JP3024907B2 - ポリ乳酸の製造方法 - Google Patents

ポリ乳酸の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生分解性プラスチック
として有用な高分子量のポリ乳酸を工業的に有利に製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】生分解性プラスチックは、使用目的を果
たした後には環境下で分解され、最終的に低分子化合物
の形で自然界へ還元されていく材料として、昨今注目を
集めている。中でも脂肪族のポリエステル類は、微生物
や水分などにより完全にモノマーまで分解され、最終的
には二酸化炭素や水として自然界へ還元される特性をも
つことから、医用材料を初め、最近では使用後に環境中
へ廃棄されることが予想される汎用資材への展開も検討
され始めている。
【0003】脂肪族ポリエステルの一種であるポリ乳酸
は、その分解特性や他材料と良好な相溶性をもつことに
加えて、透明性や剛性が優れているなど成形加工材料と
しても注目すべき特性をもつことから、昨今では生分解
性という一つの機能をもつ新たな成形加工材料として、
その存在が見直され始めている。
【0004】ポリ乳酸の製造方法としては、従来、乳酸
を脱水・重縮合して生成した乳酸オリゴマーを触媒の作
用により分解させたラクチドを原料とし、これにスズ系
の触媒を添加して開環重合を行わせてポリマーを得る方
法が一般的に用いられてきた。しかしながら、このプロ
セスでは原料となるラクチドが非常に高価であるため、
結果的にポリ乳酸製品の価格を高騰化させることにつな
がり、同材料の汎用分野への応用を妨げる要因ともなっ
ていた。
【0005】こうした背景を受けて、近年乳酸の直接重
縮合法によるポリマーの合成プロセスの確立が検討され
始めているが、種々の解決を要する課題を有しており、
工業的なプロセスとして確立化されるまでには至ってい
ない。これらの技術上の問題点を以下に示す。
【0006】(1)原料の乳酸は、その基本組成として
水分を10〜20重量%(以下「wt%」という)の割合
で含有している。これは、乳酸の製造段階でそれ以上の
濃縮を行うと、二量体や三量体などのオリゴマーが生成
してしまうためである。従って、他のポリマー重縮合プ
ロセスと比較すると、こうした原料由来の遊離水分を除
去する手間が余計にかかることから、結果的に反応時間
が長くなり、工業的に不利なプロセスとなっているのが
現状である。
【0007】(2)該乳酸の直接重縮合法による合成プ
ロセスは乳酸から水分子を取り去ることによって進行す
る脱水・重縮合反応であるため、高温・高真空という過
酷な条件で反応の促進化を図る必要がある。しかしなが
ら、このような状況下では生成したポリマーの熱分解や
酸化劣化により、分子量の低下や着色など著しい物性低
下を引き起こしてしまう。
【0008】(3)反応工程中に副生するラクチドや乳
酸エーテルなどの低分子化合物が反応液中で生成したポ
リマーと平衡状態となるため、得られるポリマーの分子
量が重量平均分子量(Mw)で3,000〜4,000程
度に留まってしまい、実用に供する強度を持つポリマー
となり得ない。
【0009】(4)反応の進行に伴ってポリマーが高粘
性を有するようになると、ポリマー内部に閉じ込められ
た水分子を除去することが困難となることから、通常の
回分式反応槽に比べて強力な攪拌機能を備え、かつ装置
内を高真空状態に保つことが可能な特殊構造を有する装
置を設計する必要がある。しかし、こうした要求を大容
量の回分式重合装置で実現化することは非常に難しい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は高分子量のポリ乳酸を上記の欠点がなく工業的に有利
に製造する方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】斯かる実状に鑑み本発明
者らは鋭意研究を行った結果、乳酸エステルを回分式の
重合反応槽内で、生成するアルコールを除去しながら重
縮合させ、得られたオリゴマーをスクリュ式押出機内
で、生成するアルコールを除去しながら更に重縮合させ
れば、短時間でかつ効率的に高分子量のポリ乳酸が得ら
れることを見出し本発明を完成した。
