JP3034927B2 - ガス洩れ検査装置 - Google Patents

ガス洩れ検査装置

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JP3034927B2
JP3034927B2 JP2243030A JP24303090A JP3034927B2 JP 3034927 B2 JP3034927 B2 JP 3034927B2 JP 2243030 A JP2243030 A JP 2243030A JP 24303090 A JP24303090 A JP 24303090A JP 3034927 B2 JP3034927 B2 JP 3034927B2
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英二郎 落合
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ICパッケージや小型電子部品等の密閉容器
や密閉部品の気密性をテストするのに最適なガス洩れ検
査装置に関する。
〔従来の技術及びその問題点〕
従来、この種の装置としてヘリウムリークディテクタ
なるものが知られているが、これには真空法(フード
法)、吸込法(スニファー法)や真空室法等が知られて
おり、このうち真空室法はヘリウムを充填した試験体を
真空室内に入れ、この真空室を排気し、試験体から洩れ
るヘリウムを検出する方法であるが、本発明はこの方法
に係るものであり、第16図はこの排気系統の一例を示す
もので、これは全体として(80)で示され、テストポー
ト(81)(真空室)にガス洩れを検査する試験体が配設
される。このテストポート(81)には管路(82)(97)
が接続され、これに本引用バルブ(84)が接続されてい
る。これは更にコールドトラップ(85)に接続され、こ
ゝをテストポート(81)内に配設された試験体からの洩
れガスが通過するのであるが、この通路から分岐した管
路(71)にヘリウム分析管(86)が接続されており、ま
たこの通路内の真空度をペニング真空計(87)により測
定されるようになっている。コールドトラップ(85)か
ら導出されるガスはヘッドバルブ(88)を介して油拡散
ポンプ(89)、補助バルブ(90)及び補助ポンプ(91)
により排気されるように構成されている。
管路(82)には更にリークバルブ(93)を介して標準
リーク(92)が接続されており、更に粗引用バルブ(9
5)を介して粗引用ポンプ(94)が接続されている。管
路(82)内の真空度はピラニ真空計(96)により測定さ
れるようになっている。従来例のヘリウムリークディテ
クタの配管系統は以上のように構成されるのであるが、
次にコールドトラップ(85)に分岐して接続される分析
管(86)について第17図を参照して説明する。
分析管(86)の詳細は第17図に示されるが、テストポ
ート(81)からコールドトラップ(85)、ガス分岐管
(71)を通って導入されたガスは分析管(86)の上流側
端部に配設されるイオンソース部(72)内に導かれ、こ
ゝでイオン化される。すなわち、洩れたヘリウムはヘリ
ウムイオンとなり、他のガスもイオン化され、これが磁
場偏向型質量分析の原理に従って分析管(86)内のイオ
ン通路(74)に沿って配設された電極偏向板(75)のス
リット(75a)を通って、そのイオン電荷量と質量とに
より図に示すような各軌跡に沿って走行し、マグネット
(76)により、この磁場のいわゆるローレンツ力を受け
て図示するように偏向し、ヘリウムイオンだけがイオン
コレクタ(77)によりコレクトされて、これがプリアン
プ(78)により増巾され、更に直流増幅器(79)により
増巾され指示用計器(83)で、検査している試験体から
ヘリウムガスが出ているかどうか、すなわちガス洩れが
あるかどうかを検査するようにしている。
テストを開始するに当たっては粗引用バルブ(95)を
解放し、粗引用ポンプ(94)を駆動させることによりテ
ストポート(81)や、これに接続される管路内は排気さ
れ、ピラニ真空計(96)により、これらの真空度が所定
度まで上昇すると本引用バルブ(84)を解放し、テスト
ポート(81)内に配設された試験体からの洩れガスとし
てのヘリウムがコールドトラップ(85)を通り、分析管
(86)側に分流して上述のようにしてヘリウムの分圧が
測定されるのであるが、この場合、以下のような欠点が
