JP3022589B2 - 生産ラインの制御方法 - Google Patents

生産ラインの制御方法

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JP3022589B2
JP3022589B2 JP2284694A JP28469490A JP3022589B2 JP 3022589 B2 JP3022589 B2 JP 3022589B2 JP 2284694 A JP2284694 A JP 2284694A JP 28469490 A JP28469490 A JP 28469490A JP 3022589 B2 JP3022589 B2 JP 3022589B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は自動車等の自動組立ラインなどの自動生産ラ
インに適用されて、各工程の作業内容にかかるデータの
授受を確実にするとともに、処理の迅速化を図った生産
管理システムに関するものである。
【従来の技術】 一般に自動車の組立ラインにあっては、車種、派生形
式、オプション仕様などの異なる多種多様の自動車を同
一ライン上で生産することが行われている。 このような組立ラインにあっては、各種の加工を行う
工程のそれぞれで、自動車(被加工物)に対応する適切
な種類の加工を行うことが必要であるから、被加工物自
体に、あるいは、前記ラインに沿って被加工物を搬送す
るパレットなどの搬送手段にIDプレートを取り付けるこ
とが行われている。 すなわちこのIDプレートには、被加工物の識別のため
の情報(ナンバー)と、車種、派生形式、オプション仕
様などに応じた加工内容にかかわるデータ(動作要因デ
ータ)とが記録されており、これらのデータを各処理工
程でIDプレートから読取り、読取られたデータにより、
該工程の自動機に対応する動作プログラムに基づく動作
を行わせるようになっている。
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記制御にあっては、各工程でIDプレート
が読取られて初めて当該被加工物に対する自動機の動作
内容が確定することになるから、一つの被加工物につい
ての処理が終了した後、次の被加工物が作業位置に到達
するまでの間、該工程が休止状態とならざる得ない。 また、自動機の一つとしてロボットの動作を考察して
みると、その動作は動作要因コードに対応する動作プロ
グラムにしたがって、それぞれ所定の軌跡に沿って行わ
れるものであるから、動作の始点、終点がそれぞれ異な
る。したがって、前記動作要因データの読取り後、作業
開始に先立って、前回の処理の終点、あるいは、特定の
待機位置から今回の動作の始点まで自動機を移動させる
過程が必要となり、これら休止状態となる時間、およ
び、自動機の移動に要する時間からなる無駄時間を短縮
したいという要求があった。 本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、IDプレー
トに記録されたデータを用いて自動機を制御する方式の
生産ラインにおける無駄時間を可及的に減少させるとと
もに、IDプレートを用いて伝達される情報の信頼性を高
めることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、 本願の請求項1記載の発明は、 生産ラインを流れる複数の被加工物と一体に移動する
情報記憶手段の各々に当該被加工物およびこれより上流
側のi個目までに位置する被加工物に対して自動機に実
行させるべき処理内容についての情報をそれぞれ記憶さ
せる工程と、 前記被加工物の一つに設けられた情報記憶手段から情
報を読取る工程と、 該情報記憶手段から読み取られた一つの被加工物につ
いての情報と、これに先立って自動機に処理された他の
被加工物の情報記憶手段から読み取られた前記一つの被
加工物についての情報との一致を条件として、前記一つ
の被加工物について該当する情報に基づく処理を自動機
に実行させる工程と、 からなる生産ラインの制御方法において、 前記自動機によって処理が行われる被加工物よりi個
以上上流側で被加工物がラインから取り出された場合、
取り出された被加工物より下流側のi個目までの被加工
物の情報記憶手段に対して、それぞれの上流側に隣接す
る被加工物についての情報に書き換える工程と を実行するようにしたものである。 請求項2記載の発明は、 それぞれ被加工物が搭載されて生産ライン上を流れる
複数の搬送手段と一体に移動する情報記憶手段の各々
