JP3034267U - 寫眞印画の位置決め容易な額縁の構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この考案は、撮影した寫眞の印画を額縁に入
れる際に、印画が額縁の中で上下左右にづれたり、傾い
たりしないように一回の操作で収まるようにするのと同
時に印画の変形画面によって生じた余白部分を調節マッ
トにより確実に隠蔽して固定マットの切窓内に現れない
ようにすることを目的としている。 【構成】 この考案は、額縁に設けた既存の固定マット
の内側に介在させ、該固定マットと同一の外径を有する
位置調節板を設け、該位置調節板は、表面に横目盛線群
と縦目盛線群の線上及び交叉点ごとにコーナを取付けて
定規格の印画の取付位置とし別の位置調節板にはコーナ
を取付ける位置に目印を設け、上記位置調節板と固定マ
ットとの間に、印画の変形画面によって生じた余白部分
を隠蔽する対の片枠による調節マットを介在させた額縁
を構成したものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、撮影した寫眞の印画を額縁に入れる際に、画面が額縁の中で上下左 右にづれないように一回で収められるようにするのと同時に、定規格の印画の変 形画面によって生じた余白部分を確実に隠蔽するものに関する。

【０００２】

【従来技術】

従来、カメラで撮影した印画を額縁に入れる際に、印画が額縁の中で上下又は左 右のいずれかにづれるために、一回で収められず裏蓋を入れては正面に向けてづ れを矯正する操作を何回も繰り返す煩わしさがあった。また、撮影した被寫体が 上下左右に片寄っていたりする場合には、図７（Ａ）、（Ｂ）に示すように２枚 の固定マット（20、21）を使用し、マット（20）には通常規格の切窓（22）を備 え、マット（21）には変形部分を覆う小内径の切窓（23）を設けていたが、該切 窓（23）の内径が固定で融通性がないため、利用範囲に限りがあって極めて不都 合であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は、上記の不都合を解決するために逆の発想により、撮影した印画を額 縁に入れる際に、印画が額縁の中で上下又は左右にづれないように一回の操作で 収まるようにすると共に、撮影した定規格の印画の変形画面によって生じた余白 部分を既存の固定マットの切窓に現れないようにすることを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案は、定規格の切窓を有する定規格の固定マットの内側に、該固定マット と同一の外径で左右の対角線上に横目盛線及び縦目盛線とを交叉させて設けると 共に、各交叉点ごとにコーナを複数貼着してなる位置調節板と、別に同じく同一 の外径で表面に、定規格の印画を取付ける位置にコーナを貼着する目印を設けて なる位置調節板と、該位置調節板と同一の外径を有し、一方の対角線の上下を切 離して同一寸法のＬ字形の片枠の一対による調節マットを形成し、該調節マット により定規格の固定マットの定規格の切窓に、印画の変形画面によって生じた余 白部分を調節マットの対の片枠によって隠蔽するものである。

【０００５】

【作用】

上記のように構成された額縁に於いて、定規格の印画の変形画面によって生じた 余白部分（即ち画面中の被寫体が上下又は左右にづれている状態）が額縁の固定 マットの切窓に現れないように額縁に納めるには、額縁を裏に返して裏蓋を取外 して置き、固定マットの上に位置調節板を上に向け、その上に印画を載せて当該 印画を画面を上に向けて載せると共に当該画面を目視しながら前記位置調節板上 の定規格ごとに取付けてある複数のコーナにより印画を取付ける。次に調節マッ トの片枠を一枚づつ印画の上に載せ、目視しながら上記余白部分を画面から被覆 した所で、片枠を一枚ごとにコーナを介し上記位置調節板により固定する。次に 該位置調節板を裏返しにして固定マットの上に重ねたのち、裏蓋を載せこれを固 定してから額縁を表に返すと、印画は上記余白部分を片枠によって隠蔽され、同 時に印画もづれることなく収まっている。また、別の位置調節板の場合も上述に 準じて行う。

