JPH05339363A - 芳香族ポリエーテル系共重合体の製造法 - Google Patents

芳香族ポリエーテル系共重合体の製造法

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JPH05339363A
JPH05339363A JP15095392A JP15095392A JPH05339363A JP H05339363 A JPH05339363 A JP H05339363A JP 15095392 A JP15095392 A JP 15095392A JP 15095392 A JP15095392 A JP 15095392A JP H05339363 A JPH05339363 A JP H05339363A
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aromatic
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polymer
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Application number
JP15095392A
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English (en)
Inventor
Mikiya Hayashi
幹也 林
Chikafumi Kayano
慎史 茅野
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、機械的強度、耐熱性、耐溶
剤性等に優れ、特に成形性及び成形品の機械的強度等の
性能が改善された芳香族ポリエーテル系共重合体を、ポ
リマー鎖に分岐構造を有する形で製造することのできる
製造法を提供することにある。 【構成】 本発明は、ジハロゲノ芳香族ケトン化合物と
ジハロゲノベンゾニトリルと二価フェノ−ル類と反応性
官能基を3個以上含有する多官能性化合物とをアルカリ
金属化合物の存在下に、溶媒中で反応させることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族ポリエーテル系
共重合体の製造法に関し、さらに詳しく言うと、機械的
強度、耐熱性、耐溶剤性等に優れ、特に成形性及び成形
品の機械的強度等の性能が改善された芳香族ポリエーテ
ル系共重合体を、ポリマー鎖に分岐構造を有する形で有
利に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】近年、機
械的強度、耐熱性等に優れた様々なエンジニアリング樹
脂が開発されており、一部のものは実用に供するされて
いる。しかし、それらいずれの樹脂についても、その性
能はすべての面で十分に満足するに至ってはいない。ま
た、エンジニアリング樹脂に期待される利用分野も、自
動車分野、航空分野、電気・電子分野、精密機械分野、
OA機器分野、光通信機器分野などと極めて広範囲・多
岐に渡っており、更に、用途の拡充、機能の高度化に伴
い、その要求性能もますます厳しくなってきている。し
たがって、従来のエンジニアリング樹脂では不十分であ
り、こうした要求性能を満たす新しい樹脂の開発が望ま
れている。
【0003】また、これらエンジニアリング樹脂の製造
方法についても様々な検討がなされているが、なお、改
善すべき点が種々残されている。
【0004】ところで、エンジニアリング樹脂の代表的
なものとして、特に耐熱性等に優れた芳香族ポリエーテ
ル系樹脂が知られている。この芳香族ポリエーテル系樹
脂には、芳香族ポリエーテルケトン、芳香族ポリシアノ
エーテル、更には、芳香族ポリ(エーテルケトン/シア
ノエーテル)系共重合体等の芳香族ポリシアノエーテル
系共重合体などがある。これらの中でも、芳香族ポリエ
ーテル系共重合体に分類される芳香族ポリ(エーテルケ
トン/シアノエーテル)系共重合体は、機械的強度、耐
熱性、耐溶剤性等のエンジニアリング樹脂としての基本
特性に優れている上に、特にガラス転移温度が高いなど
優れた特性を有する樹脂として注目されており、この共
重合体は、例えば、ジハロゲノ芳香族ケトン化合物とジ
ハロゲノベンゾニトリルと二価フェノ−ル類とをアルカ
リ金属炭酸塩等のアルカリ金属化合物の存在下、中性極
性溶媒等の溶媒中で反応(共重合)させることによって
好適に製造することができることが知られている(特開
平2−255833号公報、特開平3−162416号
公報参照)。
【0005】しかしながら、これらの公報に記載されて
いる芳香族ポリエーテル系共重合体においても、前記の
ようにして重合させる際に分岐剤を添加しないで反応さ
せると得られるポリマーの分子量が不足し、十分に高分
子量のポリマーを得るためには、より高温で長時間の反
応を要するという欠点があり、また、ポリマーの成形性
や強度、伸びなどの点で必ずしも満足することのできる
ものではなかった。
【0006】本発明は、前記の事情に基づいてなされた
ものである。本発明の目的は、芳香族ポリ(エーテルケ
トン/シアノエーテル)系共重合体である芳香族ポリエ
ーテル系共重合体について、分岐剤を用いて重合するこ
とによって生じる前記従来の製造上の欠点を解決すると
共に、ポリマー鎖に適当な分岐構造を導入し、場合によ
っては、共重合組成を特定の範囲に絞ることによって、
前記従来の成形性、成形品の機械的強度等の問題点を解
決し、従来よりもより温和な反応条件で十分に高分子の
ポリマーを容易に得ることができ、該ポリマーの本来の
優れた特性を十分に生かした上で、樹脂の実用成形温度
