JP3025766B2 - 建築物等の非脱型形コンクリート基礎 - Google Patents

建築物等の非脱型形コンクリート基礎

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JP3025766B2
JP3025766B2 JP6263287A JP26328794A JP3025766B2 JP 3025766 B2 JP3025766 B2 JP 3025766B2 JP 6263287 A JP6263287 A JP 6263287A JP 26328794 A JP26328794 A JP 26328794A JP 3025766 B2 JP3025766 B2 JP 3025766B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は建築物等の非脱型形コ
ンクリート基礎に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、建築物等のコンクリート基礎は掘
削地盤上に礫石等を敷詰めて、あるいは該礫石上にコン
クリートを流し打ちしてから、両側の計算された位置に
支柱等を用いて木製や金属製のパネルを平行組立て付け
して、該パネル間にコンクリートを打設して、その固化
を待ってパネルを外して下半のコンクリート基礎を形成
し、次いで該下半のコンクリート基礎上に同要領による
上半のコンクリート基礎を形成して、以って断面凸形の
コンクリート基礎を形成してきたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、建築現
場においてパネルを位置決めして組立て付けすることは
高度の熟練と多くの時間を要して能率的でなく、またコ
ンクリートの打設後にその固化を待ってパネルを取外す
ことはパネルを再使用可能とする点で一見有利に見える
が、パネルの輸送、特に保管に多大の費用がかかるほ
か、パネルの取外しに多くの時間と多大な労力を要し、
またパネルを取外した基礎の外面の一部または全面をモ
ルタル塗りして補完する必要があるなど工期を徒らに長
くして非能率的であるという課題があった。またパネル
は再使用形のため一定大きさ以上に大きく形成している
ので、パネル内の一定位置にて基礎の上面高さを出すた
めにはパネルの内側に印を付けて且つ該印に合わせて打
設コンクリートの投入量を正確に管理しなければなら
ず、広範囲に亘ってパネルの内面に水平な高さの印を付
けるには手間と時間が多くかかってなお精度がでないと
いう課題があった。さらに下半のコンクリート基礎の形
成固化後に上半の基礎を形成するため両者間に段継目が
生じて該段継目より肌別れ損壊することが生ずるという
課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は凸形基礎および
平厚板部と竪厚板部とからなる簡易ベタ基礎を形成する
ためのパネル嵌立溝を各別に設けた細帯板形の基礎敷板
をコンクリート面上の中心線を横断する方向に間隔を置
いて且つ中心線に芯合わせ敷着し、該基礎敷板間のパネ
ル嵌立溝間に外側をモルタル板部とし、内側をコンクリ
ートの浸透性向を有す木毛の重積層により非脱型形にし
て、且つ下半基礎形成用と上半基礎形成用に区分けした
パネルを嵌立て、該パネル間に生コンクリートを投入し
て断面凸形のコンクリート基礎と平厚板部と竪厚板部と
からなる簡易ベタ基礎を非脱型形にて一体形成するよう
にして、かかる課題を解決しようとするものである。
【0005】
【作用】本発明は掘削帯地内の平坦なコンクリート面上
に間隔を置いて基礎敷板を芯合わせ横断敷着すると、パ
ネルは改めて芯合わせすることなしに芯合わせした状態
で張設することができることとなる。
【0006】基礎敷板にすべてのパネルの嵌立溝を設け
たので、これらの嵌立溝に非脱型形に形成するパネルを
嵌立てて連結することにより、断面凸形のコンクリート
基礎とおよび内,外の竪厚板部とその間の平厚板部(ベ
タ)とからなる簡易ベタと称すコンクリート基礎を同時
のコンクリート打ちにより非脱型形にて一体形成するこ
とができることとなる。
【0007】
