JP3030392B2 - 腐食性雰囲気用ロボット - Google Patents
腐食性雰囲気用ロボットInfo
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Description
における腐食性雰囲気中で動作するに好適なロボットに
関するものである。
ム内で動作し、LSIウェハ等を掴んで搬送するロボッ
トが知られている。この種のロボットは、物体を掴んで
搬送するフィンガと、このフィンガを移動し得るように
関節部を介して互いに連結された複数のアームと、これ
らアームを関節部の軸回りに回転させるための、駆動源
からの駆動力を伝達する駆動伝達機構とを備え、この駆
動伝達機構はアーム内を挿通して設けられている。この
駆動伝達機構は、駆動されるタイミングベルトと、この
タイミングベルトが掛けられる関節部の軸回りのプーリ
等から構成される。
その駆動伝達機構は摩擦し磨耗するため、塵埃がロボッ
トの内部(アーム内)に発生する。この塵埃がロボット
外に出ると、クリーンルーム内を汚染するので、塵埃が
ロボット外に出ないように、関節部には磁性流体シール
等を用いて密封し、ロボットの内部を排気して負圧とす
ることで、発生した塵埃を吸い出していた。こうして、
クリーンルーム用の非発塵ロボットとしていた。また、
半導体製造工程における湿式エッチング装置等の腐食性
雰囲気内で動作するロボットは、全体又は外被を耐蝕性
材質、例えば耐蝕性塩化ビニール等を用いて構成してい
た。
ような従来のロボットにおいて、ロボット本体の外被を
耐蝕性塩化ビニール等により構成したものでは、機械的
強度やその素材による塵埃を発生する点で問題があっ
た。関節部にシールとして用いている磁性流体は、鉄分
を含んでいるため、これと腐食性雰囲気が反応して磁性
流体自体が劣化してしまう。その結果、ロボット内部の
腐食が進行し、耐久性を低下させていた。本発明は、上
述した問題点を解決するためになされたものであり、ロ
ボット本体の外被は既存の構成のままで、ロボット本体
と腐食性雰囲気が直接に触れることがないようにして、
半導体製造工程等における腐食性雰囲気内で使用されて
も機械的耐久性や発塵性に問題がないロボットを提供す
ることを目的とする。また、磁性流体シールの劣化によ
る内部腐食も少なく、半導体製造工程等における腐食性
雰囲気内での使用に適したロボットを提供することを目
的とする。
に請求項1の発明は、関節部を介して互いに回転自在に
連結された複数のアームと、このアームを駆動させる駆
動部とを有し、アーム内には駆動部からの駆動力を伝達
し該アームを関節部を回転中心として回転させる駆動伝
達機構が設けられてなるロボット本体と、ロボット本体
の外面に空間をおいて被せた耐腐食性素材でなるジャケ
ットとからなり、ロボット本体内を加圧して正圧とする
と共に、ロボット本体の外面とジャケットとの間の空間
を強制排気して負圧とする腐食性雰囲気用ロボットであ
る。
腐食性素材を用いる必要がないので、機械的耐久性や発
塵性には問題がなく、また、ロボット本体内は加圧され
て正圧とされ、ロボット本体とジャケットとの間の空間
は強制排気されて負圧とされるので、ロボット本体内の
駆動伝達機構の動作により発生した塵埃は、負圧とされ
ているロボット本体とジャケットとの間の空間を通って
強制排気される。従って、ロボット外部の雰囲気中に漏
出することはない。また、ロボット外部の腐食性雰囲気
がロボット本体内に浸入することもないので、腐食性雰
囲気に起因した腐食や発塵は飛躍的に少なくなる。
記載の構成において、ロボット本体における複数のアー
ム間を連結する関節部に磁性流体シールが設けられてい
るものである。上記構成においては、磁性流体シールに
直接に腐食性雰囲気が接触することがなくなるので、磁
性流体シールの劣化が少なくなり、従って、その劣化に
よるロボット本体内の腐食も少なくなる。
は請求項2に記載の構成において、ジャケットが、アー
ムと駆動部に被せる各々の部分について少なくとも2つ
に分割された部材からなり、かつ、関節部が貫通する開
口を持ち、分割された端面同士を突き合わせることによ
りロボット本体の外面に被せられるものである。上記構
成においては、既存のロボット本体の外面にジャケット
を容易に被せることが可能となる。
至請求項3のいずれかに記載の構成において、ジャケッ
トの内部空間は、関節部が貫通する部分で互いに連通し
得るように構成されているものである。上記構成におい
ては、ロボット本体のアームとジャケットとの間の空間
を強制排気するのに、1箇所でまとめて簡単な構成にて
行うことができる。
例を図面を参照して説明する。図1は腐食性雰囲気用ロ
