JP3025637U - 運動器具用チューブ - Google Patents

運動器具用チューブ

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JP3025637U
JP3025637U JP1995012321U JP1232195U JP3025637U JP 3025637 U JP3025637 U JP 3025637U JP 1995012321 U JP1995012321 U JP 1995012321U JP 1232195 U JP1232195 U JP 1232195U JP 3025637 U JP3025637 U JP 3025637U
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JP1995012321U
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Inventor
ウェン サン チョン
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ルオ コアン ナン
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性樹脂含浸繊維層によるチューブと熱
硬化性含浸繊維層によるチューブの両方の長所をも含め
た運動器具用チューブを提供せんとすることを目的とす
る。 【解決手段】 心地とする多孔質の熱可塑性樹脂含浸繊
維層(20)と、この熱可塑性樹脂含浸繊維層の表裏面
部に分布している通孔(21)内に熱硬化性樹脂が浸透
接着するように上下両面から前記熱可塑性樹脂含浸繊維
層を挟んだ2層の熱硬化性樹脂含浸繊維層(12,3
2)とからなる、複合材料層で運動器具用チューブを構
成した。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、運動器具用チューブに関し、もっと詳しくは、樹脂含浸繊維の複合 材料層からなって、強度が高くて、減振効果も良い運動器具用チューブに関する 。
【0002】
【従来の技術】
複合材料からなる構造体は、軽量且つ強靱で、すでにラケットや棒高とびポー ル、ゴルフクラブの中管などの運動器具用チューブとして広く使用されている。 複合材料としてはもちろん多種多様のものがあるが、その中で、熱可塑性樹脂系 と熱硬化性樹脂系の樹脂含浸繊維からなるものが、運動器具用チューブにもっと も適すると思われる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系、ポリプロピレン 系、ポリカーボネート系、およびポリアミド系があり、熱硬化性樹脂としては、 不飽和ポリエステル系、エポキシ系、およびノボラック系があり、そして、繊維 としては、カーボン繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、有機繊維、金属繊維などが 使われる。
【0003】 図1は、ラケットのフレーム体を構成する樹脂含浸繊維の複合材料チューブの 積層構成を説明するための要部剥離斜視図である。熱可塑性樹脂材料と熱硬化性 樹脂材料とは、互いに粘着して一体になるいわゆる相溶性が悪いので、通常の樹 脂含浸繊維の複合材料は、そのいずれか一方しか使わず、即ち、熱可塑性樹脂材 料または熱硬化性樹脂材料の単一材料を使用して図における1の層状材料とし、 この層状材料を繰り返して積層し、フレームのチューブを構成する。まず、熱可 塑性樹脂材料からなるチューブを検討してみれば、熱可塑性樹脂自体は、長鎖状 構造の分子集団からなるので、振動に対する減衰係数が高く、繊維強化熱可塑性 プラスチック材としてよく使用されている。ナイロン6とカーボン繊維とからな るラケットを例としてみれば、減衰係数が0.004であり、減振効果が良い。 しかしながら、熱可塑性樹脂材料からなる複合材料は、強度が熱硬化性樹脂材料 からなる複合材料よりずっと弱くて、それを用いてなるラケットフレームは、ガ ット線を60ポンド以上に引っ張って取付けることができないので、打撃時に良 好な制御性を発揮することができない。
【0004】 一方、熱硬化性樹脂材料からなる複合材料については、グラファイト繊維とエ ポキシ樹脂とからなる複合材料を用いて形成してなるラケットを例としてみれば 、それを熱硬化させると、架橋構造の巨大分子になるので、強度が高くて、約8 0ポンドまでの強い引張力に耐えることができるが、振動に対する減衰係数が小 で約0.002であり、衝撃や振動に対する減衰能が熱可塑性樹脂からなるもの の2分の1しかなく、打撃時に使用者に振動を与え、いわゆるテニス肘の傷害を もたらす可能性が大である。即ち、熱可塑性樹脂含浸繊維及び熱硬化性含浸繊維 のいずれであっても、運動器具用チューブとしてはいずれも一長一短がある。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
