JP3030184B2 - 開閉蓋の取付構造 - Google Patents

開閉蓋の取付構造

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JP3030184B2
JP3030184B2 JP5158586A JP15858693A JP3030184B2 JP 3030184 B2 JP3030184 B2 JP 3030184B2 JP 5158586 A JP5158586 A JP 5158586A JP 15858693 A JP15858693 A JP 15858693A JP 3030184 B2 JP3030184 B2 JP 3030184B2
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正己 志賀
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三菱電機ビルテクノサービス株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、取付位置の調整可能
な開閉蓋の取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3は従来技術による開閉蓋の取付構造
をエレベータかごの救出口蓋に用いた場合の上面図、図
4は、図3のI−I線断面説明図である。図3、図4に
おいて、1は蓋取付基部(固定部である天井板、2は
エレベータかごの天井板1に取り付けられ、非常時に救
出用の出入り口となる救出口蓋である。また、3はエレ
ベータかごの背面壁、4は床、5は出入り口となる戸板
である。
【0003】エレベータかごの救出口蓋部分において
は、この救出口蓋2の開閉を可能としているヒンジが2
個取り付けられている。この救出口蓋部分の拡大図を図
5、図6に示す。これによると、救出口蓋2の上面端部
にヒンジ6がその一方の板部6aにおいてスポット溶接
等の固着手段により固着されている。ヒンジ6の他方の
板部6bは、天井板1に固着された断面L形の補強板7
に溶着されたスタッドボルト8により補強板7に固定さ
れており、救出口蓋2はヒンジ6の支点6cを中心にし
て回転することにより、開閉が可能となっている。
【0004】エレベータの設置工事において、エレベー
タかごの天井面の意匠を変更することにより商品にバラ
エティを持たせるために救出口蓋2を取り替える工事が
必要とされることがある。この救出口蓋2の取り替え工
事において、従来は、既設のものと全く同形状のヒンジ
6がついた救出口蓋2を取り付けるという方法がとらて
いた。しかし、このような作業方法によるときは、 1)既設のスタッドボルト8の取り付け位置は補強板7
の板厚や工作時の精度によって上下、左右、前後方向に
個体毎の誤差を有し、既設の取付用部品をそのまま使用
すると調整ができないので、新規の救出口蓋を旨く取り
付けることができない。
【0005】2)一方、新規に救出口蓋を取り付けるた
めの取付金具を設ける場合、取り付け位置を調整するた
めに現地で取り付け穴変更の工事をしなければならない
のでコストアップになる。そして、意匠面が要求する1
mmの隙間を確保するためには精密な調整が必要なの
で、作業に長時間を要する。
【0006】という問題点があった。
【0007】この発明は、上記問題点を解消するために
なされたものであり、既設の取り付け用部品をそのまま
使用可能とすることで救出口蓋の取り替え工事を低コス
ト化するとともに、開閉蓋の取付と調整を簡単に短時間
で行うことができ、取付、調整時間を大幅に短縮するこ
とが可能な開閉蓋の取付構造を提供することを目的とし
ている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明による開閉蓋の
取付構造は、水平部と立上り部と前記水平部に対向する
ヒンジ取付部とを有する断面略コの字形状の第1取付金
具であって、前記水平部には前記水平部と前記立上り部
との接合辺に略平行な方向に長穴を備え、前記長穴にお
いて蓋取付基部にねじ固定される第1取付金具と、水平
部と立上り部とを有する断面略L字形状の第2取付金具
であって、前記水平部は開閉部に固定され、前記立上
り部には上下方向に長い長穴を備えた第2取付金具とを