【0012】すなわち、本発明は、乳酸エステルを回分
式の重合反応槽内で、生成するアルコールを除去しなが
ら重縮合させ、得られたオリゴマーをスクリュ式押出機
内で、生成するアルコールを除去しながら更に重縮合さ
せることを特徴とするポリ乳酸の製造方法を提供するも
のである。
【0013】本発明においては、原料として乳酸でな
く、乳酸エステルを用いるが、かかる乳酸エステルとし
ては、乳酸低級アルキルエステル、特に乳酸C1−C4
ルキルエステルが好ましい。乳酸エステルの具体例とし
ては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブ
チル等が挙げられるが、このうち、価格面では工業的に
量産されている乳酸メチル又は乳酸エチルが比較的安価
であり好ましい。また、反応工程中にこれらエステルか
らアルコールが生成するが、このアルコールの留去し易
さを考慮しても沸点の低いアルコールを生ずる乳酸メチ
ル、乳酸エチルが好ましい。因に、アルコールの沸点は
乳酸メチルから生ずるメタノールが64℃、乳酸エチル
から生ずるエタノールは78℃、乳酸プロピルから生ず
るプロパノールは97℃、乳酸ブチルから生ずるブタノ
ールは117℃である。
【0014】乳酸エステルは、通常0.5wt%以下の水
分を含有しているが、本発明方法の原料としてこれを用
いる場合は、予め水分を取り除いておくことが反応工程
の短縮化の面から好ましい。このような水分の除去には
乾燥剤を用いるのが好ましい。乾燥剤としては、モレキ
ュラーシーブ(合成ゼオライト)、酸化アルミニウム、
硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、
シリカゲルなどが挙げられるが、乾燥(脱水)能力や乳
酸エステルとの相性、使用後の除去の容易さ、再生使用
の可否などを考慮に入れるとモレキュラーシーブが最適
である。このうち、分子の細孔直径が3Å以下の水の吸
着能が大きいモレキュラーシーブが望ましい。モレキュ
ラーシーブの乾燥能力は最大20%であるため、処理を
必要とする乳酸エステルの量に応じて必要量を算出す
る。使用方法としては、乳酸エステルに直接添加して時
々攪拌しながら約24時間放置する静置法と、モレキュ
ラーシーブを適量カラム(直径25mm、長さ300mm)
に充填し、乳酸エステルを2〜3リットル/hの流速で
流すカラム法のいずれを用いても良い。
【0015】重縮合反応は、重縮合用触媒の存在下、減
圧状態で加熱し、生成するアルコールを除去しながら行
うのが好ましい。
【0016】重縮合用触媒としては、オクチル酸スズ、
塩化第一スズ、テトラブチルチタネート、ジブチルスズ
オキサイド、テトライソプロピルチタネート、酢酸亜
鉛、オクチル酸亜鉛、テトラブトキシゲルマニウム、酸
化ゲルマニウムなどが好ましいが、触媒活性や取扱い易
さを考慮に入れると、オクチル酸スズ、テトラブチルチ
タネート、ジブチルスズオキサイドなどがより好まし
い。また、触媒を添加すると反応途中に褐色化しやすく
なるため、必要に応じて熱安定化剤を添加するのが好ま
しい。熱安定化剤としては、ヒンダードフェノール系、
リン酸エステル系のものが適当である。触媒の添加量は
原料に対して好ましくは0.01〜1wt%、より好まし
くは0.05〜0.5wt%の範囲である。
【0017】重縮合反応の温度及び減圧条件は、生成す
るアルコールを除去でき、かつ原料である乳酸エステル
の減圧沸点以下となるように制御し、原料の留去による
損失を防ぐのが望ましい。このような条件は反応の進行
度、反応装置等によっても異なるが通常70〜140
℃、より好ましくは80〜130℃で760mmHg以下、
好ましくは550〜720mmHgで行うのが望ましい。ま
た生成するアルコールは、反応装置に備えたベント口な
どから気化した状態で除去し、冷却して回収するのが望
ましい。
【0018】本発明においては、重縮合反応の進行に伴
い、反応混合物の粘度が上昇し、攪拌効率が低下し、重
縮合反応が充分に進行しないおそれがあるため、反応が
進行しても攪拌効率が低下しない装置を用いて反応を行
うのが好ましい。かかる観点から、反応はスクリュ式押
出機内で行うのが好ましく、更に乳酸オリゴマーの生成
までを回分式重合反応槽で行い、高分子量化をスクリュ
