JP3029464B2 - 電子写真像形成部材 - Google Patents

電子写真像形成部材

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JP3029464B2 JP2406119A JP40611990A JP3029464B2 JP 3029464 B2 JP3029464 B2 JP 3029464B2 JP 2406119 A JP2406119 A JP 2406119A JP 40611990 A JP40611990 A JP 40611990A JP 3029464 B2 JP3029464 B2 JP 3029464B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般的に電子写真、そし
て更に詳しくは新規な光導電性デバイス及びデバイスの
使用法に関する。
【0002】
【従来の技術】ゼログラフィー技術では、光導電性絶縁
層を含むゼログラフィー板を始めにその表面を静電的に
均一に帯電させることによって画像形成する。ついでゼ
ログラフィー板をその活性電磁線パターンに露光する。
電磁線は、導電性絶縁層の露光部位の電荷を選択的に除
去し、一方非露光部位に静電潜像を残す。次にこの得ら
れた静電潜像を現像し、光導電性絶縁層の表面に微小検
電マーキング粒子をばらまいて可視像を形成する。
【0003】ゼログラフィーに使用される光導電層はガ
ラス質セレンなどの単一材料の均一層であってもよい
が、または光導電体及び他の材料を含有する複合層であ
ることもできる。ゼログラフィーに使用される複合光導
電層の1つのタイプは、電気的に作動する少なくとも2
層を有する感光体部材を開示している米国特許第4,265,
990 号に例示されている。1層は正孔を光発生し、光発
生正孔を隣接電荷輸送層に注入することができる光導電
層から成る。一般に電気的に作動する2層は隣接電荷輸
送層と支持導電層の間にはさまれた光導電層を有する導
電層上に設けられており、電荷輸送層の外側表面は通常
負に均一に帯電しており、支持電極は陽極として利用さ
れる。明らかに、電荷輸送層が、陽極と電子を光発生
し、光発生電子を電荷輸送層に注入することができる光
導電層に挟まれている場合、支持電極は陽極としても機
能する。この具体例において電荷輸送層は、勿論光発生
電子の光導電層から電荷輸送層への注入をサポートし、
該電子の電荷輸送層内の移動を可能にするものでなけれ
ばならない。
【0004】電荷発生層(CGL)及び電荷輸送層(C
TL)用の種々の材料が研究されている。例えば、米国
特許第4,265,990 号に開示されている感光体部材は、ポ
リカーボネート樹脂と1以上の特定のジアミン化合物を
有する電荷輸送層と隣接している電荷発生層に利用する
ことができる。正孔を光発生し、正孔を電荷輸送層に注
入することができる光導電層を有する種々の発生層も研
究されている。典型的な発生層に利用される光導電性材
料は、アモルファスセレン、三方晶セレン、及びセレン
合金(セレン−テルル、セレン−テルル−ヒ素、セレン
−ヒ素、及びそれらの混合物など)を含む。電荷発生層
はバインダー中均一な光導電性材料または粒子状光導電
性材料を含んでもよい。均一なバインダー電荷発生層の
他の例は、例えば、米国特許第4,265,990 号に開示され
ている。ポリ(ヒドロキシエーテル)樹脂などのバイン
ダー材料の他の例は米国特許第4,439,507 号に開示され
ている。前記の米国特許第4,265,990 号と米国特許第4,
439,507 号は引用によりそれらの全てが本明細書中に導
入される。電気的に作動する少なくとも2層を有する感
光性部材は、均一に負に静電的に帯電し、露光されそし
てその後で微小な検電マーキング粒子で現像されると
き、上記のように非常に優れた像を提供する。しかし、
支持導電性基体が電荷注入金属または非金属を含む場
合、暗所での放電のためにそれらの感光性部材は困難に
でくわす。さらに詳しくはこれらの感光性部材は、帯電
及びそれに続く像露光及び現像ステップの間十分な電荷
を保たない。大部分の金属接地板は電荷注入を阻止する
自然酸化層を有する。このタイプの代表的な金属はアル
ミニウム、ジルコニウム、チタンなどである。貴金属
(例えば金、プラチナ)など酸化されない金属及び電荷
注入を促進する金属は例外である。ヨウ化銅はカーボン
ブラックなどの他の材料を含む接地板も電荷発生層へ電
荷を注入するので、帯電像露光及び/または現像ステッ
プの間感光体が十分に電荷を保持しない例えば米国特許
第4,082,551 号に開示されているようにヨウ化銅接地板
はサイクリング中の分解といった問題にでくわす。電荷
ブロッキング層は電荷注入を阻止するのに金属化または
他の種類の接地板にしばしば使用される。ある種の電荷
ブロッキング層はさらに電荷発生層と導電接地板の間に
追加の接着層を必要とする。ブロッキング層として樹脂
を用いる試みをすると、感光体は通常サイクリングで残
留電位の増加を示す。画像露光及び現像ステップの間の
十分な電荷維持の失敗またはサイクリングでの残留電荷
の増加は精密な複写機、デュプリケイター、及び印刷機
には通常許容できるものではない。
【0005】メチルビニルエーテル及び無水マレイン酸
のコポリマー(例えばGAF社からのガントレッツAN
樹脂)はブロッキング層に用いられてきた。残念なが
ら、メチルビニルエーテル及び無水マレイン酸のコポリ
マーは水に敏感でありすぐに加水分解し、腐食性で電気
サイクル中に感光体の金属接地板を攻撃する酸性生成物
を生じる。電気サイクル中の腐食による接地板損失はや
がては電子写真像形成部材を放電させなくする。これは
電気サイクルの最終像でのバックグラウンドのトナー付
着の増加で明らかである。加えてメチルビニルエーテル
及び無水マレイン酸のコポリマーの機械的特性は高湿度
で影響を受けフレキシブル電子写真像形成部材の離層原
因となる。低湿度条件下ではメチルビニルエーテル及び
無水マレイン酸のコポリマーを含むブロッキング層は電
気表面電位サイクル低下の原因となりがちである。サイ
クル低下は露光部と非露光部の電気的コントラストの低
下の原因となり最終コピーに影響を与える。更に、メチ
ルビニルエーテル及び無水マレイン酸のコポリマーは後
から設けられる層に使用されるある種の溶媒に感受性が
あり、再溶解したりブロッキング層としての結合性を失
う。メチルビニルエーテル及び無水マレイン酸のコポリ
マーの加水分解は酸を無水物に変える。保存中に形成さ
れた酸は金属導電層を攻撃し感光体をもはや放電させな
くする。さらに、サイクル中に薄い接地板の腐食は促進
され、これも感光体をもはや放電させなくする。酸が形
成されると金属によるコーティングは一般に水と低分子
アルコールによるコーティングを制限する。
【0006】ポリ(ビニルアルコール)(PVOH)は
ブロッキング層としての使用を評価されている。しか
し、この材料は非常に粘稠であり、コーティングとして
適用するのが困難である。例えば、所望のレベルの乾燥
厚のブロッキング層を作り上げるには希釈されてもまだ
粘稠なポリ(ビニルアルコール)水溶液を何回も吹付塗
することが必要である。さらにポリ(ビニルアルコー
ル)に用いられ得る溶媒は高品質コーティングを形成す
ると導電性ではない。さらに、ポリ(ビニルアルコー
ル)は多くの導電層ポリマーとの接着性が乏しい。
【0007】1976年1月13日付けのE.A.ペレ
ッツ(Perez)の米国特許第3,932,179 号には導電層、光
導電層、及び高分子中間層を有し、導電層と光導電層間
の表面抵抗が1012Ω/□より大きい多層電子写真要素
が開示されている。中間層は少なくとも2種の全く別な
高分子相: (a)水またはアルカリ性水溶液に溶解性のフィルム形
成ポリマー、及び (b)電気的に絶縁性のフィルム形成疎水性ポリマー、
のブレンドを有する。例えば導電層は、ポリメチルメタ
クリレートとポリメタクリル酸の共重合性バインダー中
に吸収されたク−ポラスな(Cuprous)ヨウ化物を含み得
る。複雑な2相性のはっきりしない層、ポリ(メチルア
クリレート−ビニリデンクロライド−イタコン酸)の複
雑なターポリマー(65wt%)及びポリ(メチルビニル
エーテル無水マレイン酸)(35wt%)から成る、を有
機溶媒バリアー及び接着を助けるために正孔ブロッキン
グ層として採用した。水またはアルカリ性水溶液に溶解
性のフィルム形成ポリマーは酸基、水酸基、アルコキシ
基及びエステル基などの官能基から成る側鎖を含み得
る。
【0008】1978年4月4日付けのステクレンスキ
ー(Steklenski) らの米国特許第4,082,551 号には、導
電層、その上に光導電層、及び導電層と光導電層の間に
挿入された多層中間層組成物を有する単一光導電性要素
を開示している。多層中間層組成物は酸性ポリマー材料
を含有する層、塩基性ポリマー材料を含有する層、及び
酸性ポリマー含有層と塩基性ポリマー含有層の界面で形
成される酸−塩基反応生成物ゾーンから成る。塩基性ポ
リマー材料はアミン基の存在のための塩基性を示す。種
々の塩基性アミノメタクリレート及びアクリレートモノ
マー及びポリマーが開示されている。このように、例え
ば、Cul 導電層に隣接する複雑なバリアー2相は、酸性
ポリマー及び塩基性ポリマーの界面で塩中間層を形成す
るようなアクリル酸またはメタクリル酸コポリマー及び
ポリ2−ビニリデン−ポリメチルメタクリレートコポリ
マーから成る最上層から成る。多層中間層組成物は、得
られる単一要素の導電層及び光導電層の間に良好な接着
性を付与し、また下に設けられた導電層から光導電層に
注入され得る電気的バリアーブロッキング陽電荷キャリ
アーとして機能し得る。
【0009】1986年4月22日付けのリン(Lin)ら
の米国特許第4,584,253 号には、電荷発生層、隣接電荷
輸送層及び電荷発生層と同じ側の電荷輸送層上に位置す
るセルロース正孔トラッピング材料を有する電子写真像
形成部材が開示されている。1例においては、セルロー
ス正孔トラッピング材料は電荷輸送層と導電層の間に挟
まれている。
【0010】1963年12月3日付けのP.カシーア
ス(Cassiers) らの米国特許第3,113,022 号には、導電
性潜像形成用の電子写真像形成部材が開示されている。
部材の導電層は金及び様々な他の材料(ヒドロスコピッ
ク及び/または帯電防止化合物並びに親水性試薬を含む
親水性材料)を含み得る。適当なヒドロスコピック及び
/または帯電防止化合物は例えばグリセリン、グリコー
ル、ポリエチレングリコール、ヒドロキシプロピル、シ
ュクロースモノラウレートなどを含む。適当な親水性試
薬はゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、セルローススルフェ
ート、セルロースハイドロジェンフタレート、セルロー
ス−アセテートスルフェート、ヒドロキシエチルセルロ
ースなどを含み、親水層と疎水層の良好な接着が得られ
る。高分子物質のコーティングは有機高分子光導電性物
質及び電磁線感受性物質をペーパーシートの透過から保
護するためにペーパーシートの上にも使用し得る。高分
子物質コーティングは電磁線照射の間露光像領域からの
電子の移動を妨げてはならない。コーティングは、セル
ロースジアセテート、セルローストリアセテート、セル
ロースアセトブチレート、エチルセルロース、エチルセ
ルロースステアレートまたは他のセルロース誘導体、重
合体(例えば、ポリアクリル酸エステル、ポリメタアク
リル酸エステル)、重縮合物(例えば、ポリエチレング
リコールエステル、ジエチレングリコールポリエステル
など)を含む。電磁線感受性物質を伴う有機高分子光導
電性物質は有機溶媒中に溶解または分散され、適当な支
持体の表面にコーティングされる。
【0011】1966年4月12日付けのD.トレボイ
(Trevoy) らの米国特許第3,245,833 号には、写真フィ
ルムの帯電防止コーティングとして有用な導電性コーテ
ィングが、ニトリル溶媒中クーポラスなヨウ化物及び有
機ポリマーから製造される(例えば実施例6)事が開示
されている。スピンコーディングし乾燥した後の表面抵
抗率は7−9×102 Ω/□であった。厚さは開示され
ていない。コーティング応用は電子写真についてはみら
れないし、高分子絶縁性バインダーがいつもクーポラス
なヨウ化物と共に用いられている。ここで半導電性金属
コーティング化合物(Cul)は15−90容量%の範囲で
ある。
【0012】米国特許第3,245,833 号(上記参照)に開
示されている導電性コーティングの電磁線記録要素用導
電性支持体への使用(例えば、直接電子記録が行われる
電子顕微鏡)がD.トレボイ(Trevoy) らの米国特許第
3,428,451 号に開示されている。コーティング応用は電
子写真には行われていない。
【0013】米国特許第3,245,833 号(上記参照)に開
示されている導電性コーティング(例えばCul と高分子
バインダー)の電子写真への応用が米国特許第3,554,74
2 号に開示されている。バインダーは導電層としてクー
ポラスなヨウ化物と一緒に使用されている。導電層と
(Cul と高分子バインダー)と光導電層(例えばチアピ
リリウム)の間に位置するブロックコポリカーボネート
のバリアー層はそれぞれの帯電レベルで接着性を改善す
る。
【0014】W.D.ハンフリー(Humphries)らの米国
特許第3,640,780 号には、Cul と高分子バインダーを電
子写真デバイス用導電層として使用することが開示され
ている。セルロースニトレート並びにメチルアクリレー
ト、アクリロニトリル、アクリル酸及びビニリデンクロ
リドのテトラポリマーの厚さ0.3〜0.5μm高分子ブレ
ンドのバリヤー層は(文献(3)に記載されているよう
に位置する)暗減衰を減少させそして接着性を改良する
ことが見い出いされた。
【0015】W.E.ヨールガー(Yoerger)らの米国特
許第3,745,005 号には、高分子バインダー中(ポリビニ
ルホルマール)クーポラスなヨウ化物の混合物を導電層
として使用したことが開示されている。バリアー層は
(0.3〜7μm)ビニルアセテート及びビニルピロリド
ンまたはビニルアセテートのコポリマーから成り、そし
てαβ−不飽和モノアルケン酸は15−80%のRH範
囲で600−700Vの範囲で帯電レベルを与える。特
許請求の範囲3及び7はバインダー中に分散されたカー
ボンの導電層に関するが、この特許の他の部分ではこの
種の導電層については論じられていない。電気サイクル
のデータも示されていない。
【0016】M.スコッタファーバ(Scozzafava) らの
米国特許第4,485,161 号には、高分子バインダー中クー
ポラスなヨウ化物を含む導電層を開示している。バリア
ー層は、少なくとも1個のアクリレート基またはメタア
クリレート基を含みかつ芳香核または脂環式核を有する
重合可能な架橋可能なモノマーで溶液塗布またはバルク
コーティングされる。バリアー層コーティングは、手際
良くモノマーコーティングのUV照射による硬化を促進
するために少量の感光剤及びアミンアクチベーターも含
む。2−8μm厚の感想バリアー層コーティングが得ら
れた。これらのデバイスはコロナ帯電下1.3〜1.6×1
6 V/cmの電界をサポートする。E1/2 感光度は入射
光640nmで約10erg /cm(実施例3)であった。E
1/3 感光度は様々な光源を用いたところ6.7−14.9er
g /cmの範囲(実施例2、4、5及び6)であった。反
復ゼログラフィーサイクルでのバリアー層のV0 及びV
R の試験はなされていない。上記のデータは1回だけの
ものである。これらの架橋バリアー層は画像形成フィル
ムに形成されるたくさんの白点を減少させた。バリアー
層は、正孔注入バリアーとし機能するほかトルエン及び
メチレンクロリドに対する溶媒バリアーとしても機能す
る。
【0017】K.カワムラ(Kawamura) らの米国特許第
4,465,751 号には、クーポラスなヨウ化物の導電層が開
示されている。この特許ではクーポラスなヨウ化物は高
分子物質に吸収されているか、クーポラスなヨウ化物−
アセトニトリル溶液が同じ溶液中にバインダーなしで被
覆されている場合には高分子物質上で接着層の代わりを
する。このように、クーポラスなヨウ化物用のバインダ
ーは適当な溶媒膨潤及び/または加熱によってCul の下
に発生し、そしてその結果がCul −バインダー導電層で
ある。さらにはセルロースアセテートブチレートが高分
子バインダーとして使用されているCul ポリマー導電層
が直接コートされる。Cul は吸収されており、はっきり
したCul 層は残っていない。
【0018】1983年10月18日付けのレレンター
ル(Lelental) らの米国特許第4,410,614 号には、高分
子電気活性導電層から成る電気的に活性化し得る記録要
素が開示されている。高分子電気活性導電層から成る電
気的に活性化し得る記録要素が開示されている。高分子
電気活性導電層用に有用なコポリマーのリストには、ポ
リメタクリレート(6欄、32−36行)が含まれる。
電気的に活性化し得る記録要素の層中ビヒクル及び結合
試薬としては合成ポリマーが好適である。ポリ(ビニル
ピロリドン)、ポリスチレン及びポリ(ビニルアルコー
ル)などのポリマーの使用が11欄、14−58行に開
示されている。
【0019】1981年4月14日付けのバーワッサー
(Burwasser)の米国特許第4,262,053 号には、静電記録
用誘電フィルムのブロッキング試薬が開示されている。
誘電画像形成要素は、誘電フィルム、フィルム支持及び
導電層から成る。導電層は脂肪族エステルとビニルピリ
ジンの四元共重合体、メタクリル酸とポリアクリル酸と
の塩のポリマーで被覆されたポリエステルフィルム、な
どを含む、導電層はスチレン化アクリル樹脂を含む様々
な誘電性樹脂で被覆され得る。
【0020】コージ アベ(Koji Abe) 、ミキコ コイ
デ(Mikiko Koide) 及びアインシャム チュチダ(Eish
um Tcuchida)は、4−ビニルピリジン(塩基性ポリマ
ー)とポリメチルアクリル酸(酸性ポリマー)から相当
量のヨウ化塩構造(第III 図)と差がない高分子複合体
を製造した(Macromolecules10(6)、1259−6
4(1977))。
【0021】M.M.コーレマン(Coleman)及びD.
