JP3025960U - 左右両用可能な上肢麻痺患者用の上衣 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目 的】 この考案は、種々の疾患による上肢麻痺患
者の麻痺腕の保持減荷のための医療用として、また外観
上の違和感の少ない患者用衣服として利用でき、腕の長
短にも対応でき、麻痺側が左右どちらであっても一着で
左右両用に利用できる、左右両用可能な上肢麻痺患者用
の上衣に関するものである。 【構 成】 上衣の前面に腕吊用の布（１）の一辺を縫
着し、その布の他辺に複数個のボタン穴（２）を設け、
上衣前面の上部に複数個の吊り上げ固定用ボタン（３）
を設けることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、種々の疾患による上肢麻痺患者の麻痺腕の保持減荷のための医療 用として、また外観上の違和感の少ない患者用衣服として利用でき、麻痺側が左 右どちらであっても一着で左右両用に利用でき、腕の長短にも対応可能な、左右 両用可能な上肢麻痺患者用の上衣に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来では麻痺腕の保持減荷のためには、三角巾や腕用装具などが用いられてき たが、独力では装着しにくく、麻痺側の左右や腕の長短などの患者個人に応じて の作成や調節が必要であり、また外観上の違和感などのために、外出時には装着 し難い短所があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題点】

本案は、麻痺腕の保持減荷用として、簡便に独力で装着しやすく、腕の長短に 対しての調節も簡単で、外出時なども気軽に使用でき、上肢の麻痺側が左右どち らであっても利用できる、左右両用可能な上肢麻痺患者用の上衣を提供するもの である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

いまその解決手段について図面を追いながら説明する。

【０００５】 請求項１については、図１、図２、図３、図４、図５に示すように、上衣前面 に、麻痺腕の保持減荷のための腕吊用の布（１）の一辺を縫着し、その布の他辺 にボタン穴（２）を複数個設け、上衣前面の上部に複数個の吊り上げ固定用ボタ ン（３）を設けた、左右両用可能な上肢麻痺患者用の上衣（４）である。

【０００６】 請求項２については、図６のように、請求項１の左右両用可能な上肢麻痺患者 用の上衣（４）の一部のボタン穴（２）と吊り上げ固定用ボタン（３）の代わり に、上の紐（９）下の紐（１０）を付けたものである。

【０００７】

【作用】

左右両用の上肢麻痺患者用の上衣（４）の頚穴（５）に頚を通し、両側の腕穴 （６）に腕を通して着衣する。そして、麻痺腕が左右いずれであっても、腕吊用 の布（１）の複数個のボタン穴（２）を、上衣前面上部の複数個の吊り上げ固定 用ボタン（３）にかける位置を調節することによって、図２のような右上肢麻痺 用として、または図３のような左上肢麻痺用として使用可能となり、また図４、 図５のように肘や前腕保持位置の高さを調節することができ、ある程度の腕の長 短にも対応可能である。このようにして腕吊用の布（１）を吊り上げ固定したの ち、麻痺腕（８）を健側の手などで腕吊用の布（１）内に導くように入れて装着 すれば、図２、図３のごとく、容易に前腕部が保持され、麻痺腕（８）の重量に よる肩関節などへの負荷が減荷される。また外観上も、三角巾や従来の装具に比 して違和感は少なく、外出時なども気軽に身につけることができる。

【０００８】 請求項２においては、図６のごとく、一部のボタン穴（２）と吊り上げ固定用 ボタン（３）の代わりに、上の紐（９）下の紐（１０）を付けた、左右両用可能 な上肢麻痺患者用の上衣（４）であり、紐の結び位置によって、肘や前腕保持位 置の高さを調節することができる。

【０００９】

【実施例】

以下、実施例について、さらに詳細に説明する。

【００１０】 請求項１については、図１、図２、図３、図４、図５に示すような、上衣前面 に、麻痺腕の保持減荷のための、腕吊用の布（１）の一辺を縫着し、その布の他 辺にボタン穴（２）を複数個設け、上衣前面の上部に複数個の吊り上げ固定用ボ タン（３）を設けた、左右両用可能な上肢麻痺患者用の上衣（４）であり、頚穴 （５）に頚を通し、両側の腕穴（６）に腕を通して着衣する。そして、麻痺腕が 左右いずれであっても、腕吊用の布（１）の複数個のボタン穴（２）を、上衣前 面上部の複数個の吊り上げ固定用ボタン（３）にかける位置を調節することによ り、図２のような右上肢麻痺用として、または図３のような左上肢麻痺用として 使用可能となり、また図４のように肘や前腕保持位置をやや高い位置に、あるい は図５のようにやや低い位置に調節することができ、ある程度の腕の長短にも対 応可能である。このようにして腕吊用の布（１）を吊り上げ固定したのち、麻痺 腕（８）を健側の手などで腕吊用の布（１）内に導くように入れて装着すれば、 図２、図３のごとく、容易に前腕部が保持され、麻痺腕（８）の重量による肩関 節などへの負荷が減荷される。また外観上も、三角巾や従来の装具に比して違和 感は少なく、外出時なども気軽に身につけることができる。

【００１１】 請求項２においては、図６に示すように、一部のボタン穴（２）と吊り上げ固 定用ボタン（３）の代わりに上の紐（９）下の紐（１０）を付けた、左右両用可 能な上肢麻痺患者用の上衣（４）であり、紐の結び位置によって、肘や前腕保持 位置の高さを調節することができる。

【００１２】 請求項１の左右両用可能な上肢麻痺患者用の上衣（４）の吊り上げ固定用ボタ ン（３）については、その位置、個数は、使用患者個人の腕の長短や、麻痺腕の 硬直度などに応じて、変更できる。また、固定用ボタンの代用として、フック、 マジックテープなども使用可能である。

【００１３】 請求項１、請求項２の左右両用可能な上肢麻痺患者用の上衣（４）の構成のう えで、袖の有無や、胴囲部開放の可否はいずれでもよいが、できるだけ独力で着 衣可能な構成とする。

【００１４】

【考案の効果】

以上のように、本考案の左右両用可能な上肢麻痺患者用の上衣は、麻痺腕の保 持減荷用として、簡便に独力で装着しやすく、外観上の違和感も少なく外出時な ども気軽に使用でき、また腕の長短に対しての調節も可能で、上肢の麻痺が左右 どちら側であっても利用できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案請求項１の正面図

【図２】本考案請求項１の右上肢麻痺用としての実施例
の斜視図

【図３】本考案請求項１の左上肢麻痺用としての実施例
の斜視図

【図４】本考案請求項１での腕保持位置が高位の実施例
の斜視図

【図５】本考案請求項１での腕保持位置が低位の実施例
の斜視図

【図６】本考案請求項２の実施例の斜視図

【符号の説明】

１・・腕吊用の布 ２・・ボタン穴 ３・・吊り上げ固定用ボタン ４・・左右両用の上肢麻痺患者用の上衣 ５・・頚穴 ６・・腕穴 ７・・縫着線 ８・・麻痺腕 ９・・上の紐 １０・・下の紐

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上衣前面に腕吊用の布（１）の一辺を縫
   着し、その布の他辺にボタン穴（２）を複数個設け、上
   衣前面の上部に複数個の吊り上げ固定用ボタン（３）を
   設けた、左右両用可能な上肢麻痺患者用の上衣（４）。
2. 【請求項２】 一部のボタン穴（２）と吊り上げ固定用
   ボタン（３）の代わりに上の紐（９）下の紐（１０）を
   付けた、請求項１の左右両用可能な上肢麻痺患者用の上
   衣（４）である。