JP3027215U - コンクリート笠置ブロック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構 成】 伏せコ字型で、上部に段差がつきその中に
開口部を有するコンクリート笠置ブロック。 【効 果】 底板を支持するための角材が不要であり、
角材止めピン、底板材止めピンを溶接等により固定する
必要もなく、作業が極めて簡単に行える。ばらつきのな
い一直線な水平状態の仕上げが簡単にできる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、河川や海岸の鋼製矢板による護岸工事において、施工後の矢板の端 面等が景観を損なうため、これを仕上げるためのコンクリート笠置ブロックに関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

この種の、河川や海岸の鋼製矢板の護岸においては、施工後の鋼製矢板の上端 面等が不安定で、強度上問題があり、かつ、景観を損なうため、現場打ちコンク リートで鋼製矢板の上部端面を包み込んで補強し、景観の向上を図ることが実施 されていた。この従来技術について説明すると、図５に示すように、前面に所定 寸法の断面を有する長い角材２を架装するために、所定の高さに水糸を張り、水 糸に合わせて前面角材止めピン８を溶接し、次いで同様にして背面角材止めピン ６を溶接する。

【０００３】 こうして前面並びに背面に溶接した角材止めピン８、６の上に角材２を置いた 後、角材２上面と同高さに前面奥の底板材止めピン７を溶接する。

【０００４】 次いで、鋼製矢板１の凹凸に合うような形状に切り抜いた底板材３を前もって 多数用意しておき、この底板材３の凸端を奥前面の底板材止めピン７に載せ、そ の他端を角材２の上に載置して後、これが生コンクリートの投入に際して、動か ないように少数の細釘で軽く釘止めする。

【０００５】 次に、前もって所定の位置に面取り材９を取り付け、且つ、ボルト穴を設けて 用意してある前面板材４を図５に示すように当てつけて角材２に釘止めする。

【０００６】 次いで、セパレートボルト１０を前面板材４に前もって設けたボルト穴に通し て、皿ナット１２と角ナット１３で前面板材４に固定し、セパレートボルト１０ の中間付近で鋼製矢板１の端面に接する位置で両者を溶接する。

【０００７】 背面側は、面取り材９を付けていない背面板材５を図５のように、前面板材４ と上端を合わせて角材２に釘止めする。勿論、背面板材５にも、所定位置にボル ト穴があけてあるので此のボルト穴にボルトを通して取り付けなくてはならない 。

【０００８】 こうして、背面板材５も前面板材４と同様に、皿ナット１２と角ナット１３で 所定位置に締め込んで固定する。

【０００９】 ここで背面側はセパレートボルト１０の高さまで埋め戻して若干填圧を行う。 なお、背面側の土砂は、鋼製矢板１を打ち込み後に背面角材止めピン６の高さま で填圧してあるものとする。

【００１０】 以上で型枠作業を終わり、次いで必要とする量の鉄筋の配筋をしてから上面の 開口部より生コンクリートを流し込んで、このコンクリートが固まってから、セ パレートボルト１０の両端の角ナット１３を取り外し、背面の埋め戻し土砂を掘 って角材２と背面板材５を取り除き、再度土砂を埋め戻し填圧する。

【００１１】 前面板材４も角材２と共に取り除き、続いて前後に突き出しているセパレート ボルト１０の先端をレンチで捻るとセパレートボルト１０は、くびれ部１１のと ころで、ねじ切られて皿ナット１２と共に取り除く事ができる。次に、皿ナット １２を取り除いた穴にモルタルを詰め込んで、最後に前面角材止めビン８を溶断 して鋼製矢板１の笠置取り付け作業を終わる。以上のようなものが従来から一般 的に知られている。

【００１２】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記の従来技術における、河川や海岸の鋼製矢板の護岸技術は 、現場打ちコンクリートで鋼製矢板の上部端面を包み込んで補強し、景観の向上 を図ることが実施されていたが、鋼製矢板の端面は図２ように「口を大きく開い たΩ字型」でこれを１個置きに前後面を交互に反転して打ち込んでいるので、施 工後の端面は大きな凹凸が連続してコンクリートを現場打ちする場合の型枠の加 工や組立が容易でなかった。

【００１３】 また、従来の鋼製矢板の上部端面への笠置工法では、打ち込まれた鋼製矢板は 、打ち込み時の土圧の影響を受けて端面形状が数ｍｍ単位で変形している上に、 鋼製矢板の前面も１個毎に若干の凹凸を生じていて、一直線に仕上がっていない 等という問題があった。

【００１４】 本考案は、これらの事情に鑑み、コンクリートを現場打ちするための型枠の加 工や組立を不要にし、伏せコ字型のコンクリート笠置ブロックを高さ調整金具及 び位置決め金具で位置決めしながら載置するだけで、コンクリートの現場打ちを 排除することができる、コンクリート笠置ブロックを提供することを目的とする ものである。

【００１５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、前記課題を解決するために、伏せコ字型で、上部に段差がつきその 中に開口部を有することを特徴とするコンクリート笠置ブロックという技術手段 を採用した。

