JP3026445U - 車両用シフトレバーノブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、オートマチックトランスミッション用
シフトレバー位置固定機構の作動杆の頭部形状が車種に
より異なっているため、その形状にあった構造の後付け
用のシフトレバーノブを各種提供する必要があり、汎用
性に欠けるとう欠点があった。本考案の目的は上記の欠
点を除き、汎用性が高いシフトレバーノブを得るにあ
る。 【解決手段】 本考案のシフトレバーノブにおいては、
オートマチックトランスミッション用シフトバー位置固
定機構の作動杆を上下動自在なスライド部により押下自
在ならしめ、このスライド部を横方向移動自在な操作部
により上下動せしめる。上記スライド部は天井板とこの
天井板の側面から垂下した側壁とこの側壁に形成された
傾斜溝より構成し、上記操作部には上記傾斜溝に移動自
在に係合するピンとシフトレバーノブ本体外に露出した
操作部分を有せしめる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は車両用シフトレバーノブ、特にオートマチックトランスミッション車 用のシフトレバーノブに関するのものである。

【０００２】

【従来の技術】

オートマチックトランスミッション（ＡＴ）用の車両には、シフトレバーがパ ーキング位置やリバース位置等のシフトレンジから他のシフトレンジにみだりに 移動しないようにするシフトレバー位置固定機構が設けられている。

【０００３】 この位置固定機構は、シフトレバーを貫通して上方に延びるよう常時上方にバ ネ等により付勢された作動杆を下方に押し下げることにより解除され、シフトレ バーノブには、上記作動杆を手動で下方に押し下げる位置固定機構解除スイッチ が設けられている。

【０００４】 従って、上記解除スイッチを操作しない場合には上記位置固定機構は解除され ないのでシフトレバーは移動できず、一方上記解除スイッチを操作した場合には 上記作動杆は下方に押し下げられるので上記位置固定機構が解除されシフトレバ ーは移動することができ、従って走行中シフトレバーが勝手に他のシフトレンジ に移動するようなことはなく、安全性が確保されることになる。

【０００５】 図４は上記解除スイッチを有するＡＴ用シフトレバーノブを示し、１は中空の シフトレバー軸、２は上記シフトレバー軸１にボルト等により固定されるシフト レバーノブ本体、３は上記シフトレバー軸１と一線をなす上記シフトレバーノブ 本体２内に形成された軸方向の孔、４は上記シフトレバーノブ本体２に形成され た上記軸方向の孔３に連通する横方向の孔、５は上記軸１内を貫通して上方に延 び、その頭部６が上記横方向の孔４内にバネ等により常時突出される位置固定機 構の作動杆、７は上記頭部６に形成せしめた傾斜面、８は上記作動杆５を下方向 に作動せしめる解除スイッチ部である。

【０００６】 また、上記解除スイッチ部８は、上記孔４内に埋め込まれた筐体９と、この筐 体９内を横方向にスライド自在で、その一端に上記シフトレバーノブ本体２外に 露出される操作ボタン１０を有し、他端に上記頭部６を受容し、この頭部６の傾 斜面７に合致しこれに対接される傾斜面１１が構成された貫通穴１２を有するス ライド部１３と、上記スライド部１３の他端と上記筐体９の底９ａ間に挿入され た上記操作ボタン１０を常時シフトレバーノブ本体２外に突出した状態に付勢す る圧縮コイルスプリング１４とよりなる。

【０００７】 上記のようなＡＴ用シフトレバーノブにおいては、図５に示すように常時操作 ボタン１０がシフトレバーノブ本体２外に突出し、上記作動杆５が上方に突出し た位置にあるので上記位置固定機構は解除されることがないが、図６に示すよう に操作ボタン１０をシフトレバーノブ本体２内に押し込めば、上記スライド部１ ３の傾斜面１１に沿って上記作動杆５が下方に下げられるので、上記位置固定機 構が解除され、シフトレバーの移動が可能となる。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