【実施例】以下図面に基づいて実施例を説明する。
【0008】図1乃至図2は断面凸形のコンクリート基
礎(布基礎)1の形成例を示すもので、掘削帯地2内に
礫石3を敷き詰めて後、コンクリートを流し打ちして基
礎構築上の中心線4aを上面に画線した平坦なコンクリ
ート面4を形成し、該コンクリート面4上に間隔を置い
て細帯板形をした基礎敷板5を中心線4aに芯合わせし
て横断敷着する。
【0009】基礎敷板5は両側の敷板部5g,5h間に
形成しようとする凸形基礎1の中間段面5m,5n下を
頂面とする2個の折立条部5e,5fを折立て形成し、
該折立条部5e,5fの頂面上に上半パネル嵌立溝5
a,5bを上向き形成し、該上半パネル嵌立溝5a,5
b間の中間板5cの中心部下に前記の中心線4aに芯合
わせするためのV形垂部5dを設けるとともに、両側の
敷板部5g,5hのそれぞれ外端上に下半パネル嵌立溝
5i,5jを上向きに設けている。なお基礎敷板5は敷
板部5g,5hに数枚づつの釘板5k,5lを打ち抜き
垂設して、コンクリート面4上に敷着する際に該面4に
打込んで基礎敷板5を固定するようにする。なお釘板5
k,5lは通常の釘にて置き換えてもよい。
【0010】基礎敷板5を敷着するに際してはコンクリ
ート面4上の中心線4aを横断する方向に間隔を置いて
且つV形垂部5dの下端を中心線4aに芯合わせして敷
着するのである。
【0011】基礎敷板5上の上半パネル嵌立溝5a,5
bおよび下半パネル嵌立溝5i,5jのそれぞれに非脱
型形に形成した上半部形成用の上半パネル6a,6bと
下半部形成用の下半パネル7a,7bを嵌立てる。両パ
ネルは外側をモルタル板部8、内側をコンクリートの浸
透性向をもった木毛の重積層9とする内外2層の複層板
にて形成している。なお上半パネル6a,6bと下半パ
ネル7a,7bは形成する凸形基礎1の上半部長と下半
部長に裁断されている。
【0012】上半パネル6a,6bの継ぎ目を含む適当
する間隔を置いた上端間にフック板10を被着して外開
きしないようにし、また下半パネル7a,7bの外側に
支え軸11を添設して張り支えて置いて上半パネル6
a,6b間とおよび下半パネル7a,7b間に生コンク
リートCを投入するのである。投入するコンクリートC
の一部は両パネルの内側の重積層9内に浸透して、上半
および下半パネルと一体となり、また一度の投入により
形成するので中間段面5m,5nに断層のない一体の凸
形をしたコンクリート基礎1が全長に亘って形成される
こととなる。なお基礎敷板5はコンクリート基礎1下に
埋没することとなる。
【0013】図中12はコンクリート基礎1の形成後に
中間段面5m,5nを覆う削土の埋め戻し層である。ま
た、該埋め戻し層12上にコンクリート面13を設ける
こともある。
【0014】図3は本発明による簡易ベタ基礎の形成例
を示すもので、外周部を深い掘削による低コンクリート
面4b、内側を傾斜コンクリート面4cを挟んで浅い掘
削による高コンクリート面4dとし、低コンクリート面
4bおよび高コンクリート面4dのそれぞれに中心線4
aを画線し、外周の低コンクリート面4b上に細帯板形
をした外側基礎敷板14を、また、内側の高コンクリー
ト面4d上に細帯板形をした中間基礎敷板15をそれぞ
れ一定の間隔を置いて中心線4aを横断する方向にて且
つ中心線4aに芯合わせして敷着する。
【0015】外側基礎敷板14は図4(a)に示すよう
に外側敷板部14eの内端上に外囲みパネル16aの嵌
立溝14cを上向きに設け、内側敷板部14fの内端に
傾斜コンクリート面4cの高さの2倍弱の縦長をもって
折立て形成する折立条部14b上に内側パネル16bの
嵌立溝14dを上向きに設け、且つ外側敷板部14eと
折立条部14b間の中間板の中心に芯合わせ用のV形垂
部14aを設けている。なお外側および内側の敷板部1
4e,14fは中間に釘板14g,14hを打ち抜き垂
設して、コンクリート面4b上に外側基礎敷板14を横
断敷着する際に該コンクリート面4bに打込んで固定さ
せる。
【0016】また中間基礎敷板15は図4(b)に示す
ように両側の敷板部15e,15f間に前記の折立条部
14bの頂面と同高またはやや低い位置を頂面とする2
