JP3028203U - パイル内セメント抜取用具の取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築現場にてパイル内セメント抜取用具をコ
ンクリートパイル内に簡単に確実に取付ができ、外れる
おそれのない取付構造を提供する。 【解決手段】 コンクリートパイル１１の開口端に紙筒
からなるパイル内セメント抜取用具１を挿入し、透孔６
が開設された平板状の取付板７の一側に該取付板７面と
平行方向に延びる棒状の取付杆８を固着してなる取付金
具５，５を形成し、該透孔６にボルト１５を遊挿しコン
クリートパイル１１の杭頭端板１２に形成された雌ねじ
孔１３に該ボルト１５を螺締することにより該取付金具
５，５をコンクリートパイル１１に固着すると共に、該
取付杆８を該パイル内セメント抜取用具１の吊上用突片
２，２中に貫挿した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、建造物の基礎として地中に垂直に埋設されるコンクリートパイルの 上部に、支柱樹立用の縦孔を開設するためのパイル内セメント抜取用具に関し、 さらに詳しくは該取付用具を該コンクリートパイル内に取付する構造に関するも のである。

【０００２】

【従来の技術】

中空のコンクリートパイルの開口端部内に円筒形の紙筒を予め止着しておき、 該コンクリートパイルを回転させながら地中に垂直に埋設し、セメント硬化後に 該紙筒を吊り上げて該コンクリートパイル内から抜脱することによりコンクリー トパイルの上部に支柱樹立用の縦孔を容易に形成できるようにするパイル内セメ ント抜取用具は、本考案者によるものとしてすでに特公平７−３０５４６，特公 平７−３０５４８，実公平７−１６７４３等の公報により知られている。

【０００３】 ところで従来のセメント抜取用具は、上記公報にも示されたように、コンクリ ートパイルの開口端に位置する金属製の環状の杭頭端板に棒状または板状の止部 材の両端を溶接により固着し該止部材をセメント抜取用具の吊上用突片中に貫挿 することにより、該セメント抜取用具をコンクリートパイル内に取付する構造で あった。 従って従来のパイル内セメント抜取用具の取付構造では、建築現場に溶接機を 用意しないと取付できない欠点があり、手間が掛かるものであった。

【０００４】 また、溶接を使わないで、針金によってセメント抜取用具を縛ることも行なわ れていたが、針金による取付では、杭打機や工事用ショベル等が衝突することに よって針金が切断し易い欠点があった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】 そこで本考案は、建築現場にてパイル内セメント抜取用具をコンクリートパイ ル内に簡単に確実に取付ができ、外れるおそれのない取付構造を提供しようとす るものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

そのために本考案のパイル内セメント抜取用具の取付構造は、コンクリートパ イルの開口端に紙筒からなるパイル内セメント抜取用具を挿入し、透孔が開設さ れた平板状の取付板の一側に該取付板面と平行方向に延びる棒状の取付杆を固着 してなる取付金具を形成し、該透孔にボルトを遊挿しコンクリートパイルの杭頭 端板に形成された雌ねじ孔に該ボルトを螺締することにより該取付金具をコンク リートパイルに固着すると共に、該取付杆を該パイル内セメント抜取用具の吊上 用突片中に貫挿したことを特徴とする。

【０００７】

【考案の実施の形態】

次に図面と共に本考案の実施の形態を説明する。図１に紙筒の表面にビニルシ ートを被せてなるパイル内セメント抜取用具１を示す。該セメント抜取用具１に はその骨組となる鉄筋３の上端突出部分に取付孔４が開設された一対の吊上用突 片２，２が溶接により固着されている。

【０００８】 取付金具５，５は、透孔６が開設された平板状の鉄板製の取付板７の一側に棒 状の取付杆８を該取付板７面と平行方向に延びるよう溶接により固着してなる。 そして該取付杆８を前記吊上用突片２，２の取付孔４に貫挿しナット９を該取付 杆８に螺合することにより該取付杆８を取付孔４より抜脱可能に連結している。 １０は座金である。