ボットの外観図、図2は同ロボットにおけるアームの関
節部の断面図、図3、図4はロボット本体の外面に被せ
るジャケットを上方及び下方から見た斜視図である。ロ
ボット1は、半導体製造工程等における腐食性雰囲気内
でウェハ等を掴んで搬送する等の動作に適したものであ
り、既存のロボット本体2(図1に破線で示す)と、そ
の外面に空間Aをおいて被せた耐腐食性素材でなるジャ
ケット3とから構成される。ロボット本体2は、関節部
4を介して互いに回転自在に連結された複数のアーム5
a,5bと、これらのアーム5a,5bを回転駆動させ
るモータ等を内蔵した駆動部6とを有し、アーム5a,
5b内には、駆動部6からの駆動力を伝達することによ
り、例えばアーム5aに対してアーム5bを関節部4を
回転中心として回転させる駆動伝達機構7が設けられて
いる。
が伝達されるタイミングベルト9と、このタイミングベ
ルト9が掛けられる関節部4の軸10回りに固定された
プーリ11等から構成される。軸10はその一端がアー
ム5aの内面に軸受け12により支持され、他端がアー
ム5bに固定されている。また、アーム5aとアーム5
bその他の関節部4においては、ロボット本体2の内部
空間Bとその外部(空間Aとなる)との密封を図るため
の磁性流体シール13が設けられている。この内部空間
Bは全体が連通状態である。なお、アーム5bの回動側
端部には物体を掴むフィンガ部14が回転自在に設けら
れている。このフィンガ部14を回転駆動するための伝
達機構もアーム5a,5b内に設けられているが、図示
を省略している。
ク等の耐腐食性素材により構成され、アーム5a,5b
と駆動部6に被せる各々の部分について少なくとも2つ
に分割された部材3a,3b,3c,3d,3e,3f
からなり、かつ、それぞれ関節部4が貫通する開口8を
持ち、分割された端面同士を突き合わせることによりロ
ボット本体2の外面全体を包囲するごとく被せることが
できる。本実施例では、関節部4が貫通する開口8の部
分は、図2に示されるように、ジャケット3内の空間A
は全体が連通し、かつ、ジャケット3の外部とは遮蔽し
得る構造とされている。なお、ジャケット3は、アーム
5a,5b等の外面に対して、スペーサ15を介し所定
間隙をおいて捩子16により取り付けられる。
設けられた不図示の吸入ファンにより、ロボット本体2
の内部空間Bを加圧して正圧となるように制御すると共
に、不図示の吐出ファンによりダクト17を介してロボ
ット本体2の外面とジャケット3の内面との間の空間A
を強制排気して負圧となるように制御する。
の動作について説明する。ロボット1は、ロボット本体
2の駆動部6の動作に基づき、不図示の機構を介してア
ーム5aが回転駆動され、また、駆動伝達機構7を構成
するタイミングベルト9が作動してプーリ11を回転さ
せる。それにより、軸10が回転駆動され、それに応動
してアーム5bはアーム5aに対して関節部4を回転中
心として回転駆動される。同様にして、アーム5bの回
動端のフィンガ部14が回転駆動される。こうしてロボ
ットとしての動作が得られる。
圧されて正圧とされ、ロボット本体2の外面とジャケッ
ト3の内面との間の空間Aは強制排気されて負圧とされ
る。このため、ジャケット3の外部が腐食性雰囲気であ
っても、腐食性ガスがロボット本体2の内部空間Bにま
で浸入することが防止される。つまり、ロボット本体2
が腐食性雰囲気に直接触れることがなくなる。このた
め、ロボット本体2の構成素材が従来のままでよく、機
械的耐久性や発塵性に問題はなく、外部腐食の問題もな
くなる。同時に、磁性流体シール13も劣化することが
防止されるので、内部腐食も抑えられ、ロボット1の耐
久性は飛躍的に向上する。また、ロボット本体2の駆動
伝達機構7の摩擦、磨耗により塵埃が発生しても、この
塵埃がロボット1の外部に漏出することも防止される。
勿論、ジャケット3が耐腐食性素材でなるので、腐食性
雰囲気での稼働にも好適である。
ボットの外観図、図6は同ロボットにおけるアームの関
節部の断面図である。上記実施例では、ジャケット3の
内部空間が全て連通し、まとめて強制排気するものを示
したが、以下に示す実施例は、ジャケット3の内部空間
がアーム5a,5b等を被せるブロック毎に区画されて
いる点が相違する。すなわち、ジャケット3の部材3
a,3b、部材3c,3dの各ブロックによる内部空間
は個別とされ、これらの内部空間と駆動部6に被せた部
材3e,3fによる内部空間との間はダクト19,20
により各々連結され、上記駆動部6に被せた部材3e,
3fによる内部空間をダクト17を介して強制排気する
ことで、各々の内部空間を負圧としている。関節部4が
貫通する開口8´の部分は、図6に示されるように、ロ