における成形性および成形品の機械的強度を十分に高め
ることができるなどの利点を有する実用上著しく有用な
芳香族ポリエーテル系共重合体の製造法を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ジハロゲ
ノ芳香族ケトン化合物とジハロゲノベンゾニトリルと二
価フェノ−ル類とをアルカリ金属炭酸塩等のアルカリ金
属化合物の存在下、中性極性溶媒等の溶媒中で反応(共
重合)させることによって得られるところの、芳香族ポ
リ(エーテルケトン/シアノエーテル)系共重合体であ
る芳香族ポリエーテル系共重合体について、前記したよ
うな製造上の欠点、成形性および成形品の機械的強度等
の問題点を解決すべく、鋭意研究を重ねた。その結果、
たとえばフェノール性水酸基やカルボキシ基等の反応性
官能性を3個以上有する多官能性化合物という適当な分
岐剤を添加して該重合を行うことによって、従来よりも
より温和な反応条件で分子量の極めて高いポリマーを容
易に得ることができて前記製造上の欠点を解決すること
ができ、同時に、ポリマー鎖に適当な分岐構造が導入さ
れるので、得られたポリマーやその組成物の実用成形温
度における成形性が著しく向上し、また、成形品の機械
的強度も著しく改善することができるなど優れた改善効
果が得られることを見いだした。また、共重合組成を特
定の範囲に絞ることによって、これらの効果をより一層
向上させることも確認した。
【0008】本発明者らは主としてこれらの知見に基づ
いて本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、前記課題を解決するための請求
項1に記載の発明は、次の一般式(化1);
【0010】
【化1】
【0011】{ただし、式(化1)中のXはハロゲン原
子を表し、nは1又は2である。}で表されるジハロゲ
ノ芳香族ケトン化合物(化1)と次の一般式(化2);
【0012】
【化2】
【0013】{ただし、式(化2)中のXはハロゲン原
子を表す。}で表されるジハロゲノベンゾニトリル(化
2)と次の一般式(化3);
【0014】
【化3】
【0015】{ただし、式(化3)中のArは芳香族残
基を表す。}で表される二価フェノ−ル類(化3)と反
応性官能基を3個以上含有する多官能性化合物とをアル
カリ金属化合物の存在下に、溶媒中で反応させることを
特徴とする芳香族ポリエーテル系共重合体の製造法であ
り、請求項2に記載の発明は、前記芳香族ポリエーテル
系共重合体が、少なくとも、次の一般式(化4);
【0016】
【化4】
【0017】{ただし、式(化4)中のnは1または2
を表し、Arは芳香族残基を表す。}で表される繰り返
し単位(化4)と次の一般式(化5);
【0018】
【化5】
【0019】{ただし、式(化5)中のArは芳香族残
基を表す。}で表される繰り返し単位(化5)とを含有
する前記請求項1に記載の芳香族ポリエーテル系共重合
体の製造法であり、請求項3に記載の発明は、前記芳香
族ポリエーテル系共重合体中の前記繰り返し単位(化
4)と前記繰り返し単位(化5)との合計に対する前記
繰り返し単位(化4)のモル比が0.50〜0.90で
あり、前記繰り返し単位(化5)のモル比が0.5〜
0.1である前記請求項2に記載の芳香族ポリエーテル
系共重合体の製造法である。
【0020】本発明の製造法において、共重合の原料モ
ノマーとして用いる前記一般式(化1)で表されるジハ
ロゲノ芳香族ケトン化合物(化1)において、Xはハロ
ゲン原子を表し、その具体例としては、フッ素原子、塩
素原子を挙げることができ、2つのXは同じハロゲン原
子でもよいし、異なるハロゲン原子でもよい。このジハ
ロゲノ芳香族ケトン化合物(化1)は、原料の入手の容
易性等の点からすると、通常、ハロゲン原子Xが塩素原
子であるジクロロ芳香族ケトン化合物が好適に使用され
る。また、ジハロゲノ芳香族ケトン化合物(化1)にお
けるハロゲン原子の置換位置からすると、通常は、4,
4’−ジハロゲノベンゾフェノンあるいはビス(4−ハ
ロベンゾイル)型の化合物が好ましい。
【0021】前記一般式(化1)において、nは1また
は2を表すが、通常、原料の入手しやすさの点から、n
が1であるジハロゲノベンゾフェノン類が好適である。
前記ジハロゲノ芳香族ケトン化合物(化1)の具体例と
しては、たとえば、4,4’−ジクロロベンゾフェノ
ン、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、4−クロロ
−4’−フルオロベンゾフェノン、3,4’−ジクロロ
ベンゾフェノン等のジハロゲノベンゾフェノン類、1,
4−ビス(4−クロロベンゾイル)ベンゼン、1,4−
ビス(4−フルオロベンゾイル)ベンゼンなどの1,4
−ビス(4−ハロベンゾイル)類などを挙げることがで
きる。これらの中でも、特に、4,4’−ジクロロベン
ゾフェノン、1,4−ビス(4−クロロベンゾイル)ベ
ンゼンなどが好ましく、特に、4,4’−ジクロロベン
ゾフェノンが好ましい。
【0022】なお、これらのジハロゲノ芳香族ケトン化
合物(化1)は、一種単独で使用してもよく、二種以上
を併用することもできる。
【0023】本発明の製造法において、共重合の原料モ
ノマーとして用いる前記一般式(化2)で表されるジハ
ロゲノベンゾニトリル(化2)において、Xはハロゲン
原子を表すが、該ハロゲン原子としては、フッ素原子、
塩素原子のいずれでもよく、ジハロゲノベンゾニトリル
(化2)中の2つのXは同じハロゲン原子でもよいし、
異なるハロゲン原子でもよい。このジハロゲノベンゾニ
トリル(化2)は、原料の入手の容易性等の点で、通
