JP3036560B2 - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JP3036560B2
JP3036560B2 JP3337723A JP33772391A JP3036560B2 JP 3036560 B2 JP3036560 B2 JP 3036560B2 JP 3337723 A JP3337723 A JP 3337723A JP 33772391 A JP33772391 A JP 33772391A JP 3036560 B2 JP3036560 B2 JP 3036560B2
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正雄 武井
章 鷲見
馨 木村
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は耐熱性成型品、プリン
ト配線基板などの電気・電子材料、耐熱性充填材、耐熱
性コーティング剤などに有用な樹脂組成物に関するもの
で、詳しくはその硬化物が難燃性、耐熱性及び機械的強
度などに優れた性質を有する樹脂組成物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】プリント配線基板などに代表される電気
・電子部品類には、大容量化、小型軽量化、高信頼性化
及び生産性の向上などを目的とする技術開発における要
望に応えるために、成型容易な耐熱性の合成樹脂が使用
されている。
【0003】かゝる成型が容易で耐熱性の硬化物を形成
する合成樹脂の代表的なものとしては、アルケニルフェ
ノールなどの特定のアリル系化合物と、ある種のマレイ
ミド化合物とからなる樹脂組成物が知られているが、こ
れら公知の樹脂組成物は火気に対する難燃性、特に燃焼
した場合の自己消火性に難点を有していた。
【0004】そこで、公知の樹脂組成物に難燃性を付与
するため、樹脂組成物を構成する前記アリル系化合物と
マレイミド化合物の配合成分中に、例えばハロゲン化エ
ポキシ樹脂、ハロゲン化硬化剤などからなるハロゲン系
難燃化剤やリン酸エステル類で代表されるリン系難燃化
剤を添加して共重合することが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記難燃化剤を添加し
た公知の樹脂組成物は、硬化させることによって得られ
た成型品には、一応の難燃性を付与することができる反
面、成形品の耐熱性が低下する傾向にあると共に、前記
アルケニルフェノール類とマレミイド類とを混合した組
成物に、難燃化剤としてある種のハロゲン化化合物を添
加すると、アルケニルフェノール類がベンゾフラン誘導
体に変化して重合性の官能基が失われ、得られる共重合
樹脂の各種物性に影響を及ぼすため、使用できるハロゲ
ン系難燃化剤の種類が限定されるなど解決すべき多くの
課題を有している。
【0006】この発明は、かかる現状に鑑み、アルケニ
ルフェノール類とマレイミド類を配合してなる組成物に
対し特定の難燃化剤を添加することによって、その硬化
物は難燃性、耐熱性及び機械的強度などに優れた性質を
有する樹脂組成物を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、この発明の樹脂組成物は、アルケニルフェノール類
(a)、マレイミド類(b)及び下記一般式〔1〕又は
〔2〕で示される化合物(c)とからなり、マレイミド
類(b)のイミド基1当量に対してアルケニルフェノー
ル類(a)のアルケニル基が0.05〜10当量の範囲
であり、化合物(c)の量はアルケニルフェノール類
(a)とマレイミド類(b)の合計量100重量部に対
して0.1〜50重量部の範囲であることを特徴とする
ものである。
【0008】
【化5】
【0009】〔式中R1 、R2 、R3 及びR4 はいずれ
もハロゲン原子又は水素原子であり、これらのうち少な
くとも一つはハロゲン原子であり、nは0又は1であ
り、XはS、SO2 、O、
【0010】
【化6】
【0011】又は
【0012】
【化7】
【0013】(R5 及びR6 は水素原子、アルキル基、
