JP3027818U - 車両のフロントガラス用雨滴付着防止器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両の雨天走行時において、走行による風力
を利用し、フロントガラスに雨滴が付着するのを防止す
ると共に、付着した雨滴を排除し、視覚を妨げる既設の
ワイパーの使用を減少することにより、運転者の視界を
明瞭にして安全運転を助長する。 【構成】 前面側が略円弧状に形成される上板１と下板
２の間に、複数の斜め隔壁５を設けて、前面側に複数の
風入口３を構成すると共に、後面側に風入口３よりも断
面積が小さい複数の噴気孔４を構成し、下板２の下側
に、車両のフロントガラス９に近接するボンネット８部
分に装着する取付け部６を設け、また、エンジンルーム
１０の温熱空気を導入する温熱風導入孔７を下板２に穿
設することを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、車両の雨天走行時において、走行による風力を加速、加圧してフロ ントガラスに吹き付け、フロントガラスの外面に強い上昇気流を発生させること により、雨滴が付着するのを防止すると共に、付着した雨滴を排除する車両のフ ロントガラス用雨滴付着防止器に関する。

【０００２】 ［従来の技術］ 従来、車両のフロントガラスの雨滴防着、防曇等に使用するワイパーは、多種 開発されている。その主なものを挙げると、モーターを利用しワイパーがフロン トガラスの外面を往復運動するもの、熱源を内部に封入又は外部に設けフロント ガラスを加熱するもの、送風装置によりフロントガラスの外面に強制送風するも の、ポンプによりフロントガラスに水を噴射するもの、フロントガラスに溌水液 を塗布するもの等があり、その構造及び効果は多種、多岐に亘る。現状において は、運転中、視界を妨げられ、フロントガラス全面の雨滴を排除することが出来 ないとはいえ、モーター利用の往復運動式ワイパーが最も広く普及している。

【０００３】 ［考案が解決しようとする課題］ 雨天時の車両の走行において溌水液を塗布したフロントガラスは、高速走行の 際は走行による風力により雨滴付着は減少するが、低速走行の際は雨滴の付着が 多く、既設のワイパーは必要不可欠であった。従来のフロントガラスの雨滴防着 及び雨滴排除装置は、駆動するための電源や熱源が不可欠の構成要素であり、そ れに伴うモーター、送風器、ポンプ及び機構部が必ず付随していた。従って、構 造は複雑化しコスト高になるだけでなく、装着するため車両の加工が必要であっ た。本考案はこのような従来の問題を解決するために改良したものである。

【０００４】 ［課題を解決するための手段］ 本考案は、従来のものと異なり電源、熱源等の駆動源を全く使用せずに、車両 の走行する際の風力を加速、加圧してフロントガラスの前面に吹き付けることに より、雨滴がフロントガラスに付着するのを防止すると共に、付着した雨滴を排 除するものである。

【０００５】 即ち、前面側が略円弧状に形成される上板と下板の間に、複数の斜め隔壁を設 けて前面側に複数の風入口を構成すると共に、後面側に風入口よりも断面積が小 さい複数の噴気孔を構成し、下板の下側に、車両のフロントガラスに近接するボ ンネット部分に装着する取付け部を設け、また、エンジンルームの温熱空気を導 入する温熱風導入孔を下板に穿設するフロントガラス用雨滴付着防止器である。

【０００６】 ［作用］ 図３に示す通り下側の取付け部６により、車両のフロントガラス９に近接する ボンネット８の部分に装着する。この状態で車両が走行すると、ボンネット８の 上を流れる風は、前面側の断面積の大きい複数の風入口３から流入し、斜め隔壁 ５により加速、加圧されて後面側の断面積の小さい複数の噴気孔４からフロント ガラス９に向かって噴出し、フロントガラス９の前面に沿った強力な斜め上昇気 流を発生する。フロントガラス９の前面に沿って吹き上げる加速、加圧された強 力な斜め上昇気流は、フロントガラス９の前面に降下する雨の大部分を飛散させ 、フロントガラス９に付着した雨滴を排除する。この作用は、車両の走行が高速 化する程顕著となるが、低速走行の場合も降下する雨や付着雨滴の大部分を飛散 又は排除することができる。従って、高速走行の場合は勿諭、低速走行の場合に も既設のワイパー１１の使用を著しく減少させ、小雨の場合はフロントガラス９ への溌水液の塗布によりワイパー１１を使用しなくても有効となる。

【０００７】 本考案により発生させる気流は、風入口３と墳気孔４の断面積の比率、斜め隔 壁５の流入風向に対する角度、上板１及び下板２の前面側と後面側の間隔の比率 等の設定により、加速、加圧を増加させることが可能である。

【０００８】 ［実施例］ 図１及び図２に示す１実施例について説明する。前面側が略円弧状に形成され る上板１と下板２の間に、複数の斜め隔壁５を設けて前面側に複数の風入口３を 構成すると共に、後面側に風入口３よりも断面積が小さい複数の噴気孔４を構成 する。この場合、上板１と下板２は前面側の間隔を後面側の間隔よりも大きく構 成すれば、車両の走行により流入する風力の加速、加圧をより大きくして、フロ ントガラスの前面に沿って流れる上昇気流を強力にすることができる。下板２の 下側には、車両のフロントガラス９に近接するボンネット８部分に装着する取付 け部６を設ける。この取付け部６は、ボンネット８部分の既設の水噴射ノズルの 設置孔部を利用して装着することも可能である。

【０００９】 また、下板２に温熱風導入孔７を穿設してエンジンルーム１０内の空気を導入 し、冬期又は寒冷地において、エンジンルーム１０の温熱空気を導入することに より、走行による風と共に温熱空気を加速、加圧してフロントガラス９に吹き付 け、温熱風の上昇気流によりフロントガラス９の前面に発生する雨滴の凍結を防 止することもできる。

【００１０】 ［考案の効果］ 本考案は、構造が簡単であるが、電源や熱源を使用せずに、車両の走行の際に 発生する風を利用し、その風を走行により加速、加圧してフロントガラスの前面 に吹き付け、フロントガラスへの雨滴の付着防止、付着雨滴の排除を行うもので あるから、雨天時の車両の安全運転に極めて有効である。また、冬期及び寒冷地 においては、エンジンルームの温熱空気を導入して、走行時の加速、加圧空気と 共にフロントガラスの前面に吹きつけることにより、雨滴の凍結を防止すること ができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施例の斜視図である。

【図２】本考案の１実施例の横断面図である。

【図３】本考案を車両に装着した状態の縦断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 上板 ２ 下板 ３ 風入口 ４ 噴気孔 ５ 斜め側壁 ６ 取付け具 ７ 温熱風導入孔 ８ ボンネット ９ フロントガラス １０ エンジンルーム １１ ワイパー

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 前面側が略円弧状に形成される上板１と
   下板２の間に、複数の斜め隔壁５を設けて、前面側に複
   数の風入口３を構成すると共に、後面側に風入口３より
   も断面積が小さい複数の噴気孔４を構成し、下板２の下
   側に、車両のフロントガラス９に近接するボンネット８
   部分に装着する取付け部６を設けたことを特徴とする車
   両のフロントガラス用雨滴付着防止器。
2. 【請求項２】 請求項１の下板２に、エンジンルーム１
   １の加熱空気を導入する温熱風導入孔７を穿設すること
   を特徴とする請求項１の車両のフロントガラス用雨滴付
   着防止器。