JP3029975B2 - GaP緑色系発光ダイオードの製造方法 - Google Patents

GaP緑色系発光ダイオードの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発光ダイオードの製造
方法に関し、特に、屋外表示装置等に使用される緑色発
光ダイオード、中でも高輝度GaP黄緑色発光ダイオー
ドを製造する際の液相エピタキシャル工程に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、表示装置等に使用される発光ダ
イオードは、その輝度が高いほど消費電力が少なくて済
むため、特に屋外で使用される場合には、より高輝度化
された発光ダイオードが望まれている。
【0003】発光ダイオードの内、GaP黄緑色発光ダ
イオードの場合、GaPは本来、その再結合過程が間接
遷移のため発光効率は良くないが、結晶内にN(窒素)
が入ることで直接遷移再結合過程が得られる。一般の高
輝度GaP黄緑色発光ダイオードには、このタイプが使
用されている。
【0004】ところで、GaP発光ダイオードの高輝度
化には、その結晶品位の向上並びにキャリア注入効率の
向上が必要条件であり、これらの条件を満足するべく従
来より、改善がなされてきた。この改善がなされた従来
例の構造について、以下、図5乃至図9を参照して説明
する。
【0005】図5乃至図7は従来例によるGaP発光ダ
イオードのエピタキシャル成長方向とキャリア濃度の関
係を示した図、図8は図7の構造によるGaP発光ダイ
オードの発光ライフタイムを示した図、図9は従来例に
よる液相エピタキシャル成長についての温度プログラム
である。
【0006】図5に示した構造は、基板上に形成された
エピタキシャル層の内、pn接合部でのn型キャリア濃
度n2を小さくしてn型ドーパントによる結晶品位の低
下防止を図ったものである。しかし、この構造では、p
型層への電子の注入効率が低下するという問題点があっ
た。
【0007】一方、図6に示した構造は、エピタキシャ
ル層の内、pn接合近傍のn型キャリア濃度n2を大き
くし、且つp型キャリア濃度p1を小さくする(n2》p
1)ことによって、n型層からp型層への電子の注入効
率を増加させることができる。しかし、この場合には図
5の構造とは逆の問題、即ち、n型ドーパントによる結
晶品位の低下が生じやすくなるという問題点がある。
【0008】そこで、発明者は上記図5及び図6の両者
の問題点を解消する構造として、先に特願平6−117
999を提案している。これは、従来一般的に行われて
いたようなGaP基板の品位をエピタキシャル層に伝播
しないようにメルトバックするプロセスを行わず、過飽
和度を持たせたGa融液をGa基板に接触させるスーパ
ークール成長方法を採用したものである。そして、図7
に示すように、エピタキシャル層を4層、即ち、n
1層,n2層,p1層,p2層を設け、それぞれの層のキャ
リア濃度の関係を、n1>n2,p1<p2,n2≒p1
なるように設定している。これにより、pn接合近傍の
n型ドーパントによる結晶品位の低下防止及びp型層へ
の電子の注入効率の低下防止を図っている。
【0009】この結果、図7のスーパークール成長方法
を採用した構造によれば、図8に示すように発光ライフ
タイム(キャリア寿命)が向上することが認められた。
図8において、横軸の接合容量はPN接合のキャリア濃
度を示す。また、縦軸の発光ライフタイムは発光部(P
N接合)の結晶品位を示すパラメータの1つであり、発
光ライフタイムが長いほど結晶は高品位である。
【0010】また、図9に一般的な液相エピタキシャル
成長プログラムを示す。図9に示すように、まず、材料
の溶解工程20として、980℃において90分間Ga
融液中の原料を充分に融解する。そして、第1冷却工程
21として、過飽和度ΔT=10℃を持たせた後、92
0℃まで冷却速度0.5℃/分にて徐冷する。その後、
等温保持工程22として、920℃で等温保持時間t1
=40分とし、その後第2冷却工程23として、880
℃まで冷却速度0.5℃/分にて除冷する。さらに、第
2の等温保持工程24として、880℃にて等温保持時
間t2=60分とし、その後図中25に示すように83
0℃まで冷却その1.0℃/分にて除冷し成長を終了す
る。
【0011】上記プロセスにおいて、920℃での等温
