JP3035337B2 - プラズマ被膜形成装置 - Google Patents

プラズマ被膜形成装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は直流アーク放電の熱プラズマにより被処理部
材表面に目的物質をコーティングするプラズマ被膜形成
方法及び装置に関する。
〔従来の技術〕
材料の表面処理法あるいは装置としては各種の方式が
あるが、処理温度の低温化、処理速度の迅速化、化合物
生成の容易さ等からプラズマを用いる方式が多くなって
いる。このプラズマにも各種あり、イオン、電子、中性
粒子等の各々の化学種の温度がほぼ等しく、且つその温
度が5×103〜2×104Kの範囲にある大きな熱容量の熱
平衡状態にあるプラズマすなわち熱プラズマが被膜形成
等のプラズマ源として用いられている。このような表面
処理法として、例えばプラズマ溶射、熱プラズマ流窒化
がある。
プラズマ溶射は、熱源に熱プラズマ流(プラズマジェ
ット)を使用し、その高温高エネルギーの特長を生かし
て各種の金属、及びそれらの合金、各種セラミックス、
サーメット、一部のプラスチックス等の粒子を高速で基
材へ吹き付けることにより、材料表面にコーティングす
るものである、 プラズマ溶射装置の主な構成は、第6図の熱プラズマ
流を用いた従来法のプラズマ溶射法の説明図〔図は、明
石和夫他3名編「光・プラズマ・プロセシング」初版
(昭61−9−29)日刊工業新聞社p.358、図16.2より引
用〕に示すように、熱プラズマ流の熱プラズマ発生部の
プラズマトーチ、及びその電源(直流低電圧、大電
流)、熱プラズマ流にコーティング材粒子を供給する粉
末供給部、熱プラズマ流を形成する作動ガス(プラズマ
形成ガス)供給部から成っている。ここで、プラズマト
ーチは、タングステン製電極(陰極)と銅製ノズル(陽
極)を数mmの間隙で保持して直流を印加して直流アーク
放電を発生させてプラズマ形成ガスで熱プラズマを形成
し、ノズルの外の近傍部で目的とする材質の粉末が供給
されて熱プラズマ流となる。この熱プラズマ流の速度及
び温度等はプラズマ形成ガスに単原子ガスあるいは2原
子ガスの混合比を変更することによって制御される。被
膜形成は、熱プラズマ流中で溶射粉末が加熱されつつ高
速度に加速されて基材面に吹きつけられるが、この際、
粒子は偏平し、積層状になる。形成された被膜は、密着
した粒子の凝固収縮孔、不完全溶融状態で密着するため
の粒子間の空隙、溶射中の表面の酸窒化反応生成物、及
びヒュームの介在、溶融状態から冷却中に生じる相変態
等によって空孔を生じる。このため被膜の微細構造に対
して特に粒子の密着時の溶融状態と速度が重要になって
くる。溶融状態は粉末粒子がプラズマ中を通過する際、
プラズマの位置による温度勾配による影響で著しく異な
る。それは、ノズル出口で最高温度を示した後、軸方向
に離れるにしたがって急激に低下することによる。すな
わち、第7図の熱プラズマ流の温度分布の一例の説明図
〔図は、明石和夫他3名編「光・プラズマ・プロセシン
グ」初版(昭61−9−29)日刊工業新聞社p.358、図16.
3より引用〕に示すように、またプラズマ中の粒子速度
は、粒子の大きさと比重によってプラズマ中での滞留時
間が変化することによる。このような事から、優れた被
膜を形成するためには、プラズマの高温部を広くし、そ
の中心部を粉末が通過するようなトーチ構造になるよう
にし、またその粉末投入法を改善することが重要になっ
ている。その一方法として近年減圧不活性雰囲気中での
プラズマ溶射が行なわれている。減圧雰囲気中では、熱
プラズマ流の流速が高くなり、またプラズマの温度勾配
が改善されて高温領域が著しく拡大される等の特長があ
り、被膜の密着性、空孔溶射効率等が優れる結果が得ら
れている。これらに関連するものには例えば、金属表面
技術、Vol 33,No.12,(1982年),第25頁から第32頁に
述べられている。
また、金属表面技術、Vol 37,No.1,(1986年),第2
頁から第8頁では、減圧雰囲気中でプラズマ溶射する
際、熱プラズマの励起された高エネルギー状態の種の化
学反応を利用して、溶射中に溶射粒子とプラズマ形成ガ
スとを反応させて新材料を合成して被膜を形成する反応
性溶射の、一例として、チタン粒子を窒素ガスプラズマ
中で溶射することで窒化反応を生じせしめて硬質の窒化
チタンが混在した被膜を形成している。
以上、これらのプラズマ溶射では、被膜形成元素の主
なものは粉末で供給されて被膜を形成するものである。
一方、前述の反応性溶射と同様な熱プラズマの反応種
を利用して基材表面に化学的あるいは物理的変化を生じ
せしめて表面改質することが行なわれている。例えば電
