JP3022519U - マンホール用インバートブロック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 取扱いが容易で、低コストにマンホール底部
におけるインバート部を施工することができ、的確なイ
ンバート部施工を平易に形成し得るマンホール用インバ
ートブロックを提供する。 【構成】 下部部体１と上部部体２には相互に連結され
る流路部１１が上面中央部に形成され、前記下部部体お
よび上部部体の何れか一方または双方には相互に重合す
べき重合部分１ａが前記流路部の両側に対設され、それ
ら重合部分の端面若しくは該重合部分端面と対向した接
合端面間に上記両部体における流路部角度を変えて組付
けるための切欠部８を形成したマンホール用インバート
ブロックである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案はマンホール用インバートブロックの考案に係り、マンホール用インバ ートブロックとして取扱いが容易で、低コストにマンホール底部におけるインバ ート部を施工することができ、更には的確なインバート部施工を平易に形成し得 るブロックを提供しようとするものである。

【０００２】

【従来の技術】

下水本管における適当な距離間隔毎や分岐ないし交叉点若しくは始点の如きに マンホールが設置されていることは周知の如くであるが、このようなマンホール の底板上にインバート部が形成される。即ちこのマンホールの１例は図に示す如 くで、鉄蓋受枠１１、調製リング１８、斜壁部１７、直壁部１６、管取付壁部１ ５および底板部１４の如きより成り、管取付壁部１５には流入流出管路１０、１ ０が対設され、この流入流出管路部分に流路２の形成されたインバート部１を形 成することが行われて来た。

【０００３】 ところで上記したようなインバート部１は従来一般的に現場打ちコンクリート で粗成形し、これにモルタルを用いて表面仕上げすることが行われて来たが、近 時においては佐官職人等の技能労働者が不足していることから、このインバート 部をプレキャスト化することについてもそれなりの発表がなされている。即ちそ の１つは前記管取付壁部１５にインバート角度を５°毎の如きに採って流路部１ １を多様に形成した多種類の管取付壁部１５を準備し、夫々の施工現場の条件に 応じて適当な管取付壁部を採用することが発表されている。

【０００４】 また特開平３−２９３４３０においては、築造されたマンホールの上部開口部 から２分割されたインバートブロックを挿入してホール内で組み立てクレーンな どを用いて底板部上で所定の角度、高さに調整セットし、各インバートブロック 間の間隔にモルタルを注入して仕上げることが発表されている。

【０００５】 更に特開平５−１７１６７９においては上記したようなインバート部をその一 方の流入流出口と連結しインバート部の大部分を占める大きなブロックと他方の 流入流出口部分のみの小型なブロックの大小２個のブロックを相当の広い範囲で 可変し得るように組合わせ、その角度を自在に調整した夫々の現場における施工 条件に即応したインバート部を形成することが提案されている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

上記したような従来のインバートブロックを用いるものにおいてはそれなりの メリットが認められるとしても夫々になお相当の不利欠点を有している。即ちイ ンバート角度を５°毎の如きに採った多様な本体部を用いるものにおいては現場 におけるモルタル仕上げなどの作業を一切必要としないメリットがあるとしても 夫々の施工現場における障害物条件に対し微妙な角度の変更ができないので、各 施工現場の条件に適切に即応できない不利がある。

【０００７】 また特開平３−２９３４３０のものにおいては、プレキャスト部を基準として モルタル仕上げを行うことから特殊技能者である佐官職人は必要としないとして も、そのブロックをマンホールの中に入れるためにクレーン車のような重機を必 要とし、作業操作条件が困難で交通阻害原因となり、また狭いマンホール中での 作業となるので流入流出管との位置合わせが困難であり、更にブロック間の隙間 に充填するモルタル量が多くなるなどの欠点を有している。

