JP3022141B2 - 対向液圧成形装置および対向液圧成形装置の圧力制御方法 - Google Patents

対向液圧成形装置および対向液圧成形装置の圧力制御方法

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JP3022141B2
JP3022141B2 JP6054267A JP5426794A JP3022141B2 JP 3022141 B2 JP3022141 B2 JP 3022141B2 JP 6054267 A JP6054267 A JP 6054267A JP 5426794 A JP5426794 A JP 5426794A JP 3022141 B2 JP3022141 B2 JP 3022141B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複雑な形状を少ない工
程で深絞りプレス加工可能な複動式の対向液圧成形装置
および対向液圧成形装置の圧力制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の複動式の対向液圧成形装置は、図
4に示すように、フレーム41のベッド部に設けたピス
トン部材42に、液圧室43を形成する可動筒体44が
スライド自在に外嵌され、可動筒体44上にダイ45が
設置されている。ダイ45上に配置されるブランク材W
は、フレーム41のクラウン部に設けられたブランクホ
ルダー装置により、保持部材46を介して押圧保持さ
れ、プレス用シリンダ装置によりプレス軸47を介して
プレス用ポンチ48が設けられている。また、ベッド部
には、付勢用ロッド49およびタイロッド50を介して
可動筒体44を引き下げることにより、液圧室42の液
圧およびダイ45の浮上力を制御する付勢用シリンダ装
置51が設けられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来構成におい
て、成形ストロークと液圧の関係は、図5に実線で示す
ように、プレス用ポンチ48により成形を開始すると同
時に液圧が上昇する。ところで、たとえば図6に示すよ
うな複雑な形状のオイルパンW′深絞り加工を対向液
圧プレスにより成形する場合、最初から高い対向液圧を
付加すると、逆張出現象生じて、その影響でコーナー
部が肉余り状態となり、製品の段部にしわが生じるとい
う問題があった。これを解決するためには、図5に破線
で示すように、初期成形時の対向液圧をP1程度に低く
制御する必要がある。
【0004】上記従来構成の対向液圧成形装置では、 ・ブランクホルダー装置による保持力:H ・付勢用シリンダ装置51によるダイ45の引下げ力:
S ・プレス用ポンチ48による絞り抵抗:FR ・液圧室43の液圧:P ・ダイ45の浮上力:Q ・ダイ45の液圧の受圧面積:ADとすると、 ダイ45の浮上力:Q=AD・P=H+FR+F ∴ 液圧室43の液圧:P=(H+FR+FS)/AD
となり、式によれば、液圧Pを制御するためには、ダ
イ45の引下げ力FSを制御する必要がある。
【0005】式によれば、初期形成時の液圧Pを低く
するためには、引下げ力FSを負の値(−)とし、液圧
Pを昇圧するには引下げ力FSを正の値(+)とする必
要がある。この時、方向制御弁により付勢用シリンダ装
置51への油圧の供給を切り換えると、一時的にしわ押
さえが緩み、ブランク材Wのコーナー部に皺が発生する
恐れがある。このため、これを回避するには、付勢用シ
リンダ装置51への油圧の切替えを緩やかに行う制御装
置が必要となり、全体の制御が複雑となるという問題が
あった。
【0006】本発明は、上記問題点を解決して、初期成
形時の液圧室の液圧を低くできるとともに、液圧が低い
場合でもダイを浮上させることができ、液圧室の液圧の
制御を容易に行える対向液圧成形装置および対向液圧成
形装置の圧力制御方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明の対向液圧成形装置は、フレームの一端側に
