JP3036492B2 - 高分子ゲル電解質、その製造方法及びポリマーバッテリー - Google Patents

高分子ゲル電解質、その製造方法及びポリマーバッテリー

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電池等に利用できる
高分子ゲル電解質、その製造方法及びこれを用いたポリ
マーバッテリーに関する。
【0002】
【従来の技術】ノート型パソコン、携帯電話などの携帯
型情報機器の近年の急速な市場拡大に伴い、これらの機
器に使われる電池として小型あるいは薄型の二次電池の
需要も急速に高まってきている。このような背景のも
と、薄膜型電池を実現するためのイオン伝導性の高分子
電解質の開発が近年盛んである。イオン伝導性の高分子
電解質は主として有機溶媒を全く含まない高分子固体電
解質及び有機溶媒を含む高分子ゲル電解質に分けられ
る。
【0003】高分子電解質として以下の2点がとりわけ
重要である。(1)イオン性化合物がイオン解離するこ
とによって生ずるイオンが動きやすいこと、すなわち高
いイオン導電率を有することと、(2)自立性薄膜が形
成でき、その薄膜が圧縮や引っ張りの力に対して充分な
耐性があること、すなわち良好な力学強度を有すること
である。
【0004】従来の高分子固体電解質としては、ポリエ
チレンオキサイド系(以下PEO系)ポリマーに金属塩
を溶解させたもの(米国特許第4,303,748号)
や、PEO系ポリマーをアクリロイル基によって架橋さ
せ、そこに金属塩を溶解させたもの(特開平8−792
4号公報)が知られている。しかし、溶媒を含まない完
全固体のPEO系ポリマーはイオン導電率が低いという
問題点があった。
【0005】この問題に対し、ポリマーに有機溶媒を含
ませることによりイオン導電率を改善した高分子ゲル電
解質も種々開発された。例えば特公昭61−23947
号公報には、ポリフッ化ビニリデンの等のポリマーと、
I族またはII族金属塩と、両者に対して優れた溶解性を
有する有機溶媒からなる高分子ゲル電解質が開示されて
いる。また例えば米国特許第5,296,318号に
は、8〜25重量%のヘキサフルオロプロピレンを伴っ
たフッ化ビニリデン共重合体のフィルムに、リチウム塩
の有機溶媒溶液を均一に分散した高分子ゲル電解質が開
示されている。また、PEO系ポリマーの架橋体を用い
た高分子ゲル電解質も検討されており、例えば特開平5
−109310号公報には、架橋性ポリエチレンオキサ
イドと、アルカリ金属塩が溶解しうる溶液と、アルカリ
金属塩の混合物を形成させ、これに光や放射線を照射し
てポリエチレンオキサイドを架橋させることによって、
ポリエチレンオキサイド架橋体の内部に金属塩溶解溶液
が浸透した複合体を形成する方法が開示されている。
【0006】また、高分子電解質のイオン導電率と力学
強度をともに良好なものとするために、2種類以上のポ
リマーを組み合わせたものも開示されている。例えば、
特開平5−299119号公報には、相分離構造を有す
るポリマーブレンド中に、電解質溶液を含有してなる高
分子ゲル電解質が開示されている。また、特開昭58−
75779号公報には、ポリフッ化ビニリデン、ポリメ
チルメタクリレート、その他特定のポリマーから選ばれ
る少なくとも1種のポリマーと、リチウム塩と、特定の
有機溶媒と、金属リチウム負極と、特定の無機化合物か
らなる正極という構成のポリマーバッテリーが開示され
ている。また、特開平9−97618号公報には、有機
電解液に難溶性のポリマーと可溶性のポリマーを混合あ
るいは相溶させたポリマーアロイフィルムを作製し、有
機電解液を含浸させてゲル化した高分子ゲル電解質が開
示されている。この公報において有機電解液に難溶性の
ポリマーとしてはポリフッ化ビニリデン、可溶性のポリ
マーとしてはポリエチレンオキサイドやポリメチルメタ
クリレートが例示されている。
【0007】また、電池用の高分子電解質としてではな
く樹脂組成物としてであるが2種類以上のポリマーを組
み合わせた構成として、特開平8−165395号公報
には、ポリフッ化ビニリデン等の熱可塑性樹脂、ポリア
ルキレンオキサイド、及びイオン解離性塩からなる半導
電性固体組成物が開示されている。また、特開平8−1
76389号公報には、ポリフッ化ビニリデン等の熱可
塑性樹脂、ポリアルキレンオキサイドのアクリレート置
換体とアルキルアクリレートの共重合体を組み合わせ、
さらにイオン解離性塩を含ませた半導電性固体組成物が
開示されている。ただしこれらの導電率は10-9S/c
m台であり、電池用の高分子電解質としてはイオン導電
率が低すぎる。
【0008】特開平8−165395号公報、特開平8
−176389号公報、及び特開平9−97618号公
報記載の構成は、ポリフッ化ビニリデンと別のポリマー
を用いているという点で本発明と共通している。ポリフ
ッ化ビニリデンと組み合わせるもう一方のポリマー材料
(以下相手ポリマーと呼ぶ)は上記3つの公報において
いくつか検討されている。特開平8−165395号公
報の構成は相手ポリマーとしてポリアルキレンオキサイ
ドを用いている。これに続く特開平8−176389号
公報では相手ポリマーにポリアクリレート構造を導入す
ることで相溶性を改善している。また、特開平9−97
618号公報においても、相手ポリマーとしてポリエチ
レンオキサイドやポリメチルメタクリレートを用いた構
成が記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、高分
子電解質に用いるポリマーの種類を複数とすることによ
って、1種類のみ用いた場合の問題点を改善しようとす
る試みがいくつかなされている。しかしながらイオン導
電率と力学強度の両方を同時に良好とすることは依然と
して困難であり、この問題の解決が望まれていた。
【0010】特開平5−299119号公報、特開昭5
8−75779号公報、及び特開平9−97618号公
報記載の構成において例示されているポリマーの組み合
わせの中には、ポリマーを1種類のみ用いた場合に比べ
て、イオン導電率と力学強度の両立という点で性能が改
善される組み合わせもある。しかしそれでもなお、ポリ
マーバッテリーに用いるには不十分な性能であった。
【0011】2種類以上のポリマーを混合した高分子電
解質においては、ポリマー同士の相溶性がその性能に極
めて大きな影響を与える。例えば、ポリフッ化ビニリデ
ンとポリエチレンオキサイドの組み合わせは相溶系では
ないため、溶融混合した場合や混合溶液を調製した場合
相分離が起こる。相分離した溶融混合物や混合溶液か
ら、構成成分がミクロなレベルまで均一な薄膜を得るこ
とは極めて困難である。
【0012】本発明はこれらの課題を解決するためにな
されたもので、イオン導電率および力学強度が共に良好
