JP3027203B2 - 電子写真用湿式トナー - Google Patents

電子写真用湿式トナー

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JP3027203B2
JP3027203B2 JP3013871A JP1387191A JP3027203B2 JP 3027203 B2 JP3027203 B2 JP 3027203B2 JP 3013871 A JP3013871 A JP 3013871A JP 1387191 A JP1387191 A JP 1387191A JP 3027203 B2 JP3027203 B2 JP 3027203B2
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文靖 竹川
貴子 有園
満 多気田
恭一 山本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真用湿式トナー及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真用感光体を反復して使用する場
合には、感光体上のトナーを被転写体に効率良く転写す
る必要があり、転写の方法として静電転写方法がある。
【0003】静電転写方法は、絶縁性乾式トナーを被転
写体へ転写する際に、静電潜像を現像し、トナーが像状
に付着した電子写真用感光体の表面に被転写体を密着
し、被転写体の背面からトナーの電荷とは逆極性の直流
コロナ放電を行い、トナーを被転写体に吸引・転写する
方法であって多くの複写機等において採用されている方
法である。
【0004】この方法は装置が簡便である反面、被転写
体背面から与えられるコロナ放電電荷を被転写体背面で
良好に保持し、かつ分離時の放電を起こさぬ為には被転
写体の電気抵抗が109 〜1012Ωcmの範囲内にある
ことが必要となり、環境湿度、被転写体が紙であるとき
は紙の含有水分などの影響をうけ易い欠点がある。
【0005】一方、乾式トナーに対比される湿式トナー
のトナー粒子は大部分が顔料からなっており、加熱、加
圧により溶融したり変形したりすることはなく、その定
着はもっぱら被転写体への浸透及び乾燥によっている。
【0006】従って、かかる従来の湿式トナーは圧力転
写性が悪いが、トナー粒子が電気絶縁性液体中にあるた
め湿度の影響を受けにくく、乾式トナーのようにトナー
粒子が常に強く接触することもないため乾式圧力定着ト
ナーの場合ほどケーキ化の傾向が強くならないという利
点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、先に、電
子写真用湿式トナーを、カルボキシル基又はエステル基
を有するオレフィン系樹脂を溶媒置換法により製造する
ことにより、転写性に優れ、解像性のよい電子写真用湿
式トナーとなることを見出し、先に出願した。
【0008】本発明は、この電子写真用湿式トナーの改
良及びその製造方法の提供を課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の電子写真用湿式
トナーは、カルボキシル基又はエステル基を有する樹脂
を、該樹脂の溶解温度を越える温度で樹脂を溶解すると
共に水と相溶性を有するテトラヒドロフラン溶媒に溶解
して樹脂溶液とし、一方、水ケーキ顔料を上記溶媒に分
散させて別に顔料分散液を調製した後、該顔料分散液と
樹脂溶液とを混合分散し、次いで該混合分散液を樹脂の
析出温度以下に冷却し、更に樹脂粒子の析出した混合分
散液における溶媒を脂肪族炭化水素からなる電気絶縁性
液体により溶媒置換することにより水分を前記溶媒と共
に除去して得られる電子写真用湿式トナーであって、該
電子写真用湿式トナーにおける顔料粒子が一次粒子状
で、かつ該顔料粒子と樹脂粒子とからなるトナー粒子が
球状粒子であることを特徴とする。
【0010】本発明の電子写真用湿式トナーは、カルボ
キシル基又はエステル基を有する樹脂を、該樹脂の溶解
温度を越える温度で樹脂を溶解し且つ水と相溶性を有す