気化学、Vol 43,No.9,(1975年),第491頁から第496頁
に記載されている熱プラズマ流による窒化の一例では、
窒素プラズマを発生させて金属を溶融窒化して種々の窒
化物を合成している。金属としてチタン及びジルコニウ
ムを窒化すると、金属表面はほぼ化学量論的なTiN及びZ
rNが生成し、内部にいくにしたがって窒化物の減少する
傾向になっている。この技術は窒素原子の拡散によって
窒化物が形成されるため、溶射に比べて緻密な被膜が形
成できると思われる。
以上な熱プラズマによる被膜形成法であるが、種々の
被膜形成法として気相から析出させることも行われてい
る。代表的なものとしてCVD(Chemical Vapor Depositi
on;化学気相蒸着法)がある。この技術は低温で気化し
た揮発性の金属化合物塩を高温に加熱された基材表面と
の接触による高温不均一反応を基にして、目的とする金
属や金属間化合物を析出させて基材表面に被膜を形成す
るものである。例えばTiC被膜の形成では、常圧あるい
は減圧雰囲気中で電気炉あるいは高周波誘導加熱等によ
って被処理基材を1000℃近傍に加熱し、処理ガスとして
金属化合物塩にTiCl4と反応ガスにC3H8等を導入するこ
とで被処理基材表面と気相における触媒的接触反応を通
して成膜される。このように、CVD法では被膜形成元素
が気体であることから、形成される被膜は緻密で不純物
等の混入のない純度に優れた物質を合成できる特徴があ
る。これらに関連するものには例えば、金属材料、Vol
16,No.12,(1976年),第27頁から第31頁に述べられて
いる。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術のプラズマ溶射法によって形成された被
膜は特性の点で改善すべき点があった。特に大気中での
成膜では、溶射中に基材が酸化する場合は被膜と基材間
に酸化膜が形成され、密着力が低下する。また、被膜は
数10μmの偏平した溶融粉末の集合物であるため、空
孔、各粒子間の境界(粒界)への酸化物の混入が防げ
ず、そのために緻密で高純度の被膜を形成できないとい
う問題があった。そこで、減圧状態にして酸素分圧を低
くすることによって酸化を防止して良質な被膜を形成で
きる。しかし、減圧にすると熱プラズマ流の速度が速く
なるため、粉末がプラズマ中に滞留する時間が短かくな
る。そのため高融点材料等の粉末では充分なエネルギー
が与えられず不十分な溶融状態のまま被膜となって、大
気中で形成した被膜よりも劣る場合もある。そこで粉末
を微細化することが行われるが、安定に微細な粉末を供
給するには困難な問題もあり、被膜形成に粉末を用いな
い方法及び装置が望まれる。
一方、被膜形成の際粉末を使用しない熱プラズマ流に
よる表面処理の従来技術は、基材に拡散し、反応して反
応生成物の化合物を形成するため、異なった材質の化合
物は形成できない点、すなわち、基材材質に影響され
ず、目的の特性の被膜を形成できない問題点がある。及
び拡散反応であるため基材温度を高くする必要があり、
引例では溶融状態までの高温域に加熱されているために
場合によっては熱履歴によって基材の機械的な性質等が
低下するなどの問題があり、望ましくは低い温度領域で
密着性の優れた被膜を形成することが好ましい。
従来技術のCVD法は、気相からの析出で被膜が形成さ
れるためにプラズマ溶射法に比較して均質で緻密である
こと、及び目的に応じて任意の化合物等を形成できる特
徴がある。しかし、その生成物の析出過程は、気相から
の固体の結晶成長プロセスで被処理基材と気相との間に
は、温度差と化学種物質の濃度差があって、過飽和度が
被膜成長の駆動力となる。したがって、CVD法によれ
ば、反応界面への反応ガスの拡散は温度による拡散によ
っているので、一般には界面における反応ガス濃度が低
くなっている。一般のCVD処理では、1000℃近くで2〜
3時間の処理で5〜10μm程度の被膜形成であり、高温
度の処理にもかかわらず形成速度が遅いという欠点があ
る。また、被膜の特性を安定して形成させるには、ガス
の混合比、流量等の制御も微調整を必要とし、処理工程
が複雑になる。さらに、1000℃程度の高温度を要するの
で、最も汎用性のある鉄鋼部品では結晶粒の粗大化によ
る脆化等を生じることがあり、その防止法に複雑な工程
を要する等の点で欠点がある。
本発明の目的は、気体状で供給される被膜形成元素を
高温高エネルギーの熱プラズマにより活性にして反応さ
せ、被処理基材に優れた特性の被膜を被処理基材表面に
均一に被覆できる部材の被膜形成方法及び装置を提供す
ることにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明は、減圧した容器