有している。
【0009】さらに、一方の板部が前記第1取付金具の
ヒンジ取付部に固定され、他方の板部が前記第2取付金
具の立上り部の長穴においてねじ固定されたヒンジとを
有する。また、前記第2取付金具の立上がり部と間には
スペーサを介在させることが可能である。
【0010】
【作用】この発明による開閉蓋の取付構造は、開閉蓋を
ヒンジにより天井等の固定板、つまり蓋取付基部に回動
可能に支持するに当り、新規な取付金具を採用し、ヒン
ジの支点位置を固定板面より高く構成し、既設の取り付
け用部品をそのまま使用して、開閉蓋の取り付け位置を
前後、左右、上下の三方向に調整できるようにする。調
整可能な三方向の内、二方向については、第1及び第2
取付金具の長穴の存在によって調整可能である。残りの
一方向は、ヒンジと第2取付金具との間に所定のスペー
サを挿入することで調整できる。よって、開閉蓋の取付
と調整を簡単に短時間で行うことができ、取付、調整時
間を大幅に短縮し、開閉蓋の取り替え工事を低コスト化
できる。
【0011】
【実施例】図1は、本発明に係る開閉蓋の取付構造をエ
レベータかごにおける救出口蓋の取付構造に適用した場
合の一実施例を示す平面図、図2(a)は図1のA−A
線における断面図である。図において、1は蓋取付基部
固定部である天井板、2は開閉蓋であるエレベータ
かごの天井板1に取り付けられ非常時に救出用の出入り
口となる救出口蓋である。7は、前記図6に示されたも
のと同様の天井板1に溶接により固着された断面L形に
折り曲げて形成された補強板であり、この補強板7には
スタッドボルト8が溶着により強固に固定されており、
従って、スタッドボルト8は天井板1に強固に取り付け
られている。断面コの字形状に折り曲げて形成された第
1取付金具9には、水平部9aと立上り部9bとこの水
平部9aに対向するヒンジ取付部9cとが設けられてい
る。
【0012】第1取付金具9は、水平部9aにおいて、
スタッドボルト8を介して補強板7に強固に固定され、
よって固定部である天井板1に固定されることとなる。
また、ヒンジ取付部9cにはヒンジ10の板部10aが
溶接により固定されている。なお、図2(b)は、スタ
ッドボルト8を図2(a)の矢印B方向から見た平面図
である。この図2(b)に示したように、水平部9aに
は、スタッドボルト8による締め付け位置を調整方向ア
の方向に調整可能にする長穴9dが設けられ、この長穴
9dによって、第1取付金具9は、調整方向アの方向に
調整可能にスタッドボルト8を介して補強板7及び天井
板1に強固に固定されている。
【0013】次に、ヒンジ10のもう一方の板部10b
は、断面L字形状に折り曲げれて形成され立上り部1
1aと水平部11bとを有する第2取付金具11の立上
り部11aに、皿ねじ12により締め付け固定されてい
る。なお、図2(a)中矢印C方向からみた皿ねじ12
の平面図である図2(c)に示すように、第2取付金具
11の立上り部11aには皿ねじ12による締め付け位
置を調整方向ウの方向に調整できるようにするための長
穴11cが設けられている。
【0014】また、ヒンジ10の板部10bと第2取付
金具11の立上り部11aとの間にはスペーサ13が間
挿されている。第2取付金具11の水平部11bは救出
口蓋2の上面に溶接等の固着手段により固着されてお
り、救出口蓋2はヒンジ10の支点10cを中心にして
自由に回転し、開閉が可能となっている。
【0015】上記のように構成されたこの実施例による
エレベータかごの救出口蓋の取付構造に適用された開閉
蓋の取付構造によれば、図1に示された調整方向ア、イ
および図2に示された調整方向ウの三方向に取付位置の
調整が可能である。
【0016】すなわち、調整方向アは、第1取付金具9
の長穴9dを利用しスタッドボルト8を締め付ける位置
で調整する。
【0017】調整方向イは、第2取付金具11とヒンジ
10の間に間挿するスペーサ13の増減により調整す
る。
【0018】調整方向ウは、第2取付金具11の長穴1
1cを利用し皿ねじ12を締め付ける位置で調整する。
【0019】次に、開閉蓋である救出口蓋2の取り替え
手順を説明する。先ず、救出口蓋2をスタッドボルト8
と皿ねじ12を利用し、第1取付金具9とヒンジ10を
用いて仮止めする。次いで、第1取付金具9の長穴9d
