JP3032193U - 光ファイババンドル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温環境下でも光ファイバの機械的強度と光
透過率の低下することのないライトガイド用或いはイメ
ージガイド用光ファイババンドルを提供する。 【解決手段】 コア２Ｂ、クラッド２Ｃからなる裸光フ
ァイバ２Ａの外周に熱分解温度３００°Ｃ以上の被覆層
３を施した石英ガラス系光ファイバ２を複数本、両端の
被覆層３を所定長剥離して俵積み状に積層配列してフレ
キシブル金属管４に挿通、両端に口金５を被嵌し、両端
口金部５内の裸光ファイバ２Ａをセラミック系接着剤６
で固着した光ファイババンドル１。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、ライトガイド用或いはイメージガイド用石英ガラス系光ファイバ バンドルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

機械的強度や耐環境性の求められるライトガイド用或いはイメージガイド用石 英ガラス系光ファイババンドルは石英光ファイバを保護するためフレキシブル金 属管に挿通されて使用される。図２は、かかる保護金属管を有するライトガイド 用の光ファイババンドルの一般的な構造例を示したもので、同図（ａ）はその側 面図、同図（ｂ）はその端末部の拡大正面図、同図（ｃ）は光ファイバの断面図 である。石英光ファイバ１２は、コア１２Ｂとクラッド層１２Ｃからなる裸石英 光ファイバ１２Ａの外周に、裸石英光ファイバ１２Ａの機械的強度を保障するた めの保護層としてシリコン樹脂やアクリル樹脂などのプラスチック被覆層１３が 塗装されている。石英光ファイバ１２は所要長さに切断され、両端のプラスチッ ク被覆層１３が所要長剥離される。このようにして用意された所要本数の石英光 ファイバ１２は、両端のプラスチック被覆層１３の剥離された裸石英光ファイバ １２Ａ部分を俵積み状に密に整列した状態に束ねてフレキシブル金属管１４に挿 通され、両端の裸石英光ファイバ１２Ａ部分に口金１５が嵌着される。口金１５ を嵌着後、両端口金１５の裸石英光ファイバ１２Ａ部分にプラスチック系の接着 剤１６が注入され、口金１５内の裸石英光ファイバ１２Ａが固着される。この後 、口金１５端面の裸石英光ファイバ１２Ａの表面研磨がなされ、ライトガイド用 石英ガラス系光ファイババンドル１１として使用に供される。上記光ファイババ ンドル１１において、光ファイバ１２両端のプラスチック被覆層１３を剥離する のは光ファイババンドル１１端面の裸光ファイバ１２Ａの占積密度即ち受光及び 発光面積密度を大きくして光伝送効率を高めることにある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】 近時、光ファイババンドルは高温炉内の監視、観察などの用途にも使用される ようになってきた。かかる用途に供される場合、光ファイババンドルの受光端面 はもとより光ファイバ自体も高温雰囲気の影響を受けるようになる。しかし、上 記従来の光ファイババンドルでは、端面口金部の裸石英光ファイバを固着する接 着剤にはプラスチック系接着剤が用いられ、また光ファイバの被覆層には裸石英 光ファイバの機械的保護を目的とした耐熱温度が高々２００℃程度のシリコン樹 脂やアクリル樹脂などが用いられていて、口金部の接着剤や光ファイバ被覆層の 耐熱性についての考慮はなされていなかった。このため、光ファイババンドルを 高温環境下で使用するには光ファイバの機械的強度や光透過率の点で問題があり 、使用条件には自ずと限界があった。

【０００４】 そこで本考案の目的は、高温環境下で使用しても光ファイバの機械的強度や光 透過率の低下をもたらすことのないライトガイド用或いはイメージガイド用光フ ァイババンドルを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため、本考案の光ファイババンドルは、両端のプラスチッ ク被覆層を所定長剥離した複数本のプラスチック被覆石英ガラス系光ファイバを 両端口金付きフレキシブル金属管に挿通し前記口金部の裸光ファイバ部分をプラ スチック系接着剤で固着してなる光ファイババンドルにおいて、前記口金部の接 着剤にセラミック系接着剤を用いるとともに前記光ファイバのプラスチック被覆 層を熱分解温度が３００°Ｃ以上の熱硬化型樹脂で形成したことを構成上の特徴 とするものである。

