせは、前記例示のものから自由
に選択することができる。特に好ましい組み合わせとし
て、R1が水素原子で、かつ、R2がフェニル基である場合
などを挙げることができる。
前記一般式〔I〕中のYは、 であってもよい。ただし、R3及びR4は、それぞれ前記し
た通りである。
すなわち、R3、R4は、炭素数1〜6のアルキル基であ
ってもよい。このアルキル基の具体例としては、前記例
示の各種のものを挙げることができる。
また、R3、R4は、水素原子であってもよく、あるい
は、フェニル基であってもよい。
前記R3とR4の組み合わせは、前記例示のものから自由
に選択することができる。特に好ましい組み合わせとし
て、R3及びR4が共にメチル基の場合などを挙げることが
できる。
前記Yは、 〔ただし、nは3〜8の整数である。〕であってもよ
い。この場合、nが、4、5又は6のものが好ましく、
特にnが5であるシクロヘキサン−1,1−ジイルが好ま
しい。
前記Yは、上記のほか、単結合、−O−、−S−、あ
るいは−SO2−であってもよい。
前記Yとして、特に好ましいものは、 などである。
前記一般式〔I〕で表される繰り返し単位の具体例と
しては、前記例示の各種のYと前記例示の各種の との自由な組み合わせによって構成される各種の単位を
挙げることができる。
これらの中でも、特にYが 又は であり、かつ であるものが好ましい。
本発明のポリエーテル樹脂は前記一般式〔I〕で表さ
れる繰り返し単位1種からなる単独重合体であってもよ
く、2種以上からなる共重合体であってもよく、あるい
はこれらの混合物であってもよい。
また、本発明のポリエーテル樹脂は、本発明の目的に
支障のない範囲で、前記一般式〔I〕で表される繰り返
し単位以外の他の繰り返し単位を含有するものであって
もよい。
本発明のポリエーテル樹脂で重要な点のひとつは、こ
のポリマーの粘度平均分子量が10,000以上である点であ
る。
粘度平均分子量が10,000未満のものは、耐熱性、機械
的強度が低く、実用性に乏しい。
粘度平均分子量の上限値は、成形加工性などの点か
ら、通常、100,000程度である。
本発明のポリエーテル樹脂を光学材料の素材として用
いる場合には、粘度平均分子量が、通常、12,000〜18,0
00の範囲内にあるものが好適に使用することができる。
本発明のポリエーテル樹脂には、必要に応じて本発明
の目的に支障のない範囲で、例えば、紫外線吸収剤、酸
化防止剤、熱安定化剤、耐候性向上剤、帯電防止剤、防
曇剤、着色剤、各種充填材、離型剤、可塑剤等の各種の
添加剤や他のポリマー成分を使用目的等に合わせて適宜
含有させることもできる。
−ポリエーテル樹脂の製造方法− 本発明のポリエーテル樹脂は、その製造方法としては
特に制限はなく、各種の方法によって製造することがで
きるが、通常、以下の方法によって好適に製造すること
ができる。
すなわち、本発明は、前記各種のポリエーテル樹脂の
好適な製造方法の例として、次の一般式 〔ただし、式〔II〕中のR1は、水素原子、炭素数1〜
6のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を示し、
R2は、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12のア
リール基を示し、X1及びX2は、各々独立に、ハロゲン原
子を示す。〕 で表されるジハロゲン化合物と次の一般式 〔ただし、式〔III〕中のYは、単結合、−O−、−
S−、−SO2−、 (ここで、R3及びR4は、各々独立に、水素原子、炭素
数1〜6のアルキル基又はフェニル基である。)、又は (ここで、nは3〜8の整数である。)を示す。〕 で表されるビスフェノール類をアルカリ及び溶媒の存在
下で反応させることを特徴とする前記ポリエーテル樹脂
の製造方法をも合わせて提供するものである。
前記一般式〔II〕で表されるジハロゲン化合物におけ
る、R1及びR2の具体例としては、それぞれ前記例示のも
のを挙げることができる。
また、該ジハロゲン化合物における、X1及びX2それぞ
れの具体例としては、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原
子を挙げることができる。これらの中でも、特に塩素原
子が好ましい。
なお、X1とX2は、同一であってもよく、相違していて
もよい。
前記一般式〔II〕で表されるジハロゲン化合物の具体
例としては、例えば、1,1−ジクロロエタン、2,2−ジク
ロロプロパン、2,2−ジクロロブタン、3,3−ジクロロペ
ンタン、2,2−ジクロロオクタン、フェニルジクロロメ
タン(別名、α,α−ジクロロトルエン)、ジフェニル
ジクロロメタン、1,1−ジクロロ−1−フェニルエタン
などを挙げることができる。
これらの中でも、特に、フェニルジクロロメタンなど
が好ましい。
なお、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以
上を混合物などとして併用してもよい。
前記一般式〔III〕で表されるビスフェノール類にお
ける、Y、R3、R4及びnの具体例及び好ましいものは、
前記同様である。
前記ビスフェノール類の具体例としては、例えば、4,
4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジフェニルビフェニル、ビ
ス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、
1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)
エタン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒ
ドロキシフェニル)ブタン、3,3−ビス(3−フェニル
−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(3