常、ハロゲン原子が塩素原子であるジクロロベンゾニト
リルが好適に使用される。また、ジハロゲノベンゾニト
リル(化2)におけるハロゲン原子の置換位置として
は、通常は、2,6−位置および2,4−位置が好まし
い。
【0024】前記ジハロゲノベンゾニトリル(化2)の
具体例としては、たとえば、2,6−ジクロロベンゾニ
トリル、2,6−ジフルオロベンゾニトリル、2,4−
ジクロロベンゾニトリル、2,4−ジフルオロベンゾニ
トリルなどを挙げることができる。これらの中でも、
2,6−ジクロロベンゾニトリル、2,4−ジクロロベ
ンゾニトリルなどが好ましく、特に、2,6−ジクロロ
ベンゾニトリルが好ましい。
【0025】なお、これらのジハロゲノベンゾニトリル
(化2)は、一種単独で使用してもよく、二種以上を併
用することもできる。
【0026】本発明の製造法において、共重合の原料モ
ノマーとして用いる前記一般式(化3)で表される二価
フェノール類(化3)としては、従来の芳香族ポリエー
テル類や芳香族ポリカーボネート類等を製造する際にモ
ノマーとして使用され得るうる二価フェノール類等を使
用することができ、前記二価フェノール類の具体例とし
ては、 、たとえば、次の一般式(化6)
【0027】
【化6】
【0028】{ただし、式中、R1 は、炭素数が1〜8
であるアルキル基、炭素数が5〜8であるシクロアルキ
ル基、炭素数が1〜8であるアルコキシ基、炭素数が6
〜10であるアリールオキシ基、またはシアノ基を示し、
pは0〜4の整数を示し、好ましくは0〜2の整数、特
に好ましくは0を示す。}で表わされるジヒドロキシベ
ンゼン類、または次の一般式(化7)または一般式(化
8)
【0029】
【化7】
【0030】
【化8】
【0031】{ただし、式(化7)中、R2 およびR3
は、それぞれ前記R1 と同様の意味を有し、R2 および
3 は、互いに同一であっても相違していてもよい。k
およびjはそれぞれ0〜4の整数、好ましくは0〜2の
整数、特に好ましくは0を示し、互いに同一であっても
相違していても良い。また、式(化8)中、R4 および
5 はそれぞれ前記R1 と同様の意味を有し、R4 およ
びR5 は互いに同一であっても相違していても良い。S
は0〜4の整数、好ましくは0〜2の整数、特に好まし
くは0を示し、tは、0〜2の整数、特に好ましくは0
を示す。}で表わされるジヒドロキシナフタレン類、ま
たは、次の一般式(化9)
【0032】
【化9】
【0033】{ただし、式中、R6 およびR7 は、前記
1 と同様の意味を有し、互いに同一であっても相違し
ていても良い。UおよびVはそれぞれ0〜2の整数を示
し、特に好ましくは0を示し、またUおよびVは互いに
同一であっても相違していても良い。Yは、単結合、−
O−、−S−、−CO−、−SO2 −、次の一般式−
(CR89q −≪ただし、式中、R8 およびR9
は、それぞれ水素原子、炭素数が1〜7であるアルキル
基、炭素数が5〜8であるシクロアルキル基、炭素数が
5〜8であるシクロアルキル基、または炭素数が6〜8
であるアリール基を示し、互いに同一であっても相違し
ていても良い。qは1〜8の整数、好ましくは1〜4の
整数、特に好ましくは1を示す。≫で表わされる二価の
基または次の一般式(化10)
【0034】
【化10】
【0035】≪ただし、式中、rは5〜8の整数を示
す。≫}で表わされるビスフェノール類を好適に使用す
ることができる。
【0036】前記R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6
およびR7 の具体例としては、たとえば、メチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基、メチルシクロペンチル基、シクロペンチルメチル
基、シクロヘキシルメチル基、フェニル基、ベンジル
基、トリル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、フェノキシ基、シアノ基等を挙げることができ、中
でも特にメチル基が好ましい。
【0037】前記一般式(化5)中のYが、前記一般式
−(CR89q −で表わされる二価の基の場合、前
記式中のR8 およびR9 の具体例としては、たとえば水
素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル
基、トリル基、ベンジル基、シクロヘキシル基等を挙げ
ることができる。
【0038】一般式−(CR89q −で表わされる
二価の基として好ましいのは、たとえば、−CH2 −、
>CH(CH3 )、>C(CH32 、>CH(C6
5 )、>C(CH3 )(C65 )等を挙げることがで
き、中でも、特に>C(CH32 が好ましい。
【0039】前記一般式(化6)ないし(化9)で表わ
される二価フェノール類の具体例としては、たとえば、
1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシ
ベンゼン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−
ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタ
レン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒ
ドロキシナフタレン、4,4’−ジヒドロキシビフェニ
ル(4,4’−ビスフェノール)、3,4’−ジヒドロ
キシビフェニル、3,3−ジヒドロキシビフェニル、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’