に、当該被加工物およびこれより上流側のi個目までに
位置する搬送手段上の被加工物に対して自動機に実行さ
せるべき処理内容についての情報を記憶させる工程と、 前記被加工物の一つに設けられた情報記憶手段から情
報を読取る工程と、 該情報記憶手段から読み取られた一つの被加工物につ
いての情報と、これに先立って自動機に処理される他の
被加工物の情報記憶手段から読み取られた前記一つの被
加工物についての情報との一致を条件として、前記一つ
の被加工物について該当する情報に基づく処理を自動機
に実行させる工程と、 からなる生産ラインの制御方法において、 被加工物が取り除かれた一つの搬送手段に設けられた
情報記憶手段、および、この搬送手段より下流側のi個
目までの搬送手段に設けられた情報記憶手段における、
前記一つの搬送手段上の被加工物についての情報を記憶
すべき領域に被加工物が存在しない旨の情報を記憶させ
る工程と、 前記一つの搬送手段への被加工物の搭載とともに前記
存在しない旨の情報を当該被加工物についての情報に書
き換える工程と、 を実行するようにしたものである。 請求項3記載の発明は、 生産ラインを流れる複数の被加工物と一体に移動する
情報記憶手段の各々に当該被加工物およびこれより上流
側のi個目までに位置する被加工物に対して自動機に実
行させるべき処理内容についての情報を記憶させる工程
と、 前記被加工物の一つに設けられた情報記憶手段から情
報を読取る工程と、 該情報記憶手段から読み取られた一つの被加工物につ
いての情報と、これに先立って自動機に処理された他の
被加工物の情報記憶手段から読み取られた前記一つの被
加工物についての情報との一致を条件として、前記一つ
の被加工物について該当する情報に基づく処理を自動機
に実行させる工程と、 からなる生産ラインの制御方法において、 前記自動機によって処理が行われる被加工物よりi個
以上上流側へ離れた被加工物の下流側へ新たな被加工物
を挿入する工程と、 挿入された新たな被加工物の情報記憶手段に当該被加
工物およびこれより上流側のi個目までの被加工物につ
いての情報を記憶させる工程と、 前記新たな被加工物より下流側のi個目までの被加工
物の情報記憶手段における新たな被加工物に対応する記
憶領域に前記新たな被加工物についての情報を書き込む
とともに、新たな被加工物より上流側の被加工物に対応
する記憶領域の情報をそれぞれの下流側に隣接する被加
工物についての情報に更新する工程と、 を実行するようにしたものである。
【作用】
上記構成であると、i番以上上流側で生産ラインから
の被加工物の取り出し、あるいは生産ラインへの被加工
物の挿入が行われるから、作業機に記憶されている複数
個分の情報を書き換えることなく、通常の判断に基づい
て作業機を制御することができる。また取り出されある
いは挿入された被加工物に関する情報がこれよりも上流
側あるいは下流側の被加工物の情報記憶手段においても
書き換えられているから、自動機における判断を何等変
更する必要がない。
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。 まず、第2図により本発明が適用される生産ラインに
おける被加工物たる自動車の流れを説明する。 第2図は、この発明が適用される自動車生産ラインの
一部を示す概略構成図である。この図において、符号1
はボディーであり、符号2〜9は、各々所定の処理を行
う処理ステーションであり、例えば、ウィンド取り付け
やバンパー取り付けなどが各々行われる。また、処理ス
テーション9における処理が終了すると、ボディは次の
ラインへと移動する。上記各処理ステーション2〜9に
は、自動機11が設けられており、ラインに沿って移動し
て来るボディに対して所定の加工を行う。なお、第2図
においては、簡略化のため自動機の図示を一部省略し
た。 また、第2図に示すラインにあっては、各ボディは自
動搬送台車12上に載置され、自動搬送台車12はラインに
沿ってボディ1を移動する。ただし、図示のラインの処
理ステーション9の処理が終了すると、自動搬送台車12
とボディとが分離され、自動搬送台車12のみが投入部15
へ移動する(第2図の破線参照)。このように、自動搬
送台車12は第2図に示すラインを循環するようになって
いる。投入部15においては、前工程ラインにおける処理
が終ったボディが、空の自動搬送台車12に移載されるよ
うになっている。 また、自動搬送台車12の側面の中央部には、IDプレー
ト20が設けられている。このIDプレート20は、アンテナ
ANTから発生されるマイクロ波によって各種情報が書き
