JP3024644U - 扉用通し蝶番 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 扉の肘縁部に使用して長手方向に隙間が生じ
ないはぜ組みの通し蝶番を１８０度まで拡開可能にし、
併せてこれを取り付ける箱状外枠の下地取付の板体の方
向性を自在にする。 【構成】 自在ひれ板７を縦横自在に嵌着する箱状外枠
１に取り付ける雌用基板２の雌型異径弯曲筒部３の内外
周の弯曲形状と、これにはぜ組みさせる一体扉体５の雄
型異径弯曲筒部４の弯曲形状を一致させ、その弯曲形状
を中心側突端を半円形ａとし、次に中心点の異なる漸増
半径円周ｂ，ｃの連接形状とすることにより扉を１８０
度まで拡開できるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する分野】

本考案は扉の開閉に伴って生ずる長手方向の隙間を全くなくするはぜ組みの蝶 番を１８０度に拡開可能とした扉用通し蝶番に関する。

【０００２】

【従来の技術】

開閉扉の肘縁部には従来図８に示すように中心を軸棒５０で支承した両側の取 付板５１，５２が蝶の羽のように扇形動する蝶番が用いられているが、開閉の何 れの状態に於ても蝶番の軸棒５０を中心として外枠とこれに取付ける扉側の縁線 に沿って必ず隙間Ｓが生じるため空気が洩れ室内の気密を保つことはできない。 これを解決するため特願平６−１８５７１１号（以下引用例１と称す）によって 隙間が形成されることのない丸形はぜ組み通し蝶番が提案されている。

【０００３】 引用例１は壁側に取付けるかぎ型基板と扉側に取付ける係合板との丸形はぜ組 み構造の通し蝶番であるが、かぎ型基板の断面の内周は半円形の半円かぎ部とし 、この半円かぎ部に内接して摺動する係合板の断面の内周を中心側の半円とした 内周の半径Ｃとその２倍尺半径２Ｃ更に３倍尺半径３Ｃを夫々中心を異にして連 接した変形弯曲部として、このかぎ型基板の半円形内周に係合板の変形弯曲面の 外周を摺接せしめるものであるから、半円かぎ部の先端かま型膨化部の外周に係 合板の中心側の半円部の半円内周を摺接する部分でかぎ型基板と係合板の板体は 一直線となって係合し、係合板の角度を変えて９０度にすると互の摺接部分がす べて離れて着脱できるようになるもので、更に角度を拡げようとすると半円形内 周にはこれに一致しない変形弯曲面の外周が内接することができないため１８０ 度まで拡開することはできない。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

引用例にあっては扉に用いるときは９０度以上ではやや開くに留まり、１８０ 度一杯に拡開することはできない欠点がある。本考案はこの点を解決するための 改良考案であって、扉を閉止状態から１８０度一杯に拡開できるようにする通し 蝶番を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は扉の開き角度１８０度にできる隙間の生じない通し蝶番の改良考案で あって、箱状外枠１に固定する雌型異径弯曲筒部３をもつ雌用基板２と扉肘部に 取り付けて前記の雌型異径弯曲筒部３に摺接する弯曲形状が同一の雄型異径弯曲 筒部４を一体に形成した一体扉枠５とからなり、雌用基板２は建家壁６を支持す る下地８に取付けるための自在ひれ板７を嵌着自在とする箱状外枠１に取付ける ものとし、その雌型異径弯曲筒部３の断面は同一肉厚で中心側先端をかま首形折 り曲げ部９としてその内周を半円形ａとし、これに夫々中心を異にした２個の漸 増半径円周ｂ，ｃを連接して異径弯曲内周面１０を構成し外周は異径弯曲内周面 １０と同一弯曲の異径弯曲外周面１１とし、異径弯曲内周面１０の内側基部に膨 化突条１２を設けた構造とし、一体扉枠５の角縁に一体に形成する雄形異径弯曲 筒部４の断面は、巻き込んだ中心側突端内側に膨化突部１３を形成した同一肉厚 で外周面を前記雌型異径弯曲筒部３の内周の異径弯曲内周面１０と同一弯曲寸法 とした摺動外周面１４とし、更に同一弯曲形状の内周の基端に内周面の延長で構 成される三角突起１５を形成した構造とする。

【０００６】

【考案の実施の形態】

本考案は扉の蝶番として雌型異径弯曲筒部３をもつ雌用基板２を建家壁の箱状 外枠１に取付け、雄型異径弯曲筒部４を一体に形成した一体扉枠５を扉本体の肘 側に取り付け互に長手方向に挿し通してはぜ組みの通し蝶番を構成するもので、 通し蝶番は切れ目ないから従来のような開閉に伴う隙間は全くなくなり、雌用基 板２の板状部は扉端と外板の間に挿し込んだ状態で外枠に取り付けるため裏板必 要とせず外枠を箱状体の箱状外枠６とすることができて従来より扉肘部が丈夫に 構成できると共に、断熱材からなる扉本体を固定する扉枠を雄型異径弯曲筒部４ を一体に形成した一体扉枠４としたので扉肘部も極めて丈夫に構成できる。