−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒド
ロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル
スルホン、2,2−ビス( 4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,4
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−2−フェニルエタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ンなどあるいは、これらに前記R1 、R2 などの置換基
を有するものを挙げることができる。
【0040】これらの中でもR1 、R2 などの置換基を
有しないものが、原料の入手し易さ等の点から好まし
く、また、1,4−ジヒドロキシベンゼン類、2,6−ジ
ヒドロキシナフテン類、1,4−ジヒドロキシナフタレ
ン類、4,4’−ビスフェノール類などが得られるポリ
マーの物性等の点から好ましく、中でも特に、1,4−
ヒドロキシベンゼン(ハイドロキノン)、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノール
A)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル等が好まし
い。
【0041】なお、これらの二価フェノール類は、一種
単独で用いてもよく、二種以上を混合物等として併用し
てもよい。本発明の製造法において、前記反応(共重
合)の際に反応原料成分として用いる前記反応性官能基
を3個以上含有する多官能性化合物としては、反応(共
重合)によってポリマー鎖に取り込まれてポリマー鎖に
分岐構造を導入することができるもの、あるいは、反応
後該3個以上の反応性官能基のうちの少なくとも1個が
残る形でポリマー鎖に取り込まれるものであれば多種多
様なものが使用可能である。
【0042】この多官能性化合物における反応性官能基
としては、たとえば、水酸基(特にフェノール性水酸
基)、カルボキシ基(特に、芳香族環に直接結合したカ
ルボキシ基)などが好ましい。多官能性化合物における
該反応性官能基の数としては、3個以上であれば特に制
限はないが、通常は、3個または4個が好適であり、特
に、3個が好ましい。
【0043】また、前記多官能性化合物としては、芳香
族環に直接結合している水酸基やカルボキシ基等の反応
性官能基を多官能性化合物1分子あたり3個以上、好ま
しくは3個または4個有する多官能性芳香族化合物が好
適に使用される。この多官能性芳香族化合物の母体とな
る芳香族環としては、たとえば、ベンゼン環、ビフェニ
ル環、ナフタレン環、アントラセン環など各種の芳香族
環を挙げることができ、これらには、前記反応性官能基
以外の置換基が置換されていてもよい。
【0044】このように、前記多官能性化合物として
は、多種多様なものが使用可能である。
【0045】前記多官能性化合物のうち好ましいものの
具体例としては、たとえば、1,3,5−トリヒドロキ
シベンゼン、1,3,4−ヒドロキシベンゼン、1,
3,5−トリカルボキシベンゼン、1,3,4−トリカ
ルボキシベンゼン、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、
3,5−ジヒドロキシ安息香酸、5−ヒドロキシ−1,
3−カルボキシベンゼンなどのフェノール性水酸基やカ
ルボキシ基が合計3個結合したベンゼン類、ビス(2,
3−ジヒドロキシフェニル)ケトン等のフェノール性水
酸基やカルボキシ基を合計3個または4個結合したベン
ゾフェノン類、1,3,5−トリス{1−メチル−1−
(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン(すなわ
ち、トリスフェノール)などのトリスフェノール類若し
くはトリフェノール類、テトキス(4−ヒドロキシフェ
ニル)メタンなどのテトラキスフェノール類若しくはテ
トラフェノール類などを例示することができる。また、
これら例示の各種の多官能性芳香族化合物に、たとえ
ば、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリール
オキシ基などが置換された化合物等も適宜使用可能であ
る。
【0046】これらの中でも、特に、フェノール性水酸
基を3個有する三価フェノール類が好ましい。
【0047】なお、これらの多官能性化合物は、一種単
独で使用してもよく、二種以上を併用することもでき
る。
【0048】本発明の製造法において、前記反応(共重
合)の際に反応成分として用いる前記アルカリ金属化合
物としては、前記二価フェノ−ル類(化3)をアルカリ
金属塩にすることのできるものであればよく、特に制限
はないが、好ましいのはアルカリ金属炭酸塩、アルカリ
金属炭酸水素塩である。
【0049】前記アルカリ金属炭酸塩としては、たとえ
ば炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸
ルビジウム、炭酸セシウムなどを挙げることができる。
これらの中でも、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムが
好ましい。
【0050】前記アルカリ金属炭酸水素塩としては、た
とえば炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水
素カリウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水素セシウムな
どを挙げることができる。これらの中でも、炭酸水素ナ
トリウムおよび炭酸水素カリウムが好ましい。
【0051】本発明の製造法においては、上記各種のア
ルカリ金属化合物の中でも、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウムを特に好適に使用することができる。
【0052】なお、これらのアルカリ金属化合物は、一
種単独で使用してもよく、二種以上を併用することもで
きる。
【0053】本発明の製造法において、前記反応(重
合)の際使用する前記溶媒としては、特に制限はなく、
公知のこの種のポリマーの重合反応の際に使用または提
案されている多種多様な溶媒若しくは溶媒系を使用する
ことができる。通常は、中性極性溶媒あるいはこれを主
成分とする混合溶媒(たとえば、トルエン等の芳香族溶
媒等との混合溶媒など)が好適に使用される。
【0054】前記中性極性溶媒としては、たとえば、N
−メチル−2−ピロリドン(NMP)、2,6−ジメチ
ルイミダゾリン(DMI)、ジメチルアセトアミド(D
MAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジフェニ
ルスルホン(DPS)、N−メチルカプロラクタム(N
MC)、ベンゾフェノン、フルオレン、ジベンゾチオフ
ェニルスルホンなどを挙げることができるが、これらに
限定されるものではない。
【0055】本発明の製造法においては、少なくとも、
前記ジハロゲノ芳香族ケトン化合物(化1)とジハロゲ
ノベンゾニトリル(化2)と二価フェノ−ル類(化3)
とを前記アルカリ金属化合物の存在下、前記溶媒中で反
応させ共重合を行うが、該反応を前記多官能性化合物の
存在下で行うことが重要である。すなわち、前記反応を
少なくとも前記反応性官能基を3個以上含有する多官能
性化合物の存在下で行うことによって、はじめて本発明
の目的を達成することができる。
【0056】ここで、前記反応に供する前記多官能性化
合物の使用割合は、その反応に供する前記二価フェノ−
ル類(化3)に対するモル比(多官能性化合物/化3)
で、通常、(0.1/100)〜(10/100)、好
ましくは(0.2/100)〜(5/100)の範囲に
選定するのが適当である。ここで、この使用割合が0.
1/100未満であると、前記多官能性化合物の添加割
合が少な過ぎて、生成ポリマーを十分に高分子量化する
ことが困難となったり、あるいは十分に高分子量化する
のに高温で長時間の反応を要したり、更には、成形性の
改善効果や成形品の機械的強度の向上効果が十分に得ら
れないことがあり、本発明の目的を十分に達成すること
ができない。一方、この使用割合が、10/100を超
えるとと、前記多官能性化合物の添加割合が多過ぎて、
生成ポリマーのゲル化が起こり易くなったり、また、成
形性が低下するなどの支障を生じ易くなる。
【0057】前記反応に供する前記ジハロゲノ芳香族ケ
トン化合物(化1)の使用割合は、その反応に供する前
記ジハロゲノベンゾニトリル(化2)に対するモル比
((化1)/(化2))で、通常、(0.50/0.5
0)〜(0.90/0.10)、好ましくは、(0.6
/0.4)〜(0.8〜0.2)の範囲に選定するのが
好適である。この使用割合{モル比(化1)/(化
2)}が、0.5/0.5未満では、得られるポリマー
の共重合組成を好適にするための反応制御が難しくな
り、生成ポリマーの結晶性等の特性が低下するなどの支
障を生じることがあり、一方、0.90/0.10を超
えると同様に好適な共重合組成を有するポリマーを得る
ための反応制御が難しくなり、生成ポリマーの電気特
性、靭性、強度等の特性が低下するなどの支障を生じる
ことがある。
【0058】本発明の製造法において、前記二価フェノ
−ル類(化3)の好ましい使用割合は、使用する前記多
官能性化合物の使用割合だけでなく、その反応性官能基
の種類や数等の他の条件に依存するので、一律に定める
ことができないが、一般に、前記ジハロゲノ芳香族ケト
ン化合物(化1)と前記ジハロゲノベンゾニトリル(化
2)との合計使用量に対する前記二価フェノ−ル類(化
3)と前記多官能性化合物との合計使用量の割合がモル
比{(化3+多官能性化合物)/(化1+化2)}で、
通常、具体的には、0.90〜1.00の範囲に選定す
るのが好ましく、特に、0.95〜0.99の範囲に選
定するのが好ましい。
【0059】前記反応に使用する前記アルカリ金属化合
物の好ましい使用割合は、使用する前記多官能性化合物
の使用割合やその反応性官能基の種類や数等の他の条件
に依存するので一律に定めることができないが、一般
に、該二価フェノ−ル類(化3)と前記多官能性化合物
の合計使用量に対する該アルカリ金属化合物の使用量の
割合が当量比で、通常、1.01〜2.5の範囲に選定
するのが好ましく、特に、1.03〜1.5の範囲に選
定するのが好ましい。ここで、二価フェノ−ル類につい
ては1モルを2当量、多官能性化合物についてはその反
応性官能基の数をkとした時、1モルをk当量として計
算し、一方、アルカリ金属化合物については通常通りの
計算を行い、たとえばアルカリ金属炭酸塩の場合は1モ
ルを2当量、アルカリ金属炭酸水素塩の場合は1モルを
1当量として計算する。
【0060】前記溶媒の好ましい使用割合は、使用する
溶媒の種類等の他の条件によって異なるので一律に定め
ることができないが、中性極性溶媒を使用する場合に
は、使用する反応原料の合計モル量{(化1)+(化
2)+(化3)+(化4)}の使用する中性極性溶媒の
200ml当たりの割合が、通常、0.05モル/20