な高分子ゲル電解質を提供するものであり、また、製造
が容易で、充放電特性の優れたポリマーバッテリーを提
供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を行った。その結果、側鎖に
カルボニル基を2以上有する特定の構造のポリマーと、
ポリフッ化ビニリデン系ポリマーを組み合わせた高分子
ゲル電解質とすることで、従来知られているポリマーの
組み合わせの高分子ゲル電解質に比べ、より性能の良い
高分子電解質が得られ、上記課題を解決できることを見
出し、本発明に至った。即ち、本発明は次のようであ
る。
【0014】1.(a)1〜40重量%の下記式(1)
【0015】
【化3】 (ただし、R1は水素、フッ素またはアルキル基、R2
びR3はそれぞれ独立に水素またはアルキル基、Xはカ
ルボニル基を2以上有する分子量2000以下の有機
基)で表されるユニットを主たる繰り返し単位として有
する分子量500以上のポリマー、(b)20〜70重
量%のポリフッ化ビニリデン系ポリマー、(c)1〜5
0重量%のイオン性化合物、及び(d)20〜85重量
%の該イオン性化合物をイオン解離させうる有機溶媒を
含むことを特徴とする高分子ゲル電解質。
【0016】2.前記式(1)において、Xが下記式
(2)
【0017】
【化4】 (ただしYはアルキレン、オキシアルキレン、アリーレ
ン、およびこれらのフッ化物からなる群から選ばれる1
種、mは0以上5以下の整数、Zはカルボニル基を1以
上有する有機基)で表される有機基である上記1に記載
の高分子ゲル電解質。
【0018】3.前記式(1)において、R1が水素ま
たはメチルであり、R2、及びR3が水素である上記1ま
たは2に記載の高分子ゲル電解質。
【0019】4.前記式(2)において、Zがラクト
ン、ポリラクトン、及びカーボネート基を含む有機基か
らなる群から選ばれる1種である上記2または3に記載
の高分子ゲル電解質。
【0020】5.イオン性化合物(c)が、一般式M+
-で表され、M+はLi+、Na+、K+から選ばれる一
つであって、X-はClO4 -、BF4 -、PF6 -、CF3
3 -、(CF3SO22-、(C25SO22-
(CF3SO23-、(C25SO23-からなる群
から選ばれる少なくとも1種である上記1乃至4のいず
れかに記載の高分子ゲル電解質。
【0021】6.有機溶媒(d)が、エチレンカーボネ
ート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネー
ト、γ―ブチロラクトンからなる群から選ばれる少なく
とも1種である上記1乃至5のいずれかに記載の高分子
ゲル電解質。
【0022】7.前記ポリマー(a)とポリフッ化ビニ
リデン系ポリマー(b)からなる溶融混合物を、冷却・
成膜して薄膜とする工程と、該薄膜に、イオン性化合物
(c)を有機溶媒(d)に溶解した溶液を含ませる工程
を含むことを特徴とする、上記1乃至6のいずれかに記
載の高分子ゲル電解質の製造方法。
【0023】8.前記ポリマー(a)、ポリフッ化ビニ
リデン系ポリマー(b)、イオン性化合物(c)、該イ
オン性化合物をイオン解離させうる有機溶媒(d)、及
び揮発性溶媒を混合して混合溶液を作る工程と、該混合
溶液から薄膜を形成する工程と、該薄膜から揮発性溶媒
を蒸発させる工程を含むことを特徴とする、上記1乃至
6のいずれかに記載の高分子ゲル電解質の製造方法。
【0024】9.前記ポリマー(a)のモノマーと、該
モノマーを溶解する有機溶媒と、ポリフッ化ビニリデン
系ポリマー(b)からなる混合物中で、該モノマーを重
合させる工程を含むことを特徴とする、上記1乃至6の
いずれかに記載の高分子ゲル電解質の製造方法。
【0025】10.正極、負極、及びこれらの間に位置
する高分子電解質からなるポリマーバッテリーにおい
て、該高分子電解質が、上記1乃至6のいずれかに記載
の高分子ゲル電解質からなることを特徴とするポリマー
バッテリー。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる前記ポリマー
(a)の好ましい例としては、次式(3)
【0027】
【化5】
【0028】(ただし、R1は水素またはメチル基、n
は7以上の整数)で表されるポリアクリレートであっ
て、連結基Yは存在しないか、または−CH 2CH2−O
−などであって、Zがラクトン、ポリラクトン、または
カーボネート基を含む有機基となっている化合物が挙げ
られる。そのような化合物の−Y−Zの部分の例を挙げ
ると、Yが存在せず、Zがβ−プロピオラクトン、γ−
ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラク
トンである有機基、あるいは−CH2CH2O−(−CO
−CH2CH2−O−)p−CO−CH3、−CH2CH2
−(−CO−CH2CH2CH2−O−)p−CO−C
3、−CH2CH2O−(−CO−CH2CH2CH2CH
2−O−)p−CO−CH3、−CH2CH2O−(−CO
−CH2CH2CH2CH2CH2−O−)p−CO−CH 3
(ただし繰り返し数pは式(1)におけるXの分子量が
2000以下となるように調節される)で表される有機
基、あるいは式(4)、式(5)、式(6)、式
(7)、
【0029】
【化6】
【0030】
【化7】
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】(ただし繰り返し数qは式(1)における
Xの分子量が2000以下となるように調節される)等
のカーボネート基を有する有機基などが挙げられる。
【0034】本発明において、前記ポリマー(a)とし
ては、分子量500以上であり、式(1)における側鎖
Xがカルボニル基を2以上有しており分子量2000以
下であれば上に挙げたもの以外でも良い。側鎖Xに用い
ることのできる有機基としては、例えばグリコール類と
ジカルボン酸類をエステル結合で重合させたオリゴマー
鎖や、一分子内に水酸基とカルボキシル基を持つ有機分
子をエステル結合で重合させたオリゴマー鎖でもよい。
例えば、オリゴ(エチレングリコールスクシネート)、
オリゴ(ブチレングリコールスクシネート)、オリゴ
(エチレングリコールアジペート)、オリゴ(ブチレン
グリコールアジペート)、オリゴ(3−ヒドロキシ酪
酸)、オリゴ(パラヒドロキシ安息香酸)、オリゴ(エ
チレングリコールテレフタレート)、オリゴ(ブチレン
グリコールテレフタレート)等であってもよい。またそ
の他のカルボニル基含有オリゴマー鎖でもよく、例えば
6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロ
ン、11−ナイロン、7−ナイロン、9−ナイロン、オ