【００１６】

【考案の実施の形態】

本考案は、以上の技術手段を採用した結果、鋼製矢板の天端に高さ調整金具を 嵌合し、ボルトの頭部を所定の高さに合わせ、同様に水路側と岸側の位置決め金 具を嵌合し、ボルトを所定の位置までねじ込んでおき、笠置ブロック本体を吊り 降ろし水路側の位置決め金具に当たるまで、岸側へ引きよせて据え付け、水路側 の鋼製矢板の形状に合わせた底板を、笠置ブロック本体の底部にシャコ万力で固 定し、コ字型笠置ブロックの開口側を下に向くように伏せて順次並設しながら笠 置ブロックをボルト等で固定連結し笠置ブロック本体の天端及び開口部より生コ ンクリートを打設して完成するものである。

【００１７】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を添付図面で詳細に説明する。

【００１８】 本考案の一実施例である鋼製矢板の笠置ブロックについて図１、図２に基つい て説明する。 本考案の笠置ブロックは、工場生産に依って供給されるので、品質が安定して いる上に、現場作業が大幅に減少し、据え付けに必要な資材が少なくなって、経 済的に且つ、迅速な工事を可能にするものである。

【００１９】 そして、本考案のコンクリート笠置ブロックの工法を図面によって説明すると 次のようになる。

【００２０】 口を大きく開いたΩ字型の鋼製矢板を１個置きに前後面を交互に反転して打ち 込んで河川や海岸における護岸工事に関する施工後の上端仕上工事において、前 記鋼製矢板の天端に高さ調整金具を嵌合し、ボルトの頭部を所定の高さに合わせ 、同様に水路側と岸側の位置決め金具を嵌合し、ボルトを所定の位置までねじ込 んでおき、笠置ブロック本体を吊り降ろし水路側の位置決め金具に当たるまで、 岸側へ引きよせて据え付け、水路側の鋼製矢板の形状に合わせた底板を、笠置ブ ロック本体の底部にシャコ万力で固定し、これを長さ方向に連続して繰り返し並 べて、各々を連続固定し、笠置ブロック本体の天端開口部より生コンクリートを 打設する笠置ブロックによる鋼製矢板の護岸工法である。

【００２１】 鋼製矢板１の背面側は、底板材３の高さまで埋め戻して填圧してあるので、伏 せコ字型の笠置ブロック１４をトラッククレーン等で吊り上げて鋼製矢板１の上 方から、鋼製矢板１にかぶせる様に降ろし、笠置ブロック１４を水路側の位置決 め金具１８に当たるまで岸側へ引きよせ据え付け、底板３を水路側の鋼製矢板１ に合わせ、図１に示すように笠置ブロック１４本体の底部でシャコ万力１９で固 定する。

【００２２】 こうして、笠置ブロック１４を次々と隙間なく並べて置いて行く後から、他の 人がコの字状連結用鋼材２０を介して、ボルトを埋め込みナット１６にねじ込ん で隣接する笠置ブロック１４間を緊結して行く。これを繰り返すことによって、 この状態で笠置ブロック１４本体の天端開口部１５より生コンクリートを打設し て開口部１５の上部と水平になるまで打ち込むことにより、護岸工事を完了する ものである。そして、最後に岸側を埋め戻せば、一連の笠置の工事が完成する。

【００２３】

【考案の効果】

本考案は、以上の構成を採用した結果、つぎの効果を得ることができる。 （１）底板を支持するための角材が不要であり、角材止めピン、底板材止めピン を溶接等により固定する必要もなく、作業が極めて簡単に行える。 （２）ばらつきのない一直線な水平状態の仕上げが簡単にできる。 （３）コンクリートによる現場打ちが不要である。 （４）上記のコンクリート現場打ちによる型枠の加工や組立が不要である。 （５）コンクリートの養生等が不要であるので工期が短縮できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例である、コンクリート笠置ブ
ロックによる鋼製矢板の護岸工法の説明側面図である。

【図２】前記一実施例における、コンクリート笠置ブロ
ックによる鋼製矢板の護岸工法の説明平面図である。

【図３】前記一実施例における、コンクリート笠置ブロ
ックの説明側面図である。

【図４】前記一実施例における、コンクリート笠置プロ
ックの説明平面図である。

【図５】従来例における、現場打ち工法の説明側面図で
ある。

【符号の説明】

１・・・・鋼製矢板 ２・・・・角材 ３・・・・底板材 ４・・・・前面板
材 ５・・・・背面板材 ６・・・・背面角
材止めピン ７・・・・底板材止めピン ８・・・・前面角
材止めピン ９・・・・面取り材 １０・・・・セパレ
ートボルト １１・・・・くびれ部 １２・・・・皿ナ
ット １３・・・・角ナット １４・・・・笠置
ブロック １５・・・・開口部 １６・・・・埋め
込みナット １７・・・・高さ調整金具 １８・・・・位置
決め金具 １９・・・・シャコ万力 ２０・・・・連結
用鋼材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 伏せコ字型で、上部に段差がつきその中
   に開口部を有することを特徴とするコンクリート笠置ブ
   ロック。