0ml〜1.0モル/200mlの範囲になる割合に選
定するのが好ましい。
【0061】前記反応を行うにあたって、該反応系を構
成するための各成分の混合順序および混合方式は従来行
われるように適宜随意に行うことができ、たとえば、前
記溶媒に反応原料等の各成分を同時に添加してもよい
し、逐次的に添加してもよい。もちろん、前記多官能性
化合物も反応開始前に添加してもよいし、反応中に添加
してもよいし、これらの組み合わせによって行ってもよ
い。また、溶媒についても、一部を適宜反応の途中で添
加(追加)するなど段階的に添加してもよい。その際、
異なる種類や組成の溶媒を添加する方式も好適に使用さ
れる。
【0062】前記反応を行う際しての反応温度は、通
常、150〜380℃の範囲で行うのが好適であり、よ
り好ましい反応温度の範囲は、200〜350℃であ
る。反応時間は、通常、0.1時間〜10時間程度で十
分である。
【0063】なお、前記反応は、終始同一の温度で行っ
てもよいが、反応温度を連続的にあるいは段階的に変化
させるなど反応温度を反応の進行(重合度)に合わせて
適当なモードで変化させる方式が好適に採用される。た
とえば、前記反応を比較的低温で行い、オリゴマー程度
の比較的分子量の低いポリマーを生成させから、反応温
度を上昇し、所望の高分子量のポリマーとする方式が好
適に採用される。
【0064】以上のようにして、ポリマー鎖の分岐構造
を有しない部分の構造が前記一般式(化4)で表される
繰り返し単位(化4)および前記一般式(化5)で表さ
れる繰り返し単位(化5)からなる所望のポリマー(芳
香族ポリエーテル系共重合体)を合成することができ
る。なお、このポリマーには、添加した多官能性化合物
がポリマー鎖に取り込まれることによって分岐構造が導
入されている。
【0065】このようにして所望の分岐構造を有する芳
香族ポリエーテル系共重合体を得ることができるが、得
られたポリマーを構成する前記繰り返し単位(化4)と
(化5)の含有割合が、モル比(化4/化5)で、通
常、(0.5/0.5)〜(0.9/0.1)の範囲、
好ましくは、(0.6/0.4)〜(0.8/0.2)
の範囲にあるものとするのが良い。このような共重合組
成の範囲にある芳香族ポリエーテル系共重合体は、電気
特性、強度、耐熱性などの点で特に優れた特性や性能を
有するからである。
【0066】以上のようにして、十分に高分子量の所望
のポリマーを温和な条件で、短時間の反応で容易に得る
ことができ、ポリマーの、JIS K7210に準じ
て、400℃、荷重5,000gの条件で測定したメル
トインデックス(MI)を0.1〜500g/10分、
好ましくは0.2〜200g/10分であるような所望
の値に容易に制御することができる。また、ガラス転移
温度Tg および結晶融点Tm が、それぞれ、Tg =17
0〜200℃の範囲およびTm =300〜450℃にあ
るような高いガラス転移温度および結晶融点を有する極
めて耐熱性のよいポリマーを容易に得ることができる。
【0067】前記のようにして合成されたポリマーは、
常法に従って反応生成混合物から分離・回収・精製して
所望の精製度のポリマーとして取得することができる。
たとえば、ポリマーを溶媒等を除去することによって分
離回収し、たとえば、メタノールや熱水等による適当な
洗浄液による洗浄を行ったり、また、この洗浄段階で必
要に応じて、たとえば塩酸等のアルカリ成分除去剤等に
よる脱塩処理等を施すなど必要に応じた後処理を施し
て、更には、適宜乾燥する方法等が好適に採用される。
その際、適宜、ポリマーを粉砕するなどして洗浄効果を
高める方式も好適に採用することができる。
【0068】以上、本発明の製造法によって所望の各種
の芳香族ポリエーテル系共重合体を容易に製造すること
ができる。本発明の製造法によって製造した芳香族ポリ
エーテル系共重合体は、前記したようにガラス転移温
度、融点が高く、また熱分解開始温度も極めて高いなど
耐熱性に著しく優れており、また、機械的強度、耐溶剤
性等にも優れており、しかも、前記多官能性化合物の添
加により分岐構造を導入していない従来の同類のポリマ
ーに比べて、特に、射出成形や製膜成形等の各種成形
(特に溶融成形)時における成形性、特に実用成形温度
領域における樹脂の成形性が著しく向上しており、成形
後の成形品の機械的強度も著しく向上しているなどの利
点有する優れたポリマーである。
【0069】したがって、本発明の製造法によって製造
した各種の芳香族ポリエーテル系共重合体は、たとえ
ば、電気・電子機器分野、航空分野、機械分野等をはじ
めとする広い範囲の分野における素材として好適に、し
かも有利に利用することができる。
【0070】
【実施例】以下、本発明の実施例およびその比較例によ
って本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら
の実施例に限定されるものではない。
【0071】(実施例1)アルゴンガス導入管、撹拌装
置、ト字管、熱電対、およびバンドヒータを備えた30
0mlのセパラブルフラスコに4,4’−ジクロロベン
ゾフェノン21.726g(0.086モル)、2,6
−ジクロロベンゾニトリル6.378g(0.037モ
ル)、4,4’−ビフェノール22.345g(0.1
20モル)、無水炭酸カリウム17.418g(0.1
26モル)、ジフェニルスルフォン160g(733モ
ル)、トリスフェノール1.153g(0.0024モ
ル)を投入し、無水炭酸カリウム以外の原料が溶解する
まで150℃にマントルヒータで加熱した。溶解したこ
とを確認してから撹拌下に、反応器内部の温度を2℃/