【０００８】 なお特開平５−１７１６７９のものにおいては、小ブロックのレベルに調整機 構がないのでこのものの据付けに手間取り、一方大ブロックに対しては中心支持 部材によるレベル調整機構と回転ローラを用いた回転支持機構が設けられていて それらの調整操作が可能であるとしてもこれらの機構は据付時に１回しか使用さ れないものであるから、コスト高とならざるを得ず、このような製品としては無 駄が多い不利があり、更にはブロックの底面にもモルタルが充填されることとな るのでブロックの隙間に充填するモルタル量が多量となり、しかも密実な充填状 態を形成することが困難でこれらの点からもコスト的、工数的に不利とならざる を得ない。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記したような従来技術によるものの課題を解決することについて検 討を重ね、回転軸子および複数の水平度調整手段を配設したインバートブロック を採用することによりマンホール内での位置合わせないし据付けを著しく容易と すると共に充填モルタルの大幅縮減を図ってマンホール内での設定を著しく容易 且つ的確化することに成功したものであって、以下の如くである。

【００１０】 （１） マンホールの底板上にセットされるインバートブロックであって、下 部部体と上部部体より成り、それら両部体には相互に連結されるべき流路部が上 面中央部に形成され、しかも前記下部部体および上部部体の何れか一方または双 方には相互に重合すべき重合部分が前記流路部の両側に対設され、それら重合部 分の端面若しくは該重合部分端面と対向した接合端面間に上記両部体における流 路部角度を変えて組付けるための切欠部を形成したことを特徴とするマンホール 用インバートブロック。

【００１１】 （２） 下部部体と上部部体の接合端面部分に相互に嵌合する凸部と凹部とを 対設しそれら凸部と凹部の重合角度範囲を可変して相互に連結されるべき流路部 の角度を適宜に変更調節し得るようにしたことを特徴とする前記（１）項に記載 のマンホール用インバートブロック。

【００１２】 （３） 下部部体の一側上面側に部分切欠された段部が形成され、該段部に部 分切欠状態の上部部体がセットされるようにしたことを特徴とした前記（１）項 に記載のマンホール用インバートブッロク。

【００１３】 （４） 下部部体がインバートブロックをセットすべきマンホール部体と一体 構造部として形成され、該下部部体の一側に形成された受入段部に上部部体をセ ットするようにしたことを特徴とした前記（１）項に記載のマンホール用インバ ートブロック。

【００１４】 （５） 複数個の設定高さ調整用インサートを上部部体または下部部体の何れ か一方または双方に配設したことを特徴とする前記（１）〜（４）項の何れか１ つに記載のマンホール用インバートブロック。

【００１５】 （６） 上部部体または下部部体の何れか一方または双方のマンホール構成部 体内面に対する接合面にモルタルに対するシール材を装嵌するための溝部を形成 したことを特徴とする前記（１）〜（３）項の何れか１つに記載のマンホール用 インバートブロック。

【００１６】

【考案の実施の形態】

上記したような本考案によるものについて更に説明すると、本考案のものは例 えば図１に示すようなマンホールの底板１４上にセットされるインバートブロッ クであって、下部部体１と上部部体２より成り、それらの両部体１、２には相互 に連結されるべき流路部１１が夫々上面中央部に形成されている。

【００１７】 上記のような下部部体１および上部部体２にはその代表的構成として図２と図 ３に示すものにおいては相互に重合すべき重合部分１ａ、２ａが上下に対向して 中心部を横断するように設けられた流路部１１の両側に対設され、それらの重合 部分１ａ、２ａの端面間に両部体１、２の流路部１１、１１の角度を変えて組付 けるための切欠部１ｂまたは２ｂを対向して位置せしめ、それらの間に調節角度 βが採られるようになっている。即ち対向面１ｂ、２ｂは開閉可能な角度βを有 し、この角度βの範囲で調節されることにより流路部１１、１１の間で採られる 角度が適宜に変化する。

【００１８】 前記したような図２、図３のものに対して、図４のものにおいては下部部体１ ′がマンホールの上述したような底板１４上を完全状態でカバーするように設け られ、斯うした下部部体１′の一側に上部部体２の厚さに相当した高さと形態な いし面積を有する突部１″が段設されている。然して上部部体２′は下部部体１ ′の突部１″と対称的な形状をなし、即ち両部体１′、２′の中央部に流路部１ １、１１が設けられているが、このような流路１１、１１間においてその角度を 変えて組付けるための切欠部１ｂ、２ｂが対向して位置し、図２、３のものと同 様に流路部１１、１１の方向を適宜に選び得るように形成したものである。