J.スクロバネック(Skrovanek)はポリ−2−ビニルピ
リジンがアモルファス中性ナイロンポリマー中で普通の
水素結合を阻止することを示した(第44回 ANTE
C会報、321−2(1986))。中性ポリマーは水
素結合部位としてアミド水素を提供する。
【0022】1976年1月3日付けのS.J.ショー
エンフェルド(Schoenfeld) の米国特許第3,295,967 号
には、高電気抵抗の非金属塩基、導電性を増加させるた
めの塩基上のコーティング、ゼラチン状の水和ケイ酸及
びハイドロスコピック水和無機塩から成るコーティン
グ、並びにコーティングで覆われている光導電性層を含
む電子写真記録部材が開示されている。
【0023】1984年8月7日付けのL.A.トイシ
ョー(Teuscher) の米国特許第4,464,450 号には、金属
導電性陽極の金属オキシド層で被覆されたシロキサンフ
ィルムの上にある電気的に作動する層を有し、シロキサ
ンはシリコン原子に結合した反応性OHとアンモニウム
基を有する静電像形成部材が開示されている。
【0024】1982年4月23日公開のタダジュ フ
クダ(Tadaju Fukuda)の英国特許出願GB 2 009 600に
は、支持層、マトリックスとしてシリコン原子から成る
アモルファス材料で構成される光導電層及び支持層と光
導電層の間のバリアー層から成り、バリアー層はマトリ
ックスとしてシリコン原子から成るアモルファス材料で
構成され、そして導電性を制御する不純物を含む第1の
サブ層及び第1の層を構成するアモルファス材料とは異
なる電気的に絶縁性の材料から成る第2のサブ層から成
る、光導電性部材が開示されている。
【0025】このように、導電性電荷注入表面、ブロッ
キング層及び少なくとも1層の光導電層を有する感光性
部材の特性は電子写真像形成部材として欠点がある。
【0026】
【発明の解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の欠点を解決する電子写真像形成部材を提供することに
ある。
【0027】本発明の他の目的は、寿命の長い電子写真
像形成部材を提供することにある。
【0028】本発明の他の目的は、ゼログラフィーに有
用な電圧で帯電する電子写真像形成部材を提供すること
にある。
【0029】本発明の他の目的は、より暗安定な電子写
真像形成部材を提供することにある。
【0030】本発明の他の目的は、多くの周囲相対湿度
下でサイクルの間低残留電圧で光放電される電子写真像
形成部材を提供することにある。
【0031】本発明の他の目的は、成型加工がより簡単
な電子写真像形成部材を提供することにある。
【0032】本発明の他の目的は、障害に抵抗するブロ
ッキング層を有し、又は後から設けられた層の成分で溶
解される電子写真像形成部材を提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】本発明のこれら及び他の
目的は、導電性表面を有する支持基体、ビニルヒドロキ
シエステルまたはビニルヒドロキシアミドポリマーを含
む電荷ブロッキング層及び少なくとも1層の光導電性層
を有し、該電荷ブロッキング層は1010Ω/□より大き
い表面抵抗を有する、電子写真像形成部材を提供するこ
とによって達成される。この像形成部材は電子写真像形
成プロセスで使用することができる。
【0034】導電性表面を有する支持基体はいかなる適
当な硬性又は可撓性の部材(例えばフレキシブルウェブ
またはシート)も含み得る。導電性表面を有する支持基
体層は不透明であるか実質的に透明であり、要求される
機械的特性を有する非常に多くの好適な材料を含み得
る。例えば、支持体層は、薄いフレキシブルな導電性層
を有するその下に設けられた絶縁性支持層、または光導
電層をサポートするのに十分な内部強度を有する導電性
層のみを有し得る。このように、導電層は完全な支持基
体層を有するか、または単に支持基体層の成分(例えば
下に設けられたフレキシブルな支持部材上の薄いフレキ
シブルなコーティング)として存在し得る。
【0035】導電層はいかなる適当な導電性の有機また
は無機材料を含んでよい。代表的な導電層は、例えば、
アルミニウム、チタン、ニッケル、クロム、黄銅、金、
ステンレス鋼、カーボンブラック、グラファイト、メタ
ロイド、クーポラスヨウ化物、インジウムスズオキシド
合金、ルイス酸ドープポリピロールなどを含む。導電層
は均一または不均一(例えばフィルム形成バインダー中
に分散された導電性粒子)でありうる。正孔注入材料
(例えば、カーボンブラック、ヨウ化銅、金及び他の貴
金属、プラチナ、ポリピロール、多環式芳香族導電性ポ
リマー(Polyaromatic Conducting Polymers) 、ポリチ
オフェン、アンチモンスズオキシド、インジウムスズオ
キシドなどの導電性金属オキシド)を導電層中に使用す
ることができ、適当なブロッキング層を含まない感光体
は、そのために電子写真像形成には不適当な感光体にな
るのだが、しばしば暗所で放電する。接地板は連続であ
りそして少なくとも単分子厚である。連続導電層は導電
層部材の所望の用途に応じて実質的には広い範囲の様々
な厚さで有り得る。従って、導電層は一般的な範囲の厚
さ、例えば材料により約50オングストロームから数cm
まで有り得る。例えば、カーボンブラックなどを含む接
地板は最小厚約0.5μmが好適である。高フレキシブル
光感光性像形成デバイスが望ましいとき、導電層の厚み
は約100オングストロームから2,000オングストロ
ームである。反復サイクル中の十分な感光体放電には接
地板は約108 より小さくより好ましくは106 Ω/□
より小さい抵抗率であるべきである。もし、下にフレキ
シブル支持層が設けられるならば、金属、プラチックな
どを含む慣用の材料が採用される。代表的なフレキシブ
ル支持層は導電性粒子を含有する(例えば、金属、カー
ボンブラックなど)この目的のために既知の様々な樹脂
(例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミ
ド、ポリウレタンなど)またはその混合物を含む絶縁性
または非導電性材料を含む。導電性表面を有する被覆ま
たは非被覆支持基体層は硬性または可撓性であり、例え
ばシート、円筒状、スクロール、エンドレスフレキシブ
ルベルトなど多くの異なる形状でありうる。導電性表面
を有するフレキシブル支持基体は商業的に入手可能な薄
いフレキシブル金属コーティングで被覆されたポリエチ
レンテレフタレートポリエステルのエンドレスフレキシ
ブルベルトを有することが好ましい。一般に、接地板用
に選択される材料は、後で設けられるブロッキング層へ
の使用が最終的に選択される溶媒に攻撃されるものは不
適当である。もし、ブロッキング層溶媒が接地板を攻撃
すると、接地板からブロッキング層に正孔注入成分を濾
過及び/または物理的に移動しうる。後のコーティング
の実施において、これらはブロッキング層中の既に移動
した正孔注入成分はさらに電荷発生層または電荷輸送層
に移動し、それによって暗放電及び低電荷受容が起こり
得る。電荷発生層または電荷輸送層への正孔注入はゼロ
グラフィーサイクルで累積するので、V0 もサイクルで
減少する(V0 サイクルダウン)。
【0036】電荷ブロッキング層は導電性表面と像形成
層の間に挿入される。像形成層は少なくとも1層の光導
電層から成る。このブロッキング層材料は正電荷を捕捉
する。本発明の電荷ブロッキング層は、ビニルヒドロキ
シエステルまたはビニルヒドロキシアミドポリマーを含
む均一、連続、密着ブロッキング層を有する。
【0037】本発明のブロッキング層はビニルヒドロキ
シエステルまたはビニルヒドロキシアミドポリマーは少
なくとも下記構造式を有するビニルヒドロキシエステル
またはビニルヒドロキシアミドモノマーを含有する重合
反応生成物であることが好ましい:
【0038】
【化3】
【0039】式中、Xは、
【0040】
【化4】
【0041】から成る群から選ばれ;Rは脂肪族基、芳
香族基、複素環式脂肪族基、複素環式芳香族基、縮合芳
香族環基及び炭素原子10個までの複素環式芳香族環基
から成る群から選ばれる二価の基であり;zは1〜10
個の水酸基の数であり;そしてR′、R″及びRはそ
れぞれ独立に、水素、脂肪族基、芳香族基、複素環式脂
肪族基、複素環式芳香族基、縮合芳香族環基及び炭素原
子10個までの複素環式芳香族環基から成る群から選ば
れる1価の基である。
【0042】代表的な二価のR脂肪族基は、メチレン、
エチリデン、プロピリデン、イソプロピリデン、ブチレ
ン、イソブチレン、デカメチレン、フェニレン、ビフェ
ニレン、ピペラジニレン、テトラヒドロフラニレン、ピ
ラニレン、ピペラジニレン、ピリジレン、ピピリジレ
ン、ピリダジニレン、ピリミジニレン、ナフチリデン、
ミノリニデン、シクロヘキシレン、シクロペンチレン、
シクロブチレン、シクロヘプチレンなどを含む。
【0043】代表的な一価のR′、R″及びR基は、
水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、デシル、フェニル、ビフェニル、ピペ
ラジニル、テトラヒドロフラニル、ピラニル、ピペラジ
ニル、ピリジル、ビピリジル、ピリダジニル、ナフチ
ル、キノリニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シ
クロブチル、シクロヘプチルなどを含む。
【0044】代表的な脂肪族基、芳香族基、複素環式脂
肪族基、複素環式芳香族基、縮合芳香族環及び炭素原子
10個までの複素環式芳香族環基は線状、単環及び多
環、縮合及び非縮合基(例えば、ナフタレン、チオフェ
ン、キノリン、ピリジン、フラン、ピロール、イソキノ
リン、ベンゼン、ピラジン、ピリミジン、ビピリジン、
ピリダジンなど)を含む。
【0045】上記の構造を有するビニルヒドロキシエス
テルまたはビニルヒドロキシアミドモノマーの重合反応
生成物は、ホモポリマーまたはコポリマーでありうる。
コポリマーは2以上の異なるモノポリマーまたはポリマ
ーブロックのコポリマーでありうる。
【0046】上記構造式を有するモノマーの好適な具体
例には以下の構造式を有するものが含まれる:
【0047】
【化5】
【0048】式中:Rは炭素原子1〜5個を含む低級脂
肪族基であり、RはCH3 または水素であり、そしてz
は1〜5である。
【0049】最適な結果は下記構造式のものを含む上記
構造式を有するモノマーで達成される:
【0050】
【化6】
【0051】式中: Rは炭素原子2〜3個を含む低級脂肪族基であり、 RはCH3 または水素であり、そして zは1または2である。
【0052】これらのモノマーを調製して電気的に悪影
響のある触媒及び/またはモノマー不含で高純度を有
し、非常に大きい平均分子量(21,000,000) の組成物を
製造することができる。更に、これらのポリマーは炭素
原子1〜4個を有する低級アルコール中に可溶性であ
り、アルコールコーティング溶媒で導電層を流し去るこ
となく、有機または無機(通常アルコール不溶性)導電
層の最上部上にこれらの材料のコーティングができる。
更に、これらのポリマーはアルコール溶解性であり、そ
して(トルエン、テトラヒドロフラン、及び塩化アルカ
ンなど)有機コーティング溶媒に最小の溶解性を有し、
次にブロッキング層をオーバーコートするのに使用され
る有機コーティング組成物はブロッキング層を腐食して
はならない。腐食がおこれば、薄くなったまたは浅くな
ったブロッキング層部分は高い暗減衰と低電荷受容の原
因となるであろう。
【0053】ビニルヒドロキシエステルまたはビニルヒ
ドロキシアミドポリマーはホモポリマー、コポリマー、
ターポリマーなどでありうる。好適なホモポリマーは以
下の式で表わされる:
【0054】
【化7】
【0055】式中:xは分子量約20,000と約2,000,000
の間の十分な繰り返し単位を表わし、Xは以下の基によ
って表わされる基から成る群から選ばれ:
【0056】
【化8】
【0057】Rは脂肪族基、芳香族基、複素環式脂肪族
基、複素環式芳香族基、縮合芳香族環基及び炭素原子1
0個までの複素環式芳香族環基から成る群から選ばれ、
zは1〜10の水酸基の数であり;そしてR′、R″及
びRはそれぞれ独立に、水素、脂肪族基、芳香族基、
複素環式脂肪族基、複素環式芳香族基、縮合芳香族環基
及び炭素原子10個までの複素環式芳香族環基から成る
群から選ばれる。
【0058】代表的なビニルヒドロキシエステルポリマ
ー及びビニルヒドロキシアミドポリマーは、ポリ(4−
ヒドロキシブチル)メタクリレート、ポリ(4−ヒドロ
キシブチル)アクリレート、ポリ(3−ヒドロキシプロ
ピル)メタクリレート、ポリ(3−ヒドロキシプロピ
ル)アクリレート、ポリ(2,3−ジヒドロキシプロピ
ル)メタクリレート、ポリ(2,3−ジヒドロキシプロ
ピル)アクリレート、ポリ(2,3,4−トリヒドロキ
シブチル)メタクリレート、ポリ(2,3,4−トリヒ
ドロキシブチル)アクリレート、ポリ(N−2,3−ジ
ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド、ポリ(N−
2,3−ジヒドロキシプロピル)アクリルアミド、ポリ
(N−ヒドロキシメチル)メタクリルアミド、ポリ(N
−ヒドロキシメチル)アクリルアミド、ポリ(N−2−
ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、ポリ(N−2−
ヒドロキシエチル)アクリルアミド、ポリ(4−ヒドロ
キシフェニル)メタクリレート、ポリ(4−ヒドロキシ
フェニル)アクリレート、ポリ(3−ヒドロキシフェニ
ル)メタクリレート、ポリ(3−ヒドロキシフェニル)
アクリレート、ポリ(N−3または4−ヒドロキシフェ
ニル)メタクリルアミド、ポリ(N−3または4−ヒド
ロキシフェニル)アクリルアミド、ポリ〔4−(2−ヒ
ドロキシピリジル)〕メタクリレート、ポリ〔4−(2
−ヒドロキシピリジル)〕アクリレート、ポリ〔4−
(3−ヒドロキシピペリジニル)〕メタクリレート、ポ
リ〔4−(3−ヒドロキシピペリジニル)〕アクリレー
ト、ポリ〔N−4−(2−ヒドロキシピリジル)〕メタ
クリルアミド、ポリ〔N−4−(2−ヒドロキシピリジ
ル)〕アクリルアミド、ポリ〔N−4−(3−ヒドロキ
シピペリジニル)〕メタクリルアミド、ポリ〔N−4−
(3−ヒドロキシピペリジニル)〕アクリルアミド、ポ
リ〔1−(5−ヒドロキシナフチル)〕メタクリレー
ト、ポリ〔1−(5−ヒドロキシナフチル)〕アクリレ
ート、ポリ〔N−1−(5−ヒドロキシエチルナフチ
ル)〕メタクリルアミド、ポリ〔N−1−(5−ヒドロ
キシエチルナフチル)〕アクリルアミド、ポリ〔1−
(4−ヒドロキシシクロヘキシル)〕メタクリレート、
ポリ〔1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)〕アクリ
レート、ポリ〔N−1−(3−ヒドロキシシクロヘキシ
ル)〕メタクリルアミド、ポリ〔N−1−(3−ヒドロ
キシシクロヘキシル)〕アクリルアミドなどを含む。
【0059】ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト)〔P(HEMA)〕及びポリ(2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート)〔P(HEA)〕は特に後で採用され
る有機コーティング用溶媒に不溶である。P(HEM
A)及びP(HEA)は、予め決められた時間(一晩)
室温でテトラヒドロフラン中で攪拌すると、該溶媒に幾
分溶解性を示す。感光体製造は通常採用されるようなコ
ーティングプロセスにおけるように、溶媒蒸発が早くお
こると、その場合はブロッキング層ポリマーのテトラヒ
ドロフラン溶解性は問題にはなりそうもない。更にこれ
らのポリマー、特にP(HEMA)、は約1重量%の水
を引きつけ、低RHにおいてさえ、緻密な水素結合網に
沢山の水を捕捉し続ける。捕捉された水はブロッキング
層を経て導電層への光放電電荷の輸送を助け、電子捕捉
とVR サイクルアップを阻止するのを助ける。ヒドロキ
シエステルまたはヒドロキシアミドブロッキング層ポリ
マーの分子量が大きい程、分子間H−結合密度、水の捕
捉及びこれらのポリマーの溶媒バリアー特性(ブロッキ
ング層の溶媒による洗い出しを防止する)が大きい。
【0060】各ポリマー繰り返し単位中の水酸基と、エ
ステル基またはアミド基の存在は、OH−OH H−結
合及び(エステルまたはアミドの)カルボニル−OH−
結合の形成によって分子間H−結合を最大限にするばか
りでなく、多分配座的に好ましくない鎖状故に分子間H
−結合が平均以下のブロッキング層部分内に全体のH−
結合密度を維持するために分子内(5,6及び7員環)
H−結合を許容する。このように水と分子内H−結合
は、電子移動を助け光放電(低VR )を完成する高H−
結合密度を維持しうる。これらの特性は感光体の電気性
能を強化するのに寄与する。
【0061】ビニルヒドロキシエステルまたはビニルヒ
ドロキシアミドポリマーは、架橋および未架橋でありう
る。架橋される場合、架橋は約135℃より低い温度
(基体はポリエチレンテレフタレートである)で水酸基
と反応し得る適当な2官能価(または高多官能価)化合
物(通常小分子)によって影響を受け、これらの化合物
が水酸基によりヒドロキシエステルまたはヒドロキシア
ミドポリマーを架橋するために採用される。もし、基体
が反応温度で柔かくならないならば、もっと高い温度が
使われるだろう。代表的な多官能価化合物は、ジイソシ
アネート(トルエンジイソシアネート、メチレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネートなど)、ブロックしたジイソシア
ネート、XAMA−2などの多官能価アジリジンなど、
及び多官能価エポキシド(1,3−ブタジエンジエポキ
シド)、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテ
ル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペ
ンチルグリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノー
ルAジグリシジルエーテル、1,4−ジビニルベンゼン
ジエポキシド、2官能価アルデヒドなどを含む。2官能
価アルデヒドは以下のような構造を有する:
【0062】
【化9】
【0063】式中、R″″は2価の炭化水素または複素
芳香族単位または共有結合である。代表的なR″″基
は、メチレン、エチレン、プロピレン、フェニレン、ビ
フェニレン、ピリジレンなどを含む。代表的な2官能価
アルデヒドは、例えば、グルタルアルデヒド、グリオキ
サール、2,6−ピリジンジカルボキシアルデヒド、テ
レフタアルデヒドなどを含む。
【0064】2個の水酸基(各鎖から1個)の2官能価
アルデヒドの両端との化学反応から生じる初反応生成物
は下記のように例示される:
【0065】
【化10】
【0066】下記に示すように2本の鎖の間にヘミアセ
タール結合を形成する:
【0067】
【化11】
【0068】ヘミアセタール結合中の2個のOH基はポ
リマー繰り返し単位中(またはそのまま残って、すでに
架橋している)のさらに2個のOH基と結合し、下記に
示すように脱水してアセタール架橋する:
【0069】
【化12】
【0070】ジアルデヒド架橋ヒドロキシエステルポリ
マーブロッキング層中のヘミアセタールとアセタール架
橋の相対的度合は未知である。ブロッキング層の乾燥
(溶媒の除去)中のオーブン温度(最高温度約135℃
まで)が高いほどまたはその温度が高温で維持される時
間が長いほど(実際の最高限度は約1時間まで)、アセ
タール架橋がヘミ−アセタール架橋と他のポリマー繰り
返し単位からより多く形成され、架橋密度がより高くな
る。1官能価アルデヒド(アセタール架橋のみを通し
て)も、ヒドロキシエステルとヒドロキシアミドポリマ
ーを架橋するのに使用し得るが、他のすべての因子が等
しくても2官能価アルデヒドに比し1官能価アルデヒド
は1モル当たり少ない架橋しかされないので架橋効率は
2官能価アルデヒドより劣る。アセタール架橋が形成さ
れるたびに、ヒドロキシエステルまたはヒドロキシアミ
ドポリマー中の2個の水酸基が消費される。このよう
に、高架橋密度は次々にH−結合密度とブロッキング層
の電子輸送力を非常に減少するたくさんの水酸基を消費
し、以上のように少量の1官能価アルデヒド(アセター
ル架橋のみ)は許容し得るが、あまり多いとVR サイク
ル−アップ(電子捕捉)を導く。ヘミアセタールによる
架橋は、水酸基の数を変化させず従って好ましい。しか
し、水酸基を介してのヒドロキシエステル及びヒドロキ
シアミドポリマーの架橋に他の適当な方法も使用でき
る。一般的には、触媒が多官能価化合物とともに使用さ
れる場合は、触媒を洗い流し、最終的なブロッキング層
の触媒が残らないように注意が払われる。触媒の残留は
電気特性に悪影響があるからである。同様にブロッキン
グ層の最終的に所望される電気特性に悪影響がある永久
的な非揮発性残留物は避けるべきである。これはまた望
ましくない残留物をブロッキング層から排除するか、ブ
ロッキング層内で電子捕獲として機能し得ることを確実
にする。
【0071】満足のいく結果は、平均分子量少なくとも
10,000を有し、工程に必要な粘度によって上限が限定さ
れるビニルヒドロキシエステルまたはビニルヒドロキシ
アミドポリマーによって達成される。好適な平均分子量
は約20,000と約2,000,000 の間である。最適なブロッキ
ング層性能は、平均分子量が約100,000 と2,000,000 の
間で得られる。Tg またはガラス転移温度が本発明の正
孔ブロッキング層の能力に対して効果的に機能するとい
う影響は知られていない。
【0072】最適な結果は、ビニルヒドロキシエステル
ポリマー、以下の式で表されるポリ(2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート)〔P(HEMA)〕で達成され
る。
【0073】
【化13】
【0074】式中、xは分子量約20,000と約2,000,000
の間の十分な繰り返し単位を表わす。
【0075】他の好適なビニルヒドロキシエステルポリ
マーは、以下の式で表されるポリ(2−ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート)〔P(HPMA)〕である:
【0076】
【化14】
【0077】式中、xは分子量約20,000と約2,000,000
の間の十分な繰り返し単位を表わす。
【0078】更に他の好適なビニルヒドロキシエステル
ポリマーは、以下の式で表されるポリ(2−ヒドロキシ
エチルアクリレート)〔P(HEA)〕である:
【0079】
【化15】
【0080】式中、xは分子量約20,000と約2,000,000
の間の十分な繰り返し単位を表わす。
【0081】更に他の好適なビニルヒドロキシエステル
ポリマーは、以下の式で表されるポリ(2−ヒドロキシ
プロピルアクリレート)〔P(HPA)〕である:
【0082】
【化16】
【0083】式中、xは分子量約20,000と約2,000,000
の間の十分な繰り返し単位を表わす。
【0084】本発明の化合物は1以上の共重合性ビニル
または他の適当なモノマーと上記化合物のフィルム形成
コポリマーも含む。代表的な共重合性ビニルモノマー
は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチルビ
ニルエーテル、並びに他のアルキル及びアリールビニル
エーテル、スチレン及び置換スチレン、エチレン、プロ
ピレン、イソブチレン、ビニルアセテート、N,N−ジ
メチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、2,
3,及び4−ビニルピリジン、様々なメタクリレート及
びアクリレートエステル及びビニルクロリドなどを含
む。ビニルモノマーではないが、ビニルのような重合を
するある種のモノマーも、ヒドロキシエステルまたはヒ
ドロキシアミドビニルモノマーと共重合する。これら
は、例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、
他の共役ジエンモノマーなどを含む。一般的には、満足
できる結果はコポリマー中の少なくとも約25モル%ビ
ニルヒドロキシエステルまたはビニルヒドロキシアミド
繰り返し単位で達成される。代表的な特別なコポリマー
の例は2−ヒドロキシエチルメタクリレート及びアクリ
ロニトリルから誘導されるコポリマー;2−ヒドロキシ
エチルメタクリレートとN−ビニルピロリドン、2−ヒ
ドロキシプロピルメタクリレートとN−ビニルピロリド
ン、2−ヒドロキシエチルメタクリレートと2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレートなどを含む。
【0085】本発明のポリマーは他の適合したポリマー
とブレンドすることもできる。適合したポリマーは本発
明のビニルヒドロキシエステルまたはビニルヒドロキシ
アミドポリマーと混和しうる。代表的な混和性ポリマー
は、ポリエチルオキサゾリン(ダウケミカル社から入手
可能)及び水酸基と十分な強さ(水素結合によって相分
離を阻止し得る)のH−結合複合体を形成し得る他の十
分な塩基性有機ポリマーを含む。これらの塩基性有機ポ
リマーは、ポリ(エチレン及びプロピレン)イミン及び
ポリ(ビニルピリジン)ではない他の有機窒素含有塩基
性ポリマーを含むと信じられる。ポリエチルオキサゾリ
ンは以下の構造式で表される:
【0086】
【化17】
【0087】式中、xは300から20,000までの数であ
る。一般的には、満足できる結果はビニルヒドロキシエ
ステルポリマーの繰り返し単位を含まないポリマーとの
ブレンド中のビニルヒドロキシエステルまたはビニルヒ
ドロキシアミドポリマー少なくとも約25重量%で達成
される。好適なブレンド濃度は、ブレンド中の他のポリ
マーがビニルヒドロキシエステルポリマーの繰り返し単
位を含まない場合、ビニルヒドロキシエステルまたはビ
ニルヒドロキシアミドポリマー少なくとも約75重量%
である。最適な結果は、ビニルヒドロキシエステルまた
はビニルヒドロキシアミドポリマー100重量%で達成
される。ブレンドされるビニルヒドロキシエステルまた
はビニルヒドロキシアミドポリマーの最少量はいかなる
他の繰り返し単位が使用されるかによってある程度範囲
である。
【0088】本発明のビニルヒドロキシエステルまたは
ビニルヒドロキシアミドポリマー及びコポリマーは一般
的に互いに混和性である。さらに、ビニルヒドロキシエ
ステルまたはビニルヒドロキシアミドコポリマーはヒド
ロキシエステルまたはヒドロキシアミド繰り返し単位を
少なくとも50モル%含み、さらにこのコポリマーは第
1のコポリマー中ヒドロキシエステルまたはヒドロキシ
アミド50モル%を含む他のビニルコポリマーとあるい
は、第2のコポリマーが第1のコポリマーの非水酸基繰
り返し単位の少なくとも50モル%を含むならば、混和
性である。ある場合には、第2のコポリマー中共通の繰
り返し単位が33モル%より小さくても、混和性が達成
される。混和性は、1種の溶媒中2種のコポリマーの共
通溶液からの2種のコポリマーキャストの等量のヘイズ
ィーコーティング(hazy coating) (乾燥後)として定
義される。これらは全てランダム(ブロックではない)
コポリマーである。2種のポリマー中のビニルヒドロキ
シエステル(またはアミド)の繰り返し単位含有量(重
量%として表現される)(普通のビニルヒドロキシエス
テル(またはアミド)は各ポリマー中繰り返し単位が少
なくとも33モル%有する)は、約0.10と9.99重量
%の間が好ましい。
【0089】接地板用に選択される特別な組成物はブロ
ッキング層の厚さに影響を与える。一般的には、非金属
または被酸化性の電荷注入接地板材料は、より厚いブロ
ッキング層を必要とする。例えば、ブロッキング層が覆
われていないヨウ化銅を含む電荷注入接地板を用いる感
光体は、約3V/μm帯電するだけである。本発明の十
分な厚さのブロッキング層をヨウ化銅を含む接地板上に
設けると、感光体は少なくとも約20V/μmのレベル
で帯電する。少なくとも約30V/μmのレベルの帯電
は、少なくとも約40V/μmのレベルで達成される最
適結果とともに好ましい。約20V/μmより低いレベ
ルでは、コントラスト電位が減少し、薄い像は2成分乾
式ゼオグラフィー現像剤では現像できない。
【0090】ブロッキング層混合物は支持基体の導電性
表面に適用される。本発明のブロッキング層混合物は適
当な慣用方法で適用される。代表的な適用法は、吹き付
け塗り、浸漬被覆、ロールコーティング、線巻ロッドコ
ーティング、などを含む。コーティング組成物は通常溶
媒を用いて適用される。代表的な溶媒には、メタノー
ル、1−メトキシ−2−ヒドロキシプロパン、第3ブチ
ルアルコール、水及びこれらの溶媒と他のアルコール溶
媒及びテトラヒドロフランなどとの混合物を含む。溶媒
の選択はその上にバリアー層が設けられる導電層の性質
とブロッキング層を構成するポリマーの特性による。適
当な溶媒は、一般に、各ポリマーの当分野で既知の特性
に基づいて選択される。溶媒混合物も必要であれば使用
しうる。溶媒の割合は用いられるコーティング技術(例
えば、浸漬被覆、吹き付け塗り、巻線ロッドコーティン
グ、ロールコーティング、など)により様々であるの
で、コーティング混合物の粘度及び揮発性は用いられる
コーティング技術により調整される。一般的には溶媒の
量の範囲はコーティング組成物の総重量に基づき、約9
9.8重量%から約90重量%の間である。特定の溶媒と
ポリマーの代表的な組み合わせは、例えば、ポリ(2−
ヒドロキシエチルメタクリレート)及び1−メトキシ−
2−ヒドロキシプロパン〔ダウアノール(Dowanol)P
M、ダウケミカル社から入手可能)または第3ブチルア
ルコールを含む。ジメチルアミノエタノールなどの塩基
性アルコール及び2,2,2−トリフルオロエタノール
などの酸性アルコールも室温でポリ(2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート)を相当溶解するが、中性の溶媒は
通常、感光体の電気的性能に影響を与える接地板または
他の層との干渉を避けるために好ましい。高沸点両極性
非プロトン性溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルア
セタミド及びN−メチルピロリドン(それぞれのDM
F,DMAC及びNMP)もポリ(2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート)を良く溶解するが、これらの溶媒が
高沸点であるためにコーティングからの総溶媒除去が難
しくあまり好適ではない。このように高分子量ビニルヒ
ドロキシエステル及びビニルヒドロキシアミドポリマー
のコーティングに適当な溶媒の数は限られている。通常
の溶媒(トルエン及びテトラヒドロフラン)を使用して
溶液から形成される発生層及びメチレンクロリドなどの
通常の溶媒を使用する輸送層など後で設置されるデバイ
ス層は、ブロッキング層からブロッキング層の上に形成
された層へこれらのヒドロキシエステルまたはヒドロキ
シアミドビニルポリマーの混和性を多くの溶媒が誘発し
ないので、通常の有機溶媒への高分子量ビニルヒドロキ
シエステルまたはビニルヒドロキシアミドポリマーの制
限された溶解性は、好適である。
【0091】本発明のヒドロキシエステル及びヒドロキ
シアミドビニルポリマー及びコポリマーは、水素結合に
よりH2O 保持を助成する水酸基を含む化学構造を持つ。
水酸基の存在と少量の水の組み合わせが、負に帯電した
感光体の帯電と光放電の間、効果的に正孔ブロッキング
層が機能できるように助けると信じられている。さら
に、水酸基の存在はブロッキング層に電荷発生層(トル
エン及びテトラヒドロフランなどの典型的な有機溶媒を
使って設けられる)及び電荷輸送層〔塩素化アルカン溶
媒(例えば、メチレンクロリド、1,2−ジクロロエタ
ン及び1,1,2−トリクロロエタン)等の典型的な有
機溶媒を使って設けられる〕などのブロッキング層の最
上部に設けられたコーティング組成物に対する不溶性も
付与する。ブロッキング層ポリマーが、次に設けられる
コーティング層に使用される有機溶媒に溶解性であれ
ば、有機溶媒がブロッキング層材料を電荷発生層及び/
または電荷輸送層に洗い出し、厚さの均一性及びそれら
の結着性は悪影響を受けるだろう。より薄いブロッキン
グ層またはブロッキング層材料が欠落している領域は、
非常に乏しいかまたは無視し得る程のデバイス電荷受容
及び高暗電荷減衰率をもたらす。米国特許第4,410,614
号に開示されている有機(水酸基不含)ポリマーは上記
の有機溶媒に溶解し過ぎ、従って、上記の有機溶媒が後
で設けられる層に使用される場合にはブロッキング層と
して適当ではない。このように、例えば、非常に限られ
た数の有機溶媒(アルコール、グリコールエーテル及び
両極性非プロトン性溶媒など)が本発明の高分子ブロッ
キング層材料に使用され得る。
【0092】内部粘度(inherent viscosity) 、極限粘
度数、または換算粘度(reduced viscosity)などの希釈
溶液粘度測定法によって示されるように、より大きい分
子量のポリマー(他のことは全て等しい)は低分子量の
ポリマーより非常にゆっくり増えるので、本発明のビニ
ルヒドロキシエステルまたはビニルヒドロキシアミドポ
リマーの分子量は、ブロッキング層応用において重要で
あると考えられる。ブロッキング層応用により大きい分
子量のポリマーを使用することは、ヒドロキシポリマー
に水のような小さい分子を封入するのにもよい。このよ
うに、ヒドロキシポリマーの長い鎖は小さい水分子をよ
く包囲し、ポリマーが非常に高分子量である場合ポリマ
ー鎖当たりのH−結合部位を提供することによってこれ
らの水分子への水結合を増やすことができる。高分子量
ポリマー鎖はより大きな空間を占めたり、取り囲んだり
するので、低分子量ポリマー鎖よりも多くの数の接触部
位で(スパゲッティのように)からまりあうこともでき
る。本発明のビニルヒドロキシエステルまたはビニルヒ
ドロキシアミドの接触部位は同一のポリマー鎖内でまた
は隣接の鎖との他のビニルヒドロキシエステル(または
アミド)部位での水素結合部位を意味する。従って、長
い(または高分子量)ポリマー鎖は、水のように小さな
H−結合分子を封入するために、密集しそしてしっかり
したH−結合ネットワークを作る隣接の鎖ともっと接触
したりからまりあったりする。従って、低相対湿度(R
H)条件でさえも、高分子量ヒドロキシポリマーブロッ
キング層からほとんど水が移動することはなく、低RH
においてさえ効果的に機能する。このように、本発明の
高分子ブロッキング層を含むデバイスは低RHでVR
イクル−アップにおいて最少の増加だけを示す。さら
に、高分子量ポリマーが使用されれば、ブロッキング層
の表面との溶媒接触は、電荷発生層及び/または電荷輸
送層を成型型加工する時、ブロッキング層の最上部の物
理的破壊原因とはあまりならない。これは更に正孔ブロ
ッキング層の厚さの均一性及び有効な機能性を保持す
る。サイエンティフィック ポリマー プロダクツから
入手可能なポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト)は、希釈溶液測定法により分子量約1.0から1.4×
106 である(ここで、換算粘度は1.8から2.0g/dl
である。米国特許第4,410,614 号に引用されているポリ
マーのもっと低い粘度、とこのような分子量、と比較す
ると、本発明の高分子量ポリ(2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート)ブロッキング層は、米国特許第4,410,61
4 号に開示されている有機ポリメタクリレートより(低
膨潤率)固有のブロッキング層長所を持つと信じられ
る。
【0093】ブロッキング層コーティングをした後、施
されたコーティングは加熱され、溶媒を追い出し、固体
の連続フィルムを形成する。一般に、約110℃と約1
35℃の間の乾燥温度が残留溶媒を最少にし、2軸延伸
ポリエチレンテレフタレートなどの有機フィルム基体の
ひずみを最少にするのに好ましい。選ばれる温度は、使
用される特別な導電層にある程度依存し、そして基体の
温度感受性により制限される。乾燥温度は、オーブン、
強制空気オーブン、輻射加熱ランプなどの適当な方法で
維持される。乾燥時間は使用される温度による。従っ
て、高い温度が採用されれば短い時間で足りる。一般に
乾燥時間が増加すると除去される溶媒量が多くなる。十
分な乾燥がされたかどうかは、クロマトグラフィーまた
は重量分析によって判断される。典型的な処理は、1/
2ミル バードコーティングバーでコーティングし、1
30℃で約10から30分施されるコーティングを乾燥
することを含む。一般に、満足な結果は、導電層上の厚
さ約0.05μmから約8μmを有する乾燥ブロッキング
層コーティングで達成される。層の厚さが約8μmを超
えると、電子写真像形成部材は、サイクルの間の消去の
後で貧弱な放電特性と残留電圧蓄積(built-up) を示
す。約0.2μmより薄い厚さは一般にピンホールとブロ
ッキング層の異なる部位での厚さの不均一性のために高
暗減衰及び低電荷受容をもたらす。厚さの範囲は、約0.