ピストン部材を固定して設けるとともに、このピストン
部材にスライド自在に外嵌して液圧室を形成する可動筒
体を設け、この可動筒体上にダイを配置し、フレームの
他端側に、ダイ上に配置したブランク材の周囲を押圧し
て保持するブランクホルダー装置を設けるとともに、プ
レス軸を介してプレス用ポンチをダイ側に駆動しブラン
ク材を液圧室内に突出させて成形するプレス用シリンダ
装置を設けた複動式の対向液圧成形装置において、前記
液圧室に形成した係止部に当接して成形時に可動筒体に
負荷される荷重を支持可能なダイ押上ピストンを成形方
向に移動自在に配置し、フレームの一端側に、前記ダイ
押上ピストンを成形方向に沿って駆動するダイ押上シリ
ンダ装置を設けるとともに、前記可動筒体に連結されて
ダイの浮上力を制御可能な付勢用シリンダ装置を設け、
前記液圧室と、前記係止部およびダイ押上ピストンを介
してダイを反成形方向に付勢するダイ押上シリンダ装置
の収縮室およびダイを成形方向に付勢する前記付勢用シ
リンダ装置の収縮室とを、昇圧用切換弁を介して接続す
る昇圧用油圧管を設け、前記プレス用シリンダ装置のプ
レス軸を成形方向に駆動する圧縮室と、ダイ押上シリン
ダ装置で係止部およびダイ押上ピストンを介してダイを
反成形方向に付勢する進展室とを接続し、前記プレス用
シリンダ装置の圧縮室の受圧面積を、前記ダイ押上シリ
ンダ装置の進展室の受圧面積より僅かに小さく設定した
ものである。
【0008】また、対向液圧成形装置の圧力制御方法
は、上記構成の対向液圧成形装置を使用して絞り成形す
るに際し、ダイ押上ピストンが係止部に当接した状態
で、ダイ押上シリンダ装置の進展室とプレス用シリンダ
装置の圧縮室に油圧を供給し、プレス用シリンダ装置を
進展してプレス用ポンチによりブランク材を液圧室内に
突出させるとともに、液体の加圧による可動筒体の反成
形方向への移動にダイ押上ピストンを追従させて、可動
筒体に負荷された絞り荷重をダイ押上シリンダ装置によ
り支持させ、これにより液圧室の液圧を低く抑制し、所
定位置で昇圧用切換弁を切り換えて、液圧室の液圧を昇
圧用油圧管を介してダイ押上シリンダ装置の収縮室およ
び付勢用シリンダ装置の収縮室に供給し、これにより、
付勢用シリンダ装置によりダイの成形方向の付勢力を減
少させるとともに、ダイ押上シリンダ装置によるダイ押
上ピストンの成形方向の付勢力を減少させ、さらにダイ
押上シリンダ装置の進展室とプレス用シリンダ装置の圧
縮室とを連通して、ダイ押上シリンダ装置の進展室の受
圧面積とプレス用シリンダ装置の圧縮室の受圧面積との
差により液圧室の液圧を上昇させ、液圧室の液圧がダイ
押上シリンダ装置によるダイ押上ピストンの押上力を越
えることにより、プレス用ポンチの加圧力をすべて液圧
室の液体に負荷しさらに液圧を上昇させるものである。
【0009】
【作用】上記構成において、初期形成時には、プレス用
ポンチにより可動筒体に負荷される絞り荷重を、ダイ押
上ピストンを介してダイ押上シリンダ装置により支持さ
せる場合、たとえばブランクホルダー装置によるしわ押
さえ力と付勢用シリンダ装置の押上力とを等しく設定
し、さらにプレス用シリンダ装置とダイ押上シリンダ装
置に同じ駆動液圧を負荷した場合に、プレス用シリンダ
装置のピストン受圧面積より、ダイ押上シリンダ装置の
ピストン受圧面積を僅かに小さく設定することにより、
液圧の上昇値を低く抑制することができる。
【0010】また、成形時の付勢用シリンダ装置および
ダイ押上シリンダ装置の制御は、昇圧用切換弁を切り換
えるだけの簡単な制御で、液圧室の液圧が収縮室に供給
されることにより、付勢用シリンダ装置およびダイ押上
シリンダ装置のダイ押上力は液圧室の液圧の上昇と共に
減少するため、液圧室の上昇が可能となる。したがっ
て、従来のように付勢用シリンダ装置を負圧から正圧に
変化させること無く、低い初期成形圧から鋼板の高い成
形圧までスムーズに上昇させるように制御できるので、
コーナー部にしわの発生を未然に防止することができ