前記に鑑み、本考案は、熱可塑性樹脂含浸繊維層によるチューブと熱硬化性含 浸繊維層によるチューブの両方の長所を有する運動器具用チューブを提供せんと することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するべく、本考案の運動器具用チューブは、まず、心地とする 多孔質の熱可塑性樹脂含浸繊維層と、前記熱可塑性樹脂含浸繊維層の表裏面部に 分布している通孔内に熱硬化性樹脂が浸透接着するように上下両面から前記熱可 塑性樹脂含浸繊維層を挟んだ2層の熱硬化性樹脂含浸繊維層とからなる複合材料 層で構成してなる。このようにしてなるチューブは、上下両面の熱硬化性樹脂含 浸繊維層における熱硬化性樹脂が中間層の熱可塑性樹脂含浸繊維層表面に分布し ている多数の通孔へ浸透する形で食い込んで互いに結合し、前記熱可塑性樹脂と 熱硬化性樹脂との間の相溶性の悪さを克服して中間層の熱可塑性樹脂含浸繊維層 をサンドイッチし、一体とすることができるので、熱可塑性樹脂の優れた減振作 用と熱硬化性樹脂の優れた強度とを一つのチューブに兼備させることができる。
【0007】 本考案は、また、前記発想に沿って、多数の前記のような熱可塑性樹脂含浸繊 維層が、それぞれ前記のような熱硬化性樹脂含浸繊維層に挟まれて交互に積層し てなる運動器具用チューブを提供する。
【0008】 そして、本考案は、また、チューブの強度と減衰能との間の平衡を狙うか、所 定の部分に強度または減衰能を強化するかによって、前記のような熱可塑性樹脂 含浸繊維層を前記のような熱硬化性樹脂含浸繊維層の間の中間層としてチューブ の横断面において分散して不連続的になるように構成してなる運動器具用チュー ブを提供する。
【0009】
【考案の実施の形態】
以下、本考案を、実施の形態例の図示に基づいて具体的に説明するが、本考案 は、これらの例に限定されない。 本考案の運動器具用チューブは、主にラケットやゴルフクラブ、バットなどの 運動器具の円柱状や中空筒状の部分に使用される。まず、図2のチューブの一方 の側壁の横断面図を参照すると、チューブは複合層40からなる。複合層40は 、表面層10と、裏面層30と、この表面層10と裏面層30との間にサンドイ ッチされている中間層20とから構成してなる。表面層10と裏面層30とも、 不飽和ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂12,32を用い、 カーボン繊維やガラス繊維などの強化用繊維層11,31に含浸して熱硬化させ れば、表裏両面が樹脂層になるものである。中間層20は、減振能が熱硬化性樹 脂より高い熱可塑性樹脂を繊維層に十分に含浸させてなるものである。
【0010】 そして、図3を参照すると、中間層20は、多孔質層であって、それに多数の 通孔21が分布している。即ち、中間層20は不織布や編み物のような多孔質の 繊維製品を含浸用の繊維層材料とし、または、含浸硬化した含浸繊維層に孔を多 数開設してなる。この中間層20を挟んで表裏両面から、前記熱硬化性樹脂12 ,32と繊維層11,31とからなるがまだ完全に硬化していない表裏両面層1 0,30を熱圧硬化させ、表裏両面層10,30と中間層20とを一体に結合さ せた複合材料層とする。周知のように、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂間の相溶性 が悪いが、前記熱可塑性樹脂含浸繊維層からなる中間層20には通孔21が多数 分布しているので、その両側の熱硬化性樹脂12が熱圧されてまだ完全に熱硬化 されていないうちに、前記多数の通孔21内に浸透して互いに密着することがで きる。
【0011】 そして、本考案の運動器具用チューブは、前記のような熱可塑性樹脂含浸繊維 層と前記熱硬化性樹脂含浸繊維層とを適当に交互に積層してなることもできる。 例えば、熱硬化性樹脂繊維層をTSとし、熱可塑性樹脂繊維層をTPとすれば、 TS+TP+TS+TP+TSとしても良く、TS+TS+TP+TS+TS+ TP+TS+TSとしても良い。要は、多孔質の熱可塑性繊維層が熱硬化性繊維 層に挟まれた構成であれば良い。
【0012】 そして、図4を参照すると、本考案の運動器具用チューブの構成は、チューブ 周壁における熱可塑性樹脂含浸繊維層(前記中間層に当たるので、同じ番号20 を注記)が図6に示す横断面図において連続的に繋がるようにすると、その減振 効果がチューブ全体に及ぶことができる。他方、図5に示すような構成は、熱可 塑性樹脂含浸繊維層が図7の横断面に示すように不連続状になり、即ち、熱可塑 性樹脂含浸繊維層に適当に隙間を開けてこれを熱硬化性樹脂含浸繊維層間に挿入 すると、運動器具用チューブ部材として所定需要に応じて、所定部分におけるそ の強度とその減振能との間の平衡を調整することができる。
【0013】
【考案の効果】
以下、本考案の効果を説明する。 前記繊維層における繊維として長繊維を使用すると、振動に対する減衰能は下 記算式に基づいて計算することができる。 Uc =(Vtptptp+Vtststs)/Ec (ただし、Uc は完成後のチューブの複合材料層全体の減衰係数を、Utpは熱可 塑性樹脂含浸繊維層の減衰係数を、Utsは熱硬化性樹脂含浸繊維層の減衰係数を 、Vtpは熱可塑性樹脂含浸繊維層の容積含有率を、Vtsは熱硬化性樹脂含浸繊維 層の容積含有率を、Ec は完成後のチューブの複合材料層全体の弾性係数を、E Etpは熱可塑性樹脂含浸繊維層の弾性係数を、Etsは熱硬化性樹脂含浸繊維層の 弾性係数をそれぞれ表わす)。