3μmと約1.5μmの間が好ましく、導電性表面上約0.
8μmと約1μmの間で最適なブロッキング効果が得ら
れる。本発明の乾燥ブロッキング層の表面抵抗率は室温
(25℃)及び40%相対湿度条件下1気圧で測定する
と約1010Ω/□より大きい。この最少電気抵抗率はブ
ロッキング層が導電性になりすぎるのを阻止する。
【0094】本発明のブロッキング層材料のいくつかは
接着層としても機能する層を形成することができる。し
かし、所望により任意に薄い接着層を比較的厚いブロッ
キング層と電荷発生層の間に用いることもできる。適当
な接着層材料をブロッキング層に適用できる。代表的な
材料には、ポリエステル(例えば、49000、E.
I.デュポン ネモアー社から入手可能並びにPE10
0及びPE200,グッドイヤー タイヤ & ラバー
から入手可能)、ポリビニルブチラール、ポリビニルホ
ルマール、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、ポリウ
レタン、ポリビニルアセテート、ポリビニルクロリド、
ポリイミド、ポリカーボネート、それらのコポリマー、
それらのブレンドなどを含む。一般には満足な結果は約
0.005μmと約0.2μmの間の厚さの接着層で達成さ
れる。好適な厚さは約0.02μmから約0.15μmまで
ある。最適な結果は、ポリビニルピリジンなどの材料の
厚さ約0.03μm(300オングストローム)と約0.1
2μmで達成される。接着層の厚さが0.2μmを超える
と、残留電圧は過剰にサイクル−アップ始める。接着層
はポリビニルカルバゾールなどの、ビニルヒドロキシエ
ステルまたはビニルヒドロキシアミドブロッキング層ポ
リマーに接着しにくい材料を含む電荷発生層への接着を
強化するのに特に有用である。代表的な接着層材料は、
ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリ(2−ビニルピリジ
ン)などのビニルヒドロキシエステルまたはビニルヒド
ロキシアミドポリマーと強い水素結合を生じるものであ
る。ポリ(4−ビニルピリジン)を含む接着層は、接着
層を溶媒バリアー層としても機能させる溶解特性を有す
る特異な接着組成物であると信じられているビニルヒド
ロキシエステルまたはビニルヒドロキシアミドブロッキ
ング層ポリマーと、水素結合高分子複合体を形成する。
【0095】米国特許第4,082,551 号では、本発明の1
具体例で実施されているように酸性ポリマーと塩基性ポ
リマーが中性ポリマーと塩基性ポリマーの代わりに基体
上に連続的に被覆されている。これは高分子塩複合体が
米国特許第4,082,551 号のデバイスで形成されているこ
とを意味するが、本発明の1具体例では水素結合高分子
複合体が形成されている。高分子塩複合体は水素結合高
分子複合体とは異なる組成物である。さらに詳しくは米
国特許第4,082,551 号では、酸性高分子材料(例えばポ
リアクリル酸またはメタクリル酸コポリマーの0.4μm
層)を含む低層(導電層に隣接)及び塩基性高分子材料
〔例えばポリ(2−ビニルピリジン)−ポリメチルメタ
クリレート コポリマーの0.2μmの層〕を含む上層
(感光体層に隣接)から成る多層中間層組成物が開示さ
れている。この多層中間層組成物の高分子界面では、酸
−塩基反応生成物域言い換えれば塩中間層ができる。こ
の複合体多層中間層組成物の全体の厚さは0.2μmと1.
0μmの間であることができ、その機能は導電層と感光
体層の間に良好な接着性を供給し、導電層から感光体層
への正電荷輸送注入(正孔注入)をブロックする電気的
バリアーとして挙動する。しかし、本発明の複合ブロッ
キング/接着層組成物と米国特許第4,082,551 号に開示
されているものとの間の大きな違いは、本発明の具体例
ではより厚い(例えば0.2μmから1.5μm)中性のビ
ニルヒドロキシエステルまたはビニルヒドロキシアミド
ポリマー正孔ブロッキング成分の最上部に非常に薄い
〔例えば0.06μm)塩基性ポリ(4−ビニルピリジ
ン)接着強化成分を用いる。ポリ(4−ビニルピリジ
ン)成分の存在は高帯電レベル(導電層から感光体層へ
の正孔注入を阻止するのと同じである)を得るのに必要
なのではないが、ビニルヒドロキシエステルまたはビニ
ルヒドロキシアミドポリマー正孔ブロッキング成分の最
上部の水素結合高分子複合体として必要である。ポリ
(4−ビニルピリジン)−ビニルヒドロキシエステルま
たはビニルヒドロキシアミドポリマー界面も感光体層の
下の界面材料の機能を果す。ビニルヒドロキシエステル
またはビニルヒドロキシアミド正孔ブロッキング成分ポ
リマーのみでもこれらの機能を果すが、ポリ(4−ビニ
ルピリジン)は発生層への接着を強化する。ポリ(4−
ビニルピリジン)−ビニルヒドロキシエステルまたはビ
ニルヒドロキシアミドポリマー接着界面も、上部の層を
被覆するのに使用される溶媒に対する溶媒バリアー層と
して機能し、そして光放電電子が光発生層からポリ(4
−ビニルピリジン)−ビニルヒドロキシエステルまたは
ビニルヒドロキシアミドポリマー界面に到達したとき容
易に光放電電子を輸送し受容する。ポリ(4−ビニルピ
リジン)層の計画厚は、ガラス板上に既知コーティング
溶液濃度の乾燥コントロールコーティングに基づくが、
実際の厚さはポリ(4−ビニルピリジン)の下のビニル
ヒドロキシエステルまたはビニルヒドロキシアミドポリ
マー層への浸透の深さによる。代表的な例では、ドロー
バー被覆(0.5ミルバーギャップ)されるポリ(4−ビ
ニルピリジン)接着層成分は、イソブタノール17.89
g及びイソプロパノール1.99g中ポリ(4−ビニルピ
リジン)(レイレン4200、レイリー ター アンド
ケミカル社から入手可能)0.12gの0.6重量%溶液
からなる。ドローバーコーティング工程は、予め乾燥し
たビニルヒドロキシエステルまたはビニルヒドロキシア
ミドポリマーブロッキング層に施行し、そして得られた
ポリ(4−ビニルピリジン)層は周囲条件下で1時間、
次に空気対流炉内で100℃で1時間乾燥する。ポリ
(4−ビニルピリジン)ポリマーのビニルヒドロキシエ
ステルまたはビニルヒドロキシアミドポリマー層への浸
透の深さはもっぱらビニルヒドロキシエステルまたはビ
ニルヒドロキシアミドポリマーのポリ(4−ビニルピリ
ジン)を塗布するのに使用した溶媒(例えば、イソブタ
ノール−イソプロパノール混合物)への溶解性による。
上記の溶媒混合物に非常に良く溶解するポリ(2−ヒド
ロキシプロピルメタクリレート)などのビニルヒドロキ
シエステルまたはビニルヒドロキシアミドポリマーは、
ポリ(4−ビニルピリジン)をアルコール性溶媒にほと
んど溶解性のないポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート)に深くまで浸透させ膨潤すると考えられる。そ
の結果として、異なる厚さのポリ(4−ビニルピリジ
ン)−ビニルヒドロキシエステルまたはビニルヒドロキ
シアミドポリマー界面が形成される。ポリ(4−ビニル
ピリジン)−ビニルヒドロキシエステルまたはビニルヒ
ドロキシアミドポリマー界面層内でのポリ(4−ビニル
ピリジン)を徐々に分散させ、中間層の界面最上部付近
でポリ(4−ビニルピリジン)鎖の高濃度を生じさせそ
して純粋なビニルヒドロキシエステルまたはビニルヒド
ロキシアミドポリマーがある中間層の底部ではポリ(4
−ビニルピリジン)鎖の低濃度を生じさせると考えられ
る。ポリ(4−ビニルピリジン)コーティングから溶媒
を蒸発後、ポリ(4−ビニルピリジン)と混合した隣接
のビニルヒドロキシエステルまたはビニルヒドロキシア
ミドポリマーの間に水素結合が中間層成分にポリ(4−
ビニルピリジン)鎖をアンカーにして生じる。ポリ(4
−ビニルピリジン)があまりに厚くコーティングされる
と、ポリ(4−ビニルピリジン)が後のコーティング工
程の間に発生層内に移動し、VR サイクル−アップを引
き起こす。このようにあまり厚いポリ(4−ビニルピリ
ジン)のコーティングは、過剰のポリ(4−ビニルピリ
ジン)鎖が水素結合アンカーが生じるビニルヒドロキシ
エステルまたはビニルヒドロキシアミドポリマー鎖に隣
接したり、隣接しなかったりという結果になる。これら
のアンカーにならないポリ(4−ビニルピリジン)鎖は
上記の後から形成される層のコーティングに使用される
溶媒に溶解する場合は上部に移動しうる。ポリ(4−ビ
ニルピリジン)がビニルヒドロキシエステルまたはビニ
ルヒドロキシアミドポリマーに水素結合すると、不溶解
性溶媒バリアー層を構成する。このように、最適なコー
ティング濃度0.6重量%は、上記のように、外挿ポリ
(4−ビニルピリジン)コーティング0.06μm厚〔ポ
リ(4−ビニルピリジン)−ビニルヒドロキシエステル
またはビニルヒドロキシアミドポリマー界面の厚さでは
ない〕を提供し、これは完璧な水素結合ポリ(4−ビニ
ルピリジン)と優れた接着性溶媒バリアー界面層をもた
らす。電荷発生層及び電荷輸送層からなるデバイスにお
いてこのようなポリ(4−ビニルピリジン)最適濃度の
ポリ(4−ビニルピリジン)−ビニルヒドロキシエステ
ルまたはポリ(4−ビニルピリジン)−ビニルヒドロキ
シアミドポリマー界面層は電荷消去サイクルでほとんど
あるいは全くVR の増加を示さない。
【0096】米国特許第4,082,551 号では、第8欄、3
2−53行に記載されている酸−塩基反応生成物形成工
程は、酸性及び塩基性ポリマーの等重量をとり、それら
をそれぞれメタノールに溶解し、得られた2種の溶液を
混合し、不溶性の反応生成物を形成することを含む。不
溶性の反応生成物は多層中間層成分内に存在する酸性ポ
リマー層と塩基性ポリマー層の界面に形成される酸−塩
基生成物域を示していると述べられている。さらに、第
7欄32−43行では、特許は、「本発明で重要なこと
は酸性ポリマー層が十分に酸性であるポリマーから成
り、塩基性ポリマー層が十分に塩基性であるポリマーか
ら成り、これらの2層の間での酸−塩基反応生成物がそ
れらの界面で形成されることである」と述べている。
【0097】上記の不溶性反応生成物形成試験を、同じ
メタノール中ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト)(ポリサイエンスから入手可能)とポリ(4−ビニ
ルピリジン)(レイレン4200、レイリー ター ア
ンド ケミカル社から入手可能)を用いて繰り返した。
しかし、試験は、本発明の製造物では上記の米国特許第
4,082,551 号に記載されているような酸−塩基反応生成
物ではなく、中性の水素供与体ポリマー、ポリ(2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート)と塩基性窒素含有ポリ
マー、ポリ(4−ビニルピリジン)水素結合高分子複合
体、即ち、水酸基水素だけが部分的にプロトンとしてピ
リジン窒素に移動し、水素結合高分子複合体を形成する
ことを示した。このように、本発明の製造物は上記の米
国特許第4,082,551 号に記載されているような酸−塩基
反応生成物は不含である。
【0098】米国特許第3,932,179 号では、導電層、感
光体層、及び高分子中間層から成り、導電層と感光体層
の間に1010Ω/□より大きい表面抵抗率を有する多層
電子写真部材が開示されている。中間層はすくなくとも
2種の全く違った高分子相: (a)フィルム形成水溶性またはアルカリ性水溶液溶解
性ポリマー及び (b)電気的に絶縁性のフィルム形成疎水性ポリマー、
から成る。
【0099】例えば、導電層はポリメチルメタクリレー
ト及びポリメタクリル酸のコポリマーバインダー中に膨
潤されたコーポラスヨウ化物を含む。複雑な2相ハージ
(hazy) 層〔ポリ−(メチルアクリレート−ビニリデン
クロリド−イタコン酸)の複雑なターポリマー(65
重量%)及びポリ(無水マレイン酸 ビニルメチルエー
テル)(35重量%)から成る〕を有機溶媒バリアー、
接着補助、及び正孔ブロッキング層として用いている。
第4欄47行には、3型ポリマーが、ホモポリマー及び
コポリマーを含み、繰り返し炭化水素単位の主鎖と主鎖
に化学的に結合する側鎖基として炭素原子10個までか
ら成る酸性基から成るポリマーとして開示されている。
有用な酸性基は、スルホン酸、カルボン酸、無水カルボ
ン酸から成る群から選ばれる。第4欄54行には例えば
水酸基、アルコキシ基及び炭素原子10個までのエステ
ル基などの他の基から成る側鎖基も前述の3型ポリマー
にあることが示されている。第4欄57行には、3型ポ
リマーは典型的には少なくとも主鎖に3個以上の繰り返
し単位を持つことが明らかである。これらのリストでは
ポリマー中に水酸基は示されていない。3型ポリマーで
は、酸性基がブロッキング層としてこれらの材料の機能
に不可欠であると考えられる。3型ポリマー中の水酸基
の存在は付随的なことであって、効果的な3型ブロッキ
ング層を得るのに成分に不可欠に必要とされるものでは
ない。加えて、3型ポリマーは、主鎖に3以上の繰り返
し単位を有し、少なくともこの繰り返し単位の1個には
酸性基を含まなければならない。酸性基が存在すれば
〔好適な3型ポリマーの全てでは存在しなければならな
い(米国特許第3,932,179 号の第4欄の末及び第5欄の
上段参照)〕、カルボキシル基は3型ポリマーが持って
いなければならない水溶性またはアルカリ溶解性(pH7
から10)を付与する。本発明のブロッキング層ポリマ
ーは一般に水溶性ではなく、疎水性ポリマーと組み合わ
されなければならない必要もない。本発明の好適なブロ
ッキング層は一般に単一の成分、即ち、1種のポリマー
またはコポリマーを含み、そしてそれは水酸基を非常に
高い濃度で(付随的にではなく)含み、水溶性は回避さ
れなければならないので水溶性にするための酸性基は含
まない。本発明の満足なブロッキング層は一般に繰り返
し単位から成る低濃度の水酸基(約25重量%より低
い)、ここで繰り返し単位定数は同一のポリマー(コポ
リマー)または他のポリマー(ブレンド)また両者中繰
り返し単位から成る非水酸基で希釈される。しかし、水
酸基繰り返し単位の低含有は、同一のブロッキング層成
分(ここでは水酸基繰り返し単位は対象から外されてい
る)に対して感光体サイクル電気性能の改良のためには
付随的ではない。しかし、水酸基繰り返し単位の高含有
は、好適なサイクル電気性能を与える。中性水酸基ブロ
ッキング層ポリマーを有する本発明のブロッキング層
は、多数の水酸基で非常に密度の高いH−結合を得る
が、米国特許第3,932,179 号の2成分ブロッキング層で
は、米国特許第3,932,179 号のブロッキング層ポリマー
中の鎖当たりのH−結合(COOH−HOOC)の量は
P(HEMA)などのブロッキング層ポリマーにおける
より非常に少ないので達成することができない。米国特
許第3,932,179 号のターポリマーは非常に少ないCOO
H基を有する(これはイタコン酸(またはこのターポリ
マー中の他の繰り返し単位に含まれる酸)が主鎖内の3
繰り返し単位に1個だけだからである)が、ヒドロキシ
ルポリマー〔例えば、P(HEMA)〕は各繰り返し単
位内にO−H基を有する。第2ポリマー成分で希釈後は
COOH基含有量はさらに減少する。そして、そのため
に当初低かった酸−酸H−結合密度は減少するだろう。
【0100】一般に上記及び下記のように、本発明の光
導電性像形成部材は、導電性表面を有する支持基体、ビ
ニルヒドロキシエステルまたはビニルヒドロキシアミド
ポリマーを含むブロッキング層及び導電性像形成層を有
する。光導電層は当分野でよく知られているいかなる適
当な光導電性材料を有しうる。このように光導電層は、
例えば均一な光導電性材料またはバインダー中に分散さ
れた光導電性粒子の単層、または電荷輸送層でオーバー
コートされた電荷発生層のような多層を有することがで
きる。光導電層は均一な、不均一な、有機または無機組
成物を含有しうる。不均一な組成物を含有する電子写真
像形成層の1例は米国特許第3,121,006 号に開示されて
いる。ここでは、光導電性無機化合物のよく分割された
粒子が電気的に絶縁性の有機樹脂バインダー中に分散さ
れている。この特許の全ての開示は引用により本明細書
中に導入される。他の良く知られた電子写真像形成層は
アモルファスセレン、ハロゲンドープアモルファスセレ
ン、アモルファスセレン合金(セレンヒ素、セレンテル
ル、セレンヒ素アンチモンを含む)及びハロゲンドープ
セレン合金、硫化カドミウムなどを含む。一般に、これ
らの無機光導電性材料は相対的に均一な層として設けら
れる。
【0101】本発明は特に電気的に作動する2層、電荷
発生層及び電荷輸送層を有する電子写真像形成層に好適
である。
【0102】適当な電荷発生または光発生材料が本発明
の多層光導電体の具体例に2種の電気作動層の1として
採用することができる。代表的な電荷発生材料は、米国
特許第3,357,989 号に開示されている金属不含フタロシ
アニン、米国特許第3,442,781 号に開示されている金属
フタロシアニン(フタロシアニン銅、バナジルフタロシ
アニン)、三方晶セレンなどのセレン含有材料、ビスア
ゾ化合物、キナクリドン、置換2,4−ジアミノトリア
ジン、及び多環式芳香族キノン(アライドケミカルから
商標名インドファースト ダブル スカーレット イン
ドファースト バイオレット レーキB,インドファー
スト ブリリアント スカーレット及びインドファース
ト オレンジのもとに入手可能)を含む。電荷発生層の
他の例は、米国特許第4,265,990 号、米国特許第4,233,
384 号、米国特許第4,471,041 号、米国特許第4,489,14
3 号、米国特許第4,507,480 号、米国特許第4,306,008
号、米国特許第4,299,897 号、米国特許第4,232,102
号、米国特許第4,233,383 号、米国特許第4,415,639 号
及び米国特許第4,439,507 号に開示されている。これら
の特許の開示は全てが引用により本明細書に導入され
る。
【0103】適当な不活性樹脂バインダー材料を電荷発
生層に採用することができる。代表的な有機樹脂バイン
ダーは、ポリカーボネート、アクリルポリマー、ビニル
ポリマー、セルロースポリマー、ポリエステル、ポリシ
ロキサン、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシドなど
を含む。例えば、米国特許第3,121,006 号及び米国特許
第4,439,507 号に多くの有機樹脂バインダーが開示され
ている。これらの特許の開示は全てが引用により本明細
書に導入される。有機樹脂ポリマーは、ブロック、ラン
ダムまたは交互共重合体でありうる。光発生組成物また
は顔料は様々な量で樹脂バインダー組成物中に存在す
る。電気的不活性または絶縁性樹脂を使用する場合、光
導電性粒子の間で粒子−粒子接触があることが重要であ
る。光導電性材料がバインダー層中の光導電体の最高量
に制限されずバインダー層の少なくとも15容量%の量
で存在することが必要である。マトリックスまたはバイ
ンダーが活性材料(例えば、ポリN−ビニルカルバゾー
ル)を含むならば、光導電性材料はバインダー層中の光
導電体の最高量に制限されずバインダー層の約1容量%
未満存在することが必要である。一般には、ポリビニル
カルバゾールまたはフェノキシ樹脂〔ポリ(ヒドロキシ
エーテル)〕のような電気的に活性なマトリックスまた
はバインダーを含有する電荷発生層には、約5容量%か
ら約60容量%の光発生顔料が約40容量%から約95
容量%のバインダーに分散される。そして好ましくは光
発生顔料の約7容量%から約30容量%が、バインダー
約70容量%から93容量%に分散される。特定の割合
が発生層の厚さの程度により選ばれる。
【0104】光発生バインダーの厚さは特に臨界的では
ない。約0.05μmから約40.0μmの層厚が満足であ
ることがわかった。光導電性組成物及び/または顔料及
び樹脂バインダー材料を含有する光発生バインダー層
は、約0.1μmから約5.0 μmの層厚が好ましく、最高
の光吸収と改良された暗減衰安定と機械的特性には約0.
