JP3036752B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP3036752B2
JP3036752B2 JP63322359A JP32235988A JP3036752B2 JP 3036752 B2 JP3036752 B2 JP 3036752B2 JP 63322359 A JP63322359 A JP 63322359A JP 32235988 A JP32235988 A JP 32235988A JP 3036752 B2 JP3036752 B2 JP 3036752B2
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昭彦 古賀
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九州日本電気株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は相補型MOSトランジスタ構造(CMOS構造)を
備える半導体装置に関し、特に寄生サイリスタ動作を防
止した半導体装置に関する。
〔従来の技術〕
従来、CMOS構造の半導体装置における寄生サイリスタ
動作(以下ラッチアップと称す)を防止するために、第
5図,第6図,第7図に示す構造がとられている。第5
図は半導体チップ11の全体図で、外部端子に接続される
拡散層が存在する入出力領域12と、論理機能を有する内
部領域14を分離するようにガードリング領域13を設けて
いる。第6図はガードリング領域13の近傍を示し、第5
図のC−C線に沿う拡大縦断面図で、第7図はその等価
回路である。これらの図において、Q1,Q3はPチャネル
型MOSトランジスタ、Q2,Q4はNチャネルMOSトランジス
タであり、これらでCMOS構造をした2段のインバータを
構成している。
次にラッチアップ防止の機構を第8図を用いて説明す
る。なお、第8図は第6図の一部を拡大して示す図であ
り、夫々には対応する符号を付してある。
この例の場合、P型半導体基板21上にN型の島状領域
(以下、ウェルと称す)22を設け、ここにP型拡散層2
3,N型拡散層24等を形成してPチャネルMOSトランジスタ
Q3を構成している。また、このNウェル22に隣接してN
ウェル25を設け、N型拡散層26を通して電源に接続して
いる。なお、28はNチャネルMOSトランジスタQ4を構成
するN型拡散層、29はGND接続したP型拡散層である。
このとき、外部端子に接続したN型拡散層27より少数
キャリアとしてエレクトロン(電子)が注入する時を考
える。
まず外部端子が雑音等によってGNDより低い電位とな
ると、N型拡散層27とP型半導体基板21との接合が順方
向にバイアスされ、少数キャリアとしてエレクトロンが
P型半導体基板21へ注入される。このエレクトロンは拡
散によってP型半導体基板21中を移動していくが、つい
には再結合によって中和されるかNウェル25,22に入っ
て多数キャリアとして振る舞う。
次にNウェル22中に入ったエレクトロンは、P型拡散
層23の近傍のNウェルの電位を下げて今度は、P型拡散
層23とNウェル22との接合が順方向にバイアスされて、
P型拡散層23よりNウェル22中へホールが注入され、そ
の注入されたホールはNウェル22を通過してP型半導体
基板21に入り、更に近くのP型拡散層29に入っていく。
これにより、N型拡散層28の近傍の半導体基板の電位
が上がり、N型拡散層28とP型半導体基板21との接合が
順方向にバイアスされて、エレクトロンがP型半導体基
板21に注入され、ついには正帰還ループができてラッチ
アップとなってしまう。
ここで、ガードリングとしてのNウェル25が存在して
いると、N型拡散層27から注入されたエレクトロンの
内、相当な量が該Nウェル25によって吸収される。した
がって、Nウェル22にある一定量のエレクトロンが注入
されたらラッチアップが起きると仮定し、Nウェル25で
50%のエレクトロンが吸収されるとすると、ラッチアッ
プが発生する時に外部端子より注入されるエレクトロン
数は、ガードリングを設けたことにより略2倍となる。
つまり2倍のラッチアップ耐量があることになる。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、これ迄は外部端子からエレクトロンが注入
される場合について説明してきたが、近年のMOSトラン
ジスタのゲートのショートチャンネル化によって通常動
作時、ソース・ドレイン間の高電界による衝突電離現象
によるホール・エレクトロンが発生し、それに起因する
ラッチアップが問題となっている。
この問題に対して、前述したNウェルのガードリング
によるラッチアップ対策をそのまま利用すれば、第9
図,第10図のように構成される。第9図は素子一部の平
面図、第10図はそのD−D線に沿う若干拡大した縦断面
図である。
即ち、P型半導体基板31にNウェル32を設け、ここに
P型拡散層32,N型拡散層33を形成している。そして、こ
のNウェル32の周囲にガードリングとしてのNウェル35
を形成し、N型拡散層36を通して電源に接続している。
この構成によれば、Nウェル35のガードリングによ
り、第8図に示したようなラッチアップ耐量を増大でき
る。しかしながら、この構成ではNウェル32の周囲に適
宜間隔離してNウェル35を配設する必要があるため、こ
の分のスペースが通常20μm程度は必要となる。これに
より、このスペース分だけ素子に必要とされる面積が増
大し、半導体装置の集積度が低下されるという問題があ
る。
本発明はラッチアップを防止することはもとより、素
子面積を低減して集積度を高めることができる半導体装
置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、第1導電型の半導体基板に第2導電型の島
状領域を有し、前記半導体基板と前記島状領域の夫々に
MOSトランジスタを形成してなる半導体装置において、
前記島状領域には前記島状領域よりも深くて前記半導体
基板に達する深さの絶縁溝を有し、前記島状領域は前記
絶縁溝によって相互に絶縁された複数の島状領域に分離
され、かつ分離された複数の島状領域のうちの前記MOS