リゴ(パラフェニレン−テレフタルアミド)等のアミド
結合を持つオリゴマー鎖や、グリシン、アラニン、グル
タミン酸、リジン、セリン等のアミノ酸を重合させたオ
リゴマー鎖であってもよい。アセトアセトキシ基を有す
る有機基でも良い。主鎖への結合形態としては、式
(2)で表されるような形態でも良いし、逆向きのカル
ボキシル基を介して(ポリ酢酸ビニルのような形態)結
合していても良いし、主鎖に直接結合していても良い。
【0035】本発明におけるポリマー(a)は、上述し
たように種々のポリマーが利用可能であるが、カルボニ
ル基を多く有するほど好ましい。なぜなら、カルボニル
基を多く有するほどポリフッ化ビニリデンとの相溶性が
良くなるからである。
【0036】前記ポリマー(a)における側鎖Xの末端
については特に限定することはなく、どの元素が結合し
ていても良いが、末端が活性水素でないことが好まし
い。すなわち、末端が水酸基やカルボキシル基でないこ
とが好ましい。例としては、メトキシ基などのアルコキ
シ基とすることが挙げられる。なぜならば、活性水素末
端を持つポリマーを薄膜型電池の電解質材料として用い
た場合、活性水素が電池性能を低下させることが考えら
れるからである。
【0037】前記ポリマー(a)には、式(1)のユニ
ットと共重合可能な式(1)とは別のユニットが若干含
まれていても良い。例えば、前記ポリマー(a)を生成
しうるモノマーと、アクリル酸メチル、メタクリル酸メ
チル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン等との共重合
体としてもよい。しかし本発明の効果を得るためには式
(1)のユニットが大部分であることが好ましい。
【0038】本発明におけるポリフッ化ビニリデン系ポ
リマー(b)は、フッ化ビニリデンを主な繰り返し単位
として有するフッ素系ポリマーであればよい。例として
は、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサ
フルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−エチ
レン共重合体、フッ化ビニリデン−モノフルオロエチレ
ン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン
共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン
共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレ
ン−テトラフルオロエチレン三元共重合体等が挙げられ
る。これらを複数混合して用いても良い。
【0039】本発明におけるイオン性化合物(c)は、
好ましくは、一般式M+-で表され、M+はLi+、Na
+、K+から選ばれる一つであって、X-はClO4 -、B
4 -、PF6 -、CF3SO3 -、(CF3SO22-
(C25SO22-、(CF3SO23-、(C25
SO23-からなる群から選ばれる少なくとも1種で
あるのが良いが、上記以外でもよく、例えばBe2+、M
2+、Ca2+、Al3+、Fe2+、Fe3+、第4級アンモ
ニウム、ピリジニウム等のカチオンを含むイオン性化合
物でもよく、F-、Cl-、Br-、CO3 2-、NO3 -、S
4 2-、酢酸、蓚酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢
酸、メタンスルホン酸、トリクロロメタンスルホン酸等
のアニオンを含むイオン性化合物でもよい。カチオン、
アニオンは低分子でも高分子でもよく、本発明における
前記ポリマー(a)やポリフッ化ビニリデン系ポリマー
にスルホン酸基やカルボキシル基やスルホニルイミド基
やスルホニルメチド基を導入したものや、第4級アンモ
ニウムやピリジニウムを導入したものでもよい。ただし
この場合は、前記イオン性化合物(c)の含有量規定
は、ポリマーに結合していないイオンと、カチオン性官
能基部分あるいはアニオン性官能基部分の重量の和に適
用する。また本発明の系におけるイオン性化合物(c)
の分布については特に限定することは無い。溶解しきれ
ずイオン解離していない状態のイオン性化合物が存在し
ていても良いが、イオン性化合物のほとんど全てがイオ
ン解離して均一に分布していることが好ましい。
【0040】本発明における有機溶媒(d)は、上記イ
オン性化合物(c)をイオン解離させうるものであれば
特に限定しないが、揮発しにくい方がよく、中でも、エ
チレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチ
ルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチル
カーボネート、γ−ブチロラクトンから選ばれる少なく
とも1つであることが好ましい。その他にも、例えばテ
トラヒドロフラン、ジオキソラン、スルホラン、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどを用いても
よい。これらは単独で用いてもよく、複数を組み合わせ
て用いてもよい。
【0041】本発明においては、各成分の含有量を規定
している(前記ポリマー(a)を1〜40重量%、ポリ
フッ化ビニリデン系ポリマー(b)を20〜70重量
%、イオン性化合物を1〜50重量%、有機溶媒を20
〜85重量%)が、各成分がこれらの範囲を外れた場
合、様々な不都合が生じる。前記ポリマー(a)の含有
率が1重量%未満の場合、ポリフッ化ビニリデン系ポリ
マー(b)のみを用いた高分子ゲル電解質と変わりがな
く、本発明の効果は得られない。前記ポリマー(a)が
40重量%を越え、相対的にポリフッ化ビニリデン系ポ
リマー(b)の含有量が少なくなった場合、前記ポリマ
ー(a)のゲル形成能(有機溶媒を含んでゲル状態とな
る性質があるかどうか)にもよるが、ほとんどの場合、
ポリフッ化ビニリデン系ポリマーよりゲル形成能は劣る
ため、力学的に良質な高分子ゲル電解質は得られにく
い。ポリフッ化ビニリデン系ポリマー(b)が70重量
%を越え、相対的に有機溶媒(d)やイオン性化合物
(c)の含有量が少なくなった場合、イオンが動きにく
くなったり、イオン含有量そのものが減少したりするの
で、高分子ゲル電解質のイオン導電率は著しく低くな
る。イオン性化合物(c)が50重量%を越えた場合、
イオン解離せずに結晶状態のままのイオン性化合物が多
く析出してしまい、力学的に好ましくない膜質の高分子
ゲル電解質となる。有機溶媒が85重量%を越えると、
高分子ゲル電解質の力学強度が著しく低下する。
【0042】本発明の高分子ゲル電解質の製造方法とし
ては、3種類が挙げられる。そのうちの一つ(前記7.