フェニル基、トリフルオロメチル基又はトリクロロメチ
ル基であり、互いに同じであっても異なっていてもよ
い。)であり、Yは水素原子又はアリル基である。〕
【0014】
【化8】
【0015】〔式中R7、R8、R9、R10及びR11はい
ずれもハロゲン原子又は水素原子であり、これらのうち
少なくとも一つはハロゲン原子である。〕
【0016】この発明において、樹脂組成物を構成する
アルケニルフェノール類(a)はアルケニル基を有する
フェノール誘導体で、好ましいアルケニルフェノール類
の具体例として下記一般式〔3〕で示される1価のフェ
ノール類から誘導される化合物を挙げることができる。
【0017】
【化9】
【0018】(式中、R12、R13及びR14は同一か異な
っていて、アルケニル基、アルキル基、アルコキシ基、
アミノ基、ニトロ基又はハロゲン原子であり、R15はア
ルケニル基である。)
【0019】前記一般式〔3〕で示される化合物の具体
例としては、2−アリルフェノール、2−アリル−4−
メチルフェノール、2−アリル−4−メトキシフェノー
ル、2−アリル−6−メチルフェノール、2−メタリル
フェノール、2−メタリル−4−メチルフェノール、2
−メタリル−4−メトキシフェノール、2−メタリル−
6−メチルフェノール、2−クロチルフェノール、2,
4−ジアリルフェノール、2,6−ジアリルフェノー
ル、2,4,6−トリアリルフェノール、2,4−ジメ
タリルフェノール、2,6−ジメタリルフェノール、
2,4,6−トリメタリルフェノール、2,6−ジアリ
ル−4−メチルフェノール及び2,6−ジメタリル−4
−メトキシフェノール等を挙げることができる。
【0020】他の好ましいアルケニルフェノール類
(a)として、下記一般式〔4〕で示される2価のフェ
ノール類から誘導される化合物を挙げることができる。
【0021】
【化10】
【0022】〔式中、R16及びR17は同一か異なってい
て、水素原子、アルケニル基、アルキル基、アルコキシ
基、アミノ基、ニトロ基又はハロゲン原子であり、R18
はアルケニル基であり、又XはS、SO2 、O、
【0023】
【化11】
【0024】又は
【0025】
【化12】
【0026】(式中、R19及びR20は、同一か異なって
いて、水素原子、アルキル基、フェニル基、トリフルオ
ロメチル基又はトリクロロメチル基である。)で示され
る基であり、nは0又は1である。〕
【0027】一般式〔4〕で示される化合物の好ましい
具体例としては、2,2−ビス〔4−ヒドロキシ−3−
(2−メチル−2−プロペニル)フェニル〕プロパン、
3,3−ビス〔4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2
−プロペニル)フェニル〕ペンタン、1,1,1,3,
3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔4−ヒドロキ
シ−3−(2−メチル−2−プロペニル)フェニル〕プ
ロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロ−2,
2−ビス〔4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プ
ロペニル)フェニル〕プロパン、ビス〔4−ヒドロキシ
−3−(2−メチル−2−プロペニル)フェニル〕メタ
ン、1,1−ビス〔4−ヒドロキシ−3−(2−メチル
−2−プロペニル)フェニル〕エタン、4,4´−ジヒ
ドロキシ−3,3´−ビス(2−メチル−2−プロペニ
ル)ビフェニル、ビス〔4−ヒドロキシ−3−(2−メ
チル−2−プロペニル)フェニル〕チオエーテル、ビス
〔4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プロペニ
ル)フェニル〕エーテル、ビス〔4−ヒドロキシ−3−
(2−メチル−2−プロペニル)フェニル〕スルホン、
2,2−ビス〔4−ヒドロキシ−3−(2−プロペニ
ル)フェニル〕プロパン、ビス〔4−ヒドロキシ−3−
(2−プロペニル)フェニル〕メタン、4,4´−ジヒ