るテトラヒドロフラン溶媒に溶解すると共に荷電制御剤
を添加して樹脂溶液とし、一方、水ケーキ顔料を上記溶
媒に分散させて別に顔料分散液を調製した後、該顔料分
散液と樹脂溶液とを混合分散し、次いで該混合分散液を
樹脂の析出温度以下に冷却し、更に樹脂粒子の析出した
混合分散液における溶媒を脂肪族炭化水素からなる電気
絶縁性液体により溶媒置換することにより水分を前記溶
媒と共に除去して得られる電子写真用湿式トナーであっ
て、該電子写真用湿式トナーにおける顔料粒子が一次粒
子状で、かつ該顔料粒子と樹脂粒子とからなるトナー粒
子が球状粒子であることを特徴とする。
【0011】
【0012】
【0013】以下、本発明について詳細に説明する。
【0014】本発明において使用するカルボキシル基又
はエステル基を有する樹脂粒子としては、 1)ポリオレフィン樹脂を変性しカルボキシル基を導入
したもの、一例を商品名で挙げると、日本石油化学
(株)製Nポリマー、東燃石油化学 (株)製東燃CMP
−HAシリーズ、三菱油化 (株)製MODIC、製鉄化
学工業 (株)製ザイクセン、三井東圧化学 (株)製ロン
プライ、三井石油化学工業 (株)製アドマー等、 2)エチレンとアクリル酸との共重合体、商品名で挙げ
るとダウケミカル社製ダウEAAコポリマー、 3)エチレンとアクリル酸又はメタアクリル酸との共重
合体、或いは更にそれらを架橋させたいわゆるアイオノ
マー、商品名で挙げると米国デュポン社製サーリン、三
井ポリケミカル (株)製ハイミラン、旭ダウ (株)製コ
ーボレンラテックス等、 4)エチレンと酢酸ビニルとの共重合体、商品名で挙げ
ると、東洋曹達工業 (株)製ウルトラセン、住友化学工
業 (株)製スミテート、三菱油化(株)製ユカロン−エ
バ、三井ポリケミカル (株)製エバフレックス、米国デ
ュポン社製エルパックス等、 5)エチレンと酢酸ビニルとの共重合体の部分ケン化
物、商品名で挙げると、武田薬品工業 (株)製デュミラ
ン、 6)エチレンとアクリル酸エステルとの共重合体、商品
名で挙げると日本ユニカー (株)製DPD−6169 7)カルボキシル性のカルボニル基を含有するポリオレ
フィン系樹脂等を挙げることができ、以上のものを1種
若しくは2種以上を混ぜて使用することができ、樹脂粒
子としては、粒径が10μm以下、好ましくは0.1〜
5μmのものとするとよい。
【0015】本発明の製造方法により製造される樹脂粒
子は、樹脂をその溶解温度を越える温度で樹脂を溶解さ
せた後、冷却し、樹脂を溶解しない電気絶縁性液体によ
り溶媒置換することにより製造されることにより、後述
するように、電子写真用湿式トナーにおける樹脂粒子と
顔料粒子とからなるトナー粒子が微細な球状粒子となる
ことを見出したものである。
【0016】次に、本発明の電子写真用湿式トナーにお
ける顔料について説明する。
【0017】本発明の電子写真用湿式トナーにおける顔
料は、水ケーキ顔料を材料として製造されることによ
り、電子写真用湿式トナーにおいては一次粒子状に分散
させることができるものである。水ケーキ顔料は、顔料
製造工程中で得られる中間製品であるが、この状態では
顔料は凝集していなく、一次粒子状態であり、本発明に
おいて使用しうる水ケーキ顔料としては、例えば商品名
で示すと大日精化 (株)製のクロモファインブルーZC
A048、クロモファインブルーZCA474、ZAB
952P、セイカファーストエロー2400B、クロモ
ファインマゼンタ6880P、又、大日本インキ (株)
製のファーストゲンブルーGNPK等を挙げることがで
きる。
【0018】本発明の電子写真用湿式トナーにおける電
気絶縁性液体としては、公知のものを使用でき、例えば
液状のn−パラフィン系炭化水素、iso−パラフィン
系炭化水素、またはその混合物、脂環族炭化水素、ハロ
ゲン脂肪族炭化水素等が挙げられる。
【0019】又、本発明においては可及的に異種物質を
溶解しないようにするという配慮即ち、電気絶縁性を維
持しかつ現像剤の劣下を防止するという配慮から、溶解
力の比較的小さい電気絶縁性液体、特に脂肪族属炭化水
素、就中iso−またはn−パラフィン系炭化水素を用
いるのが好ましい。