トランジスタが形成されていない島状領域でかつ他の島
状領域に形成されたMOSトランジスタと前記半導体基板
に形成されたMOSトランジスタとの間に位置される島状
領域の少なくとも一つには第1導電型の拡散層が存在せ
ず、かつ前記前記半導体基板に対して所要の電位の電源
が接続されていることを特徴とする。
〔作用〕
上述した構成では、ウェルの周囲にガードリングを設
ける必要がなく、しかもガードリングとウェルとのスペ
ースを設ける必要もなくなって、素子の面積を低減す
る。
〔実施例〕
次に、本発明を図面を参照して説明する。
第1図は本発明の第1実施例の平面図、第2図はその
A−A線に沿う縦断面図である。図において、1はP半
導体基板、2はNウェル、3は電源に接続されるP拡散
層、4,5は電源に接続されるN拡散層である。ここで、
前記P拡散層3とN拡散層5との間におけるNウェル5
内には、Nウェル5よりも深くリング状の溝6を形成し
ている。この溝6内には絶縁物を埋設して絶縁を保って
おり、これにより、少なくともNウェル2は、P型拡散
層3を含むウェル2aと、これを含まないウェル2bに分離
されることになる。
この構成によれば、P半導体基板1中を拡散してくる
エレクトロンをNウェル2bが吸収し、Nウェル2aに入る
キャリア数を減らすことによってラッチアップの防止を
図ることが可能になる。したがって、この構造において
は、溝6の幅が1〜2μmで実現でき従来のガードリン
グ等で必要とされる幅20μmと比べると格段に小さい面
積でラッチアップ防止が可能となる。
第3図は本発明の第2実施例の平面図、第4図はその
B−B線に沿う縦断面図である。なお、第1実施例と均
等な部分には同一符号を付してある。
この実施例では、電源に接続されるP型拡散層3が存
在するNウェル2aと、ガードリングとしてのNウェル2b
を溝7によって絶縁分離している。この場合、溝7はN
ウェル2の一辺に沿って直線状に形成しており、これに
よりNウェル2の四辺の内一辺だけを囲っている。
この実施例は少数キャリアが発生し易い場所が明白な
場合、例えばチャンネル幅が大きいトランジスタがある
方向だけを考えた場合である。この実施例の場合も第1
実施例と同じように小さい面積でラッチアップを防止す
ることができる。
以上P型半導体基板上にNウェルを形成した場合につ
いて説明したが、N型半導体基板上にPウェルを形成し
た場合でも同じ効果が期待できるのは明白である。
〔発明の効果〕
第1導電型の半導体基板に形成された第2導電型のウ
ェルが、ウェルよりも深くて半導体基板に達する深さの
絶縁溝によって相互に絶縁された複数のウェルに分離さ
れ、かつ分離された複数のウェルのうちのMOSトランジ
スタが形成されていないウェルの1つには第1導電型の
拡散層が存在せず、かつ前記半導体基板に対して所要の
電位の電源が接続されているので、このウェルはラッチ
アップ防止用のガードリングとして機能することにな
り、したがって、ウェルの周囲にガードリング及びその
ためのスペースを設ける必要がなく、小さい面積でラッ
チアップ防止を可能にして、高集積化を図ることができ
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例の平面図、第2図は第1図
のA−A線に沿う縦断面図、第3図は本発明の第2実施
例の平面図、第4図は第3図のB−B線に沿う縦断面
図、第5図はラッチアップ対策を施した従来の半導体チ
ップの全体平面図、第6図は第5図のC−C線に沿う拡
大縦断面図、第7図は第6図の等価回路、第8図はラッ
チアップ現象及びラッチアップ防止の機構を説明するた
めの第6図の一部を模式的に示す図、第9図は従来のラ
ッチアップ対策をを内部領域に施した場合の素子一部の
平面図、第10図は第9図のD−D線に沿う縦断面図であ
る。 1……P型半導体基板、2,2a,2b……Nウェル、3……
P型拡散層、4,5……N型拡散層、6,7……溝、11……半
導体チップ、12……入出力領域、13……ガードリング領
域、14……内部領域、21……P型半導体基板、22……N
ウェル、23……P型拡散層、24……N型拡散層、25……
N型ウェル(ガードリング)、26……N型拡散層、27…
…N型拡散層、28……N型拡散層、29……P型拡散層、
31……P型半導体基板、32……Nウェル、33……P型拡
散層、34……N型拡散層、35……N型ウェル(ガードリ
ング)、36……N型拡散層。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1導電型の半導体基板に第2導電型の島
    状領域を有し、前記半導体基板と前記島状領域の夫々に
    MOSトランジスタを形成してなる半導体装置において、
    前記島状領域には前記島状領域よりも深くて前記半導体
    基板に達する深さの絶縁溝を有し、前記島状領域は前記
    絶縁溝によって相互に絶縁された複数の島状領域に分離
    され、かつ分離された複数の島状領域のうちの前記MOS
    トランジスタが形成されていない島状領域でかつ他の島
    状領域に形成されたMOSトランジスタと前記半導体基板
    に形成されたMOSトランジスタとの間に位置される島状
    領域の少なくとも一つには第1導電型の拡散層が存在せ
    ず、かつ前記前記半導体基板に対して所要の電位の電源
    が接続されており、前記半導体基板中を拡散してくる小
    数キャリアを前記電源が接続された島状領域に吸収させ
    て、この島状領域に隣接する前記MOSトランジスタが形
    成された島状領域に注入される前記小数キャリアを減少
    させるように構成したことを特徴とする半導体装置。
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JPS61180474A (ja) * 1985-02-06 1986-08-13 Toshiba Corp 半導体装置
JPS632370A (ja) * 1986-06-23 1988-01-07 Nissan Motor Co Ltd 半導体装置

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