内に被処理基材に対向して処理ガスが供給される特定構
成の熱プラズマ源を配設するもので、該熱プラズマ源
は、陰極と陽極との間隙空間に導入されたプラズマ形成
ガスが直流アーク放電によって熱プラズマを発生させる
構造を有する部分と、熱プラズマに効果的に気体状の被
膜形成元素のガス物質および反応ガスを導入する構造を
有する部分及び前記ガス物質および反応ガスが添加され
た熱プラズマ流(プラズマジェット)を減圧容器内で効
果的な分布状態に制御する整流構造を備えることによ
り、被膜形成のための反応を熱プラズマ中で効率的に行
なえるものである。
また、熱プラズマ源と被処理基材との間で高電圧を印
加できる電気回路の構成にすることにより、減圧容器内
に熱プラズマ源から噴射される熱プラズマ流(プラズマ
ジェット)中における反応度合いを制御できるようにし
た。
更に、減圧容器内の熱プラズマ源と被処理基材間の熱
プラズマ流の発光分光分析によって、活性種としての被
膜形成元素のガス物質および反応ガスの成分の分布状態
を制御できるようにした。
また、従来の熱プラズマ流による被膜形成手段では常
圧相のh−BN(六方晶、軟質で固体潤滑材になる)の被
膜しか形成できなかったが、本発明においては、直流ア
ークプラズマによる熱プラズマ流の高温高圧エネルギー
部に被膜形成元素のガス物質として含硼素ガスBCl3等お
よび反応ガスとして含窒素ガスNH3,N2等を供給して処理
することにより、高圧相の超硬質物の被膜、すなわち、
閃亜鉛鉱型構造の立方晶窒化硼素を主体とした高硬度窒
化硼素被膜を形成することができる。
すなわち、本発明によるプラズマ被膜形成方法は、減
圧容器中で被処理基材に対向して陰極と陽極間で直流ア
ーク放電を発生させて処理ガスを熱プラズマ流として噴
射できる熱プラズマ源を配設し、熱プラズマ流を被処理
基材に照射することにより被処理基材の表面処理を行う
方法において、直流アーク放電によって形成された熱プ
ラズマ流内に被膜形成元素のガス物質および反応ガスを
供給し、熱プラズマ流に供給されたガス物質および反応
ガスを熱プラズマエネルギーにより励起、解離、電離等
で活性状態にして、この熱プラズマ流を被処理基材表面
に照射することによって被処理基材表面に被膜を形成す
ることを特徴とする。
このとき、陰極及び陽極のいずれか一方あるいは両方
を貫通するガス供給路から熱プラズマ流内に、被膜形成
元素のガス物質および反応ガスを個別に供給しても、一
緒に混合させて供給してもよい。
陽極内の熱プラズマ流路の途中に設けられた凹所によ
り、熱プラズマ流路を通過する熱プラズマ流に攪拌作用
を与えて熱プラズマ流の流れを整えるとともに、熱プラ
ズマ流内のガス物質および反応ガスの成分を均質化した
後、熱プラズマ流を減圧容器内に噴射してもよい。
被処理基材は、熱プラズマ源からの熱プラズマ流の照
射加熱と、熱プラズマ源の陽極を低電位側、被処理基材
を高電位に接続して高電圧を印加して形成される移送ア
ークプラズマの照射加熱、抵抗発熱輻射加熱、赤外線輻
射加熱、高周波誘導加熱のいずれか、あるいは複数個の
組み合せによって、所要の処理温度に加熱保持して処理
することができる。
減圧容器中圧力を0.1〜200Torrとし、処理ガスは陰極
と陽極間で直流アーク放電で熱プラズマを形成するプラ
ズマ形成ガス、プラズマ形成ガスに添加される被膜形成
元素のガス物質及び被膜形成元素と反応して化合物を形
成する反応ガスから成り、プラズマ形成ガスはアルゴン
ガス、ヘリウムガス、窒素ガス及び水素ガスのいずれか
一種あるいは複数種、被膜形成元素のガス物質は金属、
半金属系の蒸気あるいはハロゲン化物などの化合物蒸
気、金属塩の蒸気あるいはその分解生成物気体、反応ガ
スは窒素ガス、アンモニアガス、炭化水素系ガス、硫化
物ガス、硼化物ガス、水素ガス、酸素ガス、酸化炭素系
ガスとすることができる。
熱プラズマ流の全域あるいは一定範囲部の被膜形成の
ガス物質および反応ガスの活性状態分布をプラズマ分光
分析で分析し、その分析結果に基づいて前記ガス物質お
よび反応ガスの供給を制御して被膜の形成を均一化させ
ることができる。
また、本発明によるプラズマ被膜形成方法は、減圧容
器中で被処理基材に対向して陰極と陽極間で直流アーク
放電を発生させて処理ガスを熱プラズマ流として噴射で
きる熱プラズマ源を配設し、熱プラズマ流を被処理基材
に照射することにより被処理基材の表面処理を行う方法
において、熱プラズマ流内のプラズマ形成ガスに被膜形
成元素のガス物質として含硼素ガス及び被膜形成元素と
反応して化合物を形成する反応ガスとして含窒素ガスを
個別にあるいは一緒に混合させて供給し、熱プラズマ流
に供給されたガス物質および反応ガスを熱プラズマエネ
ルギーにより励起、解離、電離等で活性状態にして、熱