3μmから約3μmの層厚が最高である。
【0105】他の代表的な光導電性層はセレンアモルフ
ァスまたはセレン−ヒ素、セレン−テルル−ヒ素、セレ
ン−テルルなどのセレン合金を含む。
【0106】活性電荷輸送層は、電荷発生層から光発生
した正孔と電子の注入をサポートし、そしてこれらの正
孔または電子を有機層から輸送し表面電荷を選択的に放
電するのを許容し得るような透明有機ポリマーまたは非
高分子材料を含む。活性な電荷輸送層は正孔または電子
の輸送に適しているばかりでなく、摩耗または化学的攻
撃から光導電層を保護し、それにより感光体像形成部材
の運転寿命を延長する。電荷輸送層は、ゼログラフィー
に有用な波長の光(例えば、4000オングストローム
から8000オングストローム)に露光されたとき、た
とえあったとしてもごくわずかな放電を示す。従って、
電荷輸送層は光導電体が使用される部位で電磁線を実質
的に透過する。このように、活性電荷輸送層は、発生層
から光発生した正孔または電子の注入をサポートする実
質的に非光導電性材料である。活性輸送層は、照射光が
活性層を通過するのに効果があり大部分の入射電磁線が
十分な光発生の下にある電荷キャリアー発生層に利用さ
れるのを確実にするために通常透明である。透明基体で
使用される場合、像露光は基体を通過する全ての光によ
り基体を通して行われ得る。この場合には、活性輸送材
料は使用波長の範囲で吸収される必要はない。本発明に
おいて発生層と接続する電荷輸送層は、輸送層上に印加
された静電電荷は照明が存在しないときは導電性ではな
い、即ち、その上の静電潜像の形成及び保持を妨げるの
に十分な速度で放電しない。
【0107】活性電荷輸送層は、電気的に不活性な高分
子材料中に分散され、これらの材料を電気的に活性にす
る添加剤として有用な活性化化合物から成る。これらの
化合物は、発生材料からの光発生正孔の注入をサポート
できず、そして正孔がその中を移動できない高分子材料
に添加される。これは電気的に不活性な高分子材料を、
発生材料からの光発生正孔の注入をサポートでき、そし
て活性層の表面電荷を放電するために活性層中を正孔が
移動するのを許容し得るように変化させる。
【0108】本発明の多層光導電体の具体例において電
気的に作動する2層のうちの1層に採用される特に好適
な輸送層は、少なくとも1種の電荷輸送芳香族アミン化
合物約25から75重量%、及び該芳香族アミンに溶解
する高分子フィルム形成樹脂75から25重量%を含
む。
【0109】電荷発生層の光発生正孔の注入をサポート
でき、そして電荷輸送層中を正孔が移動するのを許容し
得る、上記の構造式によって表される電荷輸送層芳香族
アミンの例は、不活性樹脂バインダー中に分散されたト
リフェニルメタン、ビス(4−ジエチルアミン−2−メ
チルフェニル)フェニルメタン、4′,4″−ビス(ジ
エチルアミノ)−2′,2″−ジメチルトリフェニル−
メタン、N,N′−ビス(アルキルフェニル)−〔1,
1′−ジフェニル〕−4,4′−ジアミン(ここで、ア
ルキルは、例えばメチル、エチル、プロピル、n−ブチ
ルなどである)、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビ
ス(クロロフェニル)−〔1,1′−ビスフェニル〕−
4,4′−ジアミン、N,N′−ジフェニル−N,N′
−ビス(3″−メチルフェニル)−(1,1′−ビフェ
ニル)−4,4′−ジアミン、などを含む。
【0110】メチレンクロリドまたは他の適当な溶媒に
溶解する適当な不活性樹脂を本発明の製造に用いること
ができる。メチレンクロリドに溶解する代表的な不活性
樹脂バインダーは、ポリカーボネート樹脂、ポリビニル
カルバゾール、ポリエステル、ポリアリールレート、ポ
リスチレン、ポリアクリレート、ポリエーテル、ポリス
ルホンなどを含む。分子量は約20,000から約1,500,000
まで変化し得る。
【0111】好適な電気的不活性樹脂材料は、分子量約
20,000から100,000 、より好ましくは約50,000から約10
0,000 のポリカーボネート樹脂である。電気的不活性樹
脂材料として最も好適な材料は、分子量約35,000から約
40,000のポリ(4,4′−ジプロピリデン−ジフェニレ
ンカーボネート)(レキサン145としてゼネラル エ
レクトリックから入手可能);分子量約40,000から約4
5,000のポリ(4,4′−イソプロピリデン−ジフェニ
レンカーボネート)(レキサン141としてゼネラル
エレクトリックから入手可能);分子量約50,000から約
100,000 のポリカーボネート樹脂(マクローロンとして
ファーベンファブリッケンバイエル A.G.から入手
可能);分子量約20,000から約50,000のポリカーボネー
ト樹脂(メルロンとしてモーベイケミカルから入手可
能)及びポリ(4,4′−ジフェニル−1,1−シクロ
ヘキサンカーボネート)である。メチレンクロリド溶媒
は、全ての成分を適当に溶解すること及びその低沸点と
いう点から特に好適な電荷輸送層コーティング混合物の
成分である。しかし、選択される溶媒のタイプは、使用
される樹脂バインダーによる。
【0112】上記の電荷輸送層の全てにおいて、電気的
不活性高分子材料を電気的に活性にする活性化化合物
は、約15から75重量%の量で存在するべきである。
【0113】所望により、電荷輸送層は電気的不活性な
バインダー中に溶解または分散された電荷輸送モノマー
の代わりに適当な電気的活性電荷輸送層からなることも
できる。電荷輸送層として採用される電気的に活性な電
荷輸送ポリマーは、例えば、米国特許第4,806,443 号、
米国特許第4,806,444 号、及び米国特許第4,818,650 号
に開示されており、その全ての開示は引用により本明細
書に導入される。
【0114】好適な慣用技術が電荷輸送層コーティング
混合物を混合し、そしてその後電荷発生層に適用するの
に使用される。代表的な適用方法は、吹き付け塗り、浸
漬被覆、ロールコーティング、線巻ロッドコーティング
などを含む。施したコーティングの乾燥は、オーブン乾
燥、赤外線乾燥、空気乾燥などの適当な慣用方法によっ
てなされる。一般的には、輸送層の厚さは約5μmから
約100μmの間であるが、この範囲外の厚さも使用で
きる。
【0115】電荷輸送層は、電荷輸送層に印加された静
電荷が光照射なしで十分な速さで静電潜像の形成及び保
持を妨げないように絶縁体であるべきである。一般的に
は、電荷輸送層対電荷発生層の厚さの比は、好ましくは
約2:1から200:1に保たれるが、ある例では40
0:1である。
【0116】任意に、オーバーコート層も摩耗に対する
抵抗性を改良するために使用される。ある例では、平面
性及び/または摩耗抵抗性を改良するために背面コーテ
ィングを感光体の反対側に設けることもできる。これら
のオーバーコーティング層は、電気的に絶縁性であるか
わずかに半導性である有機高分子または無機高分子から
成る。
【0117】このように、本発明は静電画像部材の寿命
を延長する。本発明の分子量の大きいビニルヒドロキシ
エステルまたはビニルヒドロキシアミドポリマーは、暗
所での正孔注入をブロッキングしたり光放電電子を輸送
するための官能基(エステル6アミド)を含む水酸基及
びカルボニル基を含む。本発明のブロッキング層は、ブ
ロッキング層(例えば、トルエン、テトラヒドロフラン
及びメチレンクロリドなどの溶媒中に実質的に不溶であ
る)の上の層を被覆するのに使用される多くの普通に用
いられるコーティング溶媒に対して溶媒バリアー層を形
成する。“実質的に不溶”という表現は、本明細書中で
は、これらの溶媒がブロッキング層と接触し、その為に
高電荷受容(V0 )及び低(VR )が少なくとも200
連続像形成サイクル中保たれる期間はブロッキング層が
腐食されてなくなるほどには溶解性ではないと定義され
る。高V0 は少なくとも600Vと定義され、そして低
R は約100V未満と定義される。光放電の前のコロ
トロン帯電中及び後電気的に正孔ブロッキングである。
より暗安定でもある。これは接地正孔注入を阻止し、そ
して初めの高V0 帯電と反復サイクリングを可能にす
る。本発明のブロッキング層は電気的に発生層からの光
放電電子を受容し、大部分のまたは全ての受容した電子
を接地板に輸送し、放電過程を遂行する。このように、
本発明の静電画像形成部材は、多くの周囲相対湿度下で
サイクリングの間低残留電圧での光放電を許容する。こ
れは、ゼログラフィータイムスケール内での全放電を可
能にし、そして初めの高V0 帯電と反復サイクリングを
可能にする。本発明の分子量の大きいビニルヒドロキシ
エステルまたはビニルヒドロキシアミドポリマーは、所
望のブロッキング層乾燥厚を形成するのに何回ものスプ
レーコーティングパスが必要な他の材料〔粘性ポリ(ビ
ニルアルコール)水溶液など〕と比較して低粘度、濃縮
溶液から1または2回のスプレーパスで十分に厚いブロ
ッキング層も提供する。さらに、各繰り返し単位内のカ
ルボニル官能基が一緒に存在することは、ヒドロキシポ
リマーの溶解性(PVOHに対して)を高め、コーティ
ングの品質を高めるような任意のスプレー溶媒として低
級アルコール及びグリコールエーテルを一般的に含みう
る。
【0118】さらに、溶媒蒸留後、ヒドロキシポリマー
は、導電層とのその両極性相互作用(エステル、アミ
ド)のために、ポリ(ビニルアルコール)などの材料と
比較してこの界面での固体状態接着を強化する。特に本
発明の分子量の大きいブロッキング層の驚くべき点は、
大量のH−結合水に強く依存する事なく光放電電子注入
及び輸送を助けることである。本発明の分子量の大きい
ブロッキング層を含むデバイスは、ゼログラフィーエン
ジン内に加湿器を供給する必要なく相対湿度とは関係な
く機能できる。
【0119】以下の多くの実施例を示し、発明の実施に
用いることができる異なる組成物及び条件を例示する。
全ての割合は特に示されていない限り重量に対するもの
である。しかし、本発明は多くのタイプの組成物で実施
することができ、上記開示に従いそして以下に記載する
ようにして多くの異なる用途が可能である。
【0120】
【実施例】〔実施例1〕 ブロッキング層として使用される高分子材料を含むさま
ざまなビニルヒドロキシエステルまたはビニルヒドロキ
シアミドの正孔ブロッキング力を評価し、さまざまな非
金属導電層の正孔注入力を得た。この評価は正孔ブロッ
キング層を含まない感光体をコロトロン帯電後(〜0.2
秒)、直ちに暗所で第1サイクル表面電圧を測定し、こ
の比較例について行った。その後この値を以下の実施例
において高分子正孔ブロッキング層を含む以外他の全て
の点では同一の感光体で得られた第1サイクル表面電圧
と比較した。ほぼ同一の厚さの層及び同一の導電層を有
する2個の感光体について一定に設定された試験条件下
で測定された電圧の差(ブロッキング層を有する感光体
のV0(1)とブロッキング層を有さない感光体のV0(1)
が大きければ大きいほど、正孔注入に対する正孔ブロッ
キング層材料の固有の力は大きい。本実施例では感光体
は正孔ブロッキング層なしで成型加工されているが、残
りの全ての実施例では正孔ブロッキング層つきで成型加
工されている。本評価に使用された導電層には通常(し
かし常ではない)絶縁性高分子バインダー中に何回もの
電荷消去(放電)サイクルにわたって光感体を放電する
際に導電性接地板として機能するのに十分な所定の添加
レベル(>10重量%)で導電性材料が分散されてい
る。
【0121】カーボン インブレグネイテッド デッド
ラー(CIT)導電層 導電性ポリビニルフルオリド(PVF)カーボン含浸3
ミル(0.0762mm) 厚導電性複合フィルム(CIT)(E.
I. デュポン デ ニュモウラス社から商業的に入手可
能) を感光体層で被覆した。CITを高分子基体を有す
る導電層の機能と組み合わせ、1つの層にする。CIT
という表現はカーボン イプレグネイテッド テッドラ
ー(登録商標)を指す。テッドラー(登録商標)は、そ
の中にカーボンブラックが分散されていないポリビニル
フルオリドである(E. I. デュポン デ ネモラス社か
ら入手可能)。カーボン インプレグネイテッド テッ
ドラー(登録商標)中の導電性カーボンブラック添加レ
ベルは、10−25重量%の間であり、フィルムは物理
的及び電気的にカーボンブラック〔ブラック パール
2000(カーボット社から入手可能)〕15重量%添
加したポリビニルフルオリドに類似している。4ポイン
ト プルーブで測定すると、CITは十分な導電性抵抗
率(≦105 Ω/□)を有し、多くの連続したゼログラ
フィー電荷放電サイクルに十分に使用できる。
【0122】カーボンブラック含浸または不含ポリビニ
ルフルオリドコーティングは、メチレンクロリド、テト
ラヒドロフラン(THF)、及びトルエンなどの通常の
そしてこれらのデバイスの他の層用のコーティング溶媒
に繁用される有機溶媒に化学的及び物理的に(100℃
未満)に抵抗性である。さらに、同じPVFコーティン
グは、低級アルコール(メタノール、エタノール、イソ
プロパノール、n−ブタノール、第2ブタノール及びイ
ソブタノール)及びケトン(アセトン、メチルエチルケ
トン及びメチルイソブチルケトン)及び水などより極性
の高い溶媒に同様な溶媒抵抗性である。
【0123】架橋カーボセット(登録商標)/カーボン
ブラック導電層 導電性カーボンブラック配合物は、ドローバー及び噴霧
塗布成型加工用に開発された。ドローバーコーティング
配合物は、イソプロパノール2.04gとメチルイソブチ
ルケトン(MIBK)7.5gで希釈したポリアクリル樹
脂(カーボセット(登録商標)514A.B.F.グリ
ドリッチ社からイソプロパノール中70%溶液として入
手可能)6.87gから成る。この溶液に導電性カーボン
ブラック(ブラック パール(登録商標)2000、カ
ーボット社から入手可能)0.94gを添加し、ペイント
シエーカー(レッド モデル社、モデル5100X)で
90分間懸濁した。最後にXAMA−2 0.51g(バ
ージニア ケミカルから入手可能なカーボセット架橋化
剤)加え、分散物を15分間ペイントシエーカーで攪拌
した。得られた架橋化剤を含むカーボンブラック分散物
を81/2"×11”ドローバーコーター(パシフィック
サイエンテフィックから入手可能)モデルP290 ガ
ードナー ラボラトリーを用いてドローバーコーティン
グ(2ミル(0.0508mm) ギャップ)した。このカーボン
ブラック導電層分散物を絶縁性高分子基体(デュポンの
テッドラーまたはマイラーフィルムまたはメリネックス
ポリエステル(ICI)など)上にコーティングし、そ
の後周囲環境下で1時間と空気対流炉で100−120
℃で1時間乾燥した。
【0124】導電層の乾燥厚は約10±5μm であっ
た。ここで、有用な導電範囲は厚さの関数ではなかっ
た。得られた乾燥導電層は導電性カーボンブラック粒子
が高分子の網の中に捕獲されている架橋された網状であ
った。
【0125】カーボセット−カーボンブラック導電層
は、絶縁性高分子基体(例えばテッドラー(登録商
標)、マイラー、メリネックス(登録商標))にも吹き
付け塗された。吹き付け塗に使用される分配配合物は、
カーボセット514A80g、ブラックパール(登録商
標)2000導電性カーボンブラック9.9g、イソプロ
パノール400g及びメチルイソブチルケトン1000
gであった。用いられた全ての溶媒は、試薬級であっ
た。上記の分散物をガラスビーズで64時間、練りロー
ル機にかけた。分散物をビーズからデカントした後、X
AMA−2(架橋化剤)8.4gを加え、0.25時間分散
物を磁気的に攪拌した。市販のスプレーガン及びビンク
ス マニファクチャーリング製の機器を用いて分散物を
スプレーした。ビンクスモデル21自動スプレーガンを
42753型レシプロケーター付ビンクススプレーブー
スモデルBF−4に使用した。モデル21ガンは、63
B液体ノズルと63PE空気噴霧用ノズルを装備してい
た。液体圧は4psi でありスプレー噴霧圧は50psi で
あった。針の設定は1.5回転及びスプレーファン角度は
0.75回転であった。これらの設定は閉鎖位置から数え
た。スプレーガンは自動モードで操作し、スプレー中垂
直に置いたマンドレルの上から下へレシプロケーターを
動かした。ターンテーブルに接続された軸に取りつけた
円筒状アルミニウムマンドレルにスプレーするのに絶縁
性高分子基体をテープどめし、その周りに回転させた。
導電性分散物を1.5分間のパス間隔で回転させながら3
回スプレーした。最後にコーティングをマンドレルから
はずし、空気対流炉内で0.5時間120℃で乾燥した。
このようにした架橋導電層(ドローバーまたは吹き付け
塗)は、後に使用されるコーティング組成物及びそれら
の溶液による摩耗を阻止する溶媒バリアーとして機能す
る。層を完璧な状態で維持するので、適当なゼログラフ
ィー帯電及び放電が何千回ものサイクルにわたって得ら
れる。
【0126】XAMA−2とカーボセット(登録商標)
514A間の架橋の化学は永久コーティング用カーボセ
ット樹脂と題してB. F. グッドリッチから刊行されてい
る技術ブロッシャーに明快に例でされている。
【0127】ブラック導電性オレフィン系フラッシュプ
ライマーLE16610導電層 トルエンとキシレンの60/40(体積比)混合溶媒中
導電性カーボンブラック及び高分子樹脂(ブラック導電
性オレフィン系フラッシュプライマーLE16610、
レット スポット ペイント アンド バーニッシュか
ら入手可能)を入手したまま(希釈不要)吹き付け塗り
し、十分に導電性である10−16μm 厚導電層を得、
非常に多くの連続ゼログラフィー放電サイクル用接地板
として機能させた。
【0128】LE16610ブラック導電性オレフィン
系フラッシュプライマー(600g)を、前記のペイン
トシェーカー(スチールショットはないか、カラスビー
ズを使用)を用いて再分散した(≧0.55時間)。(乾
燥後)12μm 厚コーティングをスプレーするには、以
下のスプレーパラメーターにより4回のパスを行った。
【0129】 噴霧圧 : 55psi 液体圧 : 6psi ファン角度: 閉鎖位置から0.75回転 液体開始 : 閉鎖位置から1.25回転 前記のスプレーガン及びビンクス マニファクチャーリ
ング製の補助器具を用いて同一の絶縁性高分子基体にこ
の導電性組成物をスプレーし、前記のように取りつけ
た。コーティングした基体を次に周囲環境で1−16時
間乾燥し、空気対流炉内で90℃で少なくとも0.25時
間乾燥した。
【0130】ポリピロールICP−117導電層 ドローバーコーティング導電層用の代表的な配合物で
は、エチルアセテート中10重量%ポラロイドICP−
117ポリピロール−ポリマー複合体20gを同じ溶媒
10gで希釈した。この分散物をデュポンのマイラーま
たはデッドラー(登録商標)などの絶縁性基体に前述の
ガードナーコーティング装置でドローバーコート(0.5
ミル(0.0127mm)ギャップ)した。絶縁性高分子基体にコ
ートした導電層を100−120℃に維持された空気対
流炉に0.5−1.0時間移し、コーティング溶媒を蒸発し
た。ポラロイドICP−117ポリピロール−ポリマー
複合体は負に帯電し、そしてポリピロール部分は正に帯
電する。しかし、負に帯電しうる多数のコポリマー組成
物が用いられ、それらは2つの刊行物に開示されてい
る:
【0131】(1) S. J. ジェスン(Jasne)及び C. K.
(Chiklis)、Synthetic Metals、15:175−182
(1986)及び (2) ヨーロッパ特許出願第85103447.0(1985年3月
23日出願)
【0132】ヨウ化銅導電層 導電層を市販のヨウ化銅からドローバー及び噴霧成型加
工した。ドローバー成型によって製造されるコーティン
グを初めに記載する。
【0133】超精製コーポラスヨウ素2.30g(アルド
リッチケミカル及びアルファーベントロンリサーチケミ
カルアンドマテリアルなど多くの化学物質供給者から入
手可能)を精製ブチロニトリル溶媒(100ミリリット
ル)と混合し、混合物を飽和溶液が形成されるまで室温
で4−16時間磁気的に攪拌した。極微量の過剰の不溶
クーポラスヨウ素を、多孔度0.2μを有するヌークレポ
アーフィリネート(Nuclepore Filinert) ポリカーボネ
ートメンブラン(47mm直径)を通し、加圧(40psi)
ろ過で除去した。澄明なろ液を6ミル(0.1524mm) バー
ギャップを用いドローバーコートし、コーティングを周
囲環境で1時間、次いで空気対流炉で100 ℃少なくとも
10分間乾燥した。乾燥コーティング厚は、オートEL
楕円偏光測定器(ルドルフ リサーチ)で波長6328
オングストロームで測定すると200−10000オン
グストロームの範囲であった。
【0134】スプレー成型加工した導電性ヨウ化銅コー
ティングを次に記載する。試薬級ブチロニトリル溶媒1
リットルに超精製コーポラスヨウ化物23gを加え、室
温で2時間磁気的に攪拌した。得られた溶液(2.3w/
v%)を約40psi で0.2μm ヌークレポアーフィルタ
ーで加圧ろ過し、ろ液をマイラーまたはデッドラー基体
に1または2パスで吹き付け塗した。透明なクーポラス
ヨウ化物コーティングは、50から500オングストロ
ームの厚さ範囲であった。
【0135】上記溶液を2回パスでスプレーするのに使
用されたスプレーパラメーターは以下の通りである。
【0136】 噴霧圧 : 55psi 液体圧 : 5psi ファン角度: 閉鎖位置から0.75回転 液体開始 : 閉鎖位置から0.75回転
【0137】この導電層組成物をスプレーするのに前記
のスプレーガンとビンクスマニファクチャーリング製の
補助器具を使用し、前記のように取り付けた。スプレー
された導電層を少なくとも1時間周囲環境で、次いで少
なくとも0.5時間空気対流炉で乾燥した。
【0138】任意に、ブチロニトリル515ミリリット
ル、アセトニトリル345ミリリットル〔60:40
(容量)〕及びクーポラスヨウ化物23.2g(2.7w/
v%)を含有する混合ニトリル飽和溶液を上記のように
ろ過し、ろ液を1または2パス(パス間隔は1.5分)で
吹き付け塗し、単一溶媒スプレー溶液について上記した
通り導電層コーティングを得た。採用した乾燥条件は同
様であるが、スプレーパラメーターは若干異なる。
【0139】 噴霧圧 : 55psi 液体圧 : 4psi ファン角度: 閉鎖位置から0.5回転 液体開始 : 閉鎖位置から0.5回転 これらのスプレー成型加工 CuIコーティングは、ドロー
バーコーティングCul 導電層と同じく有用であることが
わかった。
【0140】上記導電層を(ドローバーまたはスプレ
ー)成型加工するか、その上に他の感光体層が成型加工
された接地層として入手したままのコーティングされた
形(カーボン含浸テッドラーなど)で使用した。この例
ではビニルヒドロキシエステル及びビニルヒドロキシア
ミドポリマーブロッキング層は計画的に省かれても、代
表的導電層コーティングの正孔注入厳密性を確立する。
本実施例で成型加工されたデバイスは、導電層がバイレ
ダレスのクーポラスヨウ化物である場合を除き、導電層
と光発生層の間に接着層を含まない。本実施例では完成
デバイスの日常の取り扱いでクーポラスヨウ化物層と光
発生層の間に剥離が生じた。剥離を避け、それによって
帯電−消去の電気的評価を得るために、非常に薄い(<
0.1μm )ポリ(4−ビニルピリジン)〔P(4VPy) 〕接
着層を導電層と光発生層の間にドローバーコートした。
代表的なポリ(4−ビニルピリジン)接着層配合物は、
イソブタノール17.89g及びイソプロパノール1.99
g中、テイレン(登録商標)4200(ライリー ター
&ケミカル)0.12gの0.6重量%溶液から成った。前
述のガードナーコーティング装置を用いて0.5ミル(0.
