JPH06304196A - 移送用衣服 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】寝たきり老人・病人・身体障害者等を、介護す
る家族や看護婦（士）が移送する際に、身体にかかる負
荷を低減することができる移送用衣服を堤供する。 【構成】寝たきり老人・病人・身体障害者等が着用する
衣服に、握り（１）を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自力で移動不可能な寝
たきり老人、病人、身体障害者等（以下、「移動不可能
者」と表記）を、介護する家族あるいは看護婦（士）等
（以下、「介護者」と表記）が移送する際、その負担を
軽減させる機能を持った衣服に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より「移動不可能者」を移送する場
合、「介護者」は「移動不可能者」と寝具の間に腕を差
し入れ、そのまま「移動不可能者」を持ち上げることに
よって目的の場所まで移送していた。また最近では、機
械式リフトによる「移動不可能者」の移送も各メーカー
から提案されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】畳の上に敷いた布団、
あるいは洋室のベッドに横たわる「移動不可能者」を、
前述

【０００２】のような方法で持ち上げようとすれば、図
１および図２で示すように「介護者」は上半身前傾の姿
勢を余儀なくされ、日常的に腰部に過大な負荷がかかり
慢性の腰痛に苦しめられるケースが少なくない。また、
「介護者」の負担軽減を目的とした機械式リフトも、最
近販売され始めたが、価格が高価である、使用に煩雑な
手順を要する、環境（住宅構造、スペース、床面仕様
等）に制約がある、等の理由でその普及には限界があ
る。本発明による移送用衣服は、上記の （Ａ）「介護者」の身体に過大な負担をかける。 （Ｂ）価格が高価である。 （Ｃ）使用に煩雑な手順を要する。 （Ｄ）使用環境に制約がある。 という欠点を解決することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】図３に示すように、「移
動不可能者」が着用する衣服に握り（１）を設ける。握
り（１）は充分な引っ張り強度と、「介護者」が手で掴
むことができるような寸法、形状を持つ。また握り
（１）の材質は、移送用衣服と同一かあるいは類似の柔
らかなもので「移動不可能者」に不快な装着感を与えな
い。以上の構成からなる移送用衣服。

【０００５】

【作用】図４および図５で示すように、「介護者」は移
送用衣服の握り（１）を「移動不可能者」のバランスを
崩さぬようにしながら、両手でしっかりと掴みそのまま
持ち上げて移送する。

【０００６】

【実施例】以下、図３から図７までをもとに本発明の実
施例について説明する。 （イ）図３に示すように、移送用衣服に握り（１）を設
ける。 （ロ）握り（１）は「介護者」が容易に手掴みできるよ
うに、適度の幅、厚みと掌を挿入するのに充分な長さを
持たせる。 （ハ）握り（１）の材質は、衣服本体と共に充分な引っ
張り強度、引き裂き強度を持ち、しかも「移動不可能
者」の着心地を損なわぬような布地あるいはそれに類す
る材料（例えば、柔道着の袴、ラグビーのパンツ）を用
いる。 （ニ）握り（１）を図３のように移送用衣服に多数設け
ることにより、移送の際、「移動不可能者」のバランス
を崩さずに、かつ違和感を与えること無く、双方の体格
・体重・体力に応じて「介護者」が最も持ちやすい部位
を掴むことができるようにする。 （ホ）図３で示すように、握り（１）は移送用衣服に対
して、充分な強度を持った糸あるいはそれに類する材料
で固定されている。本発明は以上のような構造で、これ
を使用する方法、あるいは使用例を図によって説明すれ
ば、 （Ａ）図４および図５は、畳の上に敷いた布団あるいは
洋室のベッドに横たわる「移動不可能者」を移送する方
法である。「介護者」は移送用衣服の握り（１）を掴む
ことによって「移動不可能者」を持ち上げ、移送する。 （Ｂ）図６は「移動不可能者」を機械式リフトで移送す
る方法である。リフト（２）から吊り下げたフック
（３）を移送用衣服の握り（１）に引っかけることによ
って「移動不可能者」を吊り上げ、移送する。 （Ｃ）図７は、病院等の病室で「移動不可能者」をベッ
ド（４）からストレッチャー（５）に移す方法である。
ストレッチャー（５）をベッドと同じ高さに調節した上
で、「介護者」は握り（１）を掴んで手前に引けば、
「移動不可能者」を持ち上げることなく移送が可能であ
る。

【０００７】

【発明の効果】移送の際、「介護者」は上半身を前傾さ
せることなく、握り（１）を手掴みすることによって
「移動不可能者」を持ち上げることができるため、負荷
は腕、肩、背中、腰、足に分散し身体の特定な一部に過
大な負担をかけずにすむ。「移動不可能者」の立場から
は、握り（１）を介して衣服の広い範囲に荷重が分散す
るため、移送時の苦痛、不安を軽減することができる。
又、衣服の一種である以上、機械式リフトと比較しては
るかに安価で、しかも使用時に専用の補助具を必要とす
るような煩わしさがなく、使用環境にも何の制約もな
い。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の方法で「介護者」が畳の上に敷いた布団
から「移動不可能者」を移送する場合の説明図。

【図２】従来の方法で「介護者」が洋室のベッドから
「移動不可能者」を移送する場合の説明図。

【図３】本発明による移送用衣服の外観、構造をしめす
説明図。

【図４】本発明による方法で「介護者」が畳の上に敷い
た布団から「移動不可能者」を移送する場合の説明図。

【図５】本発明による方法で「介護者」が洋室のベッド
から「移動不可能者」を移送する場合の説明図。

【図６】本発明による方法で機械式リフトによって「移
動不可能者」を移送する場合の説明図。

【図７】本発明による方法で「介護者」が「移動不可能
者」を病室のベッドからストレッチャーに移す場合の説
明図。

【符号の説明】

１、握り／２、リフト／３、フック／４、ベッド／５、
ストレッチャー

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】１箇所あるいは２箇所以上に、閉鎖した環
   状の手がかりあるいは握り等の機能を持った移送用衣
   服。