個の第2折立条部15i,15jを設けて該第2折立条
部15i,15j間の中間板15bの中心にV形垂部1
5aを設けている。なお、15g,15hは釘板で横断
敷着する際の打込み固定に用いられる。釘板15g,1
5hは外側基礎敷板14のものも含めて通常の釘にて代
用してもよいものである。
【0017】外側基礎敷板14と中間基礎敷板15の各
パネル嵌込溝に上端を同じ高さとなるように裁断揃えし
た外囲みパネル16a,内側パネル16b,中間パネル
16c,16dを嵌立てる。各パネルは中心線4aの全
長に沿って平行張設され、適宜の位置に前記のフック板
10や図5に示すコーナーピース17等を挿着して後、
各パネル間とおよびコンクリート面4b,4c,4d上
に生コンクリートCを投入して、外囲みパネル16aに
囲まれた全面に同一平面の平厚板部19(ベタ)と平厚
板部19より上方に突出した竪厚板部18を有す簡易ベ
タのコンクリート基礎20を段継目なしに一体形成す
る。
【0018】
【発明の効果】本発明は以上のようにして、掘削帯地内
に流し打ちする平坦なコンクリート面上に中心線を設
け、基礎敷板の両側の敷板部位置まで折り下げて設けた
中間のV形垂部を該コンクリート面上の中心線に芯合わ
せ接地するようにして基礎敷板を間隔を置いて敷着する
と、基礎敷板は両敷板部とV形垂部の接地により強化安
定するとともに芯合わせを確実容易に行うことができ、
パネルは改めて芯合わせすることなくして芯合わせした
状態で張設することができて、パネルを張設するに際し
て熟練を要すことがなく、しかも張設までの時間と労力
を著しく短縮し軽減し得て工事を簡単且つ能率的にする
ことができるという効果を生ずる。
【0019】基礎敷板とパネルを非脱型形としたので、
脱型に要した手間が省けるとともに、基礎形成後の土の
埋め戻しを早めることができるという効果を生ずる。
【0020】断面凸形の布基礎においては下半の突出し
基礎と上半の基礎を、また簡易ベタ基礎においては平厚
板部と竪厚板部を生コンクリートの同時一体の投入にて
形成することができることにより、工期を著しく短縮す
ることができるほか、下半と上半間にて段継目を作るこ
とがないから、該段継目より肌別れするおそれのない強
靭なコンクリート基礎を形成することができるという効
果を生ずる。
【0021】パネルを外側のモルタル板部と内側のコン
クリートの浸透性向を有す木毛の重積層にて非脱型形に
形成したので、基礎形成後の取外し、保管の手間と経費
を軽減することができるほか、打設コンクリートと一体
となって外観の良好なコンクリート基礎を形成すること
ができ、外面の一部または全面のモルタル塗装による補
完作業を不要にするという効果を生ずる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 布基礎の形成例を示す縦断面図である。
【図2】 同、組立て要領を示す部分斜視図である。
【図3】 簡易ベタ基礎の形成例を示す縦断面図であ
る。
【図4】 (a)は外側基礎敷板、(b)は中間基礎敷
板の一実施例を示す断面図である。
【図5】 コーナーピースの装着部分を示す斜視図であ
る。視図である。
【符号の説明】
1は断面凸形のコンクリート基礎(布基礎) 2は掘削帯地 3は礫石 4はコンクリート面 4aは中心線 4bは低コンクリート面 4cは傾斜コンクリート面 4dは高コンクリート面 5は基礎敷板 5a,5bは上半パネル嵌立溝 5c,14b,15bは中間板 5d,14a,15aはV形垂部 5e,5fは折立条部 5g,5hは敷板部 5i,5jは下半パネル嵌立溝 5k,5l,14g,14h,15g,15hは釘板 5m,5nは中間段面 6a,6bは上半パネル 7a,7bは下半パネル 8はモルタル板部 9は木毛等の重積層 10はフック板 11は支え軸 12は埋め戻し土層 13はフック板 14は外側基礎敷板 15は中間基礎敷板 14c,14d,15c,15dはパネル嵌立溝 14e,14f,15e,15fは敷板部 15i,15jは第2折立条部 16aは外囲みパネル 16bは内側パネル 16c,16dは中間パネル 17はコーナーピース 18は竪厚板部 19は平厚板部(ベタ) 20はコンクリート基礎(簡易ベタ基礎) 21は基礎にインサート取付するアンカーボルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−33325(JP,A) 特開 昭60−95034(JP,A) 特開 平4−155013(JP,A) 実願 平2−105098号(実開 平4− 61143号)の願書に添付した明細書及び 図面の内容を撮影したマイクロフィルム (JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基礎形成用に掘削する掘削帯地内に設け