保持時間t1はNH3ガスとGa融液とを接触させNを供
給し始め、880℃での等温保持時間t2はp型ドーパ
ントとしてのZnをGa融液へ供給させるためのもので
ある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の図9
で説明したように、一般にGaP液相エピタキシャルの
温度プログラムにおいては、2箇所に等温領域を持たせ
ている。
【0013】ところが、この等温領域の過程においては
温度を一定とするため、エピタキシャル成長が止まり、
液相−固相界面が平衡状態となる。従って、安定した温
度制御系でなければ、成長系内の温度分布のゆらぎによ
り、エピタキシャル成長、メルトバックが交互に繰り返
され、以降の成長においては過飽和度が損なわれ、結晶
品位が低下する。特に、pn接合近傍及び成長層表面近
傍において結晶品位が損なわれ、発光効率、外部光取り
出し効率が低下する。
【0014】また、GaP液相エピタキシャル成長にお
ける、p型ドーパントのGa融液への供給は、蒸気化原
子をH2ガス等のキャリアガスの流れに乗せてGa融液
に接触させる手法が一般的である。
【0015】ところが、この方法では低温度領域にp型
ドーパント蒸気が凝縮し成長系を汚染するため、次バッ
チ以降の成長過程に所望しないドーピングが混入する恐
れがあることや、成長装置自体の故障の原因となるとい
った問題があった。
【0016】そこで、本発明の目的は、GaP緑色系発
光ダイオードの製造過程におけるGaP液相エピタキシ
ャル成長において、エピタキシャル成長の終了までGa
融液の飽和度を損なわず、且つ、p型ドーパントの蒸気
化原子の凝縮による成長系の汚染を低減することによっ
て、pn接合近傍、成長層表面近傍等の結晶品位を向上
させ、従来より高輝度で高信頼性のGaP緑色系発光ダ
イオードを実現することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、n型GaP基板上に、n型GaP層、p
型GaP層を順次液層エピタキシャル成長させるGaP
緑色系発光ダイオードの製造方法において、前記n型G
aP基板に接触させるGa融液中のエピタキシャル原料
を溶解させる溶解工程と、前記Ga融液を冷却して過飽
和度をもたせる第1冷却工程と、N(窒素)を前記Ga
融液に供給する等温保持工程と、前記Ga融液を冷却す
る第2冷却工程と、次いで前記Ga融液にp型ドーパン
トを供給しつつ、さらに冷却する第3冷却工程とを、順
次行うことを特徴とする。
【0018】上記製造方法において、p型ドーパントの
供給は、p型ドーパントを含む金属粒を前記Ga融液に
直接添加することによって行うことを特徴とする。ま
た、p型ドーパントとしては、例えばZnを使用する。
【0019】
【作用】以上のように、本発明によるGaP緑色系発光
ダイオードの製造方法では、第2冷却工程の後に等温保
持を行わず、続けてp型ドーパント供給を伴う第3の冷
却工程を行っている。つまり、従来の液相エピタキシャ
ル成長工程で設けていた2回の等温保持のプロセスの
内、特に2回目の等温保持工程を行わないようにしてい
る。このため、等温保持プロセスに伴って生じていた従
来の問題点、即ち、等温保持のプロセスによって結晶品
位が低下するという問題点を解消でき発光輝度の向上を
図れる。
【0020】上記問題が発生するのは下記のような理由
による。つまり、等温保持領域の過程においては、温度
を一定とするため、エピタキシャル成長が止まり、液相
−固相界面が平衡状態となる。従って、安定した温度制
御系でなければ、成長系内の温度分布のゆらぎにより、
エピタキシャル成長、メルトバックが交互に繰り返さ
れ、以降の成長においては過飽和度が損なわれ、結晶品
位が低下する。特に、pn接合近傍及び成長層表面近傍
において結晶品位が損なわれ、発光効率、外部光取り出
し効率が低下する。ここで、2回目の等温保持のみを行
わないようにしているのは、実験の結果、結晶品位の低
下に関わるのは2回目の等温保持であることが判明した
ためである。
【0021】本発明では、上述のように、2回目の等温
保持を行わないようにすることによって結晶品位の向上
を図るようにしているが、単に、等温保持のプロセスを
無くすだけでは、p型ドーパントのGa融液への供給量
が少なくなってしまう。
【0022】そこで、p型ドーパントの効率的な供給を