ドロキシ−3,3´−ビス(2−プロペニル)ビフェニ
ル、ビス〔4−ヒドロキシ−3−(2−プロペニル)フ
ェニル〕チオエーテル、ビス〔4−ヒドロキシ−3−
(2−プロペニル)フェニル〕エーテル、ビス〔4−ヒ
ドロキシ−3−(2−プロペニル)フェニル〕スルホ
ン、2,2−ビス〔4−ヒドロキシ−3−(2−ブテニ
ル)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−ヒドロキ
シ−3,5−ジ(2−プロペニル)フェニル〕プロパン
及び2,2−ビス〔4−ヒドロキシ−3,5−ジ(2−
メチル−2−プロペニル)フェニル〕プロパン等を挙げ
ることができる。
【0028】さらに、他の好ましいアルケニルフェノー
ル類(a)として、1,1,1−トリス(2−アルケニ
ル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−ト
リス(2−アルケニル−4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン及び4−{4−〔1,1−ビス(2−アルケニル−4
−ヒドロキシフェニル)エチル〕}−α,α−ジメチル
ベンジルフェノール等の3価以上のフェノール類から誘
導されるアルケニルフェノールを挙げることができる。
【0029】前記アルケニルフェノール類(a)におけ
る好ましいアルケニル基の具体例としては、ビニル基、
アリル基、メタリル基、クロチル基及び
【0030】
【化13】
【0031】並びに
【0032】
【化14】
【0033】で示される基があり、より好ましいアルケ
ニル基としてアリル基及びメタリル基がある。
【0034】この発明のアルケニルフェノール類の好ま
しい具体例としては、2,2−ビス〔4−ヒドロキシ−
3−(2−メチル−2−プロペニル)フェニル〕プロパ
ン及び2,2−ビス〔4−ヒドロキシ−3−(2−プロ
ペニル)フェニル〕プロパン等を挙げることができる。
【0035】前記マレイミド類(b)としては、N−置
換マレイミド化合物、N,N´−置換マレイミド化合物
又はこれらマレイミド化合物のプレポリマーを挙げるこ
とができ、これらマレミイド化合物は、所望により1種
もしくは2種以上を使用することができる。
【0036】前記N−置換マレイミド化合物及びN,N
´−置換マレイミド化合物の好ましい具体例としては、
N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プ
ロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−ヘキシ
ルマレイミド、N−オクチルマレイミド、N−ドデシル
マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェ
ニルマレイミド、N−p−トリルマレイミド、N−α−
ナフチルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−m
−トリルマレイミド、N−o−トリルマレイミド、N−
p−キシリルマレイミド、N−m−キシリルマレイミ
ド、N−o−キシリルマレイミド、N,N´−エチレン
ジマレイミド、N,N´−ヘキサメチレンジマレイミ
ド、N,N´−ドデカメチレンジマレイミド、N−N´
−m−フェニレンジマレイミド、N,N´−p−フェニ
レンジマレイミド、N,N´−(オキシジ−p−フェニ
レン)ジマレイミド、N,N´−(メチレンジ−p−フ
ェニレン)ジマレイミド、N,N´−2,4−トリレン
ジマレイミド、N,N´−2,6−トリレンジマレイミ
ド、N,N´−m−キシリレンジマレイミド、N,N´
−p−キシリレンジマレイミド、N,N´−オキシプロ
ピレンジマレイミド、エチレンジオキシ−ビス−N−プ
ロピルマレイミド、オキシ−ビス−N−エチルマレイミ
ド、N,N´−p,p´−ジフェニルスルホンビスマレ
イミド、N,N´−p,p´−ジフェニルエーテルビス
マレイミド、N,N´−ジシクロヘキシルメタンビスマ
レイミド、N,N´−(3,3´−ジクロロ−p,p´
−ビスフェニレン)ビスマレイミド、1,1,1,3,