【０００６】

【作用】

本考案の光ファイババンドルでは、光ファイババンドル両端の口金部の光ファ イバはセラミック系接着剤で固着されているので、高温炉内の観測のため高温に 直接曝されるような場合であっても、固着接着剤が劣化して両端裸光ファイバの 俵積み整列部にばらけなどの不具合を生じさせることがない。更に、光ファイバ のプラスチック被覆層が熱分解温度３００°Ｃ以上の熱硬化型樹脂で形成されて いるので、光ファイババンドルが高温雰囲気下に置かれた場合であっても、光フ ァイバのプラスチック被覆層に殆ど劣化を生ぜず裸光ファイバの損傷が防止され る。従って、３００°Ｃの高温であっても光ファイババンドルを長時間使用する ことが可能となる。熱分解温度が３００°Ｃ以上の熱硬化型樹脂としては、ポリ イミド、ポリアミドイミド、変性ポリイミド等のポリイミド系樹脂がある。

【０００７】

【実施例】

以下、図１に示すライトガイド用光ファイババンドルの実施例により本考案を 詳細に説明する。図１（ａ）はライトガイド用光ファイババンドルの側面図であ り、図１（ｂ）はその端面の拡大正面図であり、図１（ｃ）は光ファイバの断面 図である。

【０００８】 コア２Ｂの外径２０６μｍ、クラッド２Ｃの外径２２０μｍの裸石英ガラス光 ファイバ２Ａの外周にポリイミドワニス（宇部興産（株）製ポリイミドワニス「 Ｕ−ワニスＣ」（商品名））を１５μｍ厚さに焼付け塗装して被覆層３を有する 外径２５０μｍの光ファイバ２を製造した。この光ファイバ２を１ｍ長さに切断 し両端のポリイミド被覆層３を３０ｍｍ剥離して、バンドル用光ファイバ２とし て４５０本を用意した。次に、４５０本の光ファイバ２を両端俵積み状に密に積 層して、外径１２．５ｍｍのステンレス製フレキシブル管４に挿通した。次に、 光ファイバ２の両端の俵積み状に積層した裸光ファイバ２Ａにステンレス製口金 ５を被嵌した。口金５とフレキシブル管４とはビスで固定した。次いで、口金５ 内の裸光ファイバ２Ａの間隙部に粘度３，０００ｃｐのペースト状アルミナ接着 剤６を超音波振動器で注入しながら充填した。この後、口金５を約２００°Ｃの 恒温槽で約０．５〜１．０時間加熱して各裸光ファイバ２Ａを口金５内に固着し た。最後に、光ファイババンドル１の両端面を研磨機で研磨仕上げした。

【０００９】 上記製造した光ファイババンドル１の耐熱特性試験結果を以下に記す。試料に は３００°Ｃの高温大気中に２４時間置いた後５００°Ｃの高温大気中に１分間 置いたものを用いた。試験は、試料に対し半径２００ｍｍで１８０°の屈曲試験 を１００回行った後、各光ファイバ２の断線状態を調べる通光と光学的劣化を調 べる光透過率を測定した。測定の結果、試料の断線は皆無であり、光透過率も耐 熱試験前と何等変化なかった。

【００１０】

【考案の効果】

本考案の光ファイババンドルは、端末口金内の裸光ファイバが耐熱性の高いセ ラミック系接着剤で封止固着されるととともに光ファイバ被覆層が高い熱分解温 度を有する熱硬化型樹脂で形成されるので、高温雰囲気下での過酷な使用条件の 下でも光ファイバの断線や光透過率の低下を生ずることがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す光ファイババンドルの説
明図で、図１（ａ）はその側面図、図１（ｂ）はその端
面部の拡大正面図、図１（ｃ）は光ファイバの断面図で
ある。

【図２】従来の光ファイババンドルの説明図で、図２
（ａ）はその側面図、図２（ｂ）はその端面部の拡大正
面図、図２（ｃ）は光ファイバの断面図である。

【符号の説明】

１ 光ファイババンドル ２ 光ファイバ ２Ａ 裸光ファイバ ２Ｂ コア ２Ｃ クラッド ３ ポリイミド被覆層 ４ フレキシブル金属管 ５ 口金 ６ セラミック系接着剤

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【手続補正書】

【提出日】平成８年７月１７日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項１

【補正方法】変更

【補正内容】

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 両端のプラスチック被覆層を所定長剥離
   した複数本のプラスチック被覆石英ガラス系光ファイバ
   を両端口金付きフレキシブル金属管に挿通し前記両端の
   裸光ファイバを俵積み状に整列させ前記口金部内に接着
   剤で固着してなる光ファイババンドルにおいて、前記口
   金部の接着剤にセラミック系接着剤を用いるとともに前
   記光ファイバのプラスチック被覆層を熱分解温度が３０
   ０°Ｃ以上の熱硬化型樹脂で形成したことを特徴とする
   光ファイババンドル。
2. 【請求項２】 前記光ファイバのプラスチック被覆層が
   ポリイミド系樹脂である請求項１記載の光ファイババン
   ドル。