る。
【0011】
【実施例】以下、本発明に係る対向液圧成形装置の一実
施例を図1に基づいて説明する。この複動式の対向液圧
装置は、液圧室2内に設けたダイ押上ピストン7aによ
り、初期成形時の絞り荷重を支持して液圧を低く保持す
るとともに、ダイ6の浮上を可能とし、さらに成形後半
時には、液圧室2の液圧を付勢用シリンダ装置8の収縮
室とダイ押上シリンダ装置7bの収縮室に導入して、液
圧室を加圧できるものである。
【0012】すなわち、フレーム1のベッド部1aに
は、ピストン部材3が立設固定され、このピストン部材
3に液圧室2を形成する可動筒体4がスライド自在に外
嵌されている。この可動筒体4内には、上端部から順
に、プレス用ポンチ9が突入される小径孔部4aと、浮
上液圧を受ける上段部4bを介して形成された中径孔部
4cと、下段部(係止部)4dを介して形成されてピス
トン部材3にスライド自在に外嵌する大径孔部4eが同
一軸心上に形成されている。そして、中径孔部4bにス
ライド自在に嵌合されて絞り成形により発生する金属滓
などの混入を防止するための分離ピストン5が配置さ
れ、この分離ピストン5の上部に、液体たとえば水を収
容する上液圧室2aが形成されるとともに、分離ピスト
ン5の下部に液体たとえば油を収容する下液圧室2bが
形成されている。そして、可動筒体4上にはブランク材
Wを支持するダイ6が配置されている。
【0013】また、前記大径孔部4eには、下段部4d
に当接して絞り荷重を支持するダイ押上ピストン7aが
昇降自在に配置されており、ベッド部1aに固定された
ダイ押上シリンダ装置7bのピストン部7cに駆動され
るロッド7dが、ピストン部材3に形成された孔部3a
にシール材を介して嵌入されてダイ押上ピストン7aに
連結され、このダイ押上シリンダ装置7bとダイ押上ピ
ストン7aとでダイ押上装置7が構成されている。な
お、ダイ押上ピストン7aには複数の連通孔7eが形成
され、ダイ押上ピストン7aが下段部4dに当接した荷
重位置でも下液圧室2bが分離されることはない。
【0014】さらに、ベッド部1aには、ピストンロッ
ド8aが可動筒体4に連結されてダイ6の浮上力を制御
するための複数の付勢用シリンダ装置8が配置されてい
る。一方、フレーム1のクラウン部1bには、プレス軸
10を介してプレス用ポンチ9を昇降自在に支持するプ
レス用シリンダ装置11が配置されるとともに、ブラン
ク材Wの周縁をホールドシリンダ12aにより保持部材
12bを介して押圧保持するブランクホルダー装置12
が設けられている。
【0015】13A,13Bは、プレス駆動油圧ポンプ
14により発生された油圧をプレス用切換弁15を介し
てプレス用油圧をプレス用シリンダ装置11に供給する
一対のプレス用油圧管で、プレス用シリンダ装置11の
圧縮室11aに接続されるプレス用油圧管13Aには、
下液圧室2bに連通されて第1切換弁(昇圧用切換弁)
31が介在された第1油圧管21と、付勢用シリンダ装
置8の進展室8bに連通された第2油圧管22と、ダイ
押上シリンダ装置7bの進展室7fに連通されて第2切
換弁32が介在された第3油圧管23とが接続されてい
る。また、プレス用シリンダ装置11の収縮室11bに
接続されるプレス用油圧管13Bには、付勢用シリンダ
装置8の収縮室8cに連通された第4油圧管24および
ダイ押上シリンダ装置7bの収縮室7gに連通された第
5油圧管25に、第3切換弁(昇圧用切換弁)33を介
して接続された第6油圧管26が接続されている。さら
に、第1切換弁31と第3切換弁33の間には、下液圧
室2b側の第1油圧管21と、第4油圧管24および第
5油圧管25とを接続する第7油圧管(昇圧用油圧管)
27が接続され、下液圧室2bの油圧を付勢用シリンダ
装置8の収縮室8cとダイ押上シリンダ装置7bの収縮
室7gに供給可能に構成されている。さらにまた、ダイ
押上シリンダ装置7bの進展室7fに接続された第3油
圧管23には、進展室7fにのみ流入を許す逆止弁34
が介在され、第2切換弁32をB位置とすることによ