3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−マレイミ
ドフェニル)プロパン及び1,1,1,3,3,3−ヘ
キサフルオロ−2,2ビス〔4−(4−マレイミドフェ
ノキシ)フェニル〕プロパン等を挙げることができる。
【0037】好ましいマレイミド類としては、N,N´
−(メチレンジ−p−フェニレン)ジマレイミド及び
N,N´−p−フェニレンジマレイミド等を挙げること
ができる。
【0038】この発明における化合物(c)は、樹脂組
成物及びこれらから得られた成形品に難燃性を付与する
ため、前記アルケニルフェノール類(a)とマレミイド
類(b)との配合物に添加する難燃化剤であって、下記
一般式〔1〕又は〔2〕で示される化合物である。
【0039】
【化15】
【0040】〔式中R1 、R2 、R3 及びR4 はいずれ
もハロゲン原子又は水素原子であり、これらのうち少な
くとも一つはハロゲン原子であり、nは0又は1であ
り、XはS、SO2 、O、
【0041】
【化16】
【0042】又は
【0043】
【化17】
【0044】(R5 及びR6 は水素原子、アルキル基、
フェニル基、トリフルオロメチル基又はトリクロロメチ
ル基であり、互いに同じであっても異なっていてもよ
い。)であり、Yは水素原子又はアリル基である。〕
【0045】
【化18】
【0046】〔式中R7 、R8 、R9 、R10及びR11
いずれもハロゲン原子又は水素原子であり、これらのう
ち少なくとも一つはハロゲン原子である。〕
【0047】この発明における化合物(c)の好ましい
ハロゲン原子としては、塩素原子又は臭素原子を挙げる
ことができる。
【0048】前記化合物(c)の好ましい具体例として
は、テトラブロモビスフェノールAジアリルエーテル、
テトラブロモビスフェノールAアリルエーテル、トリブ
ロモビスフェノールAジアリルエーテル、ジブロモビス
フェノールAジアリルエーテル、テトラブロモビスフェ
ノールFジアリルエーテル、テトラブロモビスフェノー
ルFアリルエーテル、テトラブロモビスフェノールSジ
アリルエーテル、テトラブロモビスフェノールSアリル
エーテル、テトラクロロビスフェノールAジアリルエー
テル、テトラクロロビスフェノールAアリルエーテル、
テトラクロロビスフェノールFジアリルエーテル、ビス
(3,5−ジブロモ−4−アリルオキシフェニル)チオ
エーテル、ビス(3,5−ジブロモ−4−アリルオキシ
フェニル)エーテル、1,1−ビス(3,5−ジブロモ
−4−アリルオキシフェニル)シクロヘキサン、2,
4,6−トリブロモフェノールアリルエーテル、2,4
−ジブロモフェノールアリルエーテル、2,6−ジブロ
モフェノールアリルエーテル、2−ブロモフェノールア
リルエーテル、3−ブロモフェノールアリルエーテル、
4−ブロモフェノールアリルエーテル、2,4,6−ト
リクロロフェノールアリルエーテル、2,3−ジクロロ
フェノールアリルエーテル、2,5−ジクロロフェノー
ルアリルエーテル、4−クロロフェノールアリルエーテ
ル、2,3,5−トリフルオロフェノールアリルエーテ
ル及び2,4,6−トリヨードフェノールアリルエーテ
ル等を挙げることができ、所望により化合物(c)とし
て上記化合物の1種もしくは2種以上を使用することが
できる。
【0049】前記化合物(c)のより好ましい具体例と
しては、テトラブロモビスフェノールAジアリルエーテ
ル及び2,4,6−トリブロモフェノールアリルエーテ
ル等がある。
【0050】前記アルケニルフェノール類(a)とマレ
イミド類(b)の混合割合は、マレイミド類のイミド基
1当量に対してアルケニルフェノールのアルケニル基
0.05〜10当量の範囲であり、0.1〜1.5当量
の範囲が好ましい。アルケニルフェノール類の配合量が
少ないと、硬化物が脆くなり、また樹脂組成物の粘度が
高くなるため、成型性が低下する恐れがある。一方、ア
ルケニルフェノール類が10当量より多いと耐熱性が低
下する。
【0051】前記化合物(c)の添加量は、アルケニル
フェノール類(a)とマレイミド類(b)の混合物10