minの速度で250℃にまで昇温し、そのまま90分
間保持し、オリゴマーを生成させた。次に反応器内部の
温度を2℃/minの速度で340℃にまで昇温し、そ
のまま20分間反応させて、反応を実質的に終了した。
【0072】反応終了後に、反応器の内容物をバットに
入れて固化させ、薬匙で大まかに粉砕した。その後に更
にワーリングブレンダーで細かく粉砕し、熱メタノール
で6回、シュウ酸水溶液で1回、熱水で3回順次に洗浄
し、その後130℃で一昼夜かけて乾燥して目的のポリ
マー粉末を得た。
【0073】こうして得られたポリマーはNMRおよび
IR分析により、以下の化11で示される構造単位およ
び共重合組成を有する芳香族ポリエーテル共重合体であ
ることが確認された。
【0074】
【化11】
【0075】また、この芳香族ポリエーテル系共重合体
は、IRの分析によりトリスフェノールに基づく分岐構
造を有していることが確認された。
【0076】この芳香族ポリエーテル系共重合体のガラ
ス転移温度Tg、結晶化温度Tcc、結晶融点Tm、M
I、MI(20kg)/MI(5kg)を表1に示し
た。
【0077】この芳香族ポリエーテル系共重合体を加藤
金属工業所製の卓上テストプレス機により、成形温度3
80℃、圧力50kgf/m2 という成形条件にてフィ
ルム成形したところ、成形時のポリマーの流動性が良好
であるなどと言った良好な成形性を示した。
【0078】得られたフィルムを引張特性を測定した。
その結果を表2に示した。
【0079】(実施例2)前記実施例1においてトリス
フェノールの量を0.384g(0.0008モル)に
代えると共に340℃での時間を20時間に代えたこと
の外は前記実施例1と同様にして重合し、得られたポリ
マーを同様の後処理を行って粉末ポリマーを得た。
【0080】得られた粉末ポリマーを実施例1と同様に
して芳香族ポリエーテル共重合体であることを確認し
た。また、この芳香族ポリエーテル系共重合体は、IR
の分析によりトリスフェノールに基づく分岐構造を有し
ていることが確認された。
【0081】この芳香族ポリエーテル系共重合体につき
実施例1と同様にして評価しその結果を表1および表2
に示した。
【0082】(実施例3)前記実施例1においてトリス
フェノールの量を0.769g(0.0016モル)に
代えると共に340℃での時間を20時間に代えたこと
の外は前記実施例1と同様にして重合し、得られたポリ
マーを同様の後処理を行って粉末ポリマーを得た。
【0083】得られた粉末ポリマーを実施例1と同様に
して芳香族ポリエーテル共重合体であることを確認し
た。また、この芳香族ポリエーテル系共重合体は、IR
の分析によりトリスフェノールに基づく分岐構造を有し
ていることが確認された。
【0084】この芳香族ポリエーテル系共重合体につき
実施例1と同様にして評価しその結果を表1および表2
に示した。
【0085】(比較例1)前記実施例1においてトリス
フェノールを使用しないことおよび340℃での反応時
間を30分に代えたことの外は前記実施例1と同様にし
て重合し、得られたポリマーを同様の後処理を行って粉
末ポリマーを得た。
【0086】得られた粉末ポリマーを実施例1と同様に
して芳香族ポリエーテル共重合体であることを確認し
た。しかし、この芳香族ポリエーテル系共重合体は、I
Rの分析によりトリスフェノールに基づく分岐構造を有
していないことが確認された。
【0087】この芳香族ポリエーテル系共重合体につき
実施例1と同様にして評価しその結果を表1および表2
に示した。
【0088】(比較例2)前記実施例1においてトリス
フェノールを使用しないことおよび340℃での反応時
間を50分に代えたことの外は前記実施例1と同様にし
て重合し、得られたポリマーを同様の後処理を行って粉
末ポリマーを得た。
【0089】この芳香族ポリエーテル系共重合体につき
実施例1と同様にして評価しその結果を表1および表2
に示した。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】
【発明の効果】本発明の製造法では、前記したように、
ジハロゲノ芳香族ケトン化合物およびジハロゲノベンゾ
ニトリルと二価フェノ−ル類を主原料モノマーとして用
いて反応(共重合)させるに際して、該反応を少なくと
も、前記多官能性化合物という分岐剤の存在下で行うと
いう特定の方法を用いているので、この分岐剤を用いな
い従来の方法と比べて、より低温でかつ短時間の反応で
十分に高分子量の所望の芳香族ポリエーテル系共重合体
を得ることができる。また、得られたポリマーには前記
多官能性化合物の取り込みによる適当な分岐構造が導入
されているので、樹脂の実用成形温度領域での成形性を
著しく向上することができ、しかも、成形後の成形品の
機械的強度も著しく向上することができる。
【0093】すなわち、本発明によると、十分な高分子
量を有し、機械的強度、耐熱性、耐溶剤性等の基本特性
に優れ、しかも、成形性および成形品の機械的強度が改
善され実用性能に優れた各種の芳香族ポリエーテル系共
重合体[芳香族ポリ(エーテルケトン/シアノエーテ
ル)系共重合体]を、十分に温和な条件での短時間で容
易に得ることができる実用上著しく優れた芳香族ポリエ
ーテル系共重合体の製造法を提供することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】
【化9】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】前記一般式(化6)ないし(化9)で表わ
される二価フェノール類の具体例としては、たとえば、