込まれ、また、書き込まれた情報は、アンテナANTを介
して読み出せるようになっている。 また前記自動搬送台車に取付けられるIDプレートは、
第3図に示すような構成となっている。すなわちIDプレ
ート20には、このIDプレート20が取付られた自動搬送台
車に搭載された処理対象物たる自動車の番号nと、この
番号nに対して各工程で行うべき処理の内容を示す動作
要因コードCnが、前記番号nから、これに続く自動搬送
台車に搭載されたn+i番目(実施例の場合i=3)ま
での自動車についてまでをそれぞれ磁気的に記録する記
憶領域20a〜20dが設けられている。 ここで、IDプレート20に書き込まれる情報について説
明すると、このIDプレート20には、生産すべき製品を識
別するための下記のような項目に亙るボディ情報が含ま
れている。 日付コード付投入NO:ボディがラインに投入された日
付と投入番号とを示す。 ボディ機種:ボディの機種名および4ドア,2ドアの別
などを示す。 派生:仕向国、仕向地(寒冷地等)などを示す。 オプションコード:オプション設定されている機器
(例えば、カーステレオ等)を組み込むか否かを示す。 フレームNO:車両のフレームに付けられる識別番号を
示す。 色指定コード:外装色、内装色を指定するコードであ
る。 上述のボディ情報は、機器照合端末31に供給され、こ
こで、まず動作要因コードに変換される。動作要因コー
ドとは、自動機11が直接動作を決定し得るコードであ
る。この場合、機種照合端末31は、ボディ情報と動作要
因コードとの関係を記憶した変換テーブル31aを有して
おり、この変換テーブル31aを参照することによって上
述の動作要因コードを作成する。さらに、機種照合端末
31は、バイナリファイル31bを有しており、これを参照
して動作要因コードを圧縮し、バイナリーコードを作成
する。これは動作要因コードのビット数が極めて多くな
るため、そのまま取り扱うのが効率的でないからであ
る。 さて、機種照合端末31は、バイナリーコードとボディ
情報とを一組にし、アンテナANTを介してIDプレート20
に書き込む(以下、この書込情報をID情報という)。こ
の書き込みは、生産工程の最初において行われる。ま
た、この実施例の場合、生産工程は分割されて複数の部
分工程からなっており(第2図に示す工程はその一工
程)、ボディがある工程から次の工程に移るときには、
ID情報も次工程へ転送されるようになっている。 これは次の理由による。 IDプレート20は自動搬送台車あるいは自動搬送台車に
取り付けられており、各工程においてはこれらはライン
上を循環している。したがって、ボディを次のラインに
移したときは、ID情報も共に移さなければ、ボディとID
情報との対応が図れなくなってしまうためである。 例えば、第2図に示す工程の投入部15においては、前
工程の終端のID情報が第4図に示す転送制御部35によっ
て転送される。この処理は、まず、転送制御部35が、前
工程の終端におけるIDプレート20内の情報をアンテナAN
Tを介して読み取る。そして、ボディが投入部15内の自
動搬送台車12上に移載されるのに同期して、読み取った
ID情報をアンテナANTを介して新たなライン上のIDプレ
ート20に書き込む。このようにしてID情報は、常にボデ
ィと同期して移動する。 次に、各自動機11は、その近傍にアンテナANTを有し
ており、進入して来るボディのID情報を読み取るように
なっている。この場合、ID情報の全てではなく、その自
動機において必要な部分のみを読み取るようになってい
る。すなわち、機種照合端末機31は全ての自動機に必要
なバイナリーコードを作成してIDプレート20に書き込む
が、各自動機11は必要な部分(所定のビット)のみを読
み取るようになっている。 また、全体盤40は、複数の自動機11から供給されるデ
ータを受けるとともに、機種照合端末31との間で生産管
理のためのデータの授受を行う。また、この実施例にお
いては、自動機11は加工に要した時間を検出し得るよう
になっており、その検出データを全体盤40に出力する。
全体盤40はこれをデータマネージャー42を介して事務所
端末31に転送し、事務所端末31では、検出データを図示
せぬ表示装置に表示し、加工時間の監視を可能にする。
また、全体盤40においても所定の表示装置に加工時間、
あるいは読み取ったID情報の内容等を表示する。 さらに、この実施例においては、機種照合端末31とデ
ータマネージャー42との間のデータ通信網をLAN(ロー
カル・エリア・ネットワーク)によって構成している。