認められる。
すなわち、本引用バルブとしてのテストバルブ(84)
よりコールドトラップに導入されたガス量Qは分析管で
一部Q′として分流する。分析管ではヘリウムに対する
分圧を測定していることになるので、有効排気速度(Se
ff)との関係より実際に測定できるヘリウム分圧(P′
HE)は、 P′HE=Q′/Seff‥‥‥‥ となる。ところが導入されたヘリウムガス全てに対する
分圧(PHE)は、 PHE=Q/Seff‥‥‥‥ となるため、Q>Q′であるので PHE〉P′HE となる。よって第16図に示すような従来のリークディテ
クタにおいては排気径路に起因する感度の損失があるこ
とがわかる。
従って、実際の使用に際しては以下のような欠点があ
った。
1)導入されるガス量のうちQ′しかイオン化されない
ため、イオン化効率が低く、従って検出感度が低い。
2)1)の欠点をカバーするためには有効排気速度(Se
ff)を低く設定する必要がある。この有効排気速度を低
く設定すると、導入されたヘリウムガスの残留時間が長
くなるため、バックグラウンドが高くなる。又、ヘリウ
ムガスを検知するまでの感応時間も長くなる。
3)配管に大きなスペースを必要とし、またデッドスペ
ースも大きいので放出ガス、吸着ガス量も多く、粗引時
間が長くなり、よってテスト時間を長くしていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は以上のような問題に鑑みてなされ、省スペー
ス化し、導入されるガスのイオン化効率が高く、分析管
部の排気速度も速くすることができテスト時間も大巾に
短縮し得るガス洩れ検査装置を提供することを目的とし
ている。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的は、少なくとも第1通路と第2通路とから成
る内部空間を備えたブロック体に前記第1通路とガス洩
れを検査すべき試験体を収容する真空室とを連通させる
ための試験用開口と、前記第2通路と本引用真空ポンプ
とを連通させるための本引用開口と、前記第1通路と粗
引用ポンプとを連通させるための粗引用開口と、ガス洩
れ検査用のガスイオンを検知するための分析管内と連通
させるためのガスイオン導入用開口とを形成させ、前記
第1通路と前記第2通路との間を開閉する弁を内在さ
せ、かつ前記第2通路内に検査用のガスをイオン化する
ためのイオン化手段を設けたことを特徴とするガス洩れ
検査装置、によって達成される。
〔作用〕
ブロック体に各部材を接続させるための開口を形成さ
せているのでデットスペースを減少させ、よって放出ガ
スや吸着ガスを低減させ、粗引き時間の短縮を図ること
ができ、よって単位時間当たりのガス洩れ検査処理量を
増大させることができる。
またイオン化手段がブロック体内にあり、ガスの排気
通路内に設けられているので洩れガスのイオン化率が高
く、よって従来より検出感度を向上させることができ
る。またこのイオン化手段と被検査体との距離を小さく
することができるので応答性や感度を向上させることが
できる。
またブロック体に各部材を取り付けるようにしている
ので装置全体を小型化することができる。
〔実 施 例〕
以下、本発明の実施例によるガス洩れ検査装置につい
て図面を参照して説明する。
第1図は実施例によるガス洩れ検査装置における主た
る構成である排気系ブロックを示すものであるが、これ
は全体として(1)で示され、ほゞ直方形状のステンレ
スで形成されるブロック本体(2)からなっており、そ
の上面は段付となっていて上段部には試験用開口である
ワークチャンバ連通用孔(3)、またこの下段部にはイ
オンソース部取付孔(4)が形成され、ブロック本体
(2)の一方の側面部には標準リークポート(5)、更
にその上方部にはゲージポート取付孔(6)(7)が形
成されている。
第2図に明示されるようにブロック本体(2)には更
にその後面部には真空差圧電磁弁取付用の孔(8)、底
面部にはベントバルブ取付用のベントポート(9)及び
ガスイオン導入用開口である分析管連通用の孔(10)が
形成されている。更にブロック本体(2)の他側面部に
は粗引用開口である排気ポンプ取付用の孔(28)が形成
され、前面部には本引用開口である排気ポンプ取付用の
孔(11)が形成されている。
ブロック本体(2)には以上のように各面に孔または
取付孔が形成されるが、孔(6)(7)にはピラニ真空