り、進展室7fとプレス用油圧管13Aとを接続して進
展室7fに油圧を供給することができるとともに、進展
室7fの油圧をプレス用油圧管13Aの供給油圧以上に
保持することができる。
【0016】上記構成における成形手順を説明する。 (1)ブランク材Wをダイ6上にセットする。 (2)ブランクホルダー装置12のホールドシリンダ1
2aを進展して保持部材12bによりブランク材Wの周
囲を押圧しダイ6上に保持する。 (3)プレス用切換弁15をB位置からA位置に切り換
えてプレス駆動油圧ポンプ14の油圧をプレス用シリン
ダ装置11の圧縮室11aとダイ押上シリンダ装置7b
の進展室7fに供給し、プレス用ポンチ9を下降してブ
ランク材Wに当接させる。
【0017】(4)プレス用ポンチ9をさらに駆動して
ブランク材Wの成形を開始し、プレス用ポンチ9がブラ
ンク材Wと共に上液圧室2a内に突入されと、上液圧室
2aが加圧されるとともに、分離ピストン5を介して下
液圧室2bが加圧され、液圧が上昇される。この時、ダ
イ押上ピストン7aは下段部4dに当接された位置にあ
り、プレス用シリンダ装置11の圧縮室11a(ダイ押
上シリンダ装置7bの進展室7fも同じ)の液圧が液圧
室2の液圧より低い場合には、ダイ押上ピストン7aが
下段部4dに当接されて、ダイ押上ピストン7aによ
り、プレス用ポンチ9によるブランク材Wの絞り抵抗分
の負荷を支持することができるので、プレス用ポンチ9
により加圧された液圧分は、ダイ6の浮上により吸収さ
れて、液圧室2内の対向液圧を低く抑制することができ
る。またこの形成初期工程は図3に示すように、成形開
始位置W位置から中間点Xの間で継続される。ここで、 ・プレス用ポンチ9による加圧力:F0 〔プレス用シリンダ装置11の圧縮室11aのピストン
受圧面積:A0、プレス用油圧(ダイ押上シリンダ装置
7bの駆動圧兼用):q〕 ・プレス用ポンチ9による絞り荷重:FR ・液圧室2の発生液圧:P ・発生液圧Pによる付加荷重:FP ・プレス用ポンチ9によるブランク材Wの押込断面積:
2とすると、初期形成時において、FP=A2・Pであ
るから、 F0=A0・q=FR+FP=FR+A2・P… さらに、 ・ブランクホルダー装置12によるしわ押さえ力:H1 ・付勢用シリンダ装置8による押上力:H2 ・ダイ6の浮上力:Q ・ダイ押上シリンダ装置7bによる押上力:F1とする
と、 H1+FR=H2+Q+F1… ここで、ダイ6の浮上力Qは、 Q≒(A3−A2)・P… A3 :可動筒体4の大径孔部4eの断面積 ダイ押上シリンダ装置7bによる押上力F1 は、 F1=A1・q−A4・P… ・A1:ダイ押上シリンダ装置7bの進展室7fの受圧面積 ・A4:ダイ押上シリンダ装置7bのロッド部7dの断面積 したがって、式および式を式に代入すると、 H1+FR≒H2+(A3−A2)・P+A1・q−A4・P
…となる。
【0018】次に式に、式の変形式であるq=(A
2・P+FR)/A0を代入することにより、 P=〔H1−H2+FR(1−A1/A0)〕/〔A3−A4−A2(1−A1/A0 )〕… となる。したがって、この式から、ブランクホルダー
装置12によるしわ押さえ力 1 と付勢用シリンダ装置
8による押上力H2とを等しくし(H1=H2)、さらに
ダイ押上シリンダ装置7bの進展室7fの受圧面積A1
をプレス用シリンダ装置11の圧縮室11aのピストン
受圧面積A2で除した値を1よりやや小さく設定する
(A1/A0≒1)ことにより、 P=FR(1−A1/A0)/(A3−A4−A2+A2・A1
/A0)≒0、しかし、A1/A0<1であるので、若干
の圧力は発生し、発生液圧を低くすることができる。
【0019】またこの時、 ・ダイ6の浮上量:δ2(=δ3:ダイ押上ピストン7a
と等しい) ・プレス用ポンチ9の移動量:δ1 ・液体の圧縮量:ΔVとすると、液体の移動量から A2(δ1+δ2)=(A3−A4)δ2+ΔV ∴δ2=(A2・δ1−ΔV)/(A3−A2−A4) ΔVは極めて小さいため、 δ2≒=A2・δ1/(A3−A2−A4)となる。
