JPH0826150B2 - 新規ポリスルホン樹脂およびその製造法 - Google Patents

新規ポリスルホン樹脂およびその製造法

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JPH0826150B2
JPH0826150B2 JP62256328A JP25632887A JPH0826150B2 JP H0826150 B2 JPH0826150 B2 JP H0826150B2 JP 62256328 A JP62256328 A JP 62256328A JP 25632887 A JP25632887 A JP 25632887A JP H0826150 B2 JPH0826150 B2 JP H0826150B2
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phenyl
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hydroxyphenyl
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規な、ポリスルホン樹脂およびその製造
法に関し、より詳しくは、光学機器用素材、各種産業用
資材等の、樹脂材料分野に好適に用いられる新規なポリ
スルホン樹脂およびその好適な製造法に関する。
〔従来の技術〕
ポリスルホン樹脂は、耐熱性に優れ、剛性が良好で、
強靱な熱可塑性樹脂で、射出成形、押し出し成形、真空
成形等によって様々な形状の成形品に加工することがで
きる。
しかしながら、従来のポルスルホン樹脂は、一般に流
動性が低く、その成形に高温を要するなどの欠点を有し
ており、また、光弾性係数が大きく、成形時の歪みによ
る光学異方性が大きくなるなどの問題点があった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の第1の発明は、前記問題点のない、耐熱性、
剛性、強靱さなどポリスルホン樹脂特有の諸特性に優れ
るとともに、成形時の流動性が高く、比較的温和な条件
で成形することができ、しかも光弾性係数が適度に低
く、光学材料等としても有効に利用できるなど実用上著
しく有利である新規のポリスルホン樹脂を提供すること
を目的とし、本発明の第2の発明は、上記第1の発明の
ポリスルホン樹脂の実用上好適な製造法を提供すること
を目的とするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、前記問題点のない新規なポリスルホン
樹脂を得るべく鋭意研究を重ねた結果、特定のビスフェ
ノールモノマー単位とジフェニルスルホンモノマー単位
とから成る特定の繰り返し単位を有し、かつ特定の値以
上の極限粘度を有するポリスルホンが、第1の発明の目
的を満足することを見出し、さらにその製造方法につい
て検討を重ねた結果、特定のビスフェノール類と強アル
カリとの反応生成物と、ビス(4−クロロフェニル)ス
ルホンとを、反応させる方法が実用上有利な製造法であ
ることを見出して、これらの知見に基づいて本発明を完
成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明は、 〔ただし、式(I)中、Yは、単結合、エーテル結合、
チオエーテル結合、 (ただし、R1およびR2は、水素原子、C1〜C6のアルキル
基、またはフェニル基を表す。)、CH2 (ただ
し、nは、2〜10の整数を表す。)、または (ただし、mは、4〜8の整数を表す。)を表す。〕 で表される繰り返し単位を有し、かつ、クロロホルム
中、20℃における極限粘度が、0.4dl/g以上であるポリ
スルホン樹脂を提供するものである。
また、本発明の第2の発明は、上記の第1の発明のポ
リスルホン樹脂を製造する方法の発明であって、 〔ただし、式(I)中、Yは、単結合、エーテル結合、
チオエーテル結合、 (ただし、R1およびR2は、水素原子、C1〜C6のアルキル
基、またはフェニル基を表す。)、CH2 (ただ
し、nは、2〜10の整数を表す。)、または (ただし、mは、4〜8の整数を表す。)を表す。〕 で表されるビスフェノール類と、一般式(III) 〔ただし、式中X1およびX2は、それぞれ、ハロゲン原子
を表す。なお、X1とX2は、互いに同じ種類であってもよ
く、異なった種類であってもよい。〕で表される化合物
とを、反応させるポリスルホン樹脂の製造法を提供する
ものである。
本発明のポリスルホン樹脂は、該樹脂を構成する高分
子化合物の主鎖が、一種または二種以上の前記一般式
(I)で表される繰り返し単位によって構成されている
ものとして表すことができる。すなわち、本発明のポリ
スルホン樹脂中の前記一般式(I)で表される繰り返し
単位中のYは、互いに同じ種類のものであってもよく、
異なった種類のものであってもよい。
前記一般式(I)で表されるポリスルホンの中のYと
