JP3034202B2 - リチウム電池用電解液及びその精製方法並びにそれを用いたリチウム電池 - Google Patents

リチウム電池用電解液及びその精製方法並びにそれを用いたリチウム電池

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JP3034202B2 JP8247385A JP24738596A JP3034202B2 JP 3034202 B2 JP3034202 B2 JP 3034202B2 JP 8247385 A JP8247385 A JP 8247385A JP 24738596 A JP24738596 A JP 24738596A JP 3034202 B2 JP3034202 B2 JP 3034202B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウム電池用電
解液及びその精製する方法並びにそれを利用したリチウ
ム電池に関する。
【0002】
【従来技術】リチウム金属、リチウム合金、炭素等を負
極活物質とするようなリチウム電池において、イオン伝
導性を付与する電解液として、電解質を溶解した有機非
水溶液が一般に使用されている。この有機非水溶媒には
カーボネート類、エーテル類、カルボン酸エステル類等
が、電解質には主にフッ素化合物のリチウム塩類が使用
されている。
【0003】これらの電解質は、フッ化水素等の種々の
酸性不純物を含有しており、なかでもヘキサフルオロリ
ン酸リチウム(LiPF6)などは溶媒に含まれる水分
により、容易に加水分解して、フッ化水素、リン酸、オ
キシフルオロリン酸等の酸性不純物を生成するという問
題点を有する。このような酸性不純物を含有した電解液
を、リチウム電池に使用すると正極、負極、溶媒と反応
し、電池の放電容量の低下、内部抵抗の増大、サイクル
寿命の低下等種々の問題を引き起こす。
【0004】従来は、電解液中の酸性不純物を低減する
ために、電解質からの酸性成分の除去が種々の方法によ
り行われてきたが、電解質は結晶性の固体であるため、
結晶内部に噛み込んだ酸性不純物を完全に除くことは困
難である。また、加水分解防止のため、非水溶媒の脱水
も種々の方法により行われてきたが、水と電池用の非水
溶媒との相互作用が強いため、これも完全に除くことが
困難であり、この溶媒より調製した電解液は加水分解に
より酸性成分が増加する。
【0005】このように従来の方法においては、いずれ
も電解液の純度という面で、必ずしも満足できるもので
はなかった。
【0006】
【問題点を解決するための具体的手段】本発明者らは、
かかる従来技術の問題点に鑑み鋭意検討の結果、特定の
方法で精製することにより高純度の電池用電解液を得る
ことを見いだし本発明に到達したものである。
【0007】すなわち本発明は、酸性不純物を含有する
リチウム電池用電解液中に、ハロゲン化物を添加して、
種々の酸性不純物をハロゲン化水素に変換した後、発生
したハロゲン化水素を電解液中から除去することを特徴
とするリチウム電池用電解液の精製方法で、酸性不純物
として、フッ化水素を含有する場合は、該リチウム電池
用電解液中に、フッ化物以外のハロゲン化物を添加し
て、フッ化水素を他のハロゲン化水素に変換した後、発
生したハロゲン化水素を電解液中から除去し、また、こ
の発生したハロゲン化水素を電解液中から除去する方法
が、蒸留または不活性ガス流通による溶媒との蒸気圧差
を利用する方法であり、さらには、先のハロゲン化物が
ハロゲン化リチウムまたは、沸点150℃以下の揮発性
を有する化合物であり、さらに好ましくは、ここで使用
するハロゲン化物は塩化物であり、また、上記精製方法
が使用される電解液が電解質として、ヘキサフルオロリ
ン酸リチウムを含有してなり、さらには上記精製方法に
より得られるリチウム電池用電解液を用いることを特徴
とするリチウム電池をそれぞれ提供するものである。
【0008】本発明の精製方法によれば、電解質として
用いられるフッ素化合物のリチウム塩類に由来するフッ
化水素(HF)やその他の原料や電解質の加水分解生成
物に由来する酸性不純物(例えばLiPF6の場合、H
PF6やHPOxFy等)が従来の方法に比べて、極め
て低いリチウム電池用電解液を得ることができ、これを
リチウム電池に応用すれば、経時的な溶媒の劣化、それ
に伴う内部抵抗の増大、電池容量の低下、サイクル寿命
の低下等の種々の問題が解決され、極めて良好な結果が