−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニル
メタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフ
ェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(3−フェ
ニル−4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−メチルフ
ェニル)エタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒド
ロキシフェニル)−1−シクロヘキシルエタン、1,1−
ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシ
フェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(3−フェニル
−4−ヒドロキシフェニル)シクロオクタン、ビス(3
−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス
(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィ
ド、ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)ス
ルホンなどを挙げることができる。
これらの中で、特に好ましいものとして、2,2−ビス
(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)
シクロヘキサンなどを挙げることができる。
なお、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以
上を混合物等として併用してもよい。
本発明のポリエーテル樹脂は、前記ジハロゲン化合物
と前記ビスフェノール類とを、アルカリ及び溶媒の存在
下に反応させることにより得ることができる。
使用に供される前記アルカリとしては、各種の酸受容
体が使用可能であるが、通常、アルカリ金属化合物が使
用される。このアルカリ金属化合物は、前記ビスフェノ
ール類をアルカリ金属塩にすることのできるものであれ
ばよい。このアルカリ金属化合物の具体例としては、例
えば、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、ア
ルカリ金属炭酸水素塩を挙げることができる。これらの
中でも、特にアルカリ金属水酸化物などが好適に用いら
れる。
前記アルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化
リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
ルビジウム及び水酸化セシウムを挙げることができる。
これらの中でも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが
好ましい。
前記アルカリ金属炭酸塩としては、例えば、炭酸リチ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウ
ム、炭酸セシウムなどが挙げられる。これらの中でも、
好ましいのは炭酸ナトリウム、炭酸カリウムである。
前記アルカリ金属炭酸水素塩としては、例えば炭酸水
素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、
炭酸水素ルビジウム、炭酸水素セシウムなどが挙げられ
る。これらの中でも、好ましいのは炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウムである。
上記各種のアルカリ金属化合物の中でも、特に、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムなどが好ましい。
なお、これらは、1種単独で使用してもよいし、必要
に応じて、2種以上を併用してもよい。
前記溶媒としては、使用に供するモノマー(ジハロゲ
ン化合物及びビスフェノール類)、そのアルカリ塩(ビ
スフェノール類のアルカリ金属塩など)及び合成される
重合体に対して可溶性を有するもの、例えば、中性極性
溶媒が好適に使用することができる。
前記中性極性溶媒としては、例えば、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−
ジプロピルアセトアミド、N,N−ジメチル安息香酸アミ
ド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N−エチル
−2−ピロリドン、N−イソプロピル−2−ピロリド
ン、N−イソブチル−2−ピロリドン、N−n−プロピ
ル−2−ピロリドン、N−n−ブチル−2−ピロリド
ン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、N−メチル
−3−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−3−メチ
ル−2−ピロリドン、N−メチル−3,4,5−トリメチル
−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピペリドン、N−
エチル−2−ピペリドン、N−イソプロピル−2−ピペ
リドン、N−メチル−6−メチル−2−ピペリドン、N
−メチル−3−エチルピペリドン、ジメチルスルホキシ
ド、ジエチルスルホキシド、1−メチル−1−オキソス
ルホラン、1−エチル−1−オキソスルホラン、1−フ
ェニル−1−オキソスルホラン、N,N′−ジメチルイミ
ダゾリジノン(DMI)、ジフェニルスルホンなどが挙げ
られる。好ましいのはNMP、DMI、スルホラン、ジフェニ