しては、単結合、エーテル結合、チオエーテル結合、メ
チレン基、1,1−エチリデン基、2,2−プロピリデン基な
どが好適であり、特に、−SO2−、2,2−プロピリデン基
などが好適である。
本発明のポリスルホン樹脂は、クロロホルム中、20℃
においての極限粘度が、0.4dl/g以上のものである。こ
の極限粘度の上限としては、特に限定するものではない
が、通常3.0dl/g程度である。この極限粘度が、0.4dl/g
未満であると機械的強度が低く、また、3.0dl/gを超え
ると、加工時において十分な流動性が得られないことが
ある。
本発明のポリスルホン樹脂は、様々な方法によって製
造することができるが、中でも、上記の第2の発明の製
造法により好適に製造することができる。
以下に、この第2の発明について詳細に述べる。
すなわち、この第2の発明は、少なくとも1種の前記
一般式(II)で表されるビスフェノール類を、少なくと
も1種の強アルカリ化合物の存在下で前記一般式(II
I)で表されるビス(4−クロロフェニル)スルホンと
反応せしめる方法である。
一般式(II)で表される化合物(以下、単にビスフェ
ノール類と略記することがある。)の具体例としては、
たとえば、3,3′−ジフェニル−4,4′−ジヒドロキシビ
フェニル、ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)エーテル、ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフ
ェニル)スルフィド、ビス(3−フェニル−4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、1,2−ビス(3−フェニル−4
−ヒドロキシフェニル)エタン、1,3−ビス(3−フェ
ニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス
(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,
6−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)ヘ
キサン、1,8−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフ
ェニル)オクタン、1,10−ビス(3−フェニル−4−ヒ
ドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(3−フェニル
−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−
フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−
ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−1−
フェニルメタン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル
−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、3,3−ビス(3−
フェニル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−
ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−1−
フェニルエタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−フ
ェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、2,
2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)オ
クタン、ジフェニル−ビス(3−フェニル−4−ヒドロ
キシフェニル)メタンなどを挙げることができる。
これらの中でも、3,3′−ジフェニル−4,4′−ジヒド
ロキシビフェニル、ビス(3−フェニル−4−ヒドロキ
シフェニル)エーテル、ビス(3−フェニル−4−ヒド
ロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−フェニル−4
−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−フェニル
−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3−
フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビ
ス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン
などが好適である。
なお、これらのビスフェノール類は、1種単独で用い