式押出機内で行うのが特に好ましい。
【0019】従って、本発明のより好ましい実施態様と
しては、乳酸エステルを回分式重合反応槽内で生成する
アルコールを除去しながら重縮合させ、得られたオリゴ
マーをスクリュ式押出機内で生成するアルコールを除去
しながら、更に重縮合させることによりポリ乳酸を製造
する方法が挙げられる。以下、この実施態様について詳
細に説明する。
【0020】まず、オリゴマー生成に用いられる回分式
重合反応槽は、アルコール除去装置を備えていれば特に
限定されない。この反応は、通常80〜130℃で、7
60mmHg以下、より好ましくは550〜720mmHgで行
われる。
【0021】このような回分操作で約8〜12時間経過
後、アルコールの蒸発回収量が少なくなった時点で生成
した乳酸オリゴマーをスクリュ式押出機に供給する。
【0022】本発明で用いるスクリュ式押出機として
は、通常プラスチックの製造、成形に用いられる、スク
リュ、シリンダ、加熱ユニット、駆動装置、脱揮のため
のベント口を備えた単軸又は二軸スクリュ式押出機が挙
げられる。また、この二軸スクリュ式押出機としては、
スクリュの回転方向が同方向又は異方向回転のもの、ス
クリュのフライトが相互に噛み合っているもの又は噛み
合っていないもののいずれを用いることもできる。本発
明においては、箇別に温度制御可能なように分割されて
シリンダの周囲に設けられた複数個の加熱ユニットとそ
れらのユニット部分のシリンダ内部から脱揮可能なよう
に設置された複数のベント口とを有し、スクリュ長さ
(L)とスクリュ径(D)の比(L/D比)が10〜7
0の噛み合い型の二軸スクリュ式押出機が好ましい。
【0023】スクリュ式押出機のスクリュ回転数は特に
制限されないが100rpm以上、特に150〜250rpm
が好ましい。なお、押出機内のシリンダ温度は好ましく
は130〜180℃、より好ましくは140〜170℃
の範囲に設定する。また、押出機内の圧力は、好ましく
は300mmHg以下、より好ましくは100〜200mmHg
の範囲に設定する。このように、重縮合反応の最終段階
で押出機のスクリュによる表面更新力を利用することに
より、ポリマーの分子量増大に伴う粘性の増加によって
ポリマー内部に閉じ込められたアルコールを強制的に反
応系外へ留去し、反応速度を高めることが可能となる。
【0024】次に、明細書に添付した図1を参照しなが
ら本発明の前記実施態様を詳述する。
【0025】まず、乳酸エステル、触媒及び必要に応じ
て熱安定化剤を反応槽1内で均一に混合し、反応液温度
を所定の温度に設定して不活性ガスをボンベ4より供給
しながら、脱アルコールによる重縮合反応を行わせる。
また、このとき反応槽1内部は真空ポンプ12を用いて
減圧状態とする。
【0026】反応槽1には冷却トラップ13を接続し、
反応の進行に伴い生成してくるアルコールを順次トラッ
プできるように工夫する。このようにして回収されたア
ルコールは、蒸留装置15に送られて精製され、貯蔵タ
ンク16に回収される。
【0027】次に、このような回分操作で約8〜12時
間経過後、アルコールの蒸発回収量が少なくなってきた
時点で、生成した乳酸オリゴマーを二軸スクリュ式押出
機5のホッパー6に投入し、装置内を真空ポンプ12に
より減圧して重縮合反応を進め、生成、気化してくるア
ルコールをベント口8より回収する。
【0028】押出機5内で重縮合反応の進行に伴い生成
するアルコールは、副反応生成物であるラクチドと共に
ベント口8より適宜回収され、冷却トラップ13内でラ
クチドのみ結晶化する。その後、アルコールとラクチド
はフィルター14により濾過分離され、濾液であるアル
コールは、蒸留装置15を経て精製され、貯蔵タンク1
6に回収される。
【0029】押出機5における原料の連続重縮合操作は
装置の滞留時間範囲内(7〜12分間)で行われる。
【0030】反応終了後に生成した溶融状態のポリ乳酸
はスクリュにより押し出され、スクリーン9を経て、更
にダイ10を通って押し出される。これらは貯蔵タンク
11に貯蔵され、その後、所望の形状に成形加工され
る。
【0031】本発明の方法によれば、重量平均分子量Mw
が10,000〜20,000のポリ乳酸を得ることが
可能である。これらのポリ乳酸は簡易包装材、コーティ
ング剤や徐放性担体として有用である。