得られる。
【0009】本発明の精製法において、精製される電解
液中に含まれる電解質として、代表的なものは、LiP
6(ヘキサフルオロリン酸リチウム)であるが、その
他のものとしては、LiBF4、LiSbF6、LiAs
6、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiC
lO4、など、ここに記述されたもの以外にも酸性不純
物を含む種々の強酸のリチウム塩に適用可能である。
【0010】本発明において、使用される電解液用溶媒
としては、特に限定するものではないが、炭酸エステ
ル、カルボン酸エステル、エーテル、ニトリル等の溶媒
が使用される。具体的には、エチレンカーボネート、プ
ロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチ
ルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメトキ
シエタン、酢酸メチル、酢酸エチル、ジエチルエーテ
ル、イソプロピルエーテル、アセトニトリル等がある。
【0011】ここで問題となる酸性不純物とは、例え
ば、原料の強酸に由来するHPF6、HBF4、HSbF
6、HAsF6、HCF3SO3、HN(CF3SO22
HClO4等や加水分解及び熱分解等により生ずるH
F、HPO22、HBOF2、HSbO22、H2PO3
F、H2SO4、等が挙げられる。
【0012】これらの酸性不純物は、固体状の電解質の
内部に含まれており、電解質の精製のみでは十分に除去
できない。また、有機溶媒に溶解して、蒸留等の一般的
な精製を実施しても、これらの酸性不純物自体の蒸気圧
が低いことと、溶媒和の影響でさらに蒸気圧が抑えられ
ることにより、蒸発させることが困難である。酸性不純
物を除去する一般的な方法である水酸化物や酸化物によ
る中和反応も、反応後に水が副生物として発生し、これ
がリチウム電池の性能に悪影響を及ぼすため、この方法
も問題がある。
【0013】これらの問題点を考慮した上で、本発明者
らが種々検討した結果、同じ酸性不純物でも、HCl、
HBr、HIというハロゲン化水素は、蒸気圧が高い上
に、リチウム電池に一般的に使用される有機溶媒と溶媒
和せず、蒸留等の蒸気圧差を利用した分離法により容易
に分離できることを見出した。これらのことを利用し
て、本発明においては、Cl、Br、Iを含むハロゲン
化物と上記酸性不純物を反応させることにより、リチウ
ム電池に有害なHイオンをハロゲン化水素に変換した
後、分離するようにしたものであり、この方法によれ
ば、酸性不純物がほとんど残存しない電解液が得られ
る。
【0014】ここで添加するハロゲン化物としては、フ
ッ化物以外の塩化物、臭化物、ヨウ化物があげられ、具
体的には、LiCl、LiBr、LiI、NaCl、N
aBr、NaI、CaCl2、CaBr2、CaI2、M
gCl2、MgBr2、MgI2、KCl、KBr、K
I、SiCl4、BCl3、PCl3、PCl5、POCl
3、PF3Cl2、SCl4、等の無機化合物や塩化アセチ
ル、塩化オキサリル、ホスゲン、等の活性なCl、B
r、Iを有する有機化合物も使用できる。フッ化物の場
合は、酸性不純物と反応して、発生するHFとリチウム
電池に一般的に使用される有機溶媒との相互作用が強
く、除去できないため好ましくない。さらに、反応後に
発生するハロゲン化水素の除去の容易さやハロゲン化物
の溶解による電解液中への残存等を考慮すると、蒸気圧
が最も高いHClを発生し、しかも他のハロゲン化物に
比べて、溶解度が低い塩化物が最も好ましい。また、L
i以外の元素が混入することを嫌う高純度用途の電解液
を必要とする場合は、ハロゲン化リチウム好ましくは塩
化リチウムを用いるか、もしくは酸性不純物を除去後、
蒸気圧を利用して過剰分を除去することが可能な沸点1
50℃以下の揮発性を有するハロゲン化物を用いるほう
がよい。沸点150℃以上のハロゲン化物では減圧によ
る除去を試みた場合においても、沸点近くまで電解液の
温度を上げなくては、過剰の未反応ハロゲン化物の除去
が十分でなく、ここで温度を上げることにより、溶媒の
ロスが多くなるため、経済的でないことと、反応性の高
い電解質(例えば、LiPF6、LiBF4、LiSbF
6、LiAsF6、等)の場合は、電解質による溶媒の分
解反応が起こるという理由により好ましくない。
【0015】また、添加剤の量は酸性不純物に対して、