127mm)ドローバーギャップのコーティングとしてこの溶
液を適用後、コーティングを周囲環境下で1時間次に空
気対流炉(標準状態)内100℃で1時間乾燥した。ポ
リ(4−ビニルピリジン)接着層を後の実施例のデバイ
スではドローバー成型加工した時は、上記の配合物、コ
ーティング方法及び乾燥条件を特にことわりのない限り
用いた。
【0141】電荷発生層混合物は、約1−2重量%水酸
化ナトリウムでドープした三方晶セレン粒子約8.57
g、ポリビニルカルバゾール16.72g、N,N′−ビ
ス(3″−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニ
ル〕−4,4′−ジアミン4.93g、テトラヒドロフラ
ン100.55g及びトルエン100.55gの分散物を形
成することによって調製した。この分散物を次に等重量
のトルエンで希釈した。希釈分散物を、1ミル(0.0254
mm) ドローバーギャップで導電層をコーティングする直
前約5分間リストシェーカーで攪拌した。電荷発生層コ
ーティングを室温で1時間、そして空気対流炉内100
℃で1時間乾燥した。このようにして得られた光発生層
の乾燥厚は、本実施例及び後の実施例で約1.0±0.3μ
m であった。
【0142】電荷輸送層コーティング混合物を、N,
N′−ビス−(3″−メチルフェニル)−〔1,1′−
ビフェニル〕−4,4″ジアミン約2.8g、ポリカルボ
ネート樹脂(マクローロン(登録商標)5705、ファ
ーベンファブリッケン バイエルA. G. から入手可能)
4.2g及びメチレンクロリド40gを混合して調製し
た。この混合物を5ミル(0.127mm)ドローバーギャップ
で光発生層上にコーティングした。輸送層コーティング
を室温で1時間、50°から100℃に増加する加熱サ
イクルで0.50から0.75時間そして最終的に110℃
で少なくとも10分間乾燥した。本実施例及び後の実施
例におてる電荷輸送層の乾燥厚は、DSNo. 11033
型パーモスコープで測定したところ約25−30μm で
あった。完成デバイスを、下記の周囲スキャナーまたは
環境スキャナーを用いて、電気的な帯電−消去サイクル
にかけた。
【0143】帯電−消去サイクルの結果を得るのに使用
した周囲スキャナーは、シングルワイヤーコロトロン
(5cm幅)セットを装備しており、試験デバイスの表面
に9×10-8クーロン/cm2 の電荷を印加した。デバイ
スを円周76.5cmのアルミニウムドラムに接地し、ドラ
ムを15.24cm(6in) /秒の表面スピードを与える1
2rpm のスピードで回転した。デバイスを、プレキシグ
ラスライトパイプで放射したタングステン白色光源で放
電(消去)した。消去ランプの強さは、必要とされる光
量の2から10倍まで変化し、デバイスを斬近的残留電
圧の2倍まで放電させた。全体のゼログラフィーシュミ
レーション(帯電及び放電)を光の狭い囲い内で行っ
た。乾燥した空気パージによる低RH及び湿潤空気パー
ジによる高RHなどの環境変化を、非周囲環境下サイク
ル結果を得るための試験中に行った。
【0144】様々な環境条件下での帯電−消去サイクル
結果を得るのに使用された環境サイクルスキャナーは、
シングルワイヤーコロトロン(5cm幅)セットを装備し
ており、試験デバイスの表面に9×10-8クーロン/cm
2 (またはある場合には14×10-8クーロン/cm2
の電荷を印加した。デバイスを円周63.1cmのアルミニ
ウムドラムに接地し、ドラムを21.08cm(8.3in) /
秒の表面スピードを与える20rpm のスピードで回転し
た。デバイスをファイバー光学ライトパイプを通して放
射したショートアーク白色光源で放電(消去)した。全
体のゼログラフィーシュミレーション(帯電及び消去)
を、環境をコントロールしたライトタイトチャンバー内
で行った。本実施例のブロッキング層のないデバイス
を、周囲RHで帯電−消去を200回試験した。本願で
帯電−消去サイクルを行った全てのデバイスの周囲RH
は12と60%の間であった。用いられた低RH帯電−
消去試験条件は≦5%であり、試験はまず一晩低RHで
デバイスを平衡にした後行った。
【0145】
【表1】
【0146】周囲サイクルスキャナーを表Aのデータを
作成するのに用いた。表A中のデータは劣った帯電レベ
ル〔V0 (1) 〕を示す。暗所でこれらの感光体を帯電さ
せた後、導電層からの正孔注入を妨げず(正孔ブロッキ
ング層なし)、負の表面電荷は最初の電圧測定(帯電後
〜0.2秒)前に広範囲で中和された。以下の多くの実施
例は初期電圧(高いV0 (1) 〕及び200サイクル以上
後のV0 維持において大きな改良を示すであろう。それ
は、導電層と感光体層の間にはさみ込んだ適当な正孔ブ
ロッキング層材料の使用による。
【0147】〔実施例2〕 本実施例は、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト)〔P(HEMA) 〕ブロッキング層とポリビニルカルバゾ
ール(PVK)中に分散された三方晶セレン粒子を含有
する発生層の間に、接着層として好適な厚さのポリ(4
−ビニルピリジン)〔P(4VPy) 〕の選択を示す。P(4VP
y) 接着層があまりに厚かったり、P(HEMA) にバルク混
合されていたりすると、相分離した(不混和性)ブロッ
キング組成物を与え、VR サイクル−アップはすぐには
っきりする(下記の表B参照)。対照デバイスにおいて
IIc及びIId(以下に詳細に記載)(それらはP(4VPy)
接着層を持たない)は、大きなVR サイクル−アップは
ない。本実施例の表B中P(4VPy) を含むデバイス(IIa
&IIb)は全て、P(4VPy) 発生VR サイクル−アップを
示唆する相当なVR サイクル−アップを示す。層になっ
たP(4VPy) 含有デバイス(IIa&IIb)は、混合P(4VP
y) −P(HEMA) デバイス(IIe−IIg)により小さなVR
サイクル−アップを示し、このことはVR サイクル−
アップの第2機構が混合ブロッキング層デバイスで働く
ことを暗示している。
【0148】層になったデバイス及び混合デバイスの両
方のVR サイクル−アップは、ある程度のP(4VPy) から
発生層及び/または輸送層への移動がこれらの層のコー
ティングの間に起こるためである。発生層及び/または
輸送中の移動P(4VPy) ポリマーは、このようなVR サイ
クル−アップの原因となるデバイス放電中に正孔を捕捉
する。かなりの量の(厚い層の)P(4VPy) が接着組成物
中に存在するとき、P(4VPy) 移動により一般的である。
P(4VPy) はメチレンクロリド溶解性なので、輸送層のコ
ーティング中にP(4VPy) の移動がかなり起こる。P(HEM
A) と直接接触するP(4VPy) は、P(4VPy) とP(HEMA) の
間のH−結合相互作用が先にアンカーするので、移動し
ない。しかし、P(HEMA) 中に過剰のP(4VPy) はあると、
P(HEMA) 中の全てのP(4VPy) がアンカーするには概して
各ポリマー鎖当たりのH−結合数が不十分なので、溶媒
に促進されるP(4VPy) 移動がまだおこる。
【0149】第2VR サイクル−アップ機構〔混合P(4V
Py) −P(HEMA) 層を有するデバイスで最初に生じる〕
は、放電中ブロッキング層の電子捕獲のためにおこる。
ビニルヒドロキシエステルまたはビニルヒドロキシアミ
ドポリマーブロッキング層は、そのH−結合状態内で構
造的に水に似ている水酸基−水酸基H−結合を広範に持
っている。光放電電子は、電子が水中を移動するよう
に、ヒドロキシエステルまたはヒドロキシアミドビニル
ポリマーブロッキング層媒体(+その中に含まれる少量
のH−結合水)中を移動する。このように、P(4VPy) −
P(HEMA) 中の水酸基にP(4VPy) がH−結合すると、多く
の水酸基−水酸基H−結合部位がはずれる。この水酸基
−水酸基H−結合密度の減少は、ブロッキング層域内
で、電子輸送力の不足をもたらし、そして電子捕獲はV
R サイクル−アップをもたらす結果となる。このよう
に、VR サイクル−アップは、混合P(4VPy) −P(HEMA)
ブロッキング層デバイス(IIe−IIg)において、層に
なったデバイス(IIa−IIb)において、層になったデ
バイス(IIa-IIb)に対して約2倍である。帯電−消去サ
イクルデータを、12000サイクルについて周囲スキ
ャナーを用い周囲RHで得た。
【0150】
【表2】
【0151】a) 繰り返し単位モル比:繰り返し単位
モル比は、生成物の定数(正数)×各ポリマーの繰り返
し単位の分子量に対応するポリマーブレンド中の各ポリ
マーの重量(g)である。各ポリマーの繰り返し単位の
分子量は、非高分子材料について分子量を計算するのと
同一の方法で計算される。高分子繰り返し単位分子量
は、繰り返し単位中の生成物の各原子の原子量×繰り返
し単位中の全原子の合計原子数である。P(HEMA) 及びP
(4VPy) の繰り返し単位分子式はC6H10O3 及びC7H7N で
あり、繰り返し単位分子量はそれぞれ130.15及び1
05.14である。
【0152】テッドラー(登録商標)基体上のカーボセ
ット514A導電層は、デバイスIIa及びIIcについて
はドローバーコーティング、そしてデバイスIIe−IIg
については吹き付け塗した。両方の成型加工の配合物、
コーティング条件及び乾燥条件は実施例1で記載した通
りである。容認カーボン含浸テッドラー(登録商標)
(CIT)バルク導電性基体をP(HEMA) ブロッキング層
溶液でドローバーコーティングした。
【0153】デバイスIIa−IId(1種類のポリマーを
含有するブロッキング層を有する)においては、P(HEM
A) (0.6g)をメタノール(9.4g)中6重量%溶液
からコーティングした。同一の配合物をデバイスIIa及
びIIbにおいて厚いP(4VPy) 接着層をコートするのに用
い、0.5ミル(0.0127mm) ドローバーギャップを両層の
ために用いた。標準乾燥条件を両層について採用した。
ここで標準乾燥条件は周囲条件で1時間そして空気対流
炉内100℃で1時間である。上記表B中で用いたP(HE
MA) はポリサイエンス(実施例4参照)から、そしてP
(4VPy) はライリーター&ケミカルからライレン(登録
商標)4200として入手した。
【0154】混合ポリマーブロッキング層組成物として
P(HEMA) 及びP(4VPy) を含むデバイス(IIe−IIg)に
は、ポリマーを組み合わせた約6重量%溶液を2,2,
2−トリフルオロエタノールと1,1,1,3,3,3
−ヘキサフルオロイソプロパノールの90:10(重量
%)中に調製した。2種のポリマーを酸性アルコール混
合液中に溶解したが、メタノール中にコーティングでき
ない粘性の沈澱が形成されるので、コーティング溶媒と
して非フッ素化アルコールを用いることができない。標
準ブロッキング層ドローバーギャップ(0.5ミル(0.01
27mm) )及び乾燥条件(上記で定義した通り)を用い
た。コーティング溶液の組成物は下記の表Cに記載した
通りである。
【0155】
【表3】
【0156】a) 溶液はトリフルオロエタノール16.
68gとヘキサフルオロイソプロパノール1.86g中に
調製した。
【0157】有用なブロッキング層厚ウィンドーを見極
めるために、該層をコーティングするのに0.5ミル(0.
0127mm) ドローバーギャップを用いた時の、ブロッキン
グ層ポリマーと接着層ポリマーの乾燥コーティング厚関
係に対するコーティング溶液濃度を得る必要があった。
ブロッキング層ポリマー〔ポリ(2−ヒドロキシプロピ
ルメタクリレート)、P(HPMA) 〕を、滑らかな2″×
2″ガラス基体にイソブタノール:イソプロパノールの
90:10(重量比)溶媒混合液、1.2、3.6、6.0及
び8.4重量%でコーティングし、上記のような乾燥(標
準条件)した後、コーティングの乾燥厚をデックタック
(登録商標)表面断面測定システムで測定した。デック
タック(登録商標)はシローンテクノロジー(モデルN
o. 90050)から入手可能であり、測定するのに半球形ダ
イアモンド針半径0.00254mm(0.0001″)を用
いた。この道具は被覆表面上を針を引っぱりそして次に
高耐久性非被覆滑沢ガラス(コーニングNo. 7059)表面
に被覆縁からはなすことによって厚さを測定する。被覆
表面から滑沢ガラス表面への垂直ステップは同時に増幅
され、ステップと厚さの迅速測定を可能にする検量グラ
フ用紙に厚さを記録する。デックタック(登録商標)ス
テップを一定濃度のP(HPMA) で製造されたそれぞれ3種
のコーティングについて4ケ所の異なる表面箇所で測定
した。一定のコーティングには、2−6%厚の変化を検
討し、同一濃度のP(HEMA) で作られた3種のコーティン
グ内の厚さのばらつきは常に10%未満であった。実施
例1及び上記表、並びに本具体例中の全ての後に示す表
に示したようにコーティング厚範囲の測定が可能であっ
た。他のアモルファス有機ポリマー及びコポリマー(全
体的に0.5ミル(0.0127mm) ドローバーギャップを満た
す十分に粘性な溶液でコートした)について、P(HPMA)
乾燥コーティング厚対濃度曲線を用いることは、これら
のポリマーは類似密度を持っているので、相関関係の有
効な拡大である。このように厚さは引用範囲内にあるで
あろう。
【0158】VR サイクル−アップにP(4VPy) 厚の増加
が与える影響をさらに例示すると、P(4VPy) 接着層厚は
一定の厚さ(0.8−1.0μm )のP(HEMA) ブロッキング
層の最上部において規則的に増加した。本実施例のこの
部分に使用されたP(HEMA) は、サイエンティフイックポ
リマープロダクツから入手可能な高分子量のものであ
り、それを低分子量P(HEMA) について上記したようにコ
ーティングし、乾燥した。メタノール中にブロッキング
層溶液を調製する代わりに、ダウアノール(登録商標)
PMを前記のように6重量%で再びコーティング溶媒と
して使用した。ダウケミカルから入手可能なダウアノー
ル(登録商標)PMは、系統的には1−メトキシ−2−
ヒドロキシプロパンと命名されるメチルグリコールであ
る。
【0159】P(4VPy) 接着層は、イソブタノール:イソ
プロパノール混合溶液〔90:10(重量)〕中に調製
し、実施例1に記載したようにしてコーティングし、乾
燥した。乾燥P(4VPy) 厚は、デックタック(登録商標)
で用意したP(HPMA) 検量線から見積もった。1.2重量%
未満及び8.4重量%より大きい濃度については、厚さを
両端で外挿されたデックタック(登録商標)カーブから
見積った。このようにして、P(4VPy) 濃度0.0、0.3、
0.6、1.2、2.5、5.0及び10.0重量%は、下表に示
すように接着層厚見積りに対応する。P(4VPy) 接着層の
正確な厚さは、コーティング濃度とドローバーギャップ
が電気的に有用な帯電−消去ウィンドーに相関する限り
重要ではない。バルク導電性基体〔カーボン含浸テッド
ラー(CIT)〕をこの接着層厚研究では全てのデバイ
スに用いた。本実施例(2つの表)で電気的に試験した
全てのデバイスは、実施例1で記載したようにして調
製、コーティング及び乾燥した電荷発生層と輸送層を含
む。下表の帯電−消去サイクルデータは、200サイク
ルについて環境スキャナを用いて周囲RHで得た。
【0160】
【表4】
【0161】上記表Dのデータは、コーティング溶液濃
度2.5重量%に対応する約0.25μm P(4VPy) で200
サイクル開始内でのVR サイクル−アップを示す。VR
サイクル−アップ(VR(200)−VR(1))は、P(4VPy) 厚
の増加に伴って斬進的に(10から25Vまで)大きく
なる。P(4VPy) 濃度0.3から1.2重量%に対応する0.0
3と1.2μm の間の接着層厚は、有用な接着層厚ウィン
ドーを提供し、剥離しない十分な接着を日常の取扱いに
提供し、そして許容しうる帯電−消去サイクルデータが
得られる。
【0162】200サイクルについて全てのデバイスで
そして12000サイクルについて大部分のデバイスで
維持される初めの電荷受容性は0.8−1.0μm P(HEMA)
正孔ブロッキング層はカーボンを基材とした導電層から
の電荷注入を最小限にすることを示した。他の点では全
て同一のデバイスにおいてブロッキング層が省かれると
カーボンを基材とした導電層はより低いレベル(実施例
1)に帯電する。
【0163】〔実施例3〕 本実施例は、ビニルヒドロキシエステルまたはビニルヒ
ドロキシアミドポリマーブロッキング層の必要性を除く
ための試みにおいて、結合正孔ブロッキング及び接着層
として、P(4VPy) とP(2VPy) (それぞれライレン420
0及び2200としてライリーター&ケミカルから入手
可能)の使用を示す。本実施例は全ての層がドローバー
コーティングされたデバイスセットを第1に、そして次
に全ての層がスプレーコーティングされた第2デバイス
セットを第2に記載する。両デバイスセットともカーボ
ンブラック導電層上に成形加工されたが、第2セットで
は金属導電層(チタン化マイラー)も含み、帯電−消去
電気性能への導電層の影響を評価した。第1デバイスセ
ットの接着/ブロッキング層は下表に示すように調製、
ドローバーコーティング及び乾燥した。
【0164】
【表5】
【0165】a) 導電層及びカーボセットは実施例1
で記載したドローバー法。 b) デックタック(登録商標)測定(実施例2)に基
づく厚さ及び全ての被膜は0.5ミル(0.0127mm) ギャッ
プで成型加工し、標準条件を用いて乾燥した。 c) 結合ポリマー溶液でコーティングした1層の接着
/ブロッキング層被膜。 d) P(2VPy) ブロッキング層上に2種のポリマー溶液
でコートしたP(4VPy) 接着ブロッキング層。 上記の接着/ブロッキング層をコーティング後、電荷発
生層及び輸送層を引き続いてドローバーコーティングし
てデバイスを完成した;調製、コーティング及び乾燥条
件は実施例1に記載したとおりである。
【0166】完成デバイスの帯電−消去電気サイクル
は、12,000サイクルについて周囲サイクルスキャナーを
用い周囲RHで効果を調べた。
【0167】
【表6】
【0168】全4デバイスについて観察したVR サイク
ル−アップは、デバイスIIIb及びIIId(これらは層構造
ポリ(ビニルピリジン)異性体を有することを意図)
は、実際は非常に混合されていた。IIIb及びIIIdにおけ
る当初の層構造は明らかに、両異性の溶媒であるメチレ
ンクロリドから電荷輸送層のコーティング中に広範に混
合する。加うるに、電荷発生層をコーティングするのに
使用したTHFはP(4VPy) 最上部を通って流れ、P(VPy)
2層間及びP(VPy)層とPVK発生層バインダーの間での
中間層混合を促進する下のP(2VPy) を溶解する。P(2VP
y) 異性体はメチレンクロリドとTHFの両方に溶解
し、P(4VPy) 異性体はメチレンクロリドのみに溶解する
ので、より溶解するP(2VPy) は電荷輸送層及び電荷輸送
層にP(4VPy) 異性体より広く移動しやすい。このよう
に、VR サイクル−アップは、電荷活性層での正孔捕獲
P(2VPy) の存在を反映する。
【0169】ビニルヒドロキシエステルまたはビニルヒ
ドロキシアミドポリマーは、混合P(VPy) 異性体ブロッ
キング層デバイス(V0 値は大きい)において導電性層
正孔注入を防止するには必要ではないが、その存在はP
(HEMA) 水酸基に水素を結合するのを介してP(VPy)異性
体にアンカーするのを助ける。このアンカーリングは、
〔P(VPy)異性体の薄層が使用される場合〕、コーティン
グ中に電荷活性層への正孔捕獲P(VPy)移動を減少あるい
は実質的に排除し、そしてVR サイクル−アップを減少
する。P(HEMA) によるP(4VPy) アンカーリング機構は実
施例2で記載したが、P(2VPy) にもあてはまる。しか
し、P(2VPy) とのH−結合はP(4VPy) とよりも立体的に
障害が多いので、アンカーリングの程度は少ないであろ
う。このように、P(2VPy) は溶解性とH−結合を考慮す
るとP(4VPy) よりコーティングの間移動が自由である。
【0170】本実施例の全体にスプレーされた第2デバ
イスセットを次に記載する。カーボセット514Aカー
ボンブラック導電層を実施例1に記載したようにして調
製、マイラーに成形加工し、乾燥した。チタン化マイラ
ーは、E. I. デュポン デ ネモアーから供給された。
これらの基体−導電層を次に混合アルコール溶媒中一方
のP(VPy) 異性体希釈溶液(0.9重量%)で吹き付け塗
した。コハク製クォートびん中P(4VPy) またはP(2VPy)
6.86gをイソブタノール663.6gとイソプロパノー
ル79.6gと混合し、溶液にするために、2−5時間ロ
ールミルにかけてスプレー溶液を調製した。このブロッ
キング層溶液を市販のスプレーガンとビンクスマニファ
クチャーリング製の機器を用いてスプレーした。ビンク
スモデル21自動スプレーガンを42753型レシプロ
ケーター付ビンクススプレーブースモデルBF−4に使
用した。モデル21ガンは63B液体用ノズルと63P
E噴霧用ノズルを装備していた。液体圧は4psi であ
り、スプレー噴霧圧は55psi であった。針の設定は
閉鎖位置から数えて0.75回転そしてスプレーファン角
度は0.50回転であった。スプレーガンは自動モードで
操作し、垂直に置いたマンドレルの頂部から底へスプレ
ー中レシプロケーターを動かした。スプレーするのに基
体−導電層シートを円筒状アルミニウムマンドレル(タ
ーンテーブルに軸を接続)にテープどめし回転した。ブ
ロッキング層溶液をパス間隔1.5分間で2または4回パ
スで回転させながらスプレーした。最後に、マンドレル
からコーティングをはずし、空気対流炉内120℃で5
分間乾燥した。このスプレーしたP(VPy)ブロッキング層
の乾燥厚は測定はしていないが、2回パス層で0.5と1.
