JP3027785U - ファイル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 たとえ縁にとじ孔１２ａ，１２ｂを穿設でき
ない被ファイル物であっても簡単に綴込む事ができる。 【解決手段】 表紙３及び裏表紙４と、この表紙と裏表
紙とを接続する中央部２の内面に取付けられたとじ具６
とを有し、シート状の被ファイル物１８ａ，１８ｂを綴
じるファイルにおいて、短冊状形状を有し、一方の長尺
辺の近傍位置に穿設されたとじ孔１４ａ，１４ｂを介し
てとじ具に固定され、他方の長尺辺が自由端となる所定
幅を有した長尺台紙１３と、長尺台紙の他方の長尺辺の
複数箇所に形成され、長尺台紙の一部を複数の単位台紙
１６に分割する複数の切込部１５と、一方面が各単位台
紙に貼付けられ、他方面に各単位台紙個別に又は複数の
単位台紙毎に被ファイル物の縁が選択的に貼付けられる
複数の両面テープ１７とを備えている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、書類，図面，写真等の種々のシート状の被ファイル物を綴じるファ イルに関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に市販されている安価なファイルは例えば図５に示すように構成されてい る。 図５において、一枚の矩形形状を有した厚紙１を中央部２で折返して一方を表 紙３とし、他方を裏表紙４としている。さらに、中央部２に沿って例えば１〜２ ｃｍ幅の襞状の折返部５が形成されている。そして、この中央部２に形成された 襞状の折返部５の中央位置にとじ具（ファスナー）６が取付けられている。

【０００３】 このとじ具６は種々の方式が実用化されているが、最も簡単なものとして、図 ５に示すように、両側に一対のとじ足７ａ，７ｂが形成されたベース７と、両端 に前記とじ足７ａ，７ｂが挿入される窓８ａ，８ｂが形成された固定部８とで構 成されている。固定部８には窓８ａ，８ｂを貫通して内側へ折曲げられたとじ足 ７ａ，７ｂを固定するスリーブ９ａ，９ｂが取付けられている。

【０００４】 そして、折返部５の中央位置に穿設された貫通孔１０ａ，１０ｂにベース７の とじ足７ａ，７ｂが根元まで嵌入固定される。 このような構成のファイルに対して書類を綴じる場合は、図６に示すように、 書類１１の一方縁の近傍にパンチで一対のとじ孔１２ａ，１２ｂを穿設する。そ して、このとじ孔１２ａ，１２ｂにとじ足７ａ，７ｂを挿入して、その上から固 定部８の窓８ａ，８ｂへとじ足７ａ，７ｂを貫通させる。次に、このとじ足７ａ ，７ｂを内側へ折曲げてスリーブ９ａ，９ｂで固定する。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】 しかしながら、上述したファイルにおいてもまだ改良すべき次のような課題が あった。 すなわち、ファイルに綴じようとする書類１１の１行分の文字が、図６（ａ） に示すように、書類１１の幅に対してとじ孔１２ａ，１２ｂを穿設するに必要な 余白を有して記述されている場合は問題ない。しかし、図６（ｂ）に示すように 、１行分の文字が書類１１の幅一杯に記述されていた場合は、とじ孔１２ａ，１ ２ｂを穿設することができない。したがって、このような場合は、この書類１１ をファイルに綴込むことができない。

【０００６】 また、たとえ左右にとじ孔１２ａ，１２ｂを穿設するに必要な余白があったと しても、例えば有価証券や公正証書等のように、その書類に対してとじ孔１２ａ ，１２ｂを穿設することが許されない書類もある。しかし、このような重要な書 類も紛失を防止するために他の関係書類と共に同一ファイルに綴じる必要が生じ る場合もある。

【０００７】 さらに、写真やフィルムシート等の材質的にとじ孔１２ａ，１２ｂを形成する のが不適当である被ファイル物もある。 また、たとえとじ孔１２ａ，１２ｂを穿設することが可能であったとしても、 一時的にファイルに綴じて、直ぐにファイルから外して展示する書類等において は、とじ孔１２ａ，１２ｂを穿設することによって、書類の美観を損なう場合も ある。