等モル量以上であればよいが、添加剤が新たな不純物と
なる場合もあるため、また、反応は定量的に進行するこ
とから、等モル量から1.5倍量添加するのが好まし
い。
【0016】上記ハロゲン化物と酸性不純物の反応の方
法はどのような方法を用いてもよく、例えば、反応槽中
でバッチ反応を行う方法やハロゲン化物が固体の場合
は、ハロゲン化物をカラムに詰めて、酸性不純物含有の
電解液を流通することにより連続的に処理する方法も実
施できる。
【0017】上記反応により酸性不純物は、HCl、H
Br、HI等のハロゲン化水素に変換される。このハロ
ゲン化水素は、次の工程で蒸気圧差を利用する一般的な
方法により、除去する。すなわち、減圧下で脱気する方
法や、不活性気体を電解液中に流通バブリングし、不活
性気体と共に追い出す方法等により除去される。
【0018】また、このときハロゲン化水素の脱離を促
進するために、熱を加えることも有効であるが、温度と
しては0℃〜150℃、好ましくは、30℃〜100℃
でハロゲン化水素の除去を行ったほうがよい。0℃以下
ではハロゲン化水素の除去の速度が遅く実用的でなく、
150℃以上では溶媒の蒸気圧が高くなり、溶媒のロス
が多くなるため、経済的でないことと、反応性の高い電
解質(例えば、LiPF6、LiBF4、LiSbF6
LiAsF6、等)の場合は、電解質による溶媒の分解
反応が起こるという理由により好ましくない。
【0019】揮発性のハロゲン化物を添加剤として使用
した場合は、このハロゲン化水素を除去する工程で同時
に過剰分のハロゲン化物の除去も行われる。固体のハロ
ゲン化物を添加剤として使用した場合は、過剰分のハロ
ゲン化物および酸性不純物との反応により生ずる副生物
の沈殿を除去するために濾過等の固液分離をすることが
必要である。
【0020】以上のような操作により、従来の方法に比
べて、酸性不純物の量が極めて低いリチウム電池用電解
液が得られる。
【0021】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明はかかる実施例により限定されるものではな
い。
【0022】実施例1 露点−60℃に管理されたグローブボックス中にて、ヘ
キサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)152gを
ジエチルカーボネートとエチレンカーボネートの1:1
(容積比)混合溶媒に溶解し、容積を1000mlに調
製した。このようにして得られた濃度1mol/lのL
iPF6/(ジエチルカーボネート+エチレンカーボネ
ート)溶液を滴定法およびイオンクロマト法で分析した
ところ、酸性不純物としてHFが100ppm含まれて
いた。
【0023】上記の溶液に塩化リチウム0.3gを添加
して、室温で12時間撹拌した。次にこの溶液を窒素吹
き込み用ノズルを備えたPTFE製の容器に移し、50
℃で4時間溶液中に窒素ガスを流通した。このときの排
ガスをサンプリングし、IRにより分析したところ、窒
素中にHClとジエチルカーボネートが含まれているこ
とが確認された。
【0024】上記操作によりロスした量に相当するジエ
チルカーボネートを加え、反応により発生したフッ化リ
チウムの沈殿を濾別した。この溶液のHF濃度を測定し
たところ、定量下限(10ppm)以下であった。
【0025】このようにして得られた濃度1mol/l
のLiPF6/(ジエチルカーボネート+エチレンカー
ボネート(1:1))電解液のイオン伝導度を交流二極
式の伝導度計を用いて25℃で測定したところ、7.8
mS/cmであり、LiPF 6を単純にエチレンカーボ
ネートとジエチルカーボネートの混合溶媒に溶解したも
のと同等であった。また、IR、NMR、ガスクロマト
グラフィー、液体クロマトグラフィーにより溶媒等の分
解について調べたが、全く分解生成物の存在は確認され
なかった。
【0026】次に、この溶液を用いてテストセルを作製
し、充放電試験により電解液としての性能を評価した。
具体的には、天然黒鉛粉末95重量部に、バインダーと
して5重量部のポリフッ化ビニリデン(PVDF)を混
合し、さらにN,N−ジメチルホルムアミドを添加し、
スラリー状にした。このスラリーをニッケルメッシュ上
に塗布して、150℃で12時間乾燥させることによ
り、試験用負極体とした。また、コバルト酸リチウム8
5重量部に、黒鉛粉末10重量部およびPVDF5重量
部を混合し、さらに、N,N−ジメチルホルムアミドを