【0014】 熱硬化性樹脂含浸繊維層の5層と、熱可塑性樹脂含浸繊維層の4層とからなる 交互積層型を例としてみれば、熱硬化性樹脂含浸繊維層の容積含有率Vtsは約0 .56(5層/9層)であり、減衰係数Utsは公知で約0.002であり、弾性 係数Etsは約89.175GPA であり、そして、熱可塑性樹脂含浸繊維層の容積 含有率Vtpは約0.44(4層/9層)であり、減衰係数Utpは公知で約0.0 04であり、弾性係数Etpは約89.28GPA である。EtpとEtsの数値は差異 が極小であるので、結合した後のEc も当然それらの数値に近接する。前記算式 の右の方の分子と分母のEを同じ数値として消去すると、減衰係数Uc は約0. 00288を得、熱硬化性樹脂含浸繊維層より0.00088ほど大きいので、 減振効果を44%向上し、肘などに傷害をもたらす可能性を大幅に減少すること ができる。
【0015】 引き続いて、図8,9,10を参照しながら、ラケットを例として本考案の効 果をさらに説明する。まず、図8に示されているラケット振動試験法を参照する と、ラケット50の取手部51をクランプ52によって所定の位置に固定し、且 つ、そのシャフトに小型の加速度センサー55(540−N型)を取付ける。ト ルクレンチで前記クランプ52を同一の所定トルクで締め付けるように調整した 後、このラケット50のガット面54に、振り子のように吊るされているテニス ボール53によって衝撃を与え、前記加速度センサー55によってその振動波を 検出し、そして、オッシログラフにより波形を示し、振幅を読み取る。
【0016】 従来の熱硬化性樹脂型ラケットと本考案によるラケットとに対し前記試験を行 なった効果がそれぞれ図9及び図10に示されている。まず、振幅から検討する と、従来例の最大振幅(図9参照)は103mvで、本考案による実施例の67mv (図10参照)の1.5倍あるので、本考案によるラケットは、衝撃エネルギー を吸収する能力が従来のラケットより良いと分かる。次に、振動に対する減衰能 を検討してみる。図9からみると、従来例の半減期は87.6msであって、本考 案によるラケットは22.4msである。即ち、従来のラケットの半減期は本考案 によるラケットの4倍もあるので、本考案によるラケットは、従来のラケットよ り減振効果が明らかに良いと分かる。
【0017】 前記試験から分かるように、本考案の多孔質の熱可塑性樹脂含浸繊維層と、前 記熱可塑性樹脂含浸繊維層表面に分布している通孔を通して密着するようにその 上下両面から前記熱可塑性樹脂含浸繊維層をサンドイッチした2層の熱硬化性樹 脂含浸繊維層とからなる複合材料層で構成した運動器具用チューブは、従来のも のと比べて、衝撃を弱める能力も、振動に対する減衰効果も遥かに良いので、運 動による傷害を有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来の運動器具用チューブの積層構成
を説明する部分剥離斜視図である。
【図2】図2は、本考案の運動器具用チューブの複合積
層構成を示す断面図である。
【図3】図3は、図2に示す断面図における熱可塑性樹
脂含浸繊維層の多数通孔を模式的に示す要部詳細断面図
である。
【図4】図4は、本考案の運動器具用チューブの1実施
例の部分剥離斜視図である。
【図5】図5は、本考案の運動器具用チューブの他の1
実施例の部分剥離斜視図である。
【図6】図6は、図4の実施例のチューブの横断面図で
ある。
【図7】図7は、図5の実施例のチューブの横断面図で
ある。
【図8】図8は、ラケットの衝撃及び振動に対する減衰
能力を測定する方法を示す説明図である。
【図9】図9は、図8の方法で測定した従来のラケット
の振動波の図形である。
【図10】図10は、本考案によるラケットの同測定に
よる図形である。
【符号の説明】
1…熱可塑性樹脂含浸繊維層又は熱硬化性樹脂含浸繊維
層 20…多孔質の熱可塑性樹脂含浸繊維層 10,30…上下2層の熱硬化性樹脂含浸繊維層 12,32…熱硬化性樹脂層 11,31…繊維層 40…複合材料層 21…通孔 50…ラケット 51…取手部 52…クランプ 53…テニスボール 54…ガット面 55…加速度センサー

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 心地とする多孔質の熱可塑性樹脂含浸繊
    維層と、前記熱可塑性樹脂含浸繊維層の表裏面部に分布
    している通孔内に熱硬化性樹脂が浸透接着するように上
    下両面から前記熱可塑性樹脂含浸繊維層を挟んだ2層の
    熱硬化性樹脂含浸繊維層とからなる、複合材料層で構成
    してなる運動器具用チューブ。
  2. 【請求項2】 多数の多孔質の熱可塑性樹脂含浸繊維層
    が、それぞれ熱硬化性樹脂含浸繊維層に挟まれて交互に
    積層してなることを特徴とする請求項1に記載の運動器
    具用チューブ。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性樹脂含浸繊維層が、前記熱
    硬化性樹脂含浸繊維層より高い減衰特性を有することを
    特徴とする請求項1に記載の運動器具用チューブ。
  4. 【請求項4】 前記熱可塑性樹脂含浸繊維層が、チュー
    ブ部材の横断面において不連続状になることを特徴とす
    る請求項1に記載の運動器具用チューブ。
JP1995012321U 1995-11-21 1995-11-21 運動器具用チューブ Expired - Lifetime JP3025637U (ja)

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