このネットワークについて以下に説明する。 ネットワークには、上述の端末以外に、照合バックア
ップ端末43、ファイルマネージャー44および事務所端末
45の各端末が接続されている。照合バックアップ端末43
は、機種照合端末31と全く同様の構成および機能を有し
ており、かつ、同様のデータ通信をホストコンピュータ
41との間およびネットワークに接続される各端末との間
で行っている。これは、機種照合端末31が何らかの原因
でダウンした際に直ちに代替できるようにするためであ
る。ファイルマネージャー44は、ネットワークを流れる
各種情報(例えば、設備稼働情報等)を読み取ってファ
イルするとともに、各端末が正常に動作しているかどう
かを周期的に監視する。事務所端末45は、ライン全体を
幾つかのブロックに区切り、各ブロックがどのような稼
働状態にあるかをモニタする。また、ラインに対して起
動あるいは停止の命令を発生する。この事務所端末45に
おける稼働状態モニタは、例えば、CRT表示装置にライ
ンのレイアウトを表示し、かつ、各ブロックが自動運転
状態、手動運転状態あるいは終了状態のどれに当たるか
を色分け表示する。この場合、自動機11は自己の稼働状
態を認識し得るから、それを示す情報を全体盤40および
データマネージャー42を介してファイルマネージャー44
に転送し、ファイルマネージャー44は当該情報に基づい
て上述の色分け表示を行う。 また、ファイルマネージャー44および事務所端末45
は、データマネージャー42と同様の機能を有しており、
データマネージャー42がダウンした際はその代替とな
る。一方、通常の動作時には各端末は自己の動作に必要
な情報のみを抽出して取り込むようになっている。 なお当該自動搬送台車12が空の場合、すなわち、不良
検出等の何らかの事情によって自動搬送台車12上から被
加工物が外された場合、ライン作業者が所持する書き込
み手段により、その旨を示すデータが当該自動搬送台車
12のIDプレートに書き込まれ、あるいは、当該自動搬送
台車12についての動作要因コードCnが消去される。 さらに、前記自動機11は、それぞれ作業状況に関する
データを出力するようになっており、このデータは、複
数台自動機毎に設けられた全体盤40に供給され、それぞ
れの自動機の作業状況(何番目の自動車に対する作業が
終了したか、あるいは、作業に要した時間など)が全体
盤40によって集約されて、機種照合端末31〜ホストコン
ピュータ41へ供給されるようになっている。 また、データマネージャー42、ファイルマネージャー
44および事務所端末45には、各投入番号とそれに対応す
るID情報とが一組になって記憶されている。そして、ID
プレート12の情報が何らかの原因で喪失した場合には、
それぞれの記憶内容に従って復旧できるようになってい
る。この復旧処理は、例えば、以下のようにして行われ
る。今、ある自動搬送台車12に取り付けられているIDプ
レート20のID情報が喪失したとする。この場合、操作者
はその自動搬送台車12の前または後ろの自動搬送台車に
設けられているIDプレート20の投入番号を調べる。これ
らの投入番号は、自動機11によって読み取られるから、
操作者は自動機11が読み取った投入番号を調べればよ
い。そして、投入番号はシリアル番号であるから、前ま
たは後の投入番号が解れば、情報が喪失したIDプレート
についての投入番号が解る。そこで、操作者は自動機11
または全体盤40に設けられいるキーボード(図示略)か
ら当該投入番号を入力する。この投入番号はデータマネ
ージャー42に供給され、データマネージャー42は供給さ
れた投入番号に対応するID情報を検索する。そして、デ
ータマネージャー42は、検索されたID情報を全体盤40ま
たは自動機11に転送する。全体盤40または自動機11は、
ID情報が転送されると、表示部にその内容を表示する。
操作者はその表示を見ることによって失われた情報が何
であったかを知ることができ、この情報をハンディタイ
プの書込装置(図示略)に入力する。そして、この書込
装置を用いて当該IDプレート20に書込を行う。以上のよ
うにしてID情報の復旧がなされる。なお、IDプレートに
対して、後続する複数台分のID情報を記憶させる場合
は、データマネージャー42がこれら複数台分の情報を送
出すればよい。IDプレートに複数台分の情報を記憶させ
ると、各自動機11が後続する車両に対してどのような加
工をすればよいかが予め解るので、その準備を速めに行
うことができる。 また、データマネージャー42が記憶しているID情報が
何らかの原因で破壊された場合には、ファイルマネージ