【0032】
【発明の効果】本発明方法において、原料として使用す
る乳酸エステルは、工業的に量産されているため乳酸と
比べると非常に安価な材料であり、本発明方法によれ
ば、ラクチドを原料とする従来プロセスよりも、製造コ
ストが安いという利点を有する。また、本発明では原料
を脱アルコール化しながら重縮合させることから、乳酸
脱水しながら重縮合化する直接重縮合プロセスと比較し
て、反応副生物を留去しやすく、反応時間も約半分で目
標とする分子量をもったポリマーを合成することができ
る。これらの結果、成形加工材料としてのポリ乳酸やそ
の成形加工品を安価に市場へ提供することが可能とな
り、機械的強度をあまり必要とせず、かつ生分解性の付
与が要求される用途については、将来有望な汎用性材料
として、その伸長が期待される。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれらの実施例により限定されるもの
ではない。
【0034】実施例1 攪拌装置、熱電対、N2導入管を取り付けた10リット
ル容量の重合反応槽に、モレキュラーシーブ(細孔直径
3Å)を用いて水分を除去した乳酸メチル(b.p.1
43℃)を7.8kg仕込み、これに触媒としてオクチル
酸スズを原料に対して0.05wt%の割合で添加した。
次に、700〜720mmHgの減圧下で、反応温度を原料
の減圧沸点以下、好ましくは85〜110℃となるよう
に設定して約8時間、生成するメタノールを系外に留去
させる脱アルコール操作を行いながら乳酸メチルを重縮
合させた。
【0035】その後、生成した乳酸オリゴマーを二軸ス
クリュ式押出機に3.4kg/hの割合で供給し、シリン
ダ温度を140〜160℃に、またスクリュ回転数を2
00rpmに設定して、押出機内を180〜200mmHgに
減圧しながら原料中に残存するメタノールをベント口よ
り効率的に脱揮すると同時に重縮合反応を完結化させ
た。なお、そのときの反応時間は、押出機内の滞留時間
より約9分であった。
【0036】反応終了後に押出機より吐出されたポリマ
ーの基本特性を調べたところ、重量平均分子量Mwは1
4,500となり、機械的な強度をあまり必要としない
コーティング剤や徐放性担体への成形加工が可能とされ
るMw≧10,000の値を達成することができた。な
お、そのときのポリマー収率は対理論量として59%で
あった。
【0037】該反応に要した時間はトータルで約8.2
時間となり、乳酸を原料として回分式重合反応槽を用
い、脱水・重縮合反応により本実施例と同等の分子量を
もつポリマーを合成した場合に比べて、反応時間は約1
/2に短縮化された。
【0038】実施例2 実施例1と同様の重合反応槽に乾燥済みの乳酸エチル
(b.p.154℃)を7.2kg仕込み、これに触媒と
してジブチルスズオキサイドを原料に対して0.1wt%
の割合で添加した。次に、700〜720mmHgの減圧下
で反応液の温度を乳酸エチルの減圧沸点以下である10
0〜125℃に設定して約8.5時間、生成するエタノ
ールを系外へ留去させながら脱アルコールによる重縮合
反応を行った。
【0039】その後、生成した乳酸オリゴマーを実施例
1と同様の押出機に3.2kg/hの割合で供給し、シリ
ンダ温度を150〜170℃に、またスクリュ回転数を
220rpmに設定して、押出機内を170〜200mmHg
に減圧しながら、反応液中に残存するエタノールをベン
ト口より効率的に脱揮すると同時に重縮合反応を完結化
させた。なお、そのときの反応時間は、押出機内の滞留
時間より約10分であった。
【0040】得られたポリマーの基本的な特性を調べた
ところ、重量平均分子量Mwは18,100となり、機械
的な強度をあまり必要としないコーティング剤や徐放性
担体への成形加工が可能なMw≧10,000の値を達成
することができた。なお、反応終了後に押出機より吐出
されたポリマーの収率は、対理論量として63%であっ
た。
【0041】該反応に要した時間はトータルで約8.6
時間となり、本発明と同様な回分式の重合反応槽を用い
て、乳酸を直接脱水・重縮合することにより本実施例と
同等の分子量をもつポリマーを合成した場合に比べて、
反応時間は約1/2に短縮化された。
【0042】実施例3 実施例1と同様の装置に乾燥済みの乳酸ブチル(b.
