JP3024091U - 完全無菌パックされた野菜類食品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般生菌だけでなく耐熱生菌をも死滅させて
完全に無菌化されてパックされた野菜類食品を提供する 【解決手段】 高圧高温条件下で滅菌処理されて完全無
菌化された野菜類食品がトレー３に充填され、トレーに
蓋材２が被着されて密封シールされて得られる完全無菌
パック野菜類食品１。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は完全無菌パックされた野菜類食品に関し、特に、一般生菌のみならず 耐熱生菌をも実質的に完全に死滅させて完全無菌化されて容器にパックされた野 菜類食品に関する。

【０００２】

【従来の技術】

無菌パックされた食品としてはいわゆるレトルト食品が知られている。これは 、米飯等の食品を容器に充填密閉した後に高温高圧条件下で殺菌することによっ て製造されるものであり、１３０℃程度の高温とすることにより一般生菌のみな らず耐熱生菌をも完全に死滅させることが可能である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、レトルト食品の場合、パックされた食品にはその周囲から徐々 に中心に向けて熱が伝わるため、食品の中心部が１３０℃に達するときには周囲 の部分はそれよりもかなり高温となっており、食味が大幅に損なわれるという問 題があった。食味を落とさずにレトルト殺菌する場合には、中心部の温度が所定 温度にまで達しないため、完全な無菌化を実現することができない。

【０００４】 このようにレトルト食品では食味を落とさずに完全無菌化することが実際上困 難である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

そこで本考案は、レトルト以外の方法によって食味を落とさずに完全無菌化す ることについて実験と研究を重ねた結果、一般生菌だけでなく耐熱生菌をも死滅 させて完全に無菌化したパック食品を提供することを目的とするものである。

【０００６】 すなわち本考案は、高圧高温条件下で滅菌処理された野菜類食品が容器内に密 封シールされてなることを特徴とする完全無菌パックされた野菜類食品である。

【０００７】 なお、ここに野菜類食品とは、枝豆、空豆等の豆類、ポテトサラダ等の野菜サ ラダ類、その他の調理済み又は未調理の野菜類食品を広範に含むものである。

【０００８】

【考案の実施の形態】

野菜類食品の含水率を必要に応じて適宜調整した後、これをＵＶ殺菌された個 食トレーに定量充填する。本考案に用いるトレーには、高度なガスバリアー性を 有することが要求されないため、安価なプラスチック材料を用いて成型すること ができる。

【０００９】 野菜類食品が定量充填されたトレーは、密閉チャンバーに送入されて、高圧高 温条件下での滅菌処理が施される。これにより一般生菌のみならず耐熱生菌をも 死滅させることができる。

【００１０】 省スペース実現のため、トレー収容に多段ゴンドラを用いて一度に多数のトレ ーを密閉チャンバー内にて滅菌処理することが好ましい。例えば、１個のゴンド ラには横１２列、縦６段の合計７２個のトレーを収容することができ、このゴン ドラを２５個用いることにより一度に１８００個のトレーを処理することができ る。

【００１１】 密閉チャンバー内での滅菌処理は、１００℃以上、好ましくは１３０〜１４０ ℃の高温の加圧蒸気を用いることにより、数十秒ないし数十分程度の短時間内に 、密閉チャンバー内の多段ゴンドラに収容される多数のトレーに対して一括して 行うことができる。蒸気圧力は２．７〜３．０ｋｇｆ／ｃｍ程度とすることが好 ましい。また、滅菌処理を行う場合、６〜１０秒間の処理を１サイクルとして６ 〜８回程度繰り返して行う間欠方式を採用してもよい。

【００１２】 密閉チャンバー内での滅菌処理後、必要に応じて多段ゴンドラを調理装置に送 って必要な野菜類食品の調理を行う。調理に必要な水又は湯は予め無菌化処理さ れ多ものを用い、更に所定ｐＨ値に調整されたものを用いることができる。

【００１３】 調理完了後、ゴンドラ内の各トレーは調理装置から排出され、適当な蓋材をト レーに被着して密封シールする。調理装置から密封シール機までのトレーは搬送 コンベアにより搬送されるが、この間わずかな時間ではあるが外気に晒されるこ とになるため、これによる二次汚染を防止するために、調理装置の出口から密封 シール機にかけての領域はクリーン度１００〜１０００程度のクリーンブースと される。

【００１４】 例えば、調理装置の出口から密封シール機までの間をトンネル状のブースとし 、クリーンエア発生装置をブース中央上部に取り付けて連続的にクリーンエアを 発生させるようにする。ブース内を陽圧（例えば外気圧よりも０．５〜２ｍｍ ｑ高い圧力）に保持して、クリーンエアをブースの上から下へ、また中央から外 周へと流し、また搬送コンベア上では密封シール機から調理装置に向けて流すこ とにより、細菌を外部に排出することができる。

【００１５】 トレーを密封シールした後、必要に応じて常法により所定時間蒸らしを行って 、調理後の上層部と下層部の水分吸収率差の均一化を図る。

【００１６】 以上の工程により、高温高圧条件下で滅菌処理された野菜類食品が容器内に密 封シールされてなることを特徴とする本考案の完全無菌パックされた野菜類食品 が得られる。

【００１７】 かかる完全無菌パックされた野菜類食品１の一例が図１に示されており、図中 符号２は蓋体、３はトレーを示す。内容物たる野菜類食品は図示省略されている 。

【００１８】 以上の方法によって製造した完全無菌パックされた野菜類食品について標準寒 天平板培養法により分析試験を行ったところ、一般細菌数（生菌数）及び耐熱性 芽胞菌数のいずれも３００以下／ｇであり、実質的に完全無菌化されたものであ ることが確認された。

【００１９】

【考案の効果】

本考案によれば、高圧高温条件下での滅菌処理により、一般生菌だけでなく、 食品材料に付着している可能性のある耐熱生菌を完全に死滅させて完全無菌化さ れてパックされた野菜類食品を、従来のレトルト食品のように食味を損なうこと なしに、提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による完全無菌パックされた野菜類食品
の一例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 完全無菌パックされた野菜類食品 ２ 蓋材 ３ トレー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 高温高圧条件下で滅菌処理された野菜類
   食品が容器内に密封シールされてなることを特徴とする
   完全無菌パックされた野菜類食品。