JP3035579U - 車椅子用テーブル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 日常身近に置いて、必要時に簡易且つ便利
に、しかも多目的に使用できる車椅子用テーブルを提供
する。 【解決手段】 概略四角形で一定大きさとなされた平板
１の左右何れか一方の側辺部の凡そ中央位置に一定深さ
の第一切り込み部２ａを、そして他方の側辺部で前記位
置と対向した位置に前記切り込み部より一定寸法深い第
二切り込み部２ｂを設けるほか、平板を車椅子の特定位
置に位置させる操作のみで平板の水平姿勢保持と横移動
規制が確保されるように作用する係止手段３ａ、３ｂを
具備した構成とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、必要時に車椅子に装着して使用される車椅子用テーブルに関する。

【０００２】

【従来の技術】

車椅子の肘掛部に一体的に装着させて起伏して使用するものとしたテーブルは 既に現存しており、一般に、車椅子の付属品などとして提供される。

【０００３】 ところが、この種のテーブルは比較的小さくて使い勝手が悪く、また肘掛部に 一体的に取り付けられているため、起伏可能とは言え不使用時は邪魔になるもの となっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は斯かる実情に対処するために案出したものであり、日常身近に置いて 、必要時に簡易且つ便利に脱着可能となし、しかも多目的に使用し得るものとし た車椅子用テーブルを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案は、概略四角形で一定大きさとなされた平板 の左右何れか一方の側辺部の凡そ中央位置に一定深さの第一切り込み部を、そし て他方の側辺部の前記位置と対向した位置に前記切り込み部より一定寸法深い第 二切り込み部を設けるほか、平板を車椅子の特定位置に位置させる操作のみでそ の水平姿勢保持と横移動規制とが確保されるように作用する係止手段を具備した ものとなす。

【０００６】 そして、具体的には次のようなものとなす。 即ち、係止手段は、第一及び第二切り込み部の各前面壁の一部を下方へ延長す るものとした突片と、少なくとも一方の側辺部の近傍で第一又は第二切り込み部 の後方個所に前後向きに配設した断面逆Ｕ字形の条部材とからなるものとする。

【０００７】 また、平板の上面に取り外し可能に装着されるものとした湯呑み受け、眼鏡受 け、マイク受け又は筆受けなどの付属品を形成するほか、平板の周面はゴムや樹 脂などの緩衝材で被覆する。

【０００８】

【考案の実施の形態】

図１は本考案に係る車椅子用テーブルと、これが装着される車椅子を示す図、 図２は前記車椅子用テーブルの使用状態を示す図、図３は前記車椅子用テーブル の変形例を示す図である。

【０００９】 図に於いて、１は概略四角形とした平板であって、木材や樹脂材などで形成し 、その大きさは例えば縦３００ｍｍ、横４８０ｍｍ、厚さ１０ｍｍなどとなされ る。

【００１０】 ２ａは平板１の左右方向の一方の側辺部１ａの凡そ中央位置に設けた第一切り 込み部であり、２ｂは他方の側辺部１ｂの前記位置と対向した位置に設けた第二 切り込み部である。

【００１１】 第一切り込み部２ａ及び第二切り込み部２ｂは必要最小限度の巾及び深さとす るのがよいのであり、具体的には前者２ａの深さｄ１は数ｃｍ程度となし、後者 ２ｂのそれｄ２は前者２ａよりもさらに数ｃｍ程度深くなす。

【００１２】 平板１には、これを車椅子の特定個所に位置させる操作のみでその水平姿勢保 持と横移動規制とが確保されるように作用する係止手段を設ける。 図示例の係止手段は、突片３ａと、断面逆Ｕ字形の条部材３ｂとからなり、こ れらは何れも平板１の裏面に固定してある。

【００１３】 ここに、突片３ａは第一及び第二切り込み部２ａ、２ｂの各前面壁ａの一部を 下方へ数ｃｍ延長させたものとなすのであって、具体的には各切り込み部２ａ、 ２ｂの前部に後面が平坦な三角片を固定し、各三角片の後面に摩擦性及び適度な 弾性を有するゴムや樹脂材などからなる板部材ｂを固定させる。

【００１４】 また条部材３ｂは、側辺部１ａ、１ｂの近傍で切り込み部２ａ、２ｂの後方個 所に前後向きに設ける。このさい、何れか一方の条部材３ｂは省略して差し支え ない。

【００１５】 ４はゴムや樹脂などからなる帯状の緩衝材で、平板１の周面を被覆するように 固着してある。

【００１６】 さらに平板１の上面は種々の付属品を取り外し可能に装着する構成となすので あり、付属品としては例えば湯呑み受け５ａ、マイク受け５ｂ、或いは図３に示 すような眼鏡受け５ｃのほか、図示しない筆受けなどを作成する。

【００１７】 このさい、各付属品は簡易に着脱し得るものとなすのがよく、例えば孔とこれ に挿入される突部を形成して単なる抜き差し操作のみで着脱されるものとなす。 なお、５ｄは平板１上面に固着した湯呑み敷きである。

【００１８】 上記の如く構成した本考案品の使用例を説明する。 車椅子の利用者は本考案品をベッドの近くに置くなどして、常に身近に用意し ておく。使用のさいは、車椅子に座乗した後、それを自身の手で持ち、斜めにし 、先ず第二切り込み部２ｂを一方のアームレスト６ａの前部垂直支柱７ａの上部 に外嵌させ、垂直支柱７ａが第二切り込み部２ｂの最奥部に位置した状態とする 。