然しながら、上記頭部６の傾斜面７の傾斜角度、傾斜の向きは車種により異な るため、従来においては、後付け用のシフトレバーノブを取り付けるために、上 記傾斜面７の傾斜角度、傾斜向きに合致できる種々の解除スイッチ部８を有する シフトレバーノブを用意する必要があり、また、頭部６の形状が傾斜面を有しな い形状のものである場合にはそれに対応した形状の解除スイッチ部を有するシフ トレバーノブを用意する必要があり、汎用性に欠けるという欠点があった。

【０００９】 また、従来のシフトレバーノブの解除スイッチ部８は図４〜図６に示すように スライド部１３の他端側のスライド逃げのスペース及びコイルスプリング１４の 収納スペース等の空間１５を設ける必要があるため、シフトレバーノブ本体２の 形状が大きくなり、また頭部６の傾斜面７の向きによりシフトレバーノブに取り 付ける操作ボタン１０の位置が定まってしまうため、シフトレバーノブの操作ボ タン１０を例えばフロント側に設ける等のことができない場合があるなどデザイ ンの自由度が低いという欠点もあった。

【００１０】 本考案は上記の欠点を除くようにしたものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

本考案の車両用シフトレバーノブは、車両用シフトレバーノブ本体と、シフト レバー位置固定機構の作動杆を挿通せしめるため上記シフトレバーノブ本体に設 けられた孔と、上記シフトレバーノブ本体内に配置された、上記作動杆を下方に 押し下げる解除スイッチ部とより成り、上記解除スイッチ部が、上記作動杆を下 方に押し下げる上下動自在なスライド部と、上記スライド部を上下動せしめるた め横方向移動自在な操作部と、上記操作部を常時非作動位置に抑制する付勢手段 とより成る。

【００１２】 上記解除スイッチ部のスライド部は、天井板と、この天井板の側面から垂下し た側壁と、この側壁に形成された傾斜溝とより成り、上記操作部が上記シフトレ バーノブ本体外に突出された一端と、上記傾斜溝内を移動自在なピンが固定され た他端とより成る。

【００１３】 上記付勢手段は、上記シフトレバーノブ本体と上記操作部間に介挿されたスプ リングである。

【００１４】 本考案の車両用シフトレバーノブは、上記シフトレバーノブ本体がシフトレバ ー軸に対する固定用の孔を上下方向に離間して複数有する。

【００１５】

【考案の実施の形態】

【００１６】 以下図面によって本考案の実施例を説明する。

【００１７】 本考案のシフトレバーノブにおいては、従来の解除スイッチ部８を用いる代わ りに、図１に示すように、シフトレバーノブ本体２の孔４内に埋め込まれる筐体 １６と、この筐体１６内に設けられたガイド用隔壁板１７と、上記筐体１６内を 上下方向にスライド自在なスライド部１８と、上記シフトレバーノブ本体２外に その一端が露出される操作ボタン２０と、その一端が上記操作ボタン２０の他端 に固定され、上記筐体１６の内側面に形成された横方向のガイド溝（図示せず） に沿って横方向にスライド自在な脚部２１と、上記操作ボタン２０の他端と上記 ガイド用隔壁板１７間に挿入されて上記操作ボタン２０を常時シフトレバーノブ 本体２外に突出した状態に付勢する圧縮コイルスプリング２３とよりなる解除ス イッチ２４を用いる。

【００１８】 なお、上記スライド部１８は、天井板１８ａと、この天井板１８ａの側面から 垂下した側壁１８ｂから成る、作動杆５の頭部６を嵌入可能な逆Ｕ字状となし、 上記側壁１８ｂには傾斜した長溝１９を形成し、この長溝１９に上記脚部２１の 他端に設けたピン２２が移動自在に係合されるようにする。

【００１９】 本考案のシフトレバーノブは上記のような構成であるから、上記シフトレバー ノブ本体２をシフトレバー軸１に装着せしめるには、シフトレバー位置固定機構 を解除しない突出した状態にある上記作動杆５の頭部６の先端が上記スライド部 １８の天井板１８ａに接触する位置となるまでシフトレバー軸１にシフトレバー ノブ本体２を嵌入せしめボルト等により固定せしめる。