p.185℃)を7.5kg仕込み、これに触媒としてテ
トラブチルチタネートを原料に対して0.05wt%の割
合で添加した。次に、700〜720mmHgの減圧下で反
応液の温度を乳酸ブチルの減圧沸点以下である110〜
130℃に設定して約10時間、生成するブタノールを
系外へ留去させながら脱アルコールによる重縮合反応を
行った。
【0043】その後、生成した乳酸オリゴマーを押出機
に3.0kg/hの割合で供給し、シリンダ温度を155
〜170℃に、またスクリュ回転数を250rpmに設定
して、押出機内を170〜190mmHgに減圧しながら、
反応液中に残存するブタノールをベント口より効率的に
脱揮すると同時に重縮合反応を完結化させた。なお、そ
のときの反応時間は、押出機内の滞留時間より約9.5
分であった。
【0044】得られたポリマーの基本的な特性を調べた
ところ、重量平均分子量Mwは14,500となり、機械
的な強度をあまり必要としないコーティング剤や徐放性
担体への成形加工が可能とされるMw≧10,000の値
を達成することができた。なお、そのときのポリマーの
収率は、対理論量として65%であった。
【0045】該反応に要した時間はトータルで約11.
2時間となり、本発明と同様な重合反応槽を用いて、乳
酸を直接脱水・重縮合しながら本実施例と同等の分子量
をもつポリマーを合成した場合に比べて、反応時間は約
5/8に短縮化された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の工程を説明する概略図である。
【符号の説明】
1.回分式重合反応槽 2.攪拌機 3.攪拌翼 4.窒素ボンベ 5.スクリュ式押出機 6.ホッパー 7.ギアポンプ 8.ベント口 9.スクリーン 10.ダイ 11.貯蔵タンク 12.真空ポンプ 13.冷却トラップ 14.フィルター 15.蒸留装置 16.貯蔵タンク 17.乳酸エステル 18.乳酸オリゴマー(プレポリマー) 19.アルコール・ラクチド 20.アルコール 21.アルコール(精製品) 22.ポリ乳酸 23. ラクチド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 力 健二郎 広島県広島市安芸区船越南1丁目6−1 株式会社日本製鋼所内 (72)発明者 横田 佳代子 広島県広島市安芸区船越南1丁目6−1 株式会社日本製鋼所内 (56)参考文献 特開 平7−173264(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳酸エステルを回分式の重合反応槽内
    で、生成するアルコールを除去しながら重縮合させ、得
    られたオリゴマーをスクリュ式押出機内で、生成するア
    ルコールを除去しながら更に重縮合させることを特徴と
    するポリ乳酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 重縮合反応が、減圧下加熱することによ
    り行うものである請求項1記載の製造方法。
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PT102888B (pt) * 2002-12-23 2005-04-29 Filipe Manuel Rodrigues Aguiar Processo industrial de producao de acido polilactico (pla) obtido por esterificacao e polimerizacao de acido lactico purificado, sendo o referido acido produzido atraves de um processo fermentativo

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