    る平坦なコンクリート面上に中心線を設け、細帯板にて
    両側の敷板部と該両敷板部の内側に形成すべき凸形基礎
    の中間段面下に頂面を有す2個の折立条部を折立て形成
    するとともに、該折立条部間の中間板の中心に芯合わせ
    用のV形垂部を敷板部位置まで折り下げて設け、前記両
    敷板部外端部上に上側開放形の下半パネル嵌立溝と前記
    2個の折立条部上に上側開放形の上半パネル嵌立溝を取
    付けてなる基礎敷板を前記のコンクリート面上の中心線
    を横断する方向に間隔を置いて且つV形垂部を中心線に
    芯合わせ接地して敷着し、該基礎敷板間の下半パネル嵌
    立溝間と上半パネル嵌立溝間に外側をモルタル板部とし
    内側をコンクリートの浸透性向を有す木毛の重積層にし
    て非脱型形に形成する下半パネルと上半パネルをそれぞ
    れ嵌立て、該上半パネル間および下半パネル間に生コン
    クリートを投入して断面を凸形とする一体形の非脱型形
    コンクリート基礎をコンクリート面上の中心線に沿って
    形成するようにしたことを特徴とする建築物等の非脱型
    形コンクリート基礎。
  2. 【請求項2】 外周を深い掘削による低コンクリート面
    とし、該外周に囲まれた内側を前記の低コンクリート面
    に続く傾斜コンクリート面を挟んで浅い掘削による高コ
    ンクリート面とし、該低,高コンクリート面上のそれぞ
    れに中心線を画線し、該外周のコンクリート面上には細
    帯板にて外側敷板部と内側敷板部および該内側敷板部の
    内端に前記傾斜コンクリート面の高さの2倍弱の縦長に
    て折立て形成する折立条部を設け、且つ該外側敷板部と
    折立条部間の中間板の中心に芯合わせ用のV形垂部を前
    記敷板部位置まで折り下げて設けるとともに前記外側敷
    板部上に外囲みパネルの嵌立溝と前記折立条部上に内側
    パネルの嵌立溝を取付け設けてなる外側基礎敷板を前記
    の低コンクリート面上の中心線を横断する方向に間隔を
    置いて且つV形垂部を前記の中心線に芯合わせ接地して
    敷着し、前記内側の高コンクリート面には細帯板にて両
    側の敷板部と該両敷板部間に前記の折立条部と同高の縦
    長を有す2個の第2折立条部を平行折立て形成し、且つ
    該2個の第2折立条部間の中間板に芯合わせ用のV形垂
    部を前記敷板位置まで折り下げて設けるとともに、該第
    2折立条部上のそれぞれに中間パネルの嵌立溝を取付け
    てなる中間基礎敷板を前記内側コンクリート面上の中心
    線を横断する方向に間隔を置いて且つV形垂部を該中心
    線に芯合わせ接地して敷着し、各嵌立溝に外側をモルタ
    ル板部とし内側をコンクリートの浸透性向を有す木毛の
    重積層にして非脱型形にて形成する外囲みパネル、内側
    パネルおよび中間パネルを上端間を同一面とするように
    嵌立て、該外囲みパネルに囲まれた全コンクリート面上
    および内側パネル間、中間パネル間にそれぞれ生コンク
    リートを投入し、該外囲みパネルの内側全面に上面を同
    一平面とする平厚板部と該平厚板部の上面上より前記中
    心線に沿って突出する竪厚板部とを有す非脱型形の簡易
    ベタ基礎を段継目なしに一体形成形成するようにしたこ
    とを特徴とする建築物等の非脱型形コンクリート基礎。
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