を利用して調整方向アの位置を決め、スタッドボルト8
の部分を固定する。さらに、スペーサ13の厚さを増減
することによりスペースbを調整し、調整方向イの位置
決めをする。調整方向ウについては救出口蓋2を長穴1
1cによりセッティングする際自然に位置決めされる。
最後に意匠面である、天井板1と救出口蓋2との隙間a
(約1mm)を確認、調整しつつ皿ねじ12を締め付け
固定することにより、救出口蓋2の取り替え作業を完了
する。
【0020】以上のようにすることにより、救出口蓋2
の前後、左右、上下の三方向の取付位置の調整を必要に
応じて短時間に行い、既設の補強板7等をそのまま利用
し、その板厚やスタッドボルト8の取付精度にとらわれ
ることなく、天井板1と救出口蓋2との間の隙間や平坦
度を意匠面で問題ないレベルにすることができ、コスト
を低減することができる。
【0021】なお、本発明に係る開閉蓋の取付構造は、
エレベータかごの救出口蓋に限らずヒンジを用いた既存
の開閉蓋の全ての取付構造として適用可能である。
【0022】なお、図中、同一符号は、同一または相当
部分を示す。
【0023】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係る開
閉蓋の取付構造によれば、開閉蓋の長穴の存在により、
二方向について取付位置が調整でき、またヒンジと第2
取付金具の間にスペーサを介在させることで更に別の一
方向にもその取付位置が調整可能である。従って、開閉
蓋の取り替え工事において既設の取り付け用部品をその
まま使用することで低コスト化を実現するとともに、開
閉蓋の取付と調整を簡単に短時間で行い、取付、調整時
間を大幅に短縮することができるという顕著な効果を有
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をエレベータかごの救出口蓋の取付構造
に適用した場合の実施例を示す平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】従来の救出口蓋の取付構造を用いたエレベータ
かごの上面図である。
【図4】図3のI−I線断面説明図である。
【図5】図3の救出口蓋の取付構造部分の平面図であ
る。
【図6】図5のII−II線断面図である。
【符号の説明】
1 天井板 2 救出口蓋 7 補強板 8 スタッドボルト 9 第1取付金具 10 ヒンジ 11 第2取付金具 12 皿ねじ 13 スペーサ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平部と立上り部と前記水平部に対向す
    るヒンジ取付部とを有する断面略コの字形状の第1取付
    金具であって、前記水平部には前記水平部と前記立上り
    部との接合辺に略平行な方向に長穴を備え、前記長穴に
    おいて蓋取付基部にねじ固定される第1取付金具と、 水平部と立上り部とを有する断面略L字形状の第2取付
    金具であって、前記水平部は開閉蓋部に固定され、前記
    立上り部には上下方向に長い長穴を備えた第2取付金具
    と、 一方の板部が前記第1取付金具のヒンジ取付部に固定さ
    れ、他方の板部が前記第2取付金具の立上り部の長穴に
    おいてねじ固定されたヒンジと、 を有することを特徴とする開閉蓋の取付構造。
  2. 【請求項2】 水平部と立上り部と前記水平部に対向す
    るヒンジ取付部とを有する断面略コの字形状の第1取付
    金具であって、前記水平部には前記水平部と前記立上り
    部との接合辺に略平行な方向に長穴を備え、前記長穴に
    おいて蓋取付基部にねじ固定される第1取付金具と、 水平部と立上り部とを有する断面略L字形状の第2取付
    金具であって、前記水平部は開閉蓋部に固定され、前記
    立上り部には上下方向に長い長穴を備えた第2取付金具
    と、 一方の板部が前記第1取付金具のヒンジ取付部に固定さ
    れ、他方の板部が前記第2取付金具の立上がり部と間に
    スペーサを介在可能に前記第2取付金具の立上り部の長
    穴においてねじ固定されたヒンジと、 を有することを特徴とする開閉蓋の取付構造。
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