【０００８】 本考案はこのような事情に鑑みてなされたものであり、たとえ縁にとじ孔を穿 設できない書類等の被ファイル物であっても、安価でかつ簡単に綴込むことがで きるファイルを提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解消するために本考案は、表紙及び裏表紙と、この表紙と裏表紙と を接続する中央部の内面に取付けられたとじ具とを有し、シート状の被ファイル 物を綴じるファイルにおいて、短冊状形状を有し、一方の長尺辺の近傍位置に穿 設されたとじ孔を介してとじ具に固定され、他方の長尺辺が自由端となる所定幅 を有した長尺台紙と、長尺台紙の他方の長尺辺の複数箇所に形成され、長尺台紙 の一部を複数の単位台紙に分割する複数の切込部と、一方面が各単位台紙に貼付 けられ、他方面に各単位台紙個別に又は複数の単位台紙毎に被ファイル物の縁が 選択的に貼付けられる複数の両面テープとを備えたものである。

【００１０】 このように構成されたファイルにおいては、表紙と裏表紙との間の中央部の内 面に取付けられとじ具に、短冊状の長尺台紙が固定（綴込み）されている。さら に、この長尺台紙に複数の切込が入れられ、複数の単位台紙が形成され、この各 単位台紙に両面テープが貼付られている。

【００１１】 したがって、各単位台紙毎又は複数の単位台紙毎に、該当単位台紙の両面テー プの他方面に被ファイル物の縁を貼付ることによって、結果的に、被ファイル物 にとじ孔を穿設することなく、多数の被ファイル物をファイルに綴込むことが可 能となる。

【００１２】

【考案の実施の形態】

以下本考案の各実施形態を図面を用いて説明する。 図１は実施形態のファイルを示す斜視図であり、図２（ａ），（ｂ）はこのフ ァイルの製造方法を説明するための図である。図５に示す従来のファイルと同一 部分には同一符号が付してある。したがって、重複する部分の詳細説明は省略さ れている。

【００１３】 図２（ｂ）において、矩形状に形成された１枚の厚紙１の長尺方向の中央部２ の隣接位置を所定幅（１〜２ｃｍ）で２回折返して、図１に示すように、襞状の 折返部５を形成する。さらに、図２（ｂ）に示す厚紙１を中央部２で二つ折りに して、図１に示す表紙３と裏表紙４と中央部２とを有するファイル形状とする。 なお、表紙３及び裏表紙４の形状が［Ｂ５］又は［Ａ４］等の規定サイズ形状と なるように、厚紙１の形状を決定する。

【００１４】 次に、この折返部５に図５の従来ファイルで用いられているとじ具６を取付け る。このとじ具６の折返部５に対する取付け手法は図５に示す従来ファイルと同 じである。すなわち、折返部５の中央位置に穿設された貫通孔１０ａ，１０ｂに とじ具６のベース７のとじ足７ａ，７ｂを根元まで嵌入固定する。

【００１５】 また、図２（ａ）に示す短冊形状を有した長尺台紙１３を作成する。この長尺 台紙１３の互いに対向する一対の長尺辺の一方の長尺辺の近傍位置に一対のとじ 孔１４，１４ｂを穿設する。また、長尺台紙１３の他方の長尺辺の１９箇所に等 間隔で切込部１５を形成する。その結果、長尺台紙１３には、上下端が切込部１ ５で挟まれた合計２０枚のほぼ正方形の単位台紙１６が形成される。

【００１６】 そして、この各単位台紙１６に両面テープ１７の一方面を貼付ける。なお、両 面テープ１７の他方面には、保護シートを貼付けたままである。 さらに、下から１番目から１０番目までの各単位台紙１６の近傍には１〜１０ までの番号を表記し、下から１１番目から最上位の２０番目までの単位台紙１６ の近傍には１〜１０までの番号を重複して表記する。

【００１７】 なお、実際には、この長尺台紙１３の製造作業能率を向上させるために、長尺 台紙１３の長尺方向一杯に両面テープを貼付た後に切込部１５を形成する。 そして、図１に示すように、この長尺台紙１３の一対のとじ孔１４ａ，１４ｂ にとじ具６のとじ足７ａ，７ｂを挿入して、その上から固定部８の窓８ａ，８ｂ へとじ足７ａ，７ｂを貫通させる。次に、このとじ足７ａ，７ｂを内側へ折曲げ てスリーブ９ａ，９ｂで固定する。

【００１８】 なお、この場合、２０枚の単位台紙１６が形成された長尺辺側が外側に向く方 向に、長尺台紙１３をとじ具６に固定（綴込む）する。 このように構成されたファイルに対して被ファイル物としての書類の綴込み手 法を図３及び図４を用いて説明する。