ャー44や事務所端末45に記憶されているID情報を用いて
復旧処理を行うことができる。 次いで、前記自動機11の制御手段の構成を第1図を参
照して説明する。 すなわち制御手段Eは、生産ラインを流れる複数の被
加工物Aのそれぞれに設けられてこれと一体に移動する
とともに、該被加工物Aに施すべき処理の内容が記録さ
れた情報記憶手段B(IDプレート20)と、前記生産ライ
ン上の特定位置に存在する被加工物Aの情報記憶手段B
から情報を読取る読取り手段Cと、該読取り手段Cに読
取られた情報によって自動機Dを制御して前記特定位置
の被加工物Aに所定の処理を行わせるものであって、前
記情報記憶手段Bは、これが取り付けられたn番の被加
工物についての情報と、前記生産ライン上で前記n番の
被加工物Aに続くn+i番までの被加工物Aについての
情報とをそれぞれ記憶する複数の記憶領域から構成さ
れ、前記制御手段Eには、前記読取り手段Cによって読
取られたn番からn+i番までの情報をそれぞれ記憶す
るi個の記憶領域を有する読取りデータ記憶部Fと、前
記自動機Dに実行させるべきn−1番からn+i−1番
までのデータをそれぞれ記憶するi個の記憶領域を有す
る制御データ記憶部Gと、前記読取りデータ記憶部Fに
記憶された各情報の内少なくともn番の情報が、前記制
御データ記憶部Gに記憶されたn番の情報と一致するか
否かを判別する判別部Hと、該判別部Hによる一致の判
別を条件として前記制御データ記憶部Fに記憶されたn
−1番からn+i−1番までの情報を前記読取りデータ
記憶部の記憶されたn番からn+i番までの情報に更新
する書き換え制御部Iと、前記制御データ記憶部Gから
読み出された制御データによって前記自動機を制御する
自動機制御部Jとから構成されている。 上記制御手段Eが行う動作を第5図を参照して説明す
る。なお制御部が果す各機能には、第1図で用いたもの
と同一の符号を付す。 ステップSP1 n番目の自動車1の自動搬送台車24に取り付けられた
IDプレート20に書き込まれたn番目のデータからn+3
番目までのデータを読取り手段26が読取る。 ステップSP1′ 読み取られたIDプレートが取り付けられた自動搬送台
車24が空か否かを判断する。なお、空か否かの判断は、
IDプレートに書き込まれたその旨の表示の有無、動作要
因コードの不存在(空自動搬送台車から動作要因コード
を消去することとしている場合はこれに基づいて判断す
る)、あるいは、自動搬送台車上に被加工物が存在する
か否かを検知するセンサの検知信号に基づいて判断され
る。そして、空でない場合にはステップSP2へ、空の場
合には、ラインの進行に伴って空でない自動搬送台車が
送り込まれるのを待つべく前記ステップSP1へ戻る。 ステップSP2 読取られたデータCn〜Cn+1(i=3)を読取りデータ
記憶部F内の各記憶領域Fa〜Fdにそれぞれ書き込む。な
お空自動搬送台車がj個存在している場合には、前記デ
ータはCn〜Cn+i+jの区間となる。 ステップSP3 制御データ記憶部Gの記憶領域Gb内に記憶された動作
要因データCnと前記読取りデータ記憶部Fの記憶領域Fa
に記憶された動作要因データCnとを比較し(または単に
領域Gbと領域Faに記憶された番号データとを比較し)、
一致することを条件として次のステップSP4へ進む。一
致しない場合は来と判断して該自動機、あるいは、これ
に関連するシステム全体を停止させる。なおこのステッ
プにおいて、記憶領域GbとFaとの比較のみならず、記憶
領域GcとFb、および、GdとFcをそれぞれ比較し、すべて
一致したことを条件として次のステップへ進むようにし
てもよい。 ステップSP4 制御データ記憶部Gの各記憶領域Ga〜Gdに第7図に示
すようにそれぞれ記憶された動作要因データCn-1〜Cn+2
を、第8図に示すように、読取りデータ記憶部Fの各記
憶領域に記憶されていた動作要因データCn〜Cn+4にそれ
ぞれ更新する。 ステップSP5 更新された制御データ記憶部Gの記憶領域Gaに記憶さ
れた動作要因データCnを読み出し、前記読取りデータ記
憶部Fおよび制御データ記憶部Gと別個に設けられた動
作プログラム記憶部(図示略)から前記動作要因データ
Cnに対応する自動機の作業プログラムを読み出す。 ステップSP6 前記作業プログラムの内、いかなるステップまでがす
でに実行されたかを判断し、すでに実行されたプログラ
ムより後のプログラムを再生しながら自動機25に所定の
動作を行わせる。 ステップSP7 作業プログラム全体の動作が終了するのを待って次の
ステップへ進む。 ステップSP8 作業が終了したことを示すデータ、あるいは、作業時