【0020】この時、ブランクホルダー装置12のしわ
押さえ圧の制御および付勢用シリンダ装置8による制御
は行われないが、付勢シリンダ装置8の進展室8bおよ
びホールドシリンダ12aの押圧室は、第2油圧管22
および油圧管16によりプレス用油圧管13Aおよびプ
レス用切換弁15を介してプレス駆動油圧ポンプ14に
接続されているため、ダイ6の浮上力にδ2に応じてホ
ールドシリンダ12aのピストンは上昇し、付勢シリン
ダ装置8のピストン8aは上昇する。これが可能となる
のは、式でH1=H2、FR≒F1、Qは0に近い正の値
であるため、ダイ6の上昇が可能となる。
【0021】(5)ついで、X位置になると、第3切換
弁33をA位置からB位置に切り換えることにより、下
液圧室2bの油圧が第1油圧管21からB位置の第1切
換弁31および第7油圧管27を介して第3切換弁33
に送られ、第3切換弁33から第4油圧管24を介して
付勢用シリンダ装置8の収縮室8cに導入されるととも
に、第3切換弁33から第5油圧管25を介してダイ押
上シリンダ装置7bの収縮室7gに送られる。
【0022】したがって、H1+FR=H2′+Q+F1
ここで、 H2′=H2−A3・P(A5は付勢用シリンダ装置8のピ
ストン断面積) F1′=A1・q−A4・P−(A1−A4)・P=A1(q
−P) 付勢用シリンダ装置8による押上力H2 とダイ押上シリ
ンダ装置7bによる押上力F1 が減少するため、 H1+FR≒H2′+(A3−A2)・P+A1・q−A4
P…式のダイ6の浮上力Qが上昇(即ち液圧室2の液
圧が上昇)する。
【0023】この時、ダイ押上シリンダ装置7bの進展
室7fの受圧面積A1とプレス用シリンダ装置11の圧
縮室11aのピストン受圧面積A0とが等しいと、圧力
上昇が起こらないので、1よりやや小さく設定する(A
1/A0≒1)ことにより加圧することができる。ここ
で、 H1+FR=H2−P・A5+Q=H2−P・A5+(A3−A2)P A5 :付勢用シリンダ装置8の収縮室8cの受圧面積(総和) ∴P=(H1−H2+FR)/(A3−A2−A5) H1≒H2であるから、 P=FR/(A3−A2−A5)となる。つぎにダイ6の浮
上量δ2は、 A2(δ1 +δ2)=A3・δ2−A4・δ3−(A1 −A4)δ3+ΔV δ2=(A2・δ1 +A1 ・δ3−ΔV)/(A3
2)ΔVは極めて小さく、またP>qとなると、ダイ
押上ピストン7aの上昇が停止するため、A1・δ3=0
となると、 δ2≒ A2・δ1/(A3−A2) このように、ダイ押上ピストン7aの上昇が停止する
と、図3に示すように、ダイ押上ピストン7aの上昇停
止点Y地点から成形が完了するZ位置まで液圧室2の液
圧が急激に加圧され、対向液圧Pが上昇される。
【0024】また、ブランクホルダー装置12のしわ押
さえ圧および付勢用シリンダ装置8の付勢圧は、同一の
配管系すなわちプレス用油圧管13Aに接続されている
ため、ダイ6の浮上力に対応して伸縮される。 (6)成形が終了すると、プレス用切換弁15をA位置
からC位置に切り換え、第2切換弁32をB位置からA
位置に切り換えることにより、油圧をプレス用シリンダ
装置11の収縮室11bに供給してプレス用ポンチ9を
上昇するとともに、ダイ押上シリンダ装置7bの収縮室
7gに油圧を供給する。この時、第3切換弁33をB位
置からA位置に切り換えることにより、ダイ押上シリン
ダ装置7bの収縮室7gに油圧を供給する。この時、付
勢用シリンダ装置8の進展室8bとダイ押上シリンダ装
7b進展室7fの油圧をプレス用油圧管13Aに排
出する。これにより、ダイ押上シリンダ装置7bのピス
トン部7cおよびロッド7dを介してダイ押上ピストン
7aを下降させるとともに、付勢用シリンダ装置8のピ
ストンロッド8aを収縮させる。
【0025】上記実施例によれば、形成初期に液圧室2
内において、プレス用ポンチ9による加圧力のうち、絞
り抵抗に対する加圧分をダイ押上ピストン7aを介して
ダイ押上シリンダ装置7bにより支持して、液圧室2内