実現するために、本発明では、例えばZnをp型ドーパ
ントとして使用する場合であれば、Znの金属粒あるい
はZnを添加したGa合金粒を、直接Ga融液に順次添
加して行くという方法をとっている。
【0023】そして、このp型ドーパントの金属粒を直
接Ga融液に添加する方法によれば、従来の問題点であ
った蒸気化されたドーパントによって成長系が汚染され
るという点も解消できる。
【0024】
【実施例】本発明の特徴は、特にGaP緑色系発光ダイ
オードの製造における液相エピタキシャル成長プロセス
において、Ga融液へ蒸気化されたドーパントを供給す
るために従来より設けられていた等温領域を無くすこと
と(発明者は、この等温領域が結晶品位を低下させる原
因となっていたことを見いだした)、これを実現するた
めに、Ga融液へのドーパント供給をドーパントの金属
粒あるいはドーパント添加の合金を直接Ga融液に供給
するようにした点にある。
【0025】以下、図1乃至図4を参照して詳細に説明
する。ここでは、特にGaP黄緑色発光ダイオードの製
造方法を取り上げて説明する。図1は、等温領域を無く
すことによって結晶品位が向上することを示す特性図、
図2は本発明の一実施例による液晶エピタキシャル温度
プログラム図、図3(a)乃至(c)は本発明の一実施
例によるドーパント供給装置を示す図、図4は本発明の
一実施例によるエピタキシャル成長方向とキャリア濃度
の関係を示す図である。
【0026】本発明は上述のように、等温領域を無くし
たことに特徴があるが、等温領域を無くすことによって
結晶品位が向上することについて説明する。
【0027】まず、等温保持時間の有無によるエピタキ
シャル成長層結晶品位の程度を評価するために、Ga融
液中にはPのみを仕込み、ドーパント並びにNは供給せ
ずに、等温保持時間t1、t2=0としてエピタキシャル
成長を行った。そして、作製したエピタキシャルウェハ
をアングルラップし、その表面はダメージ層を充分に除
去して鏡面とし、GaP基板よりエピタキシャル成長方
向にフォトルミネセンス光強度の測定を行うことで、結
晶品位の評価を行った。
【0028】具体的には、一定パワーのレーザ光を結晶
に入射し、結晶からの放射強度を測定することによって
結晶品位のレベルを判定している。ここで、励起光源と
してはArレーザ(λ=488μm)を使用し、波長5
55nmのフォトルミネッセンス強度を測定した。図1
はその結果を示した図である。
【0029】図1において、破線Aは等温保持時間t1
=40分、t2=60分での結果であり、実線Bはt1
2=0での結果である。両線を比較すると、GaP基
板からエピタキシャル成長方向にフォトルミネセンス強
度の向上が確認でき、結晶品位が向上していることが判
る。
【0030】即ち、等温保持時間t1に相当する層厚C
付近ではフォトルミネセンス強度に大差が見られない
が、等温保持時間t2に相当する層厚D付近では明確な
差が見られ、さらに表面へ向かう程、等温保持時間の有
無の差が明確となる。このように、t1=t2=0のプロ
セスとした方が、pn接合近傍及び表面近傍の結晶品位
が向上することが判る。
【0031】さらに、この結果から、結晶品位に関して
は、等温保持時間t1よりもt2の方が支配的であり、少
なくとも等温保持時間t2=0とすれば良い事が判る。
【0032】そこで、結晶品位向上のためには、図5に
示した従来例のプロセスにおいてt2=0とすればよい
が、単にt2=0とするだけでは、ドーパントのZnを
Ga融液に充分供給するための時間がゼロとなることか
ら、従来通り蒸気化されたZnをGa融液に接触させる
方法ではZnの供給量が不足してしまう。
【0033】このため、本実施例では、Ga融液中にZ
n粒あるいはZnを添加した合金粒(以下、Zn粒で代
表する)を直接、Ga融液に接触させることにより上記
問題を解消している。
【0034】以下、図2を参照して、本実施例によるG
aP液相エピタキシャル成長方法について具体的に説明
する。本実施例において、n型ドーパントとしてはSi
を、p型ドーパントとしてはZnを用いた。
【0035】まず、材料の溶解工程20として、980
℃において90分間、Ga融液中のP、Siを充分に溶
解してから、第1冷却工程21として、970℃まで
0.5℃/分にて徐冷し過飽和度を持たせ、n型GaP