5μm の間、4回パスブロッキング層で1.5と2.5μm
の間であると見積もられる。
【0171】発生層混合物を、実施例1に記載したマス
ターバッチ配合物を用いてスプレー成形加工用に調製し
た。1クォートコハク製びん中発生層マスターバッチ2
00gにトルエン258gとTHF258gを加え、こ
の混合物をスプレーコーティングするために3−4時間
磁気的に攪拌した。この分散物(総固体3.65重量%)
を前述のビンクス装置を用いてスプレーした。液体圧は
4psi であり、スプレー噴霧圧は55psi であった。釘
の設定は閉鎖位置から数えて0.75回転であり、スプレ
ーファン角度は0.5回転であった。スプレーガンは自動
モードで操作し、垂直に置いたマンドレルの頂部から底
部へスプレー中レシプロケーターを動かした。基体、導
電層及びブロッキング層から成る部分的に成形されたデ
バイスを、ターンテーブルに軸を接続した円筒状アルミ
ニウムマンドレルにテープどめし、回転した。発生層分
散物をパス間隔1.5分間で3回パスし回転しながらスプ
レーした。最後にコーティングをマンドレルからはず
し、空気対流炉120℃で5分間乾燥した。発生層の乾
燥厚は0.4と2.0μm の間であると見積られた。
【0172】最後に電荷輸送層組成物を調製しスプレー
した。1ガロンアンバーガラスびんに、N,N′−ビス
(3″−メチルフェニル)−〔1,1′−ビスフェニ
ル〕−4,4′−ジアミン88g、ポリカーボネート樹
脂(メルロンM−39、モーベイケミカルから入手可
能)132g、メチレンクロリド2640g及び1,
1,2−トリクロロエタン1760gを入れた。びんを
2日間ロールミルにかけた後、得られた溶液を前述のビ
ンクスマニファクチャー製スプレー装置を用いてスプレ
ー加工するためにサンプリングした。液体圧は8psi で
あり、スプレー霧吹き圧は55psi であった。針の設定
は閉鎖位置から数えて0.75回転であり、スプレーファ
ン角度は0.5回転であった。スプレーガンは自動モード
で操作し、スプレーしている間垂直に置いたマンドレル
の頂部から底部にレシプロケーターを動かした。表面に
最後のコーティングした発生層がある部分的デバイス
を、ターンテーブルに軸を接続した円筒状アルミニウム
マンドレルにテープどめし、回転した。上記の輸送層溶
液をパス間隔1.5分間で5回パスしてスプレーした。最
後に、コーティングをマンドレルからはずし、空気対流
炉内120℃で10分間乾燥した。輸送層の乾燥厚は前
述のデックタック(登録商標)(実施例2)法を用い、
20−30μm の間であることがわかった。
【0173】上記デバイス(基体と2種の市販されてい
るチタン化マイラー基体−導電層組成物を除き、全体的
にスプレーされた)を、周囲スキャアーを用い、周囲R
Hで200サイクル帯電−消去サイクルを行った。電気
サイクル結果は下表の通りである。
【0174】
【表7】
【0175】a) ブロッキング層厚 1.0μm 付近
(1.0±0.3) b) ブロッキング層厚 2.0μm 付近(2.0±0.3) c) V0(1)はコロトロンで最初にデバイスを帯電した
後直接測定した初期表面電圧である。 d) V0(2-5)はデバイスを1、2、3または4サイク
ルコロトロン帯電及び光放電し、それぞれ2回、3回、
4回または5回めのサイクルを帯電後に得られた測定表
面電圧である。 e) V0(200)はデバイスを199サイクルコロトロン
帯電及び放電し、200回のサイクルを帯電後に測定し
た表面電圧である。 f) VR は示した回数のサイクルについてデバイスを
コロトロン帯電及び放電後の残留電圧である。
【0176】これらのカーボンブラック導電層デバイス
におけるP(VPy)ブロッキング層は、ビニルヒドロキシエ
ステルポリマーのみ(IIc及びIId)、ビニルヒドロキ
シエステルポリマーとP(4VPy) 接着層(IIa及びIIb)
及びビニルヒドロキシエステルポリマーなしの混合P(VP
y)異性体(IIIa-IIIb)を含有する他のブロッキング層に
比べ劣ったブロッキング力である。前記の3種のブロッ
キング層の改良されたブロッキング力(実施例1におけ
るブロッキング層なしの同一デバイスに対し高いV0
は、これらの組成物が導電層組成物が発生層及び/また
は輸送層にこれらの層のコーティング中に上がって混合
するのを防止するのにより効果があることを示してい
る。これらの組成物の溶媒バリアー特性は、ブロッキン
グ導電層混合及びその効果、即ちサイクリングでのV0
の減少、に非常に寄与する。P(4VPy) 及びP(2VPy) ブロ
ッキング層のみ(デバイスIIIe、IIIf、IIIh、IIIi)で
は、同一の導電層を有する実施例1のデバイス(ブロッ
キング層なし)で発見されたようにV0 帯電降下を導く
後から適用されるコーティング組成物に対して不十分な
溶媒バリアー特性である。上記デバイスにおける迅速な
(2−5サイクル)V0 サイクル−ダウン(表G)は、
中間層混合とV0 帯電降下のひどさを示す。チタン導電
層デバイス(IIIg及びIIIj)における導電層組成物混合
の可能性がないことが、サイクリングでそれを維持する
より高いV0(1)として電気的に表れる。この金属導電層
上の自然のチタン酸化物ブロッキング層の存在はV0
イクル−ダウンの防止にも寄与する。チタンデバイスで
0サイクル−ダウンしないということは、カーボンブ
ラック導電層が他の点では同一のデバイスにおけるV0
サイクル−ダウンの起因となることを間接的に証明す
る。
【0177】上記表GのデバイスセットにおけるVR
イクル−アップは、導電層組成物に依存しない全てのP
(2VPY ) ブロッキング層デバイス(IIIr−IIIj) で
多く生じる。VRサイクル−アップの最もおこりやすい
原因は、P(2VPy ) の発生層及び/または輸送層へ
の溶媒コーティングの間の容易な移動にある。その結
果、正孔捕獲は、やはりP(2VPy ) を含むドローバ
ーコーティングされたデバイスIIIa− IIId) で観察
されたのと類似のVR サイクル−アップを生じる。P
(4VPy ) ブロッキング層デバイス(IIIe− IIIg)
での大きいVR サイクル−アップがないことは、上部層
のコーティング中に少量のP(4VPy ) が上部層(C
GL,CTL)に移動することを反映している。さら
に、P(4VPy ) は正孔捕獲材料としてP(2VP
y ) ほど有効でなく、移動P(4VPy ) は捕獲部位形
成において移動P(2VPy ) より効果が少さい。従っ
て IIIe− IIIgでのVR サイクル−アップは小さい。
本実施例のデバイスは定常的な成形加工及び電気的試験
操作の間に全く剥離しなかったので、全ての界面での界
面接着は感光体使用を可能にするのに十分である、全体
として、本実施例におけるデバイスの電気的サイクル特
性は、感光体ブロッキング層の2つの重要な所望の特性
を例示する: (1) ブロッキング層は、できるだけ多くの機能(後で
適用されるコーティング組成物に対して保護層として働
き、そこで非金属導電層用の保護コーティングとなる)
を果たすべきである。 (2) ブロッキング層はそれ自体後で適用されるコーテ
ィング組成物に非溶解性であるべきであり、そのために
〔(1) で記載したように〕バリアー特性を維持すること
ができ、そしてブロッキング層材料自体はCGLやCT
Lのコーティング中にCGL及びCTLに移動しない。 本願のビニルヒドロキシエステルまたはビニルヒドロキ
シアミドポリマーブロッキング層の不溶性は密度の高い
分子間水素結合により生じる。
【0178】〔実施例4〕 本実施例では、導電性基体〔カーボン含浸テッドラー
(登録商標)(CIT)〕上のブロッキング層として3
種の異なる分子量のポリ(2−ヒドロキシエチルメタク
リレート)〔P(HEMA)〕の使用を例示する。ポリ
マーは異なる供給先から入手し、極限粘度数によって特
徴づけられる。平均分子量は、標準光散乱法を用いて最
大粘度のポリマーについてのみ測定した。極限粘度数
〔η〕は、4種の異なる濃度1.0,0.67,0.50及び
0.40%g/デシリットルで得られた換算粘度の無限希
釈度からの外挿法によって25℃でメタノール溶液中で
測定した。少量の不溶性ポリマーはポリサイエンスサン
プルからは最初にろ過したが、他の2種のサンプルは総
合的にメタノールに溶解性であった。データを下表に要
約する。
【0179】
【表8】
【0180】極限粘度数0.654のP(HEMA)のガ
ラス転移温度はDSCにより110℃であることがわか
った。この値は、様々なP(HEMA)サンプルにおい
て、残留溶剤の働き及び特定されていない加熱経歴によ
り、かなり減少する。P(HEMA)のガラス転移温度
は、55℃−104℃の間であると報告されている
〔L.R.プロストロム(Brostrom) 、D.L.コーレ
マン(Coleman)、D.E.グレゴニス(Gregonis) 及び
J.D.アンドレード(Andrade)、 Makromol. Chem.迅
速なカラム、1,341−343(1980)〕。
【0181】147.2℃(297°K )−152.8℃
(307°K の間で、濃縮(7−8重量%)DMSO−
6 溶液中極限粘度数0.654のP(HEMA)のNM
R分析(C13) は、ポリマーのタクチシティに関する情
報を提供する。NMRスペクトロメータは、炭素振度数
90.5MHzで5mmQNPプローブで装備したブルーカー
AM360であった。C13スペクトラムは、獲得間が3
0称リサイクル遅延する逆格子デカップリングを用いて
得ることができ、全ての炭素原子核の定量関分が得られ
る。α−メチルカーボン信号域をモニタリングすること
は、以下のトリアド(triad)繰り返し単位体積%を示し
た:67%シンジオタクチック、30%ヘテロタクチッ
ク及び3%アイソタクチック。P(HEMA)タクチシ
ティを予めC13−NMRを用いて調べた。ここでラジカ
ル溶液重合で得られたP(HEMA)は類似するトリア
ド分布を有した、即ち、58%シンジオタクチック、4
2%ヘテロタクチック、<1%アイソタクチックであっ
た〔D.E.グレゴニーズ(Gregonis) 、G.A.ラッ
セル(Russell)、J.D.アンドレード(Andrade) 及
びA.C.デバイサー(deVisser) 、Polymer 19
1729−1284(1978)〕。このように極限粘
度数0.654のP(HEMA)のトリアド体積はラジカ
ル重合ポリマーの典型である。
【0182】低分子量P(HEMA)を、チェコスロバ
キア特許に開示されている方法の変法〔Chem. Abstr.
(2) :14003j(1982); Czech CS200433
B, NO. 30,1982〕を用いて調製した。ここで溶
媒をメチルセロソルブから第3ブチルアルコールに変
え、架橋剤を省いた。より詳しくは、500ミリリット
ル3叉丸底フラスコ(還流冷却器、アルゴン導入口及び
出口、熱源として加熱マントル及び磁気攪拌機として磁
気攪拌フットボール付)に、2ヒドロキシエチルメタク
リレートまたはHEMAモノマーであるモロマー(Mhor
omer) BM−920(ロームテクから入手可能)40g
を入れた。モノマーを最初にデヒビット(DeHibit)10
0(ポリサイエンス)イオン交換樹脂カラム(24″×
1″直径カラム)を3回通し、200ppm メチルヒドロ
キノン重合阻害剤を除いた。フラスコに第3ブチルアル
コール(純度99.5%、アルドリッチケミカルから入手
可能)240g及びAIBN(ポリサイエンス)重合開
始剤0.159g(モノマー使用量に対し0.3モル%)を
加えた。溶液を磁気的に攪拌し、重合中溶液にアルゴン
ガスを通した。溶液を緩やかに16時間還流加熱(79
℃)し、周囲温度に冷却し、粘性ポリマー溶液を試薬級
トルエン3.2リットルに凝固させた。凝固ポリマーを粗
濾過ろう斗で真空ろ過し、ろ過したポリマーを室温で試
薬級テトラヒドロフラン300ミリリットルでスラリー
化した。スラリー化ポリマーを前のとおりにろ過し、6
0℃、0.5mmHgでマイラーシート上で1晩真空乾燥し
た。乾燥した無色のポリマーを31.25g製造し(理論
値の78.1%)、これは極限粘度数0.272デシリット
ル/gであった。この材料は更に精製することなくドロ
ーバーコーティングブロッキング層に用いた。
【0183】表Iに示した最初の電気的データにおい
て、低分子量P(HEMA)は中程度の分子量P(HE
MA)を比較した、〔η〕=0.272対0.506デシリ
ットル/g。全てのデバイスを、バルク導電性基体、カ
ーボン含浸テッドラー(登録商標)(CIT)上にドロ
ーバー(0.5ミル(0.0127mm)ギャップ)コーティングし
た。ブロッキング層組成物は下記のような配合である。
【0184】
【表9】
【0185】標準条件(実施例2)でコーティングした
ブロッキング層を乾燥後、デバイスIVc及びIVdを実施
例1及び2に記載したようにP(4VPy ) 0.6重量%
溶液で更にコーティングした電荷発生層と輸送層を実施
例1に記載したようにして調製、コーティング、乾燥を
行った。デバイスを下表に示したようにして電気的に帯
電−消去評価を周囲RH(12%)及び低RH(<5
%)で行った。
【0186】
【表10】
【0187】a)周囲サイクルスキャナーで得たデー
タ。 b)環境サイクルスキャナーで得たデータ。 V0(1)データ及びV0(200)データはRH範囲<5−29
%、厚さ0.5から1.2μm の範囲でのP(HEMA)サ
ンプルのブロック正孔注入を示すことによって表面電荷
維持を示した。非常に低い湿度(<5%RH)はVR
び200サイクルのVR サイクル−アップでのわずかな
上昇をおこした。4−PVPy 接着層の存在は、サイク
ル電気特性にほとんど影響を持たないようにみえる。
【0188】下記の表Lの第 2セットの帯電−消去電気
データでは、高分子量〔η〕=0.654デシリットル/
g)P(HEMA)を同じバルク導電性基体、カーボン
含浸テッドラー(CIT)上にドローバー成形加工した
ブロッキング層として評価した。1.8,3.6,6.0及び
14.4重量%のP(HEMA)メタノール溶液を、本実
施例の最初のデータで記載したように調製、コーティン
グ及び乾燥した。P(4VPy ) 接着層を使用する場合
には、0.6重量%コーティング溶液について実施例1及
び2に記載したようにして調製、コーティング及び乾燥
した。電荷発生層及び電荷輸送層は実施例1に記載した
ようにして調製、コーティング及び乾燥した。デバイス
を周囲サイクルスキャナーを用い周囲(27%)及び低
(<5%)相対湿度で評価した。下表において0.06μ
m P(4VPy ) 接着層(実施例2に記載したように厚
さを反映)の有無は、 yesまたはnoで示した。ブロッキ
ング層厚は、実施例2のデックタック配布の検量線から
得た。
【0189】
【表11】
【0190】上記表K中、全てのデバイスは、高いV
0(1)とV0(4K) からのその維持によって証明されるよう
に正孔注入を十分に阻止した。ブロッキング層厚の範囲
が0.2〜1.0μm では、一般に許容しるうVR 及びVR
サイクル−アップが、低及び周囲RHの両方でこの40
00サイクル試験で観察された。しかし、用いられた特
定の導電層組成物によっては、約2μm より大きいブロ
ッキング層の厚さは接着層の有無で周囲及び低RHで完
全な光放電(VR サイクル−アップ)を可能にするには
あまりに厚すぎる。0.2〜1.0μm 範囲の接着層の存在
は、4,000サイクルで、かなりなVR サイクル−アッ
プが低RH(35から70V)でおこる1.0μm を除い
て電気的に無視しうる。このようにP(4VPy ) 接着
層を用いる場合、0.2−0.7μm のブロッキング層厚が
低RHでのVR 上昇がかなり小さいという点で好まし
い。このように上記3種の全てのP(HEMA)サンプ
ルは化学的に不活性なCIT導電層上に有用な正孔ブロ
ッキング力を提供する。
【0191】〔実施例5〕 本実施例で示されているのは、導電性ポリピロールを基
剤としたポリマー(ポラロイドからのICP−117)
上にブロッキング層として2種の異なる分子量のP(H
EMA)の使用である。導電性ポリマー分散物は、絶縁
性ポリマー基体、マイラーまたはテッドラー(登録商
標)上に実施例1で記載したようにして調製し、ドロー
バーコーティングし、乾燥した。P(HEMA)ブロッ
キング層溶液は、他の点で同一でない限り0.5ミル(0.
0127mm) バーギャップを用いて3種のコーティング溶液
で調製した。メタノール及びダウアノールPM被覆P
(HEMA)ブロッキング層の厚さは、P(HEMA)
について実施例2で記載した乾燥厚/濃度曲線から予測
した。t−ブタノール被覆P(HEMA)ブロッキング
層については、最も大きい分子量のP(HEMA)はよ
り高い周囲濃度でこの特定溶媒に溶解できなかったの
で、2重量%溶液でコーティングした。t−ブタノール
でコーティングされるP(HEMA)層が0.2−0.4μ
m と見積られるブロッキング層厚を増すのにより大きい
ドローバーギャップを用いた。標準乾燥条件(実施例
2)を被覆溶媒に関係なく全てのP(HEMA)ブロッ
キング層について用いた。メタノールまたはダウアノー
ルPM中P(HEMA)ブロッキング層組成物を、それ
ぞれ0.5から0.7及び0.8から1.0μm の予測乾燥厚を
得るために3.6及び6.0重量%に調製した。P(4VP
y ) 接着層は使用しなかったので、次に電荷発売層及び
輸送層を、実施例1に記載したようにして調製、ドロー
バーコーティング及び乾燥した。全ての帯電−消去サイ
クルデータはサイクルスキャナーを用い、周囲RH(1
2−29%)で得、下記表Lに示した。
【0192】
【表12】
【0193】a)3,500連続サイクル b)1ミル(0.0254mm) バーギャップを使用する2重量
パーセント溶液 c)1.5ミル(0.0381mm) バーギャップを使用する2重
量パーセント溶液 d)このデバイスには環境サイクルスキャナーを用い、
そして表中の他のデバイスには環境サイクルデバイスを
使用。 上記の帯電−消失サイクルデータをよく調べると、IC
P−117導電層上に適用するとP(HEMA)分子量
とブロッキング層厚に関連するいくつかの事実が明らか
である。両方の厚さでの低分子量P(HEMA)ブロッ
キング層は、ゼログラフィー感光体で所望のV0 値を得
るには不十分である。低分子量P(HEMA)は貧弱な
溶媒バリアーなので、CGL及びCTLをコーティング
するのに使用される溶媒は導電層組成物と容易に混合
し、それらのCGL及び/またはCTLへの移動がおこ
る。ひとたび初期の部位から移動した導電層組成物は帯
電を消失させ、低V0 をひきおこす(デバイスVa及び
Vb)。高分子量P(HEMA)ブロッキング層0.8−
1.0μm を含むデバイス(Vd及びVg)は、高分子量
P(HEMA)故に強力な溶媒ばりあー特性を確保しゼ
ログラフィーに有用な高いV0 値を与える。しかし、デ
バイス(Vc及びVh)中で高分子量P(HEMA)の
厚さが0.5−0.7μm に減ると、V0 値は、例え高分子
量P(HEMA)ブロッキング層であっても、約0.8μ
m 未満では、化学的に不活性なCIT導電層上でバリア
ーとして有効性に比べICP−177導電層上の溶媒バ
リアーとしては協力ではないことを示して減少する。こ
の導電層組成物は後で使用される有機コーティング溶媒
に相当に親和性を有する。これは、高分子量P(HEM
A)ブロッキング層への非常に低いレベルの有機溶媒浸
透でかなりの混合と電荷を使いつくす導電層組成物の上
部移動をおこすには十分であることを暗示する。反対
に、高分子量P(HEMA)0.2μm でも、溶媒不活性
バルク導電性基体、カーボン含浸テッドラー(登録商
標)(CIT)上にコーティングされれば4,000サイ
クルの間高V0 値を達成し維持するのに十分である(実
施例4中 IVe及び IVf)。このように、導電層が溶媒に
不活性であればある程、ブロッキング層の溶媒バリアー
要求は小さくなり、薄いブロッキング層の使用が可能で
ある。十分な厚さ(0.8−1.0μm )のブロッキング層
がコーティングされると、ブロッキング層コーティング
溶媒の電気的特性に対する影響がないことがわかる。こ
れは、両方のコーティング溶媒(ダウアノールPM及び
メタノール)が対流炉内での乾燥に十分に除去され、2
種の溶媒はP(HEMA)のバルク形態学の変化によっ
て分子間H−結合密度を変えないことを示唆する。t−
ブタノール/P(HEMA)溶液では薄いブロッキング
層がコーティングできるだけなので、電気的特性に対す
る溶媒の効果は、すでに議論した導電層混合問題で隠さ
れるだろう。
【0194】デバイスVc及びVhにおけるVR サイク
ル−アップは、電荷捕獲機構は電荷消失機構と同時に作
動することを暗示する。捕獲機構の正確な原因は不明で
あるが。ある程度のP(HEMA)が、CGL及び/ま
たはCTLにそれらのコーティング中に移動することは
可能である。導電層成分がP(HEMA)ブロッキング
層を通しCGL及びCTLに移動すると、P(HEM
A)のいく分かは根絶されこれらの層にもって行かれ、
電荷捕獲と観察されるVR サイクル−アップとなる。
【0195】〔実施例6〕 本実施例の初めのデバイスセットはカーボンを基剤とし
た架橋導電層カーボセット514上にブロッキング層と
してポリ(2−ヒドロキシプロピルメタクリレート)
〔P(HEMA)〕の使用を例示する。テッドラー(登
録商標)基体を4種のデバイスに使用した。ここでデバ
イスVIa,VIdは吹き付け塗した導電層を、デバイスVI
cはドローバーコーティング導電層を含む。カーボセッ
ト514Aを実施例1に記載したようにして調製、コー
ティングそして乾燥した。P(HEMA)(ポリサイエ
ンスから入手可能)ブロッキング層をイソブタノール/
イソプロパノール混合溶媒90/10重量%を用いてそ
れぞれ0.1−0.3,0.5−0.7,0.8−1.0及び1.3−
1.5μm の乾燥コーティング厚を与える1.2,3.6,6.
0及び8.4重量%濃度でコーティング(ドローバーギャ
ップ0.5ミル)した。厚さは実施例2でこのポリマーに
ついて得た乾燥厚/濃度曲線から予測した。標準条件に
(実施例2)でブロッキング層を乾燥後、P(4VP
y ) 接着層0.4−0.6重量%溶液からコーティング(ド
ローバーギャップ0.5ミル)した。接着層溶媒組成物及
び乾燥条件はブロッキング層のコーティングに使用した
のと同じである。電荷発生層と輸送層を実施例1に記載
したようにして連続して適用した。帯電−消去電気サイ
クルデータは、12,000サイクルについて周囲RH(38
−40%)で周囲サイクルスキャナーを用いて得た。1
例においては、12,000サイクルについて試験したデバイ
スを暗所に少なくとも1晩放置し、それから連続 45,00
0 サイクルについて再試験した。
【0196】
【表13】
【0197】上記ブロッキング層厚範囲内で得られたV
0 (1及び12,000) は、光放電の前に周囲RHで導電層
からの正電荷(正孔)注入のかなりのブロッキングを示
している。実施例1において、ブロッキング層及び接着
層なしの同様なデバイスはほんの460VのV0 帯電で
あった。薄いブロッキング層を有するデバイスVIaはV
R サイクル−アップを示した唯一のデバイスであった。
カーボセット514導電層はCIT導電層より化学的に
不活性であるので、カーボセット514導電層から薄い
ブロッキング層への導電性成分の混合は水酸基−水酸基
H−結合を開裂し、光放電電子捕獲をひきおこし、継続
的なゼログラフィーサイクルがおこり、かくしてVR
イクル−アップが生じる。中間層混合を阻止するのに十
分な厚さのブロッキング層を有するデバイスVIcは、は
じめの12,000サイクルでフラットであり、後の45,000帯
電−消去サイクル試験では33%のV0 サイクル−ダウ
ンを示した。この大きさのV0 サイクル−ダウンは、非
換気スキャナーチャンバー内で蓄積したオゾンにより特
に厳しいサイクルでは一般的である。24時間の暗所放
置で、V0 は45,000サイクル試験の前に測定されたのと
ほぼ同じ電圧(V0 )に回復した。
【0198】本実施例の第2のデバイスセットでは、頭
−頭組成物を周囲及び低RH帯電−消去サイクル条件で
同一厚さ(0.8−1.0μm )のP(HEMA)とP(H
EMA)ブロッキング層間で作成した。オレフィン系プ
ライマー(LE 16610、レッドスポット.ペイント&バー
ニッシュから入手可能)中に分散したカーボンブラック
により導電層を調製した。テッドラー(登録商標)上の
LE 16610 導電層を、実施例1に記載するようにして調
製、スプレーそして乾燥した。P(HPMA)及びP
(HEMA)(〔η〕=0.506)はポリサイエンスか
ら入手し、t−ブタノール中6重量%溶液を用い、スプ
レーされた導電層上にドローバーコーティング(0.5ミ
ルギャップ)した。中間粘度のP(HEMA)は、高粘
度P(HEMA)とは異なり、6重量%でt−ブタノー
ルに溶解した。ブロッキング層に標準乾燥条件を施した
後、P(4VPy ) 接着層組成物を本実施例で前に記載
したように、調製し、コーティングし、乾燥した。ブロ
ッキング層及び接着層の厚さはともに、前に記載した乾
燥厚/濃度曲線(実施例2)から見積った。電荷発生層
及び輸送層は実施例1で記載したようにして調整し、コ
ーティングし乾燥した。デバイスを200サイクルにつ
いて周囲サイクルスキャナーで試験した。
【0199】
【表14】
【0200】このデバイスセットでは、P(HPMA)
もP(HEMA)も、周囲及び低RHの両方で200サ
イクル中十分な正孔ブロッキング力を提供する。V0
は、実施例1のブロッキング層なしの同じデバイスより
かなり高くとどまる。しかし、P(HPMA)ブロッキ
ング層デバイスは、低RH試験条件で相当なVR サイク
ル−アップを発生させる。同じデバイスを試験した時周
囲RHで生じなかったので、このVR サイクル−アップ
はおそらく中間層混合には関係がない。VR サイクル−
アップはP(HPMA)対P(HEMA)ブロッキング
層中の水レベルの減少におそらく関係している。P(H
EMA)対P(HPMA)中の捕獲水が多ければ多い程
(多量ではない)、ブリッジング疎水性(低H−結合密
度領域)ギャップによる水素結合密度の強化を助ける。
P(HEMA)中の水酸基H−結合密度は、P(HPM
A)中のH−結合部位のいくつかのメチル基立体障害が
あるために、P(HPMA)中の密度よりおそらく大き
い。多分、P(HEMA)のより多い水とより高い密度
のH−結合の組合せは、大きい電子捕獲なしに比較的厚
いブロッキング層を通って光放電電子の輸送経路の抵抗
を小さくする。このように、VR はP(HEMA)ブロ
ッキング層中の低RHで低く維持される。
【0201】〔実施例7〕 本発明は、2つの異なる分子量と3種の厚さでのP(H
EMA)ブロッキング層の使用を例示する。ブロッキン
グ層を、実施例1に記載したようにして調製しそして
(テッドラー(登録商標)基本に)スプレーし、乾燥し
た LE 16610 カーボンブラック導電層にドローバーコー
ティングした。加えて、3種の高分子量P(HEMA)
デバイスをグルタールアルデヒド(ブロッキング層をド
ローバーコーティングする直前に25重量%水溶液とし
て添加)で架橋した。溶媒蒸発後、空気対流炉で120
℃、1時間コーティングを乾燥している間に架橋が進行
した。ブロッキング層コーティング溶液中P(HEM
A)くり返し単位に対するグルタールアルデヒドの負荷
モル比は1:3に一定に保たれた。グルタールアルデヒ
ド分子中の各アルデヒド基は、アセタール結合の形成を
介して2個のP(HEMA)ヒドロキシル基を架橋する
ことができる。120℃での同時脱水は酸触媒の存在無
で架橋反応を引き起こした。架橋コーティング(ガラス
スライドからかき集めた)がダウアノールPM中に全く
不溶であった別々の実験において、架橋は上記化学量論
と硬化条件でおこることが確認された。P(HEMA)
ブロッキング層をメタノールとダウアノールPM中3.6
及び6.0重量%、そしてt−ブタノール中2重量%で調
製した。架橋剤を加えなかった場合は標準乾燥条件が使
用された。これらのデバイスにはポリ(4−ビニルピリ
ジン)接着層がコーティングされなかったので、電荷発
生層と輸送層は実施例1で記載したようにして適用し
た。デバイスを示したサイクルスキャナーを用い、周囲
RH(12−21%)で200サイクルについて帯電−
消去サイクルを行った。
【0202】
【表15】
【0203】a)1.0ミリモル(0.0254mm) バーギャッ
プを用いる2重量%溶液 b)1.5ミル(0.0381mm)バーギャップを用いる2重量%
溶液 c)環境サイクルスキャナーを使用;他の全てのデバイ
スは周囲サイクルスキャナーで試験 低極限粘度数〔η〕P(HEMA)は、両方の厚さで高
粘性材料より明らかに劣る。 LE 16610 導電層上に形成
したこのデバイスにおける低分子量P(HEMA)ブロ
ッキング層について得られた電気的な結果は、他の全て
の層が同じであってポリピロール導電層上に得られた結
果と類似している(デバイスVa 及びVb とVIIa及びVI
Ibと比較されたい)。実施例5において議論した中間層
混合効果による電荷消失(低V0 )機構はここにも適用
される。本実施例において、中間層混合の証拠はもっと
ゆるがしがたいものである。デバイスVIIa及びVIIbにお
いて、V0 値は、ブロッキング層がない同じデバイスの
0 (実施例1)より小さい。この結果は発生層及び/
または輸送層がもっと暗導電性になることを要求し、 L
E 16610 導電層から電気的にかなりな量の導電材料が移
動し、上部2層のコーティング中にそれらに混合したこ
との強力な証明を提供する。
【0204】グルタールアルデヒド架橋の効果は、正孔
ブロッキングポリマーとして高分子量P(HEMA)を
使用ずする時、より薄い(0.5−0.7対0.8−1.0μm
)ブロッキング層デバイスにおいて顕著である。架橋
デバイスVIIcは、架橋されていないその姉妹デバイス
(VIId)より155V高く帯電する。架橋P(HEM
A)ブロッキング層は、バリアー層としてよく機能し得
るし、 LE 16610 導電層成分の発生層及び輸送層へのそ
れらの層コーティング中の移動及び混合をより効果的に
阻止する。加えるに、P(HEMA)ブロッキング層を
架橋することは、正孔捕獲P(HEMA)が架橋ブロッ
キング層内の決まった所に固定されて留まるので、VR
サイクル−アップを減少させる。このように、架橋P
(HEMA)層自体が原始的に捕獲とVR サイクル−ア
ップの原因であるある程度の導電性材料移動をかなり減
少させるので、P(HEMA)は導電性材料によって上
に運ばれることはない。高分子量P(HEMA)ブロッ
キング層厚が0.8−1.0μm に増加すると、架橋のため
に電気的効果(VIIe対VIIfまたはVIIi)はわからなくな
る。増加P(HEMA)ブロッキング層厚のみで、十分
に溶媒抵抗性及び(混合に対する)バリアー特性を付与
し、厚いブロッキング層ではP(HEMA)架橋を不必
要にする。
【0205】0.5−0.7μm 厚の未架橋高分子量P(H
EMA)ブロッキング層を含むデバイス(VIId及びVII
h)は、VR サイクル−アップにおいてかなり異なる。V
IIh対VIIdについての大きなVR サイクル−アップは、
ブロッキング層コーティング溶媒における(メタノール
から)より有機性のダウアノールPMへの変化が少なく
とも、幾分、捕獲とVR サイクル−アップに寄与してい
ることを示唆している。プロピレングリコールメチルエ
ーテル(ダウアノールPM)溶媒は、 LE 16610 導電層
成分を浸透、しゃ絶するにはメタノールより有効であ
る。この溶媒に誘発される導電層成分のブロッキング層
への移動は中断され、ブロッキング層における水酸基−
水酸基水素結合密度を減少させる。従って、低密度水酸
基−水酸基H−結合域により電子捕獲部位が生じ、そし
てこれはより大きいVR サイクル−アップの結果とな
る。幸いに、より厚い未架橋高分子量P(HEMA)ブ
ロッキング層デバイス(VIIf及びVIIi) では、この混合
現象の大きさ(及び得られるVR サイクル−アップ)は
どのブロッキング層コーティング溶媒が使われるのに関
係なく減少する。
【0206】同一のデバイスVIIdとVIIhはV0 において
著しく異なる(340V)。2種のデバイスにおいて配
合物変動だけがブロッキング層における変化であるの
で、この変化がV0 減少に幾分関与しているにちがいな
い。低沸点メタノールキャストコーティングはその溶媒
を明らかに早く失うので、不十分なポリマー流のために
薄い部分と厚い部分ができる。このような不均一な薄い
部分は導電層から正孔注入の主要部になる。しかし、0.