添加し、スラリー状にした。このスラリーをアルミニウ
ム箔上に塗布して、150℃で12時間乾燥させること
により、試験用正極体とした。ポリプロピレン不織布を
セパレーターとして、本実施例の電解液を用い、上記負
極体および正極体とを用いてテストセルを組み立てた。
続いて、次のような条件で、定電流充放電試験を実施し
た。充電、放電ともに電流密度0.35mA/cm2
行い、充電は4.2V、放電は2.5Vまで行い、この
充放電サイクルを繰り返して放電容量の変化を観察し
た。その結果、充放電効率はほぼ100%で、充放電を
500サイクル繰り返したところ、放電容量は全く変化
しなかった。このテストセルを劣化の加速試験のため、
60℃で3ヶ月保存した後に、再び上記と同様の条件で
充放電試験を行ったところ、放電容量は初期の96%程
度であり、テストセル中の電解液を観察したところ、着
色等の変質は見られなかった。
【0027】実施例2 露点−60℃に管理されたグローブボックス中にて、ヘ
キサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)304gを
プロピレンカーボネートに溶解し、容積を1000ml
に調製した。このようにして得られた濃度2mol/l
のLiPF6/プロピレンカーボネート溶液を滴定法に
より分析したところ、酸性不純物としてHFが130p
pm含まれていた。
【0028】上記の溶液に臭化リチウム0.7gを添加
して、室温で12時間撹拌した。次にこの溶液を温度6
0℃、圧力10torrで7時間減圧脱気した。上記反
応により発生したフッ化リチウムの沈殿を濾別した後、
この溶液の酸性不純物濃度を測定したところ、定量下限
(10ppm)以下であった。
【0029】実施例3 露点−60℃に管理されたグローブボックス中にて、ヘ
キサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)304gを
30ppmの水分を含有したプロピレンカーボネートに
溶解し、その容積を1000mlに調製した。このよう
にして得られた濃度2mol/lのLiPF6/プロピ
レンカーボネート溶液を滴定法およびイオンクロマト法
により分析したところ、酸性不純物としてHFが130
ppm、HPO22が50ppm含まれていた。
【0030】上記の溶液に塩化リチウム1.0gを添加
して、室温で12時間撹拌した。次にこの溶液を温度6
0℃、圧力10torrで7時間減圧脱気した。上記反
応により発生したフッ化リチウムの沈殿を濾別した後、
この溶液の酸性不純物濃度を測定したところ、定量下限
(10ppm)以下であった。
【0031】実施例4 露点−60℃に管理されたグローブボックス中にて、ヘ
キサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)152gを
ジメチルカーボネートに溶解し、容積を1000mlに
調製した。このようにして得られた濃度1mol/lの
LiPF6/ジメチルカーボネート溶液を滴定法により
分析したところ、酸性不純物としてHFが90ppm含
まれていた。
【0032】上記の溶液を粒状の塩化リチウムを充填し
た60cmのカラム中に10ml/minの流速で導入
した。カラム通過後の溶液を窒素吹き込み用ノズルを備
えたPTFE製の容器に移し、40℃で5時間溶液中に
窒素ガスを流通した。得られた溶液の酸性不純物濃度を
測定したところ、定量下限(10ppm)以下であっ
た。
【0033】実施例5 露点−60℃に管理されたグローブボックス中にて、テ
トラフルオロホウ酸リチウム(LiBF4)94gをジ
エチルカーボネートに溶解し、容積を1000mlに調
製した。このようにして得られた濃度1mol/lのL
iBF4/ジエチルカーボネート溶液を滴定法により分
析したところ、酸性不純物としてHFが110ppm含
まれていた。
【0034】上記の溶液に塩化アセチル1.1gを添加
して、室温で12時間撹拌した。次にこの溶液を窒素吹
き込み用ノズルを備えたPTFE製の容器に移し、70
℃で4時間溶液中に窒素ガスを流通し、HClおよび過
剰の塩化アセチルを除去した。得られた溶液の酸性不純
物濃度を測定したところ、定量下限(10ppm)以下
であった。
【0035】実施例6 露点−60℃に管理されたグローブボックス中にて、ヘ
キサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)152gを
