JP3036138U - 替え刃式鋸 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 背金２の掛け止め軸２２に鋸身（替え刃）１
を掛け止めして、背金２の先部の挾持部２３に挾持装着
する替え刃式鋸に於いて、片刃鋸及び両刃鋸の双方を安
全に使用できる。 【構成】 鋸身装着状態の掛け止め軸２２を中心とした
離脱方向回動の阻止位置の背金下縁側に阻止溝３１を形
成し、阻止溝位置より把柄側で背金上部に枢結した操作
レバー３２を設け、操作レバーに基部を枢結すると共
に、操作レバーの回動操作で先部が阻止溝への着脱がな
される阻止杆３３を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、片刃鋸並びに両刃鋸いずれにも対応できる替え刃式鋸に関するもの である。

【０００２】

【従来の技術】

替え刃式鋸は、その装着構造によって種々の構造のものが知られているが、本 考案の対象は、掛け止め式挟持方式のものである。 掛け止め挟持方式の替え刃式鋸は、把柄の先部に設けた二つ折り鋼板の背金に 、掛け止め軸を内設し、掛け止め軸より先方部分を挾持部として、替え刃の基部 を掛け止め軸に引っ掛けて、挾持部で強く挾持して替え刃装着してなるものであ る（実公昭５３−６１６７４号、同５７−２６７２４号）。

【０００３】 また前記方式の替え刃式鋸の替え刃装着構造をそのまま両刃鋸に適用しようと すると、背側の鋸刃を使用した場合に、外れてしまう虞がある。そこで両刃鋸を 使用するための構造として、実開平５−５４０２号が提案されている。そしてそ の構造は、バネ付勢した突起と、替え刃の掛け止め部の背面側に設けた凹部とを 掛け合わせて、装着回動と反対方向回動を阻止して両刃鋸の替え刃式を実現して いるものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで前記の掛け止め式の替え刃鋸は、装着時の替え刃回動方向と反対の方 向に力が作用すると、替え刃が離脱してしまうし、更に使用時にガタツキがない ように、挾持部の挾持力を適度に強くしておく必要がある。しかし挾持力を強め ると替え刃の着脱作業時に強い力を必要とし、逆に危険性が高まる。 また前記した従前の替え刃式両刃鋸は、替え刃の離脱方向回動を阻止するのに 、替え刃の基部背面に凹部を形成し、この凹部に係止する突起の操作部を背金の 腹部若しくは把柄の背部に突設している。 このため鋸使用中に操作部に触れ替え刃と把柄との係止が解除され、鋸が離脱 して危険な状態となる虞があり、而も構造が複雑で、更に替え刃の離脱方向回動 阻止を必要としない片刃との共用ができない。共用しようとすると、片刃鋸にわ ざわざ凹部を形成する必要がある。 そこで本考案は簡単に片刃鋸も両刃鋸も使用できる共に、替え刃の着脱を容易 にした替え刃式鋸を提案したものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る替え刃式鋸は、掛け止め式方式の替え刃式鋸に於いて、背金への 替え刃装着状態における替え刃の掛け止め軸を中心とした離脱方向回動の阻止位 置となる背金下縁側に阻止溝を形成し、阻止溝位置より把柄側で背金上部に枢結 した操作レバーを設け、操作レバーに基部を枢結すると共に、操作レバーの回動 操作で先部が阻止溝への着脱がなされる阻止杆を設けた替え刃の離脱防止機構を 備えたことを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】

阻止杆を阻止溝から外した状態では替え刃の掛止部を背金の掛け止め軸に引っ 掛けて回動することで替え刃基部を挾持して装着状態とし、逆方向に回動すると 替え刃が背金から離脱する。そして、替え刃装着状態で、阻止杆を阻止溝に差し 入れ、操作レバーを回動操作すると阻止杆が阻止溝の奥方で安定する。従って替 え刃は、掛け止め軸を中心とした一方側への回動は、背金の折り返し部分で阻止 され、他方の回動（離脱方向）の回動は、阻止杆に衝突して阻止されるので、両 刃鋸のいずれの側の刃を使用しても、替え刃は背金から離脱することがない。ま た同様の背金に装着される片刃の替え刃にも使用できるものである。

【０００７】

【実施例】

次に本考案の実施例について説明する。 本考案に係る替え刃式鋸は、替え刃１と、背金２と、背金２に付設した離脱防 止機構３と、把柄４からなる。 替え刃１は、両側に鋸刃１１，１２を形成し、基部１３に鉤状の掛止部１４を 形成したものである。

【０００８】 背金２は、鋼板を二つ折りにして基部２１を把柄３の先端部に埋設固定し、先 部に替え刃１の基部１３を装着する装着部としたもので、装着部は、掛止部１４ を引っ掛ける掛け止め軸２２を二つ折り鋼板間に形成し、更に先端部分には、表 裏鋼板の間隔を狭くして形成した挾持部２３を設け、更に掛け止め軸２２と挾持 部２３の間の下方開口間隙部分の一方の鋼板部分を除去して差し込みガイド部２ ４を設け、更に背金２に離脱防止機構３を付設したものである。