間のデータなどの管理データを全体盤28へ供給するとと
もに、今回の被加工物1を次工程へ送り、かつ次回の被
加工物1を本工程へ受け入れるべく搬送手段を制御する
とともに、次回の被加工物1が送り込まれるのを待つ。 以上の処理によって1回の動作が終了し、前記ステッ
プSP1へ戻るが、前記ステップSP6において作業プログラ
ム全体の動作が終了したことを条件として、それ以降の
(あるいは次回のステップSP1以降の)処理を行いなが
ら、制御データ記憶部Gの記憶領域Gbに記憶された次回
の動作要因コードCn+1を読み出し、これに対応する次の
(n+1番の)被加工物についての作業プログラムか
ら、現実に被加工物が存在しなくても実行可能な動作、
例えば、動作要因コードCnにおける終了地点から動作要
因コードCn+1における開始地点までのロボットのアーム
の移動、あるいは、該工程において取り付けるべき部品
の供給などの動作を実行する。なお、さらに後続の被加
工物についての作業プログラムを読み出して部品供給な
どを行うようにしてもよいのはもちろんである。 そして、上記各ステップを実行することにより、n番
目の被加工物に対する処理の終了から、n+1番目の被
加工物からのデータの読取り開始までの期間にn+1番
目の被加工物に対する処理の一部を行わせることができ
る。 なお全体盤28に受け入れられた管理データはホスコン
ピュータ21へ供給され、生産ライン全体の管理情報とし
て利用される。 次いで、空自動搬送台車が存在している場合に行われ
るデータ書込処理、および、空自動搬送台車データ補正
処理の内容を説明する。 ◎データ書き込み処理 まず、ライン上の自動機より上流側の位置で空自動搬
送台車が存在するか否かを判別する。なお判別すべき位
置は、各IDプレートに書き込まれているデータの数(実
施例の場合i+1個分のデータが書き込まれている)に
応じて、処理を行うべくデータが読み取られようとして
いるi番までの(実施例の場合3個以上上流側の)位置
であることが必要とされる。 なお空自動搬送台車が存在しているかの判断は、ライ
ンを管理している作業者の目視確認に基づく判断、自動
搬送台車上の被加工物の有無を検知するセンサの検知デ
ータに基づく判断、さらには、自動搬送台車上から被加
工物を取り除いた旨の情報の伝達に基づく判断のいずれ
であってもよい。また第9図ないし第11図の符号P0は、
空自動搬送台車よりもi個下流側に位置する自動搬送台
車を示し、符号P1〜P4は、これに続く自動搬送台車(の
IDプレート)の番号を示している。 第9図に示す状態において、自動搬送台車P3上の被加
工物が抜き取られて第10図に示す状態となり、自動搬送
台車P3が空になっていると判断されると、この自動搬送
台車より下流側の自動搬送台車のIDプレートに記載され
たP0ないしP2のデータをハンディ式のデータ書き込み機
(図示略)によって第10図から第11図に示すように書き
替える。すなわち、P3より上流側の自動搬送台車P4から
4番目ないし6番目(空自動搬送台車より上流側の自動
搬送台車のIDプレート)の被加工物についてのデータを
読み取り、これらのデータを、自動搬送台車P0の4番目
の領域、自動搬送台車P1の3番目以降の領域、自動搬送
台車P2の2番目以降の領域にそれぞれ書き込む。なお空
自動搬送台車より上流側の被加工物についてのデータを
読み取る場合には、例えばハンディ式のデータ読み取り
機(図示略)を用いればよい。 そして、このように空自動搬送台車データの補正処理
を行った後、第5図のフローチャートにしたがって、各
IDプレートから読み出されたデータに基づく処理が行わ
れる。すなわち、空自動搬送台車でないことを条件とし
て、諸定位置に達した自動搬送台車のIDプレートからデ
ータを読み出し、このデータを読み取りデータ記憶部F
へ読み込むとともに、前回の処理に際して制御データ記
憶部Gに記憶されたデータと照合し、一致を条件として
読み取りデータを制御データに書き換え、新たな制御デ
ータに基づく処理が行われる。 さらに、前述のような空自動搬送台車P3の存在による
データの並べ換え(第11図に示すような並べ替え)に代
えて、この空自動搬送台車P3より上流側の各自動搬送台
車P0〜P2について、第12図に示すように、該当する位置
へその旨を示す「空」というデータ(空である旨を示す
データ)を書き込むようにしてもよく、この場合、第5
図のステップSP1′を省略して、この「空」というデー
タを通常の動作要因コードと同様に取り扱って、「空」
の場合には何等処理を行うことなく次の自動搬送台車を