【００１９】 図３に示すように、合計２０枚の単位台紙１６は長尺台紙１３の自由端側に形 成されているので、例えば指等でもって各単位台紙１６を任意角度位置まで持上 げることが可能である。

【００２０】 したがって、例えば［１］の番号が付された下から１番目の単位台紙１６と１ １番目の同じく［１］の番号が付された単位台紙１６とを持上げて、各両面テー プ１７の保護シートを剥がして、図４に示すように、１枚目の書類１８ａの縁部 を貼付ける。

【００２１】 次に、［２］の番号が付された２番目の単位台紙１６と同じく［２］の番号が 付された１２番目の単位台紙１６とを持上げて、各両面テープ１７の保護シート を剥がして、２枚目の書類１８ｂの縁部を貼付ける。

【００２２】 このように、単位台紙１６を順次づらせて各書類１８ａ，１８ｂ，１８ｃ，… の縁部を各両面テープ１７に貼付けることによって、この実施形態のファイルに は、合計１０枚の書類１８ａ，１８ｂ，…を綴込むことが可能である。

【００２３】 このように構成されたファイルにおいては、書類１８ａ，１６ｂ，…にとじ孔 １２ａ，１２ｂを穿設する必要がないので、たとえ１行分の文字が書類の幅一杯 に記述されていた場合であっても、この書類を簡単に綴込むことが可能である。

【００２４】 さらに、この書類の縁の２か所に貼付られる両面テープ１７の面積は２か所の 合計で高々２ｃｍ² であるので、簡単に綴込み及び取外し作業を行うことができ 、かつテープを貼付けることによる書類の汚れはほとんど無視できる。

【００２５】 また、写真やフィルムシート等の材質的にとじ孔１２ａ，１２ｂを形成するの が不適当である被ファイル物であっても簡単に綴込むことができる。 さらに、図２（ａ）に示す長尺台紙１３を作成して、この長尺台紙１３を図５ に示す例えば市販の従来のファイルのとじ具６に固定する（綴込む）のみで、簡 単に本願のファイルが作成できるので、本願のファイルの製造費を必要最低限に 抑制できる。

【００２６】 なお、本考案は上述した実施形態に限定されるものではない。長尺台紙１３を 固定するとじ具６の形式は図１に示す形式に限定されるものではなく、種々の形 式のとじ具を採用する事ができる。

【００２７】

【考案の効果】

以上説明したように本考案のファイルにおいては、一方の長尺片に両面テープ が貼付られた複数の単位台紙が形成された長尺台紙をとじ具に固定している。そ して、被ファイル物の縁部を各単位台紙個別に又は複数の単位台紙毎に該当単位 台紙の両面テープに貼付けている。 したがって、たとえ縁にとじ孔を穿設できない書類等の被ファイル物であって も、安価でかつ簡単に綴込むことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の実施形態のファイルを示す斜視図

【図２】 同ファイルの製造方法を示す図

【図３】 同ファイルの使用方法を示す図

【図４】 同じく同ファイルの使用方法を示す図

【図５】 従来のファイルの概略構成図

【図６】 同従来ファイルの問題点を説明するための図

【符号の説明】

１…厚紙、２…中央部、３…表紙、４…裏表紙、５…折
返部、６…とじ具、１１，１８ａ，１８ｂ，１８ｃ…書
類、１３…長尺台紙、１４ａ，１４ｂ…とじ孔、１５…
切込部、１６…単位台紙、１７…両面テープ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 表紙及び裏表紙と、この表紙と裏表紙と
   を接続する中央部の内面に取付けられたとじ具とを有
   し、シート状の被ファイル物を綴じるファイルにおい
   て、 短冊状形状を有し、一方の長尺辺の近傍位置に穿設され
   たとじ孔を介して前記とじ具に固定され、他方の長尺辺
   が自由端となる所定幅を有した長尺台紙と、 この長尺台紙の前記他方の長尺辺の複数箇所に形成さ
   れ、前記長尺台紙の一部を複数の単位台紙に分割する複
   数の切込部と、 一方面が前記各単位台紙に貼付けられ、他方面に各単位
   台紙個別に又は複数の単位台紙毎に前記被ファイル物の
   縁が選択的に貼付けられる複数の両面テープとを備えた
   ファイル。