【０００９】 離脱防止機構３は、阻止溝３１と操作レバー３２と、阻止杆３３から構成され 、阻止溝３１は、背金２に替え刃１の基部１３を使用可能に装着した状態におけ る基部１３の後端縁１３ａの直後位置即ち替え刃１の離脱方向回動の阻止位置と なる背金下縁側に形成してなり、特に、下縁開口部分が基部後端縁１３ａ直後に 位置し、替え刃装着状態で、阻止溝３１の幅が奥方へ行く程狭くなるようにして なる。操作レバー３２は、背金２の上縁に添う操作部３２１と、操作部３２１の 先部で下方に屈曲させた基部３２２とを備え、基部３２２を、阻止溝３１位置よ り把柄４側で背金２の上部に枢結し、阻止杆３３は、その基部を操作レバー３１ の操作部と基部の境界付近に枢結すると共に、その先端（阻止部３１ａ）が、前 記操作レバー３１の回動操作で阻止溝３１内への着脱がなされるようにしてなる 。

【００１０】 而して替え刃１を把柄Ａの背金２に装着するには、基部１３部分をガイド部２ ４上に載置すると、狭い間隙の背金２の表裏鋼板の間隙内にもスムーズに差し入 れることができ、そして掛止部１４を掛け止め軸２２に引っ掛け回動し、挾持部 ２３に基部１３を圧入してなるもので、更に操作レバー３２を回動操作して、阻 止溝３１内に阻止部（阻止杆先端）３１ａを装着するものである。

【００１１】 従って替え刃（替え刃）１は、その基部１３が背金２に装着され、背金の腹側 の鋸刃１１を使用する場合は、従前の片刃鋸の替え刃（替え刃）の使用と何ら変 わらず背金１からの離脱が生ずるようなことはないし、更に背金２の背側の鋸刃 １２を使用して、替え刃１が掛け止め軸２２から離脱する回動方向に力が作用し ても、替え刃１の基部１３が阻止体３１ａに衝突してその回動が阻止されるので 、何ら支障無く背腹何れの鋸刃１１，１２も使用できるものである。

【００１２】 更に阻止部３３ａが阻止溝３１内に差し入れられると、阻止溝３１が奥方へ行 く程幅狭となっているため、掛け止め軸２２に引っ掛けられている替え刃１の基 部後縁１３ａを先方へ押し出すようになり、挾持部２３の挾持力が弱くとも何等 替え刃１がガタツクことがない。即ち挾持部２３の挾持力を弱くすることで、替 え刃１の着脱操作を容易に行うことができるものである。

【００１３】

【考案の効果】

以上のように、本考案は、鋸（替え刃）の基部を引っ掛け回動して背金の挾持 部で鋸の基部を挾持する掛け止め方式の替え刃式鋸に於いて、替え刃の離脱を防 止する簡単で且つ操作を容易にした構造を採用して、両刃鋸の使用をも可能とし たものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施形態の全体の正面図。

【図２】同要部の正面図（替え刃離脱状態）。

【図３】同要部の断面図（替え刃装着状態）。

【図４】同背金の下方斜視図。

【符号の説明】

１ 替え刃 １１．１２ 鋸刃 １３ 基部 １４ 掛止部 ２ 背金 ２１ 基部 ２２ 掛け止め軸 ２３ 挾持部 ２４ ガイド部 ３ 離脱防止機構 ３１ 阻止溝 ３２ 操作レバー ３３ 阻止杆 ４ 把柄

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 二つ折り鋼板で形成して、内部に替え刃
   の掛け止め軸を設けると共に、掛け止め軸の先方に替え
   刃挾持部を具備した背金と、前記背金を先部に装着した
   把柄と、前記掛け止め軸に引掛可能な形状の掛止部を基
   部に形成した替え刃とで構成される替え刃式鋸に於い
   て、背金への替え刃装着状態における替え刃の掛け止め
   軸を中心とした離脱方向回動の阻止位置となる背金下縁
   側に阻止溝を形成し、阻止溝位置より把柄側で背金上部
   に枢結した操作レバーを設け、操作レバーに基部を枢結
   すると共に、操作レバーの回動操作で先部が阻止溝への
   着脱がなされる阻止杆を設けた替え刃の離脱防止機構を
   備えたことを特徴とする替え刃式鋸。
2. 【請求項２】 請求項１記載の替え刃式鋸に於いて、阻
   止溝を、替え刃装着時に、阻止杆が替え刃基部後縁を押
   圧する形状に形成したことを特徴とする替え刃式鋸。
3. 【請求項３】 請求項１記載の替え刃式鋸に於いて、背
   金の掛け止め軸と替え刃挾持部の間の下方開口間隙部分
   における表裏一方の鋼板部分を除去して鋼板内面側に替
   え刃の載置を可能とした差し込みガイド部を設けてなる
   ことを特徴とする替え刃式鋸