計ゲージポート(11′)及びペニング真空計ゲージポー
ト(12)が溶接により気密に固定されている。上面部の
イオンソース部取付孔(4)にはシールリング(15)を
介在させて取付部材(14)に保持されたイオンソース部
(13)がブロック本体(2)の内部空間(第2通路)A
に位置するように挿入され、かつ取付部材(14)を介し
ブロック本体(2)に固定されている。
上面部の試験用開口(3)にはシールリング(17)を
介在させて第3図及び第4図にその詳細が示されるワー
クチャンバ(16)が気密に取付けられている。またブロ
ック本体(2)の後面部の開口(8)には第5図にその
構造が明示される真空差圧電磁弁(18)の要部を挿通さ
せてフランジ部材(19)により気密に取付られている。
またブロック本体(2)の前面部の本引用開口(11)に
は真空ポンプ取付短管(20)が溶接により固定されてい
る。本実施例に用いられる本引用真空ポンプはターボ分
子ポンプ(21)であって、この吸気ポート(22)に上述
の短管(20)が整合し、気密に取付けられるようになっ
ている。排気ブロック本体(2)の一方の側面部に形成
される粗引用開口(28)には粗引用の真空ポンプを接続
するための短管(23)が溶接により固定されている。ま
たブロック本体(2)の下面部に形成される開口(9)
には孔(24a)を有する取付板(24)を介して気密にベ
ントバルブ(25)が固定されており、また他方のガスイ
オン導入用開口(10)には開口(26a)を有する取付板
(26)を介して気密に分析管(27)が取付けられてい
る。この分析管(27)は第17図の分析管と比べるとイオ
ンソース部を含まないことを除いて同一である。
次に第3図及び第4図を参照してワークチャンバ(1
6)の詳細について説明する。
ワークチャンバ(16)は主として第3図に示すような
略半トラック形状のケーシング(30)からなっており、
この上面部の環状の溝に嵌着されたシールリング(32)
により開閉自在の蓋(33)を一点鎖線で示すように閉状
態としたときにケーシング(30)内に気密な空間(34)
を画成するように構成されている。蓋(33)の下端部の
両側には耳部(35a)(35b)が一体的に形成され、これ
がケーシング(30)に回動自在に取付けられた軸(36)
の両端部で支持されており、この軸(36)の中央部には
ねじりスプリング(37)が取り付けられ、このばね力で
通常は第4図の実線で示すような開状態を保持するよう
にしており、また一点鎖線で示すように閉状態をとると
きには図示しないクランプ機構によりこの閉状態を保持
するようにしている。またケーシング(30)の底壁部に
は開口(38)が形成されており、これが第2図に示され
る排気ブロック本体(2)の上面部に形成された試験用
開口(3)と整列して配設され、ケーシング(30)の底
壁部に一体形成される複数の突起(31)をブロック本体
(2)に形成された対応孔に嵌合させて位置決めした上
で気密に、即ち第2図に明示されるシールリング(17)
を介在させて固定されるようになっている。
次に第5図を参照して真空差圧電磁弁(18)の詳細に
ついて説明する。
これは主として上方から順に電磁弁コイル部(60)、
シリンダ部(61)及び弁部(62)からなっている。電磁
弁コイル部(60)において、ケーシング(63)には電磁
コイル(64)が取付られており、この内側には明示せず
ともばねで付勢され摺動自在なプランジャ(65)が配設
されており、この下端面にはシール部材(66)が取付ら
れている。またケーシング(63)の下方部には真空ポン
プ接続口(68)が形成されており、これはプランジャ
(65)を摺動自在に配設させているケーシング(63)内
の空間に連通可能とされており、更にケーシング(63)
に上下方向に形成された通路(69)と連通可能としてい
る。
シリンダ部(61)においてはケーシング(40)内にシ
リンダ孔(41)を形成させており、これにシールリング
(43)を嵌着させたピストン(42)を摺動自在に嵌合さ
せており、この中央部には駆動ロッド(44)を固定させ
ている。ピストン(42)により上方に第1空気室B及び
下方に第2空気室Cを画成させており第2空気室Cはケ
ーシング(40)に固定されたブロック(45)に形成され
たL字型の通路(46)を介して大気を吸気するように構
成されている。駆動ロッド(44)はシールリング(47)