てもよく、2種以上を併用してもよい。
前記一般式(III)中のX1およびX2は、それぞれフッ
素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、
X1とX2とは、互いに同じ種類であってもよく、異なった
種類であってもよい。中でも、X1およびX2がともに塩素
原子であるものが、実用上特に好適である。
一般式(III)で表される化合物(以下単にスルホン
類と略記することがある。)の具体例としては、たとえ
ば、ビス(4−フルオロフェニル)スルホン、ビス(4
−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−ブロモフェニ
ル)スルホン、ビス(4−ヨードフェニル)スルホン等
を挙げることができ、中でも特にビス(4−クロロフェ
ニル)スルホンが好ましい。
なお、これらのスルホン類は、通常一種単独で用いる
が、所望により2種以上を併用してもよい。
前記強アルカリ化合物としては、水酸化リチウム、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、
水酸化セシウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、水酸化カルシウムなどを挙げる
ことができ、中でも、実用上水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム等の苛性アルカリが好ましく、特に、水酸化ナ
トリウムが好ましい。
なお、これらの強アルカリ化合物は、一種単独で用い
ても、2種以上を併用してもよい。
前記反応を行うに際しての手順もしくは製造工程とし
ては、様々の方法、たとえば、公知のビスフェノール類
と強アルカリ化合物とジハロゲン芳香族化合物とから公
知のポリスルホンを得る際に用いられる方法が適用可能
であるが、通常、次に示す工程が好適に使用できる。
すなわち、第1工程においては、前記一般式(II)で
表される化合物(ビスフェノール類)を、適切な溶媒に
溶解し、不活性雰囲気中で、前記水酸化ナトリウム等の
強アルカリ化合物の水溶液を添加し、撹拌下に加熱す
る。
ここで、用いるビスフェノール類〔(A)成分〕強ア
ルカリ化合物〔(B)成分〕との使用割合としては、通
常、(A)成分1モル当たり、(B)成分を、通常1.95
〜2.20モル程度、好ましくは1.98〜2.10モル程度とする
のが好適である。
この(B)成分の使用割合が、少なすぎると(A)成
分の転化率が低くなり、一方、多すぎると、過剰のアル
カリ成分がポリマー中に残存し、中和、精製工程が煩雑
となる。
この第1工程の反応系を形成するために添加する水の
全使用量は、使用する強アルカリ化合物や溶媒等の種類
量によって異なるので一様に規定できないが、使用する
強アルカリ化合物1グラム原子当たりの、通常20〜80g
程度、好ましくは40〜60g程度とするのが好適である。
この水の使用量が少なすぎると、用いる強アルカリ化合
物の溶解性が低くなり、反応を円滑に進行させ難い場合
があり、一方、多すぎると、後の工程で留去すべき水の
量が多くなり経済的でない。
使用する溶媒としては、たとえば、N−メチルピロリ
ドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルイミ
ダゾリジノン、テトラメチル尿素、スルホラン、ジフェ
ニルスルホンなどを挙げることができ、中でも、N−メ
チルピロリドンが好適である。これらの溶媒は、1種単
独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。ま
た、これらの溶媒は、さらに、他の不活性溶媒との混合
溶媒として用いることもでき、特に、トルエン、キシレ
ン、クロロベンゼン等との混合溶媒として用いることに
より、後述の水の留去を効率よく行うことができる。
これらの溶媒の中でも特に好ましいものとしてたとえ
ば、N−メチルピロリドンとクロロベンゼンとの混合溶
媒を挙げることができる。このN−メチルピロリドンと
クロロベンゼンとの使用割合は、容量比で、前者:後者
が、通常1:0.1〜1:3、好ましくは1:0.5〜1:1の範囲とす
るのが好適である。
なお、この混合溶媒を使用するに際しては、たとえ
ば、まずN−メチルピロリドンに上記ビスフェノール類
を溶解し、この溶液にクロロベンゼンを添加する方式が
好適に用いられる。
溶媒の使用量は、反応系を均一に保持する量とするの
が望ましい。具体的な使用量は用いるビスフェノール類
の種類、溶媒の種類や組成などによって異なるので一様
に規定できないが、用いるビスフェノール類1モル当た
り、通常100〜1000ml程度、好ましくは200〜500ml程度
とするのが好適である。
この第1の工程の反応温度としては、通常30〜120℃
程度、好ましくは50〜80℃程度とするのが好適である。
以上のように反応を行うと反応液中に使用したビスフ