2μm メタノールキャストP(HEMA)ブロッキング
層がカーボン含浸テッドラー(登録商標)バルク導電性
基体上で正孔注入をブロックするのに十分な厚さである
ので(実施例4)、ブロッキング層の薄さは低V0 につ
いての十分な説明ではない。導電層垂直突起上/または
周囲に載せられた薄いブロッキング層の組み合せ(両層
とも厚さは不均一である)は、V0 低下に関与する界面
部位の最も完全な物理的像を提供する。このように、ブ
ロッキング層−導電層の配合相互依存は、厚い高分子量
P(HEMA)ブロッキング層が用いられる場合(デバ
イスVIIf及びVIIi)の除き、V0 &VR を強くコントロ
ールする。次にメタノールコーティングされたブロッキ
ング層における不均一な薄い部分でさえも LE 16610 導
電層からの正孔注入をブロックするには十分な厚さなの
で、V0 に対するコーティング溶媒効果は消失する。こ
のように、ブロッキング層としての厚いP(HEMA)
コーティングの使用は、帯電−消去電気特性の不均一な
コーティング厚の悪影響をかなり排除する。
【0207】t−ブタノールコーティングP(HEM
A)ブロッキング層によって示される低帯電レベルは、
実施例5で記載したようにt−ブタノール中の高分子量
P(HEMA)溶解性限界(2重量%)のため、存在し
なければならない全体的に薄いブロッキング層の存在を
示唆している。このように、たとえ厚さが均一であった
としても、かなり薄いt−ブタノールコーティングP
(HEMA)ブロッキング層は、 LE 16610 導電層から
の電荷注入に対して多孔性である。
【0208】〔実施例8〕 本実施例は、強い注入結合剤不含のクーポラスヨウ化物
導電層上に様々な厚さのビニルヒドロキシエステルポリ
マーブロッキング層としてP(HEMA)とP(HPM
A)の使用を例示する。本実施例の全てのデバイスの導
電層は実施例1で記載したようにテッドラー(登録商
標)基体上にドローバーコーティングした。P(HPM
A)(ポリサイエンスから入手可能)を、イソブタノー
ル/イソプロパノール90/10(重量比)中3.6及び
6.0重量%でコーティングし(0.5ミルドローバーギャ
ップ)、下表の厚さを得た。中間粘度のP(HEMA)
(〔η〕=0.506)を0.5及び5.0ミルドローバーギ
ャップを用いる6及び10重量%メタノール溶液により
コーティングし、それぞれ0.8−1.0及び8.5μm のブ
ロッキング層を得た。非常に厚いP(HEMA)ブロッ
キング層は、直接デックタック(登録商標)針で測定
し、他の厚さは実施例2で記載したようにしてP(HP
MA)用に用意した乾燥厚−濃度曲線から見積った。非
常に薄い(0.4−0.6重量%〜0.06μm )P(4VP
y )接着層をドローバーコーティングし(0.5ミルバー
ギャップ)、先の実施例で記載したようにして乾燥し
た。次に電荷発生層及び輸送層を実施例1に記載したよ
うにして設けた。デバイスを、周囲RHで1,450 または
12,000 サイクルについて周囲サイクルスキャナーを用
いサイクルした。
【0209】
【表16】
【0210】P(HPMA)及びP(HEMA)ブロッ
キング層はともに電気的に重要な正孔ブロッキング力に
寄与する。実施例1におけるブロッキング層のない同一
のクーポラスヨウ化物導電層デバイスは90Vだけの帯
電であり、本実施例のデバイスで使用されたブロッキン
グ層はかなり電荷注入を阻止することを示している。非
常に薄いP(HEMA)ブロッキング層デバイスVIIId
は、サイクル開始時に非常に小さなVR であり、12,000
サイクルでわずか174Vまでである。8.5μm P(H
EMA)ブロッキング層について観察された比較的小さ
いVR サイクル−アップレブルは、P(HEMA)中の
自然発生量の電子捕獲部位は、本実施例で使用された他
のもっと薄いブロッキング層に対して少なく、P(HE
MA)は正孔捕獲がおこりうるCGL及びCTLに移動
しにくいことを示唆している。他の正孔ブロッキング層
ポリマーに対してP(HEMA)の低い移動傾向は、メ
チレンクロドリ、テトラヒドロフラン及びトルエンなど
のよく使用される有機コーティング溶媒へのP(HEM
A)不溶性による。これらのビニルヒドロキシエステル
またはビニルヒドロキシアミドポリマーブロッキング層
中の電子捕獲部位量は、切断された水素結合密度領域
(疎水性領域)の量及び/またはゼログラフィー放電中
の絶縁破壊の異なる値に非常に関係する。
【0211】高分子量P(HEMA)(〔η〕=0.65
4)を含むブロッキング層は、本実施例で記載したよう
にして調製した強力な注入CuI導電層についても帯電
−消去を評価した。P(HEMA)ブロッキング層を、
下表に示したようにダウアノールPM及びt−ブタノー
ル中標準3.6,6.0及び2.0重量%を用いてコーティン
グした。さらに、2種のデバイスはP(HEMA)繰り
返し単位対グルタルアルデヒドのモル比が約3:1であ
るグルタルアルデヒド架橋P(HEMA)を含むブロッ
キング層を含む。これらのデバイスには接着層は設けら
れていないので、次に電荷発生層及び輸送層を実施例1
に記載したようにして設けた。
【0212】
【表17】
【0213】a)P(HEMA)0.2g,t−ブチルア
ルコール9.8g及び25重量%グルタールアルデヒド水
溶液0.21g、120℃で1時間乾燥。 b)P(HEMA)0.6g、ダウアノールPM9.4g及
び25重量%グルタールアルデヒド水溶液0.62g、1
20℃で1時間乾燥。 c)通常の0.5ミルバーギャップに代わり1ミルバーギ
ャップを使用。 d)周囲サイクルスキャナーを使用。 e)環境サイクルスキャナーを使用。 ブロッキング層のない同じクーポラスヨウ化物デバイス
(実施例1)について得られた帯電レベル90Vと比較
すると、上記全てのデバイスは明らかによる帯電しそし
て200サイクルの間その帯電レベルを維持する。たと
え薄くても(0.2−0.4μm )、高分子量P(HEM
A)ブロッキング層は電気的によくない電荷注入を阻止
し、ゼログラフィーに有用な電気特性を与える。架橋P
(HEMA)ブロッキング層はサイクル特性を改良しな
い。このような薄い高分子量P(HEMA)ブロッキン
グ層が、強力な注入CuI導電層上で正孔注入をブロッ
クするという事実は、薄いCuI導電層は、もしあった
としても非常に小さい垂直突起を有することを示唆す
る。CuI導電層は非常に薄い(200−100オング
ストローム)ので、該導電層は小さな厚さばらつきをも
つのが理にかなっている。上記デバイスにおけるVR
イクル−アップがないことは、無機CuIと後で適用さ
れる有機コーティング組成物間の不相溶性を証明する。
このようにCuI導電層混合及び移動は電気的に重要で
はない。
【0214】〔実施例9〕 本実施例では、HEMA及び4−VPy 由来の3種の異
なるコポリマー組成物の調製及びブロッキング層使用を
例示する。3種のコポリマーは以下の一般的方法により
調製した。
【0215】2種のモノマーは、個別に実施例4で記載
したように初めにデーヒビット100カラムを3回通過
させ、ヒドロキノンを基材とする重合阻止剤を除去し
た。精製モノマー、t−ブチルアルコール溶媒及びAI
BN重合開始剤(装填総モノマーに対し0.3モル%)を
実施例4に記載した容器及びアクセサリーに装填した。
重合溶液を磁気的に攪拌し、重合中アルゴンガスを溶液
に通じた。最後に、得られた溶液を実施例4に記載のよ
うな凝固し、ろ過し、洗浄し、乾燥した。以下の表は調
製した3種のコポリマーについての重合装填、条件及び
組成結果を示す。
【0216】
【表18】
【0217】最終的なコポリマー組成は、DMSO−d
6 溶液(5重量%)を用いるブルカーWP−80機器に
より周囲温度で得た1H-NMRスペクトルから決定した。積
算正常ピリジン環水素シグナルを積算P(HEMA)水
酸基水素シグナルと比較し、上の表中に組成値を記載し
た。3種の全てのコポリマーは、1重量%の濃度で、ト
ルエン、テトラヒドロフラン、及びメチレンクロリドに
溶解せず、P(HEMA)自体のように、これらのポリ
マーは、デバイスの成形を完成するのに必要な後で使用
される溶媒に対してバルク溶媒バリアーを形成する。
【0218】正孔ブロッキングP(HEMA)繰り返し
単位及びP(4VPy ) 接着性繰り返し単位由来のコポ
リマーを用いる動機は、1層内で2つの特性(ブロッキ
ング及び接着)を組み合わせ、非金属導電層上のこれら
のデバイスにおいて別な接着層をコーティングする必要
性を排除することであった。結果的には、別なP(4V
y ) 接着層をコーティングしなかった。バルク導電性
基体〔カーボン含浸テッドラー(登録商標)、(CI
T)〕を導電層として用いた。3種のコポリマーを6重
量%t−ブタノール溶液としてコーティング(ドローバ
ーギャップ0.5ミル)し、標準条件で乾燥後0.8−1.0
μm 厚のブロッキング層を得た。更に、64:36組成
のコポリマーを2.0及び3.6重量%t−ブタノール溶液
としてコーティングし、0.2−0.4及び0.5−0.7μm
ブロッキング層を得た。ブロッキング層厚は、前に記載
した(実施例2)P(HPMA)について用意した乾燥
厚−濃度曲線から見積もった。次に電荷発生層と輸送層
を実施例1で記載したようにして設け、帯電−消去サイ
クルデータを周囲スキャナーを用い、周囲RHで得た。
【0219】
【表19】
【0220】上表の0.8μm ブロッキング層データの試
験は、コポリマー中のP(4VPy ) 繰り返し単位含有
量の増加に伴い、VR(200)の安定した増加(65〜75
〜90V)を示している。コポリマーのP(4VPy )
繰り返し単位中の塩基性窒素が、P(HEMA)ホモポ
リマー中に通常見られる高密度分子間水酸基−水酸基水
素結合を切断する可能性が高い。この高密度水酸基−水
酸基H−結合相互作用は、構造的にH−結合水に似てお
り、多分少量のH−結合水とともに、比較的厚いブロッ
キング層内を光放電電子が移動するのを助けるのであろ
う。しかし、水酸基−水酸基H−結合密度がコポリマー
中の大量のP(4VPy ) 繰り返し単位によって切断さ
れると、他の水素結合構造は、ブロッキング層の全厚さ
中を光放電電子を輸送するのに水酸基−水酸基H−結合
構造として有効でないという結果になる。その結果、よ
り多くの光放電電子捕獲部位が電子を捕獲する所に生
じ、捕獲はVR サイクル−アップとして表われる。
【0221】コポリマー中の増加したP(4VPy ) 含
量によるVR サイクル−アップの増加の代わりのあるい
は同様な機構は、CGL及び/またはCTLのコーティ
ング中にブロッキング層コポリマーの発生層への移動を
ひきおこす。ホモポリマーP(4VPy ) はCGLコー
ティング溶媒、メチレンクロリドに可溶なので、コポリ
マー中のP(4VPy ) 含量が多くなると移動が多くな
ると考えられる。従って、P(4VPy ) 含量の最も大
きいコポリマー(40:60コポリマー)は、CGL及
び/またはCTLのコーティング中のCGL及びCTL
への移動を最もおこし易い。3種のコポリマーはメチレ
ンクロリド中に1重量%のレベルで溶解できなかった
が、低有限コポリマー濃度は溶解し、そして移動する。
非常に低いポリマー溶解性と移動レベル(ppm )はVR
サイクル−アップとして発生層内に電気的に相当な正孔
捕獲をおこすのに十分である。さらに上表を検討する
と、最も薄い0.2−0.4μm ブロッキング層でさえ溶解
抵抗性CIT導電層上に良好な正孔注入ブロッキングを
提供する(ブロッキング層なしの実施例1の同じデバイ
スと比較して)。CIT上に100%P(HEMA)ブ
ロッキング層を含むデバイス(実施例4)で周囲及び低
RHの両方で同様の結果がみられた。
【0222】本実施例の2番目の電気的なデータセット
は、CIT導電層上に64:36コポリマーの3種類の
厚さのブロッキング層を含むデバイスの帯電−消去サイ
クルについて記載する。t−ブタノール中3種の濃度の
64:36コポリマー(1.8,3.6及び14.4重量%)
をドローバーコーティング(0.5ミルギャップ)し、見
積り厚0.2−0.4,0.5−0.7及び2.0−2.4μm のブ
ロッキング層を得た。P(4VPy ) 接着層はコーティ
ングしなかったので、実施例1で記載したように電荷発
生層と輸送層を設けた。完成したデバイスを周囲及び低
RHの両方で周囲スキャナーを用い帯電−消去サイクル
を行った。
【0223】
【表20】
【0224】本実施例の最初のデータセットにおけるよ
うに、大きなサイクル−アップではないがブロッキング
層の厚さに伴い増加したVR サイクル−アップは、低R
H(<5%)で悪化する。2,260 帯電−消去サイクルで
は、薄い0.2−0.4μm ブロッキング層デバイスのみ
が、中程度のVR サイクル−アップを示す。もっと厚い
ブロッキング層デバイスでは、より多い捕獲部位が電子
捕獲のために利用できるので、初めのVR とVR サイク
ル−アップはより大きい。該コポリマーブロッキング層
では電子捕獲部位がおそらく、少量の閉じ込められた水
(これが電子輸送を助ける)が疎水性水素結合低密度領
域を離れながら逃れ、光放電電子はそこを通過できない
が捕獲されるとき、低RHで生じると考えられる。残り
の水酸基−水酸基H−結合(これらのコポリマー中ピリ
ジン−水酸基水素結合によって切断されない)は、低R
Hで減少した水分含量を補うには不十分な密度である。
正味の結果が電子捕獲とVR サイクル−アップである。
本実施例においてt− Se/PUK 発生層に対するP(HE
MA−4VPy ) コポリマーブロッキング層の接着力
は、高分子量P(HEMA)ブロッキング層の最上部に
設けられた別個のP(4VPy ) 接着層で得られるのと
同等であった。従って、同様の接着力が、別個のP(4
VPy ) 接着層を成形加工することなく達成することが
できる。P(HEMA−4VPy )中P(4VPy ) 繰
り返し単位は、ブロッキング層があまり厚くない限り、
別個にコーティングされたP(4VPy ) 接着層と同様
な機構を介してt−Se/PUK発生層に界面接着する。そし
て、有用な電気的都政も提供する。
【0225】
【実施例10】本実施例は、ポリ(2−ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート)〔P(HPMA)〕及びポリ(N
−ビニルピロリドン)〔P(VP)〕の繰り返し単位を
含む4種の追加のP(HEMA)コポリマーの製造とカ
ーボン含浸チッドラー(登録商標)(CIT)上の2種
のコポリマー組成物の帯電−消去ブロッキング層の評価
を例示する。ブロッキング層コポリマーをダウアノール
PM中3.6及び6.0重量%の濃度で調製し、実施例2に
おけるP(HPMA)乾燥厚−濃度曲線に基づき約0.5
−0.7及び0.8−1.0μm 厚を得た。ブロッキング層は
ドローバーコーティング(0.5ミルギャップ)し、次い
で標準条件で乾燥した。実施例9におけるように、ブロ
ッキング層としてこれらのP(HEMA)コポリマーを
用いる動機は、PVKを基剤とする発生層に対する接着
性を改良し、別個のP(4VPy)接着層を設けるのを
排除するためであった。電荷発生層及び輸送層を実施例
1で記載したようにして調製し、コーティングし、乾燥
した。
【0226】下記の操作に従い4種のコポリマーを調製
した。HEMA(モロマーBM−920)及びHPMA
(モロマーBM−955)モノマーを、まず実施例4で
記載したようにデーヒビット100カラムを3回通し、
ヒドロキノンを基剤とする重合阻止剤を除去した。N−
ビニルピロリドン(98%、アルドリッチケミカルから
入手)モノマー(〜16g)をトルエン250ミリリッ
トルに溶解し、脱イオン水15ミリリットルを加えた。
2種の液層を分液ろう斗中で振盪し、0.1%KOH重合
阻害剤をモノマー−トルエン相から水相に移した。この
抽出を2回繰り返し、トルエン層を分離し、減圧下50
℃で回転蒸留し、共重合に適当なモノマーを産生した。
【0227】HEMA−HPMA、HEMA−VP及び
HPMA−VPのモノマー組合せから成るコポリマー
を、架橋用二官能基ビニルモノマーをしばしば低添加量
で含む(重合開始剤は含む場合と含まない場合がある)
塊状重合を60−70℃で12時間行い調製した。この
操作はコンタクトレンズや半透膜応用に適している得ら
れるポリマーヒドロゲルと共に米国特許第3,721,65
7号に開示されている。この操作を重合溶媒としてt−
ブチルアルコール、重合開始剤としてAIBN(装填総
モノマー重量に対し0.3モル%)を用い、架橋剤は添加
せずに行った。アルコール溶解性ビニルヒドロキシエス
テルを基材とする高分子材料は、ブロッキング層を溶媒
コーティングするために求められた。架橋剤は、ブロッ
キング層組成物をコーティングするのに使用されるコー
ティング溶液中の既に形成されたポリマーに添加されて
もよい。架橋は次に、ブロッキング層コーティングから
溶媒を除去する間空気対流炉内100−120℃でおこ
る。コポリマーブロッキング層応用中P(HEMA)ま
たはP(HPMA)繰り返し単位の架橋は、(グルター
ルアルデヒドのような)ジアルデヒドが使用される場
合、アセタール基の形成を介して達成される。
【0228】1リットル三口丸底フラスコ(実施例4で
記載したように装備されている)に、精製HEMAモノ
マー及びコモノマー(M2はHPMAまたはVPであ
る)及びAIBN重合開始剤を装填した。重合溶液を重
合中溶液にアルゴンを通しながら磁気的に攪拌した。反
応容器内容物を冷却後、ポリマー溶液または分散物をト
ルエン(9.0−9.5×ポリマー溶液容量)中に凝固し、
真空下粗ガラスろう斗でろ過した。次に溶媒湿潤コポリ
マーを真空炉内0.5mmHg未満、50−70℃で一晩乾燥
した。以下の表Uは調製した4種のコポリマーの重合装
填、条件及び組成結果を示す。
【0229】
【表21】
【0230】最終的なコポリマー組成は、5重量%DM
SO−d6 溶液を用いる100MHzブルカーWH40
0機器で得た13C−NMRから決定した。P(HEM
A)及びP(HPMA)繰り返し単位中カルボキシル基
に結合したメチレン基の積算ピーク面積(39.5ppm の
DMSO中心線に対し、それぞれ66及び69.5ppm )
を31ppm でのビニルピロリド中のカルボニルに結合し
たメチレン基の積算ピーク面積と比較し、上表中のコポ
リマー組成を得た。4種のコポリマーは実際には室温で
メチレンクロリドに不溶(初濃度0.1重量%で<0.02
重量%溶解性)、及びトルエン(<0.1重量%溶解性)
にも同様である。テトラヒドロフランには、4種のコポ
リマーのうち3種が不溶であるが、59:41P(HE
MA−HPMA)コポリマーは、テトラヒドロフランへ
のポリ(2−ヒドロキシプロピルメタクリレート)の中
程度の溶解性と一致して、0.1重量%溶解した。従っ
て、これらのコポリマーブロッキング層は、メチレンク
ロリド、トルエン及びほとんどの場合テトラヒドロフラ
ンに対して溶媒バリアーとしても機能する。
【0231】2種のP(HEMA)コポリマーの周囲R
H(18%)での帯電−消去サイクル電気特性を下表に
示す。これは周囲サイクルスキャナーと導電層としてC
ITを用いた。
【0232】
【表22】
【0233】両ポリマー組成の電気的評価は、正孔注入
は適当にブロックされており(実施例1におけるブロッ
キング層なしの同一デバイスに比べ高V0 )、そして0.