【０００７】 扉閉止時は図３のように雌用基板２の雌型異径弯曲筒部３の異径弯曲内周面１ ０に内周面形状寸法が同一の一体扉枠５の雄型異径弯曲筒部４の摺動外周面１４ が完全に摺接して安定する。このとき雄型異径弯曲筒部４の中心側突端の膨化突 部１３が雌型異径弯曲筒部３のかま首形折り曲げ部９の突端を包み込むように係 合して安定する。膨化突条１２は、一体扉枠５の端面を多少の隙間を保って保持 し、閉止時の扉体の変位を受け入れる。 図４は扉体の拡開途中の状態で、摺動外周面１４が異径弯曲内周面１０を案内 して摺動させ扉の開きに伴って、雌型異径弯曲筒部３の半円形ａに対応した雄型 異径弯曲筒部４の摺動外周面１４の中心側半円部外周が、異径弯曲内周面１０の 中心を異にした２個の漸増半径円周ｂ，ｃからなる基端側内周面に案内されるに つれて、雄型異径弯曲筒部４の基端の内周面が雌型異径弯曲筒部３のかま首形折 り曲げ部９の外周面に接して接点を移し、図５のように異径弯曲面との間に動作 可能空間を構成して引っかかりをなくしそのまま異径弯曲外周面１１に案内され て摺動を続け図６のように扉体が１８０度に開いた状態で膨化突部１３と三角突 起１５との係合で雄型異径弯曲筒部４の内周面は雌型異径弯曲筒部３の異径弯曲 面１１に密接して安定し、扉の１８０度拡開を保持する。

【０００８】 本考案に於て雌用基板２は箱状外枠１に取付けることになり、更に箱状外枠１ は建家壁６を支持する下地８に取り付けることになるが、箱状外枠１には取り付 け向きに応じて向きを縦横自在に着脱できる自在ひれ板７を嵌着する。 即ち箱状外枠の両角部に互に直角方向に配した直角当板部２１，２２を持つ半 筒状穴２３を設け、これに互に直角方向に配した直角当接部２４，２５を持ちそ の間に筒体部２６を膨出させた自在ひれ板７を必要に応じ縦又は横向きに嵌着す るもので、半筒状穴２３に筒体部２６を挿し込み直角当接部２４，２５を直角当 板部２１，２２に当てて安定固接させた自在ひれ板７を下地に固定すれば箱状外 枠は容易に取り付けることができる。

【０００９】

【考案の効果】

以上本考案は肘縁部に隙間を作らない通し蝶番の扉を１８０度一杯に開くこと ができ、又蝶番取付け部の箱状外枠は自在ひれ板によって取り付けの向きに応じ て簡単に下地に取り付けできる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の雌型異径弯曲筒部の平面図である。

【図２】本考案の雄型異径弯曲筒部の平面図である。

【図３】扉閉止時の組み合せの平面図である。

【図４】扉拡開途中の摺動状態の平面図である。

【図５】扉拡開途中の摺動状態の平面図である。

【図６】扉１８０度拡開時の組み合せの平面図である。

【図７】自在ひれ板の平面図である。

【図８】従来の蝶番の正面図である。

【符号の説明】

１ 箱状外枠 ２ 雌用基板 ３ 雌型異径弯曲筒部 ４ 雄型異径弯曲筒部 ５ 一体扉枠 ７ 自在ひれ板 ９ かま首形折り曲げ部 １０ 異径弯曲内周面 １１ 異径弯曲外周面 １２ 膨化突条 １３ 膨化突部 １４ 摺動外周面 １５ 三角突起 ２１，２２ 直角当板部 ２３ 半筒状穴 ２４，２５ 直角当接部 ２６ 筒体部 ａ 半円形 ｂ，ｃ 漸増半径円周

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 建家壁側の箱状外枠に取り付ける雌型異
   径弯曲筒部をもつ雌用基板とこの雌型異径弯曲筒部の異
   径弯曲内周面に摺接する雄型異径弯曲筒部を一体に形成
   した一体扉枠とからなり、両者の内外周面の弯曲形状を
   一致せしめると共に、その弯曲形状は中心側を半円形と
   し、これに中心点を異にした漸増半径円周を連接せしめ
   た弯曲面とし、この雌型異径弯曲筒部と雄型異径弯曲筒
   部をはぜ組みさせることにより、隙間のない状態で扉を
   １８０度拡開可能にした扉用通し蝶番。
2. 【請求項２】 雌型異径弯曲筒部をもつ雌用基板を取り
   付ける箱状外枠を両角部に形成した半筒状穴に自在ひれ
   板を着脱自在に挿嵌着すべくなした請求項１記載の扉用
   通し蝶番。