【００１９】 更に本考案によるものは別に図５と図６に示すような構成を採用することがで きる。即ちこの図５と図６に示すものでは上記したような図２〜４に示したもの における下部部体１がマンホール構成部体である底板部１４または、および管取 付壁部１５と一体として形成されたもので、上部部体２のみが別体成形体として 採用されたものである。

【００２０】 つまりこの図５、６のものにおいては底板１４または管取付壁部１５と一体と して形成されたもので、下部部体１が既に設定された状態となり、この状態で他 方の上部部体２をセットするだけでインバートブロックの施工を完成することが できる。上部部体２における流路部１１が下部部体１の流路部１１に対する角度 は両部体１と２との間に採られている調整角度範囲（α）において適宜に得られ ることは図２〜図４に示したものと同様である。

【００２１】 なお本考案によるものにおいては上記したような図２〜図６に示したように上 述した上部部体２、２′および下部部体１、１′の何れか一方または双方に穴部 ６内に別に図７として示すように位置した水平度調整子４を有する高さ調整用イ ンサート９が３個またはそれ以上配設されていて底板１４上または下部部体１上 における設定高さを調節し水平度ないし流路部１１、１１における流動勾配を適 切に調整決定し得るように成っている。

【００２２】 また図４に示すように少くともマンホール底板１４上に設定される下部部体１ においてはその重心位置またはその近傍に半球状突部のような軸部３を突設する ことによって限られたマンホール内において相当の重量部体である下部部体１、 １′などの取扱いを容易とし適切な取付け状態を平易に構成し得るように成って いる。下部部体１、１ａの側面には切欠部８を形成してマンホールの出入用ステ ップ１９に阻害されることなくマンホール内に設定し得るようにされている。

【００２３】 更に本考案によるものにおいては、例えば図２〜図４に示すように下部部体１ 、１ａおよび上部部体２、２ａの円周面にシール材設定溝５を形成してスポンジ やウレタンなどの発泡樹脂質条材などのシール材を装嵌しモルタルなどが充填さ れた場合に下部部体１、１ａの下面側に進入することを阻止し、モルタル装填量 を少とし、その作業性を良好ならしめるように成っている。

【００２４】 然して上記したように構成されている本考案のものは、マンホールの底板上に セットされるインバートブロックであって、下部部体と上部部体より成り、それ ら両部体には相互に連結されるべき流路部が上面中央部に形成され、しかも前記 下部部体および上部部体の何れか一方または双方には相互に重合すべき重合部分 が前記流路部の両側に対設され、それら重合部分の端面若しくは該重合部分端面 と対向した接合端面間に上記両部体における流路部角度を変えて組付けるための 切欠を形成したことによりこの種マンホール用インバートブロックのマンホール 内における取扱いを容易ならしめ、低コスト且つ平易にインバート部の施工を行 わしめる。

【００２５】 下部部体と上部部体の接合端面部分に相互に嵌合する凸部と凹部とを対設しそ れら凸部と凹部の重合角度範囲を可変して相互に連結されるべき流路部の角度を 適宜に変更調節し得るようにしたことにより何れか一方の部体に対する調整操作 でマンホールに対する配管連結状態に適宜に即応した流路部の角度を簡易に形成 せしめ、また前記した各部体の上面側における凹部内モルタル充填によってイン サートブロックを固定化し的確な施工を得しめる。

【００２６】 下部部体の一側上面側に部分切欠された段部が形成され、該段部に部分切欠状 態の上部部体がセットされるようにしたことによって充分に小型化された上部部 体における調整設定操作で夫々のマンホールにおける管路配設条件に即応したイ ンサートブロックの流路構成を簡易に得しめる。

【００２７】 下部部体がインバートブロックをセットすべきマンホール部体と一体構造部と して形成され、該下部部体の一側に形成された受入段部に上部部体をセットする ようにしたことによってマンホール部体の設定によってインサート部体の大半を セットし、小型な上部部体ないしこれに関連した限定範囲内の施工で適切なイン サート部を簡易に形成せしめる。