を介在させてリング部材(48)に摺動自在に嵌合してお
り、この下端部に取り付けられた下方ばね受け(51)と
リング部材(48)に嵌着されたリング状の上方ばね受け
部材(49)との間にスプリング(50)を圧縮状態で張設
させている。下方ばね受け部材(51)には弁ゴム(52)
が固定されている。真空差圧電磁弁(18)は以上のよう
に構成されるが、通常は図示するような状態をとってお
り、プランジャ(65)の下端に取付られたシール部材
(66)は弁座(67)に着座しており、真空ポンプ接続口
(68)と通路(69)とを遮断しており、またピストン
(42)はスプリング(50)のばね力により図示するよう
な下方位置をとっており、またこのばね力により弁部材
(52)を弁座(53)に着座させており、この側方に形成
された開口(54)と弁座(53)を形成させている排気口
(55)とを遮断状態にしている。真空差圧電磁弁(18)
は通常は以上のような状態をとっているのであるが、開
口(54)を形成させている短管(23′)は第1図に示さ
れる短管(23)に対応するものであり、従って本実施例
ではこの部分を備えない真空差圧電磁弁(18)を用意
し、短管(23)を別途加工して第1図に示すブロック本
体(2)に真空差圧電磁弁(18)の駆動ロッド(44)や
スプリング(37)を挿通させた後、溶接して取り付ける
ようにしており、同様に弁座(53)を形成させている短
管部(55)を省略した真空差圧電磁弁を用いておりブロ
ック本体(2)の内部に第2図に示されるように弁座
(53)に対応する弁座(53′)を形成し、これに弁部材
(52)を着座させるように構成している。すなわち、真
空差圧電磁弁(18)によって、試験用開口(3)、粗引
用開口(28)と連通する第1通路と、ガスイオン導入用
開口(10)、本引用開口(11)と連通する空間(第2通
路)Aとの間が開閉される。
次に本実施例による排気系統について第6図を参照し
て説明する。
第6図においてこの排気系統は全体として(56)で示
されテストポート(57)が第1図及び第2図に示される
試験用開口(3)もしくはこれに連通して配設されるワ
ークチャンバ(16)に対応するものである。これに連通
する管路(58)はテストバルブとしての真空差圧電磁弁
(18)を介して分析管(27)、ターボ分子ポンプ(21)
及び補助ポンプ(91)に接続されている。また分析管
(27)にはペニング真空計(87)が接続されているが、
これは第1図において真空計ポート(12)に接続される
ものである。
また管路(58)にはピラニ真空計(59)が接続されて
いるが、これは第1図に示される真空計ゲージポート
(11′)に取り付けられるゲージである。また管路(5
8)には第1粗引用バルブ(98)、管路(99)を介して
粗引用ポンプ(100)に接続され、これと管路(58)と
の間には第2粗引用バルブ(101)、第2のターボ分子
ポンプ(102)及び第3の粗引用バルブ(103)が接続さ
れている。
管路(58)には更に標準リーク(92)がリークバルブ
(93)を介して接続されており、またベントバルブ(2
5)が接続されている。
管路(58)には上述したように第1粗引用バルブ(9
8)、粗引用ポンプ(100)、第2のターボ分子ポンプ
(102)等が接続されているのであるが、これらのテス
トポート(57)側の接続部位Qが第2図に示される粗引
用開口(28)に対応するものである。またリークバルブ
(93)が接続される管路(58)との接続部位Pがブロッ
ク本体(2)に形成される孔(9)である。また第6図
においては管路(58)は従来例と同様に、ある長さを有
する配管として図示されているが、実施例では第1図及
び第2図に示されるようにブロック本体(2)に形成さ
れる試験用開口(3)、粗引用開口(28)等にワークチ
ャンバ(16)やベントバルブ(25)等が接続されるので
配管ではなくて単に開口と開口とを整合させて通路とし
たものである。従って全体としてコンパクトな装置構成
を有するものである。
第7図乃至第10図は第6図に示すような配管系統を有
し、これらは第1図及び第2図に示されるブロック本体
(2)に結合させたものであるが、これらの結合体を示
すものであり第7図は第2図に対応するものであるが更
に配管系統等を付加して示すものであり、第8図〜第10
図はこれを各方向からみた図であって、これら図からも
明らかなように本実施例は第2の粗引用バルブ(101)