に記載の方法)は、前記ポリマー(a)とポリフッ化ビ
ニリデン系ポリマー(b)からなる溶融混合物を、冷却
・成膜して薄膜とする工程と、この薄膜に、有機溶媒
(d)にイオン性化合物(c)を溶解させた溶液を含ま
せる工程を含むことを特徴とする本発明の高分子ゲル電
解質の製造方法である。また本発明の製造方法の別の一
つ(前記8.に記載の方法)は、前記ポリマー(a)、
ポリフッ化ビニリデン系ポリマー(b)、イオン性化合
物(c)、このイオン性化合物をイオン解離させうる有
機溶媒(d)、及び揮発性溶媒を混合して混合溶液を作
る工程と、この混合溶液から薄膜を形成する工程とこの
薄膜から揮発性溶媒を揮発させる工程を含むことを特徴
とする、本発明の高分子ゲル電解質の製造方法である。
また本発明の製造方法の別の一つ(前記9.に記載の方
法)は、前記ポリマー(a)のモノマーと、このモノマ
ーを溶解する有機溶媒と、ポリフッ化ビニリデン系ポリ
マー(b)からなる混合物中で、このモノマーを重合さ
せる工程を含むことを特徴とする、本発明の高分子ゲル
電解質の製造方法である。
【0043】前記7.に記載の方法において、前記ポリ
マー(a)とポリフッ化ビニリデン系ポリマー(b)か
らなる溶融混合物を得る方法としては、前記ポリマー
(a)の粉末とポリフッ化ビニリデン系ポリマー(b)
の粉末をよく混ぜ合わせ、適当な加熱容器中で加熱して
両者を溶融する方法でも良いし、前記ポリマー(a)と
ポリフッ化ビニリデン系ポリマー(b)をそれぞれ溶融
してから混合する方法でも良い。前記ポリマー(a)と
ポリフッ化ビニリデン系ポリマー(b)の組み合わせ
は、均一な溶融混合物が得られるような組み合わせが好
ましく、また、これらを溶融する温度は、均一な溶融混
合物となるような温度が好ましい。この方法において、
前記ポリマー(a)とポリフッ化ビニリデン系ポリマー
(b)からなる溶融混合物(以下単に溶融混合物と呼
ぶ)を冷却・成膜する方法としては、溶融混合物を適当
な固体表面上に薄く流延してから室温に放置して徐冷し
ても良いし、あらかじめ冷やしておいた固体表面の上に
溶融混合物を薄く流延してもよい。溶融混合物を流延す
る固体表面の温度を適当な温度制御装置によって適当な
温度プログラムで制御してもよい。溶融混合物を冷却・
成膜する方法における膜厚条件、初期温度条件、冷却速
度等は、系の材料種類の組み合わせによって適宜検討す
ることが好ましい。溶融混合物を流延する固体表面とし
ては、どのような固体表面を用いてもかまわない。本発
明に用いることのできる固体表面の例としては、ガラス
板表面、金属板表面、電池の電極面の表面、電池の活物
質粒子の表面、電池のセパレータに用いられるような多
孔質体の細孔内部の表面、スペーサーとして用いられる
ような微粒子の表面、有機固体電解質や無機固体電解質
の膜表面あるいは粒子表面などが挙げられる。また溶融
混合物を冷却・成膜して薄膜とする方法においては、必
ずしも固体表面を使う必要はなく、例えば溶融押し出し
法によっても薄膜とすることができる。
【0044】また、前記7.の方法において、溶融混合
物を冷却・成膜して得られた薄膜(以下混合ポリマー薄
膜と呼ぶ)に、有機溶媒(d)にイオン性化合物(c)
を溶解させた溶液(以下イオン性化合物溶液と呼ぶ)を
含ませる方法としては、混合ポリマー薄膜を、イオン性
化合物溶液に浸漬しても良いし、混合ポリマー薄膜の上
に、イオン性化合物溶液を滴下しても良い。
【0045】前記8.に記載の方法において、揮発性溶
媒としては、前記ポリマー(a)、ポリフッ化ビニリデ
ン系ポリマー(b)、イオン性化合物(c)、及び有機
溶媒(d)の混合溶液が得られるものであって揮発性で
あれば特に限定されないが、沸点が低く、常温あるいは
若干の加温により蒸発させやすいものが好ましい。例と
しては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサ
ノン、ギ酸メチル、酢酸メチル、テトラヒドロフラン、
アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメトキシメ
タン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2
−ピロリドン等が挙げられる。また、2種以上の有機溶
媒からなる混合溶媒でも良く、例えば、前記ポリマー
(a)を溶解する溶媒と、ポリフッ化ビニリデン系ポリ
マー(b)、イオン性化合物(c)、及び有機溶媒
(d)の3者を溶解する溶媒の混合溶媒でも良い。
【0046】またこの方法において、混合溶液を塗布す
る固体表面は上記7.の方法の説明において示した固体
表面と同様、どのような固体表面を用いてもかまわな
い。またこの塗布膜から揮発性溶媒を蒸発させる工程に
おいては、常温・常圧中に放置して蒸発させても良い
し、加温したり減圧するなどして強制的に蒸発させても
良い。蒸発させる温度条件、気圧条件については系の材
料種類の組み合わせによって適宜検討することが好まし
い。
【0047】前記9.に記載の方法において、前記ポリ
マー(a)のモノマーとしては、ビニル基、アクリロイ
ル基、メタアクリロイル基、アリール基等に有機基Xが
結合している化合物が挙げられる。このうち、アクリロ
イル基、メタアクリロイル基が特に好ましい。このモノ
マーと、このモノマーを溶解する有機溶媒とポリフッ化
ビニリデン系ポリマー(b)からなる混合物中で、この
モノマーを重合させる方法としては、過酸化ベンゾイル
やアゾビスイソブチロニトリル等の重合開始剤を微量混
入させておき、加熱する方法、あるいはベンゾフェノ
ン、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニ
ルアセトフェノン、ベンゾイン等の光重合開始剤を微量
混入させておき、紫外光を照射する方法、あるいは重合
開始剤を混入させずに電子線を照射する等の方法が挙げ
られる。このとき用いる有機溶媒は、本発明の構成要素
である有機溶媒(d)と同じでもよいし、異なる有機溶
媒でもよい。異なる有機溶媒を用いた場合は、重合反応
の後、本発明の構成要素である有機溶媒(d)に置き換
える必要がある。置き換える方法としては、重合後の膜
を本発明のイオン性化合物(c)を有機溶媒(d)に溶
解した溶液に浸漬してもよいし、一旦重合後の膜を別の
適当な有機溶媒に浸漬した後、本発明のイオン性化合物
(c)を有機溶媒(d)に溶解した溶液に浸漬してもよ
い。また本発明の構成要素であるイオン性化合物(c)
は重合反応の際に含まれていてもよいし、重合反応の後