0重量部(以下単に部という)に対して、0.1〜50
部の範囲であり、好ましくは0.5〜35部の範囲であ
る。この添加量が0.1部未満になると難燃効果を充分
に発揮させることが困難となり、50部を超えて過剰に
加えると耐熱性が低下する。
【0052】なお、この発明の樹脂組成物は、硬化時間
を短縮する目的で、有機過酸化物及びアゾ化合物等のラ
ジカル重合開始剤を使用してもよい。
【0053】このラジカル重合開始剤の具体例として
は、ベンゾイルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾ
イルパーオキシド、p−クロロベンゾイルパーオキシ
ド、カプリリルパーオキシド、ラウロイルパーオキシ
ド、アセチルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオ
キシド、シクロヘキサノンパーオキシド、ジクミルパー
オキシド、ビス(1−ヒドロキシヘプチル)パーオキシ
ド、t−ブチルハイドロパーオキシド、p−メンタンハ
イドロキシパーオキシド、t−ブチルパーベンゾエー
ト、t−ブチルパーアセテート、t−ブチルパーオクト
エイト、t−ブチルパーオキシイソブチレート及びジ−
t−ブチルパーフタレート等の有機過酸化物、アゾビス
イソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレ
ロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル及
びアゾビスイソ酪酸メチル等のアゾ化合物などを挙げる
ことができ、これらの1種もしくは2種以上を併用して
使用することができる。
【0054】また、得られる成形品の機械的強度を高め
る目的で、この発明の樹脂組成物にガラスパウダー、溶
融シリカ、炭酸カルシウム又はタルク等の充填剤、ガラ
スクロス、石英ガラスクロス、炭素繊維クロス、紙又は
有機繊維布などの補強材を必要に応じて配合することが
できる。上記各種成分を、混合順序に関係なく、常法に
より均一に混合すれば、この発明の樹脂組成物を容易に
得ることができる。
【0055】この発明の樹脂組成物は、おおむね温度1
00〜300℃、2〜25時間加熱処理することによっ
て硬化させることができるが、必要に応じて添加する前
記ラジカル重合開始剤の種類や配合量を適宜調整するこ
とによって100℃以下の温度で硬化させることもでき
る。
【0056】
【作用】この発明の樹脂組成物は、樹脂組成物を構成す
るアルケニルフェノール類(a)とマレイミド類(b)
との混合物に、前記一般式〔1〕又は〔2〕で示す化合
物(c)を難燃剤として配合しており、マレイミド類
(b)のイミド基1当量に対してアルケニルフェノール
類(a)のアルケニル基が0.05〜10当量の範囲で
あり、化合物(c)の量はアルケニルフェノール類
(a)とマレイミド類(b)の合計量100重量部に対
して0.1〜50重量部の範囲であるので、共重合によ
って得られた樹脂は優れた耐熱性と難燃性を有してい
る。かかる難燃性を有する樹脂は、その成型品が優れた
耐熱性、難燃性及び機械的強度を有するものである。
【0057】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示してこの発明
脂組成物をより具体的に説明する。
【0058】実施例1 アルケニルフェノール類(a)として、2,2−ビス
〔4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プロペニ
ル)フェニル〕プロパンを10部、マレイミド類(b)
としてN,N´−(メチレンジ−p−フェニレン)ジマ
レイミドを11.8部とを配合してなる組成物主体に、
難燃化剤である化合物(c)としてテトラブロモビスフ
ェノールAジアリルエーテル2部を混合し、加熱しなが
ら撹拌して均一な混合物として難燃性樹脂組成物を得
た。次いで、室温にてジクミルパーオキサイド0.4部
を添加してよく攪拌した樹脂組成物を四フッ化エチレン
製の成形用型に入れ、熱プレスを用いて温度120℃で
2時間、その後温度200℃で2時間加熱成型して樹脂