プラズマ流を被処理基材表面に照射することにより被処
理基材表面に閃亜鉛鉱型構造の立方晶窒化硼素を主体と
した高硬度窒化硼素被膜を形成することを特徴とする。
また、本発明によるプラズマ被膜形成装置は、減圧容
器中で、被処理基材に対向して陰極と陽極間で直流アー
ク放電を発生させて処理ガスを熱プラズマ流として噴射
できる熱プラズマ源を配設し、熱プラズマ流を被処理基
材に照射することにより被処理基材の表面処理を行う装
置において、陰極と陽極間の間隙からプラズマ形成部位
にプラズマ形成ガスを供給する手段、プラズマ形成部位
において直流アーク放電によって形成された熱プラズマ
流内に、陰極及び陽極のいずれか一方あるいは両方を貫
通するガス供給路から被膜形成元素のガス物質および反
応ガスを個別に供給するか、あるいは、一緒に混合させ
て供給する手段、陽極内の熱プラズマ流路の途中に設け
られた凹所により、熱プラズマ流路を通過する熱プラズ
マ流に攪拌作用を与えて熱プラズマ流の流れを整えると
ともに、熱プラズマ流内のガス物質及び反応ガスの成分
を均質化した後、熱プラズマ流を減圧容器内に噴射する
手段、および前記噴出する熱プラズマ中のガス物質及び
反応ガスの活性状態分布をプラズマ分光分析で分析し、
その分析結果に基づいて前記ガス物質よび反応ガスの供
給を制御して被膜の形成を均一化させる手段を具備する
ことを特徴とする。
被処理基材は減圧容器から絶縁されて高電位側に接続
され、且つ熱プラズマ源の陽極は低電位側に接続されて
直流高電圧電源によって高電圧が印加され、熱プラズマ
源と被処理基材間に移送プラズマが形成されて被処理基
材が加熱保持できるように構成することができる。
被処理基材近傍に補助加熱源として、抵抗発熱の熱
源、赤外線輻射加熱源及び高周波誘導加熱のいずれか一
種あるいは複数種を配設することができる。
被処理基材と熱プラズマ源とは少なくとも一方が相対
的に移動できるようにすることができる。
以下に本発明のさらに具体的な構成について説明す
る。
既に述べたように、直流アーク放電の高温高エネルギ
ーの熱プラズマを用いた代表例のプラズマ溶射法では、
主にこのエネルギーを熱源と搬送手段とし、被膜形成元
素粉末の溶融及び高速吹き付け作用に用いていた。この
際、被膜形成に粉末を原料にしていては被膜特性に限度
があることが明らかである。そこで本発明では原料を粉
末のような大きな粒子ではなく、ガス状とすることに着
目した。すなわち、気相からの被膜形成技術である化学
気相蒸着法(CVD;Chemical Vapor Deposition)と同様
に、被膜形成元素をガス物質の金属あるいは半金属の揮
発性のある蒸気あるいはハロゲン化物等の化合物蒸気、
金属塩の蒸気あるいは分解生成物気体とし、更に目的の
生成物に応じてこれらのガス物質と反応して化合物を生
成させる反応ガスを供給するものである。しかし、従来
のプラズマ溶射は粉末供給系では上記の被膜形成元素の
ガス物質を熱プラズマ流に効果的に供給できない。すな
わち、第6図に示したような熱プラズマ源の構造による
もので、原料(粉末)の供給口は陰極電極と陽極のノズ
ル間で生じた熱プラズマ流が拡散し始まるノズルから離
れた位置にあることによる。この位置で質量の軽いガス
物質を供給すると、流速の速い熱プラズマ流によって外
側に飛散するものが多く、熱プラズマ流中に均一に拡散
して分布しないためである。そこで、本発明では熱プラ
ズマ流内部に被膜形成元素のガス物質を均一性良く分布
させることができるようにした。その特徴は、熱プラズ
マ源の直流アーク放電の電極構造と、被膜形成元素のガ
ス物質の供給方法にある。第2図に本発明の被膜形成装
置における熱プラズマ源の構造の一例を示す。第2図に
おいて、陽極電極31と陽極ノズル32に直流の低電圧大電
流が印加されて、陰極電極31と陽極ノズル32間の間隙、
すなわち、直流アーク放電発生空隙37に供給されたプラ
ズマ形成ガス(アルゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガス
等の一種あるいは混合ガスと目的によって水素ガスを添
加)が熱プラズマ流になって熱プラズマ流噴出口36から
大気中あるいは減圧雰囲気中に噴射される。被膜形成元
素のガス物質及び反応ガスは、本発明では例えば第2図
(a),(b),(c)に示すような供給手段がある。
(a)は陽極ノズル32にガス供給路34bを設けた場合、
(b)は陰極電極31の中心部にガス供給路34aを設けた
場合、(c)は陰極電極31および陽極ノズル32の両方に
それぞれ、ガス供給路34aおよび34bを設けた場合を示
す。このような位置構成にすることで、被膜形成元素の
ガス物質、及び反応ガスは効果的に熱プラズマ流の内部
に供給される。更に本発明では、熱プラズマ流噴出口36