を介して粗引用ポンプとして第2のターボ分子ポンプ
(102)を接続させており、また第6図に示すように第
1、第2及び第3粗引用バルブ(98)(101)(103)を
設けているが、これらがブロック本体(2)の粗引用開
口(28)側に接続されるものである。
また本実施例によれば共通のブロック本体(2)を用
いてターボ分子ポンプは本引用のみとし粗引用には従来
と同様に安価な真空ポンプを用いることもできる。第11
図〜第14図は1個のターボ分子ポンプ(21)を用いた場
合の構成であるが、これらは第7図〜第10図に対応して
各方向からみた図であり、この構造においても明らかな
ように全体としてはコンパクトな構成を示している。な
お、この場合、粗引用開口(28)の大きさは若干減少さ
せられ、例えば45mmから25mmとされる。
本発明の実施例によるガス洩れ検査装置は以上のよう
に構成されるが、次にこの作用について説明する。
第2図においてワークチャンバ(16)にガス洩れを検
査すべき試験体、例えばICパッケージ等の密閉部品(ヘ
リウムガスを充填させている)が収容され、蓋(33)を
閉じた後、図示しないクランプ機構によりこの閉状態を
保持させる。テスト信号入力後、第1粗引用バルブ(9
8)を開き真空ポンプ(100)によりテストポート(5
7)、即ちワークチャンバ(16)の空間(34)を排気す
る。この真空度がピラニ真空計(96)により計測されこ
の真空度が1Torrの値に達すると第2、第3粗引用バル
ブ(101)(103)を開放し第2のターボ分子ポンプ(10
2)をテストポート(57)に連通させる。よって高速で
テストポート(57)及びこれに接続される管路(57)内
は減圧されピラニ真空計で10-3Torrまで低下すると、し
ばらくしてテストバルブ、即ち第1図及び第2図に示さ
れる真空差圧電磁弁(18)が駆動される。即ち第5図に
おいてコイル(64)が励磁される。なおテスト信号入力
後、テストバルブ(18)が開かれるまでのタイムチャー
トを第15図に示す。これによりプランジャ(65)が図に
おいて上方へと移動する。弁部材(66)が弁座(67)か
ら離座する。ポート(68)に接続されている真空ポンプ
により、これに連通する通路(69)が排気される。即ち
シリンダ(61)内の第1空気室Bが減圧される。これに
よりピストン(62)の下方の第2空気室Cとの圧力差に
よりピストン(62)は上方に付勢される。この付勢力が
スプリング(50)のばね力に打ち勝つとピストン(42)
は上方に移動する。即ち駆動ロッド(44)の下端に固定
された下方ばね受け(51)即ち弁部材(51)が弁座(5
3′)から離座する。
即ち、第2図において弁座(53′)から弁部材(51)
が離座することによって試験用開口(3)と連通する空
間(第1通路)と、空間(第2通路)Aとが連通する。
従って第1のターボ分子ポンプ(21)により高速にテス
トポート即ちワークチャンバ(16)内の空間(34)が排
気される。よってテスト状態におかれ、もしワークチャ
ンバ(16)内に配設されたICパッケージからヘリウムが
洩れていたとすれば、このヘリウムはイオンソース部
(13)で陽イオンとなり、これが分析管(27)に導かれ
従来例で述べたようにその分圧が測定される。よってワ
ークチャンバ(16)内に配設されているICパッケージの
洩れ度が検出されることになる。
テストバルブ(18)を閉じるときには第5図において
コイル(64)の励磁が断たれ、これによりプランジャ
(65)は図において下方に移動し弁座(67)に着座す
る。よってポート(68)と通路(69)とは遮断状態にお
かれる。第2空気室Cに空気が吸入されることにより、
ピストン(42)に対する上方への付勢力及びスプリング
(50)のばね力によりピストン(42)は再び下方に移動
し、弁部材(53)は弁座(53′)に着座し再び第2図に
おいて空間A側と開口(3)側とを遮断する。また、第
6図において第1、第2及び第3粗引用バルブ(98)
(101)(103)については、上記では詳細に述べなかっ
たが、第5図と同様な真空差圧電磁弁が用いられてお
り、これらのコイルの励磁も断たれることにより、各弁
部が閉じられた後、ワークチャンバ(16)における蓋
(33)を開放して大気圧におかれて後、試験体が取り出
される。
本発明の実施例は、以上のような構成を有し、かつ作
用を行なうのであるが、次のような効果を奏するもので