の液圧を低く制御し、次いで、第3切換弁33を切り換
えることにより、下液圧室2bの油圧を第1切換弁31
および第7油圧管27を介して付勢用シリンダ装置8の
収縮室8cおよびダイ押上シリンダ装置7bの収縮室7
gに導入することにより、付勢用シリンダ装置8による
ダイ6の引下げ力およびダイ押上シリンダ装置7bによ
る押上力を減少させて、液圧室2内の液圧を上昇させ
る。さらに、液圧室の液圧Pがプレス用油圧qより大き
くなると、ダイ押上ピストン7aの上昇が停止し、可動
筒体4はダイ押上ピストン7aから離れて上昇し、さら
に液圧室2の液圧が昇圧される。
【0026】したがって、付勢用シリンダ装置8の圧力
制御は、形成初期にはその押上力とブランクホルダー装
置12のしわ押さえ力と等しくし、次いで液圧室2の発
生液圧を収縮室8cに導入するだけでよく、簡単な制御
で初期成形圧が低い適正な制御をすることができ、コー
ナー部のしわの発生を防止することができる。
【0027】
【発明の効果】以上に述べたごとく本発明によれば、初
期成形時に、プレス用ポンチにより可動筒体に負荷され
る絞り荷重を、ダイ押上ピストンを介してダイ押上シリ
ンダ装置により支持させることにより、液圧の上昇値を
低く抑制することができるので、成形時の付勢用シリン
ダ装置の制御は、ブランクホルダー装置によるブランク
材の保持圧と等しくし、昇圧用切換弁の切り換えによ
り、液圧室の液圧が収縮室に供給されることにより、付
勢用シリンダ装置のダイ引下げ力を低く制御されるだけ
で、簡単な制御ですむ。
【0028】したがって、従来のように付勢用シリンダ
装置を負圧から正圧に変化させること無く、初期形成圧
を低く制御できるので、コーナー部にしわの発生を未然
に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る対向液圧成形装置の一実施例を示
す初期形成時の構成図である。
【図2】同対向液圧成形装置の成形完了状態を示す構成
図である。
【図3】同対向液圧成形装置のプレス用ポンチのストロ
ークと対向液圧の関係を示すグラフである。
【図4】従来の対向液圧成形装置を示す構成図である。
【図5】従来の対向液圧成形装置によるポンチのストロ
ークと対向液圧の関係を示すグラフである。
【図6】(a),(b)は対向液圧成形装置による製品
例を示すオイルパンの平面図および側面図である。
【符号の説明】
W ブランク材 1 フレーム 1a ベッド部 1b クラウン部 2 液圧室 2a 上液圧室 2b 下液圧室 3 ピストン部材 3a 孔部 4 可動筒体 4a 小径孔部 4b 上段部 4c 中径孔部 4d 下段部 4e 大径孔部 5 分離ピストン 6 ダイ 7 ダイ押上装置 7a ダイ押上ピストン 7b ダイ押上シリンダ装置 7c ピストン部 7d ロッド 7e 連通孔 7f 進展室 7g 収縮室 8 付勢用シリンダ装置 8b 進展室 8c 収縮室 9 プレス用ポンチ 11 プレス用シリンダ装置 11a 圧縮室 11b 収縮室 12 ブランクホルダー装置 12a ホールドシリンダ 12b 保持部材 13A プレス用油圧管 13B プレス用油圧管 14 プレス駆動油圧ポンプ 15 プレス用切換弁 21 第1油圧管 22 第2油圧管 23 第3油圧管 24 第4油圧管 25 第5油圧管 26 第6油圧管 27 第7油圧管(昇圧用油圧管) 31 第1切換弁(昇圧用切換弁) 32 第2切換弁 33 第3切換弁(昇圧用切換弁) 34 逆止弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21D 22/20 B30B 15/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フレーム(1)の一端側にピストン部材(3)を
    固定して設けるとともに、このピストン部材(3)にスラ
    イド自在に外嵌して液圧室(2)を形成する可動筒体(4)を
    設け、この可動筒体(4)上にダイ(6)を配置し、フレーム