送り込む如く制御手段Eに制御させることにより、空自
動搬送台車の有無にかかわらず同様の処理を行うことが
できる。 また上記の如く空自動搬送台車を表す「空」なるデー
タを用いることにより、空自動搬送台車を利用してライ
ン中に容易に新たな被加工物を挿入することができる。
すなわち、新たな被加工物を挿入しようとする場合に
は、前記「空」に代えて動作要因コード「3」を各IDプ
レートに書き込むとともに、制御手段Eの制御データ記
憶部Gの該当する領域に書き込まれている「空」を
「3」に書き換えるようにすればよい。 さらにまた、第13図に示すように空自動搬送台車が存
在しないライン中の3番の自動搬送台車P3と4番の自動
搬送台車P4との間に新たな被加工物を挿入しようとする
場合には、新たな被加工物についてのデータ0(ゼロ
番)を用い、当該被加工物が搭載された自動搬送台車P0
のIDプレートに当該0番からこれに続く4〜6番のデー
タを書き込んだものを第14図に示すように前記自動搬送
台車P3とP4との間に挿入するとともに、これより下流側
の3つの自動搬送台車P1〜P3のIDプレートのデータをハ
ンディ式の書き込み手段を用いてそれぞれ書き換える。
すなわち、各自動搬送台車P1〜P3のIDプレートにおける
4番のデータに代えて0番のデータを書き込み、それ以
降の領域に書き込まれたデータをそれぞれ1番ずつ下流
側のデータに書き換えれば良い。 以上の処理は、自動機の制御データ記憶手段Gに動作
要因データが記憶された範囲(現在処理中の被加工物よ
りi個下流側まで)よりさらに下流側への被加工物の挿
入に基づいて行われるから、このような挿入は自動機の
制御データ記憶手段G内のデータの書き換えを必要とせ
ず、単に、挿入すべき位置より下流側の3つの(IDプレ
ートに書き込まれたデータの個数より一つ少ない数の)
IDプレートのデータを書き換えるだけでよい。 なお、上記実施例ではIDプレートへのデータの書き込
みあるいは読み取りをハンディ式の装置により行うよう
にしたが、作業機より上流側のライン上に設けられた書
き込み機あるいは読み取り機によって上記処理を行うよ
うにしてもよいのはもちろんである。
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明は、被加工物と
ともに移動するIDプレートに当該被加工物についての情
報と、これに続く被加工物についての情報とを書き込む
ようにしたから、ある被加工物についての自動機の動作
が終了した時点で、まだIDプレートから情報を読取るこ
とが不可能な次の被加工物についての情報を得て、次の
被加工物に対する処理の準備を予め行うことができると
ともに、次の被加工物のIDプレートから読取られた情報
と照合することによって、誤った処理が行われることを
防止することができ、したがって、生産システムの無駄
時間を省くとともに、処理の信頼性を高めることができ
るという効果を奏する。 また、生産ラインから被加工物が取り出され、あるい
は、新たに挿入される場合、これらの処理を作業機に情
報が記憶される範囲より上流側で行うから、取り出しま
たは挿入による情報のずれを補正すべく所定範囲のIDプ
レートの特定領域を書き換えることにより、作業機の制
御手段に何等影響を与えることなく作業を続行させるこ
とができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示すもので、第1図は作業機
の制御手段の構成を示す機能ブロック図、第2図は生産
ラインの一部の配置図、第3図はIDプレートのメモリマ
ップ、第4図はシステムのブロック図、第5図はフロー
チャート、第6図は読取りデータ記憶部のメモリマッ
プ、第7図および第8図はそれぞれ制御データ記憶部の
更新前後のメモリマップ、第9図ないし第11図はそれぞ
れ抜き取り前、情報書き換え前、および、情報書き換え
後における情報書き込み状態の説明図、第第12図は空自
動搬送台車が存在している場合の情報書き換え後におけ
る情報書き込み状態の説明図、第13図および第14図はそ
れぞれライン中に新たな被加工物が挿入された場合の情
報書き換え前後における情報書き込み状態の説明図であ
る。 A……被加工物、B……情報記憶手段、C……読取り手
段、D……自動機、E……制御手段、F……読取りデー
タ記憶部、G……制御データ記憶部、H……判別部、I
……書き換え制御部、J……自動機制御部、1……被加
工物、20……IDプレート、23……書き込み手段、24……