【００２８】 複数個の設定高さ調整用インサートを上部部体または下部部体の何れか一方ま たは双方に配設したことにより各部体における水平度ないし勾配を適宜且つ高精 度に得しめて的確な設備を容易に得しめる。

【００２９】 上部部体または下部部体の何れか一方または双方のマンホール構成部体内面に 対する接合面にモルタルに対するシール材を装嵌するための溝部を形成したこと によりモルタルシール材を装嵌保持せしめてモルタルがそれより内部に進入する ことを阻止しモルタルの充填施工を容易且つ的確化する。

【００３０】

【考案の効果】

以上説明したような本考案によるときはマンホール底面部分におけるインバー ト施工を容易且つ的確化せしめ、それぞれのマンホール設定条件に対し的確に即 応し、合致したマンホール内インバート部を平易且つ低コストで、しかも高精度 に提供し得るものであるから工業的にその効果の大きい考案というべきである。

【図面の簡単な説明】

【図１】マンホールの全般的な構成関係についての１例
を示した部分切欠斜面部である。

【図２】本考案によるインバートブロックの１例を示し
た斜面図である。

【図３】その側面図である。

【図４】本考案におけるもう１つの構成を示した分解状
態の斜面図である。

【図５】本考案における更に別の構成を示したマンホー
ル内設置状態の平面図である。

【図６】その断面図である。

【図７】穴部部分の奥部に設けられた高さ調整インサー
トおよび水平度調整子部分の拡大断面図である。

【符号の説明】

１ 下部部体 １ａ 重合部分 １ｂ 対向面 ２ 上部部体 ２ａ 重合部分 ２ｂ 対向面 ３ 旋回軸部 ４ 水平度調整子 ５ シール材設定溝 ６ 穴部 ８ 切欠部 ９ 高さ調整インサート部材 １０ 管路部体 １１ 流路部 １３ 鉄蓋受枠 １４ 底板部 １５ 管取付壁部（本体部） １６ 直壁部 １７ 斜壁部 １８ 調製リング １９ 出入用ステップ ２０ 鉄蓋

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 マンホールの底板上にセットされるイン
   バートブロックであって、下部部体と上部部体より成
   り、それら両部体には相互に連結されるべき流路部が上
   面中央部に形成され、しかも前記下部部体および上部部
   体の何れか一方または双方には相互に重合すべき重合部
   分が前記流路部の両側に対設され、それら重合部分の端
   面若しくは該重合部分端面と対向した接合端面間に上記
   両部体における流路部角度を変えて組付けるための切欠
   部を形成したことを特徴とするマンホール用インバート
   ブロック。
2. 【請求項２】 下部部体と上部部体の接合端面部分に相
   互に嵌合する凸部と凹部とを対設しそれら凸部と凹部の
   重合角度範囲を可変して相互に連結されるべき流路部の
   角度を適宜に変更調節し得るようにしたことを特徴とす
   る請求項１に記載のマンホール用インバートブロック。
3. 【請求項３】 下部部体の一側上面側に部分切欠された
   段部が形成され、該段部に部分切欠状態の上部部体がセ
   ットされるようにしたことを特徴とした請求項１に記載
   のマンホール用インバートブッロク。
4. 【請求項４】 下部部体がインバートブロックをセット
   すべきマンホール部体と一体構造部として形成され、該
   下部部体の一側に形成された受入段部に上部部体をセッ
   トするようにしたことを特徴とした請求項１に記載のマ
   ンホール用インバートブロック。
5. 【請求項５】 複数個の設定高さ調整用インサートを上
   部部体または下部部体の何れか一方または双方に配設し
   たことを特徴とする請求項１〜４の何れか１つに記載の
   マンホール用インバートブロック。
6. 【請求項６】 上部部体または下部部体の何れか一方ま
   たは双方のマンホール構成部体内面に対する接合面にモ
   ルタルに対するシール材を装嵌するための溝部を形成し
   たことを特徴とする請求項１〜３の何れか１つに記載の
   マンホール用インバートブロック。