【０００６】

【実施例】

以下、実施例に就いて図面を参照して説明すると、図１（Ａ）（Ｂ）及び図２に 於いて、印画（Ｄ）の取付け位置を決める位置調節板（１）は、額縁（Ａ）のガ ラス板（Ｂ）及び既存の固定マット（Ｃ）と同一の外径寸法で厚紙又は固定マッ ト（Ｃ）と同一の紙素材により形成され、正面側即ち、前記固定マット（Ｃ）と 向き合う面に、横目盛線（２）群を上下に配列すると共に、縦目盛線（３）群を 左右に配列し、これら横目盛線（２）群と縦目盛線（３）群とが交叉する前記位 置調節板（１）の二方向の対角線上の交叉点（４）には印画（Ｄ）の後記の隅部 （Ｇ）を把持させる後記のコーナ（５）を複数個づつ貼着し、該コーナ（５）は 前記各横目盛線（２）と各縦目盛線（３）とによる矩形枠（８）に印画（Ｄ）の 定規格のものを取付け、矩形枠（９）は横長に裁断した印画（Ｄ1 ）を取付け、 縦の矩形枠（９ａ）には被寫体を縦方向に撮影して裁断した印画（Ｄ2 ）を取付 けるように構成する。

【０００７】 位置調節板（１ａ）は、図３に示すように、外径寸法及び素材は前記位置調節板 （１）と同一に形成されており、この位置調節板（１ａ）は、表面に前記コーナ （５）を取付ける予定の位置（即ち規格寸法の印画（Ｄ）の取付け位置）ごとに 目印（７）群を設けることにより、取付けようとする印画（Ｄ）又は同（Ｄ1 、 Ｄ2 ）の規格外に裁断した印画を取付ける目印（７）にコーナ（５）を取付け、 これらコーナ（５）を介して印画（Ｄ）又は同（Ｄ1 、Ｄ2 ）を前記位置調節板 （１ａ）に取付けるように構成する。

【０００８】 調節マット（10）は図４に示すようにＬ字形を呈する一対の片枠（10ａ、10ａ） により構成し、これら片枠（10ａ、10ａ）は互いに内側に向き合わせた実線の位 置における外径が前記位置調節板（１、１ａ）と同一であり、同じく実線で示す 切窓（６）も前記切窓（Ｅ）と同一になるように構成され前記位置調節板（１） 又は同（１ａ）に取付けられた印画（Ｄ）の上下及び左右の何れかのづれ部分又 は変形による余白部分を覆う場合には前記片枠（10ａ、10ａ）を鎖線で示す片枠 （10ｂ、10ｂ）のように上下又は左右に寄せ合うことにより前記位置調節板（１ 、１ａ）に取付けた印画（Ｄ）のづれ部分又は変形部分などの余白が前記固定マ ット（Ｃ）の切窓（Ｅ）に現れないように隠蔽するように構成する。

【０００９】 前記コーナ（５）は、図５（Ａ）（Ｂ）及び図６に示すように透明又は不透明な 合成樹脂シートにより画面のほぼ半分に接着面（５ａ、５ａ）及び他の部分には 接着剤を塗布せず前記位置調節板（１、１ａ）との間で前記印画（Ｄ）の前記各 隅部（Ｇ）を挾み付ける挾着部（５ｂ）及び該挾着部（５ｂ）と前記接着面（５ ａ）を区切る仕切り（５ｃ）を設け、全表面を剥離紙（11）により被覆してあっ て、使用時には該剥離紙（11）を取除いて前記位置調節板（１、１ａ）の交叉点 （４）及び目印（７）の上に或いは前記印画（Ｄ）の隅部（Ｇ）を前記位置調節 板（１、１ａ）に貼着するように構成する。なお上記コーナ（５）は在来のコー ナを使用しても差支えないものとする。

【００１０】

【考案の効果】

本考案は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効 果を奏する。

【００１１】 この考案は、印画の画面が被寫体のづれ、片寄りなどによる変形画面によって生 じた余白部分を、上向きにした位置調節板の上に載せ目視しながら調節マットの 片枠をもって余白部分を隠蔽し、位置が決まった所で両片枠と位置調節板とをコ ーナの両面を利用して固定するので、印画の取付角度を一回の操作で正確に取付 けることができ合わせて余白部分を確実に隠蔽することができる。