【0020】更に、本発明の電子写真用湿式トナーに
は、荷電制御剤を好ましく添加することができる。
【0021】本発明で使用しうる荷電制御剤としては、
ナフテン酸マンガン、ナフテン酸カルシウム、ナフテン
酸ジルコニウム、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉄、
ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸クロ
ム、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸マグネシウム、オクチ
ル酸マンガン、オクチル酸カルシウム、オクチル酸ジル
コニウム、オクチル酸鉄、オクチル酸鉛、オクチル酸コ
バルト、オクチル酸クロム、オクチル酸亜鉛、オクチル
酸マグネシウム、ドデシル酸マンガン、ドデシル酸カル
シウム、ドデシル酸ジルコニウム、ドデシル酸鉄、ドデ
シル酸鉛、ドデシル酸コバルト、ドデシル酸ニッケル、
ドデシル酸クロム、ドデシル酸亜鉛、ドデシル酸マグネ
シウム等の金属石鹸、ドデシルベンゼンスルホン酸カル
シウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデ
シルベンゼンスルホン酸バリウム等のアルキルベンゼン
スルホン酸塩、レシチン、セハリン等の燐脂質、n−デ
シルアミン等の有機アミン類等が例示でき、この他、従
来現像剤の荷電制御に使用される荷電制御剤であれば使
用できる。荷電制御剤の添加量は、荷電制御効果を示す
最低限の量でよいが、通常、樹脂の加熱溶解時の溶媒
中、0.01重量%〜50重量%とするのがよい。
【0022】又、電子写真用湿式トナーには、その他、
分散剤、定着剤等を含有せしめても良く、例えば定着剤
としては前述した高電気絶縁性液体に可溶な各種樹脂、
例えば変性或いは未変性のアルキド樹脂、通常のアクリ
ル樹脂、合成ゴム、ポリアルキレンオキシド、ポリビニ
ルアセタール(ブチラールも含む)、酢酸ビニル樹脂等
が使用でき、分散剤としては、多くのアニオン系、カチ
オン系、両性、或いはノニオン系の界面活性剤の他に上
述した荷電制御剤の内、例えば脂肪族酸塩や、定着剤の
内、例えば適宜の合成樹脂を用いることができる。
【0023】このようにして得られた液体現像剤中の樹
脂粒子はプラス或いはマイナスに帯電している。プラス
に帯電しているものは、マイナス帯電で使用する電子写
真用感光体、例えば酸化亜鉛/樹脂感光体においてポジ
画像を与えるものである。
【0024】次に、本発明の電子写真用湿式トナーの製
造方法について説明する。
【0025】先ず、カルボキシル基又はエステル基を有
する樹脂を、該樹脂の溶解温度を越える温度で樹脂を溶
解すると共に水と相溶性を有する溶媒で溶解して樹脂溶
液とする。
【0026】このような溶媒としては、好ましくはテト
ラヒドロフランを挙げることができる。
【0027】一方、水ケーキ状顔料を上記樹脂溶媒と同
一の溶媒に分散させて顔料分散液を調製し、この顔料分
散液を上記で得られた樹脂溶液中に混合分散する。
【0028】次に、この混合分散液を樹脂の析出温度以
下に、攪拌しつつ冷却して樹脂粒子を析出させる。これ
により粒径が10μm以下の樹脂粒子を析出させること
かできる。
【0029】この樹脂粒子の析出した混合分散液におけ
る溶媒を上記電気絶縁性液体により溶媒置換する。
【0030】この溶媒置換により、水状ケーキ中の水分
は溶媒中に残存させる一方、顔料は一次粒子状のまま、
樹脂粒子と共にトナー粒子を形成し、好適に電気絶縁性
液体中に分散させることができる。
【0031】このように、本発明の製造方法によると、
電子写真用湿式トナーにおける樹脂粒子及び顔料からな
るトナー粒子は、その製造工程において析出させた状態
で使用に耐える粒径を有しており、従来この種トナーの
製造方法において必須であった粉砕手段を不要としうる
効果を有している。
【0032】尚、本発明の電子写真用湿式トナーにおけ
るトナー粒子は、必要に応じてボールミル、ピンピルあ
るいはジェットミル等の粉砕機にて更に微粉砕しても良
いことはいうまでもない。