で有機溶媒(d)を用いて導入してもよい。重合反応
を、非常に高い温度で行ったり、放射線を用いて行った
りする場合、重合反応の際にイオン性化合物(c)が含
まれていると、イオン性化合物(c)が分解する危険性
があるので、イオン性化合物(c)は重合反応の後で有
機溶媒(d)を用いて導入するのが好ましい。
【0048】本発明におけるポリマーバッテリーは、正
極と、負極と、これらの間に位置する高分子電解質から
なるポリマーバッテリーにおいて、この高分子電解質
が、本発明の高分子ゲル電解質からなるものであればそ
の他に特に限定はない。一次電池でも二次電池でもよ
い。本発明におけるポリマーバッテリーの構成として
は、例えば、本発明の高分子ゲル電解質の薄膜の両面に
正極と負極を密着させても良いし、本発明の高分子ゲル
電解質の薄膜と正極、負極との間に別の部材を挟んでも
良い。また本発明のポリマーバッテリーの形態は、なん
ら限定はない。コイン型でもよく、円筒型でもよく、カ
ード型でもよく、角形でもよい。電極の配置に関して
も、平板を張り合わせた構成でもよいし、巻回型でもよ
い。また、正極、負極、本発明の高分子ゲル電解質を複
数層積層し、直列にした構成や、並列にした構成でも良
い。
【0049】また本発明のポリマーバッテリーの作製方
法は何ら限定はない。例えば、本発明における前記ポリ
マー(a)とポリフッ化ビニリデン系ポリマー(b)か
らなる溶融混合物を、正極表面に塗布し、本発明におけ
る有機溶媒(d)にイオン性化合物(c)を溶解させた
溶液を含ませた後、負極を貼り合わせる方法や、本発明
における前記ポリマー(a)、ポリフッ化ビニリデン系
ポリマー(b)、イオン性化合物(c)、有機溶媒
(d)、及び揮発性溶媒を混合した混合溶液を正極表面
に塗布し、この塗布膜から揮発性溶媒を蒸発させる方法
等が挙げられる。
【0050】ポリマーバッテリーにおける正極に含まれ
る正極活物質としては何ら限定はなく、例としてはバナ
ジウム酸化物、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウ
ム、ポリアニリン、ジスルフィド化合物、ポリピロー
ル、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(アル
キルチオフェン)、ポリ(チエニレンビニレン)、ポリ
(パラフェニレン)、ポリ(パラフェニレンビニレ
ン)、ポリ(フェニルアセチレン)、ジスルフィド系活
物質、カーボン、あるいはこれらのいずれか同士の混合
等が挙げられる。また正極活物質の形状も特に限定され
ず、板状、薄膜状、粒子状、多孔質状等が挙げられる。
【0051】本発明では正極の構成としては正極活物質
の他に集電体、バインダー、補助導電剤、イオン伝導体
などが含まれていてもよい。集電体の例としては銅、
鉄、ニッケル、アルミニウム、錫などの金属箔が挙げら
れる。バインダーの例としては、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビ
ニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレン、あるいはこ
れらの共重合体や架橋体が挙げられる。バインダーと本
発明の高分子ゲル電解質を同じ材料構成とするなどして
一体化して作製してもよい。補助導電剤の例としてはカ
ーボン粒子、ポリアニリン、ポリピロール、金属粒子な
どが挙げられる。
【0052】ポリマーバッテリーにおける負極の例とし
ては天然黒鉛、メソフェーズカーボンマイクロビーズ等
を、バインダー、イオン伝導体などに分散させたもの
を、集電体の上に塗布したもの等が挙げられる。また、
I族またはII族単体金属、あるいはこれと他の金属と
の合金を活物質としてもよい。合金として混合する金属
としては、アルミニウム、鉛、錫、カドミウム、銀、イ
ンジウム、亜鉛、アンチモン、水銀、マグネシウム、カ
ルシウム等が例として挙げられる。
【0053】本発明に類似した構成として、相分離構造
を有するポリマーマトリクス中に、電解質溶液を含有し
てなる高分子固体電解質が開示されている(特開平5−
299119号公報)。また、ポリマーマトリックス
と、該ポリマーマトリックス内に、ポリマーマトリック
スと相分離し、連続して網目状に形成されたイオン伝導
路からなる高分子固体電解質が開示されている(特開平
5−325990号公報)。また、有機電解液に難溶性
のポリマーと可溶性のポリマーを混合あるいは相溶させ
たポリマアロイフィルムを作製し、有機電解液を含浸さ
せてゲル化した構成が開示されている(特開平9−97
618号公報)。しかしこれらの公報の中で例示されて
いるポリマーの組み合わせの中には、前記ポリマー
(a)と、ポリフッ化ビニリデン系ポリマーの組み合わ
せは記載されていない。
【0054】本発明によれば、以下の利点が認められ
る。
【0055】(イ)高分子ゲル電解質において、前記ポ
リマー(a)が側鎖にカルボニル基を2以上有するもの
であり、これとポリフッ化ビニリデン系ポリマー(b)
を同時に用いているため、本発明の高分子ゲル電解質の
製造方法等により均質な高分子ゲル電解質膜を得ること
ができる。これは、前記ポリマー(a)がカルボニル基
を多く有するため、ポリフッ化ビニリデン系ポリマーと
の相溶性が良く、両者を溶融して混合した際や共通溶媒
を用いて混合溶液を調製した際などにおいて均一な溶融
混合物あるいは混合溶液を得られやすくなるからである
と考えられる。このようにして、高分子ゲル電解質の力
学強度の均一性が実現でき、場所によって力学強度の高
い部分と低い部分に分かれることがなく、全体として優
れた力学強度を持つ高分子ゲル電解質が得られる上、高
分子ゲル電解質のイオン導電率の均一性も実現でき、場
所によってイオン導電率の高い部分と低い部分に分かれ
ることがない。
【0056】また、イオン性化合物(c)および有機溶
媒(d)として、前記5.および6.に記載されている
ものの中から選ばれるものを用いることにより、他の材
料を用いた場合に比べてイオン導電率および力学強度が
共に良好な高分子ゲル電解質が得られる。
【0057】(ロ)高分子ゲル電解質の前記7.に記載
の製造方法によれば、均質であり、高分子ゲル電解質に
おけるイオン導電率および力学強度の両立という点で好
ましい膜質の本発明の高分子ゲル電解質を得ることがで
きる。また、成膜した後、乾燥状態で膜を保存でき、別
工程でイオン性化合物(c)を有機溶媒(d)に溶解し
た溶液を含ませることができるので、高分子ゲル電解質
あるいはこれを用いたポリマーバッテリーの大量生産に