ジエチルカーボネートに溶解し、容積を1000mlに
調製した。このようにして得られた濃度1mol/lの
LiPF6/ジエチルカーボネート溶液を滴定法により
分析したところ、酸性不純物がHF換算で100ppm
含まれていた。
【0036】上記の溶液に三塩化リン0.4gを添加し
て、室温で12時間撹拌した。次にこの溶液を窒素吹き
込み用ノズルを備えたPTFE製の容器に移し、70℃
で4時間溶液中に窒素ガスを流通し、HClおよび過剰
の三塩化リンを除去した。得られた溶液の酸性不純物濃
度を測定したところ、定量下限(10ppm)以下であ
った。
【0037】実施例7 露点−60℃に管理されたグローブボックス中にて、ヘ
キサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)152gを
プロピレンカーボネートに溶解し、容積を1000ml
に調製した。このようにして得られた濃度1mol/l
のLiPF6/プロピレンカーボネート溶液を滴定法に
より分析したところ、酸性不純物がHF換算で100p
pm含まれていた。
【0038】上記の溶液に塩化カルシウム2.0gを添
加して、室温で12時間撹拌した。次にこの溶液を窒素
吹き込み用ノズルを備えたPTFE製の容器に移し、7
0℃で4時間溶液中に窒素ガスを流通し、HClを除去
した。次に過剰の塩化カルシウムおよび反応により発生
したフッ化カルシウムの沈殿を濾別した後、この溶液の
酸性不純物濃度を測定したところ、定量下限(10pp
m)以下であった。
【0039】実施例8 露点−60℃に管理されたグローブボックス中にて、ヘ
キサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)304gを
プロピレンカーボネートに溶解し、容積を1000ml
に調製した。このようにして得られた濃度2mol/l
のLiPF6/プロピレンカーボネート溶液にHFを添
加して、HF濃度を2wt%とした。
【0040】上記の溶液に塩化リチウム70gを添加し
て、室温で12時間撹拌した。次にこの溶液を温度60
℃、圧力10torrで7時間減圧脱気した。上記反応
により発生したフッ化リチウムの沈殿を濾別した後、こ
の溶液の酸性不純物濃度を測定したところ、定量下限
(10ppm)以下であった。
【0041】比較例 露点−60℃に管理されたグローブボックス中にて、ヘ
キサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)152gを
ジエチルカーボネートとエチレンカーボネートの1:1
(容積比)混合溶媒に溶解し、容積を1000mlに調
製した。このようにして得られた濃度1mol/lのL
iPF6/(ジエチルカーボネート+エチレンカーボネ
ート)溶液を分析したところ、酸性不純物としてHFが
70ppm、HPO22が30ppm含まれていた(滴
定法により濃度を決定)。
【0042】上記の溶液を窒素吹き込み用ノズルを備え
たPTFE製の容器に移し、50℃で4時間溶液中に窒
素ガスを流通した。このときの排ガスをサンプリング
し、IRにより分析したところ、窒素中にはジエチルカ
ーボネートのみが含まれており、HFは確認されなかっ
た。
【0043】上記操作によりロスした量に相当するジエ
チルカーボネートを加え、この溶液のHFおよびHPO
22濃度を測定したところ、それぞれ70ppmと30
ppmで操作前と変わらなかった。すなわち、HFは蒸
気圧差を利用する分離法では分離不可能であった。
【0044】このようにして得られた濃度1mol/l
のLiPF6/(ジエチルカーボネート+エチレンカー
ボネート(1:1))電解液のイオン伝導度を交流二極
式の伝導度計を用いて25℃で測定したところ、7.8
mS/cmであった。
【0045】次に、この溶液を用いてテストセルを作製
し、充放電試験により電解液としての性能を評価した。
具体的には、天然黒鉛粉末95重量部に、バインダーと
して5重量部のポリフッ化ビニリデン(PVDF)を混
合し、さらにN,N−ジメチルホルムアミドを添加し、
スラリー状にした。このスラリーをニッケルメッシュ上
に塗布して、150℃で12時間乾燥させることによ
り、試験用負極体とした。また、コバルト酸リチウム8
5重量部に、黒鉛粉末10重量部およびPVDF5重量
部を混合し、さらに、N,N−ジメチルホルムアミドを
添加し、スラリー状にした。このスラリーをアルミニウ
ム箔上に塗布して、150℃で12時間乾燥させること