【0033】以上の方法により粒子化されたトナー粒子
の粒径は、現像後に得られる像の解像性に対する要求度
によっても異なるが平均粒径10μm以下であることが
好ましく、より好ましくは5μm〜0.1μmに平均粒
径があれば良い。
【0034】又、上記の電子写真用湿式トナーを製造に
際して、荷電制御剤を樹脂の加熱溶解時に添加すること
により、使用可能な荷電制御剤が電気絶縁性液体により
限定されないという利点がある。又、溶媒中に溶解した
荷電制御剤は、電気絶縁性液体の電気抵抗を著しく低下
させるため、電気絶縁性液体中の存在量はなるべく少な
い方が望ましい。一方、トナー粒子に確実に荷電制御剤
を吸着させるためには、電気絶縁性液体中の荷電制御剤
濃度は高い方が望ましく両者は相反するが、本発明の製
造方法によると、樹脂の加熱溶解時に荷電制御剤を添加
し、造粒後、溶媒置換することから、樹脂溶解時に荷電
制御剤を添加してトナー粒子への吸着を十分行わしめた
後に、トナー粒子吸着に関与しない不要の荷電制御剤を
溶媒置換により除去できるという大きな利点かあり、上
記の条件を満足することができる。
【0035】このようにして形成される本発明の電子写
真用湿式トナーは、紙などの絶縁性の転写対象に対して
通常の転写方法、すなわちコロナ転写等の電界転写を行
うことはもちろん可能であるが、金属等の電気導電性の
転写対象に対して電子写真用感光体表面から圧力転写法
により効率良く転写できる。この目的に使用しうる電子
写真用感光体としては一般に公知のものが使用可能であ
るが、より好ましくは易剥離性材料層を有する表面に電
子写真用感光体を使用することにより、さらに優れた転
写性を実現することができる。
【0036】更に、本発明の電子写真用湿式トナーを用
いて、平板印刷版用の基板にトナーを転写することによ
り平板印刷版の強固な耐刷力の高い画線部を形成するこ
とができる。即ち、トナー中の樹脂粒子に含まれるカル
ボキシル基又はエステル基等のカルボニル基の存在によ
り、紙、プラスチックス、金属などとの接着性が向上し
ていること、樹脂の存在によりもたらされる適度な柔軟
性が印刷時の衝撃を吸収するためと考えられる。
【0037】
【作用及び発明の効果】本発明の電子写真用湿式トナー
は、電気絶縁性液体中に分散される顔料粒子を一次粒子
状にしうることにより、顔料粒子の凝集による障害がな
く、その詳細な理由は不明であるが、顔料粒子と樹脂粒
子とからなるトナー粒子が球状の微細粒子となることに
より、高解像力を得ることができるものと推察される。
【0038】また本発明により製造されるトナー粒子
は、粒径が10μm以下の粒状のものとなるが、これは
トナー粒子の核となる顔料粒子を一次粒子状のままトナ
ーの製造工程に使用しうることに由来するものと思われ
る。即ち、本発明によるトナー粒子は、顔料原料として
水ケーキ顔料を使用し、水と相溶性のある溶媒を使用し
て樹脂を溶解すると共に水ケーキ顔料を分散させた後、
分散液を冷却して樹脂粒子を析出させ、次いで水と相溶
性のある溶媒を電気絶縁性液体との溶媒置換することに
より、トナー成分して不要な水ケーキ顔料における水分
を簡単に溶媒と共に除去することができることを見出し
たことにより可能としえたものである。
【0039】又、本発明の電子写真用湿式トナーは、樹
脂としてカルボキシル基又はエステル基を有する樹脂粒
子を使用し、かつ微細化されたトナー粒子を使用するこ
とにより、圧力転写性に優れ、常温でも柔軟性を有し、
圧力転写に際して感光体表面を傷つけることがない。
【0040】更に、平板印刷版の画線部とした場合に
は、画線部自体が適度な弾性を有することとなり、直刷
り印刷を行った場合には被印刷体である紙の遷移による
凹凸を吸収するため一定の印圧で印刷でき非常になめら
かな印刷物を得ることができ、又、樹脂粒子の平板印刷
版用基板との接着性が良好であるため、充分な耐刷力を
得ることができる。
【0041】以下、本発明の実施例を示す。尚、部数は
重量部を示す。
【0042】
【実施例1】テトラヒドロフラン中に部分ケン化エチレ
ン酢酸ビニル共重合体(デュミランC−2280、武田