おいて都合がよい。
【0058】(ハ)高分子ゲル電解質の前記8.に記載
の製造方法によれば、均質であり、高分子ゲル電解質に
おけるイオン導電率および力学強度の両立という点で好
ましい膜質の本発明の高分子ゲル電解質を得ることがで
きる。また、全ての工程を常温で行うことも可能とな
り、製造コストを安価にできる。
【0059】(ニ)高分子ゲル電解質の前記9.に記載
の製造方法によれば、ポリマー状態で有機溶媒に溶けに
くい材料も本発明におけるポリマー(a)として用いる
ことができるようになり、力学強度の良好な高分子ゲル
電解質を得ることができる。
【0060】(ホ)正極と、負極と、これらの間に位置
する高分子電解質からなるポリマーバッテリーにおい
て、この高分子電解質が、本発明の高分子ゲル電解質か
らなるものとすることにより、高分子ゲル電解質の場所
によってイオン導電率の高い部分と低い部分に分かれる
ことがなく正極、負極表面におけるイオンの出入りのム
ラが低減され、充放電特性の優れたポリマーバッテリー
とすることができる。
【0061】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもので
はない。
【0062】実施例1 α−アクリロイルオキシ−β,β−ジメチル−γ−ブチ
ロラクトン(アルドリッチから入手、以下DMBLAと
呼ぶ)10gに、アゾビスイソブチロニトリル(AIB
N)4mgを加えて80℃に加熱し24時間反応させる
ことで、目的のポリマー、ポリ(ジメチル−γ−ブチロ
ラクトン−アクリレート)を得た(以下PDMBLAと
呼ぶ)。GPC測定により、重量平均分子量が少なくと
も1000以上であることを確認した。PDMBLA及
びポリフッ化ビニリデンを3:7の重量比で混合し、通
常のホットプレスの方法により溶融成形してポリマーブ
レンド薄膜を得た。アルゴン雰囲気中、濃度1MのLi
PF6/プロピレンカーボネート溶液を60℃に保ち、
これに上記のポリマーブレンド薄膜をステンレス板ごと
3時間浸漬し、引き上げてから薄膜やステンレス板に付
着した余分な液体をふき取った。このようにして本発明
の高分子ゲル電解質の薄膜を得た。
【0063】実施例2 アルゴン雰囲気中、PDMBLA、ポリフッ化ビニリデ
ン、 LiPF6、プロピレンカーボネート、及びジメチ
ルホルムアミド(以下DMF)を、1:9:1:9:1
00の重量比で混合し、60℃に保ちながら攪拌して混
合溶液を得た。この混合溶液を、鏡面研磨したステンレ
ス板上に薄く塗布した。さらに、60℃中で適度に減圧
してDMFを蒸発させることにより、本発明の高分子ゲ
ル電解質の薄膜を得た。
【0064】実施例3 DMBLA、ポリフッ化ビニリデン、 LiPF6、プロ
ピレンカーボネート、及びDMFを、アルゴン雰囲気
中、3:7:1:9:100の重量比で混合し、さらに
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンを微
量(DMBLAに対し5重量%となる量)加え、室温で
攪拌して混合溶液を得た。この混合溶液を、鏡面研磨し
たステンレス板上に薄く塗布し、60℃中で適度に減圧
してDMFを蒸発させることにより、ゲル状の薄膜を得
た。さらにこのゲル状薄膜に対し、250Wの超高圧水
銀灯で5mW/cm2の照度で5分間UV照射すること
によりDMBLAを重合させた。このようにして本発明
の高分子ゲル電解質の薄膜を得た。
【0065】実施例4 DMBLA、ポリフッ化ビニリデン、プロピレンカーボ
ネート、DMFを3:7:20:100の重量比で混合
し、さらに2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフ
ェノンを微量(DMBLAに対し5重量%となる量)加
え、室温で攪拌して混合溶液を得た。この混合溶液を、
鏡面研磨したステンレス板上に薄く塗布し、60℃中で
適度に減圧してDMFを蒸発させることにより、ゲル状
の薄膜を得た。さらにこのゲル状薄膜に対し、250W
の超高圧水銀灯で5mW/cm2の照度で5分間UV照
射することによりDMBLAを重合させた。次にアルゴ
ン雰囲気中、濃度1MのLiPF6/プロピレンカーボ
ネート溶液を60℃に保ち、これに上記の薄膜をステン
レス板ごと3時間浸漬し、引き上げてから薄膜やステン
レス板に付着した余分な液体をふき取った。このように
して本発明の高分子ゲル電解質の薄膜を得た。
【0066】実施例5 カプロラクトンオリゴマー変性ヒドロキシエチルメタク
リレート(ダイセル工業(株)製、商品名「プラクセル
FM1D」(分子量244)、以下これをOCHEMと
呼ぶ)10gとAIBN4mgを加えて80℃に加熱し
24時間反応させることにより、目的のポリマー、ポリ
(オリゴカプロラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリ
レート)を得た(以下これをPOCHEMと呼ぶ)。G
PC測定により、重量平均分子量が少なくとも1000
以上であることを確認した。POCHEM及びポリフッ
化ビニリデンを3:7の重量比で混合し、通常のホット
プレスの方法により溶融成形して自立性のポリマーブレ
ンド薄膜を得た。以降、実施例1と同様にして本発明の
高分子ゲル電解質の薄膜を得た。
【0067】実施例6 OCHEM、ポリフッ化ビニリデン、プロピレンカーボ
ネート、DMFを1:9:20:100の重量比で混合
し、さらに2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフ
ェノンを微量(OCHEMに対し5重量%となる量)加
え、室温で攪拌して混合溶液を得た。以降、実施例3と
同様にして本発明の高分子ゲル電解質の薄膜を得た。
【0068】比較例1 ポリフッ化ビニリデン、LiPF6、プロピレンカーボ
ネート、及びDMFを、20:1:9:200の重量比
で混合し、60℃で攪拌して混合溶液を得た。以降、実
施例2と同様にして比較例1の高分子ゲル電解質の薄膜
を得た。
【0069】実施例7 本例は正極中の正極活物質に金属酸化物、負極にリチウ
ムイオン吸蔵炭素質材料、これらの間に位置する高分子
電解質に本発明の高分子ゲル電解質を用いた本発明のポ
リマーバッテリーの一実施例を示す。図1はこのポリマ
ーバッテリーの模式的断面図である。
【0070】本実施例の電池は、図1に示すように、正
極集電体1の一方の面上に形成された正極層2と負極集
電体5の面上に形成された負極層4とが高分子ゲル電解
質層3に密着して挟むようにして積層され、ホットメル
ト6により固定された構造を有している。このポリマー