自動搬送台車、25……自動機、26……読取り手段。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23Q 41/00 G05B 19/417 G05B 15/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生産ラインを流れる複数の被加工物と一体
    に移動する情報記憶手段の各々に当該被加工物およびこ
    れより上流側のi個目までに位置する被加工物に対して
    自動機に実行させるべき処理内容についての情報をそれ
    ぞれ記憶させる工程と、 前記被加工物の一つに設けられた情報記憶手段から情報
    を読取る工程と、 該情報記憶手段から読み取られた一つの被加工物につい
    ての情報と、これに先立って自動機に処理された他の被
    加工物の情報記憶手段から読み取られた前記一つの被加
    工物についての情報との一致を条件として、前記一つの
    被加工物について該当する情報に基づく処理を自動機に
    実行させる工程と、 からなる生産ラインの制御方法において、 前記自動機によって処理が行われる被加工物よりi個以
    上上流側で被加工物がラインから取り出された場合、取
    り出された被加工物より下流側のi個目までの被加工物
    の情報記憶手段に対して、それぞれの上流側に隣接する
    被加工物についての情報に書き換える工程と を実行することを特徴とする生産ラインの制御方法。
  2. 【請求項2】それぞれ被加工物が搭載されて生産ライン
    上を流れる複数の搬送手段と一体に移動する情報記憶手
    段の各々に、当該被加工物およびこれより上流側のi個
    目までに位置する搬送手段上の被加工物に対して自動機
    に実行させるべき処理内容についての情報を記憶させる
    工程と、 前記被加工物の一つに設けられた情報記憶手段から情報
    を読取る工程と、 該情報記憶手段から読み取られた一つの被加工物につい
    ての情報と、これに先立って自動機に処理される他の被
    加工物の情報記憶手段から読み取られた前記一つの被加
    工物についての情報との一致を条件として、前記一つの
    被加工物について該当する情報に基づく処理を自動機に
    実行させる工程と、 からなる生産ラインの制御方法において、 一つの搬送手段から被加工物が取り除かれた場合に、該
    一つの搬送手段に設けられた情報記憶手段、および、こ
    の搬送手段より下流側のi個目までの搬送手段に設けら
    れた情報記憶手段における、前記一つの搬送手段上の被
    加工物についての情報を記憶すべき領域に被加工物が存
    在しない旨の情報を記憶させる工程と、 前記一つの搬送手段への被加工物の搭載とともに前記存
    在しない旨の情報を当該被加工物についての情報に書き
    換える工程と、 を実行することを特徴とする生産ラインの制御方法。
  3. 【請求項3】生産ラインを流れる複数の被加工物と一体
    に移動する情報記憶手段の各々に当該被加工物およびこ
    れより上流側のi個目までに位置する被加工物に対して
    自動機に実行させるべき処理内容についての情報を記憶
    させる工程と、 前記被加工物の一つに設けられた情報記憶手段から情報
    を読取る工程と、 該情報記憶手段から読み取られた一つの被加工物につい
    ての情報と、これに先立って自動機に処理された他の被
    加工物の情報記憶手段から読み取られた前記一つの被加
    工物についての情報との一致を条件として、前記一つの
    被加工物について該当する情報に基づく処理を自動機に
    実行させる工程と、 からなる生産ラインの制御方法において、 前記自動機によって処理が行われる被加工物よりi個以
    上上流側へ離れた被加工物の下流側へ新たな被加工物を
    挿入する工程と、 挿入された新たな被加工物の情報記憶手段に当該被加工
    物およびこれより上流側のi個目までの被加工物につい
    ての情報を記憶させる工程と、 前記新たな被加工物より下流側のi個目までの被加工物
    の情報記憶手段における新たな被加工物に対応する記憶
    領域に前記新たな被加工物についての情報を書き込むと
    ともに、新たな被加工物より上流側の被加工物に対応す
    る記憶領域の情報をそれぞれの下流側に隣接する被加工
    物についての情報に更新する工程と、 からなることを特徴とする生産ラインの制御方法。
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