硬化物を得た。この樹脂硬化物の熱重量分析(昇温速度
20℃/分)の結果、空気中での分解温度は432℃で
あった。又、樹脂硬化物の引張強度は290Kgf/c
2 であった。さらに、JIS K6911のB法に従
って測定した難燃性試験の結果、燃焼時間は1.5秒で
あった。
【0059】実施例2〜5 実施例1のアルケニルフェノール類(a)、マレイミド
類(b)及び難燃剤としての化合物(c)の種類及び添
加量をそれぞれ変えた以外は、実施例1と同様にして実
施例2〜5の各難燃性樹脂組成物を得た。これらの難燃
性樹脂組成物について、実施例1と同様の条件で成型
し、同様の物性評価を行った。
【0060】比較例1 2,2−ビス〔4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2
−プロペニル)フェニル〕プロパン10部、N,N´−
(メチレンジ−p−フェニレン)ジマレイミド10.7
部を混合し加熱しながら撹拌して均一な樹脂組成物を得
た。次いで、室温にてジクミルパーオキサイド0.38
部を添加してよく攪拌した樹脂組成物を四フッ化エチレ
ン製の成形用型に入れ、熱プレスを用いて温度120℃
で2時間、その後温度200℃で2時間加熱成型して樹
脂硬化物を得た。この樹脂硬化物の熱重量分析(昇温速
度20℃/分)の結果、空気中での分解温度は440℃
であった。また、樹脂硬化物の引張強度は280Kgf
/cm2 であった。さらにJIS K6911のB法に
従って測定した難燃性試験の結果、燃焼時間は30秒以
上であった。
【0061】比較例2 2,2−ビス〔4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2
−プロペニル)フェニル〕プロパン10部、N,N´−
(メチレンジ−p−フェニレン)ジマレイミド10.7
部を混合し加熱しながら撹拌して均一な樹脂組成物を得
た。この樹脂組成物を、実施例1と同様にして熱プレス
を具備した四フッ化エチレン製の型に入れ、温度120
℃で2時間、ついで温度200℃で2時間、さらに温度
220℃で2時間加熱成型して樹脂硬化物を得た。この
樹脂硬化物の熱重量分析(昇温速度20℃/分)の結
果、空気中での分解温度は427℃であった。また、樹
脂硬化物の引張強度は300Kgf/cm2 であった。
さらにJIS K6911のB法に従って測定した難燃
性試験の結果、燃焼時間は30秒以上であった。前記実
施例1〜5及び比較例1及び2における各配合組成と樹
脂硬化物の物性の評価結果は、下記表1のとおりであ
る。
【0062】
【表1】
【0063】注) 上 段;化合物 下 段;配合量(重量部)
【0064】なお、表中の記号は、以下の化合物を示
す。 (a);アルケニルフエノール類 (a)1;2,2−ビス〔4−ヒドロキシ−3−(2−
メチル−2−プロペニル)フェニル〕プロパン (a)2;2,2−ビス〔4−ヒドロキシ−3−(2−
プロペニル)フェニル〕プロパン (b);マレイミド類 (b)1;N,N´−(メチレンジ−p−フェニレン)
ジマレイミド (b)2;N−フェニルマレイミド (c);難燃化剤 (c)1;テトラブロモビスフェノールAジアリルエー
テル (c)2;2,4,6−トリブロモフェノールアリルエ
ーテル (d);有機過酸化物 (d)1;ジクミルパーオキシド
【0065】実施例6 ジクミルパーオキサイドを添加しない点以外は全く実施
例1と同様にして難燃性を有する樹脂組成物を得た。
の樹脂組成物を、実施例1と同様にして熱プレスを具備
した四フッ化エチレン製の型に入れ、温度120℃で2
時間、ついで温度180℃で2時間、さらに温度220
℃で2時間加熱成型して樹脂硬化物を得た。この樹脂硬
化物の熱重量分析(昇温速度20℃/分)の結果、空気
中での分解温度は425℃であった。また、樹脂硬化物
の引張強度は310kgf/cm2であった。さらに、
JIS K6911のB法に従って測定した難燃性試験
の結果、燃焼時間は1.8秒であった。比較例3 2,2−ビス〔4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2