バッテリーはアルゴン雰囲気中で次のように製造した。
【0071】平均粒径5μmのコバルト酸リチウム、ア
セチレンブラック、ポリフッ化ビニリデン、N―メチル
−2−ピロリドンを10:1:1:30の重量比で混
合、分散し、よく攪拌した。これをワイヤーバー法によ
りアルミ箔の片面に均一に塗布し、100℃で2時間真
空乾燥させ、溶媒を除去した。このようにして作製した
正極層を、適当な大きさとなるように余分な部分を正極
集電体の上から除去して約25mAhの容量を持つ正極
層2および正極集電体1を作製した。
【0072】次に、PDMBLA、ポリフッ化ビニリデ
ン、 LiPF6、プロピレンカーボネート、及びDMF
を実施例2と同じ重量比で混合した60℃に保った混合
溶液を、上記の正極層の上に薄く塗布した。これを60
℃中、適度に減圧してDMFを揮発させることにより、
本発明の高分子ゲル電解質薄膜3を形成させた。さらに
この薄膜の余分な部分を削り取って大きさと膜厚を調節
した。
【0073】一方、ポリフッ化ビニリデン、N―メチル
−2−ピロリドン、粉末石油コークス、及びアセチレン
ブラックを1:30:20:1の重量比で混合し、よく
攪拌した。これをワイヤーバー法によりステンレス箔の
片面に均一に塗布し、100℃で2時間真空乾燥させ、
溶媒を除去した。次にこれを正極層と同じ大きさとなる
ように余分な部分を負極集電体の上から除去して約25
mAhの容量を持つ負極4および負極集電体5を作製し
た。
【0074】次に正極集電体の外周部の上に加熱圧着タ
イプのホットメルトを載せてから、正極層の上の高分子
ゲル電解質層が正極層と負極層で密着して挟まれるよう
に、図1のような位置関係で負極層・負極集電体を合わ
せた。そして、加熱により、ホットメルト6を集電体の
外周端部に完全に接着してポリマーバッテリーを完成し
た。
【0075】実施例8 PDMBLA、ポリフッ化ビニリデン、リチウムビス
(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(以下LiT
FSI)、プロピレンカーボネート、及びDMFを、
1:9:2:9:100の重量比で混合し、60℃で攪
拌して混合溶液を得た。上記の混合溶液を、実施例7で
用いたものと同じ正極集電体上の正極層の上に薄く塗布
した。以降、実施例7と同様にしてポリマーバッテリー
を完成した。
【0076】実施例9 PDMBLA、ポリフッ化ビニリデン、LiPF6、エ
チレンカーボネート、プロピレンカーボネート、及びD
MFを、2:18:2:9:9:200の重量比で混合
し、60℃で攪拌して混合溶液を得た。この混合溶液
を、実施例7で用いたものと同じ正極集電体上の正極層
の上に薄く塗布した。以降、実施例7と同様にしてポリ
マーバッテリーを完成した。
【0077】実施例10 実施例7と同様に正極集電体の上に正極層を形成し、さ
らにその上に実施例7と同様に高分子ゲル電解質の薄膜
を形成させた。さらにこの薄膜の余分な部分を削り取っ
て大きさと膜厚を調節した。
【0078】次に、正極集電体の外周部の上に加熱圧着
タイプのホットメルトを載せてから、上記の高分子ゲル
電解質層と同じ大きさのリチウム箔(負極層)を高分子
ゲル電解質層の上に乗せ、さらにその上に正極集電体と
同じ大きさのステンレス箔(負極集電体)を乗せた。そ
して、加熱により、ホットメルトを集電体の外周端部に
完全に接着してポリマーバッテリーを完成した。
【0079】比較例2 実施例7で用いたものと同じ正極層の上に、ポリフッ化
ビニリデン、LiPF 6、プロピレンカーボネート、及
びDMFを比較例1と同じ重量比で混合した混合溶液を
薄く塗布した。60℃において、適度に減圧してDMF
を揮発させることにより、高分子ゲル電解質の薄膜を形
成した。さらにこの薄膜の余分な部分を削り取って大き
さと膜厚を調節した。以降、実施例7と同様にしてポリ
マーバッテリーを完成した。
【0080】比較例3 実施例10において、高分子ゲル電解質層として比較例
1で用いたものと同じ高分子ゲル電解質を用いた他は、
実施例10と同様にしてポリマーバッテリーを完成し
た。
【0081】(試料の評価方法および結果)実施例1〜
6及び比較例1における高分子ゲル電解質を、それぞれ
ステンレス基板からはがして適当な形に切り出し、これ
を2枚のステンレス電極で挟み適度に加圧して通常の交
流インピーダンス法によってイオン導電率を測定した。
表1に実施例1〜6及び比較例1における高分子ゲル電
解質のイオン導電率および膜の力学的状態を示す。
【0082】また、実施例7〜10および比較例2、3
で作製したポリマーバッテリーの充放電試験を行った。
充放電試験の前に電池電圧が安定するまで予備充放電を
行った。充放電試験は、まず充電方向から5mAの電流
で、電池電圧が4.5Vになるまで充電し、30分休止
時間の後、同電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電
した。以下、この充放電操作を100回繰り返し、流し
た電流量から容量の変化を計算した。表2に実施例7〜
10および比較例2、3で作製したポリマーバッテリー
の繰り返し充放電に対する容量の減少度を、初期容量C
0に対する充放電容量C100の比で比較して示す。
【0083】
【表1】
【0084】PVDF:ポリフッ化ビニリデン PDMBLA:ポリ(ジメチル−γ−ブチロラクトン−
アクリレート) POCHEM:ポリ(オリゴカプロラクトン変性ヒドロ
キシエチルメタクリレート)
【0085】
【表2】
【0086】LiTFSI:リチウムビス(トリフルオ
ロメチルスルホニル)イミド PVDF:ポリフッ化ビニリデン PDMBLA:ポリ(ジメチル−γ−ブチロラクトン−
アクリレート) PC:プロピレンカーボネート EC:エチレンカーボネート
【0087】表1の結果から、イオン導電率に関して
は、本発明の高分子ゲル電解質の実施例のいずれにおい
ても従来型の比較例1に比べて改善されていることがわ
かる。また膜の力学強度に関しても、本発明の高分子ゲ
ル電解質の実施例のいずれにおいても良好な自立性を有
していた。以上のことから本発明の高分子ゲル電解質
は、イオン導電率と力学強度の両立という点で優れてい
ることが分かる。
【0088】表2の結果から、同じ電極構成のもの同士
で比べると、本発明のポリマーバッテリーである実施例
7〜10の方が従来型である比較例2、3よりも優れた
充放電繰り返し耐性を持つことが分かる。
【0089】
【発明の効果】本発明によれば、イオン導電率および力