薬品工業 (株)製)5部を入れ、45〜50℃に加熱
し、攪拌を継続しつつ、超音波照射を行い、樹脂を溶解
させる。
【0043】一方、テトラヒドロフラン中に水ケーキ状
顔料(ZCA474 大日精化(株)製)3部を入れ、
分散させる。
【0044】次に、このようにして調製した樹脂溶液と
顔料分散液とを混合した後、ナフテン酸コバルト6%
(和光 (株)製)52部を添加し、45〜50℃に加熱
し、攪拌を継続しつつ、超音波照射を行う。尚、テトラ
ヒドロフラン使用量は、全体で270部使用した。
【0045】その後、攪拌を継続しつつ、5℃に急冷
し、樹脂を析出させた。
【0046】超音波照射と攪拌を継続しつつ、アイソパ
ーHを徐々に添加し、フィルター法により溶媒置換した
後、今度はアイソパーHを一度に加え、フィルター法に
よる溶媒置換を繰り返し、テトラヒドロフラン濃度を下
げると共に顔料中の水分の除去を行った。フィルター法
による溶媒置換は3〜5回が適当である。
【0047】沈澱トナーの再分散は撹拌により容易に行
え、製造1カ月後も粒径に変化はなく凝集ケーキ化は生
じなかった。
【0048】図1は、このようにして得られた電子写真
用湿式トナーの分散状態について、顕微鏡(型式 BH
S−222、倍率1500倍)によるトナー粒子の顕微
鏡写真である。トナー粒子が中央部に2個重なり存在
し、球形状であることがわかる。
【0049】図2は、図1においてピッチ10μmのス
ケールを同時に表示させた写真である。これによると、
トナー粒子は平均粒径約2〜3μmであることがわか
る。
【0050】又、システム生物顕微鏡・位相差顕微鏡
(型式BHS−PC−B、倍率800倍)像をカラーテ
レビカメラシステム(型式FCD−725−2)を使用
して観察したところ、トナー粒子は顔料を核とし、回り
に樹脂のくるまった球形状をしていることがわかった。
【0051】図3は、電子顕微鏡写真(倍率3万倍)に
よるトナー粒子の粒子構造を示す図である。トナー粒子
が球形状であることがわかる。
【0052】一方、易剥離層を有する感光体を次のよう
に作成した。
【0053】 ・ローズベンガルを 0.00625重量%吸着させた酸化亜鉛(SAZEX#2000、境化学工 業 (株)製) ・・・ 80重量部 ・シリコンワンス(KR211 、信越化学工業 (株)製) ・・・ 29重量部 ・トルエン ・・・ 224重量部 上記組成の酸化亜鉛/樹脂液を脱脂アルミニウム板に回
転塗布し150℃5時間乾燥した。
【0054】この感光板にプライマーとして、下記組成 ・テトラブトキシチタニウム ・・・ 5重量部 ・γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン (KBM403、信越化学工 業 (株)製) ・・・ 5重量部 ・イソプロピルアルコール 10重量部 ・シリコーン溶液(KF96L-0.65CS、信越化学工業 (株)製) 80重量部 のものを回転塗布し、100℃30分間乾燥した。
【0055】さらに剥離剤として、下記組成 ・シリコーンゴムKS70SF(信越化学工業KK) ・・・ 10重量部 ・硬化触媒 cat PS(信越化学工業KK) ・・・ 0.4重量部 ・エチルシクロヘキサン ・・・ 90重量部 のものを回転塗布し、100℃、30分間乾燥し、易剥
離性層を有する感光板を作成した。
【0056】この感光板にマイナスのコロナ帯電を施
し、透過原稿を密着し、タングステンランプの真空焼枠
で75luxの照度で10秒間露光した。
【0057】この感光板を前記湿式トナーで現像したと
ころボジ像が得られ、300ライン/インチのスクリー
ン線数で4%の網点が再現されていた。
【0058】次に、富士写真フィルムKK製PS版SK
の感光層を除去して得た平板印刷版用基板とこの感光板
を密着させ、温度40℃、圧力124Kg/cm2で3分間加
圧した後、両者を分離したところ感光板上のトナーは完
全に平板印刷版用基板に転写していた。この基板を10
0℃10分間加熱し、トナーを定着した後印刷機に取付
け、湿し水とインキを供給して印刷を行ったところ10
00枚以上の良好な印刷物を得られた。