基板とGa融液とを接触させエピタキシャル成長させ
る。そのまま、920℃まで冷却速度0.5℃/分にて
徐冷し(n1層形成)、920℃で等温保持工程22と
して40分間(等温保持時間t1)、NH3ガスを流入し
てGa融液中にNを充分供給する。
【0036】次に、第2冷却工程23として、880℃
まで冷却速度0.5℃/分にて除冷して、後述の図4に
示すようにn2層、p1層を形成する。
【0037】この後、本実施例においては、前述したよ
うに、従来のような等温保持時間t2を設けずに、その
まま続けて第3冷却工程を行う。即ち、880℃から図
4に示すp2層を形成するのであるが、本実施例では、
従来通りの蒸気化されたZnをGa融液に接触させるプ
ロセスはとっていないため、このままではGa融液中の
Znは蒸発により欠乏し、濃度プロファイルの低下が生
じる。そこで、Zn粒を直接Ga融液内へ入れることに
よって上記問題を解決している。Zn粒の混入のタイミ
ングはGa融液の温度によって制御している。一例とし
て、880℃で1粒、以降20℃低下する毎に1粒ずつ
添加していく。ここで、Zn粒としては、GaにZnを
20%(重量%)添加した、粒径5mm程度のものを使
用した。
【0038】次に、このZn粒のGa融液へのドープ方
法について、図3を参照して具体的に説明する。
【0039】図3(a)及び(b)はそれぞれ、Ga合
金粒をGa融液にドープさせるための治具の動作を示す
側面図、図3(c)はその部分拡大図である。
【0040】この治具は図3(a)に示すように、液相
エピタキシャルボートを反応管へ導くための石英棒1、
Ga融液をGaP基板に接触させるための石英棒2及び
石英棒2をガイドとして、Zn粒をGa融液上に導くた
めのカーボン製の治具3と、Zn粒をセットするための
カーボン治具4,5とから構成されている。Zn粒はカ
ーボン治具5にあるセル7,8,9にそれぞれセットさ
れる。
【0041】上記構成の治具によって、ドーパントは以
下のように供給される。即ち、石英棒3を反応管の方へ
押し込むことでカーボン治具4乃至6はエピタキシャル
ボート10の方へ滑らかにスライドされる。そして、図
3(b)のように、カーボン治具5がエピタキシャルボ
ート10に接触され、さらに石英棒3を押し込み続ける
と、図3(c)のようにセル7、8、9の順に下部が開
放され、Zn粒がGa融液中に順次落下することにな
る。このドーパントの落下のタイミングはセルがそれぞ
れ独立しているため個別制御が可能である。
【0042】以上のようにして得られた本実施例による
キャリア濃度プロファイルを図4に示す。図中、実線が
本実施例によるキャリア濃度である。比較のために、Z
n粒のドーピングではなく、従来とおり蒸気化されたZ
nをGa融液に接触させた場合を点線で示す。図の点線
より明らかなように、単に等温保持時間t2を無くした
だけでは、p型キャリア濃度の立ち上がりが悪い。これ
に対して、本実施例のp型立ち上がりは実線に示すよう
に、等温保持時間がある場合と比較して何ら遜色がな
い。
【0043】また、図4中、P2層については、キャリ
ア濃度がノコギリ刃状になっているが、これは、Zn粒
によってGa融液中にZn供給する方法をとっているた
めである。つまり、従来の方法であれば、蒸気化された
Znが成長管内に常にあり、このためGa融液中のZn
は蒸気化しない。これに対して、本実施例によれば、G
a融液内のZnは蒸気化し、液中のZn濃度が減少す
る。そして、減少した頃に再びZn粒を供給するのでZ
n濃度が上昇する。この繰り返しによって、上記のよう
なノコギリ刃状のキャリア濃度となる。
【0044】上記のようにして作製したエピタキシャル
ウェハを素子化し、輝度評価を行ったところ、これまで
よりも約20%の高輝度化を実現できた。
【0045】また、ドーパントであるZnの供給方法に
ついても従来に比べて下記のような優れた点が認められ
た。即ち、従来方式である、蒸気化されたZnをH2
のキャリアガスにのせて反応管に送りGa融液と接触さ
せる方法では、セットしたZn量の約90%が損失とな
る。これに対して本実施例のようにGa合金粒を使用し
た場合、その損失はGa融液上に搬送する過程で0.7
%、ドーパント過程でも約10%程度の損失に留どま
る。
【0046】この結果、Zn蒸気化に伴う低温部での汚
染等、次回へのエピタキシャル成長への弊害も低減でき