    (1)の他端側に、ダイ(6)上に配置したブランク材(W)の
    周囲を押圧して保持するブランクホルダー装置(12)を設
    けるとともに、プレス軸(10)を介してプレス用ポンチ
    (9)をダイ(6)側に駆動しブランク材(W)を液圧室(2)内に
    突出させて成形するプレス用シリンダ装置(11)を設けた
    複動式の対向液圧成形装置において、 前記液圧室(2)に形成した係止部(4d)に当接して成形時
    に可動筒体(4)に負荷される荷重を支持可能なダイ押上
    ピストン(7a)を成形方向に移動自在に配置し、 フレーム(1)の一端側に、前記ダイ押上ピストン(7a)を
    成形方向に沿って駆動するダイ押上シリンダ装置(7b)を
    設けるとともに、前記可動筒体(4)に連結されてダイ(6)
    の浮上力を制御可能な付勢用シリンダ装置(8)を設け、 前記液圧室(2)と、前記係止部(4d)およびダイ押上ピス
    トン(7a)を介してダイ(6)を反成形方向に付勢するダイ
    押上シリンダ装置(7b)の収縮室(7g)およびダイ(6)を成
    形方向に付勢する前記付勢用シリンダ装置(8)の収縮室
    (8c)とを、昇圧用切換弁(31)を介して接続する昇圧用油
    圧管(27)を設け、 前記プレス用シリンダ装置(11)のプレス軸(10)を成形方
    向に駆動する圧縮室(11a)と、ダイ押上シリンダ装置(7
    b)で係止部(4d)およびダイ押上ピストン(7a)を介してダ
    イ(6)を反成形方向に付勢する進展室(7f)とを接続し、 前記プレス用シリンダ装置(11)の圧縮室(11a)の受圧面
    積を、前記ダイ押上シリンダ装置(7b)の進展室(7f)の受
    圧面積より僅かに小さく設定したことを特徴とする対向
    液圧成形装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の対向液圧成形装置を使用し
    て絞り成形するに際し、 ダイ押上ピストン(7a)が係止部(4d)に当接した状態で、
    ダイ押上シリンダ装置(7b)の進展室(7f)とプレス用シリ
    ンダ装置(11)の圧縮室(11a)に油圧を供給し、 プレス用シリンダ装置(11)を進展してプレス用ポンチ
    (9)によりブランク材(W)を液圧室(2)内に突出させると
    ともに、液体の加圧による可動筒体(4)の反成形方向へ
    の移動にダイ押上ピストン(7a)を追従させて、可動筒体
    (4)に負荷された絞り荷重をダイ押上シリンダ装置(7b)
    により支持させ、これにより液圧室(2)の液圧を低く抑
    制し、 所定位置で昇圧用切換弁(31)を切り換えて、液圧室(2)
    の液圧を昇圧用油圧管(27)を介してダイ押上シリンダ装
    置(7b)の収縮室(7g)および付勢用シリンダ装置(8)の収
    縮室(8c)に供給し、これにより、付勢用シリンダ装置
    (8)によりダイ(6)の成形方向の付勢力を減少させるとと
    もに、ダイ押上シリンダ装置(7b)によるダイ押上ピスト
    ン(7a)の成形方向の付勢力を減少させ、さらにダイ押上
    シリンダ装置(7b)の進展室(7f)とプレス用シリンダ装置
    (11)の圧縮室(11a)とを連通して、ダイ押上シリンダ装
    置(7b)の進展室(7f)の受圧面積とプレス用シリンダ装置
    (11)の圧縮室(11a)の受圧面積との差により液圧室(2)の
    液圧を上昇させ、 液圧室(2)の液圧がダイ押上シリンダ装置(7b)によるダ
    イ押上ピストン(7a)の押上力を越えることにより、プ
    ス用ポンチ(9)の加圧力をすべて液圧室(2)の液体に負荷
    しさらに液圧を上昇させることを特徴とする対向液圧成
    形装置の圧力制御方法。
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