−プロペニル)フェニル〕プロパン10部、N,N’−
(メチレンジ−p−フェニレン)ジマレイミド10.8
部、エピクロン153−60M(大日本インキ化学工業
株式会社製臭素化エポキシ樹脂)8.5部を加熱混合し
て均一な混合物とした。 次いで、室温にてジクミルパー
オキサイド0.5部を添加してよく攪拌した樹脂組成物
を四フッ化エチレン製の成形用型に入れ、熱プレスを用
いて温度120℃で2時間、次いで温度200℃で2時
間加熱成型して樹脂硬化物を得た。 この樹脂硬化物の熱
重量分析(昇温速度20℃/分)の結果、空気中での分
解温度は370℃であった。 比較例4 2,2−ビス〔4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2
−プロペニル)フェニル〕プロパン10部、N,N’−
(メチレンジ−p−フェニレン)ジマレイミド11.8
部、1,2,5,6,9,10−ヘキサブロモシクロド
デカン2部を加熱混合して均一な混合物とした。 次い
で、室温にてジクミルパーオキサイド0.4部を添加し
てよく攪拌した樹脂組成物を四フッ化エチレン製の成形
用型に入れ、熱プレスを用いて温度120 ℃で2時間、
次いで温度200℃で2時間加熱成型して樹脂硬化物を
得た。 この樹脂硬化物の熱重量分析(昇温速度20℃/
分)の結果、空気中での分解温度は368℃であった。
【0066】
【発明の効果】この発明の樹脂組成物は、アルケニルフ
ェノール類(a)と、マレイミド類(b)とからなる組
成物主体に、難燃化剤として前記一般式〔1〕又は
〔2〕で示される化合物(c)を混合した、マレイミド
類(b)のイミド基1当量に対してアルケニルフェノー
ル類(a)のアルケニル基が0.05〜10当量の範囲
であり、化合物(c)の量はアルケニルフェノール類
(a)とマレイミド類(b)の合計量100重量部に対
して0.1〜50重量部の範囲である構成のものであ
り、硬化後得られる硬化樹脂は優れた耐熱性と難燃性及
び機械的強度を有するため、プリント配線基板等の電気
・電子材料、その他の耐熱性成型品の難燃化を達成で
き、その工業的価値は著しく大きいものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−17913(JP,A) 特開 昭50−130843(JP,A) 特開 昭48−5747(JP,A) 特許3021454(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 212/00 - 212/36 C08F 222/36 - 222/40 C08L 25/00 - 25/18 C08L 35/00 - 35/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルケニルフェノール類(a)、マレ
    イミド類(b)及び下記一般式〔1〕又は〔2〕で示さ
    れる化合物(c)とからなり、マレイミド類(b)のイ
    ミド基1当量に対してアルケニルフェノール類(a)の
    アルケニル基が0.05〜10当量の範囲であり、化合
    物(c)の量はアルケニルフェノール類(a)とマレイ
    ミド類(b)の合計量100重量部に対して0.1〜5
    0重量部の範囲であることを特徴とする樹脂組成物。 【化1】 〔式中R1、R2、R3及びR4はいずれもハロゲン原子又
    は水素原子であり、これらのうち少なくとも一つはハロ
    ゲン原子であり、nは0又は1であり、XはS、S
    2、O、 【化2】 又は 【化3】 (R5及びR6は水素原子、アルキル基、フェニル基、ト
    リフルオロメチル基又はトリクロロメチル基であり、互
    いに同じであっても異なっていてもよい。)であり、Y
    は水素原子又はアリル基である。〕 【化4】 〔式中R7、R8、R9、R10及びR11はいずれもハロゲ
    ン原子又は水素原子であり、これらのうち少なくとも一
    つはハロゲン原子である。〕
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