【００１９】 続いて、平板１を水平となるように揺動操作して、第一切り込み部２ａを他方 のアームレスト６ｂの垂直支柱７ｂに外嵌させ、平板１を水平となした後、それ を適当量（数ｃｍ）だけ第一切り込み部２ａ側へ移動させ図２に示す状態とする 。

【００２０】 これにより、各アームレスト６ａ、６ｂ下方に固定されているパネルｐ、ｐの 上縁が各条部材３ａ、３ｂの溝内に嵌入し、本考案品は車椅子上で左右移動を規 制された状態となる。

【００２１】 また各突片３ａ、３ｂの後面の板部材ｂ、ｂは、垂直支柱７ａ、７ｂと前後で 正対した状態となるのであり、このさい、板部材ｂ、ｂと各切り込み部２ａ、２ ｂの前面壁ａ、ａとは垂直支柱７ａ、７ｂの前側近傍に位置し、また各切り込み 部２ａ、２ｂの後面壁ｃ、ｃは垂直支柱７ａ、７ｂの後側近傍に位置するものと なる。

【００２２】 このような突片３ａ、３ｂと垂直支柱７ａ、７ｂとの関係の下では、平板１が 外力を受けて図２に示す左右軸ｅ廻りへ揺動されようとしても、板部材ｂ、ｂと 前記後面壁ｃ、ｃとが垂直支柱７ａ、７ｂに干渉し、その揺動は一定限度内に規 制されるものとなる。このさい、板部材ｂ、ｂは突片３ａ、３ｂと垂直支柱７ａ 、７ｂとの当接による衝撃を緩和する。

【００２３】 こうして、本考案品は図２に示すように、座乗者の膝より僅かに上方となる適 当高さ位置に安定的に支持され、使い勝手の良い状態となる。

【００２４】 また座乗者は必要に応じて適当な付属品を選択し、それを平板１の上面に装着 する。即ち、例えば、薬を服用するようなときは湯呑み受け５ａを装着して、こ れに湯呑みを載せるようにし、またカラオケなどを楽しむときはマイク受け５ｂ を装着して、これにマイクを支持させるようにし、また眼鏡を使用するときは眼 鏡受け５ｃを装着して、不使用状態の眼鏡を入れるようにする。

【００２５】 車椅子を移動させるとき、座乗者は平板１上に所持品を置き、空にした手を使 って車椅子を走行させるようにする。このさい、付属品は所持品を安定的に保持 して、気遣いの少ない円滑な走行を可能となす。 なお、本考案品を車椅子から外すときは、上記の逆の手順により実施する。

【００２６】

【考案の効果】

上記の如く構成した本考案によれば、車椅子の利用者が車椅子の特定個所に自 身の手で簡易に装着したり逆に取り外すことができ、また所持品などを置く平面 が広く確保できると共にその水平状態が安定的に保持されるものとなるのであり 、日常身近に置いて、必要時に簡易且つ便利に、しかも多目的に使用し得るもの である。

【００２７】 かくして本考案品は積極的且つ有効に使用されることが期待されるのであり、 車椅子のアームレストの上に小薬缶を置き、湯呑みを股間に挟みながら窮屈そう な姿勢で車椅子を運転するといった従来の状況は解消され得る。

【００２８】 請求項２に記載のものによれば、係止手段を簡易に形成できるものとなり、請 求項３に記載のものによれば、湯呑み、眼鏡、マイク又は筆などの所持品を平板 上に安定的に置くことができると共に、空いた手で車椅子を楽に移動させること ができるのであり、請求項４に記載のものによれば、衝突や落下時の衝撃を緩和 して、怪我や平板の損傷を防止できるものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る車椅子用テーブルと、これに装着
される車椅子を示す図である。

【図２】前記車椅子用テーブルの使用状態を示す図であ
る。

【図３】前記車椅子用テーブルの変形例を示す図であ
る。

【符号の説明】

１ 平板 １ａ、１ｂ 側辺部 ２ａ 第一切り込み部 ２ｂ 第二切り込み部 ３ａ 突片（係止手段） ３ｂ 条部材（係止手段） ４ 緩衝材 ５ａ 湯呑み受け（付属品） ５ｂ 眼鏡受け（付属品） ５ｃ マイク受け（付属品） ７ａ、７ｂ 垂直支柱 ａ 前面壁

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 概略四角形で一定大きさとなされた平板
   の左右何れか一方の側辺部の凡そ中央位置に一定深さの
   第一切り込み部を、そして他方の側辺部で前記位置と対
   向した位置に前記切り込み部より一定寸法深い第二切り
   込み部を設けるほか、上記第一切り込み部と第二切り込
   み部をアームレストの垂直支柱と係合させて使用するこ
   とを特徴とする車椅子用テーブル。
2. 【請求項２】 第一及び第二切り込み部はその各前面壁
   の一部を下方へ延長するものとした突片と、少なくとも
   一方の側辺部の近傍で第一又は第二切り込み部の後方個
   所に前後向きに配設した断面逆Ｕ字形の条部材とからな
   ることを特徴とする請求項１記載の車椅子用テーブル。
3. 【請求項３】 平板の上面に取り外し可能に装着される
   ものとした湯呑み受け、眼鏡受け、マイク受け又は筆受
   けなどの付属品を形成したことを特徴とする請求項１又
   は２記載の車椅子用テーブル。
4. 【請求項４】 平板の周面をゴムや樹脂などの緩衝材で
   被覆したことを特徴とする請求項１、２又は３記載の車
   椅子用テーブル。