ルスルホン及びジメチルスルホキシドであり、特に好ま
しいのはDMIである。
なお、これらの溶媒は、1種単独で使用してもよい
し、必要に応じて、2種以上を併用してもよい。また、
必要に応じて、例えば、芳香族炭化水素溶媒等の他の溶
媒との混合溶媒として使用することができる。
前記反応に供するジハロゲン化合物の使用割合は、使
用する前記ビスフェノール類1モル当たり、通常、1モ
ル以上、好ましくは1.2〜2.0モル程度の範囲内に設定す
るのが適当である。
前記アルカリ金属化合物等のアルカリの使用割合は、
使用するビスフェノール類1モル当たり、通常、2当量
以上、好ましくは2.4〜3.0当量程度の範囲内に設定する
のが適当である。
なお、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属炭酸水
素塩は、それぞれ、1モルが1当量であり、一方、アル
カリ金属炭酸塩1モルは2当量である。
前記中性極性溶媒等の溶媒は、その使用量については
特に制限はないが、一般的には、使用するモノマー及び
アルカリや生成する重合体が十分に溶解する程度使用す
るのが望ましい。例えば、この溶媒として、NMPやDMIな
どを用いる場合には、一般的に、その使用量は、前記ジ
ハロゲン化合物と前記ビスフェノール類と前記アルカリ
との合計100重量部当たり、200〜2,000重量部の範囲で
選ばれる。
本発明のポリエーテル樹脂は、前記ジハロゲン化合物
成分と前記ビスフェノール類成分と前記アルカリ成分と
前記溶媒とを前記所定の割合で混合し、適当な温度等の
条件で反応させることによって合成することができる。
これら各種の成分は、同時に添加してもよいし、段階的
に添加してもよい。この反応の際、適当な段階で適当な
分子量調節剤や末端停止剤などの所望の添加成分を適当
量添加することができる。
反応温度は、40〜150℃、好ましくは80〜100℃の範囲
とするのが適当である。
反応温度が40℃未満では、反応速度が遅すぎて実用的
ではないし、150℃を超えると、副反応を招くことがあ
る。
また、この重合反応の反応時間は、通常、1〜8時間
程度であり、好ましくは3〜4時間程度である。
反応の終了後、得られる重合溶液から生成した重合体
を分離回収、精製する方法としては特に制限はなく、公
知のポリホルマールやポリエーテル樹脂の製造の際に利
用される方法など各種方法を使用することができる。一
般的には、例えば、重合溶液を適当な良溶媒(例えば、
前記中性極性溶媒や塩化メチレン等)で希釈後、塩を濾
別等により除去し、貧溶媒(例えば、メタノール、イソ
プロパノール等の低級アルコールなど)により、所望の
重合体を析出させ、分離回収する。また、この回収物
(粗製ポリエーテル樹脂)は、例えば、塩化メチレン等
の適当な良溶媒に再度溶解させ、例えば、メタノール等
の貧溶媒にて析出させ、分離回収する操作により所望の
純度の精製ポリエーテル樹脂として取得することができ
る。
以上のようにして、本発明のポリエーテル樹脂を簡単
な工程で効率よく製造することができる。
−ポリエーテル樹脂の特性及び主たる用途の例− 以上の方法等により得られた本発明のポリエーテル樹
脂は、耐熱性、機械的強度等の特性に優れており、しか
も、これを素材として用い、光学材料としての各種の成
形品として仕上げた際に、光学的に均質で光弾性係数が
小さく、光学的異方性が小さく、複屈折が小さいなどの
優れた光学的特性を示すなどの優れた特性を有してい
る。
したがって、本発明のポリエーテル樹脂は、例えば、
光ディスク、光ファイバー、光学レンズ等の各種の光学
機器用素子など好適に使用することができる光学材料を
はじめ各種の高分子成形品用の素材として有利に利用す
ることができる。
本発明の光学材料は、本発明のポリエーテル樹脂を1
種単独で素材として使用してもよいし、2種以上の混合
物を素材として得ることができる。
なお、本発明の光学材料には、必要に応じて本発明の
目的に支障のない範囲で、例えば、酸化防止剤、帯電防
止剤、防曇剤、可塑剤などの各種の添加物や他のポリマ
ー成分を適宜添加・配合することができる。
前記したように、本発明のポリエーテル樹脂を光学材
料として使用する場合には、一般に、粘度平均分子量が
12,000〜18,000の範囲にあるものが好適に使用すること
ができる。
また、こうした粘度平均分子量の範囲にあるポリエー
テル樹脂のうちでも、例えば、Yが であり、かつ、 である繰り返し単位からなるものは、前記の如き光学的
特性及び耐熱性、更には機械的性質、成形加工性等に特
に優れていることから、本発明の光学材料の素材として
特に好適に利用することができる。
本発明の光学材料を、前記したような各種の光学材料
成形品として仕上げる場合には、公知の成形加工方法を
適宜充当すればよい。もちろん、新たに開発された成形
方法を用いることもできる。
〔実施例〕
以下に、本発明を実施例及び比較例によって、更に具
体的に説明するが、本発明はこれらによって制限される
ものではない。
なお、以下の実施例及び比較例における、それぞれの
樹脂の光学材料としての評価は、次のようにして行っ
た。
複屈折:それぞれの樹脂を住友重機社製のミニマット
成形機で平板に成形し、この成形品の複屈折を測定し
た。
光弾性係数(Cm):それぞれの樹脂を、東洋精機社製
のキャピログラフで溶融紡糸し、巻き取り機で糸を引っ
張り、糸に印加する応力と複屈折の傾きを溶融状態の光
弾性係数(Cm)とした。
主としてこれらの評価結果をもって、光学的特性の指
標とした。
なお、それぞれの樹脂の還元粘度〔ηsp/C〕は、メチ
レンクロライドを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃
における値として示した。
また、粘度平均分子量Mvは、ポリカーボネート換算に
より求めた。