【０００９】 図２，図３に上記セメント抜取用具１を既存のコンクリートパイル１１の開口 端より挿入して取付した状態を示し、１２は該コンクリートパイル１１の開口端 に従前から設けられている環状の杭頭端板で、該杭頭端板１２には雌ねじ孔１３ がこの場合等間隔に１０個所形成されている。また、１４は該コンクリートパイ ル１１を杭打機により回転させながら地中に埋設するに際して該杭打機を係合さ せるために該杭頭端板１２の上面に溶接により放射状に固着された複数の爪片で ある。

【００１０】 そして該取付金具５，５は、その取付板７を杭頭端板１２上に重合し透孔６に ボルト１５を遊挿し該ボルト１５を相対称位置にある雌ねじ孔１３に夫々螺締す ることによりコンクリートパイル１１に取付けられる。そして取付杆８に対する 座金１０の螺合量を調整することによりセメント抜取用具１がコンクリートパイ ル１１の中心に位置するように設定される。なお透孔６の内径はボルト１５の軸 部の外径よりも充分に大きなものとし、ボルト１５を締付するに際して取付杆８ の位置調節がその遊びによって可能なるようにしている。また、図２では雌ねじ 孔１３が杭頭端板１２の対称位置に形成されているものについて示したが、雌ね じ孔１３の数が奇数である場合のように、対称位置に一対の雌ねじ孔１３が形成 されてない場合は、さらに透孔６の遊び範囲内で取付杆８を位置調節したり、或 いは取付板７に対する取付杆８の溶接位置を変更したりして対処し得る。

【００１１】 なお、図３に示されるように、ボルト１５の頭部は爪片１４より低くなるよう に設定することで、杭打機を該爪片１４に係合させるに際し、杭打機が該ボルト １５に当たり破損させるおそれが減少する。また、コンクリートパイル１１を地 中に埋設するのに先立って取付杆８のナット９の螺合部分を粘着テープ等で被っ ておけば、埋設的にそのねじ溝にセメントが付着するのが防止されるので、埋設 後にナット９を外し易くなり、ボルト１５を外し取付杆８を取付孔４から抜き、 該吊上用突片２，２を吊上げてセメント抜取用具１をコンクリートパイル１１内 から抜脱する際の作業性が向上する。

【００１２】

【考案の効果】

このように本考案のパイル内セメント抜取用具の取付構造によれば、取付金具 を用いたことにより雌ねじ孔にボルトを螺締するだけで簡単，確実にコンクリー トパイル内にセメント抜取用具を取付けることができ、従来のように建築現場で の溶接を要さないので作業性が大幅に向上する有益な効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るセメント抜取用具の上部斜視図。

【図２】本考案に係るパイル内セメント抜取用具の取付
構造を示すコンクリートパイルの上部斜視図。

【図３】本考案に係るパイル内セメント抜取用具の取付
構造を示すコンクリートパイルの縦断面図。

【符号の説明】

１ セメント抜取用具 ２，２ 吊上用突片 ４ 取付孔 ５，５ 取付金具 ６ 透孔 ７ 取付板 ８ 取付杆 ９ ナット １１ コンクリートパイル １２ 杭頭端板 １３ 雌ねじ孔 １４ 爪 １５ ボルト

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンクリートパイルの開口端に紙筒から
   なるパイル内セメント抜取用具を挿入し、透孔が開設さ
   れた平板状の取付板の一側に該取付板面と平行方向に延
   びる棒状の取付杆を固着してなる取付金具を形成し、該
   透孔にボルトを遊挿しコンクリートパイルの杭頭端板に
   形成された雌ねじ孔に該ボルトを螺締することにより該
   取付金具をコンクリートパイルに固着すると共に、該取
   付杆を該パイル内セメント抜取用具の吊上用突片中に貫
   挿したことを特徴とするパイル内セメント抜取用具の取
   付構造。