ある。即ち、本実施例によれば、第1図に明示されるよ
うなブロック本体(2)の各面に粗引用ポンプ接続用の
開口(28)、本引用の真空ポンプ接続用の開口(11)な
どを形成し、従来のような長い配管を介することなく、
直接粗引用ポンプや本引用ポンプなどを接続し、更にテ
ストポートにワークチャンバ(16)を取り付けるように
したので、装置全体として非常にコンパクトな構成にな
り、これにより粗引用ポンプまたは本引用ポンプが排気
すべき空間の内容積が従来より一段と小さくなり、従っ
て従来では粗引用ポンプとしては用いることができなか
ったターボ分子ポンプ(21)を用いることができ、よっ
て粗引時間を従来より大巾に短くすることができる。こ
れは、デッドスペースが従来より小さくなることにより
放出ガスや吸着ガスが従来より大巾に低減し、従って通
常の真空ポンプでわずか1Torr付近まで減圧させた後、
ターボ分子ポンプ(21)に切り換えることができ、よっ
て高速で粗引することができる。従ってテスト時間を大
巾に減少させることができる。
また、第2図に明示されるようにイオンソース部(1
3)をブロック本体(2)の内部空間(第2通路)A内
に配設している。即ち排気通路中に配設していることに
より、ワークチャンバ(16)から導出されるヘリウムガ
ス全体をイオン化することができ、よって分析管(27)
における検知感度を大巾に上昇させることができる。ま
た、これにより排気速度を大としても検知可能となり、
上述の効果と相俟ってテスト時間をますます短縮するこ
とができる。
また、第1図に示すようなブロック本体(2)を用い
ていることにより、上記実施例では粗引用にもターボ分
子ポンプを用いたが、これは高価であるので、もしコス
ト低下を図りたいのであれば、この取付ブロック本体
(2)をそのまゝ用いて従来の真空ポンプを適用すれば
よいので、その汎用性は極めて優れたものである。
また、ガス洩れ装置を全自動化するためにはバルブと
しては電磁弁を用いることが望ましいが一般の電磁弁は
その機構上コンダクタンスが小さく、その直径は大きく
てもφ8ぐらいである。オリフィスが大きくなればなる
ほどコイル部も大きくなり、スペース的な問題がある。
最低でもφ25ぐらいが望ましいので通常の電磁弁の採用
は無理である。またエア圧を利用して開閉させるニュー
マチックバルブは圧縮エアをユーザーから貰うか、コン
プレッサを内蔵するかが問題になり設置場所を限定しな
いということには不適当であり、またコンプレッサはス
ペースとノイズの問題がある。しかしながら本実施例の
ように真空差圧電磁弁を用いた場合には小型の真空ポン
プ(到達圧約150Torr)でシート面とつながっているシ
リンダを引き上げることができ、コンダクタンスはφ25
と大きくすることができる。またコンプレッサによるノ
イズの影響もなく全自動の排気系にとっては非常に好都
合なバルブである。
また本実施例によれば以上では詳述しなかったが真空
差圧電磁弁用の真空ポンプにはいわゆる「リニアモータ
駆動フリーピストン方式のポンプ」が用いられ、これは
モータと空気圧縮部が一体構造となったシリンダ内をピ
ストンだけが電磁石の「吸引力」とスプリングの「復元
力」により電源周波数にシンクロした回数でスムーズに
往復駆動するものであるがその構造上極めてコンパクト
であり、これがまた本実施例のガス洩れ検査装置全体を
更にコンパクトなものとすることができる。
また一般に、ICパッケージ等の密閉部品や内容積の小
さい小型量産部品のガス洩れ検査の排気系には、次のよ
うなスペックが要求される。
a.検出感度は10-10〜10-6Torr・/sec b.連続試験に耐える高速クリーンアップ(分析管部の排
気速度向上) C.粗引き時間の短縮 d.省スペース e.バルブコンダクタンスの拡大(排気速度の向上) f.液体窒素不要[近年のHLD(ヘリウムリークディテク
タ)の傾向より] g.バルブ駆動用エア不要(設置場所の関係で) h.メンテナンス容易 以上の実施例はこれらの要求にすべて応えるものであ
る。
以上、本発明の実施例について説明したが、勿論、本
発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想
に基いて種々の変形が可能である。
例えば、以上の実施例では、ワークチャンバ(16)内
にはヘリウムを充填させたICパッケージを試験体として