【００２０】 操作ボタン２０を操作しない場合には、図２に示すように、上記作動杆５は上 方に突出した位置にあるので上記位置固定機構は解除されることがなく、一方図 ３に示すようにスプリング２３に抗して操作ボタン２０を押し込めば、上記脚部 ２１のピン２２に係合している長溝１９により上記スライド部１８が上記ピン２ ２の横方向の移動に応じて下方に移動し、これにより上記作動杆５の頭部６が上 記天井板１８ａに押圧され下降するので、上記位置固定機構が解除され、シフト レバーの移動が可能となる。

【００２１】 なお、シフトレバー軸１のボルト孔２５に対応する孔（図示せず）をシフトレ バーノブ本体２に軸方向に上下に離間して複数設けておけば、シフトレバーノブ の高さ調整の際、上記軸１とシフトレバーノブをボルトにより固定できなくなる という不都合を解消することができる。

【００２２】

【考案の効果】

上記のように本考案のシフトレバーノブによれば、シフトレバー位置固定機構 の作動杆５の頭部の形状に係わらずこれを操作できるので、汎用性の高い後付け 用のシフトレバーノブを提供することができるようになる。

【００２３】 また、スライド部１８を上下方向に移動できるようにしたので、スライド逃げ 等の空間１５を設ける必要がないので、シフトレバーノブの小型化を図ることが でき、また作動杆５の頭部の傾斜面の方向によって操作ボタン２０位置が左右さ れることはないので、操作ボタン２０を所定の側面方向に設ける必要がなく、従 ってデザインの自由度を高めることができる等大きな利益がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のシフトレバーノブの一部を断面とした
斜視図である。

【図２】本考案のシフトレバーノブの説明用縦断側面図
である。

【図３】本考案のシフトレバーノブの説明用縦断側面図
である。

【図４】従来のシフトレバーノブの一部を断面とした斜
視図である。

【図５】従来のシフトレバーノブの説明用縦断側面図で
ある。

【図６】従来のシフトレバーノブの説明用縦断側面図で
ある。

【符号の説明】

１ シフトレバー軸 ２ シフトレバーノブ本体 ３ 軸方向の孔 ４ 横方向の孔 ５ 作動杆 ６ 頭部 ７ 傾斜面 ８ 解除スイッチ部 ９ 筐体 ９ａ 底 １０ 操作ボタン １１ 傾斜面 １２ 貫通穴 １３ スライド部 １４ 圧縮コイルスプリング １５ 空間 １６ 筐体 １７ ガイド用隔壁板 １８ スライド部 １８ａ 天井板 １８ｂ 側壁 １９ 長溝 ２０ 操作ボタン ２１ 脚部 ２２ ピン ２３ 圧縮コイルスプリング ２４ 解除スイッチ ２５ ボルト孔

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両用シフトレバーノブ本体と、シフト
   レバー位置固定機構の作動杆を挿通せしめるため上記シ
   フトレバーノブ本体に設けられた孔と、上記シフトレバ
   ーノブ本体内に配置された、上記作動杆を下方に押し下
   げる解除スイッチ部とより成り、上記解除スイッチ部
   が、上記作動杆を下方に押し下げる上下動自在なスライ
   ド部と、上記スライド部を上下動せしめるため横方向移
   動自在な操作部と、上記操作部を常時非作動位置に抑制
   する付勢手段とより成ることを特徴とする車両用シフト
   レバーノブ。
2. 【請求項２】 上記解除スイッチ部のスライド部が、天
   井板と、この天井板の側面から垂下した側壁と、この側
   壁に形成された傾斜溝とより成り、上記操作部が上記シ
   フトレバーノブ本体外に突出された一端と、上記傾斜溝
   内を移動自在なピンが固定された他端とより成ることを
   特徴とする請求項１記載の車両用シフトレバーノブ。
3. 【請求項３】 上記付勢手段が、上記シフトレバーノブ
   本体と上記操作部間に介挿されたスプリングであること
   を特徴とする請求項１または２記載の車両用シフトレバ
   ーノブ。
4. 【請求項４】 上記シフトレバーノブ本体がシフトレバ
   ー軸に対する固定用の孔を上下方向に離間して複数有す
   ることを特徴とする請求項１，２または３記載の車両用
   シフトレバーノブ。