から噴出された後の熱プラズマ流の流れを整えるととも
に、熱プラズマ流中の被膜形成元素のガス物質および反
応ガスの成分の分布状態を均質化するために、陽極ノズ
ル32の熱プラズマ流の流路に熱プラズマ流整流空隙35を
設けた。すなわち、従来は陽極ノズル32の熱プラズマ流
流路は凹凸などのない平滑な円筒形状であったが、本発
明では流路の途中で陽極ノズル32に凹形状等のへこみで
ある熱プラズマ流整流空隙35を設けることにより、熱プ
ラズマ流が急激な膨張圧縮を受けることによって、上記
の均質化作用を行わせるようにした。熱プラズマ流整流
空隙35の形状、配置位置等は、目的とする熱プラズマ流
の形状あるいは作動圧力によって変化するものである。
本発明での処理は、大気中あるいは減圧雰囲気であっ
ても適用できるが、主には減圧雰囲気中で行われるもの
である。すなわち、減圧雰囲気中で酸化物生成の少ない
条件下での被膜形成が可能なことにより、通常0.1〜200
Torrの範囲で行われる。
本発明法で用いられる被膜形成元素のガス物質には、
金属、半金属系の蒸気又はハロゲン化物等の化合物蒸
気、金属塩の蒸気、それらの分解生成物気体があり、例
えばTiCl4,SiCl4,BCl3,AlCl3,ZrCl4,NbCl5,WCl6,WF6,Re
F6,MoCl5…等があり、これらのガス物質と反応して化合
物を形成する反応ガスとしては例えば窒素ガス(N2),
アンモニアガス(NH3),酸素系ガス(O2,CO2,CO),炭
化水素系ガス(CH4,C2H2,C3H8…),硫化物ガス(H
2S),硼化物系ガス(B2H6),水素ガス(H2)等があ
る。これらのガスの混合量を適切に制御することによ
り、純金属のCu,W,Re,B,Si,…,金属間化合物のTa−Hb,
Ti−Al,NiAl…,炭化物のTiC,SiC,B4C,WC…,窒化物のT
iN,BN,AlN,HfN…,硼化物のSiB,TiB,SiB…,硅化物のMo
Si,TiSi,ZrSi,酸化物のAl2O3,SiO2,ZrO2…等の被膜を形
成することができる。
被膜形成に際しての制御因子として処理温度がある。
本発明法では処理時の雰囲気を非酸化性に制御すること
で、基材表面に酸化物が形成されないため任意の処理温
度で成膜できる。処理温度の制御は、熱プラズマ流の照
射による加熱、更には基材近傍に補助加熱源を設けるこ
とによる。補助加熱源としては、ヒーター線等を用いる
抵抗発熱輻射、赤外線輻射、或いは基材によっては高周
波誘導等を任意に組み合せることができる。更に、他の
方法としては、移送アークプラズマエネルギーを用いる
ことも効果的である。移送アークプラズマは基材が導電
性の場合、基材を陰極、熱プラズマ源を陽極としてこの
間に直流の高電圧を印加することにより発生できる。こ
れにより熱プラズマ流と移送アークプラズマが複合化さ
れて加熱効率が高まり、効率的に加熱できる。一方、移
送アークプラズマの他の効果として、被膜形成前の基材
のクリーニングに効果がある。すなわち、減圧雰囲気状
態で不活性ガス、例えばアルゴンガス等を導入して0.1
〜10数Torrのガス圧力状態で高電圧を印加すると基材に
グロー放電が生じ、スパッタクリーニングされる。この
ようなクリーニング処理後、目的とする被膜形成を行う
ことにより、密着性の優れた被膜を形成できる。第3図
に本発明におけるCVD用高出力熱プラズマ発生ガン及び
基板予備制御の構成を示す。この構成において熱プラズ
マ源の陰極電極31と陽極ノズル32間に直流アーク放電用
電源5が接続され、陽極ノズル32と基材18間に移送アー
クプラズマ電源8が接続されて、この状態で相方に電力
を(直流アーク放電用電源5、移送アークプラズマ電源
8)供給すると、熱プラズマ流2aと移送アークプラズマ
2bが生じる。これらは互いに目的に応じて任意に制御で
きるものである。なお、第3図において、矢印Aおよび
矢印Bに示すガス供給路は、それぞれ、第2図のガス供
給路34aおよびガス供給路34bに相当し、矢印Cに示すガ
ス供給路は、従来技術におけるガス供給路に相当する。
次に被膜形成時の熱プラズマ流の制御について述べ
る。本発明では熱プラズマ流の全域或いは目的に対応し
た部分の反応ガスの発光スペクトルの分布によって制御
する。この際、発光スペクトルは熱プラズマ流の長さ方
向に二次元分布で解析し、広範囲領域に被膜形成元素の
ガス物質および反応ガスが均一に分布するように、それ
らの供給を制御するものである。第4図は本発明におけ
る熱プラズマ流制御の原理説明図である。図に示すよう
に、容器12内に熱プラズマ流2aが噴射されている状態を
熱プラズマ流2aを光学系9により二次元像として検出
し、スペクトル解析系10でその二次元像全体の発光スペ