により、試験用正極体とした。ポリプロピレン不織布を
セパレーターとして、本比較例の電解液を用い、上記負
極体および正極体とを用いてテストセルを組み立てた。
続いて、次のような条件で、定電流充放電試験を実施し
た。充電、放電ともに電流密度0.35mA/cm2
行い、充電は4.2V、放電は2.5Vまで行い、この
充放電サイクルを繰り返して放電容量の変化を観察し
た。その結果、充放電効率はほぼ100%で、充放電を
500サイクル繰り返したところ、放電容量は全く変化
しなかった。このテストセルを劣化の加速試験のため、
60℃で3ヶ月保存した後に、再び上記と同様の条件で
充放電試験を行ったところ、放電容量は初期の88%程
度であり、テストセル中の電解液を観察したところ、黄
色の着色が見られた。
【0046】
【発明の効果】本発明の精製方法によれば、電解質とし
て用いられるフッ素化合物のリチウム塩類に由来するフ
ッ化水素(HF)やその他の原料や電解質の加水分解生
成物に由来する酸性不純物(例えばLiPF6の場合、
HPF6やHPOxFy等)が従来の方法に比べて、極
めて低いリチウム電池用電解液を得ることができ、これ
をリチウム電池に応用すれば、経時的な溶媒の劣化、そ
れに伴う内部抵抗の増大、電池容量の低下、サイクル寿
命の低下等の種々の問題が解決され、極めて良好な結果
が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川島 忠幸 山口県宇部市大字沖宇部5253番地 セン トラル硝子株式会社化学研究所内 (72)発明者 山本 素直 山口県宇部市大字沖宇部5253番地 セン トラル硝子株式会社化学研究所内 (72)発明者 佐々木 広美 山口県宇部市大字沖宇部5253番地 セン トラル硝子株式会社化学研究所内 (56)参考文献 特開 平9−165210(JP,A) 特開 平9−245807(JP,A) 米国特許4880714(US,A) 国際公開95/17346(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 10/40 H01M 6/16

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸性不純物を含有するリチウム電池用電
    解液中に、ハロゲン化物を添加して、酸性不純物をハロ
    ゲン化水素に変換した後、発生したハロゲン化水素を電
    解液中から除去することを特徴とするリチウム電池用電
    解液の精製方法。
  2. 【請求項2】 不純物として、フッ化水素を含有するリ
    チウム電池用電解液中に、フッ化物以外のハロゲン化物
    を添加して、フッ化水素を他のハロゲン化水素に変換し
    た後、発生したハロゲン化水素を電解液中から除去する
    ことを特徴とするリチウム電池用電解液の精製方法。
  3. 【請求項3】 請求項1、2記載の発生したハロゲン化
    水素を電解液中から除去する方法が、蒸留または不活性
    ガス流通による溶媒との蒸気圧差を利用する方法である
    ことを特徴とするリチウム電池用電解液の精製方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2記載のハロゲン化物がハロ
    ゲン化リチウムであることを特徴とするリチウム電池用
    電解液の精製方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2記載のハロゲン化物が沸点
    150℃以下の化合物であることを特徴とするリチウム
    電池用電解液の精製方法。
  6. 【請求項6】 請求項1、2記載のハロゲン化物が塩化
    物であることを特徴とするリチウム電池用電解液の精製
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6記載の精製方法で得られる
    リチウム電池用電解液が電解質として、ヘキサフルオロ
    リン酸リチウムを含有してなることを特徴とするリチウ
    ム電池用電解液。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のリチウム電池用電解液を
    用いることを特徴とするリチウム電池。
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