ボット本体2の外面とジャケット3の内面との間の空間
Aがそれぞれ区画されるような構成とされている。
種々の変形が可能である。例えば、アーム5bの回動側
端部に設けられたフィンガ部14のアーム部について
も、上記と同様にジャケット3部材を被せればよい。ま
た、上記実施例では、アーム5a,5bの他、駆動部6
をも含めてジャケット3の各部材を被せたものを示した
が、駆動部6が腐食性雰囲気ではない空間に配置される
場合は、駆動部6にはジャケット3を被せる必要がない
ことは勿論である。
ロボット本体の構成素材は従来のままでよく、機械的耐
久性や発塵性に問題がなく、また、ロボット本体内は正
圧とされ、ロボット本体とジャケットとの間は強制排気
され負圧とされるので、ロボット本体より発生した塵埃
は、負圧とされているロボット本体とジャケットとの間
を通って強制排気される。そのため、塵埃がロボット外
部の雰囲気中に漏出することはなくなる。また、ロボッ
ト外部の腐食性雰囲気がロボット本体内に浸入すること
もないので、腐食性雰囲気に起因した腐食や発塵は飛躍
的に少なくなり、腐食性雰囲気で動作するロボットの耐
久性は大幅に向上する。
果に加えて、磁性流体シールが腐食性雰囲気に接触する
ことによる劣化が少なくなり、そのため、ロボット本体
内の腐食も少なくなり、ロボットの耐久性はより一層大
幅に向上する。また、請求項3の発明によれば、上記の
効果に加えて、既存のロボット本体の外面にジャケット
を容易に被せることが可能で、低コスト化が図れる。ま
た、請求項4の発明によれば、上記の効果に加えて、ロ
ボット本体とジャケットとの空間の強制排気を1箇所で
まとめて行うことができ、構成が簡単となり低コスト化
が図れる。
トの外観図である。
ある。
から見た斜視図である。
から見た斜視図である。
観図である。
ある。
材 4 関節部 5a,5b アーム 6 駆動部 7 駆動伝達機構 8 開口 13 磁性流体シール 17 ダクト
Claims (4)
- 【請求項1】 関節部を介して互いに回転自在に連結さ
れた複数のアームと、このアームを駆動させる駆動部と
を有し、前記アーム内には前記駆動部からの駆動力を伝
達し該アームを前記関節部を回転中心として回転させる
駆動伝達機構が設けられてなるロボット本体と、 上記ロボット本体の外面に空間をおいて被せた耐腐食性
素材でなるジャケットとからなり、 前記ロボット本体内を加圧して正圧とすると共に、前記
ロボット本体の外面と前記ジャケットとの間の空間を強
制排気して負圧とすることを特徴とする腐食性雰囲気用
ロボット。 - 【請求項2】 上記ロボット本体における複数のアーム
間を連結する関節部に磁性流体シールが設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の腐食性雰囲気用ロボッ
ト。 - 【請求項3】 上記ジャケットは、上記アームと駆動部
に被せる各々の部分について少なくとも2つに分割され
た部材からなり、かつ、上記関節部が貫通する開口を持
ち、分割された端面同士を突き合わせることにより上記
ロボット本体の外面に被せられることを特徴とする請求
項1又は請求項2に記載の腐食性雰囲気用ロボット。 - 【請求項4】 上記ジャケットの内部空間は、上記関節
部が貫通する部分で互いに連通し得るように構成されて
いることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか
に記載の腐食性雰囲気用ロボット。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7279753A JP3030392B2 (ja) | 1995-10-02 | 1995-10-02 | 腐食性雰囲気用ロボット |
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Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP7279753A Expired - Fee Related JP3030392B2 (ja) | 1995-10-02 | 1995-10-02 | 腐食性雰囲気用ロボット |
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-
1995
- 1995-10-02 JP JP7279753A patent/JP3030392B2/ja not_active Expired - Fee Related
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