クトルでの発光種の同定を行い、次に、被膜形成に関与
する元素の特定発光種(波長)の分布状態を二次元像と
して解析する。これにより、熱プラズマ流内の被膜形成
元素のガス物質および反応ガスの成分の二次元的な分布
状態が明確になり、その分布状態と基材上に形成された
被膜の分布を解析することによって広い面積への均一な
被膜形成ができる。すなわち、熱プラズマ流内の反応種
としての被膜形成元素のガス物質および反応ガスの成分
の濃度を均一化することにより、広い範囲に均一な被膜
形成が可能になる。
以上述べた各々の構成を具備した本発明の被膜形成装
置の一実施例を第1図に示す。非酸化雰囲気或いは減圧
が可能な減圧容器12内に熱プラズマ源1が被処理基材18
に対向して配設されており、更に移送アークプラズマ電
源8によって電気的な接続がされている。熱プラズマ源
1にはプラズマ形成ガス3及び被膜形成元素のガス物質
4aおよび反応ガス4bがそれぞれのガス流量制御器6と7
で制御されて導入され、直流アーク放電用電源5から電
力が供給されて熱プラズマ流2が噴射される。この際、
減圧容器12内の圧力は任意に制御されるが、第1図の装
置は減圧下で処理する際の構成で、真空ポンプ13で排気
されて減圧になる。この際、処理圧力は、圧力計及び圧
力制御器15により一定に保持されることが望ましい。ま
た、ハロゲン化物等の有害ガスの除去にトラップ14及び
排ガス処理装置16によって対策が構じられている。ま
た、被処理基材18は補助加熱系11によって加熱保持され
る。また熱プラズマ流2に対して移動できる移動機構17
が設けられており、これにより大面積或いは円筒状形状
等の全周に処理ができる。更に、熱プラズマ流2の二次
元発光スペクトル検出光学系であるプラズマ分光検出系
9によって熱プラズマ流2の発光スペクトルを同定し、
分光分析データ処理系10によって解析して、そのデータ
ーをガス流量制御器6および7にフィードバックするこ
とで熱プラズマ流の活性度合を制御することができる。
〔作 用〕
本発明においては、高温高エネルギーの熱プラズマで
気相状態で被膜形成元素が活性化されて基材表面に被膜
を形成され、その際、被膜形成元素は揮発性のガス物質
及びそれと反応して化合物を形成する反応ガスとのプラ
ズマ中での反応によって、多種類の被膜形成、及び複合
化により複合膜の合成がなされるものである。また、熱
プラズマ流内における反応の度合を面分布で分析し、熱
プラズマ源内で制御がされるものである。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を説明する。
実施例1 第1図〜第3図に示すようなプラズマ被膜形成装置に
より、炭化珪素(SiC)膜の形成を行った。被処理基材1
8には100×100×5mmの黒鉛材を用いた。この被処理基材
18を試料補助加熱源11の黒鉛ヒーター上に配設し、熱プ
ラズマ源に対向させ、100×100mmの平面に熱プラズマ流
2を照射するようにして被膜19を形成した。
処理は、始めに減圧容器12内を真空ポンプ13により10
-3Torr以下に減圧し、その後、試料補助加熱源11の黒鉛
ヒーターに電圧50V、電流300Aの直流を印加して通電加
熱して被処理基材18の温度を1100℃に加熱保持した。こ
の状態で熱プラズマ源1にプラズマ形成ガス3としてア
ルゴン及び水素ガスを導入し、熱プラズマ源1の陰極と
陽極間にプラズマ電源6で電圧50V、電流300Aの直流を
印加して直流アーク放電を発生させ、熱プラズマ流(プ
ラズマジェット)を減圧容器12中に噴射させ、被処理基
材18の黒鉛材に照射させるようにした。この際の熱プラ
ズマ源1と被処理基材18の黒鉛材の間隙は400mmとし、
また、熱プラズマ源1及び被処理基材18はいずれも固定
状態とした。この配置で、被処理基材18は黒鉛ヒーター
による補助加熱と熱プラズマ流の照射により1300℃に加
熱保持した後、炭化珪素の処理ガスとしてガス物質4aに
四塩化珪素、反応ガス4bにメタンガスをガス流量制御器
7によりそれぞれの流量を1/minとして、熱プラズマ
源1に導入した。この際の減圧容器12内の圧力は3Torr
になるように真空ポンプ13の排気速度を制御して保持し
た。第2図及び第5図にこの際用いた熱プラズマ源の詳
細な構造を示す。第2図は本発明の被膜形成装置におけ
る熱プラズマ源の構造の一例を示す図である。また、第
5図は従来技術の熱プラズマ源の構造により被膜形成を
行う場合の説明図であり、熱プラズマ流は陽極内で整流
されておらず、また粉末の供給位置からガス物質4aおよ
び反応ガス4bを導入するようにしたものである。これら
の処理条件で15min間保持した。その際、熱プラズマ流
の全域をプラズマ分光検出系9により分光分析し、炭化