学強度が共に良好な高分子ゲル電解質が得られる。その
理由は未だ完全には明らかにされていないが、式(1)
で表される主たる繰り返しユニットの側鎖にカルボニル
基を2以上有するポリマーと、ポリフッ化ビニリデン系
ポリマーの相溶性が良いため、両者を溶融して混合した
際や共通溶媒を用いて混合溶液を調製した際などにおい
て均一な溶融混合物あるいは混合溶液を得られやすくな
り、好ましい膜質の高分子ゲル電解質が得られるからで
あると考えられる。
【0090】また本発明によれば、充放電特性に優れた
ポリマーバッテリーが得られる。その理由は、正極と負
極の間の電解質層として、イオン導電率および力学強度
が共に良好であって、かつ場所によって力学強度の高い
部分と低い部分に分かれておらず全体として優れた力学
強度を持ち、また場所によってイオン導電率の高い部分
と低い部分に分かれておらず均一なイオン導電率を持
つ、本発明の高分子ゲル電解質が用いられているからで
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリマーバッテリーの一実施例を示す
模式図である。
【符号の説明】
1 正極集電体 2 正極層 3 高分子ゲル電解質層 4 負極層 5 負極集電体 6 ホットメルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01M 6/18 H01M 6/18 E 6/22 6/22 C 10/40 10/40 B (72)発明者 佐藤 正春 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (72)発明者 長谷川 悦雄 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−223842(JP,A) 特開 平8−283523(JP,A) 特開 平11−53937(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 1/06 C08K 5/41 C08L 27/16 C08L 33/14 H01B 1/12 H01M 6/12 H01M 6/22 H01M 10/40

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)1〜40重量%の下記式(1) 【化1】 (ただし、R1は水素、フッ素またはアルキル基、R2
    びR3はそれぞれ独立に水素またはアルキル基、Xはカ
    ルボニル基を2以上有する分子量2000以下の有機
    基)で表されるユニットを主たる繰り返し単位として有
    する分子量500以上のポリマー、(b)20〜70重
    量%のポリフッ化ビニリデン系ポリマー、(c)1〜5
    0重量%のイオン性化合物、及び(d)20〜85重量
    %の該イオン性化合物をイオン解離させうる有機溶媒を
    含むことを特徴とする高分子ゲル電解質。
  2. 【請求項2】 式(1)において、Xが式(2) 【化2】 (ただしYはアルキレン、オキシアルキレン、アリーレ
    ン、およびこれらのフッ化物からなる群から選ばれる1
    種、mは0以上5以下の整数、Zはカルボニル基を1以
    上有する有機基)で表される有機基である請求項1記載
    の高分子ゲル電解質。
  3. 【請求項3】 式(1)において、R1が水素またはメ
    チルであり、R2、及びR3が水素である請求項1または
    2に記載の高分子ゲル電解質。
  4. 【請求項4】 式(2)において、Zがラクトン、ポリ
    ラクトン、及びカーボネート基を含む有機基からなる群
    から選ばれる1種である請求項2または3に記載の高分
    子ゲル電解質。
  5. 【請求項5】 イオン性化合物(c)が、一般式M+-
    で表され、M+はLi+、Na+、K+から選ばれる一つで
    あって、X-はClO4 -、BF4 -、PF6 -、CF3
    3 -、(CF3SO22-、(C25SO22-
    (CF3SO23-、(C25SO23-からなる群
    から選ばれる少なくとも1種である請求項1乃至4のい
    ずれかに記載の高分子ゲル電解質。
  6. 【請求項6】 有機溶媒(d)が、エチレンカーボネー
    ト、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、
    ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ
    −ブチロラクトンからなる群から選ばれる少なくとも1
    種である請求項1乃至5のいずれかに記載の高分子ゲル
    電解質。
  7. 【請求項7】 前記ポリマー(a)とポリフッ化ビニリ
    デン系ポリマー(b)からなる溶融混合物を、冷却・成
    膜して薄膜とする工程と、該薄膜に、イオン性化合物
    (c)を有機溶媒(d)に溶解した溶液を含ませる工程
    を含むことを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに
    記載の高分子ゲル電解質の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記ポリマー(a)、ポリフッ化ビニリ
    デン系ポリマー(b)、イオン性化合物(c)、該イオ
    ン性化合物をイオン解離させうる有機溶媒(d)、及び
    揮発性溶媒を混合して混合溶液を作る工程と、該混合溶
    液から薄膜を形成する工程と、該薄膜から揮発性溶媒を
    蒸発させる工程を含むことを特徴とする、請求項1乃至
    6のいずれかに記載の高分子ゲル電解質の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記ポリマー(a)のモノマーと、該モ
    ノマーを溶解する有機溶媒と、ポリフッ化ビニリデン系
    ポリマー(b)からなる混合物中で、該モノマーを重合
    させる工程を含むことを特徴とする、請求項1乃至6の
    いずれかに記載の高分子ゲル電解質の製造方法。
  10. 【請求項10】 正極、負極、及びこれらの間に位置す
    る高分子電解質からなるポリマーバッテリーにおいて、
    該高分子電解質が、請求項1乃至6のいずれかに記載の
    高分子ゲル電解質からなることを特徴とするポリマーバ
    ッテリー。
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