実施例1 2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−プロパン 58.0g(0.15モル)、α,α−ジクロ
ロトルエン 25.0g(0.16モル)、水酸化ナトリウム 1
3.0g(0.31モル)及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリ
ジノン(DMI)150mlの混合溶液を攪拌しながら80℃にお
いて4時間反応を行った。
反応終了後重合液をDMIで希釈後、不溶塩を濾過し
た。濾液に水を滴下し重合体を回収した。
次に、塩化メチレンにこの重合体を再溶解させ、メタ
ノールにて精製回収した。その結果、ηsp/C=0.385dl/
g、粘度平均分子量Mv=15,200、ガラス転移温度Tg=120
℃の樹脂を得た。
この重合体は赤外線吸収スペクトル分析の結果、第1
図に示すチャートを得た。このスペクトルから、この重
合体は次の繰り返し単位を有するポリエーテルと認めら
れた。
光学的性質を第1表に示す。
実施例2 1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン 65.0g(0.15モル)、α,α−ジ
クロロトルエン 25.0g(0.16モル)、水酸化カリウム
(86%) 23.0g(0.35モル)及び1,3−ジメチル−2−
イミダゾリジノン(DMI)を準備し、上記実施例1と同
様に重合を行った。
その結果、ηsp/C=0.402dl/g、Mv=16,000、Tg=190
℃の樹脂を得た。
この重合体はIR分析等から次の構造を有するポリエー
テルと認められた。
光学的性質を第1表に示す。
実施例3 1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン 65.0g(0.15モル)、1,1−ジクロ
ロエタン 20.0g(0.20モル)、NaOH 13.0g(0.31モ
ル)、DMI 150mlを準備し、上記実施例1と同様に重合
を行った。
その結果、ηsp/C=0.302dl/g、Mv=11,500、Tg=110
℃の樹脂を得た。得られた重合体の化学構造は、実施例
2と同じであった。
光学的性質を第1表に示す。
比較例1 2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン及びジクロロメタンの重合により得たポリ
ホルマールは次の繰り返し単位からなるポリマーで第1
表に示す光学的特性を有していた。
比較例2 1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン及びジクロロメタンの重合により得
られたポリホルマールは次の繰り返し単位からなるポリ
マーで第1表に示す光学的特性を有していた。
参考例1 2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンより
得られたBisA−ポリカーボネートは、第1表に示す光学
的特性を有していた。
〔発明の効果〕 本発明によると、特定の位置にフェニル基が導入され
た特定のビスフェノール類単位と特定の置換メチレン基
からなる特定の繰り返し単位を有し、かつ、特定の分子
量(粘度平均分子量)を有する新規なポリエーテル樹脂
であって、従来のポリホルマール樹脂等よりも光学的特
性に優れ、光学的に均質で光弾性係数が小さく、光学的
異方性が小さく、成形品の複屈折も小さいなどの光学的
特性に優れ、しかも耐熱性等にも優れるなどの種々の利
点を有するポリエーテル樹脂を提供し、合わせてその好
適な製造方法及びこの樹脂を素材とする光学材料を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のポリエーテル樹脂の一例(実施例1
で得た樹脂)の赤外線吸収スペクトルを示すチャートで
ある。 図の横軸は、波数(cm-1)を示し、縦軸は、吸収強度を
示す。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の一般式 [ただし、式[I]中のYは、単結合、−O−、−S
    −、−SO2−、 (ここで、R3及びR4は、各々独立に、水素原子、炭素数
    1〜6のアルキル基又はフェニル基である。)、又は (ここで、nは、3〜8の整数である。)を示し、R
    1は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数
    6〜12のアリール基を示し、R2は、炭素数1〜6のアル
    キル基又は炭素数6〜12のアリール基を示す。] で表される繰り返し単位からなり、かつ粘度平均分子量
    が10,000以上であることを特徴とするポリエーテル樹
    脂。
  2. 【請求項2】次の一般式 [ただし、式[II]中のR1は、水素原子、炭素数1〜6
    のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を示し、R2
    は、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12のアリ
    ール基を示し、X1及びX2は、各々独立に、ハロゲン原子
    を示す。] で表されるジハロゲン化合物と次の一般式 [ただし、式[III]中のYは、単結合、−O−、−S
    −、−SO2−、 (ここで、R3及びR4は、各々独立に、水素原子、炭素数
    1〜6のアルキル基又はフェニル基である。)、又は (ここで、nは3〜8の整数である。)を示す。] で表されるビスフェノール類をアルカリ及び溶媒の存在
    下で反応させることを特徴とする請求項1記載のポリエ
    ーテル樹脂の製造法。
  3. 【請求項3】請求項1記載のポリエーテル樹脂を素材と
    することを特徴とする光学材料。
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