【００１２】 表面の上下及び左右に横目盛線と縦目盛線の複数を設け、これら横目盛線と縦目 盛線との交叉する交叉点ごとに複数個のコーナを取付けると共に横方向に、パノ ラマサイズの印画を取付ける前記縦目盛線上の複数個所及び被寫体を印画の縦方 向に撮影した印画を取付ける前記横目盛線上の複数個所にコーナを取付けた位置 調節板を、規格ごとの額縁に合わせて構成したので、印画を額縁に装飾する際に 印画を一回の操作で正しい位置に収めることができる。

【００１３】 調節マットは同一形状の複数の片枠により形成したので、位置調節板にコーナを 介して取付けられた印画の被寫体が画面内で片寄ったづれ部分とか不要な変形部 分のある場合には、上部の片枠を位置調節板に取付けられた印画の画面に当てる ことにより上記片寄ったづれ部分とか変形部分を隠蔽して位置決めしてから固定 マットの上に位置調節板を重ねるようにしたので、印画の取付け位置及び片寄っ たづれ部分及び変形部分を固定マットの切窓に現れないように一回の操作で、印 画を額縁に収めることができる。

【００１４】 別の位置調節板は表面に印画の規格寸法と一致させた位置ごとに目印を設けたの で、定規格又は規格外の印画を目印の位置又は目印のない位置にもその都度コー ナを介して印画を自由に然も上下及び左右の何れにも片寄らないように正確に然 も一回の操作で印画を額縁に収めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）は本考案を実施した定規格の額縁の平面
図である。（Ｂ）は（Ａ）に於けるＸ−Ｘ線の部分拡大
断面図である。

【図２】本考案位置調節板の平面図である。

【図３】別の位置調節板の平面図である。

【図４】本考案調節マットの平面図で調節要領の説明図
である。

【図５】（Ａ）はコーナの拡大平面図である。（Ｂ）は
（Ａ）に於けるＹ−Ｙ線の断面図である。

【図６】コーナによる印画の取付け要領の説明図であ
る。

【図７】（Ａ）は従来技術の説明図である。（Ｂ）は
（Ａ）に於けるＺ−Ｚ線の断面図である。

【符号の説明】

１ 位置調節板 １ａ 位置調節板 ２ 横目盛線 ３ 縦目盛線 ４ 交叉点 ５ コーナ ５ａ 接着面 ５ｂ 接着面 ５ｃ 仕切り ６ 切窓 ７ 目印 ８ 矩形枠 ９ 長目の矩形枠 ９ａ 縦の矩形枠 10 調節マット 10ａ 片枠 10ｂ 片枠 11 剥離紙 Ａ 額縁 Ｂ ガラス Ｃ 固定マット Ｄ 印画 Ｄ1 印画 Ｄ2 印画 Ｅ 切窓 Ｆ 裏蓋 Ｇ 隅部 Ｈ 寸法の表示

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 額縁（Ａ）のガラス板（Ｂ）及び定規格
   の固定マット（Ｃ）の背面に、印画の変形画面によって
   生じた余白部分を隠蔽する調節マット（10）と印画
   （Ｄ）の定規格ごとにコーナ（５）を取付けた、位置調
   節板（１）及びコーナ（５）を取付ける目印（７）を設
   けた位置調節板（１ａ）とを介在させたことを特徴とす
   る寫眞印画の位置決め容易な額縁の構造。
2. 【請求項２】 表面の上下左右に設けた横目盛線（２）
   及び縦目盛線（３）の交叉する対角線上の交叉点（４）
   ごとに定規格の印画（Ｄ）を取付けるコーナ（５）を貼
   着し前記上下の横目盛線（２）上に被寫体を縦に裁断し
   た印画（Ｄ2）を取付けるコーナ（５ａ）を前記縦目盛
   線（３）の左右には横長に裁断した印画（Ｄ1 ）を取付
   けるコーナ（５ｂ）を貼着してなる位置調節板（１）を
   特徴とする寫眞印画の位置決め容易な額縁の構造。
3. 【請求項３】 請求項１記載の調節マット（10）は、Ｌ
   字形を呈する対のもので、印画（Ｄ）の変形画面によっ
   て生じた不要な余白部分のある印画（Ｄ1 、Ｄ 2）を対
   の片枠（10ａ、10ｂ）により自在に隠蔽してなることを
   特徴とする寫眞印画の位置決め容易な額縁の構造。