1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシ
ベンゼン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−
ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタ
レン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒ
ドロキシナフタレン、4,4’−ジヒドロキシビフェニ
ル(4,4’−ビフェノール)、3,4’−ジヒドロキ
シビフェニル、3,3−ジヒドロキシビフェニル、4,
4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスル
ホン、2,2−ビス( 4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,4−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−2−フェニルエタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ンなどあるいは、これらに前記R1 、R2 などの置換基
を有するものを挙げることができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】これらの中でもR1 、R2 などの置換基を
有しないものが、原料の入手し易さ等の点から好まし
く、また、1,4−ジヒドロキシベンゼン類、2,6−ジ
ヒドロキシナフテン類、1,4−ジヒドロキシナフタレ
ン類、4,4’−ビフェノール類などが得られるポリマ
ーの物性等の点から好ましく、中でも特に、1,4−
ヒドロキシベンゼン(ハイドロキノン)、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノール
A)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル等が好まし
い。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】前記中性極性溶媒としては、たとえば、N
−メチル−2−ピロリドン(NMP)、2,6−ジメチ
ルイミダゾリドン(DMI)、ジメチルアセトアミド
(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジフ
ェニルスルホン(DPS)、N−メチルカプロラクタム
(NMC)、ベンゾフェノンなどを挙げることができる
が、これらに限定されるものではない。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(化1); 【化1】 {ただし、式(化1)中のXはハロゲン原子を表し、n
    は1又は2である。}で表されるジハロゲノ芳香族ケト
    ン化合物(化1)と次の一般式(化2); 【化2】 {ただし、式(化2)中のXはハロゲン原子を表す。}
    で表されるジハロゲノベンゾニトリル(化2)と次の一
    般式(化3); 【化3】 {ただし、式(化3)中のArは芳香族残基を表す。}
    で表される二価フェノ−ル類(化3)と反応性官能基を
    3個以上含有する多官能性化合物とをアルカリ金属化合
    物の存在下に、溶媒中で反応させることを特徴とする芳
    香族ポリエーテル系共重合体の製造法。
  2. 【請求項2】 前記芳香族ポリエーテル系共重合体が、
    少なくとも、次の一般式(化4); 【化4】 {ただし、式(化4)中のnは1または2を表し、Ar
    は芳香族残基を表す。}で表される繰り返し単位(化
    4)と次の一般式(化5); 【化5】 {ただし、式(化5)中のArは芳香族残基を表す。}
    で表される繰り返し単位(化5)とを含有する前記請求
    項1に記載の芳香族ポリエーテル系共重合体の製造法。
  3. 【請求項3】 前記芳香族ポリエーテル系共重合体中の
    前記繰り返し単位(化4)と前記繰り返し単位(化5)
    との合計に対する前記繰り返し単位(化4)のモル比が
    0.50〜0.90であり、前記繰り返し単位(化5)
    のモル比が0.50〜0.10である前記請求項2に記
    載の芳香族ポリエーテル系共重合体の製造法。
JP15095392A 1992-06-10 1992-06-10 芳香族ポリエーテル系共重合体の製造法 Withdrawn JPH05339363A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005154776A (ja) * 2003-11-25 2005-06-16 Xerox Corp 分枝ポリアリーレンエーテル類およびそれらの調製プロセス
JP2005154775A (ja) * 2003-11-25 2005-06-16 Xerox Corp 分枝ポリアリーレンエーテル類の調製プロセス
JP2008545038A (ja) * 2005-07-02 2008-12-11 ビクトレックス マニュファクチャリング リミテッド 高分子材料
CN106046361A (zh) * 2016-04-15 2016-10-26 电子科技大学 一种交联型聚芳醚腈及其制备方法
WO2021241492A1 (ja) * 2020-05-28 2021-12-02 東レ株式会社 結晶性ポリエーテルニトリル

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