ェノールと強アルカリ化合物との塩および副生物の水を
生じるが、この副生した水および使用した水は、反応終
了後もしくは、反応の進行とともに留去する。
これらの水の留去は、通常、蒸留によって行うが、そ
の際、溶媒の一部、特に、混合溶媒として用いた、トル
エン、クロロベンゼン、キシレン等の比較的低沸点の溶
媒を上記水とともに留去する方法が好適に用いられる。
たとえば、溶媒として、前記の如きN−メチルピロリ
ドンとクロロベンゼンの混合溶媒を用いる場合には、通
常120〜140℃の温度範囲で、系内の水を、クロロベンゼ
ンとともに留去すればよい。
第2工程においては、第1工程において水および余分
の溶媒を留去して得られた反応生成液と、ビス(4−ク
ロロフェニル)スルホン等のビス(4−ハロゲノフェニ
ル)スルホン、好ましくは該スルホン類を別途に上記同
様の溶媒に溶解して得られる溶液とを混合し、ビスフェ
ノール類を強アルカリ化合物との反応生成物と上記スル
ホン類とを縮重合させ、目的とするポリスルホンを生成
せしめる。
使用するスルホン類の割合としては、用いるビスフェ
ノール類1モル当たり、通常1.95〜2.10モル、好ましく
は1.98〜2.05モルとするのが好適である。
ここで、上記スルホン類に用いる溶媒としては、上記
例示のものを挙げることができるが、中でも、特にN−
メチルピロリドンとクロロベンゼンとの混合溶媒などが
好適に使用できる。溶媒の使用量は、反応系を均一に保
ち得る程度とするのが望ましい。
反応温度としては、120〜200℃程度、好ましくは140
〜160℃程度が好適である。なお、この反応は、通常、
反応温度を適宜上昇させながら行う方式によって好適に
行うことができ、その際反応の進行とともに、あるい
は、反応が適当な程度進行したならば温度を上昇せしめ
て、用いたクロロベンゼン等の余分の溶媒を留去する方
式が、好適に採用できる。
反応時間としては、反応温度およびその操作モードあ
るいは他の様々な各件によって異なるので一様に規定で
きないが、通常、2〜20時間程度、好ましくは4〜10時
間程度とすればよい。
具体的な例を示すと、たとえばビス(4−クロロフェ
ニル)スルホンの溶媒としてN−メチルピロリドンとク
ロロベンゼンとの混合溶媒を用いる場合には、反応温度
を140〜160℃程度まで上昇しつつ、クロロベンゼンを留
去した後、さらに160℃付近で2時間程度反応を継続せ
しめる方法などが好適である。
なお、上記縮重合反応には、必要に応じて適当な分子
量調節剤、架橋剤、重合促進剤などの添加剤を使用して
もよい。
分子量調節剤としては、公知のものが使用でき、具体
的には、たとえば、フェノール、tert−ブチルフェノー
ル、ノニルフェノール、オクチルフェノール、ドデシル
フェノール、クミルフェノール、フェニルフェノールな
どの1価のフェノールを挙げることができる。これらの
中でも特に、フェノールなどが好適に使用できる。
以上のようにして、本発明のポリスルホンを含有する
反応生成液を得ることができる。
このポリスルホンは、通常の分離、精製法によって種
々の純度のものとして回収することができる。
上記反応生成液から、ポリスルホンを分離回収する方
法としては、たとえば、上記反応生成液を冷却した後、
水中に注入し、析出せしめる方法が好適に採用できる。
この析出したポリマーは、通常、所望の粒度に粉砕し
たのち、水−メタノール混合液などを用いて洗浄するこ
とによって、残留するアルカリハライドなどの不純物を
除去したのち、乾燥され、所望の純度の製品として仕上
げることができる。
このようにして得られた本発明のポリスルホン樹脂
は、耐熱性、剛性、強靱さなど通常のポリスルホン樹脂
が有するような優れた諸特性を有しているとともに、耐
酸化性、耐加水分解性にも優れ特に成形時における流動
性が著しく向上しており、したがって比較的温和な条件
での成形加工が容易であり、しかも、光弾性係数が適度
に小さいので、成形時の歪み、特に光学的歪みが生じ難
く、光学異方性が著しく小さい成形品として仕上げるこ
とができるなどの優れた特性を有するエンジニアリング
プラスチックであり、殊に光学機器用素材をはじめとす
る各種産業用資材等として好適に利用することができ
る。
〔実施例〕
(実施例1) 2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、76.10g(0.20モル)をN−メチルピロリ
ドン50ml、クロロベンゼン200mlに60〜80℃で溶解し
た。これに14.2N水酸化ナトリウム水溶液28.2ml(0.40
モル)を加え、撹拌下加熱した。120〜140℃でクロロベ
ンゼンを蒸留し、系内の水を追い出した。これにビス
(4−クロロフェニル)スルホン57.43g(0.2モル)を
N−メチルピロリドン50mlとクロロベンゼン100mlとの
混合溶媒に溶解し加えた。その後、クロロベンゼンを留
去し、反応温度を160〜170℃に上昇し5時間反応した。