た。具体的には、従来のプロセスでは、炉内に残留Zn
の白い付着物が見られたが、本発明の方法で製造した結
果、炉内には付着物が見られず、目視においても汚染が
解消されていることが確認できた。
【0047】なお、本実施例においては、GaP黄緑色
発光ダイオードをとりあげて説明したが、GaP緑色系
の発光ダイオードには本発明は適用可能である。
【0048】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よる発光ダイオードの製造方法によれば、液相エピタキ
シャル成長の終了までGa融液中のPの飽和度を損なう
事なく、結晶品位の向上が図れ、且つキャリア濃度プロ
ファイルも所定値が得られ、発光ダイオードの高輝度化
が図れる。
【0049】しかも、p型ドーパントの供給方法として
は、Zn粒あるいはZnを添加したGa合金粒をドーパ
ントとして直接反応系のGa融液中へ供給するため、蒸
気化Znの凝縮による反応系の汚染を極めて低減でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によってGaP発光ダイオードの結晶品
位の向上が図れることを説明するための特性図である。
【図2】本発明の一実施例によるGaP発光ダイオード
の液晶エピタキシャル温度プログラム図である。
【図3】(a)乃至(c)は、本発明の一実施例による
ドーパント供給装置を説明するための図である。
【図4】本発明の一実施例によるGaP発光ダイオード
のエピタキシャル成長方向とキャリア濃度の関係を示し
た図である。
【図5】従来例によるGaP発光ダイオードのエピタキ
シャル成長方向とキャリア濃度の関係を示した図であ
る。
【図6】他の従来例によるGaP発光ダイオードのエピ
タキシャル成長方向とキャリア濃度の関係を示した図で
ある。
【図7】さらに他の従来例によるGaP発光ダイオード
のエピタキシャル成長方向とキャリア濃度の関係を示し
た図である。
【図8】図7の構造によるGaP発光ダイオードの発光
ライフタイムを示した図である。
【図9】従来例によるGaP発光ダイオードの液相エピ
タキシャル成長についての温度プログラム図である。
【符号の説明】
20 溶解工程 21 第1冷却工程 22 等温保持工程 23 第2冷却工程 25 第3冷却工程 n1,n2 n型GaP層 p1,p2 p型GaP層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−335621(JP,A) 特開 平4−266074(JP,A) 特開 昭60−236220(JP,A) 特開 平6−302858(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 33/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n型GaP基板上に、n型GaP層、p
    型GaP層を順次液層エピタキシャル成長させるGaP
    緑色系発光ダイオードの製造方法において、 前記n型GaP基板に接触させるGa融液中のエピタキ
    シャル原料を溶解させる溶解工程と、前記Ga融液を冷
    却して過飽和度をもたせる第1冷却工程と、N(窒素)
    を前記Ga融液に供給する等温保持工程と、前記Ga融
    液を冷却する第2冷却工程と、次いで前記Ga融液にp
    型ドーパントを供給しつつ、さらに冷却する第3冷却工
    程とを、順次行うことを特徴とするGaP緑色系発光ダ
    イオードの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のGaP緑色系発光ダイ
    オードの製造方法において、前記p型ドーパントの供給
    は、p型ドーパントを含む金属粒を前記Ga融液に直接
    添加することによって行うことを特徴とするGaP緑色
    系発光ダイオードの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のGaP緑色系発光ダイ
    オードの製造方法において、前記p型ドーパントとして
    Znを使用してなることを特徴とするGaP緑色系発光
    ダイオードの製造方法。
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