収容させたが、勿論試験体はこれに限定されることな
く、各種の密閉容器や密閉部品のガス洩れの検査に適用
可能であり、この場合、洩れガスとしてはヘリウムに限
定されることなく、各種のガスが適用可能である。
また以上の実施例では、ワークチャンバ(16)を取付
ブロック本体(2)に直接取り付けるようにしたが、こ
のワークチャンバについては、取付ブロックに、ある長
さの配管を取付けこれにワークチャンバを取り付けるよ
うにしても従来よりはるかにコンパクトな構成で、かつ
上述した効果を得ることができる。
また以上の実施例では、テストバルブや粗引用バルブ
として真空差圧電磁弁を用いたが、これに代えてエア圧
を利用して開閉させるニューマチックバルブを用いても
上述の効果が失われることはない。しかしながら、上記
実施例のように真空差圧電磁弁を採用した場合には、ユ
ーザーから圧縮空気を供給してもらう必要がないので、
またコンプレッサは大きなスペースとノイズの問題があ
るので、上記実施例のように真空差圧電磁弁を用いた方
がはるかに効果的である。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明によるガス洩れ検査装置に
よれば、ICパッケージなどの密閉部品や密閉容器などの
リークテストを迅速かつ精度よく検査することができ、
また装置全体を従来より大巾に小型化することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例によるガス洩れ検査装置におけ
る排気ブロックの斜視図、第2図は同ブロックに各部材
を取り付けた状態の側断面図、第3図は第2図における
ワークチャンバの平面図、第4図は同側断面図、第5図
は第2図における真空差圧電磁弁の断面図、第6図は同
実施例の配管系統図、第7図は本実施例のガス洩れ検査
装置の概略側面図、第8図は同概略正面図、第9図は同
概略平面図、第10図は他側面からみた同概略側面図、第
11図は同実施例における、一部を変更させたガス洩れ検
査装置の概略側面図、第12図は同概略正面図、第13図は
同概略平面図、第14図は他側面からみた同概略側面図、
第15図は同実施例の作用を説明するためのタイムチャー
ト、第16図は従来例のガス洩れ検査装置の排気系統を示
す配管系統図及び第17図は同装置における分析管の断面
図である。 なお、図において (1)……排気系ブロック全体 (2)……ブロック本体 (3)……試験用開口 (10)……ガスイオン導入用開口 (11)……本引用開口 (13)……イオンソース部 (16)……ワークチャンバ (21)……本引用真空ポンプ (27)……分析管 (28)……粗引用開口

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも第1通路と第2通路とから成る
    内部空間を備えたブロック体に前記第1通路とガス洩れ
    を検査すべき試験体を収容する真空室とを連通させるた
    めの試験用開口と、前記第2通路と本引用真空ポンプと
    を連通させるための本引用開口と、前記第1通路と粗引
    用ポンプとを連通させるための粗引用開口と、ガス洩れ
    検査用のガスイオンを検知するための分析管内と連通さ
    せるためのガスイオン導入用開口とを形成させ、前記第
    1通路と前記第2通路との間を開閉する弁を内在させ、
    かつ前記第2通路内に検査用のガスをイオン化するため
    のイオン化手段を設けたことを特徴とするガス洩れ検査
    装置。
  2. 【請求項2】前記真空室は開閉自在な蓋を備えたケーシ
    ング内に形成され、該ケーシングの一側壁部に開口を形
    成し、該開口を前記ブロック体の前記試験用開口と連通
    させるように前記ケーシングを前記ブロック体に気密に
    取り付けた請求項(1)に記載のガス洩れ検査装置。
  3. 【請求項3】前記本引用ポンプはターボ分子ポンプであ
    り、前記粗引用ポンプは複数のポンプ部から成り、これ
    らポンプ部の少なくとも一つにターボ分子ポンプを用い
    る請求項(1)又は(2)に記載のガス洩れ検査装置。
  4. 【請求項4】前記弁は真空差圧電磁弁である請求項
    (1)乃至(3)のうちいずれか1項に記載のガス洩れ
    検査装置。
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