珪素被膜の形成に寄与する反応種の分析状態を解析し
た。反応種としてはSiClは286nm、CHは431nm、β−Hは
434nmとし、それぞれの分布状態を発光強度分布によっ
て解析した。その結果、第5図の従来技術によるもので
は熱プラズマ流でそれらの分布状態に偏りがみられ、し
たがって反応種が不均一な分布をしていることが分かっ
た。一方、第2図の本発明の場合は、熱プラズマ流の中
心部においてもそれぞれの反応種が分布しており、その
分布状態は中心軸に対して対称に分布しており、その効
果が明らかであった。
その結果、被処理基材18の黒鉛材表面全域は銀灰色を
呈しており、炭化珪素被膜が80〜90μm形成されてい
た。この被膜19はX線回折による結晶構造の解析結果、
JCPD29−1129のβ−SiCと一致し、他の回折線は認めら
れなかった。その被膜19の断面の微小硬さはHV2500〜30
00であり、従来CVD等で報告されているβ−SiCの値と一
致している。また、被膜の断面の光学顕微鏡観察、走査
型電子顕微鏡によれば空孔等の欠陥は認められず、緻密
な被膜であった。更にX線マイクロアナリシス(EPMA)
により元素分析の結果、Si及びCのみが検出され、他の
不純物は認められなかった。一方、比較に行った従来技
術による場合ではX線回折等によって遊離カーボンの存
在が認められた。その分布は外周になるにしたがって増
加する傾向で、被膜の硬さの低下も認められた。以上、
本発明法によれば、従来法に比較して広い面積に良質な
炭化珪素被膜を形成することができた。
実施例2 第1図に示すようなプラズマ被膜形成装置により、窒
化硼素(BN)膜の被膜19′の形成を行った。被処理基材
18は黒鉛材(100×100×10mm)を使用した。この被処理
基材18を熱プラズマ源1に対向させ、100×100mmの平面
に熱プラズマ流を照射するようにして被膜19′を形成し
た。
処理は、始めに真空ポンプ13により10-2Torr以下に減
圧し、その後、熱プラズマ源1にプラズマ形成ガス3と
してアルゴンガスを導入し、熱プラズマ源1の陰極と陽
極間にプラズマ電源5で電圧70V、電流400Aの直流を印
加して直流アーク放電を発生させ、熱プラズマ流(プラ
ズマジェット)2を減圧容器12中に噴射させ、被処理基
材18の黒鉛材に照射させるようにした。さらに熱プラズ
マ源1と被処理基材18間に予熱用電源8で電圧50V、電
流50Aの直流を印加して移送アークプラズマ2bを発生さ
せた。移送アークプラズマ2bの発生により熱プラズマ流
2aは非移送アークプラズマの熱プラズマ流に比較して径
の減少が見られ、プラズマが絞られておりプラズマで密
度が高まったことが認められた。この際の熱プラズマ源
1と被処理基材18の黒鉛材の間隙は300mmとし、また、
熱プラズマ源1及び被処理基材18はいずれも固定状態と
した。この配置で、被処理基材18を熱プラズマ流及び移
送アークプラズマ2bにて800℃に加熱して保持した後、
窒化硼素の処理ガスとしてガス物質4aは三塩化硼素、反
応ガス4bはアンモニアガスを流量比で1/3の比率でガス
流量制御器7により熱プラズマ源1に導入した。この際
の減圧容器12内の圧力は20Torrとした。熱プラズマ源1
は実施例1と同様である。これらの状態で処理温度は80
0℃、処理時間15分間保持した。その結果、被処理基材1
8の黒鉛材表面全域に窒化硼素被膜が35〜40μm形成さ
れていた。この被膜を基材から剥離させ、赤外吸収分光
分析により結晶の結合状態を同定した。その結果、主に
立方晶窒化硼素(c−BN)と僅かに六方晶窒化硼素(h
−BN)の吸収ピークが認められた。また、透過電子顕微
鏡により電子線解析を行い結晶構造を同定したところ、
赤外吸収ピークで認められたc−BNとh−BNの結晶状態
と非晶状態(アモルファス)あるいは微細結晶であるこ
とが分った。また、断面の光学顕微鏡による観察結果で
は全域において空孔、不純物等の混入の見られない密度
の高い被膜であった。一方、比較に行った従来法では被
処理基材18の黒鉛材中心部の直径30mmの範囲が本発明法
と同じ被膜が20〜25μm形成されとり、その他の部分で
は六方晶窒化硼素(h−BN)のみであり、また被膜の密
着力も低いもので、特に外周になるにしたがってその傾
向が増加する傾向で、その組織も空孔等が見られた。以
上、本発明法によれば、従来法に比較して広い面積に良
質な窒化硼素被膜を形成することができた。
〔発明の効果〕
本発明によれば、高温高エネルギーの熱プラズマで気
相状態で被膜形成元素を活性化させて基材表面に被膜を
形成できるので、空孔、酸化物の混入、被膜と基材間の
酸化膜等の不純物の生成がない、高特性の緻密な被膜を
形成できる効果がある。