5−1.0μm 厚ブロッキング層内に捕獲される光放電電
子は最小であることを示している。同様に、発生層内の
光放電電子捕獲(ブロッキング層ポリマーの一部が発生
層に移動する際に通常見られる)は、小さいVR サイク
ル−アップを基にすると最小である。これらのコポリマ
ーは、周囲RHで適当な帯電−消去電気特性とデバイス
を日常取扱いの間完璧に維持するのに十分な界面接着力
とを提供する。
【0234】
【実施例11】本実施例は、様々な繰り返し単位モル比
で組み合わせたP(HEMA)(〔η〕=0.654)及
びポリ(エチルオキサゾリン)より調製した均一高分子
複合体を含む正孔ブロッキング層の調製と使用を例示す
る。使用したポリ(エチルオキサゾリン)は、ダウケミ
カルから入手した分子量500,000を有するP(EO
X )500であった。2種の導電層を用いた:ICP1
17ポリピロール及びカーボン含浸テッドラー(CI
T)である。ICP177導電層は、ポラロイドから供
給された分散液を5重量%に希釈し、テッドラー(登録
商標)(1.5ミルギャップ)及びマイラー(0.5ミルギ
ャップ)にドローバーコーティングした。実施例1に記
載したようにしてICP−117導電層を乾燥後、ブロ
ッキング層配合物を約6.0及び3.6重量%メタノール溶
液としてドローバーコーティング(0.5ミルバーギャッ
プ)し、0.8−1.0及び0.5−0.7μm の乾燥厚を得
た。厚さは、実施例2においてP(HPMA)に関する
デックトック(登録商標)調製の曲線から見積った。2
種のブロッキング層ポリマーを適当な量で組み合わせた
後、メタノールを加え、混合物を緩やかに加熱(40−
50℃)し、所望の固体レベル溶液を得た。標準ブロッ
キング層乾燥条件(実施例2)で乾燥し、次に電荷発生
層及び輸送層を実施例1で記載したようにして設けた。
ブロッキング層としてP(EOX )−P(HEMA)水
素結合複合体を使用の動機は、PVK発生層に対する接
着性の改良のためであり、P(4VPy )接着層は省か
れた。
【0235】ブロッキング層組成物として使用した均一
な水素結合ポリマー複合体は下表に示す通りである。
【0236】
【表23】
【0237】PEOx はベークライトフェノキシ樹脂
〔ケスクラ(Keskkula, H., 及びポール(Paul), D. R.
Proc. Div. PMSE ACS Meeting, セントルイス市、ミズ
ーリ州、50,11(1984)〕及びポリビニルフェ
ノール〔P.リン(Lin)、T. K. クワイ(Kwei) 、E. M.
パース(Pearce)、K.クラッシュ(Clash)論文106、Po
lymer Chemistry Div.192回 National ACS Meetin
g、アナハイム市、カリフォルニア州、4月 198
6〕などの非相溶性ヒドロキシポリマーを通常相溶化す
ることが知られている。54−46から7−93までの
繰り返し単位モル比で組み合わせたP(EOX ) 及びP
(HEMA)による均一ポリマーブレンドを得た。これ
らのブレンドの0.8−1.0μm のコーティングの電子ス
キャン顕微鏡写真(640〜10,000x )は、相分離
がないことを示した。周囲サイクルスキャナーを用い、
示した回数のサイクルについて周囲及び低RHの両方で
帯電−消去サイクルデータを得た。
【0238】
【表24】
【0239】a)導電性基体: カーボン含浸テッドラ
ー(登録商標) b)導電層: ICP−117ポリピロールーポリマー
複合体 c)見積りブロッキング層厚: 0.8−1.0μm d)見積りブロッキング層厚: 0.5−0.70μm
【0240】上記表Xの電気データを検討すると、H−
結合高分子複合組成物、RH−試験条件及びブロッキン
グ層層の因子にいくつかの傾向が示唆されている。ブロ
ッキング層厚0.8−1.0μm 及び周囲RH(20−24
%)で、デバイスXIa−XIeはVR サイクル−アップに
おいて良く規定された傾向を示している。P(EOX
含量が減少すると、VR サイクル−アップも減少する。
P(EOX ) がブロッキング層成分として多量に存在す
ると、正孔捕獲P(EOX ) がブロッキング層内で(H
−結合の方法によって)十分にアンカーリングされず、
発生層及び輸送層中のコーティングの間に発生層及び/
または輸送層に移動することを示す。帯電−消去サイク
ルを伴うプロセスが進むと、これらの層内で移動P(E
X ) が正孔を捕獲し、それがVR サイクル−アップと
して表わされる。P(EOx )はテトラヒドロフラン及
びメチレンクロリド(後で使用されるコーティング溶媒
の2種)に溶解するので、発生層及び輸送層のコーティ
ング中にP(EOx )移動がおこりやすい。P(EO
X )含有が0.8−1.0μm 厚ブロッキング層(デバイス
XIe)中に存在する高分子繰り返し単位が10モル%未
満に更に減少すると、非常に少ないP(EOX )移動は
低RHでさえも小さなVR サイクル−アップによって証
明されるにすぎない。反対に、16モル%P(EOX
を有するデバイスXIdは低RHで高い残留電圧を有する
が、周囲RHではない。この結果は、P(EOX )含量
が十分に大きいと、水分含量に依存する第2の電荷捕獲
機構が働くことを示唆している。増加P(EOX )含量
は、ブロッキング層内の光放電電子輸送を助けると信じ
られている〔100%P(HEMA)ブロッキング層に
存在する〕高密度水酸基−水酸基水素結合を切断する。
更に、デバイスは、5%RH未満での帯電−消去に先立
って16−24時間5%RH未満にまず湿度を調節され
るので、ブロッキング層中の少量のH−結合水の喪失が
おこる。ビニルヒドロキシエステルまたはビニルヒドロ
キシアミドポリマーブロッキング層中に存在すると、H
−結合水は、隣接のポリマー中で繰り返し単位間で分子
間水素結合連鎖の長さを延長する水酸基−水酸基橋かけ
ビヒクルとして機能する。低分子量の水分子は動ける
し、すでに安定な水素結合部分を切断せずに、その水素
結合環境を最大にするように捜すので、ビニルヒドロキ
シエステルまたはビニルヒドロキシアミドポリマーブロ
ッキング層領域で水酸基−水酸基水素結合の延長が部分
的におこることは、この水素結合モードを自然に不足さ
せる。従って、水素結合水レベルが低RHでビニルヒド
ロキシエステルまたはビニルヒドロキシアミドブロッキ
ング層内で減少する場合、疎水性ギャップが形成され、
光放電電子を捕獲し、より高いVR 及びVR サイクル−
アップを導く。従って水分含量の減少とP(EOX )コ
ポリマーの含量の増加の組合せは最適な電子輸送状態を
ゆがめる。CGL及びCTLのコーティング中にCGL
及/またはCTLに移動するP(EOX )は、脱水後、
水和P(EOX )より、より有効な正孔捕獲源となる。
【0241】ICP−117ポリピロール導電層を用い
たデバイスXIe 及びXIf の初帯電レベルは、この導電層
が他の全てのデバイスに使用されるカーボン含浸テッド
ラー(登録商標)に比較するより正孔を注入することを
示す。実施例1のブロッキング層を含まない同じデバイ
スのV0 レベルを検討すると、上記の正孔注入力が確か
である。更に、ブロッキング層厚の減少(XIf対XIe)
は、ICP−117導電層の高部をおおうブロッキング
層の厚さが不十分であることを示すV0 を減少させる。
ICP−117デバイスで排除することのできないV0
低下に関与する第2機構は、CGL及びCTLコーティ
ング中のCGL及び/またはCTLへの導電層成分の移
動と混合を含む。CIT導電層デバイス(XIa−XId)
はより均一でコーティング溶媒効果に対して抵抗性であ
るのでV0 レベルはより高くそしてサイクリングでも高
く保たれる。本実施例でブロック層として使用されるP
(EOX )−P(HEMA)水素結合高分子複合体は、
十分な界面接着力を提供し、日常の取扱い操作中デバイ
スを完璧に保つ。
【0242】
【実施例12】本実施例は、P(HEMA)コポリマー及びP(H
EMA)-P(EOX )水素結合高分子複合体の厚い(0.8−1.
0μm )ブロッキング層の使用を例示する。ブロッキン
グ層を強力に注入する吹き付け塗りクーポラスヨウ化物
接地板(ここでクーポラスヨウ化物コーティングは実施
例1で記載したようにしてスプレー成形加工した)にド
ローバーコーティング(0.5ミルギャップ)した。マイ
ラーポリエステル(E.I.デュポン)基体を全てのデ
バイスに使用した。6重量%ブロッキング層コーティン
グ溶液は、メタノールまたはダウアノールPM溶媒9.4
g中ポリマー0.6gから成る。メタノールはP(HEM
A−4VPy )コポリマー及びP(HEMA)−P(E
X )複合体について使用し、そしてダウアノールPM
は他の3種のP(HEMA)コポリマーブロッキング層
溶液用の溶媒として使用した。ブロッキング層厚は乾燥
厚−濃度検量曲線から見積もり、実施例1及び2におけ
るように標準乾燥条件を全てのコーティング層について
使用した。デバイスの完全さが日常取扱いと電気評価の
間維持されたので、ブロッキング層−発生層界面に接着
層は必要なかった。電荷発生層と輸送層を実施例1に記
載したようにして設け、周囲サイクルスキャナーを周囲
RHで帯電−消去サイクルデータを得るのに用いた。下
記の表Yの帯電−消去データが得られた。
【0243】
【表25】
【0244】上記ブロッキング層組成物の調製及び分析
は、実施例10(XIIa、XIIb及びXIIc)、実施例9(XI
Id)及び実施例11(XIIe) で記載したようにして行っ
た。上記表Yを検討すると、V0 を実施例1のブロッキ
ング層なしの同じデバイス(V0 =90V)と比較する
と、全てのデバイスで十分な正孔ブロッキングを示して
いる。デバイスXIIdのVR(200)70Vは、周囲RH帯電
−消去試験条件でもカーボン含浸テッドラー(登録商
標)(CIT)上の同一(厚)ブロッキング層コポリマ
ー(実施例9中のデバイスIXg)でみられたVR(200)
(75V)に非常に近いことは興味深い。これは、CI
T及びCuIのような溶媒抵抗性導電層が用いられる
と、VR サイクル−アップは導電層組成に関係ないこと
を示唆する。
【0245】
【実施例13】本実施例は、オレフィン系フラッシュプ
ライマーLE16610の導電性カーボンブラック層
(レッドスポットペイント&バーニッシュ)上に64:
36(繰返し単位モル比)HEMA−4VPy コポリマ
ー、及びP(HEMA)及びP(EOX )の様々なブレ
ンド組成物(H−結合高分子複合体)から成るブロッキ
ング層の使用を例示する。導電層を実施例1に記載した
ようにマイラー基体上に調製し、スプレーし、乾燥し
た。全てのブロッキング層組成物は3.6及び6.0重量%
のメタノール溶液によりコーティングし、それぞれ0.5
−0.7及び0.8−1.0μm 厚を得た。ブロッキング層厚
は、前記のようにして(実施例2)乾燥厚−コーティン
グ濃度曲線に基づいて見積もり、標準乾燥条件を用い
た。日常取扱い及び電気試験の間デバイスは完璧に保た
れたので、ブロッキング層−発生層界面に接着層は必要
なかった。電荷発生層と輸送層は実施例1に記載したよ
うにして設けた。周囲及び低RH帯電−消去試験条件が
周囲サイクルスキャナーを用いるデバイスの評価に用い
られた。64:36P(HEMA−4VPy )コポリマ
ーブロッキング層から成るデバイスについての電気的な
結果は下表に示す通りである。
【0246】
【表26】
【0247】薄いP(HEMA−4VPy )コポリマー
ブロッキング層(デバイスXIIIa)の帯電−消去結果
は、正孔注入(低V0 値)はブロッキング層なしの同一
デバイス(実施例1)よりも事実上かなりひどいことを
示している。これは、導電層から発生層及び/または輸
送層へのこれらの層のコーティング中の正孔導電性組成
物の混合を示唆する。しかし、0.8−1.0μm へのブロ
ッキング層の厚さの増加は、上部に2層を有する導電層
組成物の混合量を減らすのに十分な厚さの導電層を提供
する。その結果、V0(1&200)は、ブロッキング層なしの
同一デバイスで測定されたのより大きいレベルに増加す
る。後で使用されるコーティング組成物に対する64:
36P(HEMA−4VPy )コポリマーブロッキング
層の溶媒バリアー特性は、ブロッキング層が少なくとも
0.8−1.0μm であるときのみ十分である。
【0248】周囲RHでの200サイクルのVR サイク
ル挙動(デバイスXIIIb)はデバイスXIId(実施例1
2)及びデバイスIXg(実施例9)と非常に似ており、
64:36HEMA−P(4VPy )コポリマーブロッ
キング層がLE16610導電層上に十分な厚さであっ
ても、導電層組成物はVR サイクル−アップに重要な電
気的影響はないことを示している。
【0249】同一組成物のブロッキング層について実施
例9で記載したように周囲VR サイクル−アップは、ブ
ロッキング組成物の発生層及び/または輸送層へのこれ
らの層のコーティング中の移動を示唆する。次に、正孔
確保がこれらの層内においておこり、付随的にVR サイ
クル−アップに電気的影響が観察される。低RHでのよ
りひどいVR サイクル−アップは、第2の捕獲機構(こ
れは実施例9で記載したように同一ブロッキング層電子
捕獲機構である)が同時に存在することを示唆する。
【0250】P(HEMA)−P(EOX )ポリマーブ
レンドブロッキング層を実施例11で記載したようにし
て調製し、ドローバーコーティングし、乾燥した。全て
のブロッキング層は6重量%メタノール溶液でコーティ
ングし、その厚さは前記の検量曲線(実施例2)に基づ
いて0.8−1.0μm と見積られた。帯電−消去電気的結
果を、周囲及び低RHで周囲サイクルスキャナーを用い
て得、それを下表に示した。
【0251】
【表27】
【0252】a)ポリマーブレンド中の繰り返し単位モ
ル比 b)3515帯電−消去サイクル後 c)3015帯電−消去サイクル後
【0253】上記デバイスの全ての層は、LE1661
0カーボン
【0254】上記デバイスは全て、LE16610カー
ボンブラック導電層上に十分な厚さ(0.8−1.0μm )
のブロッキング(バリアー)層を持つので、V0(1&200)
は十分な正孔ブロッキング及び後でコーティングされる
層と導電層との混合はほとんどまたは全くないことを表
わしている。しかし、ブロッキング層中のP(EOX
含量増加に伴うVR サイクル−アップの傾向は、同様の
理由のために、CIT導電層で実施例11において観察
されたのと相等しい。デバイスXIIIfは上表の作表シー
ケンスで帯電−消去サイクルを行った。ここで各サイク
ルシーケンスにおいてVR サイクル−アップは、次のサ
イクルシーケンスの初めで大部分回復可能であった。各
サイクルシーケンスの間隔は便宜上の問題として2−3
日であったが、実際のVR 回復時間は比較的短いだろ
う。
【0255】
【実施例14】本実施例は、チタンコーティングマイラ
ー(導電層と基体の組合せ)上に正孔注入ブロッキング
層としての高分子量P(HEMA)(η=0.654)の
使用を例示する。P(HEMA)ブロッキング層、ポリ
(ビニルブチラール)〔PVB〕(GL中に分散したS
e粒子、及びポリカーボネート(マルロン50、モーベ
イケミカルから入手可能)CTL中N,N′−ビス−
(3″−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕
−4,4′ジアミンは全て導電性チタンがコーティング
されている基体の最上部にスプレーした。ブロッキング
層−CGL界面には接着層は設けなかった。各層のスプ
レー成形は初めにP(HEMA)ブロッキング層で開始
することを記載する。
【0256】2重量%P(HEMA)ブロッキング層溶
液を、室温でプロピレングリコールメチルエーテル(ダ
ウアノールPM、ダウケミカルから入手可能)溶媒58
8g中P(HEMA)12gを溶解することによって調
製した。この溶液を市販のスプレイガンとビンクスマニ
ファクチャーリング製の機器を用いてスプレーした。モ
デル77静電スプレーガンを水平レシプロケーターを付
けて非静電モードで使用した。モデル77ガンは、N6
3A液体ノズルとN63PC空気噴霧ノズルを装備して
いた。液体は2.2psi であり、スプレー噴霧圧は30ps
i であった。噴霧圧30psi 及びファン角度0℃で、フ
ァン角度空気供給は噴霧ライン内の通気計で170cu.f
t./hour が読みとられるまで開放した。スプレーガンは
自動で操作し、水平に置いたマンドレルに右から左へス
プレーしている間レシプロケーターで動かした(3.8f
t./分)。スプレーする導電性基体(チタンコーティン
グマイラー、E.I.デュポンから入手)シートを12
0rpm のスピードで回転される円筒状アルミニウムマン
ドレルにテープどめした。P(HEMA)ブロッキング
層を1パスでスプレーし、スプレー工程が終わった後大
部分の溶媒をフラッシュするために、溶媒湿潤コーティ
ングを3または4分間回転した。部分的に乾燥したコー
ティングをマンドレルからはずし、空気対流炉内110
℃で20分間乾燥した。このP(HEMA)ブロッキン
グ層の乾燥厚は既知面積にアプライされた重量から約0.
8−1.0μm と決定された。
【0257】発生層(CGL)分散物は、三方晶セレン
(13.6g)、ポリ(ビニルブチラール)〔B−76、
モンサントから入手可能〕(3.5g)並びにトルエン7
2.2g及びテトラヒドロフラン24.2gから成る混合溶
媒を数日間(2−5日間)ロールミルにかけた。この濃
縮分散物(15重量%固体)は、約45容量%三方晶セ
レン及び55容量%ポリ(ビニルブチラール)から成っ
ていた。スプレーに先立ち、濃縮分散物をトルエン及び
THF(それぞれ141.8g)の1:1(重量)混合物
で希釈し、これを1−2分間手で攪拌し、スプレー可能
な総固体4.3重量%の分散物を得た。
【0258】上記分散物を市販のスプレーガンとビンク
スマニファクチャー製機器を用いてスプレーした。モデ
ル21非静電スプレーガンを水平レシプロケーター付き
で使用した。モデル21ガンは63A液体ノズル及び6
3PE空気噴霧ノズルを装備していた。液体圧は、閉鎖
位置から0.75回転で液体ノズルセット中ニードルバル
ブで5psi であった。スプレー噴霧圧は以下のように設
定した。ファン角度を0°に閉じ、空気供給は270c
u.ft./hour で、ファン角度空気供給は噴霧ライン内の
通気計で310cu.ft./hour が読みとられるまで開放し
た。スプレーガンを自動で操作し、水平に置いたマンド
レル上を右から左へスプレーする間レシプロケーターで
動かした(3.7ft./分) 。マイラー基体、チタン導電層
及びP(HEMA)ブロッキング層から成る部分的デバ
イスシートを、スプレーしている間150rpm のスピー
ドで回転する円筒状アルミニウムマンドレルにテープど
めした。セレン−PVB発生層を1パスでスプレーし、
溶媒湿潤発生層から成る部分的デバイスをマンドレルか
らはずし、空気対流炉内135℃で20分間乾燥した。
このセレン−PVB発生層の乾燥圧は既知面積にアプラ
イされた重量から約0.26μm と決定された。
【0259】輸送層(CTL)溶液は以下のように5重
量%で配合した。ポリカーボネート(マルロンM−5
0)(36g)をメチレンクロリド684g及び1,
1,2−トリクロロエタン456gから成る溶媒混合物
1140と一緒に溶液が形成されるまで2−3日間ロー
ルミルにかけた。この溶液にN,N′−ビス−(3″−
メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,
4′−ジアミンを加え、混合物をさらに1晩ロールミル
にかけ、40重量%N,N′−ビス−(3″−メチルフ
ェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジア
ミン及び60重量%メルロンM−50固体含量から成る
スプレー可能な5重量%溶液を得た。
【0260】上記CTL溶液を、ビンクスから入手可能
なスプレーガンと補助器具を用いて再び乾燥CGLにス
プレー成形した。モデル77スプレーガンを同じ水平レ
シプロケータを用い非静電モード、同じビンクススプレ
ーブースで用いた。モデル77スプレーガンは、0.03
5液体ノズルとN65PB空気噴霧ノズルを装備してい
た。液体圧は8.4psi であり、スプレー噴霧圧は60ps
i であった。噴霧圧60psi 及びファン角度0°で、フ
ァン角度空気供給を空気噴霧ライン内の通気計で190
cu.ft/時間が読み取られるまで開放した。スプレーガン
を連続モードで自動で操作し、水平に置いたマンドレル
に4パス(右から左へそして次に左から右へ2×)スプ
レーする間レシプロケーターで動かした(3.9ft./分)
。スプレーする部分的に完成したデバイスシートを1
00rpm のスピードで回転させた円筒状に置いたマンド
レルにテープどめした。4パスCTLスプレー塗布の終
了後、マンドレルをスピニングをとめたとき、厚いCT
Lコーティングが自重でたるまないように大部分の溶媒
をフラッシュするために溶媒湿潤CTLコーティングを
さらに3−4分間遠心脱水した。部分的に乾燥したコー
ティングをマンドレルからはずし、空気対流炉内40°
から135℃に炉内の温度を35分かけてゆっくり上昇
させ、次に10分間135℃で恒温加熱した。CTLの
乾燥厚は既知面積に適用した重量から23.2μm と決定
した。
【0261】スプレー成形が完了したデバイスを、周囲
RH(35%)、低RH(5%)及び高RH(70%)
が環境サイクルスキャナーを用い帯電−消去サイクルを
行った。様々なRHテスト条件でこれら2種のデバイス
についての帯電−消去サイクルデータを下記に示した。
【0262】
【表28】
【0263】デバイスXIVaは新しいRH条件で帯電−消
去試験する前に、次のRH条件でかなりの平衡成立時間
(>16時間)放置し、指定の相対湿度シーケンス下で
帯電−消去試験を行った。デバイスXIVaは、本試験にお
いて使用した全ての相対湿度で高い帯電レベルと低残留
電圧(VR )を維持した。これらの結果は、チタン導電
層からの正孔注入が実質的にP(HEMA)ブロッキン
グ層でブロッキングされ、そして電荷捕獲が反復ゼログ
ラフィーサイクルで低く(低VR )保たれることを示し
ている。
【0264】本発明は特定の好適な具体例に言及して記
載されているが、これらにもとより限定されるものでは
なく、むしろ当業者には本発明の要旨及び特許請求の範
囲内で変更及び修飾がなされうることは理解されるであ
ろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ホイ イェン ユー アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14534 ピッツフォード イサカ ドラ イヴ 11 (72)発明者 コンスタンス ジェイ ソーントン アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14519 オンタリオ トンプソン トレ イル 7203 (72)発明者 デニス エイ アブラムソン アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14534 ピッツフォード クレストヴィ ュー ドライヴ 23 (72)発明者 デボラ ジェイ ニコル ランドリ アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14612 ロチェスター ウッド ラン 176 (72)発明者 ジョセフ マンミノ アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14526 ペンフィールド ベラ ドライ ヴ 59 (72)発明者 ロナルド エフ ジオロ アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14580 ウブスター インペリアル ド ライヴ 1206 (72)発明者 ロバート シー ユー イュー アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14580 ウェブスター ヒデン ヴァリ ー トレイル 1169 (72)発明者 カサリーン カーマイケル アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14589 ウィリアムソン ピース ロー ド 5689 (72)発明者 ニール エス パターソン アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14534 ピッツフォード カレンズ ラ ン 48 (56)参考文献 特開 昭62−218966(JP,A) 特開 平1−179950(JP,A) 特開 平1−156776(JP,A) 特開 昭57−89760(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性表面を有する支持基体、電荷ブロ
    ッキング層及び少なくとも1層の光導電層を有する電子
    写真像形成部材であって、前記電荷ブロッキング層が以
    下の構造式: 【化1】 {式中、Xは、 【化2】 から成る群から選ばれ、 (ここで、Rは、脂肪族基、芳香族基、複素環式脂肪族
    基、複素環式芳香族基、縮合芳香族環基及び炭素原子1
    0個までの複素環式芳香族基から成る群から選ばれ、z
    は1〜10の水酸基の数を示す);そして、R′、R″
    及びRは、それぞれ独立に、水素、脂肪族基、芳香族
    基、複素環式脂肪族基、複素環式芳香族基、縮合芳香族
    環基及び炭素原子10個までの複素環式芳香族基から成
    る群から選ばれる}を有する少なくとも一種のモノマー
    の重合反応生成物を含みかつ約1010Ω/□より大きい
    表面抵抗率を有する事を特徴とする電子写真像形成部
    材。
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