反応後、冷却し、水中に注入してポリマーを回収した。
このポリマーをワーリング社製ブレンダーで粉砕し、
水、メタノールで数回洗浄した後、100℃減圧下乾燥し
た。得られたポリマーの特性は次の通りであった。
極限粘度=0.52dl/g(クロロホルム中、20℃で測定、以
下のものも同様) ガラス転移温度=191℃ 光弾性係数=63×1013cm2/dyne 透湿度=1.6g・mm/m2・24hrs また、コノポリマーは、1H−NMR(アセトンd6)δ
(ppm)が2.1(6H)、7.5〜8.2(24H)であり、赤外線
吸収スペクトル分析において、1250cm-1にエーテル結合
が確認され、これらのことから、次の繰り返し単位を有
していることがわかった。
(実施例2) 2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンに代えて、1−フェニル−1,1−ビス(3
−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタンを用いた
以外は、実施例1と同様にして実施した。得られたポリ
マー物性は次の通りであった。
極限粘度=0.48dl/g ガラス転移温度=215℃ 光弾性係数=55×10-13cm2/dyne 透湿度=1.1g・mm/m2・24hrs 1H−NMR分析、赤外線吸収スペクトル分析の結果は実
施例1と同じであり、このポリマーは次の繰り返し単位
を有していることがわかった。
(比較例1) 2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンに代えて、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパンを用いた以外は、実施例1と同様にし
て実施した。得られたポリマー物性は次の通りであっ
た。
極限粘度=0.62dl/g ガラス転移温度=193℃ 光弾性係数=93×10-13cm2/dyne 透湿度=3.2g・mm/m2・24hrs このポリマーは次の繰り返し単位からなるものであ
る。
〔発明の効果〕 本発明のポリスルホン樹脂は、特定の繰り返しモノマ
ー単位を有し、特定の極限粘度を有する新規なポリスル
ホン樹脂であり、耐熱性、剛性、強靱性、耐熱化性、耐
加水分解等の諸特性に優れるととも、成形時の流動性が
向上しており、しかも光弾性係数が適度に低下してお
り、したがって比較的温度な条件で容易に成形加工を行
うことができ、成形加工による光学歪みが著しく抑制さ
れた光学異方性が著しく小さい成形品を得ることができ
る等の有利な点を有するものである。
本発明の第2の発明は、上記のポリスルホン樹脂の製
造に際して特定のビスフェノール類、ビス(4−クロロ
フェニル)スルホン等のビス(4−ハロフェニル)スル
ホンおよび水酸化ナトリウム等の強アルカリ化合物を反
応原料として用いるので、工程が単純化でき、反応効率
が高く、経済的であり、しかも従来のポリスルホン樹脂
の製造プロセスを容易に応用できるなどの優れた利点を
有するものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔ただし、式(1)中、Yは、単結合、エーテル結合、
    チオエーテル結合、 (ただし、R1およびR2は、水素原子、C1〜C6のアルキル
    基、またはフェニル基を表す。)、CH2 (ただ
    し、nは、2〜10の整数を表す。)、または (ただし、mは、4〜8の整数を表す。)を表す。〕 で表される繰り返し単位を有し、かつ、クロロホルム
    中、20℃における極限粘度が、0.4dl/g以上であること
    を特徴とするポリスルホン樹脂。
  2. 【請求項2】一般式(II) 〔ただし、式(1)中、Yは、単結合、エーテル結合、
    チオエーテル結合、 (ただし、R1およびR2は、水素原子、C1〜C6のアルキル
    基、またはフェニル基を表す。)、CH2 (ただ
    し、nは、2〜10の整数を表す。)、または (ただし、mは、4〜8の整数を表す。)を表す。〕 で表されるビスフェノール類と一般式(III) 〔ただし、式中X1およびX2は、それぞれ、ハロゲン原子
    を表す。なお、X1とX2は、互いに同じ種類であってもよ
    く、異なった種類であってもよい。〕 で表される化合物とを、反応させることを特徴とする一
    般式 〔ただし、式(I)中、Yは前記と同じ意味を有す
    る。〕 で表される繰り返し単位を有し、かつ、クロロホルム
    中、20℃における極限粘度が、0.4dl/g以上であるポリ
    スルホン樹脂の製造法。
  3. 【請求項3】前記一般式(III)で表される化合物が、
    ビス(4−クロロフェニル)スルホンである特許請求の
    範囲第2項記載のポリスルホン樹脂の製造法。
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