また、熱プラズマ源及び被処理基材を目的に応じて相
対的に移動することで、高特性で緻密な被膜を大面積に
形成できる効果がある。
また、被膜形成元素は揮発性のガス物質及びそれと反
応して化合物を形成する反応ガスとのプラズマ中での反
応によって合成されるので、多種類の被膜形成、及び複
合化により複合膜の合成に効果がある。
また、熱プラズマ流内における反応の度合を面分布で
分析し、熱プラズマ源内で制御ができるので品頼性の高
い被膜を形成できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の被膜形成装置の一実施例を示す図、第
2図は本発明の被膜形成装置における熱プラズマ源の構
造の一例を示す図、第3図は本発明の被膜形成装置にお
けるCVD用高出力熱プラズマ発生ガン及び基板予熱制御
の構成を示す図、第4図は本発明における熱プラズマ流
制御の原理説明図、第5図は従来技術の熱プラズマ源の
構造により被膜形成を行う場合の説明図、第6図は熱プ
ラズマ流を用いた従来法のプラズマ溶射法の説明図、第
7図は熱プラズマ流の温度分布の一例の説明図である。 1……熱プラズマ源、2a……熱プラズマ流、3……プラ
ズマ形成ガス、4a……被膜形成元素のガス物質、4b……
反応ガス、12……減圧容器、13……真空ポンプ、9……
プラズマ分光検出系、10……分光分析データ処理系。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土井 昌之 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−277767(JP,A) 特開 昭64−33096(JP,A) 特開 昭64−90053(JP,A) 特開 昭63−300942(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 16/00 - 16/56 C23C 4/00 - 4/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】減圧容器中で、被処理基材に対向して陰極
    と陽極間で直流アーク放電を発生させて処理ガスを熱プ
    ラズマ流として噴射できる熱プラズマ源を配設し、熱プ
    ラズマ流を前記被処理基材に照射することにより被処理
    基材の表面処理を行う装置において、陰極と陽極間の間
    隙からプラズマ形成部位にプラズマ形成ガスを供給する
    手段、プラズマ形成部位において直流アーク放電によっ
    て形成された熱プラズマ流内に、陰極及び陽極のいずれ
    か一方あるいは両方を貫通するガス供給路から被膜形成
    元素のガス物質および反応ガスを個別に供給するか、あ
    るいは、一緒に混合させて供給する手段、陽極内の熱プ
    ラズマ流路の途中に設けられた凹所により、前記熱プラ
    ズマ流路を通過する熱プラズマ流に攪拌作用を与えて熱
    プラズマ流の流れを整えるとともに、熱プラズマ流内の
    ガス物質及び反応ガスの成分を均質化した後、熱プラズ
    マ流を減圧容器内に噴射する手段を具備することを特徴
    とするプラズマ被膜形成装置。
  2. 【請求項2】減圧容器中で、被処理基材に対向して陰極
    と陽極間で直流アーク放電を発生させて処理ガスを熱プ
    ラズマ流として噴射できる熱プラズマ源を配設し、熱プ
    ラズマ流を前記被処理基材に照射することにより被処理
    基材の表面処理を行う装置において、陰極と陽極間の間
    隙からプラズマ形成部位にプラズマ形成ガスを供給する
    手段、プラズマ形成部位において直流アーク放電によっ
    て形成された熱プラズマ流内に、陰極及び陽極のいずれ
    か一方あるいは両方を貫通するガス供給路から被膜形成
    元素のガス物質および反応ガスを個別に供給するか、あ
    るいは、一緒に混合させて供給する手段、陽極内の熱プ
    ラズマ流路の途中に設けられた凹所により、前記熱プラ
    ズマ流路を通過する熱プラズマ流に攪拌作用を与えて熱
    プラズマ流の流れを整えるとともに、熱プラズマ流内の
    ガス物質及び反応ガスの成分を均質化した後、熱プラズ
    マ流を減圧容器内に噴射する手段、および前記噴出する
    熱プラズマ中のガス物質及び反応ガスの活性状態分布を
    プラズマ分光分析で分析し、その分析結果に基づいて前
    記ガス物質よび反応ガスの供給を制御して被膜の形成を
    均一化させる手段を具備することを特徴とするプラズマ
    被膜形成装置。
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