【0059】
【実施例2】湿式トナーの樹脂としてアイオノマーレジ
ン(サーリン1855、デュポン社製)を使用すること
以外は実施例1と同様に電子写真用湿式トナーを調製
し、実施例1同様に解像性及び印刷特性を評価したとこ
ろ同様の結果が得られた。
【0060】
【実施例3】湿式トナーの樹脂として変性ポリエチレン
(NポリマーRA1050、日本石油化学 (株)製)を
使用する以外は実施例1と同様にして電子写真用湿式ト
ナーを調製し、実施例1同様に解像性及び印刷特性を評
価したところ同様の結果が得られた。
【0061】
【実施例4】湿式トナーの樹脂としてエチレンアクリル
酸共重合体(ダウEAA#435、ダウ社製)を使用す
る以外は実施例1と同様にして電子写真用湿式トナーを
調製し、実施例1同様に解像性及び印刷特性を評価した
ところ、同様の結果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子写真用湿式トナーの粒子構造
を、顕微鏡(型式 BHS−222、倍率1500倍)
により撮影した写真により示す図である。
【図2】 図1においてピッチ10μmのスケールを入
れた写真で示す図である。
【図3】 本発明の電子写真用湿式トナーの粒子構造
を、電子顕微鏡写真(倍率3万倍)により示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多気田 満 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 山本 恭一 神奈川県横浜市緑区青砥町450番地 諸 星インキ株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−149060(JP,A) 特開 昭64−50061(JP,A) 特開 昭58−152258(JP,A) 特公 昭60−39229(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシル基又はエステル基を有する
    樹脂を、該樹脂の溶解温度を越える温度で樹脂を溶解す
    ると共に水と相溶性を有するテトラヒドロフラン溶媒
    溶解して樹脂溶液とし、一方、水ケーキ顔料を上記溶媒
    に分散させて別に顔料分散液を調製した後、該顔料分散
    液と樹脂溶液とを混合分散し、次いで該混合分散液を樹
    脂の析出温度以下に冷却し、更に樹脂粒子の析出した混
    合分散液における溶媒を脂肪族炭化水素からなる電気絶
    縁性液体により溶媒置換することにより水分を前記溶媒
    と共に除去して得られる電子写真用湿式トナーであっ
    て、該電子写真用湿式トナーにおける顔料粒子が一次粒
    子状で、かつ該顔料粒子と樹脂粒子とからなるトナー粒
    子が球状粒子であることを特徴とする電子写真用湿式ト
    ナー。
  2. 【請求項2】 カルボキシル基又はエステル基を有する
    樹脂を、該樹脂の溶解温度を越える温度で樹脂を溶解し
    且つ水と相溶性を有するテトラヒドロフラン溶媒に溶解
    すると共に荷電制御剤を添加して樹脂溶液とし、一方、
    水ケーキ顔料を上記溶媒に分散させて別に顔料分散液を
    調製した後、該顔料分散液と樹脂溶液とを混合分散し、
    次いで該混合分散液を樹脂の析出温度以下に冷却し、更
    に樹脂粒子の析出した混合分散液における溶媒を脂肪族
    炭化水素からなる電気絶縁性液体により溶媒置換するこ
    とにより水分を前記溶媒と共に除去して得られる電子写
    真用湿式トナーであって、該電子写真用湿式トナーにお
    ける顔料粒子が一次粒子状で、かつ該顔料粒子と樹脂粒
    子とからなるトナー粒子が球状粒子であることを特徴と
    する電子写真用湿式トナー。
JP3013871A 1991-01-11 1991-01-11 電子写真用湿式トナー Expired - Lifetime JP3027203B2 (ja)

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